JP7315518B2 - 高さ調節装置 - Google Patents

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Description

本開示は、物体の開口を開閉する開閉部材の閉位置における高さを調節する高さ調節装置に関する。例えば、物体は車両等であり、開閉部材は車両のテールゲート(後部の扉)、ドア又はボンネット等である。
車両等の物体と車両のテールゲート等の開閉部材とにおいて、閉位置における互いに隣接する部分の表面高さを互いに一致させて見栄えをよくすることが好まれている。そこで、閉位置におけるテールゲート等の開閉部材の表面高さを調節するための高さ調節装置が、種々提案されている。
例えば特許文献1には、車両に固定される本体(固定部材)と、本体に形成された雌ねじ部に螺合する雄ねじ部を含むピン部材と、ロック部材とを備える高さ調節装置が記載されている。ピン部材を本体に対して螺進及び螺退させることにより、ピン部材の本体に対する位置が調節でき、これにより、閉位置においてピン部材に支持されるテールゲートの高さが調節できる。ロック部材は、可撓性タブと、可撓性タブ上に配置されてピン部材に設けられたノッチに係合するボスを含む。ロック部材を側方から本体及びピン部材に差し込むことにより、ボスがノッチに係合して、ピン部材の本体に対する回転がロックされ、ピン部材の高さが固定される。
特開2019-183630号公報
特許文献1に記載の高さ調節装置では、本体に対して側方からロック部材を抜き差しすることにより、ロック状態と非ロック状態とを切り替えるため、操作性がよくなかった。また、作業員がロック部材を抜き差しするために把持する部分が本体から側方に突出するため、見栄えが悪くなるとともに、側方にスペースが必要であった。また、ロック部材は、可撓性タブが撓むことにより本体に抜き差し可能となるが、ロック状態においてもピン部材に強い回転力が加わると、可撓性タブが撓んでボスがノッチから離脱して、ピン部材が回転してピン部材の高さが変わるおそれがあった。
このような問題に鑑み、本発明は、操作性の改善された高さ調節装置を提供することを目的とする。本発明のある実施形態は、見栄え及び/又はロックの確実性を改善した高さ調節装置を提供することを目的とする。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、開口(3)を有する物体(2)及び前記開口(3)を開閉する開閉部材(4)の一方に固定される固定部材(5)と、前記開閉部材(4)の閉位置において前記物体(2)及び前記開閉部材(4)の他方に衝当する頭部(19)を含み、ねじ構造(16,17)によって前記固定部材(5)に対して螺進及び螺退して前記頭部(19)の位置を調節可能なピン部材(6)と、前記ピン部材(6)の前記固定部材(5)に対する螺進及び螺退を規制し得るロック部材(7)とを備える高さ調節装置(1)であって、前記固定部材(5)及び前記ピン部材(6)の一方が、前記ねじ構造(16,17)の軸線回りの周方向に並べられた複数の溝(20)を含む歯部(18)を含み、前記固定部材(5)及び前記ピン部材(6)の他方が、前記ピン部材(6)の前記固定部材(5)に対する前記軸線を軸にした回転によって前記歯部(18)の前記溝(20)に係合及び離脱するべく弾発性を有する係合片(21)を含み、前記ロック部材(7)が、前記係合片(21)の前記弾発性を妨げて前記係合片(21)が前記歯部(18)の前記溝(20)から離脱することを規制するように、前記係合片(21)を係止可能なロック部(28)を含み、前記ロック部材(7)は、前記軸線を軸に回転することによって、前記ロック部(28)が前記係合片(21)を係止しない仮組位置と、前記ロック部(28)が前記係合片(21)を係止するロック位置との間を変位可能であることを特徴とする。例えば、前記一方が前記ピン部材(6)であり、前記他方が前記固定部材(5)であってもよい。
この構成によれば、ロック部材を回転させるだけで、ピン部材の螺進及び螺退をロックする状態とロックしない状態とを切り替えることができ、操作性が改善される。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記固定部材(5)及び前記ピン部材(6)の前記他方は、前記歯部(18)に対向する対向面を含み、前記係合片(21)は、前記対向面から前記歯部に向かって突出する基部(22)と、前記基部(22)の先端部から前記周方向の一方に延出して前記弾発性を有するアーム部(23)と、前記アーム部(23)の遊端部から前記歯部(18)に向かって突出して前記歯部(18)の前記溝(20)に係合及び離脱する係合部(24)とを含み、前記ロック部(28)は、前記ロック位置において、前記アーム部(23)が撓むことにより前記係合部(24)が前記溝(20)から離脱することを制限するべく、前記アーム部(23)と前記対向面との間に形成された隙間に突入し、前記仮組位置において、前記隙間から離脱することを特徴とする。
この構成によれば、係合片の構造とロック部が突入する隙間の構造とを比較的簡素に構成できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記ロック部(28)は、前記閉位置において、前記軸線に直交する方向への前記係合部の変位を規制するべく前記アーム部(23)の前記遊端部に当接することを特徴とする。
この構成によれば、ロック位置においてピン部材の螺進及び螺退を確実にロックすることができる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成の何れかにおいて、前記ロック部材(7)は、前記固定部材(5)の上面を部分的に覆う円環形状のフランジ(26)を含み、前記ロック部(28)は、前記フランジ(26)の下面から延出することを特徴とする。
この構成によれば、ロック部の構造を比較的簡素に構成できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記ロック部材(7)は、前記フランジ(26)の外周縁から下方に延出して前記固定部材(5)の外側面を少なくとも部分的に覆う外周壁(25)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、外周壁及びフランジによって高さ調節装置の内部構造を覆うことができるため、見栄えが良くなる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記の構成の何れかにおいて、前記固定部材(5)は、前記周方向に延在するガイド溝(32)を有する側周壁(11)を含み、前記ロック部材(7)は、前記外周壁(25)から内側に突出して前記ガイド溝(32)にガイドされるガイド突起(33)を含むことを特徴とする。
この構成によれば、ガイド突起がガイド溝にガイドされるため、ロック部材の回転が滑らかになるとともに、ロック部材が固定部材から外れることを防止できる。
本発明の少なくともいくつかの実施形態は、上記構成において、前記固定部材(5)の前記側周壁(11)は、前記ガイド溝(32)から前記固定部材の上端に至る導入溝(31)を含み、前記ロック部材(7)は、前記フランジ(26)から延出する節度突片(34)を含み、前記固定部材(5)は、互いに前記周方向に離間して配置されて、前記ロック部材(7)が前記軸線を軸に回転した時に前記節度突片(34)が乗り越え可能な第1突部(35)及び第2突部(36)を含み、前記導入溝(31)に導入された前記ガイド突起(33)が前記ガイド溝(32)至った後、前記周方向の所定の向きに前記ロック部材(7)を前記軸線を軸に回転させると、前記節度突片(34)が前記第1突部(34)を乗り越えて前記ロック部材(7)が前記仮組位置に配置され、前記仮組位置から前記周方向の前記所定の向きに前記軸線を軸に前記ロック部材(7)を回転させると、前記節度突片(34)が前記第2突部(36)を乗り越えて前記ロック部材(7)が前記ロック位置に配置されることを特徴とする。
この構成によれば、導入溝によってロック部材の固定部材への取り付けが容易になり、節度突片並びに第1及び第2突部によって、節度感が得られるため作業員はロック部材を仮組位置やロック位置に変位させたことを認識できるとともに、仮組位置やロック位置でロック部材が安定する。
本発明によれば、操作性を改善した高さ調節装置を提供することができる。
実施形態に係る高さ調節装置が取り付けられた車両を示す斜視図 実施形態に係る高さ調節装置の分解斜視図 実施形態に係る高さ調節装置の正面図 図3におけるIV-IV線に沿った断面図 実施形態に係るグロメットを示す図(A:正面図、B:右側面図) 実施形態に係るカバーを示す図(A:底面図、B:斜視図) 図3におけるVII-VII線に沿った断面図(A:仮組位置、B:ロック位置)
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、実施形態に係る高さ調節装置1は、車両等の物体2の開口3を開閉するテールゲート等の開閉部材4の閉位置を調節するために用いられる。高さ調節装置1は、物体2における開口3に隣接する部位であって、閉位置において開閉部材4に覆われる左右2ヵ所に取り付けられる。物体2及び開閉部材4は、車両及びテールゲートに限定さない。例えば、開閉部材4が車両のドアやボンネットでもよく、物体2が建物や箱状のものであれば、開閉部材4がドアや蓋でもよい。
図2~図4に示すように、高さ調節装置1は、物体2に固定される固定部材5と、ねじ構造によって固定部材5に取り付けられるピン部材6と、ピン部材6の固定部材5に対する螺進及び螺退を規制するロック部材7とを備える。固定部材5、ピン部材6及びロック部材7は、例えば、ポリアミドやポリアセタール等の樹脂を素材とする。以下、ねじ構造の軸線(以下、単に「軸線」と記す)の方向を上下方向と記し、軸線に直交する方向を径方向と記す。
図2~図5に示すように、固定部材5は、物体2における板状の部位に設けられた取付孔8に突入するべき突入部9と、突入部9の上端に連結して、取付孔8の上方に配置されるべき筒状部10とを含む。突入部9は、横断面視で概ね矩形をなし、底面及び側面は閉じている。突入部9の下部は、取付孔8に挿入しやすいように先細になっていることが好ましい。筒状部10は、上面視で突入部9よりも大きな外輪郭を有し、概ね円筒形をなす側周壁11と、側周壁11の下端と突入部9の上端とを互いに連結する底壁12とを含み、上面は開口している。突入部9における相反する側面に設けられた1対の固定爪13と、筒状部10の側周壁11下端に設けられた1対の固定突起14とが、物体2における取付孔8の周囲の板状の部位を挟持することにより、固定部材5が物体2に固定される。1対の固定突起14を互いに結ぶ線と、1対の固定爪13を互いに結ぶ線とが上面視で直交していることが好ましい。筒状部10と物体2との間にはゴムシート等のシール部材15を挟むことが好ましい。1対の固定爪13の先端間の距離は取付孔8の幅よりも長く、固定爪13は、取付孔8を通過できる程度に撓む弾発性を有する。
図4に示すように、固定部材5の突入部9の上面には、筒状部10の内側の空間に連通するねじ孔16が設けられており、ピン部材6にはねじ孔16に螺合するねじ部17が設けられている。雌ねじを構成するねじ孔16と、雄ねじを構成するねじ部17とによって、ピン部材6を固定部材5に対して螺進及び螺退可能にするねじ構造が形成されている。
図2及び図4に示すように、ピン部材6は、ねじ部17と、ねじ部17の上端に連結した歯部18と、歯部18の上端に連結して閉位置において開閉部材4(図1参照)の裏面に衝当する頭部19とを含む。開閉部材4(図1参照)における頭部19に衝当する部分には、ゴム等の緩衝材(図示せず)が設けられていることが好ましい。頭部19は、上面視で歯部18よりも大きな外輪郭を有することが好ましい。頭部19の側面から上面にかけては、作業員が把持しやすいように凹凸が設けられている。
歯部18には、軸線回りの周方向に並べられた複数の溝20を含む。各々の溝20は、上下方向に延在することが好ましい。図2及び図7に示すように、固定部材5は、歯部18に対向する面である側周壁11の内周面から延出する係合片21を含む。係合片21は、軸線を軸にしたピン部材6の回転、すなわち、ピン部材6の固定部材5に対する螺進及び螺退に伴う回転によって歯部18の溝20に係合及び離脱するべく弾発性を有する。係合片21は、筒状部10の内周面から径方向の内側に(歯部18に向かって)突出する基部22と、基部22の先端部から軸線に対する周方向の上方から見て反時計回りに延出して弾発性を有するアーム部23と、アーム部23の遊端部から径方向の内側に突出して歯部18の溝20に係合及び離脱する係合部24とを含む。アーム部23が撓むことによって係合部24が溝20から離脱する。アーム部23の撓みが規制されていない状態においてピン部材6の軸線回りの回転によって係合部24が溝20の側面を摺動して溝20から離脱できるように、溝20の側面の角度や係合部24の形状が設定される。
図2、図4、図6及び図7に示すように、ロック部材7は、固定部材5の側周壁11の外側を覆う円筒形状の外周壁25と、外周壁25の上端から内側に延出する円環形状のフランジ26と、フランジ26の内周縁の一部から下方に延出する2つの内壁27と、内壁27に対して周方向にずれた位置に配置されてフランジ26の下面に形成された突条からなるロック部28を含む。上方から固定部材5の筒状部10の内部の視認を防いで見栄えをよくするため、フランジ26の内径は、ピン部材6の頭部19の外径以下であることが好ましい。
突条によって形成されたロック部28は、概ね周方向に延在するが、上方からみて時計回り側の端部を一端部29とし、反時計回り側の端部を他端部30とすると、中間部分から一端部29に向かうにつれてわずかに径方向の外側に向かっており、他端部30において湾曲してフランジ26の内周縁に至る。ロック部28の一端部29が係合片21のアーム部23の遊端部に径方向の外側から当接できるように、一端部29の先端の径方向の内面から軸線までの距離は、溝20に係合した状態の係合片21のアーム部23の遊端の径方向の外面から軸線までの距離以上に設定されている。ロック部材7は、軸線回りに回転することにより、ロック部28が係合片21を係止しない仮組位置とロック部28が係合片21を係止するロック位置との間を変位できる。ロック位置では、ロック部28の一端部29が、アーム部23と側周壁11の内周面との間の隙間に突入し、好ましくはアーム部23の遊端部に径方向の外側から当接する。非ロック位置では、ロック部28の一端部29は、アーム部23と側周壁11の内周面との間の隙間から離脱している。図示する実施形態では、係合片21及びロック部28は、それぞれ1つずつ設けられているが、係合片21を複数設けてもよく、この場合、ロック部28は、各々の係合片21に対して1つずつ設けてもよく、一部の係合片21に対してのみ設けてもよい。
図2、図5、図6及び図7に示すように、固定部材5の筒状部10の側周壁11には、互いに周方向に180°ずれた位置に上端から下方に向かって設けられた1対の導入溝31と、各々の導入溝31の下端から周方向における上方から見て時計回りに延出するガイド溝32とが形成されており、ロック部材7は、外周壁25の内面から径方向の内側に突出して、1対の導入溝31及び1対のガイド溝32にガイドされる1対のガイド突起33を更に含む。導入溝31及びガイド溝32は、ガイド突起33を受容できるように少なくとも径方向の外側が開口している。ガイド突起33は、ロック部材7を固定部材5に取り付けて仮組位置まで変位させる時に、導入溝31とガイド溝32における導入溝31側の部分にガイドされ、ロック部材7を仮組位置及びロック位置間で変位させる時に、ガイド溝32の残りの部分にガイドされる。
図6及び図7に示すように、ロック部材7は、わずかに周方向に互いに離間して配置された2つの内壁27の間に位置してフランジ26から下方に延出する節度突片34を更に含む。径方向において、節度突片34の外端縁は、2つの内壁27の外面よりも外方に位置する。固定部材5の筒状部10の内側における側周壁11と底壁12とが連結する隅部には、互いに周方向に離間して配置されて、ロック部材7が軸線を軸に回転する時に節度突片34が乗り越え可能な第1突部35及び第2突部36が設けられている。導入溝31に導入されたガイド突起33がガイド溝32に至った後、上方から見て時計回りにロック部材7を軸線を軸に回転させると、節度突片34が第1突部35を乗り越えてロック部材7が仮組位置に配置され、仮組位置から更に時計回りにロック部材7を回転させると、節度突片34が第2突部36を乗り越えてロック部材7がロック位置に配置されるように、節度突片34、第1突部35及び第2突部36の設置箇所が決められる。節度突片34が第2突部36を乗り越えた時に、第1突部35を乗り越えた時とは異なる節度感与えるために、第2突部36の形状は第1突部35の形状とは異なることが好ましい。例えば、第2突部36の上面に凹部37を設けてもよい。
ロック部材7は、外周壁25の内面の互いに周方向に90°ずれた位置に設けられて上下方向に延在する4つの摺接突条38を更に含む。摺接突条38が固定部材5の筒状部10の側周壁11の外面に摺接することにより、ロック部材7が固定部材5に対してガタなく取り付けられる。
固定部材5、ピン部材6及びロック部材7の互いの組付け方法について説明する。高さ調節装置1の製造工場の作業員は、まず、ガイド突起33が導入溝31にガイドされるように、ロック部材7を上方から固定部材5に向けて移動させる。作業員は、ガイド突起33が導入溝31の下端に衝当したら、ガイド突起33がガイド溝32にガイドされるように軸線を軸にロック部材7を時計回りに回転させる。節度突片34が第1突部35を乗り越えたら、ロック部材7の回転を止める。この時、節度突片34が第1突部35と第2突部36との間にあり、ロック部材7は固定部材5に対して仮組位置に配置される。
次に、作業員は、ピン部材6を、円環状のフランジ26の穴を介して固定部材5の内部に上方から挿入し、ねじ部17をねじ孔16に螺合させる。固定部材5、ピン部材6及びロック部材7が互いに組み付けられたこのような状態で、高さ調節装置1は出荷される。
高さ調節装置1の物体2への取付方法について説明する。物体2の製造又は整備場の作業員は、シール部材15を固定部材5の突入部9に取り付け、突入部9を物体2の取付孔8に挿入する。固定爪13が取付孔8を通過したら、高さ調節装置1は物体2に固定される。作業員は、ねじ孔16及びねじ部17からなるねじ構造によってピン部材6を螺進及び螺退させ、頭部19の高さを調節する。この時、作業員は、係合片21が歯部18の溝20に係合及び離脱することにより、節度感を得られる。作業員は、頭部19が所望の高さに配置されたら、節度突片34が第2突部36を乗り越えるまでロック部材7を軸線を軸に時計回りに回転させる。節度突片34が第2突部36を乗り越えたロック位置では、ロック部28が係合片21のアーム部23の撓みを規制して、係合部24の溝20からの離脱を防ぐため、ピン部材6の軸線を軸にした回転がロックされる。頭部19の高さを再度調節したいときは、作業員は、ロック部材7を反時計回りに回転させて仮組位置まで変位させる。仮組位置では、ロックが解除されており、作業員は、ピン部材6を螺進及び螺退させることにより頭部19の高さを調節できる。
固定部材5、ピン部材6及びロック部材7の3つの部品を互いに組み付けた状態で、物体2に高さ調節装置1を取り付けることができるため、作業性がよい。また、ロック部材7を回転させるだけでピン部材6の高さをロックすることができるため、作業性がよく、取り付け箇所に必要なスペースが小さくなる。
ロック位置において、ロック部28が弾発性を有するアーム部23の遊端部を係止するため、アーム部23の遊端部から溝20に向かって突出する係合部24は溝20から離脱することができず、ピン部材6の回転のロックが確実になる。ロック部28がフランジ26の下面から突出しているため、ロック位置においてロック部28がアーム部23の遊端部を係止する構造が比較的簡素な構造で実現できる。
ピン部材6の頭部19並びにロック部材7の外周壁25及びフランジ26によって、固定部材5の筒状部10が覆われているため、係合片21やロック部28、導入溝31、ガイド溝32等が視認されず、見栄えが良い。
仮組位置及びロック位置間で、ガイド突起33が周方向に延在するガイド溝32にガイドされるため、ロック部材7の回転が滑らかになるとともに、ロック部材7の固定部材5からの脱落が防止される。
節度突片34と第1突部35及び第2突部36とによって、作業員は、ロック部材7が仮組位置及びロック位置に変位したことを知ることができる。また、第1突部35と第2突部36との形状が互いに異なり、節度感が相違するため、作業員は、仮組位置に変位したのか、ロック位置に変位したのかを知ることができる。また、所定値以上の回転力が加わらなければ、節度突片34が第1突部35や第2突部36を乗り越えないため、ロック部材7が仮組位置及びロック位置で安定する。
突入部9の側面及び底面が閉じた構造であるため、固定部材5の内部を介して雨水等の流体が物体2の内部に漏れることを防止できる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。ピン部材に係合片が設けられ、固定部材に歯部が設けられてもよい。また、固定部材にロック部が設けられ、ロック部材に係合片が設けられてよく、この場合、ロック部材を下方に押し込むことによりピン部材の螺進及び螺退がロックされる。ねじ構造は、固定部材に雄ねじが設けられ、ピン部材に雌ねじが設けられることにより形成されてもよく、雄ねじ又は雌ねじの一方を、他方のねじ溝にガイドされる1又は複数の突起に変更した構成であってもよい。係合片及びロック部の周方向の向きは逆にしてもよい。係止片は、片持ち梁状の形状に代えて、圧縮コイルばね等のばね部材によって弾発性を有してもよい。高さ調節装置が開閉部材に設けられ、開閉部材の閉位置においてピン部材の頭部が開口を有する物体に衝当してもよい。
1:高さ調節装置
2:物体
3:開口
4:開閉部材
5:固定部材
6:ピン部材
7:ロック部材
11:側周壁
16:ねじ孔
17:ねじ部
18:歯部
19:頭部
20:溝
21:係合片
22:基部
23:アーム部
24:係合部
25:外周壁
26:フランジ
28:ロック部
31:導入溝
32:ガイド溝
33:ガイド突起
34:節度突片
35:第1突部
36:第2突部

Claims (8)

  1. 開口を有する物体及び前記開口を開閉する開閉部材の一方に固定される固定部材と、前記開閉部材の閉位置において前記物体及び前記開閉部材の他方に衝当する頭部を含み、ねじ構造によって前記固定部材に対して螺進及び螺退して前記頭部の位置を調節可能なピン部材と、前記ピン部材の前記固定部材に対する螺進及び螺退を規制し得るロック部材とを備える高さ調節装置であって、
    前記固定部材及び前記ピン部材の一方が、前記ねじ構造の軸線回りの周方向に並べられた複数の溝を含む歯部を含み、
    前記固定部材及び前記ピン部材の他方が、前記ピン部材の前記固定部材に対する前記軸線を軸にした回転によって前記歯部の前記溝に係合及び離脱するべく弾発性を有する係合片を含み、
    前記ロック部材が、前記係合片の前記弾発性を妨げて前記係合片が前記歯部の前記溝から離脱することを規制するように、前記係合片を係止可能なロック部を含み、
    前記ロック部材は、前記軸線を軸に回転することによって、前記ロック部が前記係合片を係止しない仮組位置と、前記ロック部が前記係合片を係止するロック位置との間を変位可能であることを特徴とする高さ調節装置。
  2. 前記固定部材及び前記ピン部材の前記他方は、前記歯部に対向する対向面を含み、
    前記係合片は、前記対向面から前記歯部に向かって突出する基部と、前記基部の先端部から前記周方向の一方に延出して前記弾発性を有するアーム部と、前記アーム部の遊端部から前記歯部に向かって突出して前記歯部の前記溝に係合及び離脱する係合部とを含み、
    前記ロック部は、前記ロック位置において、前記アーム部が撓むことにより前記係合部が前記溝から離脱することを制限するべく、前記アーム部と前記対向面との間に形成された隙間に突入し、前記仮組位置において、前記隙間から離脱することを特徴とする請求項1に記載の高さ調節装置。
  3. 前記ロック部は、前記閉位置において、前記軸線に直交する方向への前記係合部の変位を規制するべく前記アーム部の前記遊端部に当接することを特徴とする請求項2に記載の高さ調節装置。
  4. 前記ロック部材は、前記固定部材の上面を部分的に覆う円環形状のフランジを含み、前記ロック部は、前記フランジの下面から延出することを特徴とする請求項1~3の何れか一項に記載の高さ調節装置。
  5. 前記ロック部材は、前記フランジの外周縁から下方に延出して前記固定部材の外側面を少なくとも部分的に覆う外周壁を含むことを特徴とする請求項4に記載の高さ調節装置。
  6. 前記固定部材は、前記周方向に延在するガイド溝を有する側周壁を含み、
    前記ロック部材は、前記外周壁から内側に突出して前記ガイド溝にガイドされるガイド突起を含むことを特徴とする請求項5に記載の高さ調節装置。
  7. 前記固定部材の前記側周壁は、前記ガイド溝から前記固定部材の上端に至る導入溝を含み、
    前記ロック部材は、前記フランジから延出する節度突片を含み、
    前記固定部材は、互いに前記周方向に離間して配置されて、前記ロック部材が前記軸線を軸に回転した時に前記節度突片が乗り越え可能な第1突部及び第2突部を含み、
    前記導入溝に導入された前記ガイド突起が前記ガイド溝に至った後、前記周方向の所定の向きに前記ロック部材を前記軸線を軸に回転させると、前記節度突片が前記第1突部を乗り越えて前記ロック部材が前記仮組位置に配置され、
    前記仮組位置から前記周方向の前記所定の向きに前記軸線を軸に前記ロック部材を回転させると、前記節度突片が前記第2突部を乗り越えて前記ロック部材が前記ロック位置に配置されることを特徴とする請求項6に記載の高さ調節装置。
  8. 前記固定部材及び前記ピン部材の前記一方が前記ピン部材であり、前記固定部材及び前記ピン部材の前記他方が前記固定部材であることを特徴とする請求項1~7の何れか一項に記載の高さ調節装置。
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