JP7309399B2 - 撮像装置およびレンズ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、像振れ補正機能を有する撮像装置およびレンズ装置に関する。
像振れを光学的に低減(補正)する像振れ補正機能を有するレンズ交換式撮像システムには、レンズ装置に設けられた補正素子としてのレンズを光軸に対して移動させるとともに、撮像装置に設けられた補正素子としての撮像素子を光軸に対して移動させるものがある。このように複数の補正素子を共に移動させて像振れ補正を行う場合には、それぞれの補正素子による振れ補正量を良好な像振れ性能が得られるように振り分ける必要がある。
特許文献1には、2つの補正素子(レンズ)がそれぞれ補正する像振れの周波数帯域を互いに異ならせる方法が開示されている。具体的には、低周波数帯域の像振れを応答性が低くて移動ストロークが長い補正素子により補正し、高周波数帯域の像振れを応答性が高くて移動ストロークが短い補正素子により補正する。
特開2012-208335号公報
しかしながら、特許文献1にて開示された方法のように2つの補正素子のそれぞれが分担する周波数帯域を固定すると、良好な像振れ補正性能が得られない場合がある。
本発明は、レンズ装置および撮像装置のそれぞれに設けられた補正素子を用いて良好な像振れ補正振性能が得られるようにした撮像装置およびレンズ装置を提供する。
本発明の一側面としての光学機器は、第1の光学機器と該第1の光学機器に着脱可能な第2の光学機器とを含む撮像システムであり、第1の光学機器は撮像システムの振れによる像振れを低減するために移動可能な第1の補正素子を、第2の光学機器は像振れを低減するために移動可能な第2の補正素子をそれぞれ備えた撮像システムに用いられる第1の光学機器である。該第1の光学機器は、振れの周波数帯域を第1の周波数帯域と該第1の周波数帯域より低い第2の周波数帯域とに分割する分割手段と、第1または第2の周波数帯域の像振れを低減するように第1の補正素子の駆動を制御する振れ補正制御手段とを有し、さらに第1および第2の補正素子の周波数応答特性に応じて、第1および第2の周波数帯域の境界となる分割周波数と、第1および第2の補正素子のうち第1の周波数帯域の像振れを低減する一方の補正素子および第2の周波数帯域の像振れを低減する他方の補正素子とを設定する設定手段とを有することを特徴とする。
また、本発明の他の一側面としての制御方法は、第1の光学機器と該第1の光学機器に着脱可能な第2の光学機器とを含む撮像システムであり、第1の光学機器は撮像システムの振れによる像振れを低減するために移動可能な第1の補正素子を、第2の光学機器は像振れを低減するために移動可能な第2の補正素子をそれぞれ備えた撮像システムに用いられる第1の光学機器の制御方法であって、振れの周波数帯域を第1の周波数帯域と該第1の周波数帯域より低い第2の周波数帯域とに分割するステップと、第1または第2の周波数帯域の像振れを低減するように第1の補正素子の駆動を制御するステップとを有し、さらに第1および第2の補正素子の周波数応答特性に応じて、第1および第2の周波数帯域の境界となる分割周波数と、第1および第2の補正素子のうち第1の周波数帯域の像振れを低減する一方の補正素子および第2の周波数帯域の像振れを低減する他方の補正素子とを設定するステップとを有することを特徴とする。
なお、光学機器のコンピュータに上記制御方法に従う処理を実行させるコンピュータプログラムも、本発明の他の一側面を構成する。
本発明によれば、第1および第2の光学機器のそれぞれに設けられた第1および第2の補正素子を用いて良好な像振れ補正振性能を得ることができる。
本発明の実施例1である撮像装置と交換レンズの構成を示すブロック図。 実施例1におけるOIS制御部とIIS制御部の構成を示すブロック図。 実施例1における周波数分割を説明する図。 実施例1における防振制御処理を示すフローチャート。 実施例1におけるOISとIISの周波数応答特性を示す図。 実施例1における分割周波数設定処理を示すフローチャート。
以下、本発明の実施例について図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施例1であるレンズ交換式撮像システム(カメラシステム)の構成を示している。カメラシステムは、第1の光学機器(撮像装置)としてのカメラ本体Cと、該カメラ本体Cに対して着脱可能に装着された第2の光学機器(レンズ装置)としての交換レンズユニットLとにより構成されている。カメラ本体Cは像振れを低減(補正)するために移動可能な第1の補正素子としての撮像素子106を有し、交換レンズユニットLは像振れを補正するために移動可能な第2の補正素子としての補正レンズ102を有する。
交換レンズユニットLは、ズームレンズ101、補正レンズ102、フォーカスレンズ103および絞り104を含む撮像光学系を有する。ズームレンズ101は、光軸方向に移動して撮像光学系の焦点距離を変更する。すなわち、変倍(ズーム)を行う。補正レンズ102は、手振れ等のカメラシステムの振れ(以下、カメラ振れという)に応じて光軸に直交する方向(または光軸に直交する方向成分を含む方向)に移動することにより光学的に像振れを低減(補正)する。補正レンズ102を移動させて行う像振れ補正を、以下の説明ではOISという。フォーカスレンズ103は、光軸方向に移動して焦点調節を行う。絞り104は、撮像光学系を通過する光量を調節する。
カメラ本体Cにおいて、撮像素子106は、CCDセンサやCMOSセンサ等の光電変換素子であり、撮像光学系により形成される光学像である被写体像を光電変換(撮像)して撮像信号を出力する。シャッタ105は、撮像光学系からの光に対する撮像素子106の露出量を制御する。また、撮像素子106は、可動ステージに取り付けられており、補正レンズ102と同様に光軸に直交する方向に移動して光学的に像振れを補正する。撮像素子106を移動させて行う像振れ補正を、以下の説明ではIISという。
ADコンバータ107は、撮像素子106から読み出された撮像信号に対してノイズ除去処理、ゲイン調整およびAD変換を行う。また、ADコンバータ107から出力されたデジタル撮像信号から位相差AF信号を生成して相関演算部130に出力する。位相差AF信号は、撮像素子106の画素ごとに撮像光学系の射出瞳を2分割して得られる対の信号(2像信号)である。相関演算部130は、2像信号に対する相関演算を行い、該2像信号の位相差としての像ずれ量を算出する。
タイミングジェネレータ108は、カメラ制御部117からの指令に応じて撮像素子106の光電変換タイミングとADコンバータ107からのデジタル撮像信号の出力タイミングを制御する。
画像処理回路110は、ADコンバータ107からのデジタル撮像信号に対して画素補間処理や色変換処理等の画像処理を行って、フレームごとの画像データを生成する。画像データは、画像メモリ111に送られる。表示部112は、画像メモリ111にフレームごとに保持される画像データを順次表示するとともに、各種撮像情報を表示する。圧縮伸長処理部113は、画像メモリ111に保存された画像データに対する圧縮伸長処理を行う。圧縮された画像データは、不図示の記録媒体(半導体メモリ等)に記録される。
カメラメモリ114は、カメラ本体Cや交換レンズユニットLにおいて行われる制御や処理に用いられるパラメータ等の様々なデータを記憶している。カメラ操作部115は、ユーザに様々なメニュー操作やモード切換え操作等を行わせることが可能なユーザインタフェースである。
カメラ制御部117は、CPUやMPU等により構成され、カメラ操作部115におけるユーザ操作に応じて、ズーム制御、像振れ補正(IS)制御、自動露出(AE)制御および自動焦点調節(AF)制御等の各種制御を行ったり、画像データにおける顔の検出等の各種処理を行ったりする。カメラ制御部117内の内部メモリ(図示せず)には各種コンピュータプログラムが格納されており、カメラ制御部117はこれらのコンピュータプログラムに従って上記制御や処理を実行する。
カメラ本体C内のカメラメモリ114には、後述する分割周波数設定部149が分割周波数の設定に使用する、カメラ本体CでのIISにおける周波数応答特性(以下、IIS周波数応答特性という)を示す情報が記憶されている。「周波数応答特性」とは、像振れ補正に必要な低周波数領域のゲインまたは位相遅れ、さらに外乱に対する高周波数領域のゲインを意味する。
カメラ制御部117は、ズーム、IS、AEおよびAF制御等を行う場合に、交換レンズユニットL内のレンズ制御部116と通信を行う。このため、カメラ制御部117内およびレンズ制御部116内にはそれぞれ、相互に通信が可能なカメラ通信部143およびレンズ通信部142が設けられている。レンズ制御部116内のズーム制御部139は、カメラ制御部117から送信されたズーム指令に応じて、ズーム駆動部138を介してズームレンズ101を駆動する。さらにレンズ制御部116は、カメラ制御部117から送信されたフォーカス指令および絞り指令に応じて、フォーカス駆動部128を介してフォーカスレンズ103を駆動したり、絞り駆動部124を介して絞り104を駆動したりする。交換レンズユニットLには、ユーザインタフェースとしてのレンズ操作部119が設けられている。
交換レンズユニットL内に設けられたレンズ振れ検出部141は、カメラ振れ(交換レンズユニットLの振れ)を検出し、該カメラ振れに応じた振れ信号をOIS制御部144に出力する。レンズ振れ検出部141は、ジャイロセンサ等の角速度センサにより構成されている。
OIS制御部144は、レンズ振れ検出部141から取得した振れ角速度を示す振れ信号を積分することで振れ角度(振れ量)を算出し、該振れ角度に応じた撮像素子106上での像振れを低減するための補正レンズ102の目標駆動位置を算出する。振れ角度に対して補正レンズ102を移動させる量(目標駆動位置)は、撮像光学系のズーム状態(焦点距離)やフォーカスレンズ103の位置(被写体距離)に応じて変化する。このため、OIS制御部144は、ズーム制御部139から取得した焦点距離やフォーカス駆動部128から取得した被写体距離に応じた振れ補正敏感度を算出し、振れ角度に振れ補正敏感度を乗じて補正レンズ102の目標駆動位置を算出する。補正レンズ102の目標駆動位置は、OIS‐PID制御部136に出力される。
OIS‐PID制御部136は、OIS制御部144により算出された補正レンズ102の目標駆動位置とOIS位置検出部134により検出された補正レンズ102の位置との差分を算出し、OIS駆動部135に該差分に相当する駆動量だけ補正レンズ102を駆動させる。この際、OIS‐PID制御部136は、P(比例)、I(積分)およびD(微分)制御により補正レンズ102の駆動をフィードバック制御する。
OIS特性変更部145は、カメラ本体C内の分割周波数設定部149からカメラおよびレンズ通信部143,142を介して分割周波数と後述する高域および低域補正素子の情報を取得し、これらに基づいて後述するOIS/IIS協調制御におけるOIS協調制御特性を設定する。OIS協調制御特性は、補正レンズ102が補正する像振れ(カメラ振れ)の周波数帯域や補正レンズ102の駆動範囲等である。
OIS制御部144、OIS特性変更部145およびOIS‐PID制御部136により交換レンズユニットLにおける振れ補正制御手段が構成される。
レンズメモリ118には、分割周波数設定部149が分割周波数の設定に使用する、交換レンズユニットLでのOISにおける周波数応答特性(以下、OIS周波数応答特性という)を示す情報が記憶されている。
カメラ制御部117内において、輝度検出部126は、ADコンバータ107からのデジタル撮像信号の輝度を検出する。露出制御部125は、輝度検出部126により検出された輝度の情報に基づいて露出値(絞り値とシャッタ速度)を設定し、絞り値を含む絞り指令をレンズ制御部116(絞り駆動部124)に送信するとともに、シャッタ速度をシャッタ駆動部123に通知する。これにより、設定された露出値に応じて絞り104とシャッタ105を駆動するAE制御が行われる。
評価値演算部127は、輝度検出部126により検出された輝度の情報から特定周波数成分を抽出してコントラスト評価値を算出する。コントラストAF部132は、レンズ制御部116(フォーカス制御部129)に対してフォーカスレンズ103を所定範囲で駆動させるためのサーチ指令を送信し、フォーカスレンズ103の所定駆動量ごとに評価値演算部127により算出されたコントラスト評価値を取得する。そしてコントラストAF部132は、コントラスト評価値が最大となるフォーカスレンズ103の位置である合焦位置を特定し、該合焦位置を含むフォーカス指令をレンズ制御部116に送信する。これにより、コントラスト検出方式によるAF制御が行われる。
また、位相差AF部131は、前述した相関演算部130により算出された像ずれ量からデフォーカス量を算出し、さらに該デフォーカス量からフォーカスレンズ103の合焦位置までの駆動量であるフォーカス駆動量を算出する。そして位相差AF部131は、フォーカス駆動量を含むフォーカス指令をレンズ制御部116に送信する。これにより、撮像面位相差検出方式によるAF制御が行われる。
AF領域設定部133は,コントラスト検出方式および撮像面位相差検出方式でのAFを行う領域(以下、AF領域という)の数、大きさおよび配置を設定する。
カメラ本体C内に設けられたカメラ振れ検出部148は、レンズ振れ検出部141と同様にカメラ振れ(カメラ本体Cの振れ)を検出し、該カメラ振れに応じた振れ信号をIIS制御部147に出力する。カメラ振れ検出部148も、ジャイロセンサ等の角速度センサにより構成されている。
IIS制御部147は、カメラ振れ検出部148から取得した振れ角速度を示す振れ信号を積分することで振れ角度(振れ量)を算出し、該振れ角度に応じた撮像素子106上での像振れを低減するための撮像素子106の目標駆動位置を算出する。振れ角度に対して撮像素子106を移動させる量(目標駆動位置)も、補正レンズ102と同様に、撮像光学系の焦点距離や被写体距離に応じて変化する。このため、IIS制御部147は、レンズおよびカメラ通信部142,143を介してズーム制御部139とフォーカス駆動部128から取得した焦点距離と被写体距離に応じた振れ補正敏感度を算出し、振れ角度に振れ補正敏感度を乗じて撮像素子106の目標駆動位置を算出する。撮像素子106の目標駆動位置は、IIS‐PID制御部122に出力される。
IIS‐PID制御部122は、IIS制御部147により算出された撮像素子106の目標駆動位置とIIS位置検出部121により検出された撮像素子106の位置との差分を算出し、IIS駆動部120に該差分に相当する駆動量だけ撮像素子106を駆動させる。この際、IIS‐PID制御部122は、P、IおよびD制御により撮像素子106の駆動をフィードバック制御する。
IIS特性変更部146は、分割周波数設定部149から分割周波数と高域および低域補正素子の情報を取得し、これらに基づいてOIS/IIS協調制御におけるIIS協調制御特性を設定する。IIS協調制御特性は、撮像素子106が補正する像振れ(カメラ振れ)の周波数帯域や撮像素子106の駆動範囲等である。
IIS制御部147、IIS特性変更部146およびIIS‐PID制御部122によりカメラ本体Cにおける振れ補正制御手段が構成される。
図2は、OIS制御部144とIIS制御部147の詳細な構成を示している。OIS‐HPF201とIIS‐HPF206はそれぞれ、レンズ振れ検出部141とカメラ振れ検出部148から入力された振れ信号からオフセット成分(高周波数帯域の成分)を除去する。OIS位相補償202とIIS位相補償207はそれぞれ、カメラ振れの検出時とHPF201,206によるオフセット成分の除去時との間においてずれた振れ信号の位相を調整する。OIS‐LPF203とIIS‐LPF208はそれぞれ、位相補償202とIIS位相補償207からの振れ角速度を示す振れ信号を積分して振れ角度(振れ量)を示す信号を生成する。
分割周波数設定部(分割手段および設定手段)149は、カメラメモリ114に保持されたIIS周波数応答特性を示す情報を取得するとともに、レンズメモリ118に保持されたOIS周波数応答特性を示す情報をレンズおよびカメラ通信部142,143を介して取得する。そして分割周波数設定部149は、取得したIISおよびOIS周波数応答特性に応じて、カメラ振れの周波数帯域を高周波数帯域(第1の周波数帯域)と低周波数帯域(第2の周波数帯域)とに分割する閾値となる分割周波数を設定する。すなわち、分割周波数設定部149は、カメラ振れを分割周波数を境界とする2つの周波数帯域の成分に分割する周波数分割を行う。
さらに分割周波数設定部149は、補正レンズ102と撮像素子106のうち高周波数帯域の像振れ補正に用いる補正素子と低周波数帯域の像振れ補正に用いる補正素子を設定する。以下の説明において、高周波数帯域の像振れ補正に用いる補正素子を高域補正素子といい、低周波数帯域の像振れ補正に用いる補正素子を低域補正素子という。そして分割周波数設定部149は、設定した分割周波数と高域および低域補正素子の情報をカメラおよびレンズ通信部143,142を介してOIS特性変更部145に通知し、IIS特性変更部146にも通知する。
なお、分割周波数設定部149による分割周波数の設定と、高周波帯域の像振れ補正に用いる補正素子と低周波帯域の像振れ補正に用いる補正素子との設定(補正レンズ102と撮像素子106のうちどちらを高周波帯域(低周波帯域)の像振れ補正に用いるか、の設定)は、カメラ本体Cの電源が投入される都度に行ってもよい。また、姿勢変化量を検出し、姿勢変化量が所定値以上になったら設定を行ってもよい。これにより、例えば、カメラが横位置に構えられた時と、縦位置に構えられたときとで、それぞれ適した帯域の像振れ補正を補正レンズ102と撮像素子106に対して設定することができる。また、カメラ本体C内の温度変化量を検出し、温度変化量が所定値以上になったら設定を行ってもよい。これにより、温度によりOISまたはIIS協調制御特性が変化した場合であっても、その変化に応じてそれぞれ適した帯域の像振れ補正を補正レンズ102と撮像素子106に対して設定することができる。OIS特性変更部145およびIIS特性変更部146はそれぞれ、前述したように分割周波数設定部149から分割周波数と高域および低域補正素子の情報を取得し、これらに基づいてOIS協調制御特性およびIIS協調制御特性を設定する。
IIS補正量演算部209は、振れ角度に対して、IIS特性変更部146が設定したIIS制御特性に応じたIIS振れ補正量を演算する。
また、OIS補正量演算部204は、振れ角度に対して、OIS特性変更部145が設定したOIS協調制御特性に応じたOIS振れ補正量を演算する。
OIS補正範囲制限部205とIIS補正範囲制限部210はそれぞれ、補正レンズ102と撮像素子106の駆動量を所定範囲内に制限する処理を行う。
図3を用いて、上記周波数分割とOIS/IIS協調制御について説明する。左側のグラフは、振れ角度の時間変化を示している。横軸は時間(t)を示しており、縦軸は振れ角度(deg)を示している。分割周波数設定部149は、図の中央の上側と下側に示すように、分割周波数としてのカットオフ周波数fcを有するハイパスフィルタ(HPF)を用いて、振れ角度を高周波数帯域の成分と低周波数帯域の成分とに分割する。右側の上側と下側のグラフは、カットオフ周波数fcが3Hzである場合の3Hzより大きい高周波数帯域の成分と3Hz以下の低周波数帯域の成分を示す。
なお、ここでは説明を分かりやすくするために振れ角度を周波数帯域で分割する例を図示したが、振れ角度(deg)から振れ補正量(mm)を取得したあとで、取得した振れ補正量(mm)を周波数帯域で分割する方法であってもよい。
本実施例では、補正レンズ102および撮像素子106のうち一方の補正素子を駆動して3Hzを超える高周波数帯域の像振れを補正しながら、他方の補正素子を駆動して3Hzより小さい低周波数帯域の像振れを補正するOIS/IIS協調制御を行う。このように周波数分割とOIS/IIS協調制御とを組み合わせて行うことで、補正レンズ102と撮像素子106のいずれか一方の補正素子のみを駆動するだけでは、その補正範囲の端において像振れ補正残りが生じる場合でも、像振れ補正残りが生じないように像振れ補正を行うことができる。
図4のフローチャートは、IIS制御部147がコンピュータプログラムに従って実行する像振れ補正制御(制御方法)の流れを示す。OIS制御部144も同様の像振れ補正制御を行うが、ここでは説明を省略する。
ステップS101において像振れ補正制御を開始したIIS制御部147は、ステップS102に進んで周期制御を開始する。さらにIIS制御部147は、ステップS103に進んで像振れ補正制御ループを開始する。
次にステップS104では、IIS制御部147は、カメラ振れ検出部148から振れ信号(角速度データ)を取得する。そしてステップS105では、IIS制御部147は、振れ信号に対してHPF206によるHPF演算を行う。これにより、カメラ振れ検出部148の温度ドリフト等により発生するオフセット成分を除去する。
次にステップS106では、IIS制御部147は、振れ信号に対して、位相補償207による位相補償演算を行う。これにより、カメラ振れ検出部148の検出遅れ、撮像素子106の駆動遅れおよびHPF206による進み等の位相ずれを補償する。
次にステップS107では、IIS制御部147は、振れ信号としての振れ角速度のデータをLPF208により振れ角度のデータに変換するための積分演算を行う。
次にステップS108では、IIS制御部147は、振れ角度と、ズーム制御部139から取得した焦点距離に応じた撮像光学系の振れ補正敏感度とを用いて、IIS振れ補正量を算出する。
次にステップS109では、IIS制御部147は、分割周波数設定部149に分割周波数を設定させ、IIS特性変更部146にOIS協調制御特性を設定させる。
次にステップS110では、IIS制御部147は、撮像素子106の目標駆動位置が撮像素子の駆動範囲内になるように制限する。
続いてステップS111では、IIS制御部147は像振れ補正制御ループを終了する。これ以降は、ステップS102で設定された制御周期ごとに像振れ補正制御ループ内の処理を繰り返す。そしてステップS512では、IIS制御部147は像振れ補正制御を終了する。
図5(a)を用いて、補正レンズ102の周波数応答特性と撮像素子106の周波数応答特性について説明する。図5(a)は、PID制御部(136,122)とその制御対象(補正レンズ102または撮像素子106)の間に形成される閉ループ(フィードバック)制御系でのOISおよびIIS周波数応答特性を示す。上段のグラフにおいて横軸は周波数を、縦軸はゲイン(dB)を示している。下段のグラフにおいて横軸は周波数を示し、縦軸は位相(deg)を示している。また、上段および下段のグラフにおいて、破線がOIS周波数応答特性を示し、実線がIIS周波数応答特性を示す。
手振れの周波数帯域の上限値(以下、手振れ上限周波数という)をおよそ30Hzとするとき、その手振れ上限周波数において閉ループ制御系での位相遅れ量が大きくなると、入力される目標駆動位置に対して制御対象(補正素子)の十分な追従性が得られず、像振れ補正残りが生じて像振れ補正性能が低下する。このため、閉ループ制御系における位相遅れ量が所定値(許容量)を超える周波数を低域対応周波数と定義する。
図5(a)には示す例では、両矢印で示す量が許容位相遅れ量であり、これを超える周波数、すなわち低域対応周波数は、補正レンズ102で30Hz、撮像素子106で15Hzである。
また、ゲイン0dBは目標駆動位置に対する追従性が良好であることを示すが、図5(a)では周波数が100Hz辺りに近づいていくと、ゲインがプラス側に高くなっていく。このとき、ゲインがプラス側に高くなる周波数帯域では、外乱に対して過敏に応答して補正レンズ102や撮像素子106が駆動され、これが振動または騒音の要因になり得る。このため、ゲインが所定値(許容範囲)を超える周波数を高域対応周波数と定義し、この高域対応周波数がより高い補正素子を高周波数帯域での像振れ補正に使用する。これにより、高周波数帯域の像振れ補正を行う補正素子が発生し得る振動や騒音を低減させることができる。
図5(a)に示す例では、両矢印で示す範囲がゲインの許容範囲であり、これを超える周波数、すなわち高域対応周波数は、補正レンズ102で90Hz、撮像素子106で80Hzである。
以上のことから、図5(a)に示す例においては、補正レンズ102(OIS)によって高周波数帯域の像振れ補正を行い、撮像素子106(IIS)によって低周波数帯域の像振れ補正を行う。この補正素子の割り振りについては、後に図6を用いて詳細に説明する。
図6のフローチャートは、分割周波数設定部149がコンピュータプログラムに従って行う分割周波数設定処理を示す。分割周波数設定部149は、交換レンズユニットLにおけるOIS-PID制御部136と補正レンズ102からなる閉ループ制御系の周波数応答特性とカメラ本体CにおけるIIS-PID制御部122と撮像素子106からなる閉ループ制御系の周波数応答特性に応じて分割周波数を設定する。
ステップS201で本処理を開始した分割周波数設定部149は、ステップS202において、レンズ制御部116から交換レンズユニットLにおける上記閉ループ制御系の周波数応答特性であるOIS周波数応答特性を取得する。次にステップS203では、分割周波数設定部149は、カメラ本体Cにおける上記閉ループ制御系の周波数応答特性であるIIS周波数応答特性を取得する。
次にステップS204では、分割周波数設定部149は、撮像素子106の低域対応周波数(以下、IIS低域対応周波数という)と補正レンズ102の低域対応周波数(以下、OIS低域対応周波数という)とが一致するか否かを判定する。ここにいう「一致」は完全に同じでなくてもよく、同等(概ね一致または同程度)であればよい。この判定は、IIS低域対応周波数とOIS低域対応周波数との差が所定の閾値以下か否かで行う。例えば上記差が閾値としての1Hz以下であれば、一致すると判定する。一致する場合は、分割周波数設定部149はステップS205に進み、一致しない場合はステップS208に進む。
ステップS205では、分割周波数設定部149は、撮像素子106の高域対応周波数(以下、IIS高域対応周波数という)が補正レンズ102の高域対応周波数(以下、OIS高域対応周波数という)より高いか否かを判定する。すなわち、IISがOISよりも高周波数帯域まで対応可能か否かを判定する。IIS高域対応周波数がOIS高域対応周波数より高ければステップS206に進み、そうでなければステップS207に進む。
ステップS206では、分割周波数設定部149は、低域補正素子を補正レンズ102に、高域補正素子を撮像素子106に設定する。また、低周波数帯域では補正レンズ102と撮像素子106とで追従性は同程度であるため、分割周波数を所定分割周波数(本実施例では10Hz)に設定する。そして、分割周波数設定部149はステップS215にて本処理を終了する。
一方、ステップS207では、分割周波数設定部149は、低域補正素子を撮像素子106に、高域補正素子を補正レンズ102に設定する。ここでも低周波数帯域では、補正レンズ102と撮像素子106とで追従性は同程度であるため、分割周波数を上記所定分割周波数に設定する。そして、分割周波数設定部149はステップS215にて本処理を終了する。
ステップS208では、分割周波数設定部149は、IIS低域対応周波数がOIS低域対応周波数より高いか否かを判定する。すなわち、IISがOISよりも高い低域周波数まで対応可能か否かを判定する。IIS低域対応周波数がOIS低域対応周波数より高ければステップS209に進み、そうでなければステップS210に進む。
ステップS209は、分割周波数設定部149は、OIS低域対応周波数が手振れ上限周波数以上か否かを判定する。すなわち、OISが手振れ上限周波数まで対応可能か否かを判定する。OIS低域対応周波数が手振れ上限周波数以上である場合は、ステップS208で判定したようにIIS低域対応周波数がOIS低域対応周波数より高いので、OISとIISのいずれも手振れ補正性能を満たしている。この場合は、分割周波数設定部149は、ステップS205に進み、補正レンズ102と撮像素子106のうち高周波数帯域における振動や騒音が生じ難い方、つまりは高域対応周波数がより高い方を判定する。一方、OIS低域対応周波数が手振れ上限周波数より低い場合は、分割周波数設定部149はステップS210に進む。
ステップS210では、分割周波数設定部149は、OIS低域対応周波数が所定分割周波数以上か否かを判定する。すなわち、OISが手振れ上限周波数までは対応可能でないが、少なくとも所定分割周波数までは対応可能か否かを判定する。OIS低域対応周波数が所定分割周波数以上である場合は、分割周波数設定部149はステップS206に進み、上述した設定を行う。一方、OIS低域対応周波数が所定分割周波数より低い場合は、分割周波数設定部149はステップS211に進む。
ステップS211では、分割周波数設定部149は、分割周波数をOISが対応可能な周波数であるOIS低域対応周波数に下げるとともに、低域補正素子を補正レンズ102に、高域補正素子を撮像素子106に設定する。そして、分割周波数設定部149はステップS215にて本処理を終了する。
また、ステップS212では、分割周波数設定部149は、IIS低域対応周波数が手振れ上限周波数以上か否かを判定する。すなわち、IISが手振れ上限周波数まで対応可能か否かを判定する。IIS低域対応周波数が手振れ上限周波数以上である場合は、ステップS205に進み、上述した設定を行う。一方、IIS低域対応周波数が手振れ上限周波数より低い場合は、分割周波数設定部149はステップS213に進む。
ステップS213では、分割周波数設定部149は、IIS低域対応周波数が所定分割周波数以上か否かを判定する。すなわち、IISが手振れ上限周波数までは対応可能でないが、少なくとも所定分割周波数までは対応可能か否かを判定する。IIS低域対応周波数が所定分割周波数以上である場合は、分割周波数設定部149はステップS207に進み、上述した設定を行う。一方、IIS低域対応周波数が所定分割周波数より低い場合は、分割周波数設定部149はステップS214に進む。
ステップS214では、分割周波数設定部149は、分割周波数を撮像素子106が対応可能な周波数であるIIS低域対応周波数に下げるとともに、低域補正素子を撮像素子106に、高域補正素子を補正レンズ102に設定する。そして、分割周波数設定部149はステップS215にて本処理を終了する。
以上説明したように、本実施例では、補正レンズ102と撮像素子106のそれぞれに対する閉ループ制御系の周波数応答特性に応じて、高域補正素子、低域補正素子および分割周波数を設定する。このように像振れの周波数帯域に応じて該像振れを補正する補正素子を使い分けることで、カメラシステム全体としての像振れ補正性能を向上させることができる。
本発明の実施例2であるカメラ本体Cの動作を、実施例1との差異を中心に説明する。本実施例のカメラ本体Cの構成は実施例1と同じであり、共通する構成要素には実施例1と同符号を付す。
本実施例では、カメラ振れ検出部148のみを用いてカメラ振れを検出し、この検出したカメラ振れに応じて補正レンズ102と撮像素子106を駆動して像振れ補正を行う。ただし、レンズ振れ検出部141のみを用いてカメラ振れを検出してもよい。また特定の条件によってカメラ振れ検出部148とレンズ振れ検出部141とを切り替えてカメラ振れの検出を行わせるようにしてもよい。
カメラ振れ検出部148から出力された振れ信号は、IIS制御部147に出力されるとともに、カメラ通信部143とレンズ通信部142を介して交換レンズユニットL内のOIS制御部144に送信される。このとき、振れ信号の通信の遅延によって、OIS制御部144による振れ信号の受信タイミングが遅れる。この結果、OIS制御部144からOIS-PID制御部136への目標駆動位置の出力が遅れ、補正レンズ102の目標駆動位置への到達が遅れる。これにより、像振れ補正残りが発生する。つまりはOIS/IIS協調制御による像振れ補正性能が低下する。
このような課題を解決するために、本実施例では、通信遅延による補正レンズ102の駆動の遅れをOIS周波数応答特性における位相遅れに含める。分割周波数設定部149は、補正レンズ102の閉ループ制御系の位相遅れ量(以下、OISの閉ループ位相遅れ量という)と通信遅延による位相遅れ量(以下、通信位相遅れ量)を含むトータル位相遅れ量を用いて分割周波数を設定する。
例えば、10Hzの周波数において、OIS-PID制御部136による閉ループ位相遅れ量が3degであるとする。また、通信遅延、すなわちカメラ本体Cから送信した振れ信号が交換レンズユニットLにおいて受信(取得)されるまでに要する時間を200[マイクロ秒]とする。このとき、10Hzの周波数の正弦波においては、200[マイクロ秒]の遅延は0.72deg分の位相遅れ量に相当する。
正弦波は、その振幅を1とするとき、sin(2πft)で表される。2πftは位相を示す。この式に、f=10Hz、t=0.0002秒を代入すると、位相遅れ量θは、
θ=2×π×10[Hz]×0.0002[秒]
=0.004π[rad]
=0.72[deg]
となる。
ここで、例えば、OISの閉ループ位相遅れ量が許容位相遅れ量を超える低域対応周波数が30Hzであっても、OISの閉ループ位相遅れ量と通信位相遅れ量とのトータル位相遅れ量から算出した低域対応周波数が10Hzまで低下するとする。このとき、カメラ低域対応周波数が15Hzである場合は、図6で説明した分割周波数設定処理によると、高域補正素子は撮像素子106に、低域補正素子は補正レンズ102に設定される。
本実施例では、カメラ本体Cまたは交換レンズユニットのいずれか一方に設けられた振れ検出部(148又は141)を用いて補正レンズ102および撮像素子106を駆動して像振れ補正を行う場合の像振れ補正性能の向上について説明した。すなわち、閉ループ制御系の周波数応答特性(閉ループ位相遅れ量)に通信の遅延による位相遅れ量(通信位相遅れ量)を加えたトータルの周波数応答特性(トータル位相遅れ量)に応じて、高域補正素子、低域補正素子および分割周波数を設定する。これにより、補正レンズ102または撮像素子106の閉ループ制御系の周波数応答特性のみに基づいて分割周波数を設定する場合と比べて、通信遅延による性能低下を回避でき、良好な像振れ補正性能を得ることができる。
上記各実施例では、補正レンズ102と撮像素子106をフィードバック制御によって目標駆動位置に駆動する場合について説明した。しかし、例えば、OIS駆動部135sIIS駆動部120がともにステッピングモータを用いて構成されている場合には、OIS制御部144とIIS制御部147がともに目標駆動位置に応じたステッピングモータのステップ数を設定するフィードフォワード制御を行ってもよい。この場合、カメラメモリ114およびレンズメモリ118には、開ループ制御系の周波数応答特性が保持されており、この周波数応答特性に応じて分割周波数を設定してもよい。
また、開ループ制御系での安定性の指標であるゲイン余裕や位相余裕に応じて高周波数帯域と低周波数帯域での像振れ補正を行う補正素子を決めてもよい。例えば、図5(b)に示すように、撮像素子106と補正レンズ102とで高域対応周波数が同程度である場合には、ゲイン余裕と位相余裕がより大きい方で高周波数帯域の像振れ補正を行うようにしてもよい。
さらに上記各実施例では、第1の光学機器がカメラ本体であり、第2の光学機器が交換レンズユニットである場合について説明した。しかし、第1の光学機器が交換レンズユニットであり、第2の光学機器がカメラ本体であってもよい。すなわち、分割手段および設定手段としての分割周波数設定部(149)を交換レンズユニットに設けてもよい。この場合、補正レンズが第1の補正素子になり、撮像素子が第2の補正素子になる。
さらに上記各実施例では、分割周波数設定部149は、分割周波数だけでなく、第1と第2の補正素子のそれぞれに対して第1の周波数帯域と第2の周波数帯域のいずれの像振れの補正を割り当てるかを設定する。しかしながら、第1の周波数帯域の像振れ補正は、第1または第2の補正素子が補正し、第2の周波数帯域の像振れ補正はもう一方の補正素子が補正するものと固定してもよい。
この場合、高周波帯域樽第1の周波数帯域の方が通信遅延の影響を受けやすい。このため、例えば、カメラ本体が補正レンズの駆動量も取得し、補正レンズの駆動量を交換レンズユニットに送信する場合のように補正レンズの方が通信遅延の影響を受けやすい構成である場合は、補正レンズで第2の周波数帯域の像振れを補正することが好ましい。
(その他の実施例)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
以上説明した各実施例は代表的な例にすぎず、本発明の実施に際しては、各実施例に対して種々の変形や変更が可能である。
102 補正レンズ
106 撮像素子
141 レンズ振れ検出部
144 IIS制御部
147 OIS制御部
148 カメラ振れ検出部

Claims (13)

  1. 第1の光学機器と前記第1の光学機器に着脱可能な第2の光学機器とを含む撮像システムであり、前記第1の光学機器は前記撮像システムの振れによる像振れを低減するために移動可能な第1の補正素子を、前記第2の光学機器は前記像振れを低減するために移動可能な第2の補正素子をそれぞれ備えた撮像システムに用いられる前記第1の光学機器であって、
    前記振れの周波数帯域を第1の周波数帯域と該第1の周波数帯域より低い第2の周波数帯域とに分割する分割手段と、
    前記第1または第2の周波数帯域の前記振れに基づいて前記第1の補正素子の駆動を制御する振れ補正制御手段と、
    前記第1および第2の補正素子の周波数応答特性に応じて、前記第1および第2の周波数帯域の境界となる分割周波数を設定する設定手段とを有することを特徴とする第1の光学機器。
  2. 前記周波数応答特性は、前記第1および第2の補正素子の閉ループ制御系または開ループ制御系における周波数応答特性であることを特徴とする請求項1に記載の第1の光学機器。
  3. 前記周波数応答特性としての位相遅れ量が許容量を超える周波数が前記第1および第2の補正素子において一致する場合において、
    前記補正制御手段は、前記第1および第2の補正素子のうち、前記周波数応答特性としてのゲインが所定の許容範囲を超える周波数がより高い補正素子が前記第1の補正素子である場合は、前記第1の周波数帯域の前記振れに基づいて前記第1の補正素子の駆動を制御し、
    前記第1および第2の補正素子のうち、前記周波数応答特性としてのゲインが所定の許容範囲を超える周波数がより高い補正素子が前記第2の補正素子の場合は、前記第2の周波数帯域の前記振れに基づいて前記第1の補正素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1または2に記載の第1の光学機器。
  4. 前記振れを検出する振れ検出手段と、
    前記振れ検出手段により検出された前記振れの情報を前記第2の光学機器に送信する送信手段とを備え、
    前記設定手段は、前記第2の補正素子の周波数応答特性に前記振れの情報の通信の遅延による位相遅れ量を含めることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の第1の光学機器。
  5. 前記第2の光学機器から前記振れの情報を受信する受信手段を備え、
    前記設定手段は、前記第1の補正素子の周波数応答特性に前記振れの情報の通信の遅延による位相遅れ量を含めることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の第1の光学機器
  6. 前記第1の補正素子はレンズであり、
    前記第2の補正素子は撮像素子であることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の第1の光学機器。
  7. 前記第1の補正素子は撮像素子であり、
    前記第2の補正素子はレンズであることを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の第1の光学機器。
  8. 前記第2の光学機器は、前記第1および第2の周波数帯域の振れのうち前記第1の補正素子により像振れが低減される周波数帯域とは異なる周波数帯域の像振れを低減するように前記第2の補正素子の駆動を制御することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の第1の光学機器。
  9. 前記設定手段は、前記撮像システムの姿勢変化量および温度変化量のうち少なくとも一方が所定値より大きくなった場合に、前記第1および第2の補正素子の周波数応答特性に応じた前記第1および第2の補正素子のうち前記第1の周波数帯域の像振れを低減する一方の補正素子および前記第2の周波数帯域の像振れを低減する他方の補正素子の再設定と、前記分割周波数再設定とを行うことを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の第1の光学機器。
  10. 前記設定手段は更に、
    前記第1および第2の補正素子の周波数応答特性に応じて、前記第1および第2の補正素子のうち前記第1の周波数帯域の像振れを低減する一方の補正素子および前記第2の周波数帯域の像振れを低減する他方の補正素子を設定することを特徴とする請求項1からのいずれか一項に記載の第1の光学機器。
  11. 前記設定手段は、前記撮像システムの姿勢変化量および温度変化量のうち少なくとも一方が所定値より大きくなった場合に、前記一方および他方の補正素子を再設定することを特徴とする請求項1に記載の第1の光学機器。
  12. 第1の光学機器と前記第1の光学機器に着脱可能な第2の光学機器とを含む撮像システムであり、前記第1の光学機器は前記撮像システムの振れによる像振れを低減するために移動可能な第1の補正素子を、前記第2の光学機器は前記像振れを低減するために移動可能な第2の補正素子をそれぞれ備えた撮像システムに用いられる前記第1の光学機器の制御方法であって、
    前記振れの周波数帯域を第1の周波数帯域と該第1の周波数帯域より低い第2の周波数帯域とに分割するステップと、
    前記第1または第2の周波数帯域の前記振れに基づいて前記第1の補正素子の駆動を制御するステップと、
    前記第1および第2の補正素子の周波数応答特性に応じて、前記第1および第2の周波数帯域の境界となる分割周波数を設定するステップとを有することを特徴とする第1の光学機器の制御方法。
  13. 前記第1の光学機器のコンピュータに、請求項1に記載の制御方法に従う処理を実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
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