JP2023047999A - 鞍乗り型車両 - Google Patents
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Abstract
Description
特許文献2-4に記載するような、シート下に燃料タンクやエアクリーナを配置した場合に、部品レイアウトや部品形状の自由度向上に有利なハーネス配置については十分に検討されておらず、各部品の形状を工夫しながら接触を避けつつメインハーネスを配策する必要があった。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであり、車体上部の部品レイアウトや部品形状の自由度向上に有利なハーネス配置を可能にすることを目的とする。
図1は、本発明の実施の形態に係る鞍乗り型車両の側面図である。
鞍乗り型車両10は、車体フレーム11と、車体フレーム11に支持されるパワーユニット12と、前輪13を操舵自在に支持するフロントフォーク14と、後輪15を支持するスイングアーム16と、乗員用のシート17とを備える車両である。
鞍乗り型車両10は、乗員がシート17に跨るようにして着座する車両である。シート17は、車体フレーム11の後部の上方に設けられる。
シート17は、リアフレーム20に支持される。
後輪15は、スイングアーム16の後端部に設けられる車軸15aに支持される。
パワーユニット12は、内燃機関である。パワーユニット12は、クランクケース23と、往復運動するピストンを収容するシリンダー部24とを備える。シリンダー部24の排気ポートには、排気装置25が接続される。
パワーユニット12の出力は、パワーユニット12と後輪15とを接続する駆動力伝達部材によって後輪15に伝達される。
フロントフェンダー26は、フロントフォーク14に取り付けられる。リアフェンダー27及びステップ28は、シート17よりも下方に設けられる。燃料タンク29は、車体フレーム11に支持される。
鞍乗り型車両10の車体フレーム11は、ヘッドパイプ18と、フロントフレーム19と、リアフレーム20と、リアフレーム20の下部から下方に延出するピボットフレーム31とを一体に備える一体型フレームであり、鞍乗り型車両10のボディを兼ねるモノコックフレームに形成されている。モノコックフレームの材料は、金属材料、又はカーボン材料等の剛性を有する適宜な材料を適用可能である。
また、車体フレーム11は、フロントフレーム19の上面を構成する前側上板部材53と、リアフレーム20の後部上面を構成する後側上板部材54と、フロントフレーム19の下面を構成する前側下板部材55と、リアフレーム20の下面、及び後面をそれぞれ構成する後側下板部材56及び後側板部材57とを備える。
左右の側壁部材51,52は、鞍乗り型車両10の外観を構成する部材となり、鞍乗り型車両10の外観を構成するボディということができ、また、鞍乗り型車両10の所定の構成部品(後述するエアクリーナ71、燃料タンク29、及びバッテリー73等)を車幅方向外側から覆うカバーとしても機能する。
図4は、車体フレーム11の一部を斜め下方から視た斜視図である。
図4に示すように、フロントフレーム19よりも下方かつ左右のリアフレーム20の間には、車体前方に向けて開口する前方開口部62が設けられる。前方開口部62は、上方に向けて切り欠かれた形状を有している。
より具体的には、内部空間59のうち、シート17下方には、エアクリーナ71、燃料タンク29が上下に並べて配置されると共に、エアクリーナ71の前方にバッテリー73が配置される。エアクリーナ71の前端部には、コネクティングチューブ75の後端部が連結される。エアクリーナ71、燃料タンク29は、少なくとも一部が車体上下方向に重なるように配置されている。したがって、車体側面視で、エアクリーナ71の下方に燃料タンク29の少なくとも一部が配置され、車体上面視で見た場合も、エアクリーナ71及び燃料タンク29のそれぞれの一部が上下方向に重なる。
パワーユニット12の前部下面には、排気管25aが接続され、排気管25aの後端にはマフラー25bが接続され、排気管25a及びマフラー25bによって排気装置25が構成される。
図5は、メインハーネス91をパワーユニット12等の一部の車体構成部品と共に示す左側面図である。図5には、メインハーネス91を見やすくするため、メインハーネス91の中心軸線を一点鎖線で示している。また、図5中の符号H1は、パワーユニット12の上端の高さを示し、符号H2は、クランクケース23の上端の高さを示している。
また、図6は、図5に車体構成部品を二点鎖線で追記した図である。なお、図5、図6、及び図1は、鞍乗り型車両10に乗員が乗車しない状態で地面に立設した状態に相当している。
ここで、図5には、シート17の下方、かつパワーユニット12の後方の空間部SPを一点鎖線で示している。本構成では、メインハーネス91の一部が、空間部SP内に配策されている。
フロントフレーム19の下面を構成する前側下板部材55(図4参照)は、上方凸に湾曲する凹状の断面に形成されている。メインハーネス91は、前側下板部材55の上方凸の面に沿って配策されることで、車幅方向外側から視認し難い。
また、図5及び図6に示すように、メインハーネス91は、クランクケース23上面に近接する位置まで下方へ延びる。換言すると、クランクケース23に重なる位置まで下方へ延びて、車体側面視で、スイングアーム16上面に近接する位置を後方に延びる。
図7に示すように、車体上面視で、エアクリーナ71、燃料タンク29及びメインハーネス91のそれぞれが車体上下方向に重なり、かつ、メインハーネス91は左右に迂回することなく後方へと延出する。これらによって、メインハーネス91を配策するために、シート17、エアクリーナ71及び燃料タンク29等のレイアウトや形状が制約される事態を回避できると共に、メインハーネス91を短い距離で後方へ配策し易くなる。
つまり、メインハーネス91の後半部分は、車体上面視で、車幅方向左側から右側へと、車幅中心線C1を跨ぎながら後方に延出し、テールライト85に電気的に接続される。
メインハーネス91の最下部91Xは、パワーユニット12のクランクケース23後方、かつ、エアクリーナ71、燃料タンク29及びメインハーネス91が車体上下方向に重なる領域であって、車幅中心線C1に近い位置である。メインハーネス91の最下部91Xは、クランクケース23の上面より低い位置にあり、図5に示すように、車体側面視で、セルモータ89の上面、及びチェーンケース88の上面より低い位置であって、スイングアーム16及びチェーン87よりも上方に位置している。
このようにして、メインハーネス91の最下部91Xをクランクケース23周辺の低い位置とするので、メインハーネス91によって、クランクケース23よりも上方に配置されるシート17、エアクリーナ71及び燃料タンク29等のレイアウトや形状が制約される事態を回避できる。
本実施形態では、車体フレーム11全体がカバーを兼ねるフレームに形成される場合を例示したが、車体フレーム11の一部だけがカバーを兼ねるフレームでもよい。また、カバーを兼ねるフレームは、エアクリーナ71及び燃料タンク29の少なくとも一方の一部を車幅方向外側から覆うものであればよく、このフレームで覆われる位置に、メインハーネス91の一部を配置するようにすればよい。
この構成によれば、カバーを兼ねるフレームで覆われるスペースを、エアクリーナ71及び/又は燃料タンク29、及びメインハーネス91からなる部品の配置スペースに有効利用できると共に、各部品の外観露出を抑えて外観性の向上を図りやすくなる。
上記実施の形態は、以下の構成をサポートする。
この構成によれば、ケーブルによって車体上部の部品レイアウトや部品形状が制約される事態を回避でき、車体上部の部品レイアウトや部品形状の自由度向上に有利になる。
この構成によれば、エアクリーナ及び燃料タンクを前後方向にコンパクトに配置できると共に、燃料タンク下に空くスペースを有効利用してケーブルを配置できる。
この構成によれば、エアクリーナ、燃料タンク、及びケーブルの一部を、車幅方向への大型化を抑制し易く配置できる。
この構成によれば、カバーを兼ねるフレームで覆われるスペースを、エアクリーナ及び/又は燃料タンク、及びケーブルからなる部品の配置スペースに有効利用できる。
この構成によれば、モノコックフレームで覆われるスペースを、部品の配置スペースに有効利用できると共に、外観性の向上を図りやすくなる。
この構成によれば、エアクリーナ及び燃料タンクの下に空くスペースを利用してケーブルを配置できると共に、そのスペースを利用してケーブルに付着した水分を排出できる。
この構成によれば、各電装部品までのケーブル長を短縮可能に、ケーブルを配策でき、ケーブルの外観露出も抑えやすくなる。
この構成によれば、クランクケース上方のスペースを、ケーブル以外の部品の配置スペースに効率良く利用可能にしながらケーブルを配策できる。
この構成によれば、シートの下方、かつ駆動装置の後方に空くスペースを利用してケーブルを配策できる。
11 車体フレーム
12 パワーユニット(駆動装置)
16 スイングアーム
17 シート
23 クランクケース
24 シリンダー部
71 エアクリーナ
29 燃料タンク
77 クランク軸(駆動軸)
80 収納ボックス(電装ユニット)
81 ECU(電装部品)
82 レギュレータ(電装部品)
91 メインハーネス(ケーブル)
91X メインハーネスの最下部
SP 空間部
Claims (9)
- 車体を駆動する駆動装置(12)と、車体の前後に延びるケーブル(91)を備える鞍乗り型車両において、
前記ケーブル(91)は、前記駆動装置(12)の前上方の位置から、前記駆動装置(12)後方で、前記駆動装置(12)の上端より下方へ延び、その後、後上方へ延びることを特徴とする鞍乗り型車両。 - 燃料タンク(29)と、エアクリーナ(71)とを備え、
車体側面視で、前記エアクリーナ(71)の下方に前記燃料タンク(29)の少なくとも一部が配置され、前記燃料タンク(29)の下方に前記ケーブル(91)の一部が配置されることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗り型車両。 - 車体上面視で、前記エアクリーナ(71)、前記燃料タンク(29)及び前記ケーブル(91)のそれぞれの一部が車体上下方向に重なることを特徴とする請求項2に記載の鞍乗り型車両。
- 前記駆動装置を支持する車体フレーム(11)を備え、
前記車体フレーム(11)は、前記エアクリーナ(71)及び前記燃料タンク(29)の少なくとも一方を車幅方向外側から覆うカバーを兼ねるフレームを備え、
前記ケーブル(91)の一部は、車幅方向外側から前記カバーを兼ねるフレームで覆われる位置に配置されることを特徴とする請求項2又は3に記載の鞍乗り型車両。 - 前記カバーを兼ねるフレームは、当該鞍乗り型車両のボディとフレームを兼用するモノコックフレームであることを特徴とする請求項4に記載の鞍乗り型車両。
- 車体上面視で、前記エアクリーナ(71)、前記燃料タンク(29)、及び前記ケーブル(91)のそれぞれの一部が車体上下方向に重なる領域に、前記ケーブル(91)の最下部(91X)が位置することを特徴とする請求項2から5のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
- 前記駆動装置(12)との間に車幅方向に間隔を空けて配置され、複数の電装部品(81,82)を有する電装ユニット(80)を備え、
前記駆動装置(12)と前記電装ユニット(80)との間の車幅方向に空くスペースに、前記ケーブル(91)の一部が配策され、前記ケーブル(91)に前記複数の電装部品(81,82)が電気的に接続されることを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記駆動装置(12)は、駆動軸(77)を収容するケース(23)を備え、
前記ケーブル(91)は、前記ケース(23)の上端より下方へ延びることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。 - 前記鞍乗り型車両は、乗員用のシート(17)を備え、
前記シート(17)の下方、かつ前記駆動装置(12)の後方には空間部(SP)が設けられ、
前記ケーブル(91)の一部は、前記空間部(SP)内に配策されることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の鞍乗り型車両。
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