JP2020134571A - 光学素子、光学系、撮像装置、およびレンズ装置 - Google Patents

光学素子、光学系、撮像装置、およびレンズ装置 Download PDF

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Abstract

【課題】作成が容易であり、かつ透過率の異なる領域に対して高い反射防止性能を有する光学素子を提供する。【解決手段】透過率が第1の方向に変化する領域を有する光学素子(100)であって、第1の方向と直交する第2の方向に沿って、基板(1)と第1の層(3)とを有し、第1の層の第2の方向における厚さは、第1の方向に変化し、第1の層の消衰係数は、第1の方向に変化し、波長550nmの光に対する消衰係数の最大値kmaxは、所定の条件式を満たす。【選択図】図1

Description

本発明は、光学フィルタに関する。
撮像装置内の光学フィルタとして、透過光量を調整するND(Neutral Density)フィルタが用いられる場合がある。特に、画像の明るさを任意に制御するため、または、焦点外れ像(ボケ像)の輪郭の先鋭度のばらつき(による画像の品位の低下)を改善するために、光学面内の領域に応じて徐々に透過率の異なるグラデーション型のNDフィルタが用いられる。
特許文献1には、領域ごとに吸収特性を有する膜の厚さが変化するグラデーション型のNDフィルタに関して、入射方向によらず反射率を低減するための膜構成が開示されている。
特開2017−40909号公報
しかしながら、特許文献1に開示されたNDフィルタにおいて、吸収特性を有する膜の消衰係数は均一である。このため、透過率の異なる領域に対して高い反射防止性能を有するNDフィルタを容易に作成することが難しい。
そこで本発明は、作成が容易であり、かつ透過率の異なる領域に対して高い反射防止性能を有する光学素子、光学系、撮像装置、および、レンズ装置を提供することを目的とする。
本発明の一側面としての光学素子は、透過率が第1の方向に変化する領域を有する光学素子であって、前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って、基板と第1の層とを有し、前記第1の層の前記第2の方向における厚さは、前記第1の方向に変化し、前記第1の層の消衰係数は、前記第1の方向に変化し、波長550nmの光に対する前記消衰係数の最大値kmaxは、所定の条件式を満たす。
本発明の他の側面としての光学系は、複数の光学素子を有し、前記複数の光学素子は前記光学素子を含む。
本発明の他の側面としての撮像装置は、前記光学系と、前記光学系を介して形成された光学像を光電変換して画像データを出力する撮像素子とを有する。
本発明の他の側面としてのレンズ装置は、撮像装置本体に対して着脱可能であり、前記光学系を有する。
本発明の他の目的及び特徴は、以下の実施形態において説明される。
本発明によれば、作成が容易であり、かつ透過率の異なる領域に対して高い反射防止性能を有する光学素子、光学系、撮像装置、および、レンズ装置を提供することができる。
実施例1における光学フィルタの概略図である。 実施例1における光学フィルタの分光透過率および分光反射率を示す図である。 実施例1における光学濃度と平均反射率の関係図である。 実施例2における光学フィルタの概略図である。 実施例2における光学フィルタの分光透過率および分光反射率を示す図である。 実施例2における光学濃度と平均反射率の関係図である。 実施例3における光学フィルタの概略図である。 実施例3における光学フィルタの分光透過率および分光反射率を示す図である。 実施例3における光学濃度と平均反射率の関係図である。 実施例4における光学フィルタの概略図である。 実施例4における光学フィルタの分光透過率および分光反射率を示す図である。 実施例4における光学濃度と平均反射率の関係図である。 実施例5における撮像装置の断面図である。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。各図において、同一の部材については同一の参照符号を付し、重複する説明は省略する。
まず、図1を参照して、本発明の実施形態(実施例1)における光学フィルタ(光学素子)の構成について説明する。図1(a)は、本実施形態の光学フィルタ(光学素子)100の概略図(断面図)である。光学フィルタ100は、基板1、中間反射防止層(中間層)2、吸収層(第1の層)3、および、表面反射防止層(第2の層)4を有する。すなわち光学フィルタ100において、基板1の面1a(第1の面)の上に、順に、中間反射防止層2、吸収層3、および、表面反射防止層4が形成されている。光学フィルタ100において、基板1の面1aとは反対側の面1b(第2の面)には、面1aと同様の前述の積層構造を設けるか、適宜反射防止膜を設けてもよい(不図示)。ここで、中間反射防止層2と表面反射防止層4はそれぞれ、1層以上からなる膜で構成されている。なお、屈折率の調整、反射防止帯域の拡大、入射角度依存性の低減、または、偏光依存性を低減するため、各反射防止層(中間反射防止層2または表面反射防止層4)の積層数を増やしても構わない。
図1(a)に示されるように、光学フィルタ100の透過率が連続的に変化する領域R(面内方向(図1(a)の左右方向(第1の方向))における領域)において、吸収層3の厚さLT(図1(a)の上下方向(第2の方向)における厚さ)は連続的に変化する。吸収層3は、透過率が一定である領域Rには形成されていない。すなわち光学フィルタ100は、透過率が変化している第1の領域(領域R)と、透過率が一定である第2の領域(領域R)とを有し、吸収層3は、第1の領域に形成されており、第2の領域には形成されていない。
一方、光学フィルタ100の全領域Rにおいて、中間反射防止層2および表面反射防止層4は、略均一(均一または実質的に均一)な厚さを有する膜から構成される。ここで、略均一な厚さを有する膜は、積層材料の粒径や積層された層の密度に依存する微小な凹凸による厚さの変化を有する膜や、成膜回転軸を基準とした同一基板上の中心部分と端部分との回転半径の相違により意図せず成形される厚さの変化を有する膜を含む。
図1(b)は、光学フィルタ100の各領域における透過率分布を示す図であり、縦軸は透過率T、横軸は光学フィルタ100の領域(面内方向の位置)をそれぞれ示している。光学フィルタ100は、吸収層3の厚さに応じて透過率Tが変化するように構成され、吸収層3の厚さが連続的に変化することによりグラデーション型のNDフィルタを実現している。図1(b)に示されるように、吸収層3が厚くなるほど、透過率Tは低くなる。
図1(c)は、吸収層3の消衰係数の分布を示す図であり、縦軸は波長550nmにおける消衰係数k、横軸は光学フィルタ100の領域(面内方向の位置)をそれぞれ示している。吸収層3が形成されない領域Rにおいては消衰係数を0として示し、透過率が連続的に変化する領域Rにおいては、透過率が低くなる、すなわち吸収層3の厚さLTが厚くなるにつれて消衰係数が高くなる。領域Rと領域Rとの境界における消衰係数は0.05であり、吸収層3の中で最小値となる。領域Rにおいて、領域Rから離れるにつれて吸収層3の消衰係数は高くなり、吸収層3の厚さLTが最大となる位置で消衰係数が最大値0.218となる。
通常、図1(a)に示されるように吸収層3の厚さを変化させてグラデーション型のNDフィルタ(光学フィルタ)を得る場合、吸収層3の厚さの変化および消衰係数に応じて反射率が大きく変化する。このため、NDフィルタの面内方向における全領域で反射率を低減することは困難である。しかし、本実施形態の光学フィルタ100では、空気側(表面反射防止層4側)から光を入射した場合、基板側(基板1の面1b側)から入射した場合のいずれでも、面内方向における全領域において反射率を低減することができる。
図2は、光学フィルタ100に対して垂直に光が入射する場合(垂直入射時)における分光透過率および分光反射率を示す図である。以降、本明細書中にて説明される分光透過率および分光反射率はそれぞれ、垂直入射時の特性である。図2は、波長550nmの光に関し、吸収層3の光吸収による光学濃度OD(Optical Density)が、0、0.1、0.3、1、2の領域に関する分光透過率および分光反射率をそれぞれ示している。図2において、縦軸は分光透過率(透過率T(%))または分光反射率(反射率R(%))、横軸は波長(nm)をそれぞれ示している。図2において、本実施形態を実線で示す。また、吸収層3の消衰係数が、透過率が最も低くなる位置における値で均一に構成される場合を比較例として破線で示す。ここで、光学濃度ODは、透過率T(0≦T≦1)を用いて、以下の条件式(1)により定義される値である。
光学濃度OD=0の領域は、吸収層3の厚さが0の領域であり、空気側(表面側)から光が入射した場合の反射率Rairと基板側から光が入射した場合の反射率Rsubは互いに等しい。一方、光学濃度OD≠0の領域(OD=0.1、0.3、1、2)、すなわち吸収層3の厚さが0でない領域においては、空気側から光が入射した場合の反射率Rairと基板側から光が入射した場合の反射率Rsubは互いに異なる。これは、吸収層3がある場合、各界面におけるフレネル係数が入射方向に応じて異なるためである。
ここで、吸収特性を有する媒質を透過するときの波長λにおける透過光強度Pは、入射光強度をP0、媒質の厚さをt、消衰係数をkとするとき、以下の条件式(2)により計算できる。
光学濃度ODの相違による空気側および基板側の反射率変化を小さくするには、吸収層3の消衰係数を小さくすればよい。ただし、条件式(2)から分かるように、同等の減光効果を得るには吸収層の膜厚を厚くする必要がある。真空蒸着によって吸収層3を形成する場合、膜厚を厚くするには成膜時間を延長する必要があり、生産性が低下するため好ましくない。また、吸収層3は膜厚が厚くなるほど膜内部に生じる応力が大きくなるため、高低温環境下や温度ショックによる膜割れが生じる懸念があり、耐環境性が低下するため好ましくない。
本実施形態において、膜厚を増大させずに反射率を低減するため、図1(c)に示されるように吸収層3の厚さLTが厚くなるにつれて消衰係数が高くなっており、光学濃度ODの最大値は2となるように構成している。これにより、透過率が最小すなわち吸収層3の膜厚が最大となる位置では消衰係数が相対的に高いため、膜厚を増大させずに吸収層3の膜厚が変化する領域の消衰係数を相対的に小さくすることで、反射率の低減効果を得ている。ここで、波長400nmから700nmの範囲における空気側入射時の反射率と基板側入射時の反射率との平均値をRaveとするとき、各光学濃度ODにおける平均反射率Raveを図3に示す。光学濃度が小さい領域において、比較例よりも本実施形態の平均反射率Raveが小さいことがわかる。
吸収特性を発現する材料を真空蒸着で形成するとき、薄膜の消衰係数は蒸着機内および基板の加熱温度と相関があり、高温になるほど消衰係数が高くなる傾向を示す。本実施形態のように吸収層3の消衰係数を領域ごとに変化させるには、例えば基板温度を均一ではなく領域によって変化するように熱源を設置すればよい。例えば、消衰係数を高くしたい領域付近にのみ熱源を設置してもよいし、複数の熱源を設置して各々の設定温度を変えてもよい。また、冷却装置を設置して部分的に温度を下げてもよい。さらに、基板1と熱源の形状を相対的に変えてもよい。例えば、平面形状の基板1に対して、熱源を曲面に配置すれば、基板1との距離が近い領域と遠い領域とで温度分布を形成してもよい。また、曲面形状からなる基板1を用い、吸収層3とは反対側の基板1の面が凹面形状とし、略平面の熱源で温度分布を形成してもよい。このとき基板1は、メニスカス形状、または両凹形状であることが好ましい。同心円状の温度分布を形成する場合、熱源を円状に配置し、基板1の形状を第1の方向に沿って同心円形状とすればよい。
本実施形態において、光学濃度ODの相違による反射率変化を小さくするため、吸収層3の消衰係数の最大値kmaxは、以下の条件式(3)を満たす。
0.005≦kmax≦2.0 ・・・(3)
これにより、例えば空気側から光が入射した場合、吸収層3の膜厚の変化に従って消衰係数を変化させ、均一な厚さを有する表面反射防止層4を吸収層3の上部に設けるだけの単純な構成で、光学濃度(吸収層3の厚さ)に依らず低い反射率を実現することができる。同様に、基板側から光が入射した場合、均一な厚さを有する中間反射防止層2を吸収層3の下部に設けるだけの単純な構成でありながら、光学濃度に依らず低い反射率を実現することができる。従って、本実施形態の光学フィルタ100のような簡易な構成でありながら、光の入射方向に依らない優れた反射防止性能を得ることができる。条件式(3)の下限を下回るときは、空気側からの入射光の反射率Rairと基板側からの入射光の反射率Rsubの違いが少なく、本発明の構成をとったとしても十分な効果を得ることが難しい。また、減光効果を十分に得るためには吸収層の膜厚が厚くなってしまうため、成膜が困難になり、耐環境性が低下し、吸収層の厚さの違いにより生じる光路長差が大きくなるため結像性能が低下してしまう。条件式(3)の上限を上回ると消衰係数が最大となる領域における反射率が増大し、撮影時にゴーストやフレアが発生してしまう。
条件式(3)は、以下の条件式(3a)〜(3g)に順に設定することがより好ましい。
0.02≦kmax≦1.50 ・・・(3a)
0.06≦kmax≦1.00 ・・・(3b)
0.10≦kmax≦0.80 ・・・(3c)
0.12≦kmax≦0.60 ・・・(3d)
0.14≦kmax≦0.40 ・・・(3e)
0.14≦kmax≦0.30 ・・・(3f)
0.14≦kmax≦0.25 ・・・(3g)
さらに、吸収層3の消衰係数の最小値kminを適切に定めることによって、空気側及び基板側の反射率を小さくすることができる。したがって、各実施例の光学フィルタは、以下の条件式(4)を満たすことが好ましい。
kmin/kmax≦0.95 ・・・(4)
条件式(4)は、吸収層3の消衰係数に関する。条件式(4)の上限を上回ると、吸収層3の消衰係数の各領域における変化量が小さく、消衰係数が領域に依らず均一である場合と比較して反射率低減効果を十分に得ることができない。なお、条件式(4)の左辺の値が小さくなり過ぎると、例えば吸収層3の成膜時に大きな温度分布を与える必要があり、装置構成が複雑になり、または温度分布の制御が難しくなる。このため、条件式(4)は、以下の条件式(4a)〜(4e)の順に設定することがより好ましい。
0.01≦kmin/kmax≦0.80 ・・・(4a)
0.02≦kmin/kmax≦0.60 ・・・(4b)
0.05≦kmin/kmax≦0.50 ・・・(4c)
0.10≦kmin/kmax≦0.40 ・・・(4d)
0.15≦kmin/kmax≦0.30 ・・・(4e)
さらに、吸収層3の厚さが増えるにしたがって、吸収層の消衰係数が高くなる領域を有することで、空気側および基板側の反射率を低減することができる。消衰係数が小さいほど反射率は低くなる傾向があるが、透過率が低い領域においては消衰係数を相対的に高くしないと吸収層の厚さが増大してしまうため好ましくない。このため、吸収層3の厚さが相対的に薄い領域では消衰係数を低くし、厚さが相対的に厚い領域では消衰係数を高くする構成が好ましい。
さらに、光の波長をλとするとき、吸収層3の厚さが最も薄い位置と厚い位置との間における吸収層3の光路長差OPD1を適切に定めることによって、空気側および基板側の反射率を小さくすることができる。したがって、各実施例の光学フィルタは、波長550nmの光に対して、以下の条件式(5)を満たすことが好ましい。
0.1≦|OPD1/λ|≦10 ・・・(5)
条件式(5)は、吸収層の厚さ変化により生じる光路長差に関する。光路長OPD1は、吸収層の最大厚と最小厚の差に、屈折率を乗じることで求まる。吸収層により生じる光路長差が大きくなるほど透過率は低くなるため、透明な媒質で構成した場合よりも結像性能に与える影響は少ない。ただし、条件式(5)の上限を上回ると、光路長差が大きくなり過ぎ、諸収差が増大して結像性能が低下するため好ましくない。一方、条件式(5)の下限を下回ると、十分なグラデーション効果を得るためには吸収層の消衰係数を大きくする必要があるため、空気側および基板側の反射率を小さくすることが困難となる。
条件式(5)は、以下の条件式(5a)〜(5f)の順に設定することがより好ましい。
0.2≦|OPD1/λ|≦8 ・・・(5a)
0.4≦|OPD1/λ|≦7 ・・・(5b)
0.5≦|OPD1/λ|≦6 ・・・(5d)
1.2≦|OPD1/λ|≦5 ・・・(5e)
2.5≦|OPD1/λ|≦4.5 ・・・(5f)
図1(a)において、表面反射防止層4は吸収層3に対して基板1とは反対側に配置され、空気側から入射するときの反射率を低減する機能を有する。表面反射防止層4がない場合には、吸収層3と空気との界面での反射が高くなるため好ましくない。
さらに、吸収層の光吸収による光学濃度の最大値ODmax、光学濃度が0.1となるときの吸収層の膜厚dOD、光学濃度が最大となるときの吸収層の膜厚dmaxを適切に定めることによって、空気側および基板側の反射率を小さくすることができる。したがって、各実施例の光学フィルタは以下の条件式(6)、(7)を満たすことが好ましい。
0.3<ODmax<8 ・・・(6)
0.02≦|dOD/dmax|≦0.8 ・・・(7)
条件式(6)は、吸収層の光吸収による光学濃度に関する。条件式(6)の上限を上回ると、吸収層の膜厚を厚く構成する必要があり、製造が困難となる。また、消衰係数を高くする必要があるため、反射率を小さくすることが困難となる。一方、条件式(6)の下限を下回ると、吸収層によるグラデーション効果が小さく、消衰係数が領域に依らず均一である場合と比較して反射率低減効果を十分に得ることができない。
条件式(7)は、吸収層の厚さに関する。条件式(7)の上限を上回ると、光学濃度0.1以下の領域における膜厚変化が急峻になるため、結像性能の変動が大きくなるため好ましくない。一方、条件式(7)の下限を下回ると、光学濃度0.1以下の領域における消衰係数の変化量大きく、製造が困難となる。
条件式(6)は、以下の条件式(6a)〜(6f)の順に設定することがより好ましい。また条件式(7)は、以下の条件式(7a)〜(7f)の順に設定することがより好ましい。
0.4<ODmax<8 ・・・(6a)
0.6<ODmax<6 ・・・(6b)
0.8<ODmax<5 ・・・(6c)
1.0<ODmax<4 ・・・(6d)
1.1<ODmax<3 ・・・(6e)
1.2<ODmax<3 ・・・(6f)
0.03≦|dOD/dmax|≦0.6 ・・・(7a)
0.04≦|dOD/dmax|≦0.5 ・・・(7b)
0.05≦|dOD/dmax|≦0.4 ・・・(7c)
0.05≦|dOD/dmax|≦0.3 ・・・(7d)
0.06≦|dOD/dmax|≦0.2 ・・・(7e)
0.06≦|dOD/dmax|≦0.15 ・・・(7f)
さらに、吸収層3の光吸収による透過率の最大値Tmaxおよび最小値Tminを適切に設定することにより、空気側および基板側の反射率を小さくすることができる。したがって、各実施例の光学フィルタは、波長550nmの光に対して、以下の条件式(8)を満たすことが好ましい。
−8≦Log(Tmin/Tmax)≦−0.4 ・・・(8)
条件式(8)は、吸収層の光吸収による透過率に関する。条件式(8)の上限を上回ると、吸収層によるグラデーション効果が小さく、吸収層の消衰係数が領域に依らず均一である場合と比較して反射率低減効果を十分に得ることができない。一方、条件式(8)の下限を下回ると、吸収層の最大膜厚と最小膜厚、またはkmaxとkminとの差が大きくなり過ぎ、製造が困難となる。
条件式(8)は、以下の条件式(8a)〜(8c)の順に設定することがより好ましい。
−6≦Log(Tmin/Tmax)≦−0.6 ・・・(8a)
−5≦Log(Tmin/Tmax)≦−0.8 ・・・(8b)
−4≦Log(Tmin/Tmax)≦−0.9 ・・・(8c)
本実施形態におけるグラデーション型のNDフィルタでは、透過率が一定で最大となる領域においては吸収層3が実質的に形成されていない。これにより、透過率の最大値と最小値との差を大きくとることができ、よりグラデーション効果を得ることが可能となる。
本実施形態において、透過率は基板の面内方向に変化する領域を有し、前記面内方向と直交する基板の厚さ方向における吸収層3の厚さが基板の面内方向に変化している。グラデーション型のNDフィルタ(光学フィルタ)の透過率分布については、様々な形状を用いることができる。例えば、同心円方向に透過率分布を形成し、中心から周辺に従って透過率が増加又は減少するようにできる。
同心円状の透過率分布を有する光学フィルタの透過率分布中心を、撮像光学系の光軸上に配置すれば、撮像面に対して回転対象なグラデーション効果を得ることができるため好ましい。また、一方向に透過率が変化するように構成してもよい。これら以外にも、用途に応じて様々な透過率分布形状があるが、本実施形態は任意の透過率分布形状に対して適用可能である。
好ましくは、吸収層3の厚さは、第1の方向に同心円状に変化する。第1の方向における吸収層3の中心からの距離が第1の距離である領域(中心領域)において、吸収層3の厚さは第1の厚さである。吸収層3の中心からの距離が第1の距離よりも遠い第2の距離である領域(周辺領域)において、吸収層3の厚さは第1の厚さよりも厚い第2の厚さである。
また好ましくは、吸収層3の厚さが第3の厚さである領域において、消衰係数は第1の消衰係数である。第1の層の厚さが第3の厚さよりも厚い第4の厚さである領域において、消衰係数は、第1の消衰係数よりも高い第2の消衰係数である。ただし本実施形態は、これに限定されるものではない。求められる反射特性に応じて、前述とは逆に、第3の厚さである領域において第2の消衰係数であって、第3の厚さよりも厚い第4の厚さである領域において、第2の消衰係数よりも低い第1の消衰係数であってもよい。
また好ましくは、第2の方向から見た場合、基板1は円形状である。第1の方向における基板1の中心からの距離が第3の距離である領域(中心領域)において、消衰係数は第3の消衰係数である。基板1の中心からの距離が第1の距離よりも遠い第4の距離である領域(周辺領域)において、消衰係数は、第3の消衰係数よりも高い第4の消衰係数である。
以下、本実施形態の各光学フィルタに関し、各実施例において具体的に説明する。
まず、実施例1の光学フィルタ(光学素子)100について説明する。図1(a)は、本実施例の光学フィルタ100の概略図である。図1(b)に示されるように、本実施例の光学フィルタ100は、光学面内(面内方向)において、中心から周辺に向かって透過率が徐々に低下するグラデーション方のNDフィルタである。
表1は、光学フィルタ100を構成する各要素の特性を示す表である。
表1において、屈折率および消衰係数はそれぞれ、波長550nmにおける屈折率および消衰係数である。これらは、後述の表についても同様である。
光学フィルタ100は、基板1から順に、中間反射防止層2、吸収層3、および、表面反射防止層4を有する。中間反射防止層2は、膜21、22の2層で構成されている。表面反射防止層4は、膜41、42、43の3層で構成されている。吸収層3は、膜31の1層で構成されており、本実施例では酸素欠損型のTiOが用いられる。基板1は株式会社オハラのS−LAH66からなる。波長550nmにおける吸収層3の消衰係数は、図1(c)に示されるように、中心から周辺に向かって高くなり、最小値は0.0500、最大値は0.2180である。なお、実施例1において、吸収層3の消衰係数は面内方向(第1の方向)に変化しており、面内方向と直交する方向(第2の方向)には均一としている。ただし、消衰係数が面内方向と直交する方向にも変化する場合、面内方向と直交する方向の消衰係数の平均値が上述の条件式を満たせば、本発明の効果を得ることができる。吸収層3の光吸収による光学濃度の最大値ODmaxは2.0であり、光学濃度が最大となる位置で消衰係数が最大値をとることで、最大膜厚を厚くすること無く光学濃度が小さい領域の反射率を低減している。
図2は、光学フィルタ100の分光透過率、および、分光反射率(Rair:空気側入射時の反射率、Rsub:基板側入射時の反射率)を示す図である。図2は、波長550nmの光に関し、光学濃度ODが0、0.1、0.3、1、2である位置における分光透過率および分光反射率をそれぞれ示している。比較例として、吸収層3の消衰係数が、光学濃度が最大となる位置における値0.2180で均一に構成される場合の反射率を破線で示している。
図3は、各光学濃度における光学フィルタ100の平均反射率Raveを示す図である。特に、光学濃度が小さい領域において、本実施例の平均反射率Raveが低くなっていることが分かる。
次に、実施例2の光学フィルタ(光学素子)200について説明する。図4(a)に示されるように、光学フィルタ200は、基板1から順に、位相補償層5、中間反射防止層2、吸収層3、および、表面反射防止層4を有し、中心から周辺に向かって透過率が低下するグラデーションNDフィルタである。位相補償層とは、吸収層の厚さの変化する方向とは反対の方向に膜厚が増加し、吸収層の厚さの変化による光路長を補償する機能を有する。
表2は、光学フィルタ200を構成する各要素の特性を示す表である。
本実施例において、位相補償層5は、基板1と略同じ特性を有する材料を用いているため、位相補償層5は実質的に反射特性には影響を与えない。各反射防止層を構成する膜の積層数は、実施例1と同様である。本実施例において、吸収層3はITOが用いられる。基板1は株式会社オハラのS−LAH66からなる。波長550nmにおける吸収層3の消衰係数は、図4(c)に示されるように、吸収層がある領域において、中心から周辺に向かって高くなり、最小値は0.2000、最大値は1.2407である。吸収層3の光吸収による光学濃度の最大値ODmaxは2.0であり、光学濃度が最大となる位置で消衰係数が最大値をとる。実施例2では中心付近において吸収層がない領域を広くとり、消衰係数を変化させることで、消衰係数が高い材料で吸収層を構成していても、反射率が高くなってしまう領域を周辺部の一部分に抑えることができる。
図5は、光学フィルタ200の分光透過率、および、空気側入射および基板側入射の時の分光反射率を示す図である。図5は、波長550nmの光に関し、光学濃度ODが0、0.1、0.3、1、2である位置における分光透過率および分光反射率をそれぞれ示している。比較例は実施例1と同様に示している。
図6は、各光学濃度における光学フィルタ200の平均反射率Raveを示す図である。実施例1と同様に、条件式(3)、(4)、(5)を満たしているため、光学濃度に依らず平均反射率Raveが低くなっている。
次に、実施例3の光学フィルタ(光学素子)300について説明する。図7(a)に示されるように、光学フィルタ300は、基板1から順に、吸収層3、および表面反射防止層4を有し、中心から周辺に向かって透過率が低下するグラデーションNDフィルタである。光学フィルタ300は、その中心領域および周辺領域において、吸収層3の厚さが一定となる領域Rを有する。光学フィルタ300は、中間反射防止層2を含まない点で、実施例1〜2のそれぞれの光学フィルタとは異なる。
表3は、光学フィルタ300を構成する各要素の特性を示す表である。
本実施例では、基板1の屈折率を吸収層3の屈折率に近づけることにより、基板1と吸収層3との間の界面反射を低減している。基板1は株式会社オハラのS−LAH79からなる。波長550nmにおける消衰係数は、図7(c)に示されるように、中心から周辺に向かって高くなり、周辺部には消衰係数が一定となる領域Rを有し、最小値は0.1026、最大値は0.1947である。吸収層3の光吸収による光学濃度の最大値ODmaxは1.5であり、光学濃度が最大となる位置で消衰係数が最大値をとることで、最大膜厚を厚くすること無く光学濃度が小さい領域の反射率を低減している。
図8は、光学フィルタ300の分光透過率、および、空気側入射および基板側入射の時の分光反射率を示す図である。図8は、波長550nmの光に関し、光学濃度ODが0、0.1、0.3、1、1.5である位置における分光透過率および分光反射率をそれぞれ示している。比較例は実施例1と同様に示している。
図9は、各光学濃度における光学フィルタ300の平均反射率Raveを示す図である。実施例1〜2と同様に、条件式(3)、(4)、(5)を満たしているため、光学濃度に依らず平均反射率Raveが低くなっている。
次に、実施例4の光学フィルタ(光学素子)400について説明する。図10(a)に示されるように、光学フィルタ400は、基板1から順に、中間反射防止層2、吸収層3、中間反射防止層6、接着剤7、および基板8を有し、中心から周辺に向かって透過率が低下するグラデーションNDフィルタである。本実施例では基板1と基板8との間に吸収層3を有し、空気と接触する表面反射防止層を含まない点で実施例1〜3とは構成が異なる。
表4は、光学フィルタ400を構成する各要素の特性を示す表である。
本実施例では、吸収層3を2層で構成しており、吸収層3の400nmから700nmの範囲における光吸収特性が波長に依らず略同等の特性とすることができる。吸収層3の基板1側および基板8側には中間反射防止層2および6を有し、各基板界面との反射率を低減している。基板1は株式会社オハラのS−TIH4、基板8はS−BAL12からなり、接着剤7の屈折率とより近い基板8側に接着剤層7を設けることで、接着剤7と基板8の反射率を低減している。吸収層3の波長550nmにおける消衰係数は、中心から周辺に向かって高くなり、膜31の最小値は0.0464、最大値は0.1857、膜32の最小値は0.0645、最大値は0.2579である。吸収層3の光吸収による光学濃度の最大値ODmaxは3.0であり、光学濃度が最大となる域で消衰係数が最大値をとる。中間反射防止層2および6は各々4層構成とし、同一の材料で構成したが、互いの層数を変えてもよいし、異なる材料で構成してもよい。
図11は、光学フィルタ400の分光透過率、および、基板1側入射および基板8側入射の時の分光反射率を示す図である。図11は、波長550nmの光に関し、光学濃度ODが0、0.1、0.3、1、3である位置における分光透過率および分光反射率をそれぞれ示している。比較例は実施例1と同様に示している。
図12は、各光学濃度における光学フィルタ400の平均反射率Raveを示す図である。実施例1〜3と同様に、条件式(3)、(4)、(5)を満たしているため、光学濃度に依らず平均反射率Raveが低くなっている。
次に、図13を参照して、実施例5における撮像装置500について説明する。図13は、本実施例における撮像装置500の断面図である。撮像装置500は、撮像装置本体510と撮像装置本体510に着脱可能なレンズ装置520を備えて構成される。ただし本実施例は、これに限定されるものではなく、撮像装置本体とレンズ装置とが一体的に構成された撮像装置にも適用可能である。レンズ装置520は、複数の光学素子(レンズ群)522および絞りSPを有し、光学系(撮像光学系)を構成する。撮像装置本体510は、CMOSセンサなどの撮像素子512を有する。撮像素子512は、撮像面IPに配置され、光学系を介して形成された被写体像(光学像)を光電変換して画像データを出力する。
被写体像は、光学系を透過して、撮像面IPに結像する。本実施例において、絞りSP、または、絞りSPの前後のレンズ面のうち少なくとも1つの面に、実施例1〜4のいずれかの光学フィルタ(グラデーション型NDフィルタ)が設けられる。ただし、本実施例はこれに限定されるものではなく、光学フィルタを光学系の他のレンズ面に設けてもよい。
図13に示される光学系は、共軸回転対称光学系である。このような光学系では、図1(a)、(b)に示されるような同心円状の透過率分布を有する光学フィルタを用いることが好ましい。また、図1、図4、または図10に示されるように、光学フィルタの中心部に吸収層の厚さが0の領域を設けると、光学フィルタによる透過率の減少を抑制することができるため、好ましい。撮像装置500が位相差検出方式の自動焦点合わせ機構(AF機構)を有する場合、位相差検出に使用される光束の透過率が変化しないように、中心領域に吸収層の厚さが0または一定となる領域を設けることが好ましい。
光学面の中心からの距離r1、r2(r1<r2)における透過率をT(r1)、T(r2)とするとき、T(r1)≧T(r2)となるようなグラデーション型NDフィルタを配置すると、アポダイゼーション効果により品位の高いボケ像を得ることができる。また、絞りSPの前後に各実施例のグラデーション型NDフィルタを配置することにより、軸外光束に対しても有効にアポダイゼーション効果を得ることができ、画面全域に対して品位の高い画像が得られる。反対に、T(r1)≦T(r2)のような特性を有するグラデーション型NDフィルタを用いると、画像の周辺減光を補正したり、周辺部を強調したボケ像を得ることができる。
このような位置に光学フィルタを設けた場合、通常、反射光が迷光となりゴーストやフレアの原因となる。しかし、各実施例のグラデーション型NDフィルタの場合、透過率分布を有しつつ反射率を低減するため、像側および物体側の双方からの光に対してもゴーストやフレアを低減した高品位な像が得られる。なお、図13に示される断面図は一例であり、各実施例の光学フィルタは、1つの撮影光学系のレンズに限定されることなく、様々な光学系に適用することができる。
表5は、実施例1〜4における光学フィルタに関し、波長550nmにおける各パラメータの値を示している。
各実施例の光学フィルタは、作成が容易であり、基板面内で透過率の異なる領域に対して、表面側および基板側からの入射光に対して高い反射防止効果を有し、ゴーストやフレアなどの発生を低減することができる。このため各実施例によれば、作成が容易であり、かつ透過率の異なる領域に対して高い反射防止性能を有する光学素子、光学系、撮像装置、および、レンズ装置を提供することができる。
以上、本発明の好ましい実施例について説明したが、本発明はこれらの実施例に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形及び変更が可能である。
100、200、300、400 光学フィルタ(光学素子)
1 基板
3 吸収層(第1の層)

Claims (16)

  1. 透過率が第1の方向に変化する領域を有する光学素子であって、
    前記第1の方向と直交する第2の方向に沿って、基板と第1の層とを有し、
    前記第1の層の前記第2の方向における厚さは、前記第1の方向に変化し、
    前記第1の層の消衰係数は、前記第1の方向に変化し、
    波長550nmの光に対する前記消衰係数の最大値kmaxは、
    0.005≦kmax≦2.0
    なる条件式を満たすことを特徴とする光学素子。
  2. 前記消衰係数の最小値kminは、
    kmin/kmax≦0.95
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記第1の層に対して前記基板とは反対側に、第2の層を更に有することを特徴とする請求項1または2に記載の光学素子。
  4. 前記光学素子は、前記透過率が変化している第1の領域と、前記透過率が一定である第2の領域とを有し、
    前記第1の層は、前記第1の領域に形成されており、前記第2の領域には形成されていないことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の光学素子。
  5. 前記第1の層は、少なくとも2つの膜を含み、
    前記第1の層の前記第2の方向における厚さが変化していることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. 前記第1の方向は、前記基板の面内方向であり、
    前記第2の方向は、前記面内方向と直交する方向であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. 前記第1の層の前記厚さは、前記第1の方向に同心円状に変化し、
    前記第1の方向における前記第1の層の中心からの距離が第1の距離である領域において、前記厚さは、第1の厚さであり、
    前記距離が前記第1の距離よりも遠い第2の距離である領域において、前記厚さは、前記第1の厚さよりも厚い第2の厚さであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子。
  8. 前記第1の層の前記厚さが第3の厚さである領域において、前記消衰係数は、第1の消衰係数であり、
    前記第1の層の前記厚さが前記第3の厚さよりも厚い第4の厚さである領域において、前記消衰係数は、前記第1の消衰係数よりも高い第2の消衰係数であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. 前記第2の方向から見た場合、前記基板は円形状であり、
    前記第1の方向における前記基板の中心からの距離が第3の距離である領域において、前記消衰係数は、第3の消衰係数であり、
    前記距離が前記第1の距離よりも遠い第4の距離である領域において、前記消衰係数は、前記第3の消衰係数よりも高い第4の消衰係数であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか一項に記載の光学素子。
  10. 前記基板の前記第1の層を有する面とは反対側の面は、凹面形状であり、
    前記基板は、メニスカス形状または両凹形状であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の光学素子。
  11. 光の波長をλ、前記第1の層の厚さが最も薄い位置と最も厚い位置との間における該第1の層の光路長差OPD1は、波長550nmの光に対して、
    0.1≦|OPD1/λ|≦10
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至10のいずれか一項に記載の光学素子。
  12. 前記第1の層の光吸収による光学濃度の最大値をODmax、前記光学濃度が0.1となるときの前記第1の層の膜厚をdOD、前記光学濃度が最大となるときの前記第1の層の膜厚をdmaxとするとき、
    0.3<ODmax<8
    0.02≦|dOD/dmax|≦0.8
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至11のいずれか一項に記載の光学素子。
  13. 前記第1の層の光吸収による透過率の最大値をTmax、前記透過率の最小値をTminとするとき、
    −8≦Log(Tmin/Tmax)≦−0.4
    なる条件式を満たすことを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に記載の光学素子。
  14. 複数の光学素子を有し、
    前記複数の光学素子は、請求項1乃至13のいずれか一項に記載の光学素子を含むことを特徴とする光学系。
  15. 請求項14に記載の光学系と、
    前記光学系を介して形成された光学像を光電変換して画像データを出力する撮像素子と、を有することを特徴とする撮像装置。
  16. 撮像装置本体に対して着脱可能であり、請求項14に記載の光学系を有することを特徴とするレンズ装置。
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