JP7310103B2 - 紙カップ - Google Patents

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Description

本願発明は、トップカールを有する紙カップに関する。より詳細には、紙カップの胴貼り部のトップカールの品質が安定している紙カップに関する。
従来より、紙カップのトップカールの品質安定のための各種発明や考案が知られている。
図1に紙カップの全体図を示す。紙カップ10は、トップカール11、胴部12、底部13からなり、胴部12には帯状シール部14がある。図1には、説明の便宜のために、方向指示マークを記載している。CMDは紙カップ10の前記帯状シール部14の長手方向を示し、CTDは前記CMDと垂直な方向である前記帯状シール部14の短手方向、すなわち胴部12の周回方向を示す。
トップカール11の品質不良の1つとして、カール開きがある。カール開きとは、トップカール加工を実施した後に、加工直後もしくは時間経過とともにトップカールの一部分の曲がりが解けて曲率半径が大きくなり、トップカール11の巻きが甘くなってしまうことである。発生場所は、前記トップカール11の帯状シール部14に発生することが多い。
トップカール11の形成は、以下の手順で行われる。胴部12を形成するための胴ブランク20を図4に示す。図4の裏面が胴ブランク20の表面となり、紙カップ10の外面となる。図4の表面が胴ブランク20の裏面となり、紙カップ10の内面となる。前記胴ブランク20は大きくは4つの端部からなり、上縁部21、下縁部22、及び前記胴ブランクを中空状にするための胴貼りを行う両側縁部23、24である。胴貼りを行うに当たりまずは、紙カップ10の内面になる予定の胴ブランク20の裏面を内面にするように、胴ブランク20を中空状に曲げる。そして、前記胴ブランク20の側縁部23の裏面と、側縁部24の表面側とが、所定の幅で重ねられる。前記帯状シール部14の外側となる帯状シール代25の裏面と、内側になる帯状シール代26の表面とが重ね合されて、前記帯状シール部14は接合される。
なお、胴ブランク20は紙基材を主体としており、その層構成は、図5(a)に示すような積層体40で構成される。前記積層体40は、少なくとも紙カップの外面側から紙基材層41/樹脂フィルム層42/シーラント層43の3層構成からなる。図2、図3での胴ブランク20の層構成は、正確には多層であるが、省略して1層で表示している。
上記の方法で製作された胴巻きには、次の紙カップ成型工程以降でトップカール11を形成される。前記胴巻きの上方開口縁に前記トップカール11の形成用のカール用溝付き金型を押し当て、前記上方開口縁は外向きに伸ばされながら曲げ加工され、前記上方開口縁が前記胴巻きの外面に当接される程度に巻き込まれてトップカール11を形成する。すなわち胴ブランク20の上縁部21は略1周もしくは1周を超えて巻き込まれる。
図2は、図1の帯状シール部14のA-A断面において、トップカール良品30を示す。前記紙カップ10の外側の帯状シール代25と内側の帯状シール代26は、それぞれ胴ブランク20の部分であり同じ積層体である。上記の2つの積層体は、貼り合されて前記帯状シール部14となり、その後にトップカール加工される。前記紙カップ10の外側の帯状シール代25の上縁部27、および前記紙カップ10の内側の帯状シール代26の上縁部28は、略1周もしくは1周以上して、上方向を向く。
図3は、図1の帯状シール部14のA-A断面において、カール開きが発生したトップカール不良品31を示す。前記紙カップ10の外側の帯状シール代25と内側の帯状シール代26は、それぞれ胴ブランク20の部分であり同じ積層体である。上記の2つの積層体は貼り合されて前記帯状シール部14となり、その後にトップカール加工される。前記トップカール加工の直後もしくは時間が経過してから、前記帯状シール部14の上縁部21の側が剥がれ、前記紙カップ10の外側の帯状シール代25の上縁部27側と内側の帯状シール代26の上縁部28側が離隔する。その後、前記紙カップ10内側の帯状シール代26のトップカールが解け、曲率半径が大きくなり、前記帯状シール代26の上縁部28が、紙カップの下方向に移動して、カール開きとなる。
前記トップカール11の帯状シール部14において、前記胴巻きの外面側の帯状シール代25の上縁部27はトップカール11に巻き込まれた際にトップカール11の内側となり、前記胴巻きの内面側の帯状シール代26の上縁部28はトップカール11に巻き込まれた際にトップカール11の外側となる。
前記帯状シール部14のトップカール11の内側となる帯状シール代25の上縁部27は、前記トップカール11の外側となる帯状シール代26の上縁部28の内側に存在し、前記外側となる帯状シール代26の上縁部28付近の部分により保護されるために、カール開きが発生しにくい。
一方、前記帯状シール部14のトップカール11の外側となる帯状シール代26の上縁部28は、外側に保護となる部材が存在しないので、もし帯状シール部14が剥がれた場合にはカール開きとなってしまうリスクがある。胴ブランク20を2枚貼り合わせた前記帯状シール部14にトップカール加工する際に、前記帯状シール部14はその他の胴部12の部分と比較して、積層体2枚の厚さとなるため、前記帯状シール部14の外面の曲率半径と内面の曲率半径が大きく異なるので、前記帯状シール部14に負荷がかかり、前記帯状シール部14が剥がれるリスクが増加する。
特許文献1では、図8に示すように、トップカール11の先端部付近と紙カップ10の胴部12とをホットメルト接着剤51で固定して、トップカール11の強度を向上させる考案が提示されており、この考案はカール開きを解決する考案としても活用することができる。
特許文献2では、図9に示すように、紙基材層52の両面にポリエチレン層53をラミネートした積層体を加工して、成型された紙カップ10のトップカール11において、前記トップカール11の先端部付近と紙カップ10の胴部12とをホットエアーで加熱して溶着する考案が提示されている。前記トップカール11の先端部付近の外側のポリエチレン層53と前記紙カップ10の胴部12の外側のポリエチレン層53の当接する部分にホットエアーを吹き付け、上記の両方のポリエチレン層53を溶融させてから、冷却して固定箇所55にて固定している。帯状シール部14の厚さ方向の中央部のポリエチレン層54は、前記ポリエチレン層53が2枚接合されていることから、前記ポリエチレン層53の約2倍の厚さとなっている。
上記のようなトップカール11の強度を向上させる考案が提示されており、この考案はカール開きを解決する考案としても活用することができる。
実公昭64-39069号公報 実公平2-135431号公報
しかしながら、特許文献1では、トップカール11を胴部12と固定することにより、カール開きを防止することができるが、紙カップ成型後に、さらなる別工程にてホットメルトを塗布する工程を設ける必要があり、コストアップ要因である。また、ホットメルトが脱落した際に、紙カップに異物混入のリスクがある。
また、特許文献2では、トップカール11を胴部12と固定することにより、カール開きを防止することができるが、紙カップ成型後に、さらなる別工程にてホットエアー吹き付けによる接合工程を設ける必要があり、コストアップ要因である。また、両面にポリエリレンをラミネートした胴ブランク20を準備しなくてはならず、片面にポリエリレンをラミネートした胴ブランク20の場合よりもコストアップとなる。
本願発明は上記の状況を鑑みてなされたものであり、紙カップ成型後の後工程にてトップカールと胴部を接着させる工程が不要でありながら、トップカールの開きを防止できることを特徴とした紙容器を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための本願発明の紙カップは、胴部と底部を有する紙カップにおいて、前記胴部となる所定形状の胴ブランクは当該紙カップの外側となる面から順に、紙基材層、低密度ポリエチレン(1)層、樹脂フィルム層、低密度ポリエチレン(2)層が積層され、前記紙基材層は、坪量260g/m2の紙カップ原紙であり、前記低密度ポリエチレン(1)層の厚さは15μmであり、前記樹脂フィルム層は厚さ15μmの二軸延伸されたナイロンであり、前記低密度ポリエチレン(2)層の厚さは25μmであり、前記胴部は前記胴ブランクを丸めて一方の側縁部のシーラント層と他方の側縁部の紙基材層とが重なり合う部分をヒートシールして帯状シール部を形成し、前記胴部の上方開口縁には前記胴部の外側に向かって形成したトップカールが設けられ、前記胴部の下方開口縁には底部が設けられ、前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層は、前記帯状シール部の長手方向の加熱収縮率が短手方向の加熱収縮率の3倍であり、前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層の加熱収縮率のうち、前記帯状シール部の短手方向の加熱収縮率が0.6%であり、前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層の加熱収縮率のうち、前記帯状シール部の長手方向の加熱収縮率が1.8%であることを特徴としている。
また、上記課題を解決するための本願発明の紙カップは、胴部と底部を有する紙カップにおいて、前記胴部となる所定形状の胴ブランクは当該紙カップの外側となる面から順に、少なくとも紙基材層、樹脂フィルム層、ならびにシーラント層が積層され、前記胴部は前記胴ブランクを丸めて一方の側縁部のシーラント層と他方の側縁部の紙基材層とが重なり合う部分をヒートシールして帯状シール部を形成し、前記胴部の上方開口縁には前記胴部の外側に向かって形成したトップカールが設けられ、前記胴部の下方開口縁には底部が設けられ、前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層の加熱収縮率のうち、前記帯状シール部の短手方向の加熱収縮率が0.6%以下であることを特徴としている。
さらに、上記課題を解決するための本願発明の紙カップは、胴部と底部を有する紙カップにおいて、前記胴部となる所定形状の胴ブランクは当該紙カップの外側となる面から順に、少なくとも紙基材層、樹脂フィルム層、ならびにシーラント層が積層され、前記胴部は前記胴ブランクを丸めて一方の側縁部のシーラント層と他方の側縁部の紙基材層とが重なり合う部分を帯状シール部として胴貼りしてなり、前記胴部の上方開口縁には前記胴部の外側に向かって形成したトップカールが設けられ、前記胴部の下方開口縁には底部が設けられ、前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層の短手方向の引張伸度が90%を超えることを特徴としている。
本願発明によれば、紙カップ成型後の後工程にてトップカールと胴部を接着させる工程が不要でありながら、トップカールの開きが発生しないことを特徴とした紙カップを提供することができる。
紙カップの全体図である。 トップカールの良品の例である。 トップカールのカール開きの例である。 紙カップの胴ブランクである。 紙カップの胴ブランクの層構成である。 胴ブランク原反の横断方向に、逆四角錐台型紙カップのブランクを1面配置した胴ブランク抜き説明図である。 胴ブランク原反の横断方向に、逆円錐台型紙カップのブランクを2面配置した胴ブランク抜き説明図である。 従来技術の第1の例である。 従来技術の第2の例である。
以下、本願発明について図面を用いながら説明する。但し、本願発明はこれら具体的に例示された形態や、各種の具体的に記載された構造に限定されるものではない。
なお、各図においては、分かり易くする為に、部材の大きさや比率を変更または誇張して記載することがある。また、見やすさの為に説明上不要な部分や繰り返しとなる符号は省略することがある。
(紙カップの製造方法)
図1に紙カップの全体図を示す。紙カップ10は胴部12と、前記胴部12の上方開口縁に備えられたトップカール11と、前記胴部12の下方開口縁に備えられた底部13からなる。前記胴部には帯状シール部14が備えられている。
前記胴部12を形成するための胴ブランク20を図4に示す。胴ブランク20の裏面は紙カップ10の外面となり、表面は紙カップ10の内面となる。前記胴ブランク20は大きくは4つの端部からなり、上縁部21、下縁部22、及びブランクを中空状にするための胴貼りを行う両側縁部23、24である。胴貼りを行うに当たりまずは、紙カップ10の内面になる予定の前記胴ブランク20の裏面を、内面になるように中空状に曲げる。そして、前記胴ブランク20の側縁部23の裏面と前記胴ブランク20の側縁部24の表面とが、所定の幅で重ねられる。前記帯状シール部14の外側となる帯状シール代25の裏面と、内側になる帯状シール代26の表面とを重ね合された前記帯状シール部14は接合されて、胴巻きが製作される。上記の接合方法は、接着剤、熱溶着、高周波溶着、超音波溶着など公知の方法で実施される。
前記胴巻きが製作されたのちに、前記胴巻きの下方開口縁が底部部材で封鎖されて、底部13が形成される。前記封鎖方法として、以下の方法がある。紙カップ10の底部13の形成は、前記胴巻きの下端を内側に折り返した折り返し部に、前記胴巻きとは別部材である底部部材の外周縁部を折り曲げて形成され屈曲部が、前記折り返し部と前記胴巻きの側面の間に挟み込まれて接合される方法が一般的であり、前記紙カップ10の胴部12の下縁部には、環状に突出した脚部が備えられる。この底部の形状を糸尻と呼んでいる。
底部については上記に記載された形態だけではなく、例えば前記底部部材を折り曲げずに平坦として、前記胴巻きの下方開口縁を紙カップの中心方向に向けて略直角に折り曲げて、前記底面部材と接着して、平担な底形状としてもよい。平坦な底形状にすることで、紙カップを電子レンジ調理にて使用しても底部に焦げが生じない。また、前記底部部材を使わず、前記胴巻きの下方開口縁を折り曲げて、組み立てて、接合をすることで、底部を形成してもよい。前記糸尻の形態以外の底部を有し、かつトップカールも備える紙を主体とした容器を、本願発明では紙カップに含む。紙を主体とするとは、容器の総重量に対する紙素材の重量の割合が50%以上であることである。
(胴ブランクの準備)
本願発明の胴ブランク20を準備するにあたり、まず胴ブランク原反45を準備する。前記胴ブランク原反45は、図5(a)に示しように、少なくとも紙基材層41と樹脂フィルム層42とシーラント層43が積層されている。紙基材層41は紙カップ10の剛性を持たせる役割があり、また、トップカール加工をすることから、衛生性、加工性、コストに優れる紙カップ原紙が採用されることが望ましい。前記紙カップ原紙の坪量は150g/m2~400g/m2が望ましい。この坪量より小さいと紙カップの剛性が保てず変形しやすくなり、この坪量より大きいとトップカール加工が難しくなる。
樹脂フィルム層42は、紙カップ10に付加機能を備えるために設けられる。付加機能とは、水蒸気バリア性、酸素バリア性、突き刺し強度、破断強度、引張強度、折り曲げ強度、耐ピンホール性などである。
上記の付加機能を付加するために、例えば、突き刺し強度、折り曲げ強度、引張強度などの機械的強度の要求であれば、樹脂フィルム層42には、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ナイロン(PA)、ポリプロピレン(PP)などの強度のあるフィルムを使用することができる。
水蒸気バリア性や酸素バリア性を要求する場合にガスバリア層として、前記樹脂フィルム層42は、アルミニウム箔、アルミニウム蒸着ポリエチレンテレフタレート、ポリ塩化ビニリデンフィルム(PVDC)、ポリビニルアルコールフィルム(PVA)、エチレンビニルアルコール共重合体フィルム(EVOH)、ガスバリア性ナイロンフィルム、ガスバリア性ポリエチレンテレフタレートフィルム等のガスバリア性フィルムや、ポリエチレンテレフタレートフィルム等に酸化アルミニウムや酸化珪素等の無機酸化物を蒸着させた無機酸化物蒸着フィルム、あるいは、ポリ塩化ビニリデンコーティング、水溶性樹脂と無機層状化合物を含有する被膜や金属アルコキシドあるいはその加水分解物とイソシアネート化合物を反応させた被膜からなる樹脂層などのガスバリアコーティング層を用いることができる。
シーラント層43は、紙カップ10を紙カップ形状に保形するために必要箇所を接合することと、及び上記の接合を充分に行い内容物の漏れを防止する役割を有する。シーラント層43の材料としては、熱可塑性樹脂層としてはポリエチレン系樹脂が好ましく、例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(L-LDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、アイオノマ-樹脂、エチレン-アクリル酸共重合体(EAA)、エチレン-アクリル酸エチル共重合体(EEA)、エチレン-メタクリル酸共重合体(EMAA)、エチレン-メタクリル酸メチル共重合体(EMMA)、ポリエチレン系樹脂をアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の不飽和カルボン酸で変性した酸変性ポリオレフィン樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂などが例示でき、必要に応じて、適宜に添加剤を加えても良い。又はLDPE/MDPE/LDPE、LDPE/HDPE/LDPEからなる多層構成のものが使用されてもよい。
前記紙基材層41と前記樹脂フィルム層42の接合については、各種の接合方法が用いられるが、好適には紙基材層41と予め準備した樹脂フィルム層42の間に、溶融した接着性樹脂を膜状に押し出して接合させる押し出し接着法である。
樹脂フィルム層42とシーラント層43の接合については、予め準備した樹脂フィルムと予め準備したシーラントフィルムをドライラミネートで接着する方法がある。また、樹脂フィルム層用樹脂を溶融押出して、シーラント層43用樹脂も溶融押出しして、いわゆる共押出しで接合する方法もある。また、溶融押出した樹脂フィルム層用樹脂と予め準備したシーラントフィルムを接合する方法がある。さらに、予め準備した樹脂フィルム層42に溶融させたシーラント層を押出コーテイングする方法がある。
紙基材層41と樹脂フィルム層42の接合工程と、樹脂フィルム層42とシーラント層43の接合工程は、別の工程で行ってもよく、1台の加工機の中で、連続して行ってもよい。
上記に説明したように、突き刺し強度、破断強度、耐ピンホール性、酸素バリア性などの機能性を向上させるために、樹脂フィルム層は適宜に選定される。その場合の層構成としては、図5(b)のように、紙基材層41/接着性樹脂層44/樹脂フィルム層42/シーラント層43、とすることが好適である。
上記の層構成の原反の製造方法について説明する。ラミネートに用いる加工機は、直列で2箇所に押出装置を有するタンデムラミネート加工機を使用することにより、加工機を1度通すだけで、4層の原反を製造できて、効率が良い。
加工手順について説明するが、ここでは加工機は図示していない。まず、第1給紙部で紙基材ロールから紙基材層41を繰り出して、第1押出装置の下へ紙基材層41を送る。第1押出装置では、溶融した接着性樹脂が押し出されており、第2給紙部から予め準備された樹脂フィルムロールより樹脂フィルム層42が繰り出される。紙基材層41/接着性樹脂層44/樹脂フィルム層42が重ね合された後に、冷却された2本(一対)の冷却ロールにて狭圧されて、かつ冷却されることにより、溶融された接着性樹脂層44が固化して、上記の3層の積層体が完成する。引き続き前記3層の積層体が第2押出装置に送られる。
第2押出装置では、溶融したシーラント層43が押し出されており、前記3層の積層体の樹脂フィルム層42の面にシーラント層43が重ね合された後に、冷却された2本(一対)の冷却ロールにて狭圧されて、かつ冷却されることにより、溶融された前記シーラント層43が固化して、紙基材層41/接着性樹脂層44/樹脂フィルム層42/シーラント層43の4層の積層体が完成する。
引き続き、前記4層の積層体は巻き取り部に送られて、前記巻き取り部で巻き取られて、胴ブランク原反45のロールが完成する。
以上のように、ラミネート加工機を1回通す加工で4層構成の原反を製造できることから、合理的である。
(胴ブランクの抜き工程)
前記胴ブランク原反45のロールは、抜き工程に送られて、胴ブランク20の形状に抜かれる。抜き方法は、トムソン抜き方式、ロータリーダイカット方式、CADカット方式、レーザーカット方式、ドルスラー方式など公知の抜き方法で抜かれる。前記抜き方法は、生産数量、生産速度、品質要求、コストなどを考慮したうえで、適宜に選定される。抜かれた胴ブランク20は、方向を揃えて積み重ねられて保管される。
図6、図7を用いて、胴ブランク20の抜き方向について説明する。胴ブランク原反45の流れ方法WMDと横断方向WTDを図中に方向指示マークとして記載している。前記胴ブランク原反45に使用する紙基材層41及び樹脂フィルム層42は、その原反の
流れ方向WMDと横断方向WTDで各種の物性が異なることがある。
また、胴ブランク20の縦方向BMDと横方向BTDも図中に方向指示マークとして記載している。
胴ブランク20は、胴ブランク原反45の流れ方向及び横断方向の物性を考慮して抜かれる。
図4は胴ブランク20の図面であり、図4の表面を胴ブランクの裏面、即ち紙カップの内面としている。胴ブランク20の縦方向をBMD、横方向をBTDとして、図4の中に方向指示マークを記載している。BMDは、図1で示した紙カップ10では帯状シール14の長手方向CMDとなる。前記紙カップ10の状態では、胴ブランク20の紙カップの内側となる側縁部23と、外側となる側縁部24との並行方向は、前記帯状シールの長手方向CMDでありその方向は一致しているが、胴ブランク20の状態では、両者の方向は一致していない。前記胴ブランク20の一方の側縁部23と他方の側縁部24の交差角度の2分角度の線のうち、胴ブランク20内を通過する線の方向を前記BMDとして、前記BMDの直交方向を前記BTDとしている。
胴ブランク20のBMDと胴ブランク原反45のWMDを一致させて抜くことが望ましい。しかし、胴ブランク20の形状や、胴ブランク原反45からの胴ブランク20のを抜く際の取り都合、すなわち無駄のない抜き型の配置の都合などによっては、必ずしも胴ブランク20のBMDと胴ブランク原反45のWMDが一致しない。その場合でも、胴ブランクのBMD方向と原反のWMDの交差する角度が45°以内であれば、同方向と見ることができる。
図6は、胴ブランク原反45の横断方向WTDに渡って胴ブランク20を1面のみ配置しており、胴ブランク20は逆四角錐台形状の紙カップの例である。この場合、胴ブランク20の流れ方向BMDと胴ブランク原反45の流れ方向WMDは一致させることが基本である。この位置関係では、多くの抜きカスが発生するため、材料の無駄が多くなる。
図7は、胴ブランク原反45の横方向WTDに渡り、胴ブランク20を2面配置していおり、胴ブランク20は逆円錐台形状の紙カップの例である。胴ブランク20の配置を適正化することにより、抜きカスの発生が減少し、材料を効率的に利用できている。しかし、この場合は、胴ブランク20の縦方向BMDと胴ブランク原反45の流れ方向WMDは一致しないで、ずれが生じるが、前記胴ブランク20の縦方向BMDと前記胴ブランク原反45の流れ方向WMDの成す角度が45°以下の場合は、方向が一致するとしてよい。
紙カップ10の場合は、上下方向の圧縮力に強くして耐えられるようにするために、前記紙カップ10の高さ方向、すなわち帯状シールの長手方向CMDを、紙基材層41の流れ方向WMDと同方向、すなわち胴ブランク原反45のWMDと、可能な限り一致させることが望ましい。
上記の内容をまとめると、前記紙カップ10の帯状シール14の長手方向CMDは、前記胴ブランク原反45及び前記胴ブランク原反45を構成している各樹脂フィルム層、紙基材層のWMDとみなすことができる。そして前記紙カップ10の帯状シール14の長手方向CMDに垂直なCTDは、前記胴ブランク原反45及び前記胴ブランク原反45を構成している各樹脂フィルム層、紙基材層のWTDとみなすことができる。
上記に説明したような胴ブランク原反45と抜き型の位置関係で、胴ブランク20が抜かれる場合は、紙カップ10の帯状シール部14の長手方向CMDの積層体40、紙基材層41、樹脂フィルム層42の物性値は、前記胴ブランク原反45、前記紙基材層41、前記樹脂フィルム層42のWMDの物性値にて検討することができる。同様に、前記紙カップ10の帯状シール部14の短手方向CTDの積層体40、紙基材層41、樹脂フィルム層42の物性値は、前記胴ブランク原反45、前記紙基材層41、前記樹脂フィルム層42のWTDの物性値にて検討できる。
なお、紙カップ10の形状が逆円錐台ではなく円筒でもよく、その場合は、胴ブランク20は矩形となるために、胴ブランク20の一方の側縁部23と他方の側縁部24の方向は一致する。紙カップ10のCMDは胴ブランク原反45のWMDと一致し、紙カップ10の帯状シール部14の長手方向CMDの積層体40、紙基材層41、樹脂フィルム層42の物性値は、前記胴ブランク原反45、前記紙基材層41、前記樹脂フィルム層42のWMDの物性値にて検討することができる。
同様に、紙カップ10のCTDの積層体40、紙基材層41、樹脂フィルム層42の物性値は、前記胴ブランク原反45、前記紙基材層41、前記樹脂フィルム層42のWTD方向の物性値にて検討できる。
胴ブランク20の抜き手段については、トムソン刃による打ち抜き、ロータリーダイカット方式など、公知の方法が用いられる。抜かれた胴ブランク20は方向が揃えて積み重ねられて保管されて次の紙カップ成型工程に送られる。
(樹脂フィルム層の選定)
本願発明では樹脂フィルム層の選定が重要である。後ほど説明するが、本願発明において、使用する樹脂フィルムの胴ブランク原反45の流れ方向WMDの加熱収縮率が、前記胴ブランク原反45の横断方向WTDの加熱収縮率2倍を超える樹脂フィルムを使用することで、紙カップ10のトップカール11のカール開きの発生が減少する。
また、本願発明において、使用される樹脂フィルムの胴ブランク原反45の横断方向WTDの引張伸度が90%を超える樹脂フィルムを使用することで、紙カップ10のトップカール11のカール開きの発生が減少する。
さらに、本願発明において、使用される樹脂フィルムの胴ブランク原反45の横断方向WTDの加熱収縮率が1.1未満であるフィルムを使用することで、紙カップ10のトップカール11のカール開きの発生が減少する。
(紙カップの成型)
前記胴ブランク20と底部部材が準備されて、紙カップ成型工程に進む。重ねられた胴ブランク20から1枚の胴ブランク20が取り出され、紙カップ10の内面になる予定の胴ブランク20の裏面を、内面になるように中空状に巻くように曲げる。そして、前記紙カップ10の外側となる前記胴ブランク20の側縁部23があり前記側縁部23の裏面を、前記紙カップ10の内側となる前記胴ブランク20の側縁部24があり前記側縁部24の表面と、所定の幅で重ねられる。所定の幅で重ねられた領域の一部または全部の領域の帯状シール部14の外側となる帯状シール代25の裏面と、内側になる帯状シール代26の表面とを重ね合された前記帯状シール部14は接合されて、胴巻きが製造される。
接合方法は、接着剤による接合、熱溶着、超音波溶着、高周波溶着など公知の方法が使用されるが、胴ブランク20に熱可塑性のシーラント層43が積層されている場合は、加熱手段により前記シーラント層43を溶融して、当接後に冷却して前記シーラント層43を固化させる方法が好適である。
なお、紙カップ10の成型における接合箇所は、主に帯状シール部14と底部13であり、各々の接合界面は、基本的にはシーラント層43同士が当接するので、接着が容易である。しかしながら、胴ブランク20の層構成や紙カップ10の構造により、接合界面が、紙基材層41とシーラント層43の組み合わせになることがある。このような組み合わせでも、充分な高温や充分な時間をかけて接合すれば、前記接合界面は接合できるが、紙カップ製造タクトタイムの伸びによる生産性の低下や、高温にさらされた胴部12の傷みなどの不具合が発生することがある。
前記不具合を防止するために、前記紙基材層41の接合界面側、すなわち積層面の反対側の面に、易接着処理を行うことがある。前記易接着処理としては、フレーム処理、コロナ処理、接着性プライマーの塗布・添加などがある。接着性プライマーとしてはポリエチレンイミンが好適に用いられ、前記紙基材層41の表面に塗布や印刷されたり、紙基材層の抄紙時に添加される。
上記工程で製造された胴巻きは、底部成型工程に送られる。前記底部成型工程では、前記胴巻きの下方開口縁及び底部部材が適宜折り曲げられて、熱を加えられた後に加圧されて、接合されて底部13が形成される。
上記の加熱方法としては、熱風による加熱、超音波による加熱、マイクロウエーブによる加熱、高周波による加熱、熱板による加熱など、公知の加熱方法が用いられるが、機械構造の簡易さ、コストなどから、熱風による加熱が好適である。
底部13が形成された前記胴巻きは、トップカール加工工程に送られる。前記胴巻きの上方開口縁に、前記上方開口縁に当接されるような周回の溝を有する金型が押し当てられる。前記溝の横断面は、トップカール11を形成するための略円弧状の曲線となっている。トップカール11を加工する方法としては、上記の金型を押し当てる方法のほかに、回転した金具を押し当てる方法など、その他の公知の方法でもよい。金型については、その材質は金属のみならず、樹脂やセラミックなどの公知の材料でもよい。
トップカール11を円滑に形成するには、胴巻きの上方開口縁が金型の溝の表面を円滑に滑って移動する必要があり、潤滑剤の塗布や、金型表面の滑性を向上させる方法や、金型を昇温させるなどの方法がある。金型を昇温させることで、前記金型に接触した前記胴巻きの上方開口縁が昇温することで軟化し、変形しやすくなることから、トップカール加工が容易になる。トップカール加工が完了して、紙カップ10が製作されると、前記紙カップ10は成型機外に排出されて、保管される。
本願発明を実施例によりさらに具体的に説明する。
(実施例1)
(胴ブランク原反の製造)
胴ブランク原反の製造には、2ヵ所に直列で押出機を備えたラミネート加工機(タンデムラミネーター モダンマシナリー製)を使用した。
紙基材層には、紙カップ原紙(型式:コップ原紙A 坪量260g/m2、王子エフテックス製)を、樹脂フィルム層には、厚さ15μmの二軸延伸されたナイロンフィルム(形式:ON-15 ユニチカ製)を準備した。第1押出工程で溶融押出しに使用する第1押出樹脂として、低密度ポリエチレン(1)(型式:LC520 日本ポリエチレン製)を準備した。
前記紙基材層は、前記ラミネート加工機の第1給紙工程より繰り出されて、前記紙基材層の一方の面にコロナ処理加工を行い、第1押出工程に送られる。第1押出工程では、溶融した低密度ポリエチレン(1)が細長いスリットをもった金型のTダイから15μmの厚さでフィルム状に押し出され、前記紙基材層のコロナ処理加工をした面に重ね合される。併せて、第2給紙工程からナイロンフィルムが供給されて、前記低密度ポリエチレン(1)と接合する面にコロナ処理が施される。その後、前記ナイロンフィルムは前記紙基材層に積層された前記低密度ポリエチレン(1)の前記紙基材層の反対側の面に重ね合される。この時点では、前記低密度ポリエチレン(1)は溶融した状態であり、前記ナイロンフィルムと前記紙基材層は、溶融した前記低密度ポリエチレン(1)を介して接合される。紙基材層/低密度ポリエチレン(1)層/ナイロン層のように3層が重ね合された直後に、2本(一対)の冷却ロールの間に上記の3層のフィルムが狭圧されて、冷却されることで、前記低密度ポリエチレン(1)が固化して、3層の積層体が完成し、次の行程に送られる。
次の行程では、前記3層の積層体のナイロン層の面にアンカーコート処理を施す。その後に前記3層の積層体は第2押出工程に送られる。第2押出工程では、第2押出樹脂として溶融した低密度ポリエチレン(2)(型式:LC520 日本ポリエチレン製)が細長いスリットをもった金型のTダイから25μmの厚さでフィルム状に押し出され、前記3層の積層体のアンカーコート処理をした面に重ね合される。この時点では、前記低密度ポリエチレン(2)は溶融した状態であり、前記3層の積層体と前記低密度ポリエチレン(2)は接合される。紙基材層/低密度ポリエチレン(1)層/ナイロン層/低密度ポリエチレン(2)層のように4層の積層体が重ね合された直後に、2本(一対)の冷却ロールの間に上記の4層の積層体が狭圧されて、冷却されることで、前記低密度ポリエチレン(2)が固化して、4層の積層体が完成し、次の行程に送られる。
前記4種の積層体は、巻き取り工程に進み、ロール状に巻き取られて、胴ブランクの原反が出来上がる。
(胴ブランク抜き工程)
前記胴ブランク原反を抜き工程に送り、胴ブランクを抜く。胴ブランクの抜き手段については、ロータリーダイカット方式により抜かれ、胴ブランクが完成し、方向が揃えて積み重ねられて保管されて、次の紙カップ成型工程に送られる。
(底部部材準備工程)
紙カップ成型工程では、前記胴ブランクと底部部材が準備される。底部部材を製作するにあたり、まずは、底部部材原反を製造した。
底部部材原反の製造には、2ヵ所に直列で押出機を備えたラミネート加工機(タンデムラミネーター モダンマシナリー製)を使用した。
紙基材層には、紙カップ原紙(型式:コップ原紙AC 坪量215g/m2、日本製紙製)を、樹脂フィルム層には、厚さ15μmの二軸延伸されたポリエチレンテレフタレートフィルム(形式:T4100 東洋紡製)を準備した。第1押出工程で溶融押出しに使用する第1押出樹脂として、低密度ポリエチレン(3)(型式:LC520 日本ポリエチレン製)を準備した。
前記紙基材層は、前記ラミネート加工機の第1給紙工程より繰り出されて、前記紙基材層の一方の面にコロナ処理加工を行い、第1押出工程に送られる。第1押出工程では、溶融した低密度ポリエチレン(3)が細長いスリットをもった金型のTダイから15μmの厚さでフィルム状に押し出され、前記紙基材層のコロナ処理加工をした面に重ね合される。併せて、第2給紙工程からポリエチレンテレフタレートフィルムが供給されて、前記低密度ポリエチレン(3)と接合する面にコロナ処理を施される。その後、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムは前記紙基材層に積層された前記低密度ポリエチレン(3)の前記紙基材層の反対側の面に重ね合される。この時点では、前記低密度ポリエチレン(3)は溶融した状態であり、前記ポリエチレンテレフタレートフィルムと前記紙基材層は、前記低密度ポリエチレン(3)を介して接合される。紙基材層/低密度ポリエチレン(3)層/ポリエチレンテレフタレート層のように3層のフィルムが重ね合された直後に、2本(一対)の冷却ロールの間に上記の3層のフィルムが狭圧されて、冷却されることで、前記低密度ポリエチレン(3)が固化して、3層の積層体が完成し、次の行程に送られる。
次の行程では、前記3層の積層体のポリエチレンテレフタレート層の面にアンカーコート処理を施す。その後に前記3層の積層体は第2押出工程に送られる。第2押出工程では、第2押出樹脂として溶融した低密度ポリエチレン(4)(型式:LC520 日本ポリエチレン製)が細長いスリットをもった金型のTダイから25μmの厚さでフィルム状に押し出され、前記3層の積層体のアンカーコート処理を施した面に重ね合される。この時点では、前記低密度ポリエチレン(4)は溶融した状態であり、前記3層の積層体と前記低密度ポリエチレン(4)は接合される。紙基材層/低密度ポリエチレン(3)層/ポリエチレンテレフタレート層/低密度ポリエチレン(4)層のように4層の積層体が重ね合された直後に、2本(一対)の冷却ロールの間に上記の4層の積層体が狭圧されて、前記低密度ポリエチレン(4)層が冷却されることで、前記低密度ポリエチレン(4)層が固化して、前記4層の積層体が底部部材原反となる。
前記底部部材原反は、次工程の底部部材スリット工程にて、87mm幅の底部部材ロールとなる。
(紙カップ成型工程)
紙カップ成型工程では、前記胴ブランクと前記底部部材ロールが使用される。紙カップ成型には、紙カップ成型機(PMC社製)を使用した。
前記胴ブランクを1枚ずつ取り出し、紙カップの内面になる予定の胴ブランクの裏面を、内面になるように中空状に曲げる。そして、前記ブランクの一方の側縁部の裏面を、他方の側縁部の表面と、所定の幅で重ねられる。帯状シール部の外側となる一方の帯状シール代の裏面と、内側になる他方の帯状シール代の表面とを重ね合された帯状シール部は接合される。
上記の方法で製作された胴巻きは、次の底部成型工程へ進む。前記底部部材ロールが適宜打ち抜かれ折り曲げ加工された底部部材と、前期胴巻きの下方開口縁が接合される。
底部部材が接合された胴巻きは、次工程であるトップカール加工工程に進み、トップカールを形成される。
前記胴巻きの上方開口縁にトップカール形成用のカール用溝付き金型を押し当て、前記上方開口縁が外向きに伸ばされながら曲げ加工され、前記上方開口縁が前記胴巻きの表面に当接される程度に巻き込まれてトップカールを形成する。すなわち胴ブランクの上方開口縁は略1周もしくは1周を超えて巻き込まれる。トップカール形成後に、紙カップ成型機外に排出されて、紙カップが完成する。
(実施例2)
実施例2では、樹脂フィルム層に厚さ15μmの無機蒸着二軸延伸ナイロンフィルム(型式:IB-ON-NC15 大日本印刷製)を使用し、第1押出樹脂として厚さ15μmのエチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(型式:N0908N 三井デュポンポリケミカル製)を使用した以外は、実施例1と材料および方法は同一である。
(比較例1)
比較例1では、樹脂フィルム層に厚さ15μmの無機蒸着二軸延伸ナイロンフィルム(型式:IB-ON-UBC15 大日本印刷製)を使用し、第1押出樹脂として厚さ15μmのエチレン-メタクリル酸共重合体樹脂(型式:N0908N 三井デュポンポリケミカル製)を使用した以外は、実施例1と材料および方法は同一である。
(比較例2)
比較例2では、厚さ15μmの二軸延伸ナイロンフィルム(型式:NZ-15 ユニチ カ製)を使用し以外は、実施例1と材料および方法は同一である。
(外観検査)
上記の手順で製造された各実施例及び比較例の紙カップの外観を目視検査した。その結果を表1に表す。前記目視検査は、照度400ルクス(明るいオフィス相当)の試験環境下で、上記の手順で製作した紙カップを机の上に置き、被験者5名(品質管理・技術担当者)が500mm上方位置から目視して判定した。その結果を表1に示す。
なお、表1には、各樹脂フィルムの物性値を記載しており、外観評価と物性値の対比ができる。
Figure 0007310103000001
外観検査の結果、トップカール開きの個数を判別して、表にまとめている。実施例1、実施例2は、トップカール開きの不良率が低くOKとなっている。また、比較例1、比較例2は、トップカール開きの不良率が高くNGとなっている。
また、表1に樹脂フィルムの物性値として記載している引張強度、引張伸度、引張弾性率はJIS K7127に準じて測定したものであり、測定環境は23℃、50%RHである。加熱収縮率は、乾熱160℃で5分間の環境に置かれた樹脂フィルムサンプルを測定したものである。
表1が示すように、OKの実施例では、樹脂フィルムの流れ方向WMDの加熱収縮率が横断方向WTDの加熱収縮率の2倍を超えている。
また、表1が示すように、OKの実施例では、樹脂フィルムの横断方向WTDの加熱収縮率が1.1%未満である。
さらに、表1が示すように、OKの実施例では、樹脂フィルムの横断面方向WTDの引張伸度が、90%を超えている。
樹脂フィルム層の流れ方向WMDは紙カップの帯状シールの長手方向CMDとみなすので、前記樹脂フィルム層の流れ方向WMDの物性値は、前記紙カップの帯状シールの長手方向CMDの物性値となる。
樹脂フィルム層の横断方向WTDは、紙カップの帯状シールの長手方向CMDの直交方向である紙カップ胴部の円周方向CTDとみなすので、前記樹脂フィルム層の横断方向WTDの物性値は、紙カップの帯状シールの長手方向CMDの直交方向である紙カップ胴部の円周方向CTDの物性値となる。
本願発明の紙カップによれば、紙カップの品質不良の1つの要因であるトップカールのカール開きを、後工程の追加作業が不要で削減できることから、紙カップの品質向上、及びコストダウンに寄与することができる。
10 紙カップ
11 トップカール
12 胴部
13 底部
14 帯状シール部
20 胴ブランク
21 胴ブランクの上縁部
22 胴ブランクの下縁部
23 胴ブランクの側縁部(紙カップ外側)
24 胴ブランクの側縁部(紙カップ内側)
25 帯状シール代(紙カップ外側)
26 帯状シール代(紙カップ内側)
27 帯状シール代上縁部(紙カップ外側)
28 帯状シール代上縁部(紙カップ内側)
30 トップカール良品
31 トップカール不良品(カール開き)
40 積層体
41 紙基材層
42 樹脂フィルム層
43 シーラント層
44 接着性樹脂層
45 胴ブランク原反
51 ホットメルト接着剤
52 紙基材層
53 ポリエチレン層
54 ポリエチレン層の接合層
55 固定箇所
CMD 紙カップの胴部の帯状シール部の長手方向
CTD 紙カップの胴部の帯状シール部の短手方向
BMD 胴ブランクの縦方向
BTD 胴ブランクの横方向
WMD 胴ブランク原反の流れ方向
WTD 胴ブランク原反の横断方

Claims (1)

  1. 胴部と底部を有する紙カップにおいて、
    前記胴部となる所定形状の胴ブランクは当該紙カップの外側となる面から順に、紙基材層、低密度ポリエチレン(1)層、樹脂フィルム層、低密度ポリエチレン(2)層が積層され、
    前記紙基材層は、坪量260g/m2の紙カップ原紙であり、
    前記低密度ポリエチレン(1)層の厚さは15μmであり、
    前記樹脂フィルム層は厚さ15μmの二軸延伸されたナイロンであり、
    前記低密度ポリエチレン(2)層の厚さは25μmであり、
    前記胴部は前記胴ブランクを丸めて一方の側縁部のシーラント層と他方の側縁部の紙基材層とが重なり合う部分をヒートシールして帯状シール部を形成し、
    前記胴部の上方開口縁には前記胴部の外側に向かって形成したトップカールが設けられ、
    前記胴部の下方開口縁には底部が設けられ、
    前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層は、前記帯状シール部の長手方向の加熱収縮率が短手方向の加熱収縮率の3倍であり、
    前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層の加熱収縮率のうち、前記帯状シール部の短手方向の加熱収縮率が0.6%であり、
    前記帯状シール部に位置する樹脂フィルム層の加熱収縮率のうち、前記帯状シール部の長手方向の加熱収縮率が1.8%であることを特徴とする紙カップ。
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