以下、加熱調理器、加熱調理システム、端末装置または報知方法の実施の形態を、図面を参照して説明する。また、図面に示す加熱調理器は一例であり、図面に示された加熱調理器によって本発明の適用機器が限定されるものではない。また、以下の説明において、理解を容易にするために方向を表す用語(例えば「上」、「下」、「右」、「左」、「前」、「後」など)を適宜用いるが、これらは説明のためのものであって、本発明を限定するものではない。また、各図において、同一の符号を付したものは、同一の又はこれに相当するものであり、これは明細書の全文において共通している。なお、各図面では、各構成部材の相対的な寸法関係又は形状等が実際のものとは異なる場合がある。
実施の形態1.
(加熱調理器の構成)
図1は、実施の形態1における加熱調理システムの概略斜視図である。図1に示すように、本実施の形態の加熱調理システムは、加熱調理器100と、容器情報取得装置200とからなる。加熱調理器100と、容器情報取得装置200とは、無線または有線によりデータ通信可能に接続される。
加熱調理器100は、本体1と、本体1の上面に配置されたトッププレート2とを備える。トッププレート2は、例えば、耐熱性のガラス板と、ガラス板の周囲に取り付けられた金属の枠体とにより構成される。トッププレート2の上面には、加熱領域である加熱口21が設けられている。図1に示すように、本実施の形態では3つの加熱口21が設けられている。加熱口21は、鍋またはフライパンなどの調理容器300(図2)が載置される領域を示すものである。加熱口21の下方の本体1の内部には、第1加熱源3が設けられている。第1加熱源3は、例えば、加熱コイルである。加熱口21は、第1加熱源3の外形と同じ形状か、または、第1加熱源3の外形よりも若干大きい形状に形成される。本実施の形態では、加熱口21は上面視で円形状に形成されている。なお、加熱口21および第1加熱源3の数および形状は、図1に示す例に限定されるものではない。
また、トッププレート2の加熱口21内には、透過窓(図示せず)が設けられてもよい。透過窓は、トッププレート2下方に配置される温度センサ30(図3)によって、トッププレート2を透過する調理容器300からの赤外線を検出する場合に設けられるものである。
トッププレート2の手前側には、加熱調理器100の状態を表示する表示部22と、加熱調理器100に対する操作が入力される上面操作部23とが設けられる。表示部22は、例えば、液晶(LCD)、各種発光素子(LEDなど)または有機電界発光(Electro Luminescence:EL)素子などにより構成される。表示部22は、トッププレート2の左右方向の中央部に配置された中央表示部と、左側の加熱口21の手前側の左表示部と、右側の加熱口21の手前側の右表示部とを備える。各表示部には、投入火力、通電条件、制御状況、加熱調理に関する設定情報、調理モードの選択表示、自動調理の進行状況または警告情報などが表示される。また、表示部22は、後述する調理容器300の使用情報を報知する報知部としても機能する。
上面操作部23は、静電容量式のタッチセンサである。上面操作部23は、加熱調理器100の主電源のON/OFF、ならびに各加熱口21および加熱庫8の火力、温度および調理モードなどの使用者の操作入力を、トッププレート2を介して受け付ける。上面操作部23は、メンブレンシートを用いた接点ボタンにより構成され、使用者により接点ボタンが押下されることにより、加熱制御に関する入力操作を検知するものでもよい。
トッププレート2の後方側には、本体1への吸気と本体1からの排気を行う吸排気口と、吸排気口を覆うカバー4とが設けられる。カバー4は通気性を有し、本体1内部への埃または異物侵入を防止している。
本体1の前面には、加熱調理器100に対する操作が入力される前面操作部5と外部機器と通信を行う通信部6とが設けられる。前面操作部5は、各加熱口21および加熱庫8の火力を調節するための複数の操作ダイヤルなどを含む。通信部6は、トッププレート2の上方に配置される容器情報取得装置200などの外部機器と赤外線通信、Bluetooth(登録商標)等の無線通信、または家庭内LAN(Local Area Network)を介して通信を行う。
本体1の内部であって、各加熱口21の下方には、第1加熱源3がそれぞれ配置される。第1加熱源3は、電磁誘導式加熱源であり、例えば銅線またはアルミ線などの導線が巻回してなる円形の加熱コイルである。第1加熱源3は、高周波電流が供給されることで高周波磁界を発生する。例えば、第1加熱源3は、第1コイルと、第2コイルとに分割された、二重環状のコイルである。なお、第1加熱源3の構成は、これに限定されるものではない。例えば、第1加熱源3の形状は楕円でもよい。また、第1加熱源3の構成は、三重環状以上の環状であってもよく、または、複数のコイルが組み合わされて構成されてもよい。また、分割されるコイルは、電気的に接続されていなくてもよく、複数のインバータ40によってそれぞれ独立して駆動されてもよい。また、複数の加熱口21のうち任意の加熱口21の下方に、輻射熱方式加熱源となる電気ヒータ(例えばニクロム線またはハロゲンヒーター、ラジェンドヒーター等)を配置してもよい。または、第1加熱源3は、ガス式加熱源であってもよい。
本体1の内部には、第2加熱源7が配置された加熱庫8が設けられる。第2加熱源7は、輻射式電気加熱源であり、例えば加熱庫8の上部と下部とに配置されたシーズヒータである。なお、第2加熱源7は、輻射式電気加熱源に限定されるものではなく、電磁誘導式加熱源、マイクロ波式加熱源、熱風による熱風循環式加熱源(コンベクション方式加熱源)、ガス式加熱源、または異なる複数の加熱源の組み合わせであってもよい。また、加熱庫8内の上下にそれぞれヒータを設置するとともに、マイクロ波を発信するアンテナを壁面に配置してもよい。
加熱庫8の前面には扉が設けられ、扉には加熱庫8の内部を視認できるよう視認窓を設けてもよい。また、扉の最前面には使い勝手の良いように把持部(図示せず)が、設けられる。また、加熱庫8の内部において加熱時に排出される煙等の排気風は、本体1の奥部に設けた排気口より排気される。
図2は、実施の形態1における加熱調理システムの設置例を示す図である。図2は、加熱調理器100を側方から見た図である。図2に示すように、加熱調理器100は、システムキッチン400の手前側に配置され、加熱調理器100の本体1とトッププレート2でシステムキッチン400の天板401を挟み込むように設置される。容器情報取得装置200は、調理容器300の平面寸法と高さが確認できる画像を撮像するために、加熱調理器100の斜め上方に配置される。
容器情報取得装置200は、例えば、加熱調理器100が設置される天板401と接する壁面402に取り付けられてもよいし、加熱調理器100の上方に設けられた換気扇(図示せず)の筐体に取り付けられてもよい。また、図2では、1つの容器情報取得装置200を設置する例を示しているが、複数の容器情報取得装置200をトッププレート2の上方と側方とにそれぞれ配置してもよい。
図3は、実施の形態1における加熱調理システムの制御ブロック図である。図3に示すように、加熱調理器100の内部には、さらに、制御部10と、電源部20と、温度センサ30と、インバータ40と、記憶部50と、が配置される。
制御部10は、加熱調理器100全体の動作を制御する。制御部10は、その機能を実現する回路デバイスなどのハードウェア、または記憶部50に格納されるプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)を含むマイクロコンピュータなどで構成される。制御部10は、プログラムを実行することによって実現される機能部として、加熱制御部101と、寸法算出部102と、判定部103とを有する。
加熱制御部101は、上面操作部23または前面操作部5を介して入力される設定と、温度センサ30によって検出された調理容器300の温度とに基づいてインバータ40を制御し、第1加熱源3の加熱制御を行う。また、加熱制御部101は、上面操作部23または前面操作部5を介して入力される設定に基づいて、第2加熱源7の加熱制御を行う。本実施の形態の加熱制御部101は、第1加熱源3による加熱調理と、第2加熱源7による加熱調理とを個別に実施する通常モードと、第1加熱源3による加熱調理と、第2加熱源7による加熱調理とを連続して行う複合調理モードとを実施する。
寸法算出部102は、容器情報取得装置200が取得した調理容器300の容器情報に基づき、調理容器300の平面視における幅および奥行きと、高さとを算出する。なお、以下の説明において、構成要素の平面視における幅および奥行きと、高さ(ある場合)とを単に「寸法」という。判定部103は、寸法算出部102で算出された調理容器300の寸法に基づいて、調理容器300が第2加熱源7で使用できるか否かを判定し、判定結果を使用情報として使用者に報知する。
電源部20は、上面操作部23における主電源のON/OFF操作に基づいて、加熱調理器100の各部への電力の供給を開始または停止する。
温度センサ30は、トッププレート2の透過窓(図示せず)を介して調理容器300の温度を検出する赤外線センサである。なお、温度センサ30は、トッププレート2の裏面に貼りつけられたサーミスタであってもよいし、赤外線センサと接触式センサとの組み合わせであってもよい。温度センサ30により検出された調理容器300の温度は、加熱制御部101へ送信される。
インバータ40は、電源部20から供給される交流電源を高周波電流に変換して、第1加熱源3へ供給する駆動回路である。
記憶部50は、RAM、ROMまたはフラッシュメモリなどの不揮発性または揮発性のメモリである。記憶部50は、制御部10で実行される各種プログラムおよびデータ、ならびに加熱調理器100の使用条件を記憶する。加熱調理器100の使用条件は、トッププレート2の寸法、加熱口21の位置および寸法、第1加熱源3および第2加熱源7のそれぞれに使用可能な容器の形状および材質、ならびに加熱庫8内の収納可能領域の寸法などを含む。加熱調理器100の使用条件は、予め記憶部50に記憶される。
容器情報取得装置200は、加熱調理器100の上方に配置され、トッププレート2上に載置された調理容器300の容器情報を取得する。容器情報は、少なくとも調理容器300の平面視の幅および奥行きと、高さとを算出可能な情報である。本実施の形態の容器情報取得装置200は、トッププレート2上に載置された調理容器300とその周辺とを撮影する画像撮影装置である。容器情報取得装置200は、画像を撮像する撮像部201と、制御部202と、加熱調理器100と通信する通信部203とを備える。撮像部201により撮像された画像は、通信部203を介して、加熱調理器100の制御部10に送信される。
図4は、実施の形態1における容器情報取得装置200の撮像領域210を説明する図である。容器情報取得装置200は、少なくとも加熱調理器100のトッププレート2全体が撮像領域210に含まれるように構成および配置される。具体的には、容器情報取得装置200の撮像部201が備える撮像素子の種類、レンズの画角、および容器情報取得装置200の設置高さなどが、少なくともトッププレート2全体が撮像領域210に含まれるように設計される。
また、容器情報取得装置200は、撮像部201の撮像面を移動させる可動機構、または撮像部201の撮像面を覆うカバーを備えてもよい。そして、容器情報を取得する際には、撮像部201を加熱調理器100の上方に配置および露出させ、加熱調理中は、撮像部201を加熱調理器100の上方から移動させる、または露出しないようにカバーで覆う。これにより、加熱調理器100の調理中の飛沫等により撮像部201が汚れることを抑制できる。なお、容器情報取得装置200自体を可動に構成し、加熱調理中は容器情報取得装置200を加熱調理器100の上方から移動させてもよい。
(加熱調理器の動作)
次に、加熱調理システムの動作について説明する。図5は、実施の形態1における加熱調理システムの動作を示すフローチャートである。図5では、加熱調理器100の制御部10により実行されるフローと、容器情報取得装置200の制御部202により実行されるフローとをまとめて記載している。図5に示すように、まず、使用者によって加熱調理器100の主電源が操作されることにより、制御部10が起動され、各種データの初期化が行われる(S1)。そして、加熱開始が選択されたか否かが判断される(S2)。ここでは、使用者によって、トッププレート2上に調理容器300が載置され、上面操作部23などを用いて、使用する加熱口21の選択、加熱条件、および調理モードなどが設定される。そして、上面操作部23を用いて、加熱開始が選択された場合に加熱開始となる。
使用者により加熱開始が選択されない場合は(S2:NO)、加熱開始が選択されるまで待機する。使用者により加熱開始が選択された場合は(S2:YES)、加熱制御部101により、容器情報を取得することを指示する指示信号が、通信部6を介して容器情報取得装置200に送信される(S3)。
容器情報取得装置200では、通信部203を介して加熱調理器100からの指示信号が受信される(S101)。そして、加熱調理器100のトッププレート2上に載置された調理容器300の容器情報が取得される(S102)。ここでは、撮像部201によって、調理容器300の寸法が分かる画像が撮像される。撮像された画像は、容器情報として加熱調理器100へ送信される(S103)。
加熱調理器100では、通信部6を介して容器情報取得装置200からの容器情報が受信される(S4)。そして、制御部10の寸法算出部102によって、受信した容器情報から調理容器300の寸法が算出される(S5)。
図6は、調理容器300の寸法の算出例を示す図である。寸法算出部102は、まず、容器情報である図6の画像250から調理容器300を抽出する。ここでは、例えば調理容器300が載置されていない状態の初期画像を撮像しておき、初期画像との比較により調理容器300を抽出する。そして、画像250上のトッププレート2の寸法と、調理容器300の寸法とが算出される。画像250上のトッププレート2の寸法は、図6に示すトッププレート2のカバー4側の幅W1と、上面操作部23側の幅W2と、奥行きD1と、トッププレート2の枠体の高さH1とである。画像250上の調理容器300の寸法は、図6に示す幅W0と、奥行きD0と、高さH0とである。
寸法算出部102は、記憶部50に予め記憶された実際のトッププレート2の寸法と、算出した画像250上のトッププレート2の寸法とを比較して相似条件を求める。そして、求めた相似条件を用いて、画像250上の調理容器300の寸法、および調理容器300の位置から、実際の調理容器300の寸法、すなわち、平面視の幅および奥行きと、高さとを算出する。なお、画像250からの調理容器300の寸法の算出方法は、上記に限定されるものではなく、その他の既知の画像処理技術を用いることができる。
図5に戻って、続くステップS6では、判定部103により、記憶部50に記憶される使用条件と、寸法算出部102により算出された調理容器300の寸法とが比較される(S6)。ここでの使用条件は、加熱庫8内の収納可能領域の寸法であり、記憶部50に記憶される加熱庫8内の収納可能領域の寸法と、調理容器300の寸法とが比較される。そして、判定部103により、比較結果が調理容器300の使用情報として使用者に報知される(S7)。
具体的には、判定部103は、調理容器300の寸法が加熱庫8内の寸法よりも大きい場合は、使用情報として、調理容器300が第2加熱源7で加熱できないことを報知する。例えば、判定部103は、調理容器300の幅、奥行きおよび高さの何れか一つが、加熱庫8内の幅、奥行きおよび高さよりも大きい場合に、調理容器300の寸法が加熱庫8内の寸法よりも大きいと判断する。そして、判定部103は、「調理容器は、グリル庫では加熱できません」との使用情報を表示部22に表示させる。一方、判定部103は、調理容器300の幅、奥行きおよび高さの全てが、加熱庫8内の寸法以下の場合は、使用情報として、調理容器300が第2加熱源7で加熱できることを報知する。
なお、使用情報としては、調理容器300が第2加熱源7で加熱できるか否かといった情報だけでなく、調理容器300が第2加熱源7で加熱できない理由を報知してもよい。上記の例の場合、判定部103は、調理容器300が第2加熱源7で加熱できない理由として、調理容器300が加熱庫8に収納できないことを報知してもよい。
さらに、使用情報として、使用上の注意事項を報知してもよい。図7は、加熱庫8への調理容器300の収納の一例を示す図である。図7に示すように、調理容器300を90°回転させることで、加熱庫8に収納できる場合がある。そのため、判定部103は、調理容器300の幅と加熱庫8内の奥行き、および調理容器300の奥行きと加熱庫8内の幅とを比較して、加熱庫8へ収納可能かを判定してもよい。この場合、判定部103は、使用情報として、調理容器300を90°回転させることで加熱庫8に収納できることを文字または図で表示部22に表示させる。
また、調理容器300の寸法によっては、調理容器300の側面が、加熱庫8に設置されている温度センサの透過窓をふさぎ、内部温度の検知精度が低下してしまうことがある。そのため、判定部103は、調理容器300の寸法から、調理容器300の側面が加熱庫8に設置された透過窓をふさぐか否かを判定し、ふさぐ場合には、調理容器300を加熱庫8で使用すると温度制御が悪くなることを報知してもよい。
また、第2加熱源7がマイクロ波式加熱源である場合は、調理容器300と加熱庫8の壁面が接触することにより、スパークが発生する。そのため、判定部103は、調理容器300の寸法から、調理容器300が加熱庫8の壁面に接触する可能性があるか否かを判定し、可能性がある場合には、調理容器300は、加熱庫8の側面に接触する可能性があることを報知してもよい。
図5に戻って、再び加熱の開始が選択されたか否かが判断される(S8)。ここでは、使用者が、表示部22に表示された使用情報から、調理に使用したい調理容器300が第2加熱源7による加熱に使用できるかを確認した上で、再度加熱を開始するか否かを決定する。加熱制御部101は、使用者により加熱開始が選択されるまで(S8:NO)、加熱を開始せずに待機する。一方、加熱開始が選択された場合は(S8:YES)、加熱制御部101により、第1加熱源3が駆動される(S9)。詳しくは、使用者によって設定された温度に基づいて第1加熱源3を駆動するように、インバータ40が制御され、インバータ40から第1加熱源3に所定の周波数の電力が供給される。
そして、加熱調理が終了するまで(S10:NO)、加熱駆動が継続される。ここで、複合調理モードが選択されている場合は、第1加熱源3の駆動停止後に、第2加熱源7が駆動される。一方、加熱調理が終了した場合(S10:YES)、加熱制御部101によって第1加熱源3または第2加熱源7への電力供給が遮断され、第1加熱源3または第2加熱源7が停止される(S11)。加熱調理の終了は、使用者の加熱停止操作、または自動制御での停止命令によって実行される。
以上のように、本実施の形態では、加熱調理器100の加熱開始前に調理容器300の使用情報が報知されることにより、調理開始前に適切な調理容器300を選択できる。これにより、第1加熱源3および第2加熱源7を使用する複合調理を行う場合において、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更する必要がなくなり、食材の載せ替えおよび調理容器300の洗浄の手間が削減され、利便性が向上する。
また、使用者が、目視によりどの加熱源でどのような調理容器が使用可能かを判断するのは手間であり、判断も難しい。これに対し、本実施の形態では、容器情報取得装置200によって調理容器300の容器情報を取得し、加熱調理器100にて使用条件との比較を自動で行うことで、手間および判断の誤りを削減することができる。
また、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更することで、調理容器300内の食材の温度低下、および変更後の容器と食材との温度差が生じる。これにより、加熱調理器100において適切な火力制御が行えなくなり、食材の加熱不足または加熱過多が生じ、食材が焦げ付くまたは食材が固くなるといった調理の仕上がりに問題が生じることがある。また、調理容器300内の食材の温度低下により、調理時間または消費電力も増加する。これに対し、本実施の形態では、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更する必要がないことから、仕上がりの低下および調理時間または消費電力の増加を抑制することができる。
さらに、複合調理モードにおいて、第1加熱源3による調理開始前および調理中の何れかのタイミングで、第2加熱源7の調理準備動作を開始させることも考えられる。この場合に、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更すると、初期に設定した温度および火力、ならびに選択した自動調理モードを、調理容器300の変更にかかった時間分を考慮して再設定する必要が生じる。これに対し、本実施の形態では、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更する必要がなくなることから、これらの再設定も不要となる。
(変形例1-1)
なお、加熱調理器100の動作フローは、図5に示すものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。図8は、変形例1-1における加熱調理器100の動作を示すフローチャートである。ステップS1~S6までは、実施の形態1と同じである。ステップS6において使用条件と調理容器300の寸法とが比較された後、判定部103により、調理容器300の寸法が使用条件を満たしているかが判断される(S21)。使用条件は、加熱庫8内の収納可能領域の寸法である。ここで、調理容器300の寸法が使用条件を満たしている場合は(S21:YES)、ステップS9へ移行し、加熱制御部101により、第1加熱源3が駆動される(S9)。
一方、調理容器300の寸法が使用条件を満たしていない場合は(S21:NO)、判定部103により、調理容器300の使用情報が使用者に報知される(S7)。ここでは、表示部22に「調理容器は、グリルで加熱できません」、または「調理容器は、グリル庫に収納できません」と表示される。その後は、実施の形態1と同様に、ステップS8~S11が実行される。
本変形例のように、調理容器300の寸法が使用条件を満たしている場合には、使用情報の報知および加熱開始の再選択を省略することで、使用者のわずらわしさが低減し、利便性がさらに向上する。
(変形例1-2)
図9は、変形例1-2における加熱調理器100の動作を示すフローチャートである。ステップS1およびS2は、実施の形態1と同じである。そして、ステップS2において、使用者により加熱開始が選択された場合(S2:YES)、使用者により複合調理モードが設定されたか否かが判断される(S31)。そして、複合調理モードが設定されていない場合は(S31:NO)、ステップS9へ移行し、加熱制御部101により、第1加熱源3が駆動される(S9)。
一方、使用者により複合調理モードが設定された場合は(S31:YES)、容器情報を取得することを指示する指示信号が、通信部6を介して容器情報取得装置200に送信される(S3)。その後は、実施の形態1と同様に、ステップS4~S6が実行される。そして、調理容器300の寸法と使用条件との比較の結果に基づき、調理容器300が複合調理モードで使用可能か否かが判断される(S32)。具体的には、判定部103は、調理容器300が使用条件を満たし、第2加熱源7で加熱することができる場合に、調理容器300が複合調理モードで使用可能であると判断する。
調理容器300が複合調理モードで使用可能である場合(S32:YES)、ステップS9へ移行し、加熱制御部101により、第1加熱源3が駆動される(S9)。一方、調理容器300が複合調理モードで使用可能でない場合(S32:NO)、判定部103により、比較結果から判定された調理容器300の使用情報が使用者に報知される(S7)。その後は、第1加熱源3を駆動することなく、動作を終了する。
本変形例のように、使用者が複合調理モードを行わない場合、すなわち第1加熱源3のみの加熱を行う場合には、調理容器300の容器情報の取得および使用情報の報知等を省略することで、使用者のわずらわしさが低減し、利便性がさらに向上する。また、使用者が複合調理モードを行う場合であって、調理容器300が複合調理モードに適さない場合には、使用情報の報知を行って、加熱を開始しないことで、使用者による誤操作を抑制できる。
なお、複合調理モードは、2つの加熱源による調理だけでなく、3つ以上の加熱源による調理であってもよい。この場合、ステップS32では、調理容器300が複合調理モードで使用される全ての加熱源での使用が可能か否かが判断され、一つでも使用できない加熱源がある場合は、調理容器300は複合調理モードで使用不可であると判断される。
(変形例1-3)
また、容器情報取得装置200の撮像領域210は、図4に示すものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。図10は、変形例1-3における容器情報取得装置200の撮像領域210を説明する図である。
図10に示すように、本変形例における加熱調理器100は、トッププレート2の中央に寸法算出のための基準部24を有する。基準部24は、トッププレート2上に印刷により形成されるパターンである。本変形例の容器情報取得装置200は、少なくともトッププレート2の枠体の一部と、調理容器300と、基準部24とを撮像領域210に含むよう構成および配置される。基準部24の幅および奥行きは、記憶部50に予め記憶されている。寸法算出部102は、容器情報取得装置200から受信した画像上の基準部24の寸法と、記憶部50に記憶される実際の基準部24の寸法とから相似条件を求め、該相似条件を用いて実際の調理容器300の幅および奥行きを算出する。調理容器300の高さについては、実施の形態1と同様にトッププレート2の枠体の高さから算出される。
本変形例のような構成とすることで、容器情報取得装置200の撮像領域210を、トッププレート2の全体から縮小することができる。容器情報取得装置200の視野を縮小することで、撮像性能を低減させることができ、容器情報取得装置200のコストの削減が可能になる。また、基準部24を別途設けるだけでなく、トッププレート2上のガラス面、表示部22または上面操作部23など、予め寸法が明確となっている構成を基準部24として用いてもよい。
(変形例1-4)
図11は、変形例1-4における容器情報取得装置200の撮像領域210を説明する図である。図11に示すように、本変形例における加熱調理器100のトッププレート2は、複数の基準部24を有している。複数の基準部24は、トッププレート2上の各加熱口21の周辺に配置される。本変形例の容器情報取得装置200は、少なくともトッププレート2の枠体の一部と、使用される加熱口21に載置される調理容器300と、その周辺に配置された基準部24とを撮像領域210に含むよう構成および配置される。
本変形例では、加熱調理器100の制御部10は、上面操作部23または前面操作部5への入力操作により加熱開始が選択された場合、使用される加熱口21を特定し、指示信号とともに、容器情報取得装置200に使用される加熱口21の情報を送信する。容器情報取得装置200は、撮像部201が可動に構成されており、加熱調理器100から受信した使用される加熱口21の情報に応じて、撮像領域210を変更する。
本変形例のように、基準部24を複数配置することで、容器情報取得装置200の撮像領域210をさらに縮小できる。また、載置される調理容器300の形状、または調理容器300の近傍に配置された他の調理容器により、一つの基準部24が撮像できない場合でも、その他の基準部24から調理容器300の寸法を算出することが可能となる。これにより、トッププレート2上の状況に依らず、調理容器300の寸法検出精度を維持できる。
なお、変形例1-3および変形例1-4では、寸法算出部102は、トッププレート2の枠体の高さから調理容器の高さを算出することとしたが、これに限定されるものではない。例えば、寸法算出部102は、画像250内における調理容器300の影の長さから、調理容器300の高さを算出してもよい。調理容器300の影は、加熱調理器100の手前側の上方に設けられた照明によってできる。この場合、照明の高さと調理容器300の位置などの情報から、影の長さと調理容器300の高さとの関係が求められる。このような構成とすることで、トッププレート2の枠体を撮像領域210に含める必要がないため、撮像領域210をさらに縮小することができる。
(変形例1-5)
図12は、変形例1-5における容器情報取得装置200の撮像領域210を説明する図である。本変形例における調理容器300Aは、加熱調理器100の専用調理容器であり、加熱調理器100の全ての加熱口21および加熱庫8で使用可能なものである。図12に示すように、調理容器300Aは、予め加熱調理器100の専用品であることを示す識別部25を底面に有している。識別部25は、調理容器300Aの表面に印刷により形成されるパターンである。
本変形例における容器情報取得装置200は、使用される加熱口21に載置される調理容器300が撮像領域210に含まれるよう構成および配置される。加熱調理器100の判定部103は、容器情報取得装置200から受信した画像内に識別部25が含まれる場合は、調理容器300Aが加熱調理器100の専用品であると判定する。この場合は、加熱調理器100の制御部10における寸法算出部102を省略することができる。
本変形例のように、識別部25を設けることで、調理容器300のみを撮影すればよいため、容器情報取得装置200の撮像領域210をさらに縮小できる。また、制御部10における処理を簡素化することができ、加熱調理器100の処理負担を軽減できる。なお、識別部25の配置は、図12の例に限定されるものではない。図13は、変形例1-5の調理容器300Aにおける識別部25の配置例を示す図である。図13に示すように、識別部25を、調理容器300Aの取っ手(図13(a))、調理容器300Aの内側面(図13(b))、または調理容器300Aの外側面(図13(c))に配置してもよい。または、調理容器300Aに複数の識別部25を配置してもよい。
また、識別部25は、調理容器300Aが加熱調理器100の専用調理容器であることを示す以外にも、調理容器300Aの寸法、形状または材質などの情報を示すものであってもよい。この場合は、加熱調理器100は、識別部25の情報に基づいて調理容器300Aの使用可否などについて判定を行う。
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2の加熱調理器100Aは、調理容器300の容器情報から調理容器300の形状を識別する点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100Aのその他の構成、および容器情報取得装置200の構成は、実施の形態1と同様である。
図14は、実施の形態2における加熱調理システムの制御ブロック図である。図14に示すように、本実施の形態の加熱調理器100Aの制御部10Aは、プログラムを実行することによって実現される機能部として、形状識別部104を有する。形状識別部104は、容器情報取得装置200から受信した容器情報から、調理容器300の形状を識別する。より詳しくは、形状識別部104は、調理容器300における取っ手の有無を識別する。
図15は、実施の形態2における加熱調理器100Aの動作を示すフローチャートである。容器情報取得装置200の動作は実施の形態1と同様である。ステップS1~S4までは、実施の形態1と同じである。そして、ステップS4において、容器情報取得装置200から容器情報を受信すると、形状識別部104により、調理容器300の形状が識別される(S41)。形状識別部104は、例えば、あらかじめ登録した取っ手なしの調理容器の画像とのマッチングにて、取っ手の有無を識別する。または、形状識別部104は、調理容器300の輪郭から、突出領域の有無を判断し、突出領域がある場合であって、該突出領域が閾値を超える場合に、取っ手であると判断してもよい。さらに、形状識別部104は、調理容器300の色の違いから、取っ手の有無を識別してもよい。
続いて、調理容器300が取っ手を有しているか否かが判断される(S42)。調理容器300が取っ手を有していない場合は(S42:NO)、ステップS5に移行する。そして、実施の形態1と同様にステップS5~S11が実行される。一方、調理容器300が取っ手を有している場合(S42:YES)、寸法算出部102によって、受信した容器情報から、取っ手を含む調理容器300の寸法と、取っ手を外した場合の調理容器300の寸法とが算出される(S43)。
そして、判定部103により、記憶部50に記憶される使用条件と、取っ手を含む調理容器300の寸法、および使用条件と取っ手を外した場合の調理容器300の寸法が、それぞれ比較される(S44)。使用条件は、加熱庫8内の収納可能領域の寸法である。そして、判定部103により、比較結果から判定された調理容器300の使用情報が使用者に報知される(S7)。
図16は、加熱庫8への調理容器300の収納の一例を示す図である。調理容器300が取っ手を有する場合は、取っ手の有無により加熱庫8に収納できるか否かが異なる。判定部103は、取っ手を含む調理容器300の寸法が加熱庫8内の寸法より大きい場合は、使用情報として、調理容器300が第2加熱源7で加熱できないことを報知する。また、判定部103は、取っ手を含む調理容器300の寸法が加熱庫8内の寸法以下の場合は、使用情報として、調理容器300が第2加熱源7で加熱できることを報知する。さらに、判定部103は、取っ手を含む調理容器300の寸法が加熱庫8内の寸法より大きく、かつ、取っ手を外した場合の調理容器300の寸法が加熱庫8内の寸法以下の場合は、取っ手を外すことで調理容器300が第2加熱源7で加熱できることを報知する。
また、判定部103は、使用情報として調理容器300が第2加熱源7で加熱できることを報知する場合に、調理容器300の取っ手が加熱庫8で使用できる材質であるかの確認を促す報知を追加で行ってもよい。取っ手の材質の確認を行うことで、取っ手が加熱庫8で使用できない材質(例えばプラスチックなど)である場合に、加熱庫8に入れられることを防ぐことができる。使用情報が報知された後は、実施の形態1と同じステップS8~S11が実行される。
以上のように、本実施の形態では、加熱調理器100Aの加熱開始前に調理容器300の取っ手の有無に応じて使用情報が報知されることにより、調理容器300の取っ手が取り外し可能か否かに応じて、調理容器を選択することができる。これにより、第1加熱源3および第2加熱源7を使用する複合調理モードを行う場合において、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更する必要がないため、食材の載せ替えおよび調理容器300の洗浄の手間が削減され、利便性が向上する。
(変形例2-1)
なお、形状識別部104は、調理容器300における取っ手以外の形状を識別してもよい。例えば、第2加熱源7がマイクロ波式加熱源である場合、調理容器300が突出部を有するものである場合は、第2加熱源7での加熱中にスパークが発生する。そのため、形状識別部104は、調理容器300における突出部の有無を識別してもよい。突出部は、例えば角度が90°以下の端部とする。形状識別部104において、調理容器300が突出部を有すると判断された場合、判定部103は、使用情報として調理容器300の形状は、加熱庫8での加熱に使用できないことを報知する。
これにより、本変形例においては、加熱調理器100Aの加熱開始前に調理容器300の突出部の有無に応じて使用情報が報知されることにより、調理容器300の形状に応じて調理容器を選択することができる。これにより、第1加熱源3および第2加熱源7を使用する複合調理モードを行う場合において、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更する必要がないため、食材の載せ替えおよび調理容器300の洗浄の手間が削減され、利便性が向上する。また、調理容器300を加熱庫8で使用した場合のスパークの発生を抑制することができる。
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3の加熱調理器100Bは、調理容器300の材質を識別する点において、実施の形態1と相違する。加熱調理器100Bのその他の構成、および容器情報取得装置200の構成は、実施の形態1と同様である。
図17は、実施の形態3における加熱調理システムの制御ブロック図である。図17に示すように、本実施の形態の加熱調理器100Bの制御部10Bは、プログラムを実行することによって実現される機能部として、材質識別部105を有する。材質識別部105は、加熱コイルである第1加熱源3に電流を流して得られる電流値、抵抗値またはインピーダンス等の物理量から、調理容器300の材質を判定する。なお、第2加熱源7が電磁誘導式加熱源である場合は、材質識別部105は、第2加熱源7に電流を流して得られる電流値、抵抗値またはインピーダンス等の物理量から、加熱庫8内の調理容器300の材質を判定できる。
図18は、実施の形態3における加熱調理器100Bの動作を示すフローチャートである。容器情報取得装置200の動作は実施の形態1と同様である。ステップS1およびS2は、実施の形態1と同じである。そして、ステップS2において、使用者により加熱開始が選択された場合(S2:YES)、材質識別部105により、調理容器300の材質が識別される(S51)。識別された材質は、記憶部50に一時的に保存される。その後は、実施の形態1と同様のステップS3~S6が実行される。
そして、ステップS6において、判定部103により、調理容器300の寸法と使用条件が比較された後、さらに、調理容器300の材質と使用条件とが比較される(S52)。ここでの使用条件は、記憶部50に記憶される第2加熱源7で使用可能な材質である。判定部103は、調理容器300の材質が第2加熱源7で使用可能な材質であるか否かを判定する。
そして、判定部103により、比較結果から判定された調理容器300の使用情報が使用者に報知される(S7)。ここでは、判定部103は、調理容器300が、加熱庫8に収納できる場合であっても、調理容器300の材質が、第2加熱源7で使用可能な材質でない場合は、使用情報として、調理容器300は第2加熱源7で加熱できないことを報知する。または、第2加熱源7で加熱できない理由として、調理容器300の材質が加熱庫8では使用できないことを報知してもよい。
以上のように、本実施の形態では、加熱調理器100Bの加熱開始前に、調理容器300の寸法に加えて、調理容器300の材質に応じて使用情報が報知されることにより、使用者が適切な調理容器を選択することができる。これにより、第1加熱源3および第2加熱源7を使用する複合調理モードを行う場合において、調理の途中で調理容器300を別の容器に変更する必要がないため、食材の載せ替えおよび調理容器300の洗浄の手間が削減され、利便性が向上する。
実施の形態4.
次に、実施の形態4について説明する。実施の形態4の加熱調理システムは、加熱調理器100Cと端末装置600とからなる点において、実施の形態1と相違する。
図19は、実施の形態4における加熱調理システムの制御ブロック図である。図19に示すように本実施の形態では、端末装置600が、撮像部61と、制御部62と、通信部63とを備える。制御部62は、プログラムを実行することにより実現される機能部として寸法算出部621と判定部622とを備える。端末装置600は、例えばスマートフォンまたはタブレットPCなどのカメラ付きの携帯端末装置である。また、端末装置600は、加熱調理器100の使用条件をメーカのホームページ等から入手し、記憶部(図示せず)に記憶しているものとする。
撮像部61は、実施の形態1の撮像部201と同様に、加熱調理器100のトッププレート2上を撮像するものである。本実施の形態では、使用者によりトッププレート2の画像が撮影される。寸法算出部621は、実施の形態1の寸法算出部102と同様に、撮像部61により撮像された画像に基づいて、調理容器300の寸法を算出する。判定部622は、実施の形態1の判定部103と同様に、調理容器300の寸法と使用条件とを比較して使用情報を作成し、通信部63を介して加熱調理器100Cに送信する。加熱調理器100Cは、端末装置600から受信した使用情報を、表示部22に表示させる。
本実施の形態によると、容器情報取得装置200を備えていない場合でも、加熱調理器100Cの加熱開始前に調理容器300の使用情報を報知することができ、適切な調理容器300を選択できる。これにより、加熱調理システムのコストを削減することができる。
なお、端末装置600の機能は、図19に記載される例に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、端末装置600のディスプレイまたはスピーカを、使用情報を報知する報知部として機能させ、端末装置600から使用情報を報知してもよい。または、端末装置600の撮像部61にて、容器情報を取得し、取得した容器情報を加熱調理器100Cに送信してもよい。そして、加熱調理器100Cの寸法算出部102および判定部103において、調理容器300の寸法を算出して、判定結果に基づく使用情報を端末装置600に送信し、端末装置600にて使用情報を報知してもよい。
また、端末装置600の制御部62は、さらに、実施の形態2の形状識別部104を有してもよい。また、加熱調理器100Cおよび端末装置600をインターネット上のクラウドサーバと通信可能な構成とし、クラウドサーバが、寸法算出部102、判定部103、および形状識別部104を有する構成としてもよい。
以上が本発明の実施の形態の説明であるが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。また、本発明は、以下の各実施の形態に示す構成のうち、組合せ可能な構成のあらゆる組合せを含むものである。例えば、容器情報取得装置200は、画像撮像装置に限定されるものではなく、変位センサ、測距センサ、測長センサまたはイメージセンサなどの調理容器300の幅、または位置の測定、もしくは外径の判別が可能な各種センサとしてもよい。例えば、容器情報取得装置200として、変位センサまたは測距センサを用いる場合は、これらのセンサを複数設け、異なる角度から調理容器300までの距離を測定し、測定結果を加熱調理器100に送信する。加熱調理器100の寸法算出部102は、容器情報取得装置200から受信した測定結果から、調理容器300の形状を推測し、寸法を算出する。
また、容器情報取得装置200に、調理容器300の温度、色または材質、もしくは調理容器300に収容される食材の位置、温度または色等の少なくとも何れかを検知するセンサまたは機能を設けてもよい。この場合のセンサは、例えば赤外線センサなどの光電センサである。加熱調理器100は、容器情報取得装置200から、容器情報とともに、調理容器300または食材の温度、色、材質または配置に関する情報を受信し、当該情報に基づいて第1加熱源3または第2加熱源7の加熱制御を行ってもよい。
また、容器情報取得装置200の制御部202が、寸法算出部102を有する構成としてもよいし、または寸法算出部102と判定部103の両方を有する構成としてもよい。この場合は、加熱調理器100の制御部10から寸法算出部102と、判定部103とを省略できる。
また、実施の形態1~3では、加熱調理器100の表示部22を、使用情報を報知する報知部として機能させる例を説明したが、これに限定されるものではない。例えば、報知部として、加熱調理器100に音声出力部を備え、使用情報を音声で出力してもよい。または、使用情報を通信部6からテレビまたはPCなどの外部端末に送信し、外部端末から報知させてもよい。
また、容器情報取得装置200は、例えば加熱調理器100の上方に設置されている換気扇連動システムに組み込む形式でもよい。または、容器情報取得装置200を、加熱庫8の上面、または壁面上方に配置し、透過窓を介して、加熱庫8内の調理容器300の容器情報を取得してもよい。または、加熱調理器100の上方と加熱庫8との両方に容器情報取得装置200を設けてもよい。
さらに、上記実施の形態では、判定部103は、複合調理モードを想定し、第1加熱源3での加熱のために載置された調理容器300の、第2加熱源7での使用の可否を判定したが、これに限定されるものではない。例えば、加熱庫8内に容器情報取得装置200を設けて容器情報を取得し、第2加熱源7での加熱のために載置された調理容器300の、第1加熱源3での使用の可否を判定してもよい。この場合の使用条件は、加熱口21の寸法、または第1加熱源3に使用可能な容器の形状および材質となる。
または、判定部103は、調理容器300の加熱調理器100の全ての加熱源における使用の可否を判断してもよい。具体的には、判定部103は、トッププレート2に載置された調理容器300の寸法、位置、形状、および/または材質と、全ての使用条件とを比較してもよい。使用条件は、加熱口21の位置および寸法、第1加熱源3および第2加熱源7のそれぞれに使用可能な容器の形状および材質、加熱庫8内の収納可能領域の寸法である。そして、判定部103は、例えば、調理容器300の位置が、加熱口21の位置と異なる場合、使用情報として、調理容器300を加熱口21の中心に移動させるよう報知してもよい。または、例えば調理容器300の寸法が、載置される加熱口21の寸法よりも大きい場合、使用情報として、加熱口21が小さいこと、調理容器300の外側が加熱されにくいこと、または調理容器300に温度差が生じること、などを報知してもよい。
使用者に報知される使用情報は、記憶部50に保存され、報知された内容を再度確認可能としてもよい。また、記憶部50において、調理容器300の容器情報と寸法および判定結果とを関連付けて記憶しておき、判定部103において、新たな容器情報を受信した場合に、記憶された情報に基づいて、使用情報を報知してもよい。
また、上記実施の形態の加熱調理器100は、本体1とトッププレート2とが一体に形成され、第1加熱源3と第2加熱源7とが本体1内に収容される構成となっているが、これに限定されるものではない。図20は、変形例における加熱調理システムの概略斜視図である。図20に示すように、本変形例における加熱調理器100Dは、トッププレート2および第1加熱源3を含む上部ユニット1Aと、加熱庫8および第2加熱源7を含む下部ユニット1Bとを備える。上部ユニット1Aと下部ユニット1Bは、別体で構成され、電気的に接続される。