JP7308871B2 - 杭頭接続構造及び杭頭接続構造の施工方法 - Google Patents

杭頭接続構造及び杭頭接続構造の施工方法 Download PDF

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Description

本発明は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造に関するものである。
従来、場所打ちコンクリート杭の杭頭の径を小さくすることが知られている(例えば、特許文献1,2参照)。
特許文献1には、杭と基礎とが、杭径よりも小径の小径部により接合されている構成が開示されている。これにより、杭と基礎との接合部の回転拘束を減らすことができ、基礎及びその上の建物が地震時の水平力を受けた場合に、杭と基礎との接合部の曲げ変形性能を確保し、接合部に生じる曲げモーメントを緩和する。
特許文献2には、杭の杭頭部の上面と構造物の基礎部の下面とが接合部により互いに接合され、接合部が杭と同軸で杭の杭径より小さい径の柱状に形成される構成が開示されている。これにより、フーチングから杭頭部の上面への応力の伝達を少なくできる。
特許5640768号公報 特許4451699号公報
しかしながら、特許文献1,2に記載の杭頭接続構造は、杭頭に作用する圧縮力を、杭径より小さい径の接合部で受けるため、耐圧縮性が良くない、という問題がある。
そこで、本発明は、場所打ちコンクリート杭の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすると共に、耐圧縮性を向上させた杭頭接続構造及び杭頭接続構造の施工方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の杭頭接続構造は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造であって、地中に配置されるコンクリート体と、前記コンクリート体の内部に配置される鉄筋籠と、前記鉄筋籠の軸心側に取り付けられる、前記杭頭から下方に延在して前記コンクリート体に少なくとも一部が埋設される下芯鉄筋と、前記下芯鉄筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の接続部材と、前記接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される上芯鉄筋と、を備え、前記上芯鉄筋は、クランク状に形成されていることを特徴とする。
また、本発明の杭頭接続構造では、前記杭頭には、前記コンクリート体の外径より小さな枠部材を備え、前記枠部材には、前記接続部材が取り付けられていてもよい。
また、本発明の杭頭接続構造では、前記下芯鉄筋の下部を連結する連結部材を備えていてもよい。
また、本発明の杭頭接続構造では、前記杭頭には、前記コンクリート体の外径と略同じ外径の断面L字状の外枠を備えていてもよい。
また、本発明の杭頭接続構造では、前記鉄筋籠の主筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材と、前記主筋接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される主筋接続鉄筋と、を備え、前記主筋接続鉄筋は、クランク状に形成されていてもよい。
また、本発明の杭頭接続構造は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造であって、地中に配置されるコンクリート体と、前記コンクリート体の内部に配置される鉄筋籠と、前記鉄筋籠の主筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材と、前記主筋接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される主筋接続鉄筋と、を備え、前記主筋接続鉄筋は、クランク状に形成されていてもよい。
また、本発明の杭頭接続構造の施工方法は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造の施工方法であって、前記場所打ちコンクリート杭の軸心側であって、前記杭頭に配置された筒状の接続部材の下端に、下方に延在する下芯鉄筋を取り付けた鉄筋籠を掘削孔に挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、前記掘削孔にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、前記杭頭の余盛コンクリートを除去して前記接続部材の上端を露出させる露出工程と、前記接続部材の上端に、クランク状の上芯鉄筋を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、前記上芯鉄筋を回転して位置を調整しながら、前記基礎部の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含んでもよい。
さらに、本発明の杭頭接続構造の施工方法は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造の施工方法であって、前記場所打ちコンクリート杭の軸心側に、上部から突出する下芯鉄筋を取り付けた鉄筋籠を掘削孔に挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、前記掘削孔にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、前記杭頭の余盛コンクリートを除去して前記下芯鉄筋の上部を露出させる露出工程と、前記下芯鉄筋の上端を覆うように、筒状の接続部材の一端を取り付ける接続部材取付工程と、前記接続部材に、クランク状の上芯鉄筋を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、前記上芯鉄筋を回転して位置を調整しながら、前記基礎部の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含んでもよい。
このように構成された本発明の杭頭接続構造は、地中に配置されるコンクリート体と、コンクリート体の内部に配置される鉄筋籠と、鉄筋籠の軸心側に取り付けられる、杭頭から下方に延在してコンクリート体に少なくとも一部が埋設される下芯鉄筋と、下芯鉄筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の接続部材と、接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部に埋設される上芯鉄筋と、を備え、上芯鉄筋は、クランク状に形成されている構造とした。そのため、場所打ちコンクリート杭の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすると共に、圧縮耐力を向上させることができる。
また、本発明の杭頭接続構造では、杭頭には、コンクリート体の外径より小さな枠部材を備え、枠部材には、接続部材が取り付けられている場合、接続部材を杭頭の所望の位置に配置(例えば、等間隔に配置)することができる。そのため、接続部材に接続された下芯鉄筋を杭頭の所望の位置に配置することができ、所望の強度の杭頭接続構造とすることができる。
また、本発明の杭頭接続構造では、下芯鉄筋の下部を連結する連結部材を備える場合、下芯鉄筋を正しい姿勢でコンクリート体に埋設することができる。そのため、所望の杭頭接続構造とすることができる。
また、本発明の杭頭接続構造では、杭頭には、コンクリート体の外径と略同じ外径の断面L字状の外枠を備える場合、外枠を目印として、余盛コンクリートを除去するはつり作業をすることができる。そのため、容易にはつり作業を実施することができる。
また、本発明の杭頭接続構造では、鉄筋籠の主筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材と、主筋接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部に埋設される主筋接続鉄筋と、を備え、主筋接続鉄筋は、クランク状に形成されている場合、より剛性のある杭頭接続構造とすることができる。
また、本発明の杭頭接続構造では、地中に配置されるコンクリート体と、コンクリート体の内部に配置される鉄筋籠と、鉄筋籠の主筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材と、主筋接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部に埋設される主筋接続鉄筋と、を備え、主筋接続鉄筋は、クランク状に形成されている。この場合、場所打ちコンクリート杭の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすると共に、圧縮耐力を向上させることができる。
また、本発明の杭頭接続構造の施工方法では、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造の施工方法であって、場所打ちコンクリート杭の軸心側であって、杭頭に配置された筒状の接続部材の下端に、下方に延在する下芯鉄筋を取り付けた鉄筋籠を掘削孔に挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、掘削孔にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、杭頭の余盛コンクリートを除去して接続部材の上端を露出させる露出工程と、接続部材の上端に、クランク状の上芯鉄筋を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、上芯鉄筋を回転して位置を調整しながら、基礎部の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含む施工方法とした。この場合、場所打ちコンクリート杭の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすると共に、圧縮耐力を向上させることができる。
さらに、場所打ちコンクリート杭の軸心側に、上部から突出する下芯鉄筋を取り付けた鉄筋籠を掘削孔に挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、掘削孔にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、杭頭の余盛コンクリートを除去して下芯鉄筋の上部を露出させる露出工程と、下芯鉄筋の上端を覆うように、筒状の接続部材の一端を取り付ける接続部材取付工程と、接続部材に、クランク状の上芯鉄筋を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、上芯鉄筋を回転して位置を調整しながら、基礎部の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含む。この場合、場所打ちコンクリート杭の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすると共に、圧縮耐力を向上させることができる。
実施例1の杭頭接続構造を示す断面図である。 実施例1の鉄筋籠を示す斜視図である。 実施例1の鉄筋籠の一部を断面で示す斜視図である。 実施例1の接続部材を示す斜視図である。 実施例1の鉄筋籠の連結部材周辺を示す斜視図である。 実施例1の下芯鉄筋と、上芯鉄筋と、接続部材を示す分解斜視図である。 実施例1の鉄筋籠組立工程を説明する図である。 実施例1の鉄筋籠設置工程を説明する図である。 実施例1のコンクリート打設工程を説明する図である。 実施例1の露出工程を説明する図である。 実施例1の基礎鉄筋設置工程を説明する図である。 実施例1の基礎鉄筋設置工程を説明する図である。 実施例1の杭頭接続構造の作用を説明する図である。 実施例2の杭頭接続構造を示す断面図である。 実施例3の杭頭接続構造を示す断面図である。 実施例4の杭頭接続構造を示す断面図である。
以下、本発明による杭頭接続構造及び杭頭接続構造の施工方法を実現する実施形態を、図面に示す実施例1~4に基づいて説明する。
[杭頭接続構造の構成]
図1は、実施例1の杭頭接続構造を示す断面図である。図2は、実施例1の鉄筋籠を示す斜視図である。図3は、実施例1の鉄筋籠の一部を断面で示す斜視図である。図4は、実施例1の接続部材を示す斜視図である。図5は、実施例1の鉄筋籠の連結部材周辺を示す斜視図である。図6は、実施例1の下芯鉄筋と、上芯鉄筋と、接続部材を示す分解斜視図である。以下、実施例1の杭頭接続構造の構成を説明する。
実施例1では、場所打ちコンクリート杭の杭頭と、基礎部としてのフーチング及び基礎梁との杭頭接続構造を説明する。
図1に示すように、杭頭接続構造は、地盤3の掘削孔3aに設置された場所打ちコンクリート杭1と、場所打ちコンクリート杭1の上部に配置される基礎部としてのフーチング5と基礎梁6とを備える。基礎梁6の内部には、基礎鉄筋6aが配置される。フーチング5の上部には、柱7が配置される。
場所打ちコンクリート杭1は、コンクリート体60と、コンクリート体60の内部に配置される鉄筋籠10と、を備える。
コンクリート体60は、掘削孔3aに配置される。すなわち、コンクリート体60は、地中に配置される。コンクリート体60は、掘削孔3aの形状に合わせて、円柱状に形成される。
場所打ちコンクリート杭1の杭頭には、上芯鉄筋52が上方に延在するように取り付けられ、基礎部としてのフーチング5と基礎梁6に埋設されている。
[鉄筋籠の構成]
図2に示すように、鉄筋籠10は、外周筋としての主筋41と、主筋41に取り付けられたフープ筋(あばら筋)42と、杭頭に配置された枠部材20と、枠部材20に取り付けられた接続部材50と、接続部材50に取り付けられた下芯鉄筋51と、下芯鉄筋51間を連結する連結部材30と、を備える。
(枠部材)
図2に示すように、枠部材20は、例えば、鋼材によって形成され、最外周に配置されたリング状の外枠21と、外枠21の内側に配置されたリング状の中枠22と、中枠22の内側に配置されたリング状の内枠23と、これらを支持する4つの支持ブラケット24と、を備える。
図2及び図3に示すように、外枠21は、例えば、断面L字状の山形鋼(アングル)を曲げ加工して形成される。外枠21の内径は、コンクリート体60の外径と同じ外径(例えば、1900[mm])に形成される。外枠21の内径は、場所打ちコンクリート杭1の杭径と同じ外径に形成される。これにより、コンクリート部分の欠損を防ぐことができる。
中枠22は、例えば、平鋼(フラットバー)を曲げ加工して、外枠21より小さなリング状に形成される。中枠22は、外枠21と同心状に形成される。
内枠23は、例えば、平鋼(フラットバー)を曲げ加工して、中枠22より小さなリング状に形成される。内枠23は、コンクリート体60の外径より小さな外径に形成される。内枠23の直径は、トレミー管の直径より若干大きく形成することができる。内枠23は、外枠21と同心状に形成される。
4つの支持ブラケット24は、例えば、鋼板によって形成され、内枠23の周方向に、略等間隔に配置される。4つの支持ブラケット24は、外枠21、中枠22及び内枠23を連結する。
(主筋・フープ筋)
図2及び図3に示すように、主筋41は、例えば、直径が38[mm]の異形棒鋼を使用することができる。主筋41は、中枠22の周方向に所定間隔おきに複数配置される。主筋41の一端は、中枠22の外周面に、例えば、結束線や溶接によって取り付けられる。主筋41は、中枠22の上端から突出しないように、中枠22に取り付けられる。主筋41は、中枠22から下方に延在するように、中枠22に取り付けられる。主筋41は、中枠22の外周面に沿って複数配置されて、外周筋を構成する。
フープ筋42は、複数の主筋41を取り囲むように、リング状に形成される。フープ筋42は、主筋41の長手方向に、略等間隔に複数配置される。
(接続部材)
図2に示すように、接続部材50は、内枠23の外周面に、周方向に所定間隔おきに複数配置されている。
接続部材50は、上芯鉄筋52と下芯鉄筋51を接続する機械式継手とすることができる。図4に示すように、接続部材50は、例えば、金属製で筒状に形成されたカプラとすることができる。
接続部材50の直径は、上芯鉄筋52及び下芯鉄筋51の直径より大きく形成することができる。接続部材50の穴の内面には、ネジ山を形成することができる。接続部材50には、接続部材50の穴に対して着脱式のキャップを備えていてもよい。
接続部材50は、U字状金物71によって、内枠23に取り付けることができる。なお、接続部材50は、結束線や接着剤や両面テープ等の溶接以外の方法によって、内枠23に取り付けることもできる。
(連結部材)
図5に示すように、連結部材30は、例えば、鋼材によって形成され、最外周に配置されたリング状の外側枠31と、外側枠31の内側に配置されたリング状の内側枠32と、これらを支持する4つの支持ブラケット33と、を備える。
外側枠31は、例えば、平鋼(フラットバー)を曲げ加工して形成される。外側枠31は、中枠22と略同じ外径のリング状に形成される。
内側枠32は、例えば、平鋼(フラットバー)を曲げ加工して、内枠23より若干大きな外径のリング状に形成される。内側枠32の直径は、トレミー管の直径より若干大きく形成することができる。内側枠32は、外側枠31と同心状に形成される。
4つの支持ブラケット33は、例えば、鋼板によって形成され、内側枠32の周方向に、略等間隔に配置される。4つの支持ブラケット33は、内側枠32及び外側枠31を連結する。
(下芯鉄筋)
下芯鉄筋51は、SD490以上の異形棒鋼とすることができる。すなわち、下芯鉄筋51は、高強度鉄筋とすることができる。
図1及び図3に示すように、下芯鉄筋51は、鉛直方向に延在して形成される。下芯鉄筋51は、鉄筋籠10の軸心側に、取り付けられる。下芯鉄筋51は、内枠23の周方向に等間隔に複数取り付けられている。下芯鉄筋51は、杭頭から下方に延在してコンクリート体60に埋設される。
下芯鉄筋51の先端には、ネジ山が形成されており、接続部材50に回転可能に取り付けられる。下芯鉄筋51の上端は、接続部材50の一端に挿入されて、接続部材50に取り付けられる。これにより、下芯鉄筋51の上端が、接続部材50に覆われる。
図5に示すように、下芯鉄筋51の下端は、連結部材30の内側枠32の外周面に、U字状金物や結束線や接着剤や両面テープ等の溶接以外の方法によって取り付けることができる。
[上芯鉄筋の構成]
上芯鉄筋52は、SD490以上の異形棒鋼とすることができる。すなわち、上芯鉄筋52は、高強度鉄筋とすることができる。
図6に示すように、上芯鉄筋52は、第1鉛直部52aと、斜部52bと、第2鉛直部52cとで、クランク状に形成されている。
第1鉛直部52aは、鉛直方向に延在して形成される。第1鉛直部52aの先端には、ネジ山が形成されており、接続部材50の他端に回転可能に取り付けられる。
斜部52bは、第1鉛直部52aの端部から、第1鉛直部52aに対して所定の角度(例えば、10°)傾斜した姿勢で延在するように形成することができる。言い換えると、斜部52bは、所定の傾き(例えば、側面視でY=6X)になるように傾斜した姿勢で形成することができる。
第2鉛直部52cは、斜部52bの端部から、鉛直方向に延在して形成される。
上芯鉄筋52は、接続部材50の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部に埋設される。なお、上芯鉄筋52を接続部材50にロックナットを使用して取り付けることもできる。
[杭頭接続構造の施工方法]
図7は、実施例1の鉄筋籠組立工程を説明する図である。図8は、実施例1の鉄筋籠設置工程を説明する図である。図9は、実施例1のコンクリート打設工程を説明する図である。図10は、実施例1の露出工程を説明する図である。図11及び図12は、実施例1の基礎鉄筋設置工程を説明する図である。以下、実施例1の杭頭接続構造の施工方法を説明する。
(鉄筋籠組立工程)
鉄筋籠組立工程では、図7に示すように、複数の主筋41を枠部材20の中枠22と連結部材30の外側枠31に取り付けて固定する。この際、固定された主筋41に、フープ筋42を取り付けることもできる。鉄筋籠10の長手方向が地面GLに沿うように、鉄筋籠10を横に倒した姿勢で組み立てる。鉄筋籠10は、地面GLに設置した土台81の上で組み立てることができる。
次いで、複数の接続部材50を、U字状金物71によって、内枠23の外周面に取り付ける。そして、下芯鉄筋51の上端を、接続部材50の一端に挿入して、接続部材50に取り付ける。下芯鉄筋51の下端を、連結部材30の内側枠32の外周面に、U字状金物や結束線や接着剤や両面テープ等の溶接以外の方法によって取り付ける。
次いで、残りの主筋41を枠部材20の中枠22と連結部材30の外側枠31に取り付けて固定する。そして、主筋41にフープ筋42を取り付けて鉄筋籠10を形成する。
(鉄筋籠設置工程)
図8に示すように、鉄筋籠設置工程では、例えばクレーンを使用して、地盤3に形成された掘削孔3aに鉄筋籠10を挿入して設置する。すなわち、鉄筋籠設置工程では、場所打ちコンクリート杭1の軸心側であって、杭頭に配置された筒状の接続部材50の下端に、下方に延在する下芯鉄筋51を取り付けた鉄筋籠10を、掘削孔3aに挿入して設置する。掘削孔3aの入り口付近には、スタンドパイプ(ケーシング)4を設置することもできる。
(コンクリート打設工程)
図9に示すように、コンクリート打設工程では、トレミー管91を、枠部材20の内枠23及び連結部材30の内側枠32との内側に挿入して、コンクリートを打設する。
(露出工程)
図10に示すように、露出工程では、スタンドパイプ(ケーシング)4を撤去して、根切りを行う。また、ワイヤーソー等の工具Gや静的破砕材を使用して、杭頭の余盛コンクリート61を除去して、接続部材50の上端を露出させる。この際、接続部材50の上端に取り付けたキャップを撤去する。
(上芯鉄筋取付工程)
図11に示すように、上芯鉄筋取付工程では、露出した接続部材50の上端に、クランク状の上芯鉄筋52を回転可能に取り付ける。この際、接続部材50の穴にグラウト材を装入することもできる。
(基礎鉄筋設置工程)
図12に示すように、基礎鉄筋設置工程では、上芯鉄筋52を回転して位置を調整しながら、基礎部の基礎鉄筋6aを配置する。具体的には、図1に示すように、杭頭の上面にフーチング5の下面が接合するように、フーチング5と基礎梁6を構築する。この際、上芯鉄筋52は、基礎部としてのフーチング5と基礎梁6に埋設される。また、根切りを行った部分に土砂3Aを埋め戻す。また、フーチング5の上に、柱7を構築する。以上の工程を経て、杭頭接続構造が施工される。
[杭頭接続構造とその施工方法の作用]
以下、実施例1の杭頭接続構造とその施工方法の作用を説明する。
実施例1の杭頭接続構造は、場所打ちコンクリート杭1の杭頭と基礎部(フーチング5,基礎梁6)とを接続する。この杭頭接続構造は、地中に配置されるコンクリート体60と、コンクリート体60の内部に配置される鉄筋籠10と、鉄筋籠10の軸心側に取り付けられる、杭頭から下方に延在してコンクリート体60に埋設される下芯鉄筋51と、下芯鉄筋51の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の接続部材50と、接続部材50の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部(フーチング5,基礎梁6)に埋設される上芯鉄筋52と、を備え、上芯鉄筋52は、クランク状に形成されている(図1)。
これにより、図13(a)に示すように、大地震等により杭頭の接続部の周辺に大きな力が作用した際に、コンクリート体60と基礎部(フーチング5,基礎梁6)との接合部からひび割れを誘発させることができる。そして、鉄筋籠10より小径の円周状に配置された下芯鉄筋51及び上芯鉄筋52により、塑性変形能力を向上させて、半剛接接合にすることができる。そのため、場所打ちコンクリート杭1の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすることができる。その結果、場所打ちコンクリート杭1の径を小さくすることができる。
圧縮力に対しては、図13(b)に示すように、コンクリート体60の全断面で受けることができる。そのため、例えば、杭頭の外径を、半径方向で狭くしたような絞った形状の杭頭接続構造と比較して、圧縮耐力を向上させることができる。
引張力に対しては、図13(c)に示すように、上芯鉄筋52から、接続部材50を介して、下芯鉄筋51に伝達させることで、耐引張力を維持することができる。
せん断力に対しては、図13(d)に示すように、圧縮軸力下において、コンクリート体60と基礎部(フーチング5,基礎梁6)との接合部における摩擦抵抗により、耐せん断力を維持する。また、引張軸力下においては、上芯鉄筋52及び下芯鉄筋51のダボ効果で負担することができる。ダボ効果とは、上芯鉄筋52及び下芯鉄筋51のダウエル力のことであり、上芯鉄筋52及び下芯鉄筋51の軸方向と直交する方向の抵抗力のことである。
また、上芯鉄筋52を取り付けた後に、上芯鉄筋52を軸回りに回転させて、上芯鉄筋52の位置を変えることができる。そのため、基礎部(フーチング5,基礎梁6)の基礎鉄筋6aと干渉を防ぐように、上芯鉄筋52を移動することができる。
実施例1の杭頭接続構造では、杭頭には、コンクリート体60の外径より小さな枠部材(内枠23)を備え、枠部材(内枠23)には、接続部材50が取り付けられている(図2)。
これにより、接続部材50の杭頭を所望の位置に配置することができる。そのため、接続部材50に接続された下芯鉄筋51を杭頭の所望の位置に配置(例えば、等間隔に配置)した杭頭接続構造とすることができる。
実施例1の杭頭接続構造では、下芯鉄筋51の下部を連結する連結部材30を備える(図5)。
これにより、下芯鉄筋51を正しい姿勢でコンクリート体60に埋設することができる。そのため、所望の性能の杭頭接続構造とすることができる。また、あらかじめ下芯鉄筋51を鉄筋籠10に取り付けておくことができるので、鉄筋籠10を横に倒した姿勢で組み立てることができる。そのため、掘削孔3aに建て込みながら下芯鉄筋を配置する場合と比べて、短時間で効率よく組み立てることができる。
実施例1の杭頭接続構造では、杭頭には、コンクリート体60の外径と略同じ外径の断面L字状の外枠21を備える(図3)。
これにより、外枠21を目印として、余盛コンクリート61を除去するはつり作業をすることができる。そのため、容易にはつり作業を実施することができる。
実施例1の杭頭接続構造の施工方法は、場所打ちコンクリート杭1の杭頭と基礎部(フーチング5,基礎梁6)とを接続する。この杭頭接続構造の施工方法は、場所打ちコンクリート杭1の軸心側であって、杭頭に配置された筒状の接続部材50の下端に、下方に延在する下芯鉄筋51を取り付けた鉄筋籠10を掘削孔3aに挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、掘削孔3aにコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、杭頭の余盛コンクリート61を除去して接続部材50の上端を露出させる露出工程と、接続部材50の上端に、クランク状の上芯鉄筋52を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、上芯鉄筋52を回転して位置を調整しながら、基礎部(フーチング5,基礎梁6)の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含む(図7~図12)。
これにより、大地震等によって、杭頭の接続部の周辺に大きな力が作用した際に、コンクリート体60と基礎部(フーチング5,基礎梁6)との接合部からひび割れを誘発させることができる。そして、鉄筋籠10より小径の円周状に配置された上芯鉄筋52及び下芯鉄筋51により、塑性変形能力を向上させて、半剛接接合にすることができる。そのため、場所打ちコンクリート杭1の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすることができる。その結果、場所打ちコンクリート杭1の径を小さくすることができる。
圧縮力に対しては、コンクリート体60の全断面で受けることができる。そのため、例えば、杭頭の外径を、半径方向で狭くしたような絞った形状の杭頭接続構造と比較して、圧縮耐力を向上させることができる。
また、杭頭から、鉄筋が突出しない状態で、余盛コンクリート61を除去することができる。そのため、鉄筋が邪魔にならないような状態で、はつり作業を実施することができる。その結果、はつり作業を容易に実施することができる。
また、上芯鉄筋52を取り付けた後に、上芯鉄筋52を軸回りに回転させて、上芯鉄筋52の位置を変えることができる。そのため、基礎部(フーチング5,基礎梁6)の基礎鉄筋6aと干渉を防ぐように、上芯鉄筋52を移動することができる。
実施例2の杭頭接続構造は、接続部材の構成が異なる点で、実施例1の杭頭接続構造と相違する。
[杭頭接続構造の構成]
図14は、実施例2の杭頭接続構造を示す断面図である。以下、実施例2の接続部材の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図14に示すように、実施例2では、接続部材50に加えて、主筋接続部材150を備える。
主筋接続部材150は、主筋41の上端を覆うように、一端が取り付けられる。主筋41の先端には、ネジ山が形成されており、主筋接続部材150に回転可能に取り付けられる。主筋41の上端は、主筋接続部材150の一端に挿入されて取り付けられる。これにより、主筋41の上端が、主筋接続部材150に覆われる。
主筋接続部材150の他端には、基礎部としてのフーチング5と基礎梁6に埋設される主筋接続鉄筋152が取り付けられる。主筋接続鉄筋152は、主筋接続部材150の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部に埋設される。主筋接続鉄筋152は、例えば、直径が38[mm]の異形棒鋼を使用することができる。
[杭頭接続構造の作用]
実施例2の杭頭接続構造は、鉄筋籠10の主筋41の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材150と、主筋接続部材150の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部(フーチング5,基礎梁6)に埋設される主筋接続鉄筋152と、を備え、主筋接続鉄筋152は、クランク状に形成されている(図15)。
これにより、より剛性の高い杭頭接続構造とすることができる。なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
実施例3の杭頭接続構造は、接続部材の構成が異なる点で、実施例1の杭頭接続構造と相違する。
[杭頭接続構造の構成]
図15は、実施例3の杭頭接続構造を示す断面図である。以下、実施例3の接続部材の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図15に示すように、実施例3では、主筋接続部材150を備える。主筋接続部材150は、主筋41の上端を覆うように、一端が取り付けられる。主筋41の先端には、ネジ山が形成されており、主筋接続部材150に回転可能に取り付けられる。主筋41の上端は、主筋接続部材150の一端に挿入されて取り付けられる。これにより、主筋41の上端が、主筋接続部材150に覆われる。
主筋接続鉄筋152は、主筋接続部材150の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部に埋設される。主筋接続鉄筋152は、例えば、直径が38[mm]の異形棒鋼を使用することができる。
[杭頭接続構造の作用]
実施例3の杭頭接続構造は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する。この杭頭接続構造は、地中に配置されるコンクリート体60と、コンクリート体60の内部に配置される鉄筋籠10と、鉄筋籠10の主筋41の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材150と、主筋接続部材150の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、基礎部(フーチング5,基礎梁6)に埋設される主筋接続鉄筋152と、を備え、主筋接続鉄筋152は、クランク状に形成されている(図15)。
これにより、大地震等によって、杭頭の接続部の周辺に大きな力が作用した際に、コンクリート体60と基礎部(フーチング5,基礎梁6)との接合部からひび割れを誘発させて、半剛接接合にすることができる。そのため、場所打ちコンクリート杭1の杭頭に作用する曲げモーメントを小さくすることができる。その結果、場所打ちコンクリート杭1の径を小さくすることができる。なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
実施例4の杭頭接続構造は、接続部材の配置位置が異なる点で、実施例1の杭頭接続構造と相違する。
[杭頭接続構造の構成]
図16は、実施例4の杭頭接続構造を示す断面図である。以下、実施例4の接続部材の構成を説明する。なお、上記実施例で説明した内容と同一乃至均等な部分の説明については、同一の用語又は同一の符号を用いて説明する。
図16に示すように、下芯鉄筋251は、鉄筋籠10の上端から上部が突出した状態で、U字状金物71によって、内枠23に取り付けられる。接続部材50は、下芯鉄筋251の上端を覆うように取り付けられる。すなわち、接続部材50は、コンクリート体60より上方に設置される。
[杭頭接続構造の施工方法]
以下、実施例4の接続部材の構成を説明する。以下、実施例4の杭頭接続構造の施工方法を説明する。
(鉄筋籠組立工程)
鉄筋籠組立工程では、複数の主筋41を枠部材20の中枠22と連結部材30の外側枠31に取り付けて固定する。この際、固定された主筋41に、フープ筋42を取り付けることもできる。鉄筋籠10の長手方向が地面GLに沿うように、鉄筋籠10を横に倒した姿勢で組み立てる。鉄筋籠10は、地面GLに設置した土台81の上で組み立てることができる。
次いで、複数の接続部材50を、内枠23の外周面に取り付ける。そして、下芯鉄筋251の上部が、鉄筋籠10の上部から突出するように、U字状金物71によって、内枠23に取り付ける。下芯鉄筋251の下端を、連結部材30の内側枠32の外周面に、U字状金物や結束線や接着剤や両面テープ等の溶接以外の方法によって取り付ける。
次いで、残りの主筋41を枠部材20の中枠22と連結部材30の外側枠31に取り付けて固定する。そして、主筋41にフープ筋42を取り付けて鉄筋籠10を形成する。
(鉄筋籠設置工程)
鉄筋籠設置工程では、例えばクレーンを使用して、地盤3に形成された掘削孔3aに鉄筋籠10を挿入して設置する。すなわち、鉄筋籠設置工程では、場所打ちコンクリート杭1の軸心側に、上部から突出する下芯鉄筋251を取り付けた鉄筋籠10を掘削孔3aに挿入して設置する。掘削孔3aの入り口付近には、スタンドパイプ(ケーシング)4を設置することもできる。
(コンクリート打設工程)
コンクリート打設工程では、トレミー管91を、枠部材20の内枠23及び連結部材30の内側枠32との内側に挿入して、コンクリートを打設する。
(露出工程)
露出工程では、スタンドパイプ(ケーシング)4を撤去して、根切りを行う。また、ワイヤーソー等の工具Gや静的破砕材を使用して、杭頭の余盛コンクリート61を除去して、下芯鉄筋251の上端を露出させる。
(接続部材取付工程)
接続部材取付工程では、下芯鉄筋251の上端を覆うように、筒状の接続部材50の一端を取り付ける。
(上芯鉄筋取付工程)
上芯鉄筋取付工程では、接続部材50の上端に、クランク状の上芯鉄筋52を回転可能に取り付ける。この際、接続部材50の穴にグラウト材を装入することもできる。
(基礎鉄筋設置工程)
基礎鉄筋設置工程では、上芯鉄筋52を回転して位置を調整しながら、基礎部の基礎鉄筋6aを配置する。杭頭の上面にフーチング5の下面が接合するように、フーチング5と基礎梁6を構築する。この際、上芯鉄筋52は、基礎部としてのフーチング5と基礎梁6に埋設される。また、根切りを行った部分に土砂3Aを埋め戻す。また、フーチング5の上に、柱7を構築する。以上の工程を経て、杭頭接続構造が施工される。
[杭頭接続構造の施工方法の作用]
実施例4の杭頭接続構造の施工方法は、場所打ちコンクリート杭1の軸心側に、上部から突出する下芯鉄筋251を取り付けた鉄筋籠10を掘削孔3aに挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、掘削孔3aにコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、杭頭の余盛コンクリート61を除去して下芯鉄筋251の上部を露出させる露出工程と、下芯鉄筋251の上端を覆うように、筒状の接続部材50の一端を取り付ける接続部材取付工程と、接続部材50に、クランク状の上芯鉄筋52を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、上芯鉄筋52を回転して位置を調整しながら、基礎部(フーチング5,基礎梁6)の鉄筋を配置する。
これにより、上芯鉄筋52を取り付けた後に、上芯鉄筋52を軸回りに回転させて、上芯鉄筋52の位置を変えることができる。そのため、基礎部(フーチング5,基礎梁6)の基礎鉄筋6aと干渉を防ぐように、上芯鉄筋52を移動することができる。なお、他の構成及び作用効果については、上記実施例と略同様であるので説明を省略する。
以上、本発明の杭頭接続構造及び杭頭接続構造の施工方法を実施例1~4に基づき説明してきた。しかし、具体的な構成については、これらの実施例に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更等は許容される。
実施例2では、主筋接続部材150は、コンクリート体60に埋没している例を示した。しかし、主筋接続部材は、コンクリート体より上方に設置されてもよい。この場合、主筋接続部材150は、杭頭の余盛コンクリートを除去した後に、設置することができる。
実施例1,2では、接続部材50は、内枠23の外周面に取り付けられる例を示した。しかし、接続部材は、内枠の内周面に取り付けられてもよいし、中枠に取り付けられてもよい。また、接続部材は、枠部材20を備えない鉄筋籠に直接取り付けることもできる。
実施例1~4では、枠部材20及び連結部材30をリング状とする例を示した。しかし、枠部材及び連結部材としては、矩形であってもよいし、多角形であってもよい。また、枠部材及び連結部材は、リング状や矩形のような閉じられた形状(閉鎖された形状)に限定されず、閉じられていない形状であってもよい。
実施例1~4では、枠部材20を、外枠21と中枠22と内枠23とからなる三重のリング状に形成する例を示した。しかし、枠部材は、二重以上のリング状に形成されてもよい。
実施例1~4では、枠部材20を場所打ちコンクリート杭1の軸心と同心状に配置する例を示した。しかし、枠部材は、場所打ちコンクリート杭1の軸心から偏芯させて配置してもよい。
実施例1~4では、枠部材20を、外枠21と中枠22と内枠23と、これらをつなぐ4つの支持ブラケット24とによって形成する例を示した。しかし、枠部材は、この態様に限定されず、外枠21と中枠22と内枠23と、これらをつなぐ複数の支持ブラケットとによって形成されてもよい。
実施例1~4では、鉄筋籠10は、主筋41を一重の円周状に設けられる例を示した。しかし、鉄筋籠は、主筋を二重以上の円周状に設けられてもよい。
実施例1~4では、本発明の杭頭接続構造を、場所打ちコンクリート杭1の杭頭と、基礎部としてのフーチング5及び基礎梁6との杭頭接続構造とする例を示した。しかし、本発明は、場所打ちコンクリート杭の杭頭と、基礎部としての地中梁や床板との杭頭接続構造とすることもできる。
1 場所打ちコンクリート杭
3a 掘削孔
5 フーチング(基礎部の一例)
6 基礎梁(基礎部の一例)
10 鉄筋籠
21 外枠
23 内枠(枠部材の一例)
30 連結部材
50 接続部材
51 下芯鉄筋
52 上芯鉄筋
60 コンクリート体
61 余盛コンクリート

Claims (7)

  1. 場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造であって、
    地中に配置されるコンクリート体と、
    前記コンクリート体の内部に配置される鉄筋籠と、
    前記鉄筋籠の軸心側に取り付けられる、前記杭頭から下方に延在して前記コンクリート体に少なくとも一部が埋設される下芯鉄筋と、
    前記下芯鉄筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の接続部材と、
    前記接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される上芯鉄筋と、
    前記下芯鉄筋の下部を連結する連結部材と、を備え、
    前記上芯鉄筋は、クランク状に形成されているとともに、
    前記連結部材は、前記鉄筋籠の主筋に固定されている
    ことを特徴とする、杭頭接続構造。
  2. 前記杭頭には、前記コンクリート体の外径より小さな枠部材を備え、
    前記枠部材には、前記接続部材が取り付けられている
    ことを特徴とする、請求項1に記載の杭頭接続構造。
  3. 前記杭頭には、前記コンクリート体の外径と略同じ外径の断面L字状の外枠を備える
    ことを特徴とする、請求項1又は2に記載の杭頭接続構造。
  4. 前記鉄筋籠の主筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材と、
    前記主筋接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される主筋接続鉄筋と、を備え、
    前記主筋接続鉄筋は、クランク状に形成されている
    ことを特徴とする、請求項1~の何れか一項に記載の杭頭接続構造。
  5. 場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造であって、
    地中に配置されるコンクリート体と、
    前記コンクリート体の内部に配置される鉄筋籠と、
    前記鉄筋籠の軸心側に取り付けられる、前記杭頭から下方に延在して前記コンクリート体に少なくとも一部が埋設される下芯鉄筋と、
    前記下芯鉄筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の接続部材と、
    前記接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される上芯鉄筋と、を備え、
    前記上芯鉄筋は、クランク状に形成されているとともに、
    前記鉄筋籠の主筋の上端を覆うように、一端が取り付けられる筒状の主筋接続部材と、
    前記主筋接続部材の他端に挿入されて回転可能に取り付けられるとともに、前記基礎部に埋設される主筋接続鉄筋と、を備え、
    前記主筋接続鉄筋は、クランク状に形成されている
    ことを特徴とする、杭頭接続構造。
  6. 場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造の施工方法であって、
    前記場所打ちコンクリート杭の軸心側であって、前記杭頭に配置された筒状の接続部材の下端に、下方に延在する下芯鉄筋を取り付けた鉄筋籠を掘削孔に挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、
    前記掘削孔にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
    前記杭頭の余盛コンクリートを除去して前記接続部材の上端を露出させる露出工程と、
    前記接続部材の上端に、クランク状の上芯鉄筋を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、
    前記上芯鉄筋を回転して位置を調整しながら、前記基礎部の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含む
    ことを特徴とする、杭頭接続構造の施工方法。
  7. 場所打ちコンクリート杭の杭頭と基礎部とを接続する杭頭接続構造の施工方法であって、
    前記場所打ちコンクリート杭の軸心側に、上部から突出する下芯鉄筋を取り付けた鉄筋籠を掘削孔に挿入して設置する鉄筋籠設置工程と、
    前記掘削孔にコンクリートを打設するコンクリート打設工程と、
    前記杭頭の余盛コンクリートを除去して前記下芯鉄筋の上部を露出させる露出工程と、
    前記下芯鉄筋の上端を覆うように、筒状の接続部材の一端を取り付ける接続部材取付工程と、
    前記接続部材に、クランク状の上芯鉄筋を回転可能に取り付ける上芯鉄筋取付工程と、
    前記上芯鉄筋を回転して位置を調整しながら、前記基礎部の鉄筋を配置する基礎鉄筋設置工程と、を含む
    ことを特徴とする、杭頭接続構造の施工方法。
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