JP7305439B2 - 光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置 - Google Patents

光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置 Download PDF

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Description

本発明は、光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置に関する。
LiDAR(Light Detection and Ranging)は、照射したレーザー光が物体に当たって跳ね返ってくるまでの時間を計測し、物体までの距離や方向を測定する技術である。遠くの物体を観察するためにはレーザー光の強度を強くする必要があるが、強力なレーザー光は人間の網膜を損傷させる恐れがある。しかしながら、波長1550nmのレーザー光は、水により吸収されるため、仮に人間の眼球に当たったとしても、眼球内にある水分に吸収され、網膜には到達しない。そのため、近年では波長1550nmのレーザー光をLiDARに使用することが増えている。
デジタルカメラでは、可視域を含む波長200nmから1100nmにおいて感度を持つ撮像素子が使用されている。また、人間の眼の感度と同じにするため、波長420nm以下の紫外帯域と波長680nm以上の赤外帯域の光をカットする光学素子を、撮像素子の前面に配置する場合がある。
特許文献1には、波長425nmから620nmにおいて80%以上の平均透過率を有し、波長700nmから1200nmにおいて12.5%以下の最大透過率を有する特性を持つ光学フィルタが開示されている。
特開2019-28421号公報
LiDARとデジタルカメラを同じ場所で使用した場合、LiDARに使用される強度の強い波長1550nmのレーザー光が強度を保ったまま撮像素子まで到達すると、撮像素子が損傷する可能性がある。特許文献1には、波長1550nmにおける光学フィルタの特性は記載されていない。しかしながら、特許文献1の光学フィルタは誘電体多層膜による干渉ではなく光吸収材料を使用したものであることと、波長1100nmから1200nmにかけて透過率が上昇していることから、波長1550nmでの吸収は高くないと推定できる。したがって、特許文献1の光学フィルタを撮像素子の前面に配置しても波長1550nmのレーザー光による撮像素子の損傷を防止できるかは不明である。
本発明は、可視域における透過率を高く保ちつつ、波長1550nmの光をカットすることが可能な光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての光学素子は、0度の入射角で入射する波長470nmから630nmの光に対する平均透過率が75%以上であり、0度の入射角で入射する波長1550nmの光に対する透過率が10%以下である多層膜を有し、前記多層膜は、交互に積層された第1材料から成る層及び第2材料から成る層を含む繰り返し層と、最も外側に配置された第3材料から成る最終層とを有し、前記第1材料の屈折率をn、前記第2材料の屈折率をn、前記第3材料の屈折率をnとするとき、
1.35≦n≦1.80
1.90≦n≦2.50
1.15≦n≦1.50
なる条件式を満足し、
多層膜を構成する層を光出射側から数えたときの順番をm、2≦i≦(m-1)/2を満たす整数をi、(2i-1)番目の層の光学膜厚をd2i-1(nm)、2i番目の層の光学膜厚をd2i(nm)とするとき、
480≦ 2i ≦600
1.8≦d2i/d2i-1≦2.2
なる条件式を満足する整数iがm/8以上存在することを特徴とする。
本発明によれば、可視域における透過率を高く保ちつつ、波長1550nmの光をカットすることが可能な光学素子、およびそれを有する光学系、撮像装置を提供することができる。
本発明の実施形態に係る光学素子の断面模式図である。 光学素子の透過率特性を示す図である(実施例4)。 図1の光学素子とは異なる光学素子の断面模式図である。 1550nmカット膜の透過率特性を示す図である(実施例1から7)。 可視域反射防止膜の透過率特性を示す図である(実施例1,5)。 実施例1の光学素子の透過率特性を示す図である。 IRカット膜の透過率特性を示す図である(実施例2,5) 実施例2の光学素子の透過率特性を示す図である。 UVカット膜の透過率特性を示す図である(実施例3,5から7) 実施例3の光学素子の透過率特性を示す図である。 UV-IRカット膜の透過率特性を示す図である(実施例4)。 実施例5の光学素子の透過率特性を示す図である。 IRカット膜の透過率特性を示す図である(実施例6)。 IRカット膜の透過率特性を示す図である(実施例6)。 実施例6の光学素子の透過率特性を示す図である。 IRカット膜の透過率特性を示す図である(実施例7)。 実施例7の光学素子の透過率特性を示す図である。 実施例8の光学系の模式断面図である。 実施例9の撮像装置の一例であるデジタルカメラの斜視図である。 1550nmカット膜の透過率特性を示す図である(実施例10)。 1550nmカット膜の透過率特性を示す図である(実施例10)。 1550nmカット膜の透過率特性を示す図である(実施例10)。 比較用光学多層膜の透過率特性を示す図である(比較例)。 比較用光学多層膜の透過率特性を示す図である(比較例)。
以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
図1は、本発明の実施形態に係る光学素子100の断面概略図である。光学素子100は、一方の光学面(第1面)に透過率特性を持つ光学多層膜(多層膜)1を、他方の光学面(第2面)に光学多層膜(多層膜)2を有する透明基板(基板)10を備え、波長選択を行う。光学多層膜2は、使用用途に応じて決められ、どのような膜構成でも構わない。
以下の透過率特性の説明では、光学素子100に0度の入射角で波長300nmから1800nmの光を入射させた場合について説明する。
光学多層膜1は、可視域である波長470nmから630nmにおいて75%以上の平均透過率を有し、LiDARに使用される波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。光学多層膜1は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有し、波長1550nmにおいて5%以下の透過率を有することが望ましい。
また、光学多層膜1は、波長700nmから1000nmにおいて、10%以下の透過率となる帯域を有することが望ましい。このような帯域を有することで、光学多層膜1を、少ない層数および材料で、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を示す膜構成とすることができる。
また、光学多層膜1は、波長470nmから630nmにおける最大反射率と最小反射率との差が8%以内であることが望ましい。可視域において、各波長での反射率の差異が大きいと、カラーバランスが悪くなる。
また、光学多層膜1の層数は、14層以上81層以下であることが望ましい。層数が14層未満である場合、所望の透過率特性を取得することが困難であり、82層以上である場合、各層の成膜時における膜厚誤差に起因する特性バラつきの影響が大きくなり、作製が困難になる。層数は、20層以上61層以下であることがより望ましく、30層以上51層以下であることが特に望ましい。
また、光学多層膜1は、屈折率がそれぞれn,n,およびnの3種類の膜材料からなる。光学多層膜1は、透明基板10の表面から順に、屈折率nの第1材料、および屈折率nの第2材料が交互に繰り返される繰り返し層(交互層)と、屈折率nの第3材料の最終層とからなることが望ましい。屈折率n,n,nはそれぞれ、以下の条件式(1)~(3)を満足することが望ましい。
1.35≦n≦1.80 (1)
1.90≦n≦2.50 (2)
1.15≦n≦1.50 (3)
ただし、屈折率n,n,nは、n<n<nの関係を同時に満たすものとする。実際に作製する場合、材料が多かったり、特殊な屈折率を有する材料を使用したりするとコストが高くなる。そのため、一般的に使用される材料を少ない種類と層数で作製することが望ましい。
また、条件式(1)から(3)の数値範囲をそれぞれ、以下の条件式(1a)から(3a)の範囲とすることがより望ましい。
1.39≦n≦1.75 (1a)
1.95≦n≦2.45 (2a)
1.19≦n≦1.45 (3a)
また、条件式(1)から(3)の数値範囲をそれぞれ、以下の条件式(1b)から(3b)の範囲とすることが特に望ましい。
1.40≦n≦1.70 (1b)
2.00≦n≦2.40 (2b)
1.23≦n≦1.40 (3b)
ここで、光学多層膜1の層数がmであるとする。このとき、iを2≦i≦(m-1)/2を満たす整数としたとき、2i-1層目の光学膜厚d2i-1(nm)、および2i層目の光学膜厚d2i(nm)がそれぞれ以下の条件式(4),(5)を満足する整数iが少なくともm/8以上存在することが望ましい。
480≦ 2i ≦600 (4)
1.8≦d2i/d2i-1≦2.2 (5)
光学多層膜1が波長470nmから630nmの光を透過し、波長1550nmの光をカットするためには、式(4)および(5)を満たす必要がある。
図2は、光学素子100の透過率特性を示している。光学素子100は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有し、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。光学素子100は、UV帯域である波長300nmから400nmの帯域と、IR帯域である波長700nmから1100nmの帯域においても、10%以下の透過率を有するが、用途により必要となる透過率は異なるため、本発明はこれに限定されない。
光学素子100は、撮像素子の前面であれば、光学系の光軸上であれば、どの位置に配置しても構わないが、撮像素子の近くに配置することがより望ましい。
図3は、図1の光学素子100とは異なる光学素子の断面模式図である。図3(a)に示される光学素子200は、一方の光学面に光学多層膜3を、他方の光学面に光学多層膜4を有する透明基板12と、一方の光学面に光学多層膜5を、他方の光学面に光学多層膜6を有する透明基板13とを備える。透明基板12,13は、光軸上に並べられている。図3(b)に示される光学素子300は、一方の光学面に光学多層膜7を、他方の光学面に光学多層膜8を有する透明基板14と、一方の光学面に光学多層膜9を有する透明基板16とを備える。透明基板14,16は、接着剤15を介して接着されている。
なお、本発明の光学素子は、本実施形態で説明した構成に限らず、用途に合わせた構成とすればよい。
以下に具体的な実施例を示す。ただし、以下の実施例は一例に過ぎず、本発明の光学素子は各実施例の条件に限定されるものではない。
本実施例の光学素子100は、図1の構成を有する。透明基板10は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。光学多層膜1は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カット(遮断)する機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜2は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過する可視域反射防止膜2である。1550nmカット膜1の膜構成を表1に、可視域反射防止膜2の膜構成を表2に示す。表1,2の屈折率は、波長550nmでの値である。1550nmカット膜1は、膜材料M1および膜材料H1が交互に繰り返される繰り返し層と、膜材料L1の最終層とからなる。可視域反射防止膜2は、膜材料M2、H1、およびL1の3層構成である。
1550nmカット膜1の膜材料M1、H1、およびL1の屈折率はそれぞれ、式(1)~(3)を満足する。また、式(4),(5)を満足する整数iが少なくとも6以上存在する。図4は、1550nmカット膜1の透過率特性を示している。1550nmカット膜1は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有し、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。図5は、可視域反射防止膜2の透過率特性を示している。
本実施例の光学素子100の透過率特性は、1550nmカット膜1の透過率特性と可視域反射防止膜2の透過率特性との掛け合わせとなる。図6は、本実施例の光学素子100の透過率特性を示している。本実施例の光学素子100は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。
Figure 0007305439000001
Figure 0007305439000002
本実施例の光学素子100は、図1の構成を有する。透明基板10は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。光学多層膜1は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カットする機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜2は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過し、IR帯域である波長700nmから1100nmの帯域の光をカットするIRカット膜3である。1550nmカット膜1の膜構成を表1に、IRカット膜3の膜構成を表3に示す。表1,3の屈折率は、波長550nmでの値である。IRカット膜3は、膜材料M1および膜材料H2が交互に繰り返される繰り返し層と、膜材料L1の最終層とからなる。図7は、IRカット膜3の透過率特性を示している。
本実施例の光学素子100の透過率特性は、1550nmカット膜1の透過率特性とIRカット膜3の透過率特性との掛け合わせとなる。図8は、本実施例の光学素子100の透過率特性を示している。本実施例の光学素子100は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。さらに、波長700nmから1100nmの帯域の光をカットすることができる。
Figure 0007305439000003
本実施例の光学素子100は、図1の構成を有する。透明基板10は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。光学多層膜1は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カットする機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜2は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過し、UV帯域である波長300nmから400nmの帯域の光をカットするUVカット膜4である。1550nmカット膜1の膜構成を表1に、UVカット膜4の膜構成を表4に示す。表1,4の屈折率は、波長550nmでの値である。UVカット膜4は、膜材料M1および膜材料H2が交互に繰り返される繰り返し層と、膜材料L1の最終層とからなる。図9は、UVカット膜4の透過率特性を示している。
本実施例の光学素子100の透過率特性は、1550nmカット膜1の透過率特性とUVカット膜4の透過率特性との掛け合わせとなる。図10は、本実施例の光学素子100の透過率特性を示している。本実施例の光学素子100は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。さらに、波長300nmから400nmの帯域の光をカットすることができる。
Figure 0007305439000004
本実施例の光学素子100は、図1の構成を有する。透明基板10は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。光学多層膜1は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カットする機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜2は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過し、UV帯域である波長300nmから400nmの帯域の光、およびIR帯域である波長700nmから1100nmの光をカットするUV-IRカット膜5である。1550nmカット膜1の膜構成を表1に、UV-IRカット膜5の膜構成を表5に示す。表1,5の屈折率は、波長550nmでの値である。UV-IRカット膜5は、膜材料M1および膜材料H2が交互に繰り返される繰り返し層と、膜材料L1の最終層とからなる。図11は、UV-IRカット膜5の透過率特性を示している。
本実施例の光学素子100の透過率特性は、1550nmカット膜1の透過率特性とUV-IRカット膜5の透過率特性との掛け合わせとなる。図2は、本実施例の光学素子100の透過率特性を示している。本実施例の光学素子100は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。さらに、波長300nmから400nmの帯域の光、および波長700nmから1100nmの帯域の光をカットすることができる。
Figure 0007305439000005
本実施例の光学素子200は、図3(a)の構成を有する。透明基板12,13は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。光学多層膜3は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カットする機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜4は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過する可視域反射防止膜2である。光学多層膜5は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過し、IR帯域である波長700nmから1100nmの帯域の光をカットするIRカット膜3である。光学多層膜6は、可視域である波長420nmから680nmの帯域の光を透過し、UV帯域である波長300nmから400nmの帯域の光をカットするUVカット膜4である。
本実施例の光学素子200の透過率特性は、4つの膜の透過率特性の掛け合わせとなる。図12は、本実施例の光学素子200の透過率特性を示している。本実施例の光学素子200は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。さらに、波長300nmから400nmの帯域の光、および波長700nmから1100nmの帯域の光をカットすることができる。
なお、1550nmカット膜1、可視域反射防止膜2、IRカット膜3、およびUVカット膜4が全て使用されていれば、図12の透過率特性を取得することができるため、膜配置は本実施例の順番に限定されず、どのような順番であってもかまわない。
本実施例の光学素子200は、図3(a)の構成を有する。透明基板12,13は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。光学多層膜3は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カットする機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜4は、IR帯域である波長700nmから900nmの帯域の光をカットするIRカット膜6である。光学多層膜5は、IR帯域である波長900nmから1100nmの帯域の光をカットするIRカット膜7である。光学多層膜6は、UV帯域である波長300nmから400nmの帯域の光をカットするUVカット膜4である。1550nmカット膜1、UVカット膜4、IRカット膜6,7の膜構成をそれぞれ表1,4,6,7に示す。表1,4,6,7の屈折率は、波長550nmでの値である。図13および図14はそれぞれ、IRカット膜6,7の透過率特性を示している。
本実施例の光学素子100の透過率特性は、1550nmカット膜1の透過率特性、IRカット膜6の透過率特性、IRカット膜7の透過率特性、およびUVカット膜4の透過率特性の掛け合わせとなる。図15は、本実施例の光学素子200の透過率特性を示している。本実施例の光学素子200は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。さらに、波長300nmから400nmの帯域の光、および波長700nmから1100nmの帯域の光をカットすることができる。
なお、1550nmカット膜1、IRカット膜6,7、およびUVカット膜4が全て使用されていれば、図15の透過率特性を取得することができるため、膜配置は本実施例の順番に限定されず、どのような順番であってもかまわない。
Figure 0007305439000006
Figure 0007305439000007
本実施例の光学素子300は、図3(b)の構成を有する。透明基板14,16は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない硝材S1である。接着剤15は、屈折率(λ=550nm)が1.52であり、吸収のない接着剤A1である。光学多層膜7は、LiDARに使用される波長1550nmの光を90%以上カットする機能を持つ1550nmカット膜1である。光学多層膜8は、IR帯域である波長700nmから1100nmの帯域の光をカットするIRカット膜8である。光学多層膜9は、UV帯域である波長300nmから400nmの帯域の光をカットするUVカット膜4である。1550nmカット膜1、UVカット膜4、およびIRカット膜8の膜構成をそれぞれ表1,4,8に示す。表1,4,8の屈折率は、波長550nmでの値である。図16は、IRカット膜8の透過率特性を示している。
本実施例の光学素子300の透過率特性は、1550nmカット膜1の透過率特性、IRカット膜8の透過率特性、およびUVカット膜4の透過率特性の掛け合わせとなる。図17は、本実施例の光学素子300の透過率特性を示している。本実施例の光学素子300は、波長420nmから680nmにおいて80%以上の平均透過率を有する。また、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。すなわち、波長1550nmの光をカットすることができる。さらに、波長300nmから400nmの帯域の光、および波長700nmから1100nmの帯域の光をカットすることができる。
Figure 0007305439000008
本実施例では、本発明の実施形態に係る光学系について説明する。図18は、光学系500の断面模式図である。光学系500は、複数の光学素子G101~G112、および絞り102を有する。図18の(A)から(F)は、本発明の光学素子を配置可能な位置を示す。本発明の光学素子は、図18の(A)から(F)のどの位置に配置されてもよい。
本実施例では、本発明の実施形態に係る撮像装置について説明する。図19は、撮像装置の一例であるデジタルカメラ600の斜視図である。デジタルカメラ600は、レンズ部601と本体部602とを有する。レンズ部601は、実施例8の光学系500を有する。本体部602は、光学系500の結像面に配置された、CCDやCMOSセンサなどの撮像素子603を有する。撮像素子603は、光学系500を介して形成される光学像を光電変換して画像データを出力する。本発明の光学素子は、レンズ部601内に組み込まれていてもよいし、フィルタとしてレンズ部601の前面に取り付けられていてもよい。また、本体部602内で撮像素子603の前面に配置されていてもよい。
なお、本発明の光学素子は、運転支援などに使用される小型レンズを用いた撮像装置においても有効であるが、より大きなレンズを用いる写真用の撮像装置においては、さらに有効である。特に、有効径が10mm以上の撮像装置に使用された場合に有効である。
本実施例では、実施例1から7で用いた1550nmカット膜1とは異なる1550nmカット膜2,3,4について説明する。
1550nmカット膜2,3,4の膜構成をそれぞれ表9,10,11に示す。図20、図21、および図22はそれぞれ、1550nmカット膜2,3,4の透過率特性を示している。
1550nmカット膜2,3,4の膜材料M2、H2、およびL1の屈折率はそれぞれ、式(1)~(3)を満足する。また、式(4),(5)を満足する整数iが1550nmカット膜2,3では少なくとも6以上、1550nmカット膜4では少なくとも4以上存在する。したがって、各1550nmカット膜は、所望の特性を取得することができる。
Figure 0007305439000009
Figure 0007305439000010
Figure 0007305439000011
比較例
実施例1から10で説明した1550nmカット膜1,2,3,4の比較用光学多層膜1,2の膜構成を表12,13に示す。図23および図24はそれぞれ、比較用光学多層膜1,2の透過率特性を示している。
比較用光学多層膜1,2では、式(4),(5)を満足する整数iが6以上とならない。したがって、比較用光学多層膜1は、波長470nmから630nmにおいて75%以上の平均透過率を有するが、波長1550nmにおいて10%以上の透過率を有する。また、比較用光学多層膜2は、波長1550nmにおいて10%以下の透過率を有する。しかしながら、波長470nmから630nmにおいて、波長ごとの透過率にばらつきが大きく、平均透過率が75%以下になる。
Figure 0007305439000012
Figure 0007305439000013

以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
1,3,7 光学多層膜(多層膜)
100,200,300 光学素子

Claims (8)

  1. 0度の入射角で入射する波長470nmから630nmの光に対する平均透過率が75%以上であり、0度の入射角で入射する波長1550nmの光に対する透過率が10%以下である多層膜を有し、
    前記多層膜は、交互に積層された第1材料から成る層及び第2材料から成る層を含む繰り返し層と、最も外側に配置された第3材料から成る最終層とを有し、
    前記第1材料の屈折率をn、前記第2材料の屈折率をn、前記第3材料の屈折率をnとするとき、
    1.35≦n≦1.80
    1.90≦n≦2.50
    1.15≦n≦1.50
    なる条件式を満足し、
    前記多層膜を構成する層を光出射側から数えたときの順番をm、2≦i≦(m-1)/2を満たす整数をi、(2i-1)番目の層の光学膜厚をd 2i-1 (nm)、2i番目の層の光学膜厚をd 2i (nm)とするとき、
    480≦d 2i ≦600
    1.8≦d 2i /d 2i-1 ≦2.2
    なる条件式を満足する整数iがm/8以上存在することを特徴とする光学素子。
  2. 0度の入射角で入射する波長420nmから680nmの光に対する前記多層膜の平均透過率は、80%以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 波長470nmから630nmにおける前記多層膜の最大反射率と最小反射率との差が8%以内であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光学素子。
  4. 前記多層膜は、波長700nmから1000nmにおいて、透過率が10%以下となる帯域を有することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の光学素子。
  5. 前記多層膜の層数は、14以上81以下であることを特徴とする請求項1乃至4の何れか一項に記載の光学素子。
  6. 前記多層膜の波長1550nmにおける透過率は、5%以下であることを特徴とする請求項1乃至のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 求項1乃至の何れか一項に記載の光学素子を含む複数の光学素子を有することを特徴とする光学系。
  8. 請求項1乃至の何れか一項に記載の光学素子と、該光学素子からの光を受光する撮像素子とを有することを特徴とする撮像装置。
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