JP7306021B2 - 電動機 - Google Patents
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Description
この種のブッシングとして、一対の保持片である第1の保持片と第2の保持片とに分割しつつ、連結部を介してこれらを連結させたものが存在する(例えば、特許文献1参照)
上記ブッシングは、第1保持片と、第2保持片と、ヒンジ部とを有する。上記ヒンジ部は、上記第1保持片の一端部と上記第2保持片の一端部同士を連結するとともに、上記第1保持片の他端部と上記第2保持片の他端部同士を近接または離間させる方向に開閉する。上記第1保持片および上記第2保持片のそれぞれには、上記ヒンジ部の開く角度を規制する角度規制部が設けられる。
図1乃至図13は、本実施形態における電動機1の構成を説明する図である。これらの図に示すように、この永久磁石電動機1は、例えば、ブラシレスDCモータである。この電動機1は、図示しないが、例えば空気調和機の室外機に搭載される送風ファンを回転駆動するために用いられる。
図3、図4、および図13に示すように、固定子2は、円筒形状のヨーク部とヨーク部から内径側に延びる複数のティース部を有した固定子鉄心21と、インシュレータ22を介してティース部に巻回された巻線23を備えている。この固定子2は、固定子鉄心21の内周面を除いて、樹脂で形成されたモータ外郭6で覆われている。すなわち、モータ外郭6は固定子鉄心21と巻線23とを備えた固定子2(ステータ)を覆っている。なお、モータ外郭6は、鋼板やアルミニウムなどの金属で形成されていてもよい。
モータ外郭6の溝部64の底部には、後述する第2フランジ部712の切り欠き部714からの水や塵埃の侵入を防ぐために、切り欠き部714を径方向に覆う防水壁部643が設けられている。また、防水壁部643は、壁部641と同様に、後述するブッシング7の第2フランジ部712が当接し、ブッシング7の径方向への移動を規制している。
さらに溝部64には、後述する第2フランジ部712の角度規制部74が位置する有底の穴部642(逃げ部)が設けられている。この穴部642は、中心軸方向から見て矩形形状である。
図13に示すように、第1軸受41は、回転子3のシャフト35の一端側(出力側)を回転自在に支持している。第2軸受42は、回転子3のシャフト35の他端側(反出力側)を回転自在に支持している。第1軸受および第2軸受42は、例えば、ボールベアリングが用いられる。
第2ブラケット52は、金属製(鋼板やアルミニウムなど)であり、図12および図13に示すように、モータ外郭6の中心軸方向の他端側、すなわちシャフト35の反出力側に固定されている。この第2ブラケット52は、概ね円板形状に形成されており、モータ外郭6の中心軸方向の端面に当接する外縁部520を有し、この外縁部520がモータ外郭6の外縁部にねじ留めされている。また、第2ブラケット52の中央部には、内面側(出力側)に第2軸受42を収容するための第2軸受収容部522が形成されている。
以上のように構成された永久磁石電動機1では、第1軸受や第2軸受42に電食が生じないようにするため、図1に示すように、回転子3の一部に絶縁部材33を備えている。以下、回転子3の絶縁構造について簡単に説明する。
電動機1は、モータ外郭6の内部から配線を通すためのブッシング7を備える。詳細には、図13に示されるように、電動機1は、モータ外郭6と、モータ外郭6内に配置される回路基板82とを備える。回路基板82は、中心軸方向において、回転子3と第2軸受42の間となる位置に配置されている。図10に示されるように、ブッシング7は、モータ外郭6に取り付けられており、不図示の回路基板82からモータ外郭6の外部へ引き出される不図示の配線を保持する。
ブッシング7は、上述したモータ外郭6の溝部64に取り付けられる取付部71と、配線を通される配線通し部72とを備える。配線通し部72は円筒状であり、内部に配線が通される。取付部71は直方体状であり、配線通し部72と一体となり図6のX軸方向に配線が通るようになっている。なお、取付部71や配線通し部72は、上述の形状に限定されない。
取付部71は、配線通し部72の円筒軸に沿った複数の有底の肉抜き溝部713が形成されてもよい。本実施形態では、肉抜き溝部713は、円筒状の配線通し部72の外周面に設けられた各凸部721とはX軸方向で重ならない位置に、一側面が円弧状に湾曲した略三角柱状の穴が4つ設けられている。
取付部71の内面側(図6のX軸負方向側)の下部(図6のZ軸負方向側)には、図11に示されるように、Y軸およびZ軸(中心軸O)方向に延びた第2フランジ部712が設けられる。第2フランジ部712は、モータ外郭6の溝部64に設けられた壁部641や防水壁部643と協働して、ブッシング7の径方向への移動を規制し、かつ、ブッシング7をモータ外郭6に固定する(図6乃至図11参照)。
本実施形態では、第1フランジ部711のZ軸負方向側の端部と、第2フランジ部712のZ軸正方向側の端部は、X軸方向から見て同じ高さ(Z軸方向の同じ位置)にある。
なお、第1フランジ部711や第2フランジ部712は、モータ外郭6に対するブッシング7の移動を規制できるものであればよく、上述の形状に限定されない。
ヒンジ部73は、第1保持片7Aと第2保持片7Bとの間に一体的に薄肉(例えば厚み0.5mm)に形成された、折り曲げ可能なリビングヒンジである。なお、本実施形態では、ヒンジ部73において、第1保持片7Aと第2保持片7Bとを連結する箇所の幅が短くなるように形成されている。換言すれば、第1保持片7Aの一端部7Cと第2保持片7Bの一端部7Cとが近づいた状態でヒンジ部73により連結される。これにより、第1保持片7Aの他端部7ACと第2保持片7Bの他端部7BCとを近接させたとき、ヒンジ部73がブッシング7の外周面から大きく突出してしまうのを防止できる。従って、図10に示されるようにブッシング7が溝部64に取り付けられる際に、ヒンジ部73を避ける大きな逃げ部を溝部64に設ける必要がなくなる。さらに、これにより、モータ外郭6とブッシング7の隙間を小さくでき、隙間から水や塵埃が漏れてしまうのを防止できる。
一方、ヒンジ部73において、第1保持片7Aと第2保持片7Bとを連結する箇所の幅が短い場合、ヒンジ部73が変形しにくくなる。そのため、ブッシング7を開くのに必要な力が大きくなり、その結果ブッシング7を開く際にヒンジ部73に発生する応力が大きくなる。すなわち、ブッシング7を開く動作によりヒンジ部73に過度に負荷がかかり、ヒンジ部73が破損しやすいという問題が生じる。これを解決するために、本実施形態では、ブッシング7の開く角度を規制する角度規制部74が設けられている。
そして、第1保持片7Aおよび第2保持片7Bのそれぞれには、ブッシング7の開く角度を規制する角度規制部(ストッパ)74が設けられる。換言すると、角度規制部74は、第1保持片7Aの第2フランジ部712A、第2保持片7Bの第2フランジ部712Bのそれぞれに形成されている。
そして、例えば、図8(a)に示すように、ブッシング7が開く際に、この規制面714C、714Dの端部同士が突き当たることで、ブッシング7がそれ以上開かなくなる。これにより、ブッシング7の開く角度が規制される。
また、角度規制部74は、第1保持片7Aと第2保持片7Bのそれぞれに設けられた規制面714C、714Dの一部が直接的に接触して開く角度を規制する場合だけでなく、対向する切り欠き面(規制面714C、714D)同士の間に位置する部材を介して、間接的にブッシング7の開く角度を規制するものでもよい。
例えば、図8(b)に示すように、第2フランジ部712A、712B同士を繋ぐフランジ連結部714Eの厚みtが大きい場合、ブッシング7を閉じようとする際、肉厚のフランジ連結部714Eが、対向する切り欠き面(規制面714C、714D)同士の間に存在することによって、対向する切り欠き面(規制面714C、714D)同士が近づくことが間接的に阻害され、これによりブッシング7が開く角度が規制される。
この第2フランジ部712Aと角度規制部74とを備えることにより、ブッシング7の電動機1の径方向への移動の規制と、ブッシング7の開く角度の規制とを同時に実現することができる。
そして、図9に示すように、一対のフランジ部711A'、711B'には、前記第1保持片および前記第2保持片の前記他端部7AC、7BCに、切り欠き部714A'、714B'が形成されている。これにより、ブッシング7'のヒンジ部73'を中心とした開閉動作が可能になる。また、ブッシング7'を開く時に互いに接近する面に、互いに対向する一対の切り欠き面(第1規制面714C、第2規制面714D)が形成されている。
この場合は、ブッシング7'が閉じた状態(図9(a)参照)において第1規制面714Cと第2規制面714Dとの成す角度が、ブッシング7'が完全に開いた状態(図9(b)参照)において規制される開き角度(第1保持片7A'および第2保持片7B'のそれぞれの分割面7Dが成す角度)になる。
これにより、外力が加わらない通常状態においても、ブッシング7、7'が少し開いた状態となり、配線通し部72に配線を通す際にブッシング7、7'を開く動作を省くことができ、作業性が向上する。
このとき、ブッシング7の第1保持片7Aおよび第2保持片7Bは、分割面7D(図9(a)参照)がモータ外郭6の中心軸方向と平行に配置され、ブッシング7の外側面は、溝部64の側壁に保持される。これにより、モータ外郭6への取り付け時や取り付け後に、ブッシング7が分割面7Dから割れるように開いてしまうのを防止することができる。
2…固定子
21…固定子鉄心
22…インシュレータ
23…巻線
3…回転子
31…永久磁石
311…永久磁石片
32…外周側鉄心
33…絶縁部材
34…内周側鉄心
343…貫通穴
35…シャフト
42…第2軸受
52…第2ブラケット
6…モータ外郭(筐体)
64…溝部
641…壁部
642…穴部
643…防水壁部
7…ブッシング
71…取付部
711、712…フランジ部
714A、714B…切り欠き部
714C、714D…切り欠き面(規制面)
714E…フランジ連結部
72…配線通し部
7A、7B…第1保持片、第2保持片
73…ヒンジ部
74…角度規制部(ストッパ)
81…伝熱部材
82…回路基板
821…電子部品
O…中心軸
Claims (6)
- 固定子鉄心と巻線とを備えたステータと、同ステータを覆うモータ外郭と、前記モータ外郭内に配置される回路基板と、
前記モータ外郭に取り付けられ、前記回路基板から前記モータ外郭の外部へ引き出される配線を保持するブッシングと、を備えた電動機であって、
前記ブッシングは、第1保持片と、第2保持片と、ヒンジ部とを有し、
前記ヒンジ部は、前記第1保持片の一端部と前記第2保持片の一端部同士を連結するとともに、前記第1保持片の他端部と前記第2保持片の他端部同士を、前記ブッシングを介して前記配線が引き出される方向の周り方向に近接または離間させる方向に開閉し、
前記第1保持片および第2保持片のそれぞれには、前記ヒンジ部の開く角度を規制する角度規制部が設けられ、
前記角度規制部は、前記第1保持片の一端部側に設けられる第1フランジ部と、前記第2保持片の一端部側に設けられ前記第1保持片の他端部と前記第2保持片の他端部同士が離間するときに前記第1フランジ部と当接する第2フランジ部と、を有する
電動機。 - 請求項1に記載の電動機であって、
前記第1フランジ部は、前記第2フランジ部側に第1切り欠き部を有し、
前記第2フランジ部は、前記第1フランジ部側に設けられ前記第1保持片の他端部と前記第2保持片の他端部同士が離間するときに前記第1切り欠き部と当接する第2切り欠き部を有する
電動機。 - 請求項1または2に記載の電動機であって、
前記モータ外郭は、前記モータ外郭の中心軸方向の端部に設けられた溝部を有する
電動機。 - 請求項3に記載の電動機であって、
前記ブッシングは、前記溝部に係合され、
前記溝部は、前記配線が引き出される方向に前記第1フランジ部および第2フランジ部と対向する壁部を有する
電動機。 - 請求項3または4に記載の電動機であって、
前記第1保持片および前記第2保持片は、分割面が前記モータ外郭の前記中心軸方向と平行に配置され、前記ブッシングの外側面は、前記溝部の側壁に保持される
電動機。 - 請求項3~5のいずれか1項に記載の電動機であって、
前記ブッシングは、前記モータ外郭に設けられた前記溝部の底面側に前記ヒンジ部が配置されるように取り付けられる
電動機。
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