JP7313266B2 - アダプター、レーダーユニット及び車両 - Google Patents

Description

本発明は、レーダー装置を保持するアダプター、該アダプターを備えたレーダーユニット、及び該レーダーユニットを備えた車両に関する。

従来、自動四輪車等の車両には、障害物を検知するために、レーザーレーダー又はミリ波レーダー等を用いたレーダー装置が搭載されているものが存在する。レーダー装置は、例えば、ＡＣＣシステム（アダプティブ・クルーズ・コントロール・システム）、Ｓｔｏｐ＆Ｇｏシステム（渋滞追従システム）、及び車間警報システム等に使用される。

このようなレーダー装置は、特許文献１等に示すように、アダプターに保持されて、車両の取付部に取り付けられる。なお、特許文献１では、アダプターを支持部材と称している。また、特許文献１のアダプターは金属製となっているが、近年、レーダー装置のアダプターへの装着性等を考慮し、樹脂製のアダプターも提案されている。

従来の樹脂製のアダプターについて説明する。レーダー装置における送受信面と対向する面を背面とした場合、従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置の背面と対向するベース部を備えている。また、従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置の下面を支持する支持部と、レーダー装置の上面を支持部に向かって押圧する舌片と、を備えている。従来の樹脂製のアダプターの舌片は、基部がベース部に直接接続されており、レーダー装置の上面と対向するように、レーダー装置の送受信面に向かって延びている。また、アダプターがレーダー装置を保持していない状態においては、舌片と支持部との間の距離は、レーダー装置の上下方向の幅よりも小さくなっている。

従来の樹脂製のアダプターにレーダー装置を保持させる場合、レーダー装置の背面をアダプターのベース部に近づけていき、舌片と支持部との間にレーダー装置を挿入する。これにより、舌片は、レーダー装置の上面に接触している箇所が上方へ押される。換言すると、舌片におけるレーダー装置の上面に接触している箇所が、支持部から離れる方向に押される。そして、舌片は、ベース部に接続されている基部を固定端として弾性変形する。換言すると、舌片は、レーダー装置の上面に接触している箇所と基部との間が弾性変形する。このように弾性変形した際に舌片に発生する反力は、レーダー装置の上面を下方に押圧する力となる。すなわち、舌片の反力によって、レーダー装置は、支持部の方へ押圧される。これにより、従来の樹脂製のアダプターは、支持部と舌片とでレーダー装置を上下方向に挟み込み、レーダー装置を保持する。

特開２０１７－２１５１８６号公報

上述のように、従来の樹脂製のアダプターにおいては、舌片におけるレーダー装置の上面に接触している箇所と基部との間が弾性変形することで発生する反力により、レーダー装置を保持する。すなわち、従来の樹脂製のアダプターにおいては、レーダー装置をアダプターに保持させた際、舌片がレーダー装置によって押される荷重は、舌片におけるレーダー装置の上面に接触している箇所と基部との間で受けることとなる。この際、舌片におけるレーダー装置の上面に接触している箇所と基部との間の距離は短い。このため、従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置をアダプターに保持させた際、舌片の固定箇所である基部に応力集中が発生しやすい。したがって、従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置を保持した状態で時間が経過すると、舌片の基部にクリープ現象が発生し、レーダー装置の保持力が低下してしまうという課題があった。

本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、車両にレーダー装置を搭載する際に用いられる樹脂製のアダプターであって、レーダー装置の保持力が低下することを従来よりも抑制することが可能なアダプターを提供することを第１の目的とする。また、本発明は、このようなアダプターを備えたレーダーユニットを提供することを第２の目的とする。また、本発明は、このようなレーダーユニットを備えた車両を提供することを第３の目的とする。

本発明に係るアダプターは、車両の取付部に取り付けられ、レーダー装置を保持する樹脂製のアダプターであって、前記レーダー装置における送受信面と対向する面を背面とし、前記送受信面と前記背面とを接続する前記レーダー装置の側面のうちの１つを第１側面とし、前記レーダー装置の前記側面のうち、前記第１側面と対向する前記側面を第２側面とした場合、当該アダプターは、前記送受信面又は前記背面と対向するベース部と、前記ベース部と直接的又は間接的に接続され、前記第１側面と接触する第１支持部と、前記ベース部と直接的又は間接的に接続され、前記第２側面と接触する第２支持部と、を備え、前記第１支持部と前記第２支持部とで前記レーダー装置を挟持する構成であり、前記第１支持部は、前記第１側面と対向し、端部が前記ベース部と直接的又は間接的に接続された連結部と、基部が前記連結部に接続されて該基部から前記ベース部に近づく方向に延びており、前記レーダー装置が取り外された状態では先端が自由端となっており、前記レーダー装置が取り付けられた状態では前記第１側面を前記第２支持部に向かって押圧する舌片と、を備えている。

また、本発明に係るレーダーユニットは、本発明に係るアダプターと、前記アダプターに保持されたレーダー装置と、を備えている。

また、本発明に係る車両は、本発明に係るレーダーユニットを備えている。

本発明に係るアダプターは、該アダプターにレーダー装置が取り付けられた状態では、第１支持部の舌片がレーダー装置を第２支持部に向かって押圧する。すなわち、第１支持部の舌片と第２支持部との間にレーダー装置を挿入すると、舌片が第２支持部から離れる方向に押され、第１支持部が弾性変形する。そして、第１支持部が弾性変形した際に該第１支持部に発生する反力によって、第１支持部の舌片がレーダー装置を第２支持部の方へ押圧する。これにより、本発明に係るアダプターは、第１支持部の舌片と第２支持部とでレーダー装置を挟持し、レーダー装置を保持する。

上述のように、本発明に係るアダプターにおいては、第１支持部が弾性変形することで発生する反力により、レーダー装置を保持する。すなわち、本発明に係るアダプターは、舌片のみならず、第１支持部の連結部も弾性変形する。このため、舌片がレーダー装置によって押される荷重は、舌片のみならず、第１支持部の連結部でも受けることとなる。すなわち、本発明に係るアダプターは、舌片がレーダー装置によって押される荷重を、従来の樹脂製のアダプターよりも長い範囲で受けることができる。このため、本発明に係るアダプターは、レーダー装置をアダプターに保持させた際、応力集中の発生を抑制することができる。したがって、本発明に係るアダプターは、従来の樹脂製のアダプターと比べ、第１支持部でのクリープ現象の発生を抑制でき、レーダー装置の保持力が低下することを抑制できる。

本発明の実施の形態に係るレーダーユニットが搭載されたモーターサイクルを示す側面図である。 本発明の実施の形態に係るレーダーユニットを示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアダプターを示す分解斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアダプターを示す組立斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアダプターの第１支持部を示す図であり、図３の矢印Ａ方向に第１支持部を観察した図である。 図２のＢ－Ｂ断面図である。 本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの別の一例を示す斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアダプターを示す組立斜視図である。 本発明の実施の形態に係るアダプターの変形例を示す組立斜視図である。 本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの変形例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るアダプターの変形例の別の一例を示す組立斜視図である。

以下、本発明に係るアダプターについて、図面を用いて説明する。
なお、以下で説明する構成及び動作等は一例であり、本発明に係るアダプターは、そのような構成及び動作等である場合に限定されない。また、各図においては、同一の又は類似する部材又は部分に対して、同一の符号を付している場合又は符号を付すことを省略している場合がある。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。

実施の形態．
以下に、本実施の形態に係るアダプター、該アダプターを備えたレーダー装置、及び、該レーダー装置を備えた車両について説明する。

＜車両の構成＞
図１は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットが搭載されたモーターサイクルを示す側面図である。
モーターサイクル１は、例えば自動二輪車であり、該モーターサイクル１の前部に、レーダーユニット３を備えている。レーダーユニット３は、後述のように、レーダー装置６０と、該レーダー装置６０を保持するアダプター１００と、を備えている。レーダー装置６０は、後述する送受信面６５がモーターサイクル１の走行方向の前方を向くように、配置されている。また、アダプター１００は、モーターサイクル１の図示せぬ取付部に取り付けられている。取付部とは、アダプター１００を取り付けるためのブラケット等である。なお、取付部が取り付けられる部品は特に限定されないが、本実施の形態では、モーターサイクル１のフレーム２に、取付部を取り付けている。この際、取付部は、フレーム２に直接取り付けられていてもよいし、ダンパー等を介して間接的に取り付けられていてもよい。

なお、モーターサイクル１は、該モーターサイクル１の前部以外の位置にも、レーダーユニット３を備えていてもよい。例えば、モーターサイクル１は、該モーターサイクル１の後部に、レーダーユニット３を備えていてもよい。モーターサイクル１の後部に設けられたレーダー装置６０は、後述する送受信面６５がモーターサイクル１の走行方向の後方を向くように、配置されることとなる。

また、レーダーユニット３を備える車両は、モーターサイクル１に限定されない。レーダーユニット３を備える車両は、エンジン及び電動モータのうちの少なくとも１つを駆動源とする自転車、自動二輪車、自動三輪車及び自動四輪車等である。なお、自転車とは、ペダルに付与される踏力によって路上を推進することが可能な乗物全般を意味している。つまり、自転車には、普通自転車、電動アシスト自転車、電動自転車等が含まれる。また、自動二輪車又は自動三輪車は、いわゆるモーターサイクルを意味し、モーターサイクルには、オートバイ、スクーター、電動スクーター等が含まれる。

＜レーダーユニット及びアダプターの構成＞
図２は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットを示す斜視図である。図３は、本発明の実施の形態に係るアダプターを示す分解斜視図である。図４は、本発明の実施の形態に係るアダプターを示す組立斜視図である。図５は、本発明の実施の形態に係るアダプターの第１支持部を示す図であり、図３の矢印Ａ方向に第１支持部を観察した図である。また、図６は、図２のＢ－Ｂ断面図である。

レーダーユニット３は、略直方体形状のレーダー装置６０を備えている。また、レーダーユニット３は、レーダー装置６０を保持する樹脂製のアダプター１００を備えている。以下、アダプター１００の詳細構成について説明する。なお、アダプター１００を説明するに際し、レーダー装置６０の各部を次のように定義する。送受信面６５と対向する面を背面６６とする。送受信面６５と背面６６とを接続する側面のうちの１つを第１側面６１とする。第１側面６１は、アダプター１００の後述する第１支持部２０と接触する側面である。モーターサイクル１の取付部に取り付けられたアダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、第１側面６１は、レーダー装置６０の上面となる。また、送受信面６５と背面６６とを接続する側面のうち、第１側面６１と対向する側面を第２側面６２とする。第２側面６２は、アダプター１００の後述する第２支持部４０と接触する側面である。モーターサイクル１の取付部に取り付けられたアダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、第２側面６２は、レーダー装置６０の下面となる。また、送受信面６５と背面６６とを接続する側面のうち、第１側面６１と第２側面６２とを接続する側面の１つを第３側面６３とする。また、送受信面６５と背面６６とを接続する側面のうち、第３側面６３と対向する側面を第４側面６４とする。本実施の形態の場合、左側側面が第３側面６３となっており、右側側面が第４側面６４となっている。

アダプター１００は、ベース部１０と、第１支持部２０と、第２支持部４０と、を備えている。そして、アダプター１００は、第１支持部２０と第２支持部４０とでレーダー装置６０を挟持し、レーダー装置６０を保持する構成となっている。

ベース部１０は、例えば、略直方体の板形状をしている。アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、ベース部１０は、レーダー装置６０の背面６６と対向する。なお、レーダー装置６０の送受信面６５とベース部１０とが対向するように、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持されてもよい。

第１支持部２０は、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、レーダー装置６０の第１側面６１と接触する部材である。第１支持部２０の端部は、ベース部１０に接続されている。すなわち、第１支持部２０は、ベース部１０と直接接続されている。本実施の形態では、ベース部１０の上端部近傍に、第１支持部２０の端部が接続されている。また、第１支持部２０は、ベース部１０との接続箇所からレーダー装置６０に向かって突出している。

第１支持部２０についてさらに詳細に説明すると、第１支持部２０は、連結部２１及び舌片３１を備えている。連結部２１は、端部がベース部１０に接続されている。すなわち、連結部２１は、端部がベース部１０に直接接続されている。アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、連結部２１は、レーダー装置６０の第１側面６１と対向するが、レーダー装置６０の第１側面６１とは接触しない。また、本実施の形態では、連結部２１は、平面視略Ｕ字形状に形成されている。すなわち、連結部２１は、舌片３１の両側においてベース部１０に接続される２つの端部（端部２２及び端部２３）を備えている。

舌片３１は、基部３２が連結部２１に接続されており、該基部３２からベース部１０に近づく方向に延びている。また、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持されていない状態においては、舌片３１は、先端３３が自由端となっている。換言すると、アダプター１００からレーダー装置６０が取り外された状態では、舌片３１は、先端３３が自由端となっている。また、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持されている状態においては、舌片３１は、レーダー装置６０の第１側面６１を第２支持部４０に向かって押圧する。換言すると、アダプター１００にレーダー装置６０が取り付けられた状態では、舌片３１は、レーダー装置６０の第１側面６１を第２支持部４０に向かって押圧する。図５及び図６に示すように、本実施の形態では、舌片３１は、先端３３近傍に、レーダー装置６０の第１側面６１との接触箇所となる接触部３４が設けられている。図６に示すように、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持されている状態においては、舌片３１は、接触部３４でレーダー装置６０の第１側面６１を押圧する。

なお、本実施の形態に係る第１支持部２０は、舌片３１が連結部２１の略中央部で折り返して形成されている。しかしながら、舌片３１の当該位置は、一例である。舌片３１は、連結部２１の中央部でない位置で、折り返して形成してもよい。また、第１支持部２０は、複数の舌片３１を備えていてもよい。また、本実施の形態では、端部２２及び端部２３の双方が、ベース部１０に接続されているが、端部２２及び端部２３の一方のみが、ベース部１０に接続されていてもよい。

ここで、本実施の形態では、第１支持部２０の各箇所の断面二次モーメントを次のように設定している。

連結部２１において、舌片３１の基部３２との接続部と、ベース部１０に接続されている端部と、の間となる途中部を連結部側途中部２４とする。このように連結部側途中部２４を定義した場合、本実施の形態に係る連結部２１においては、連結部側途中部２４の断面二次モーメントが、ベース部１０に接続されている端部の断面二次モーメントよりも小さくなっている。なお、本実施の形態に係る連結部２１は、端部２２及び端部２３がベース部１０に接続されている。このため、本実施の形態では、端部２２の断面二次モーメントと端部２３の断面二次モーメントとの合計が、ベース部１０に接続されている端部の断面二次モーメントとなる。また、本実施の形態に係る連結部２１においては、端部２２及び端部２３がベース部１０に接続されているため、２つの範囲が連結部側途中部２４となる。具体的には、図５に二点鎖線で例示するように、舌片３１の基部３２との接続部と、端部２２と、の間は、連結部側途中部２４の１つとなる第１連結部側途中部２４ａになる。また、図５に二点鎖線で例示するように、舌片３１の基部３２との接続部と、端部２３と、の間は、連結部側途中部２４の１つとなる第２連結部側途中部２４ｂになる。本実施の形態の場合、第１連結部側途中部２４ａの断面二次モーメントと第２連結部側途中部２４ｂの断面二次モーメントとの合計が、連結部側途中部２４の断面二次モーメントとなる。

舌片３１において、接触部３４と基部３２との間となる途中部を、舌片側途中部３５とする。このように舌片側途中部３５を定義した場合、舌片側途中部３５の断面二次モーメントが、基部３２の断面二次モーメントよりも小さくなっている。また、本実施の形態では、基部３２の断面二次モーメントは、連結部側途中部２４の断面二次モーメントよりも小さくなっている。

第２支持部４０は、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、レーダー装置６０の第２側面６２と接触する部材である。第２支持部４０の端部は、ベース部１０に接続されている。すなわち、第２支持部４０は、ベース部１０と直接接続されている。本実施の形態では、ベース部１０の下端部近傍に、第２支持部４０の端部が接続されている。また、第２支持部４０は、ベース部１０との接続箇所からレーダー装置６０に向かって突出している。

なお、本実施の形態では、レーダー装置６０は、第２側面６２に、図示せぬ制御装置と配線接続する際に用いられるコネクター６７が設けられている。このため、第２支持部４０には、第２支持部４０とコネクター６７とが干渉しないように、開口部４１が形成されている。すなわち、アダプター１００でレーダー装置６０を保持する際、コネクター６７は開口部４１に挿入される。なお、第２支持部４０に、開口部４１に換えて切り欠きを形成し、第２支持部４０とコネクター６７とが干渉しないようにしてもよい。

また、本実施の形態に係るアダプター１００は、ベース部１０に接続された第１側壁４５及び第２側壁４７を備えている。第１側壁４５及び第２側壁４７は、ベース部１０からレーダー装置６０に向かって突出している。第１側壁４５は、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、レーダー装置６０の第３側面６３と対向する。第２側壁４７は、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、レーダー装置６０の第４側面６４と対向する。第１側壁４５と第２側壁４７との間の距離は、レーダー装置６０の第３側面６３と第４側面６４との間の距離よりも短くなっている。このため、本実施の形態に係るアダプター１００は、アダプター１００によってレーダー装置６０が保持された際、第１支持部２０と第２支持部４０とでレーダー装置６０を挟持し、第１側壁４５と第２側壁４７とでレーダー装置６０をさらに挟持する構成となっている。第１支持部２０と第２支持部４０とでレーダー装置６０を挟持することで、レーダー装置６０をアダプター１００で十分に保持することができる。しかしながら、第１側壁４５と第２側壁４７とでレーダー装置６０をさらに挟持することで、レーダー装置６０をアダプター１００でより安定的に保持することができる。

なお、レーダー装置６０の第３側面６３に、第１側壁４５に向かって突出する図示せぬ凸部が設けられ、レーダー装置６０の第４側面６４に、第２側壁４７に向かって突出する図示せぬ凸部が設けられていてもよい。この凸部は、例えばピン等で構成される。そして、第１側壁４５と第２側壁４７との間の距離は、第３側面６３の凸部の先端と第４側面６４の凸部の先端との間の距離よりも短い。

ここで、アダプター１００は、コネクター６７の位置が異なる複数のレーダー装置６０を、同一のアダプター１００で保持することもできる。

図７は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの別の一例を示す斜視図である。
図７に示すレーダー装置６０は、第３側面６３にコネクター６７が設けられている。このようなレーダー装置６０を保持する場合でも、アダプター１００とコネクター６７とが干渉しないようにすれば、図２～図６で示したアダプター１００を用いることができる。なお、図７で示すアダプター１００は、第３側面６３に設けられているコネクター６７との干渉を避けるため、図３及び図４等に示すように、第３側面６３と対向する第１側壁４５に切り欠き４６が形成されている。

また、本実施の形態に係るアダプター１００は、モーターサイクル１の取付部に対してレーダー装置６０の検出軸の角度を調整するための調整機構を備えている。具体的には、アダプター１００は、調整機構として、３つの雌ネジ部１２と、３本の調整ボルト７０を備えている。雌ネジ部１２のそれぞれは、例えば前後方向に貫通するように、ベース部１０に形成されている。調整ボルト７０のそれぞれは、雌ネジ部１２とかみ合う雄ネジ部７１が形成されている。また、雄ネジ部７１の端部には、断面形状が例えば多角形状となった工具接続部７２が設けられている。すなわち、調整ボルト７０の雄ネジ部７１をベース部１０の雌ネジ部１２にねじ込み、工具接続部７２に工具を接続して調整ボルト７０を回すことにより、調整ボルト７０は、雌ネジ部１２の貫通方向に、ベース部１０に対して相対移動可能となっている。なお、雌ネジ部１２は、雄ネジ部７１が挿入された際に形成されるタッピングネジとなっていてもよいし、雄ネジ部７１が挿入される前に形成されているものであってもよい。

また、調整ボルト７０の工具接続部７２とは反対側の端部は、モーターサイクル１の取付部に、回転自在及び角度変更自在に取り付けられる。調整ボルト７０がモーターサイクル１の取付部に対して回転自在及び角度変更自在となっていれば、調整ボルト７０の端部とモーターサイクル１の取付部との取り付け構成は、特に限定されない。２つの連結部品が回転自在及び角度変更自在に連結されている、種々の構成のユニバーサルジョイントが知られている。例えば、このようなユニバーサルジョイントの公知の連結構成を用いて、調整ボルト７０の端部を、モーターサイクル１の取付部に回転自在及び角度変更自在に取り付けてもよい。

本実施の形態では、調整ボルト７０と共にユニバーサルジョイントを構成する取り付け部品８０を用いて、調整ボルト７０の端部を、モーターサイクル１の取付部に回転自在及び角度変更自在に取り付けている。取り付け部品８０は、アダプター１００の付属部品であってもよいし、モーターサイクル１の付属部品であってもよい。詳しくは、調整ボルト７０の工具接続部７２とは反対側の端部には、外周部の一部が球形状となった球頭部７３が形成されている。また、取り付け部品８０は、調整ボルト７０の球頭部７３を回転自在及び角度変更自在に保持する保持部８１を備えている。なお、保持部８１が球頭部７３を保持する構成は、特に限定されない。保持部８１が球頭部７３を保持する構成として、ユニバーサルジョイントにおいて球頭部を回転自在及び角度変更自在に保持する公知の種々の構成を用いることができる。

ベース部１０の雌ネジ部１２のそれぞれに調整ボルト７０の雄ネジ部７１をねじ込み、調整ボルト７０と同数の取り付け部品８０をモーターサイクル１の取付部に取り付け、各取り付け部品８０の保持部８１に各調整ボルト７０の球頭部７３を保持させることにより、アダプター１００がモーターサイクル１の取付部に取り付けられる。なお、モーターサイクル１の取付部への取り付け部品８０の取り付け構成は特に限定されないが、本実施の形態では、次のような取り付け構成となっている。取り付け部品８０は、高さの異なる第１鍔部８２及び第２鍔部８３を備えている。第１鍔部８２と第２鍔部８３との間に、モーターサイクル１の取付部の板部材を挟み込むことにより、取り付け部品８０は、モーターサイクル１の取付部に取り付けられる。

アダプター１００がモーターサイクル１の取付部に取り付けられた状態において、工具接続部７２に工具を接続して各調整ボルト７０を回すことにより、各調整ボルト７０の位置において、アダプター１００とモーターサイクル１の取付部との距離を変更できる。これにより、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整できる。すなわち、モーターサイクル１の取付部に対して、アダプター１００に保持されたレーダー装置６０の検出軸の角度を調整できる。

なお、図２～図４に示すように、ベース部１０の後方から雌ネジ部１２に調整ボルト７０の雄ネジ部７１をねじ込んだ場合、アダプター１００はモーターサイクル１の取付部の前方に配置され、調整ボルト７０の工具接続部７２はベース部１０の前方へ突出することとなる。このため、アダプター１００の前方から、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整することとなる。しかしながら、アダプター１００の前方からの角度調整の仕方は一例である。

図８は、本発明の実施の形態に係るアダプターを示す組立斜視図である。
図８に示すように、ベース部１０の前方から雌ネジ部１２に調整ボルト７０の雄ネジ部７１をねじ込んだ場合、アダプター１００はモーターサイクル１の取付部の後方に配置され、調整ボルト７０の工具接続部７２はベース部１０の後方へ突出することとなる。このため、アダプター１００の後方から、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整することができる。

すなわち、本実施の形態に係るアダプター１００は、アダプター１００の前方及び後方の両側から、換言するとレーダー装置６０の前方及び後方の両側から、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整することができる。モーターサイクル１の取付部及び該取付部周辺の構造によって、アダプター１００を取付部の前方に配置した方がアダプター１００及びレーダー装置６０の設置スペースを小さくできる場合と、アダプター１００を取付部の後方に配置した方がアダプター１００及びレーダー装置６０の設置スペースを小さくできる場合とがある。本実施の形態に係るアダプター１００は、アダプター１００の前方及び後方の両側からモーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整することができるので、アダプター１００及びレーダー装置６０の設置スペースを小さくすることができる。すなわち、レーダーユニット３の設置スペースを小さくすることができる。

なお、本実施の形態に係るアダプター１００は、３つの雌ネジ部１２と、３本の調整ボルト７０とを備えていた。しかしながら、雌ネジ部１２の数は３つに限定されず、調整ボルト７０の数も３本に限定されない。少なくとも３箇所においてアダプター１００とモーターサイクル１の取付部との距離を調整できれば、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整できる。このため、雌ネジ部１２は、少なくとも３つあれば、４つ以上でもよい。同様に、調整ボルト７０は、少なくとも３本あれば、４本以上でもよい。

また、本実施の形態に係るアダプター１００においては、雌ネジ部１２に調整ボルト７０が取り付けられた際、調整ボルト７０のそれぞれは、レーダー装置６０の外周側に配置される。このような構成とすることにより、アダプター１００でレーダー装置６０を保持する前の状態と、アダプター１００でレーダー装置６０を保持した後の状態との双方で、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整できる。このため、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度の調整作業が容易となる。

また、本実施の形態に係るアダプター１００には、モーターサイクル１の取付部の貫通穴に挿入された固定用ボルトがねじ込まれる固定用雌ネジ部１３が形成されている。このため、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整する必要がない場合、調整ボルト７０を用いずに、アダプター１００をモーターサイクル１の取付部に取り付けることができる。このため、本実施の形態に係るアダプター１００は、モーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整する必要がない場合、固定用雌ネジ部１３が形成されていないアダプターと比べ、小型化することができる。なお、固定用雌ネジ部１３の数は特に限定されないが、本実施の形態では、３つの固定用雌ネジ部１３が形成されている。

＜アダプターでのレーダー装置の保持方法＞
続いて、アダプター１００でレーダー装置６０を保持する方法について説明する。
まず、レーダー装置６０の背面６６をアダプター１００のベース部１０に近づけていき、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間にレーダー装置６０を挿入する。ここで、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間にレーダー装置６０が挿入される前の状態では、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間の距離は、レーダー装置６０の第１側面６１と第２側面６２との間の距離よりも短くなっている。換言すると、アダプター１００からレーダー装置６０が取り外された状態では、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間の距離は、レーダー装置６０の第１側面６１と第２側面６２との間の距離よりも短くなっている。このため、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間にレーダー装置６０を挿入すると、舌片３１は、レーダー装置６０の第１側面６１によって、第２支持部４０から離れる方向に押される。

これにより、舌片３１は、基部３２と接触部３４との間が弾性変形する。また、舌片３１の基部３２は、第１支持部２０の連結部２１に接続されている。このため、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間にレーダー装置６０を挿入すると、連結部２１は、舌片３１を介して、レーダー装置６０の第１側面６１によって第２支持部４０から離れる方向に押される。したがって、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間にレーダー装置６０を挿入すると、連結部２１も弾性変形する。すなわち、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０との間にレーダー装置６０を挿入することにより、舌片３１が上述の弾性変形をした際に発生する反力と、連結部２１が上述の弾性変形をした際に発生する反力とが、レーダー装置６０の第１側面６１に作用する。これにより、第１支持部２０の舌片３１と第２支持部４０とでレーダー装置６０が挟持され、レーダー装置６０がアダプター１００に保持される。

＜アダプターの効果＞
本実施の形態に係るアダプター１００は、車両の取付部に取り付けられ、レーダー装置６０を保持する樹脂製のアダプターである。アダプター１００は、レーダー装置６０の送受信面６５又は背面６６と対向するベース部１０と、ベース部１０と接続されておりレーダー装置６０の第１側面６１と接触する第１支持部２０と、ベース部１０と接続されておりレーダー装置６０の第２側面６２と接触する第２支持部４０と、を備えている。そして、アダプター１００は、第１支持部２０と第２支持部４０とでレーダー装置６０を挟持する構成となっている。また、第１支持部２０は、連結部２１と舌片３１とを備えている。連結部２１は、レーダー装置６０の第１側面６１と対向し、端部２２及び端部２３がベース部１０と接続されている。舌片３１は、基部３２が連結部２１に接続されて、該基部３２からベース部１０に近づく方向に延びている。また、舌片３１は、レーダー装置６０がアダプター１００から取り外された状態では、先端３３が自由端となっている。また、舌片３１は、アダプター１００にレーダー装置６０が取り付けられた状態では、レーダー装置６０の第１側面６１を第２支持部４０に向かって押圧する。

従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置を押圧する舌片の基部がベース部に直接接続されていた。そして、従来の樹脂製のアダプターにおいては、舌片におけるレーダー装置に接触している箇所と基部との間が弾性変形することで発生する反力により、レーダー装置を保持していた。すなわち、従来の樹脂製のアダプターにおいては、レーダー装置をアダプターに保持させた際、舌片がレーダー装置によって押される荷重は、舌片におけるレーダー装置の上面に接触している箇所と基部との間で受けていた。この際、舌片におけるレーダー装に接触している箇所と基部との間の距離は短い。このため、従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置をアダプターに保持させた際、舌片の固定箇所である基部に応力集中が発生しやすい。したがって、従来の樹脂製のアダプターは、レーダー装置を保持した状態で時間が経過すると、舌片の基部にクリープ現象が発生し、レーダー装置の保持力が低下しやすい。アダプターによるレーダー装置の保持力が低下すると、例えば、該アダプター及びレーダー装置が搭載された車両が振動したとき等に、アダプターからレーダー装置が外れやすくなってしまう。また例えば、アダプターによるレーダー装置の保持力が低下すると、該アダプター及びレーダー装置が搭載された車両が振動したとき等に、レーダー装置の検出軸がずれる場合がある。

一方、上述のように、本実施の形態に係るアダプター１００においては、レーダー装置６０を保持する際、舌片３１のみならず、第１支持部２０の連結部２１も弾性変形する。このため、舌片３１がレーダー装置６０によって押される荷重は、舌片３１のみならず、連結部２１でも受けることとなる。すなわち、本実施の形態に係るアダプター１００は、舌片３１がレーダー装置６０によって押される荷重を、従来の樹脂製のアダプターよりも長い範囲で受けることができる。このため、本実施の形態に係るアダプター１００は、レーダー装置６０をアダプター１００に保持させた際、舌片３１の固定箇所である基部３２に応力集中が発生することを抑制できる。また、本実施の形態に係るアダプター１００は、レーダー装置６０をアダプター１００に保持させた際、第１支持部２０の固定箇所である連結部２１の端部２２及び端部２３に応力集中が発生することも抑制できる。したがって、本実施の形態に係るアダプター１００は、従来の樹脂製のアダプターと比べ、第１支持部２０でのクリープ現象の発生を抑制でき、レーダー装置６０の保持力が低下することを抑制できる。したがって、本実施の形態に係るアダプター１００は、従来の樹脂製のアダプターと比べ、例えば、本実施の形態に係るレーダーユニット３が搭載された車両が振動したとき等に、アダプター１００からレーダー装置６０が外れることを抑制できる。また例えば、本実施の形態に係るアダプター１００は、従来の樹脂製のアダプターと比べ、本実施の形態に係るレーダーユニット３が搭載された車両が振動したとき等に、レーダー装置６０の検出軸がずれることを抑制できる。

好ましくは、連結部２１において、連結部側途中部２４の断面二次モーメントが、ベース部１０に接続されている端部の断面二次モーメントよりも小さくなっている。このように構成することにより、連結部２１がより均一に弾性変形しやすくなり、連結部２１の端部２２及び端部２３に応力集中が発生することをより抑制できる。すなわち、このように構成することにより、アダプター１００においてレーダー装置６０の保持力が低下することをより抑制できる。

好ましくは、舌片３１において、舌片側途中部３５の断面二次モーメントが、基部３２の断面二次モーメントよりも小さくなっている。このように構成することにより、舌片３１がより均一に弾性変形しやすくなり、舌片３１の基部３２に応力集中が発生することをより抑制できる。すなわち、このように構成することにより、アダプター１００においてレーダー装置６０の保持力が低下することをより抑制できる。さらに好ましくは、舌片３１の基部３２の断面二次モーメントは、連結部２１の連結部側途中部２４の断面二次モーメントよりも小さくなっている。このように構成することにより、第１支持部２０全体が均一に弾性変形しやすくなり、第１支持部２０に応力集中が発生することをさらに抑制できる。すなわち、このように構成することにより、アダプター１００においてレーダー装置６０の保持力が低下することをさらに抑制できる。

好ましくは、本実施の形態に係るレーダーユニット３を備えた車両は、モーターサイクル１である。アダプター１００においてレーダー装置６０の保持力が低下すると、レーダーユニット３が搭載された車両が上下動した際、アダプター１００内でレーダー装置６０ががたつき、騒音が発生する場合がある。ここで、自動四輪車では、運転者は室内に乗り、レーダーユニット３はエンジンルーム等に配置される。このため、自動四輪車では、運転者は、アダプター１００内でのレーダー装置６０のがたつきによる騒音はあまり気にならない。一方、モーターサイクル１は、運転者が乗る室内が無い。このため、モーターサイクル１では、アダプター１００内でのレーダー装置６０のがたつきによる騒音が、運転者に聞こえやすい。また、モーターサイクル１は、自動四輪車と比べ、ホイールベースが短く、上下動しやすい。また、モーターサイクル１では、エンジン及びレーダーユニット３の双方がフレーム２に取り付けられるため、エンジンの振動がレーダーユニット３に伝わりやすい。すなわち、モーターサイクル１は、自動四輪車と比べ、アダプター１００内でのレーダー装置６０のがたつきによる騒音が発生しやすい。このため、レーダー装置６０の保持力が低下することを抑制できる本実施の形態に係るレーダーユニット３は、レーダー装置６０のがたつきによる騒音が発生しやすいモーターサイクル１に備えられることが好ましい。

＜変形例＞
図９は、本発明の実施の形態に係るアダプターの変形例を示す組立斜視図である。
上述したアダプター１００においては、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されていた。具体的には、第１支持部２０の連結部２１の端部２２及び端部２３は、ベース部１０に直接接続されていた。これに限らず、第１支持部２０は、ベース部１０に間接的に接続されていてもよい。すなわち、第１支持部２０の連結部２１の端部２２及び端部２３は、ベース部１０に間接的に接続されていてもよい。連結部２１の端部２２及び端部２３がベース部１０に間接的に接続される場合、アダプター１００は、具体的には図９のように構成される。図９に示すアダプター１００においては、連結部２１の端部２２は第１側壁４５に接続されおり、連結部２１の端部２３は第２側壁４７に接続されている。なお、端部２２及び端部２３の一方のみが、第１側壁４５又は第２側壁４７に接続されていてもよい。

第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００においても、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００と同様に、舌片３１がレーダー装置６０によって押される荷重は、舌片３１のみならず、連結部２１でも受けることとなる。このため、第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００においても、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００と同様に、従来の樹脂製のアダプターと比べ、レーダー装置６０の保持力が低下することを抑制できる。

また、第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００は、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００と比べ、次のような効果を得ることができる。第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００は、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００と比べ、連結部２１と舌片３１との接続箇所において、連結部２１の縁部と舌片３１の縁部との間の角度を大きくすることができる。このため、第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００は、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００と比べ、舌片３１の固定箇所である基部３２に応力集中が発生することをより抑制できる。

一方、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００は、第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００と比べ、次のような効果を得ることができる。調整ボルト７０を用いてモーターサイクル１の取付部に対するアダプター１００の角度を調整する際、第１側壁４５及び第２側壁４７が変形する場合がある。このような場合、第１支持部２０がベース部１０に間接的に接続されているアダプター１００は、第１支持部２０の連結部２１が第１側壁４５及び第２側壁４７に接続されているため、第１側壁４５及び第２側壁４７の変形によって、レーダー装置６０の保持力が変動する場合がある。これに対して、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００は、第１支持部２０の連結部２１が第１側壁４５及び第２側壁４７に接続されていない。このため、第１支持部２０がベース部１０に直接的に接続されているアダプター１００は、第１側壁４５及び第２側壁４７が変形した場合でも、レーダー装置６０の保持力の変動を抑制することができる。

なお、第２支持部４０も、第１支持部２０と同様に、ベース部１０に直接的に接続されている構成に限定されない。第２支持部４０も、第１支持部２０と同様に、ベース部１０に間接的に接続されていてもよい。

図１０は、本発明の実施の形態に係るレーダーユニットの変形例を示す図である。この図１０は、図６と同じ断面及び観察範囲で、レーダーユニット３の変形例を示した図となっている。
図１０に示すレーダーユニット３においては、レーダー装置６０の第１側面６１に凸部５１を備えている。凸部５１は、アダプター１００の舌片３１に向かって突出している。凸部５１は、例えば、円筒状のピンである。一方、アダプター１００の舌片３１には、凸部５１が挿入された凹部５２が形成されている。なお、アダプター１００の舌片３１に凸部５１を設け、レーダー装置６０の第１側面６１に凹部５２を形成してもよい。すなわち、図１０に示すレーダーユニット３は、レーダー装置６０の第１側面６１及びアダプター１００の舌片３１のうちの一方に凸部５１が設けられ、レーダー装置６０の第１側面６１及びアダプター１００の舌片３１のうちの他方に凹部５２が形成されていればよい。

図１０のようにレーダーユニット３を構成することにより、上述の効果に加えて、次のような効果を得ることができる。図１０に示すレーダーユニット３においては、レーダー装置６０がアダプター１００から外れそうになった場合、凸部５１が凹部５２に引っ掛かる。このため、図１０に示すレーダーユニット３は、凸部５１及び凹部５２を備えていないレーダーユニット３と比べ、レーダー装置６０がアダプター１００から外れることをより抑制できる。

図１１は、本発明の実施の形態に係るアダプターの変形例の別の一例を示す組立斜視図である。
上述のアダプター１００においては、ベース部１０、第１支持部２０及び第２支持部４０は一体形成品となっていた。一方、図１１に示すアダプター１００においては、ベース部１０、第１支持部２０及び第２支持部４０を構成する部品として、第１部品１０１及び第２部品１０２を備えている。具体的には、ベース部１０は、第１支持部２０が接続された第１ベース部１４と、第２支持部４０が接続された第２ベース部１５と、を備えている。第１ベース部１４と第２ベース部１５とは、互いに別体化されている。そして、第１部品１０１は、第１ベース部１４と第１支持部２０とを備えている。また、第２部品１０２は、第２ベース部１５と第２支持部４０とを備えている。すなわち、第１部品１０１と第２部品１０２とは、互いに別体化されている。なお、第１部品１０１と第２部品１０２とを接続する構成は特に限定されない。本実施の形態では、第１部品１０１と第２部品１０２とを雄ネジ１０３でネジ止め固定することにより、第１部品１０１と第２部品１０２とを接続している。

互いに別体化された第１部品１０１及び第２部品１０２でベース部１０、第１支持部２０及び第２支持部４０を構成することにより、次のような効果を得ることができる。互いに別体化された第１部品１０１及び第２部品１０２でベース部１０、第１支持部２０及び第２支持部４０を構成する場合、第１部品１０１及び第２部品１０２でレーダー装置６０を挟み込み、レーダー装置６０を保持することとなる。このため、第１部品１０１及び第２部品１０２の対向方向の長さが異なる複数のレーダー装置６０に対してアダプター１００を準備する際、第１部品１０１及び第２部品１０２のうちの少なくとも一方を共通化することができる。一方、ベース部１０、第１支持部２０及び第２支持部４０が一体形成品となっている場合、第１支持部２０及び第２支持部４０の間にレーダー装置６０を挿入するだけで、レーダー装置６０をアダプター１００に保持させることができる。このため、ベース部１０、第１支持部２０及び第２支持部４０が一体形成品となっている場合、レーダー装置６０のアダプター１００への取り付け工数を抑制することができる。

以上、本実施の形態に係るアダプター１００について説明したが、本発明に係るアダプターは、本実施の形態の説明に限定されるものではなく、本実施の形態の一部のみが実施されてもよい。

１ モーターサイクル、２ フレーム、３ レーダーユニット、１０ ベース部、１２ 雌ネジ部、１３ 固定用雌ネジ部、１４ 第１ベース部、１５ 第２ベース部、２０ 第１支持部、２１ 連結部、２２ 端部、２３ 端部、２４ 連結部側途中部、２４ａ 第１連結部側途中部、２４ｂ 第２連結部側途中部、３１ 舌片、３２ 基部、３３ 先端、３４ 接触部、３５ 舌片側途中部、４０ 第２支持部、４１ 開口部、４５ 第１側壁、４６ 切り欠き、４７ 第２側壁、５１ 凸部、５２ 凹部、６０ レーダー装置、６１ 第１側面、６２ 第２側面、６３ 第３側面、６４ 第４側面、６５ 送受信面、６６ 背面、６７ コネクター、７０ 調整ボルト、７１ 雄ネジ部、７２ 工具接続部、７３ 球頭部、８０ 取り付け部品、８１ 保持部、８２ 第１鍔部、８３ 第２鍔部、１００ アダプター、１０１ 第１部品、１０２ 第２部品、１０３ 雄ネジ。

Claims (13)

1. 車両の取付部に取り付けられ、レーダー装置（６０）を保持する樹脂製のアダプター（１００）であって、
   前記レーダー装置（６０）における送受信面（６５）と対向する面を背面（６６）とし、
   前記送受信面（６５）と前記背面（６６）とを接続する前記レーダー装置（６０）の側面のうちの１つを第１側面（６１）とし、
   前記レーダー装置（６０）の前記側面のうち、前記第１側面（６１）と対向する前記側面を第２側面（６２）とした場合、
   当該アダプター（１００）は、
   前記送受信面（６５）又は前記背面（６６）と対向するベース部（１０）と、
   前記ベース部（１０）と直接的又は間接的に接続され、前記第１側面（６１）と接触する第１支持部（２０）と、
   前記ベース部（１０）と直接的又は間接的に接続され、前記第２側面（６２）と接触する第２支持部（４０）と、
   を備え、
   前記第１支持部（２０）と前記第２支持部（４０）とで前記レーダー装置（６０）を挟持する構成であり、
   前記第１支持部（２０）は、
   前記第１側面（６１）と対向し、端部（２２，２３）が前記ベース部（１０）と直接的又は間接的に接続された連結部（２１）と、
   基部（３２）が前記連結部（２１）に接続されて該基部（３２）から前記ベース部（１０）に近づく方向に延びており、前記レーダー装置（６０）が取り外された状態では先端（３３）が自由端となっており、前記レーダー装置（６０）が取り付けられた状態では前記第１側面（６１）を前記第２支持部（４０）に向かって押圧する舌片（３１）と、
   を備えているアダプター（１００）。
2. 前記連結部（２１）の前記端部（２２，２３）は、前記ベース部（１０）に直接接続されている
   請求項１に記載のアダプター（１００）。
3. 前記レーダー装置（６０）の前記側面のうち、前記第１側面（６１）と前記第２側面（６２）とを接続する前記側面の１つを第３側面（６３）とし、
   前記レーダー装置（６０）の前記側面のうち、前記第３側面（６３）と対向する前記側面を第４側面（６４）とした場合、
   当該アダプター（１００）は、
   前記第３側面（６３）と対向する第１側壁（４５）と、
   前記第４側面（６４）と対向する第２側壁（４７）と、
   を備え、
   前記連結部（２１）の前記端部（２２，２３）は、前記ベース部（１０）に接続された前記第１側壁（４５）及び前記第２側壁（４７）に接続されている
   請求項１に記載のアダプター（１００）。
4. 前記連結部（２１）において、前記舌片（３１）の前記基部（３２）との接続部と、前記端部（２２，２３）と、の間となる途中部を連結部側途中部（２４）とした場合、
   前記連結部（２１）は、
   前記連結部側途中部（２４）の断面二次モーメントが、前記端部（２２，２３）の断面二次モーメントよりも小さい
   請求項１～請求項３のいずれか一項に記載のアダプター（１００）。
5. 前記舌片（３１）において、前記第１側面（６１）との接触箇所（３４）と、前記基部（３２）と、の間となる途中部を舌片側途中部（３５）とした場合、
   前記舌片（３１）は、
   前記舌片側途中部（３５）の断面二次モーメントが、前記基部（３２）の断面二次モーメントよりも小さい
   請求項４に記載のアダプター（１００）。
6. 前記基部（３２）の断面二次モーメントは、前記連結部側途中部（２４）の断面二次モーメントよりも小さい
   請求項５に記載のアダプター（１００）。
7. 前記ベース部（１０）、前記第１支持部（２０）及び前記第２支持部（４０）は一体形成品である
   請求項１～請求項６のいずれか一項に記載のアダプター（１００）。
8. 前記ベース部（１０）は、互いに別体化された、前記第１支持部（２０）が接続された第１ベース部（１４）と、前記第２支持部（４０）が接続された第２ベース部（１５）と、を備えている
   請求項１～請求項６のいずれか一項に記載のアダプター（１００）。
9. 前記車両に取り付けられた当該アダプター（１００）によって前記レーダー装置（６０）が保持された際、
   前記第１側面（６１）は、前記レーダー装置（６０）の上面となる
   請求項１～請求項８のいずれか一項に記載のアダプター（１００）。
10. 請求項１～請求項９のいずれか一項に記載のアダプター（１００）と、
    前記アダプター（１００）に保持されたレーダー装置（６０）と、
    を備えているレーダーユニット（３）。
11. 前記レーダー装置（６０）の前記第１側面（６１）及び前記アダプター（１００）の前記舌片（３１）のうちの一方に設けられた凸部（５１）を備え、
    前記レーダー装置（６０）の前記第１側面（６１）及び前記アダプター（１００）の前記舌片（３１）のうちの他方に、前記凸部（５１）が挿入された凹部（５２）が形成されている
    請求項１０に記載のレーダーユニット（３）。
12. 請求項１０又は請求項１１に記載のレーダーユニット（３）を備えている
    車両。
13. 当該車両はモーターサイクル（１）である請求項１２に記載の車両。
    

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