JP7315626B2 - 電装品配置構造 - Google Patents

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Description

本発明は、電装品配置構造に関する。
従来、鞍乗型車両において、車両の動力源であるエンジンと、エンジンの回転を利用して発電する発電機と、エンジンを制御するFI-ECUと、発電機を制御するACG-ECUと、各種ハーネスが接続されるバッテリと、を備えた構造が知られている(例えば、特許文献1参照)。バッテリとACG-ECUとを接続するハーネスの中途部には、ヒューズ及びスイッチング素子が設けられている。
特開2020-100348号公報
ところで、車両等の機器の電動化が進む近年においては、上記のようにFI-ECUとACG-ECUとを機能分割させて搭載する等、電装品配置構造の多様化が進んでいる。しかし、電装品を効率よく配置することについては、依然として改良の余地があった。
本発明は、電装品を効率よく配置することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明の態様は以下の構成を有する。
(1)本発明の態様に係る電装品配置構造は、車両(1)のメインフレーム(22)と、前記車両(1)の制御装置(71)と、バッテリ(70)と、車両側面視で前記バッテリ(70)と並んで配置されたヒューズボックス(76)と、前記バッテリ(70)及び前記ヒューズボックス(76)に接続されるハーネス(80)と、を備え、前記メインフレーム(22)は、車両前後方向に延びる第1パイプ部(22a)と、前記第1パイプ部22aの後端から下方に湾曲して延びる第2パイプ部(22b)と、を備え、前記バッテリ(70)は、前記第2パイプ部(22b)の車両側方側に設けられ、車両前方より、前記制御装置(71)、前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)の順で配置され、前記ハーネス(80)は、車両側面視で前記バッテリ(70)と前記ヒューズボックス(76)との間を通って延びており、前記制御装置(71)は、前記車両(1)の駆動装置(11)の駆動により発電する発電機(13)を制御する発電制御ユニット(71)であり、前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)及び前記発電制御ユニット(71)は、車幅方向の片側に配置され、前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)及び前記発電制御ユニット(71)は、車両前面視で互いに重なっており、前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)及び前記発電制御ユニット(71)は、車両側面視で互いに同様の傾斜で前傾して配置されている
)上記()に記載の電装品配置構造では、前記バッテリ(70)及び前記発電制御ユニット(71)は、同一のステー(90)に固定されていてもよい。
)上記()に記載の電装品配置構造では、前記ヒューズボックス(76)は、前記ステー(90)に固定されていてもよい。
)上記()又は()に記載の電装品配置構造では、前記駆動装置(11)を制御する駆動制御ユニット(72)を更に備え、前記駆動制御ユニット(72)は、前記ステー(90)に固定されていてもよい。
)上記()に記載の電装品配置構造では、前記バッテリ(70)、前記発電制御ユニット(71)及び前記駆動制御ユニット(72)は、車幅方向の片側に配置されていてもよい。
)上記()又は()に記載の電装品配置構造では、前記バッテリ(70)、前記発電制御ユニット(71)及び前記駆動制御ユニット(72)は、車両前面視で互いに重なっていてもよい。
)上記()から()の何れか一項に記載の電装品配置構造では、前記ハーネス(80)は、前記発電制御ユニット(71)及び前記駆動制御ユニット(72)にも接続されていてもよい。
本発明の上記(1)に記載の電装品配置構造によれば、車両のメインフレームと、車両の制御装置と、バッテリと、車両側面視でバッテリと並んで配置されたヒューズボックスと、バッテリ及びヒューズボックスに接続されるハーネスと、を備え、メインフレームは、車両前後方向に延びる第1パイプ部と、第1パイプ部の後端から下方に湾曲して延びる第2パイプ部と、を備え、バッテリは、第2パイプ部の車両側方側に設けられ、車両前方より、制御装置、バッテリ、ヒューズボックスの順で配置され、ハーネスは、車両側面視でバッテリとヒューズボックスとの間を通って延びていることで、以下の効果を奏する。
この構成によれば、車両側面視でバッテリ及びヒューズボックスが互いに並んで配置されることで、車両側面視でバッテリ及びヒューズボックスを互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができる。加えて、バッテリ及びヒューズボックスに接続されるハーネスが車両側面視でバッテリとヒューズボックスとの間を通って延びていることで、バッテリとヒューズボックスとの間のデッドスペースを利用してハーネスをコンパクトに配置することができる。したがって、バッテリ、ヒューズボックス及びハーネスを含む電装品を効率よく配置することができる。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、制御装置は、車両の駆動装置の駆動により発電する発電機を制御する発電制御ユニットであり、バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットは、車幅方向の片側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットが車幅方向の片側に集約されるため、バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットを互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができる。したがって、バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットを含む電装品を効率よく配置することができる。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットは、車両前面視で互いに重なっていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットが車幅方向の片側に集約され且つ車両前面視で互いに重なるため、バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットの組付け性が向上する。加えて、バッテリ、ヒューズボックス及び発電制御ユニットを互いに接続しやすく且つコンパクトに配置する上で更に好適である。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、バッテリ及び発電制御ユニットは、同一のステーに固定されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ及び発電制御ユニットが互いに異なるステーに固定されている場合と比較して、バッテリ及び発電制御ユニットを互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができるため、バッテリ及び発電制御ユニットを含む電装品を効率よく配置することができる。加えて、バッテリ及び発電制御ユニットをコンパクトに配置することにより、バッテリと発電制御ユニットとの間に配置されるハーネスの長さを短くすることができるため、低コスト化に寄与する。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、ヒューズボックスは、ステーに固定されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ及び発電制御ユニットが固定されているステーにヒューズボックスも固定されるため、バッテリ、発電制御ユニット及びヒューズボックスを含む電装品を効率よく配置することができる。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、駆動装置を制御する駆動制御ユニットを更に備え、駆動制御ユニットは、ステーに固定されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ及び発電制御ユニットが固定されているステーに駆動制御ユニットも固定されるため、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットを含む電装品を効率よく配置することができる。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットは、車幅方向の片側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットが車幅方向の片側に集約されるため、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットを互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができる。したがって、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットを含む電装品を効率よく配置することができる。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットは、車両前面視で互いに重なっていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットが車幅方向の片側に集約され且つ車両前面視で互いに重なるため、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットの組付け性が向上する。加えて、バッテリ、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットを互いに接続しやすく且つコンパクトに配置する上で更に好適である。
本発明の上記()に記載の電装品配置構造によれば、ハーネスは、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットにも接続されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ及びヒューズボックスに接続されるハーネスが発電制御ユニット及び駆動制御ユニットにも接続されるため、発電制御ユニット及び駆動制御ユニットを含む電装品を互いに接続しやすく効率よく配置することができる。
実施形態に係る自動二輪車の左側面図である。 実施形態に係る自動二輪車の上面図である。 実施形態に係る電装品配置構造の上面図である。 実施形態に係る電装品配置構造の右側面図である。 図4においてハーネスを外した状態を示す図である。 実施形態に係るステーの右側面図である。 実施形態に係るステーを右上方から見た斜視図である。 実施形態に係るステーを右下方から見た斜視図である。 実施形態に係るステーを右前方から見た斜視図である。 実施形態に係るステーを右後方から見た斜視図である。 実施形態に係る電装品配置構造のブロック図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明における前後左右等の向きは、特に記載が無ければ以下に説明する車両における向きと同一とする。また以下の説明に用いる図中適所には、車両前方を示す矢印FR、車両左方を示す矢印LH、車両上方を示す矢印UP、および車両左右中心位置を示す車体左右中心線CLが示されている。
<車両全体>
図1は、鞍乗型車両の一例としての自動二輪車1を示す。図1を参照し、自動二輪車1は、バータイプのハンドル2によって操向される前輪3(操向輪)と、エンジン11(駆動装置)を含むパワーユニット10によって駆動される後輪4(駆動輪)と、を備える。以下、自動二輪車を単に「車両」ということがある。
ハンドル2及び前輪3を含むステアリング系部品は、車体フレーム20前端側のヘッドパイプ21に操向可能に支持されている。ヘッドパイプ21には、ハンドル2に接続された不図示のハンドル操向軸が挿通されている。
車体フレーム20(フレーム)は、車両の骨格である。例えば、車体フレーム20は、複数種の鋼材を溶接等により一体に結合して形成されている。車体フレーム20は、ヘッドパイプ21、メインフレーム22、ダウンフレーム23、ピボットプレート24、シートレール25及びサブフレーム26を備える。
ヘッドパイプ21は、不図示のハンドル操向軸が挿通可能な筒状に形成されている。ヘッドパイプ21は、車両側面視で、ヘッドパイプ21の上端が後方に位置し、かつ、ヘッドパイプ21の下端が前方に位置するように傾斜している。
メインフレーム22は、ヘッドパイプ21とピボットプレート24とを連結する。メインフレーム22は、車両側面視で一本のパイプをL字状に湾曲させた形状を有する。メインフレーム22は、車両側面視で、ヘッドパイプ21から斜め後下方に延びる第1パイプ部22aと、第1パイプ部22aの後端から下方に湾曲して延びる第2パイプ部22bと、を備える。
ダウンフレーム23は、車両側面視で、ヘッドパイプ21上のメインフレーム22との連結部の下方位置からメインフレーム22よりも急傾斜で斜め後下方に延びている。ダウンフレーム23は、車両側面視で、ヘッドパイプ21から下方に向かうに従ってメインフレーム22の第1パイプ部22aに対して徐々に遠ざかっている。
ピボットプレート24は、メインフレーム22の後下部から下方に延びるように左右一対設けられている。左右ピボットプレート24は、車両側面視で、メインフレーム22の第2パイプ部22bの下端から下方に湾曲して延びている。左右ピボットプレート24の下端部同士は、車幅方向に延びるクロスパイプ(不図示)によって連結されている。
シートレール25は、メインフレーム22の後上部から後方に延びるように左右一対設けられている。左右シートレール25は、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aの後部から後方に延びている。シートレール25は、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aの後部から後方に延びる第1レール部25a(前後延在部)と、第1レール部25aの後端から後上方に延びる第2レール部25bと、を備える。図2に示すように、第1レール部25aは、上面視で前端が車幅方向内方に位置し且つ後端が車幅方向外方に位置するように傾斜している。第2レール部25bは、上面視で第1レール部25aの後端から後方に延びている。
図1に示すように、サブフレーム26は、ピボットプレート24の上下中央近傍から後上方に延びるように左右一対設けられている。サブフレーム26は、ピボットプレート24とシートレール25の後部とを連結する。サブフレーム26は、車両側面視で、サブフレーム26の前端が下方に位置し、かつ、サブフレーム26の後端が上方に位置するように傾斜している。
図2において、符号28は左右シートレール25の第1レール25a同士を連結するように車幅方向に延びる第1クロスメンバ、符号29は左右シートレール25の第2レール25b同士を連結するように車幅方向に延びる第2クロスメンバをそれぞれ示す。
図1に示すように、エンジン11は、メインフレーム22の下方かつダウンフレーム23の後方に配置されている。エンジン11は、車両の動力源である。エンジン11は、車幅方向に延在するクランクシャフト15を備える。例えば、エンジン11は、単気筒エンジンである。エンジン11は、クランクシャフト15を収容するクランクケース16と、クランクケース16の上部から斜め前上方に起立するシリンダ17と、を備える。シリンダ17は、クランクケース16の上部に一体に結合されている。
変速機12は、クランクケース16の後部に設けられている。クランクケース16の後部は、クラッチ及びトランスミッションを収容する変速機ケースを兼ねている。変速機12は、エンジン11の動力を外部に取り出すための図示しない出力軸を備える。
発電機13は、エンジン11の回転(駆動)を利用して発電する。発電機13は、クランクシャフト15の車幅方向外端部(具体的には左端部)に連結されている。クランクケース16の左側部には、発電機13を車幅方向外方から覆うケースカバー18が結合されている。例えば、発電機13は、ACG(AC Generator:交流発電機)を使ってエンジン11を始動する回転電機、いわゆるACGスタータモータである。図示はしないが、発電機13は、ケースカバー18に固定されたステータと、クランクシャフト15に設けられたアウターロータと、を備える。
パワーユニット10は、車体フレーム20の前後中央部に配置されている。パワーユニット10の前部は、エンジンハンガ35を介してダウンフレーム23に支持されている。パワーユニット10の後部は、左右ピボットプレート24に支持されている。左右ピボットプレート24には、スイングアーム36の前端部が揺動可能に支持されている。スイングアーム36の後部には、後輪4の車軸が支持されている。変速機12の出力軸と後輪4の車軸とは、不図示のドライブチェーン等を含む動力伝達機構(例えば、チェーン式伝動機構)を介して連結されている。スイングアーム36の後部と、車体フレーム20の後部との間には、リアサスペンション37が介装されている。
シリンダ17の上方には、燃料タンク7が配置されている。燃料タンク7は、メインフレーム22を上方から覆うように設けられている。燃料タンク7の後方のシートレール25上には、乗員が着座するためのシート8が配置されている。シート8は、前後方向に延びている。シート8の前部は、燃料タンク7の後部上面に支持されている。
メインフレーム22の後方には、エンジン11に供給される空気(外気)を浄化するエアクリーナ40が配置されている。エアクリーナ40は、車両側面視で、シートレール25、メインフレーム22の第2パイプ部22b、サブフレーム26によって囲まれる領域に配置されている。
シリンダ17の上部(後部)には、エンジン11にエアクリーナ40を通して空気を供給するための吸気配管41が接続されている。吸気配管41は、シリンダ17からエアクリーナ40に向けて後方に延びている。吸気配管41の中途部には、スロットルバルブを内装するスロットルボディ42が介装されている。
シリンダ17の上部(前部)には、エンジン11の排気を排出するための排気管43が接続されている。排気管43の下流端(後端)には、マフラ(不図示)が接続されている。
図1において、符号5は前輪3を支持する左右一対のフロントフォーク、符号6は左右フロントフォーク5の間において前輪3上部を後上方から覆うフロントフェンダ、符号9は燃料タンク7の前部側面を覆う左右一対のシュラウド、符号39はサイドカバー(カバー部材)をそれぞれ示す。
<電装品配置構造>
図2に示すように、自動二輪車1は、エンジン11を制御するFI(Fuel injection;燃料噴射)-ECU72(Electronic Control Unit;電子制御ユニット)と、発電機13を制御するACG-ECU71(制御装置)と、を更に備える。
FI-ECU72(駆動制御ユニット)は、乗員の操作に応じてイグニッションスイッチから出力される始動要求および停止要求の信号によって、エンジン11の始動および停止を制御する。
ACG-ECU71(発電制御ユニット)は、発電機13の発電動作を制御し、発電機13の発電量を任意に変更する。ACG-ECU71は、FI-ECU72と別個に設けられている。
発電機13は、車両左側に配置されている。FI-ECU72及びACG-ECU71は、車両右側に配置されている。本実施形態では、FI-ECU72、ACG-ECU71、バッテリ70及びヒューズボックス76は、車両右側(車幅方向の片側)に配置されている。図4に示すように、FI-ECU72、ACG-ECU71、バッテリ70及びヒューズボックス76は、ステー90を介して車体フレーム20の右側に固定されている。バッテリ70は、メインフレーム22の第2パイプ部22bの右側(車両側方側)に設けられている。
<ステー>
ステー90は、バッテリ70を収納するバッテリボックスとして機能する。ステー90は、バッテリ70を収納可能に車両右側(車幅方向外側)に開口するボックス本体91と、ボックス本体91の上部から前方に延びる前方延出部92と、前方延出部92の前後方向中央近傍から下方に延びる下方延出部93と、ボックス本体91の前側に設けられた本体前側延出部94と、ボックス本体91の後側に設けられた本体後側延出部95と、を備える。ボックス本体91、前方延出部92、本体前側延出部94及び本体後側延出部95は、同一の部材で一体に形成されている。
図5に示すように、ボックス本体91は、車両側面視で、メインフレーム22の第2パイプ部22bと重なる位置に配置されている。ボックス本体91は、車両側面視で、メインフレーム22の第2パイプ部22bを前後方向に跨ぐように設けられている。ボックス本体91は、車両側面視で、バッテリ70の外形に沿う箱状に形成されている。
図6に示すように、ボックス本体91は、バッテリ70(図5参照)の車幅方向内側面に面する本体壁部91aと、本体壁部91aの上部から右側方に延びてバッテリ70の上方に配置される側方延出部91b~91dと、本体壁部91aの下部から右側方に延びてバッテリ70を下方から支持する本体底部91eと、を備える。
本体壁部91aは、車両側面視で、バッテリ70の外形に沿う矩形状に形成されている。
側方延出部91b~91dは、前後方向に間隔をあけて複数(例えば本実施形態では3つ)配置されている。図7に示すように、3つの側方延出部91b~91dのうち前後方向において外側の2つの側方延出部91b,91dは、真ん中の側方延出部91cよりも右側方に長く延びている。
図6に示すように、本体底部91eは、車両側面視で、本体壁部91aの後側下部から前下方に延びた後に前上方に屈曲して延びるL字状に形成されている。本体底部91eの前後方向中央近傍には、後下方に突出する取付ボス91fが設けられている。例えば、取付ボス91fには、ナットが鋳込まれている。
図5に示すように、前方延出部92は、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aと重なる位置に配置されている。前方延出部92は、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aと第2パイプ部22bとの接続部(湾曲部)と重なる位置から第1パイプ部22aの下部に沿って前上方に延びている。前方延出部92の前端部は、車両側面視で、メインフレーム22とダウンフレームとに連結されたガセット27と重なる位置に配置されている。
前方延出部92は、ステー90を車体フレーム20に連結する連結部として機能するとともに、車両右側に種々の電装品を保持する電装品保持部として機能する。例えば、種々の電装品としては、レギュレータ等の充電系部品、点火コイル等の点火系部品、スタータリレー等の始動系部品、各種カプラ、ハーネス、ヒューズ等の配線部品、等が挙げられる。
前方延出部92は、ボルトを挿通可能に車幅方向に開口する複数(例えば本実施形態では2つ)の貫通孔92aを有する。複数の貫通孔92aは、車両側面視で、メインフレーム22の第1パイプ部22aの下端縁と重なるように前後方向に間隔をあけて配置されている。例えば、メインフレーム22の第1パイプ部22aには、ボルトが螺合可能なナットを有するブラケット(不図示)が設けられている。例えば、前方延出部92の貫通孔92aを通じて右側方からボルトをブラケットのナットに螺合することにより、ステー90の前方延出部92をメインフレーム22に固定することができる。
前方延出部92の前端側には、ハーネス等を係合可能に右側方に突出する前側係合部92bが設けられている。前側係合部92bは、車両側面視で、ガセット27の後縁部近傍と重なる位置に配置されている。
前方延出部92の後端側には、ハーネス等を係合可能に右側方に突出する後側係合部92cが設けられている。後側係合部92cは、車両側面視で、シートレール25の第1レール部25aと重なる位置に配置されている。
下方延出部93は、車両側面視で、ACG-ECU71よりも前後方向に長い板状に形成されている。図6に示すように、下方延出部93には、右側方に膨出する複数(例えば本実施形態では2つ)の取付ボス93a,93bが設けられている。2つの取付ボス93a,93bは、前後方向に間隔をあけて配置されている。取付ボス93a,93bは、車両側面視で、ACG-ECU71の接続部111,112(図5参照)の外形に沿う矩形状に形成されている。例えば、各取付ボス93a,93b(前取付ボス93a及び後取付ボス93b)には、ナットが鋳込まれている。ナットは、FI-ECU72の取付用のボルトが右側方から螺合可能に部分的に露出している。
図5に示すように、ACG-ECU71は、下方延出部93の右側面に固定されている。ACG-ECU71は、車両側面視で、車両上下方向に近い傾斜で前傾して配置された矩形状のACG-ECU本体110と、ACG-ECU本体110の前部に設けられ且つボルトの雄ねじ部を挿通可能な挿通孔を有する前接続部111と、ACG-ECU本体110の後部に設けられ且つボルトの雄ねじ部を挿通可能な挿通孔を有する後接続部112と、ACG-ECU本体110の上部に設けられ且つ前上方に開口する上カプラ部113と、ACG-ECU本体110の下部に設けられ且つ後下方に開口する下カプラ部114と、を備える。
例えば、ACG-ECU71の前接続部111及び後接続部112の各挿通孔に右側方から各ボルトを通し、各取付ボス93a,93b(図6参照)のナットに螺合する。これにより、ACG-ECU71の前接続部111及び後接続部112を、ステー90における下方延出部93の前取付ボス93a及び後取付ボス93bにそれぞれ固定することができる。
図9に示すように、本体前側延出部94は、車両前方から見て上下方向に長手を有する矩形状に形成されている。本体前側延出部94は、車両前方から見てボックス本体91の本体底部91eと重なる位置に配置されている。本体前側延出部94は、ボックス本体91の本体底部91eの前部と繋がっている。本体前側延出部94は、本体底部91eの右端部よりも車幅方向内側に配置されている。本体前側延出部94は、本体底部91eの前側上端よりも上方に延び且つ本体底部91eの前側下端よりも下方に延びている。
本体前側延出部94には、前方に突出する複数(例えば本実施形態では2つ)の前方突出爪94a,94bが設けられている。2つの前方突出爪94a,94bは、上下方向に間隔をあけて配置されている。図5に示すように、前方突出爪94a,94bは、車両側面視で、FI-ECU72の傾斜に沿うように延びている。上下一対の前方突出爪94a,94bは、車両側面視で互いに平行に配置されている。
FI-ECU72は、上下一対の前方突出爪94a,94bを介して本体前側延出部94の前面に固定されている。FI-ECU72は、車両側面視で、車両上下方向に近い傾斜で前傾して配置された矩形状のFI-ECU本体120と、FI-ECU本体120の上部に設けられ且つ前方突出爪94aを挿通可能な挿通孔を有する上接続部121と、FI-ECU本体120の下部に設けられ且つ前方突出爪94bを挿通可能な挿通孔を有する下接続部122と、FI-ECU本体120の右側部に設けられ且つ右側方に開口するカプラ部123と、を備える。
例えば、上接続部121及び下接続部122は、FI-ECU72を弾性的に保持可能にゴム等の弾性部材により形成されている。例えば、上接続部121及び下接続部122の各挿通孔に各前方突出爪94a,94bを挿通することで、FI-ECU72がステー90における本体前側延出部94の前面にラバーマウントされる。
本体後側延出部95は、車両側面視でメインフレーム22の第2パイプ部22bよりも後方に配置されている。図7に示すように、本体後側延出部95は、ボックス本体91の後部から後方に延びた後に右側方に延びている。本体後側延出部95は、ボックス本体91の本体底部91eの右端部よりも右側方に延びている。
図10に示すように、本体後側延出部95には、後方に突出する複数(例えば本実施形態では4つ)の後方突出爪95aが設けられている。4つの後方突出爪95aは、車幅方向に間隔をあけて配置されている。各後方突出爪95aは、本体後側延出部95の後面下部に設けられている。図5に示すように、本体後側延出部95の後面は、車両側面視で、ヒューズボックス76の傾斜に沿うように延びている。
ヒューズボックス76は、各種のヒューズを着脱可能に装着するとともに外部から遮蔽可能に収容する。なお、ヒューズボックス76は、ヒューズ以外にも、例えばスタータリレー等の関連部品を収容してもよい。スタータリレー等の関連部品は、ヒューズボックス76の本体外側に装着可能としてもよい。
ヒューズボックス76は、車両側面視で、車両上下方向に近い傾斜で前傾して配置された箱型形状を有する。ヒューズボックス76の前面には、本体後側延出部95の後方突出爪95aに係合可能な被係合部76aが設けられている。例えば、ヒューズボックス76の被係合部76aを本体後側延出部95の後面に沿って下方に移動させることで、本体後側延出部95の後方突出爪95aがヒューズボックス76の被係合部76aに係合する。これにより、ヒューズボックス76をステー90の本体後側延出部95に固定することができる。
<エンジンの始動制御等>
図2に示すように、例えば、エンジン11の始動は、エンジン停止中でメインスイッチのオン時、スタータスイッチを押下することでなされる。スタータスイッチの押下により、ACG-ECU71は、エンジン11に設けられた発電機13をスタータモータとして駆動させる。すなわち、ステータのコイルの通電を制御し、ロータとともにクランクシャフト15を回転駆動させる。このとき、FI-ECU72は、点火装置および燃料噴射装置といったエンジン補機100(図11参照)を作動させる。これら両ECU71,72の協働により、エンジン11の始動がなされる。
エンジン11の始動時(発電機13の駆動時)、ACG-ECU71は、発電機13をスタータモータとして機能させるように制御する。このとき、バッテリ70からの電力は、モータドライバに供給され、直流から三相交流に変換される。バッテリ70からの電力は、三相交流に変換された後に発電機13に供給される。
エンジン11の始動後、エンジン11の運転時(発電機13の発電時)には、ACG-ECU71は、発電機13を発電機として機能させるように制御する。FI-ECU72は、スロットル開度等に応じて点火時期および燃料噴射量等を制御し、エンジン11の運転を制御する。発電機13の発電電力は、ACG-ECU71の整流回路等を経て、車載電源であるバッテリ70に蓄電される。バッテリ70に蓄電された電力は、エンジン補機100及びその他の補機類130(灯火器等の一般電装部品、及び制御ユニット等の制御系部品、図11参照)に供給される。
<制御回路>
図11に示すように、自動二輪車1は、車載電源であるバッテリ70と、発電機13の発電および駆動を制御するACG-ECU71と、エンジン11の燃料噴射および点火等を制御するFI-ECU72と、メインスイッチ73と、スタータリレー74と、電装系部品同士を電気的に接続する複数のハーネス80A~80Nと、を備える。
バッテリ70は、発電機13の発電電力を蓄電する。
メインスイッチ73は、第1ヒューズ75Aを介してバッテリ70のプラス端子に接続されている。
ACG-ECU71およびFI-ECU72は、第2ヒューズ75Bを介してメインスイッチ73に接続されている。
メインスイッチ73のオンにより、ACG-ECU71及びFI-ECU72にバッテリ70から給電される。また、FI-ECU72に接続されたエンジン補機100にもバッテリ70から給電される。
ACG-ECU71には、スタータリレー74及び発電機13が接続されている。ACG-ECU71は、整流回路79を含む。整流回路79は、発電機13をバッテリ70の電力により回転駆動する際に三相インバータとして機能する。整流回路79は、発電機13が発電した三相誘導起電力によりバッテリ70を充電する際にAC-DCコンバータとして機能する。
FI-ECU72には、エンジン補機100が接続されている。例えば、エンジン補機100には、燃料噴射装置(インジェクタ)101、点火コイル102、スロットルボディのソレノイドバルブ103、及び燃料ポンプ104等が含まれる。エンジン補機100には、第2ヒューズ75B及びメインスイッチ73を介して、バッテリ70から電力が供給される。
スタータリレー74は、電磁コイル74a、常閉接点74b及び常開接点74cを有するトランスファリレーである。常閉接点74bは、メインスイッチ73及び第1ヒューズ75Aを介してバッテリ70のプラス端子に接続されている。常開接点74cは、スイッチを介さずにバッテリ70のプラス端子に常時接続されている。
スタータリレー74は、メインスイッチ73がオンにされた状態で、常閉接点74bを閉状態にするとともに常開接点74cを開状態とする。これにより、ACG-ECU71からスタータリレー74、メインスイッチ73および第1ヒューズ75Aを介してバッテリ70のプラス端子に至る発電ラインが形成される。ACG-ECU71は、前記発電ラインを通じて、発電機13が発電した電力をバッテリ70に供給する。
スタータリレー74の電磁コイル74aには、予め定めた条件で、ACG-ECU71から励磁信号が供給される。このとき、スタータリレー74は、常閉接点74bを開状態にするとともに常開接点74cを閉状態とする。これにより、バッテリ70のプラス端子からスタータリレー74を介してACG-ECU71に至る電動ラインが形成される。ACG-ECU71は、前記電動ラインを通じて供給されたバッテリ70の電力を、整流回路79で交流に変換して発電機13に供給する。これにより、発電機13をスタータモータ等として駆動させる。
図中符号75Cは、第1ヒューズ75Aと並列に配置された第3ヒューズを示す。第3ヒューズ75Cは、メインスイッチ73を介さずバッテリ70と補機類130とを直接繋ぐ給電線に設けられている。
図中符号75Dは、第2ヒューズ75Bと並列に配置された第4ヒューズを示す。第4ヒューズ75Dは、第1ヒューズ75A及びメインスイッチ73を介してバッテリ70と補機類130とを繋ぐ給電線に設けられている。
上記の各ヒューズ75A~75D及びスタータリレー74は、ヒューズボックス76(図5参照)に設けられている。
ハーネス80Aは、ACG-ECU71と発電機13との間に配置されている。ハーネス80Aは、ACG-ECU71と発電機13とを電気的に接続する。ハーネス80Aは、電力線および信号線を含んでいる。
ハーネス80Bは、ACG-ECU71とスタータリレー74との間に配置されている。ハーネス80Bは、ACG-ECU71とスタータリレー74とを電気的に接続する。ハーネス80Bは、上述した発電ライン及び電動ラインの一部を形成する。
ハーネス80Cは、スタータリレー74の常開接点74cとバッテリ70との間に配置されている。ハーネス80Cは、スタータリレー74とバッテリ70とを電気的に接続する。ハーネス80Cは、ハーネス80Bとともに上述した電動ラインを形成する。
ハーネス80Dは、バッテリ70と第1ヒューズ75Aとの間、及びバッテリ70と第3ヒューズ75Cとの間に配置されている。ハーネス80Dは、バッテリ70と各ヒューズ75A,75Cとを電気的に接続する。
ハーネス80Eは、ACG-ECU71とバッテリ70のマイナス端子との間に配置されている。ハーネス80Eは、ACG-ECU71とバッテリ70とを電気的に接続する。ハーネス80Eは、ACG-ECU71のアース線を形成する。
ハーネス80Fの一端は、バッテリ70のマイナス端子に接続される。ハーネス80Fの他端は、接地される。ハーネス80Fは、バッテリ70のアース線を形成する。
上記した各ハーネス80A~80Fは、導体の太さが予め定めた所定太さ(例えば2.0SQ)以上とされる。
ハーネス80G,80Hは、ACG-ECU71とスタータリレー74の電磁コイル74aとの間に配置されている。ハーネス80G,80Hは、ACG-ECU71の正負の接続端子と電磁コイル74aの両端とを電気的に接続する。ハーネス80Hは、電磁コイル74aを越えて延び、第2ヒューズ75Bに接続されたハーネス80Kに接続される。
ハーネス80Iは、ACG-ECU71とFI-ECU72との間に配置されている。ハーネス80Iは、ACG-ECU71とFI-ECU72とを電気的に接続する。ハーネス80Iは、ACG-ECU71とFI-ECU72との間の通信に用いられる。
ハーネス80Jは、FI-ECU72とハーネス80Kとの間に配置されている。ハーネス80Jは、FI-ECU72とハーネス80Kとを電気的に接続する。ハーネス80Jは、FI-ECU72にバッテリ70の電力を供給可能とする。
ハーネス80Kは、第2ヒューズ75Bとエンジン補機100との間に配置されている。ハーネス80Kは、第2ヒューズ75Bとエンジン補機100とを電気的に接続する。ハーネス80Kは、エンジン補機100にバッテリ70の電力を供給可能とする。
ハーネス80Lは、第4ヒューズ75Dと補機類130の間に配置されている。ハーネス80Lは、第4ヒューズ75Dと補機類130とを電気的に接続する。ハーネス80Lは、補機類130にバッテリ70の電力を供給可能とする。
ハーネス80Mは、第3ヒューズ75Cと補機類130との間に配置されている。ハーネス80Mは、第3ヒューズ75Cと補機類130とを電気的に接続する。ハーネス80Mは、メインスイッチ73を介さず、補機類130(例えば、時計、防犯装置等の特定の補機)に常時バッテリ70の電力を供給可能とする。
ハーネス80Nは、FI-ECU72とエンジン補機100との間に配置されている。ハーネス80Nは、FI-ECU72とエンジン補機100とを電気的に接続する。ハーネス80Nには、燃料噴射装置101、点火コイル102及びソレノイドバルブ103に接続される信号線と、燃料ポンプ104に接続される電力線と、が含まれる。
上記した各ハーネス80G~80Nは、導体の太さが前記所定太さ未満とされる。
なお、各ハーネス80A~80Nの端部には、コネクタが設けられている。各ハーネス80A~80Nのコネクタは、他のハーネス80のコネクタと一体化してもよい。以下、各ハーネス80A~80Nをハーネス80と総称することがある。
<電装品の配置>
図3に示すように、バッテリ70、ヒューズボックス76、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両右側(車幅方向の片側)に配置されている。図5に示すように、バッテリ70、ヒューズボックス76、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、ステー90を介して車体フレーム20に固定されている。バッテリ70、ヒューズボックス76、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、同一のステー90に固定されている。
バッテリ70、ヒューズボックス76、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両前側から車両後側に向けて、ACG-ECU71、FI-ECU72、バッテリ70、ヒューズボックス76の順に並んでいる。バッテリ70、ヒューズボックス76、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両側面視で、車両上下方向に近い傾斜で且つ互いに同様の傾斜で前傾して配置されている。
ACG-ECU71の一部(ACG-ECU本体110下部及び下カプラ部114)は、車両側面視で、バッテリ70の上端と下端との間に配置されている。FI-ECU72の一部(FI-ECU本体120上部及び上接続部121)は、バッテリ70の上端と下端との間に配置されている。ヒューズボックス76の全部は、車両側面視で、バッテリ70の上端と下端との間に配置されている。図3に示すように、ACG-ECU71、FI-ECU72及びヒューズボックス76は、車両上面視で、バッテリ70の車幅方向内端と車幅方向外端との間に配置されている。すなわち、バッテリ70、ヒューズボックス76、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両前面視で互いに重なっている。
図1に示すように、ステー90は、エンジン11のシリンダ17よりも右側にずれて配置されている。図4に示すように、ACG-ECU71は、ステー90の右側に設けられている。ACG-ECU71は、ステー90を介してシリンダ17とは反対側に配置されている。これにより、シリンダ17からACG-ECU71への熱影響を抑制することができる。
更に、FI-ECU72、バッテリ70及びヒューズボックス76は、ACG-ECU71よりも後側に配置されている。そのため、シリンダ17からFI-ECU72、バッテリ70及びヒューズボックス76への熱影響も抑制することができる。
図4に示すように、バッテリ70及びヒューズボックス76に接続されるハーネス80は、車両側面視で、バッテリ70とヒューズボックス76との間を通って延びている。バッテリ70及びヒューズボックス76に接続されるハーネス80は、車両側面視で、メインハーネス60から分岐した後にバッテリ70とヒューズボックス76との間に向けて後下方に延びている。ステー90は、ボックス本体91と本体後側延出部95との間に、ハーネス80が通る空間99を有する。本体後側延出部95において空間99に臨む部分は、ハーネス80を案内するハーネスガイドとして機能する。図8に示すように、本体後側延出部95において空間99に臨む部分は、ハーネス80の外周に沿う弧状に湾曲している。
図4に示すように、本体後側延出部95の前面(ボックス本体91の後部と対向する面)には、ハーネス80の右側方への移動を制限する複数(例えば本実施形態では2つ)のガイド爪95bが設けられている。2つのガイド爪95bは、ハーネス80が延びる方向(上下方向)に間隔をあけて配置されている。
ACG-ECU71に接続されるハーネス80の一方(例えばハーネス80A等)は、車両側面視で、下側のガイド爪95bの下方近傍からメインフレーム20の右側方かつバッテリ70の下方の空間を通って前方に湾曲しつつ延びた後、ACG-ECU71の下カプラ部114に向けて延びている。ACG-ECU71に接続されるハーネス80の一方は、車両側面視で、取付ボス91fの下方空間及びFI-ECU72の下方空間を通って前後方向に湾曲しつつ延びている。
ACG-ECU71に接続されるハーネス80の他方(例えばハーネス80B等)は、車両側面視で、ステー90の後側係合部92cの下方近傍からバッテリ70の上方空間を通って前方に湾曲しつつ延びた後、ACG-ECU71の上カプラ部113に向けて延びている。ACG-ECU71に接続されるハーネス80の他方は、車両側面視で、前方延出部92の上下方向の高さ範囲内に配置されている。
FI-ECU72に接続されるハーネス80(例えばハーネス80I等)は、車両側面視で、ACG-ECU71に接続されるハーネス80の一方(例えばハーネス80A等)の中途部から前上方に延びた後、FI-ECU72のカプラ部123に向けて延びている。FI-ECU72に接続されるハーネス80は、車両側面視で、取付ボス91fの前下方からFI-ECU72のカプラ部123に向けて前上方に向けて延びている。
バッテリ70に接続されるハーネス80の一方(例えばハーネス80E等)は、車両側面視で、下側のガイド爪95bの下方近傍から前上方に湾曲しつつ延びた後、バッテリ70の後上部に向けて延びている。
バッテリ70に接続されるハーネス80の他方(例えばハーネス80C等)は、車両側面視で、ACG-ECU71に接続されるハーネス80の他方(例えばハーネス80B等)の中途部から下方に湾曲しつつ延びた後、バッテリ70の前上部に向けて上方に湾曲して延びている。
ヒューズボックス76に接続されるハーネス80(例えばハーネス80D等)は、車両側面視で、ACG-ECU71に接続されるハーネス80の一方(例えばハーネス80A等)の中途部から後上方に延びた後、ヒューズボックス76の下面の接続口(不図示)に向けて延びている。
<作用効果>
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1は、車両のメインフレーム22と、車両の制御装置71と、バッテリ70と、車両側面視でバッテリ70と並んで配置されたヒューズボックス76と、バッテリ70及びヒューズボックス76に接続されるハーネス80と、を備え、メインフレーム22は、車両前後方向に延びる第1パイプ部22aと、第1パイプ部22bの後端から下方に湾曲して延びる第2パイプ部22bと、を備え、バッテリ70は、第2パイプ部22bの車両右側に設けられ、車両前方より、制御装置71、バッテリ70、ヒューズボックス76の順で配置され、ハーネス80は、車両側面視でバッテリ70とヒューズボックス76との間を通って延びている。
この構成によれば、車両側面視でバッテリ70及びヒューズボックス76が互いに並んで配置されることで、車両側面視でバッテリ70及びヒューズボックス76を互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができる。加えて、バッテリ70及びヒューズボックス76に接続されるハーネス80が車両側面視でバッテリ70とヒューズボックス76との間を通って延びていることで、バッテリ70とヒューズボックス76との間のデッドスペースを利用してハーネス80をコンパクトに配置することができる。したがって、バッテリ70、ヒューズボックス76及びハーネス80を含む電装品を効率よく配置することができる。
上記実施形態では、制御装置71は、車両のエンジン11の駆動により発電する発電機13を制御するACG-ECU71であり、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両右側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71が車両右側に集約されるため、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71を互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができる。したがって、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71を含む電装品を効率よく配置することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両前面視で互いに重なっていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71が車両右側に集約され且つ車両前面視で互いに重なるため、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71の組付け性が向上する。加えて、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71を互いに接続しやすく且つコンパクトに配置する上で更に好適である。
上記実施形態では、バッテリ70及びACG-ECU71は、同一のステー90に固定されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70及びACG-ECU71が互いに異なるステーに固定されている場合と比較して、バッテリ70及びACG-ECU71を互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができるため、バッテリ70及びACG-ECU71を含む電装品を効率よく配置することができる。加えて、バッテリ70及びACG-ECU71をコンパクトに配置することにより、バッテリ70とACG-ECU71との間に配置されるハーネス80の長さを短くすることができるため、低コスト化に寄与する。
上記実施形態では、ヒューズボックス76は、ステー90に固定されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70及びACG-ECU71が固定されているステー90にヒューズボックス76も固定されるため、バッテリ70、ACG-ECU71及びヒューズボックス76を含む電装品を効率よく配置することができる。
上記実施形態では、エンジン11を制御するFI-ECU72を更に備え、FI-ECU72は、ステー90に固定されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70及びACG-ECU71が固定されているステー90にFI-ECU72も固定されるため、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72を含む電装品を効率よく配置することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両右側に配置されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72が車両右側に集約されるため、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72を互いに接続しやすく且つコンパクトに配置することができる。したがって、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72を含む電装品を効率よく配置することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両前面視で互いに重なっていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72が車両右側に集約され且つ車両前面視で互いに重なるため、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72の組付け性が向上する。加えて、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72を互いに接続しやすく且つコンパクトに配置する上で更に好適である。
上記実施形態では、ハーネス80は、ACG-ECU71及びFI-ECU72にも接続されていることで、以下の効果を奏する。
バッテリ70及びヒューズボックス76に接続されるハーネス80がACG-ECU71及びFI-ECU72にも接続されるため、ACG-ECU71及びFI-ECU72を含む電装品を互いに接続しやすく効率よく配置することができる。
<変形例>
なお、上記実施形態では、バッテリ70は、第2パイプ部22bの車両右側に設けられている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バッテリ70は、第2パイプ部22bの車両左側に設けられていてもよい。例えば、バッテリ70の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、制御装置71は、車両のエンジン11の駆動により発電する発電機13を制御するACG-ECU71である例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、制御装置は、ACG-ECU71でなくてもよい。例えば、制御装置は、FI-ECU72であってもよい。例えば、制御装置の構成態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両右側に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両左側に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車幅方向の片側に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車幅方向の両側に振り分けて配置されていてもよい。例えば、バッテリ70が車幅方向一方側に配置される場合、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は車幅方向他方側に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両前面視で互いに重なっている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両前面視で互いに重ならない位置に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71は、車両前面視で、車両上下方向又は車幅方向に互いに離間して配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ヒューズボックス76及びACG-ECU71の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、バッテリ70及びACG-ECU71は、同一のステー90に固定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バッテリ70及びACG-ECU71は、互いに異なるステーに固定されていてもよい。例えば、バッテリ70がバッテリボックスに固定される場合、ACG-ECU71はバッテリボックスとは別の支持部材に固定されていてもよい。例えば、バッテリ70及びACG-ECU71の固定態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、ヒューズボックス76は、ステー90に固定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ヒューズボックス76は、ステー90とは別の支持部材に固定されていてもよい。例えば、ヒューズボックス76は、ステー90を介さずに車体フレームに固定されていてもよい。例えば、ヒューズボックス76の固定態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、FI-ECU72は、ステー90に固定されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、FI-ECU72は、ステー90とは別の支持部材に固定されていてもよい。例えば、FI-ECU72は、ステー90を介さずに車体フレームに固定されていてもよい。例えば、FI-ECU72の固定態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両右側に配置されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両左側に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車幅方向の片側に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車幅方向の両側に振り分けて配置されていてもよい。例えば、バッテリ70が車幅方向一方側に配置される場合、ACG-ECU71及びFI-ECU72は車幅方向他方側に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両前面視で互いに重なっている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両前面視で互いに重ならない位置に配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72は、車両前面視で、車両上下方向又は車幅方向に互いに離間して配置されていてもよい。例えば、バッテリ70、ACG-ECU71及びFI-ECU72の配置態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、ハーネス80は、ACG-ECU71及びFI-ECU72にも接続されている例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、ハーネス80は、ACG-ECU71及びFI-ECU72には接続されていなくてもよい。例えば、ACG-ECU71及びFI-ECU72には、ハーネス80とは異なる配線が接続されていてもよい。例えば、ACG-ECU71及びFI-ECU72に対する電気的接続の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、エンジンが単気筒エンジンである例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、エンジンは多気筒エンジンであってもよい。例えば、エンジンの態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、駆動装置の一例としてエンジンを挙げて説明したが、これに限らない。例えば、駆動装置は、電動機等、エンジン(内燃機関)以外の装置であってもよい。例えば、駆動装置は、電動機、熱機関、流体機械等の原動機、又は前記原動機のうちの少なくとも2つを組み合わせた装置であってもよい。例えば、駆動装置の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
上記実施形態では、鞍乗型車両の一例として車体側にエンジンを搭載した自動二輪車を例に挙げて説明したが、これに限らない。例えば、鞍乗型車両は、ユニットスイング式の自動二輪車であってもよい。例えば、鞍乗型車両の態様は、要求仕様に応じて変更することができる。
なお、本発明は上記実施形態に限られるものではなく、自動二輪車以外の鞍乗型車両に適用してもよい。例えば、前記鞍乗型車両には、運転者が車体を跨いで乗車する車両全般が含まれ、自動二輪車(原動機付自転車及びスクータ型車両を含む)のみならず、三輪(前一輪且つ後二輪の他に、前二輪且つ後一輪の車両も含む)の車両も含まれる。また、本発明は、自動二輪車のみならず、自動車等の四輪(四輪バギー等)の車両にも適用可能である。
また、本発明は、鞍乗型車両以外の車両(乗用車、バス、トラック等)に適用してもよい。また、本発明は、車両のみならず、航空機、船舶、建設機械、産業機械等、車両以外の乗物や移動体にも適用可能である。例えば、本発明は、乗物のみならず、手押しの芝刈り機や清掃機等にも適用可能である。更に、本発明は、移動体のみならず、定位置に固定される固定型の装置にも適用可能である。例えば、電装品配置構造は、バッテリと、側面視で前記バッテリと並んで配置されたヒューズボックスと、前記バッテリ及び前記ヒューズボックスに接続されるハーネスと、を備え、前記ハーネスは、側面視で前記バッテリと前記ヒューズボックスとの間を通って延びていればよい。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
1 自動二輪車(車両)
11 エンジン(駆動装置)
13 発電機
22 メインフレーム
22a 第1パイプ部
22b 第2パイプ部
70 バッテリ
71 ACG-ECU(発電制御ユニット、制御装置)
72 FI-ECU(駆動制御ユニット)
76 ヒューズボックス
80 ハーネス
90 ステー

Claims (7)

  1. 車両(1)のメインフレーム(22)と、
    前記車両(1)の制御装置(71)と、
    バッテリ(70)と、
    車両側面視で前記バッテリ(70)と並んで配置されたヒューズボックス(76)と、
    前記バッテリ(70)及び前記ヒューズボックス(76)に接続されるハーネス(80)と、を備え、
    前記メインフレーム(22)は、
    車両前後方向に延びる第1パイプ部(22a)と、
    前記第1パイプ部22aの後端から下方に湾曲して延びる第2パイプ部(22b)と、を備え、
    前記バッテリ(70)は、前記第2パイプ部(22b)の車両側方側に設けられ、
    車両前方より、前記制御装置(71)、前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)の順で配置され、
    前記ハーネス(80)は、車両側面視で前記バッテリ(70)と前記ヒューズボックス(76)との間を通って延びており、
    前記制御装置(71)は、前記車両(1)の駆動装置(11)の駆動により発電する発電機(13)を制御する発電制御ユニット(71)であり、
    前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)及び前記発電制御ユニット(71)は、車幅方向の片側に配置され、
    前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)及び前記発電制御ユニット(71)は、車両前面視で互いに重なっており、
    前記バッテリ(70)、前記ヒューズボックス(76)及び前記発電制御ユニット(71)は、車両側面視で互いに同様の傾斜で前傾して配置されていることを特徴とする
    電装品配置構造。
  2. 前記バッテリ(70)及び前記発電制御ユニット(71)は、同一のステー(90)に固定されていることを特徴とする
    請求項に記載の電装品配置構造。
  3. 前記ヒューズボックス(76)は、前記ステー(90)に固定されていることを特徴とする
    請求項に記載の電装品配置構造。
  4. 前記駆動装置(11)を制御する駆動制御ユニット(72)を更に備え、
    前記駆動制御ユニット(72)は、前記ステー(90)に固定されていることを特徴とする
    請求項又はに記載の電装品配置構造。
  5. 前記バッテリ(70)、前記発電制御ユニット(71)及び前記駆動制御ユニット(72)は、車幅方向の片側に配置されていることを特徴とする
    請求項に記載の電装品配置構造。
  6. 前記バッテリ(70)、前記発電制御ユニット(71)及び前記駆動制御ユニット(72)は、車両前面視で互いに重なっていることを特徴とする
    請求項又はに記載の電装品配置構造。
  7. 前記ハーネス(80)は、前記発電制御ユニット(71)及び前記駆動制御ユニット(72)にも接続されていることを特徴とする
    請求項からの何れか一項に記載の電装品配置構造。
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