JP2003322709A - 薄膜型ndフィルター - Google Patents

薄膜型ndフィルター

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JP2003322709A
JP2003322709A JP2002128689A JP2002128689A JP2003322709A JP 2003322709 A JP2003322709 A JP 2003322709A JP 2002128689 A JP2002128689 A JP 2002128689A JP 2002128689 A JP2002128689 A JP 2002128689A JP 2003322709 A JP2003322709 A JP 2003322709A
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film
filter
substrate
transparent dielectric
light
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JP2002128689A
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English (en)
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Takashi Watanabe
隆 渡辺
Shunichi Kajitani
俊一 梶谷
Makoto Ito
真 伊藤
Satohiko Memesawa
聡彦 目々澤
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期に亘って安定した分光特性を有するND
フィルターを提供することを目的とする。また、多数の
濃度または連続的に変化する減衰率を有する薄膜型ND
フィルターを容易に且つ一体化して供給可能とするND
フィルターの構造及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 本発明に係る薄膜型NDフィルターは、
光透過性の基板上に1層以上の透明誘電体膜と低級金属
窒化膜とが積層形成されてなることを特徴とする。ま
た、本発明に係る他の薄膜型NDフィルター61は、光
透過性の基板62上に1層以上の透明誘電体膜63a,
63b,63cと光吸収膜64a,64bとが積層形成
されてなる薄膜型NDフィルターであって、上記透明誘
電体膜63a,63b,63cは同一膜内において略等
しい膜厚を有し、上記光吸収膜64a,64bは同一膜
内において異なる膜厚を有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光学薄膜からなる
薄膜型NDフィルター(Neutral Density filter)と、そ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来ビデオカメラにおいては、被写体輝
度が高すぎる場合には、例えばCCD(Charge Couple
d Device)等の感光面へ所定量以上の光量が入射しな
いように絞りを最小径に絞ってメカニカルな構造で対応
していた。しかし、絞りの最小径を小さくしすぎると光
の干渉により解像度が劣化する問題があり、通常はND
フィルターを装着して解像度を落とさないで入射光量を
規制する方法が用いられている。
【0003】このようなNDフィルターは、可視全域に
亘って分光特性が均一であるという特性が求められる。
この特性を実現するものとしては薄膜型のNDフィルタ
ーが知られており、例えば特開平5−93811号公報
においては、Ti,CrまたはNiのいずれかの材料か
らなる金属膜と、MgF,SiOのいずれかからな
る誘電体膜とを積層したNDフィルターが開示されてい
る。また、特開平7−63915号公報には、2種類以
上の金属酸化物を用いた技術が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のNDフィルターは、最適設計することにより可視全域
に亘って分光特性が均一な特性を得ることができるが、
吸収層としてTi,Cr,Ni等からなる数nm〜十数
nmの厚みの金属膜、または吸収がある金属酸化膜を、
SiO等からなる誘電体膜と積層した構造を有してい
る。このため、80℃程度の環境下においては上述した
金属膜または吸収がある金属酸化膜の酸化が進み、透過
率が使用初期の値と比べて大きくなるため、被写体輝度
が高くなってしまうという問題がある。
【0005】したがって、使用環境に因らず、長期に亘
って安定した分光特性を有するNDフィルターは、未だ
確立されていないのが現状である。
【0006】また、NDフィルターは、均一な分光特性
の他に複数の透過率を減衰させる機能が求められる。例
えば、NDフィルターなしの場合の透過率を100%と
すると、1濃度の透過率は32%、2濃度の透過率は1
0%、3濃度の透過率は3.3%などのように複数の透
過率を実現すること機能が求められる。従来、このよう
な機能を有する構造は、NDフィルターを1枚、2枚、
3枚と貼り合わせることにより作製されている。すなわ
ち、例えば図23及び図24に示すように第1のNDフ
ィルター101、第2のNDフィルター102、第3の
NDフィルター103を透明フィルム基板104を介し
てベース105に貼り合わせることにより作製されてい
る。ここで、図24は図23中の線分X−X'における
断面図である。
【0007】このような構造の場合、図24に示す位置
に入射した光線1乃至光線4は、光線1はその光路上に
NDフィルターが存在しないためNDフィルターを透過
することはなく、光線2は第1のNDフィルター101
を透過し、光線3は第1のNDフィルター101及び第
2のNDフィルター102を透過し、光線4は第1のN
Dフィルター101、第2のNDフィルター102及び
第3のNDフィルター103を透過することとなる。こ
のときの各光線の透過率は例えば図25のようになり、
複数の透過率を実現することができる。
【0008】しかしながら、このように複数のNDフィ
ルターを貼り合わせて精度良くNDフィルターを作製す
るのは、非常に手間がかかる作業である。
【0009】また、最近では、ビデオカメラ等の小型化
及び高性能化の観点からNDフィルターの一体化及び濃
度数の増大が望まれている。
【0010】したがって、本発明は、従来の問題点に鑑
みて創案されたものであり、長期に亘って安定した分光
特性を有するNDフィルターを提供することを目的とす
る。
【0011】また、本発明の他の目的は、多数の濃度ま
たは連続的に変化する減衰率を有する薄膜型NDフィル
ターを容易に且つ一体化して供給可能とするNDフィル
ターの構造及びその製造方法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】以上の目的を達成する本
発明に係る薄膜型NDフィルターは、光透過性の基板上
に1層以上の透明誘電体膜と低級金属窒化膜とが積層形
成されてなることを特徴とするものである。
【0013】以上のように構成された本発明に係る薄膜
型NDフィルターでは、所望の透過率を得るための光吸
収層として低級金属窒化膜を使用しているため、光吸収
層が酸化されにくい。これにより、光吸収層の酸化によ
る透過率の変化が抑制され、長期間に亘って分光特性が
均一なものとされる。
【0014】また、以上の目的を達成する本発明に係る
薄膜型NDフィルターは、光透過性の基板上に1層以上
の透明誘電体膜と光吸収膜とが積層形成されてなる薄膜
型NDフィルターであって、透明誘電体膜は同一膜内に
おいて略等しい膜厚を有し、光吸収膜は同一膜内におい
て異なる膜厚を有することを特徴とするものである。
【0015】以上のように構成された本発明に係る薄膜
型NDフィルターにおいては、多濃度または連続的に変
化する減衰率を有する薄膜型NDフィルターを1枚の基
板上に一体形成することができる。
【0016】また、本発明に係る薄膜型NDフィルター
の製造方法は、光透過性の基板上に1層以上の透明誘電
体膜と光吸収膜とが積層形成されてなる薄膜型NDフィ
ルターの製造方法であって、1層以上の透明誘電体膜を
同一膜内において略等しい膜厚に形成する工程と、光吸
収膜を同一膜内において異なる膜厚を有するように形成
する工程とを有することを特徴とするものである。
【0017】以上のような本発明に係る薄膜型NDフィ
ルターの製造方法では、多濃度または連続的に変化する
減衰率を有する薄膜型NDフィルターを容易に且つ確実
に1枚の基板上に一体形成することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面を参照しなが
ら詳細に説明する。なお、本発明は、以下の記述に限定
されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲に
おいて適宜変更可能である。
【0019】本発明に係る薄膜型NDフィルター(Neutr
al Density filter)は、光透過性の基板上に、1層以上
の透明誘電体膜と、低級金属窒化膜とが積層形成されて
なることを特徴とするものである。
【0020】図1に本発明に係る薄膜型NDフィルター
の一例の要部断面図を示す。本発明に係る薄膜型NDフ
ィルター1(以下、単にNDフィルター1と呼ぶ。)
は、光透過性の基板2上に、光学多層体3が設けられて
なるものである。
【0021】光透過性の基板2は、光透過性を有するも
のであれば特に材料が限定されることがなく、種々のも
のを用いることが可能である。このような基板として
は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、ポ
リエチレンサルファイド(PES)等の高分子ポリマー
系材料からなるフィルム基板や薄膜ガラス基板等を用い
ることができる。なお、生産効率の観点からは、後述す
るロールコーティングが可能となる可撓性を有する基板
が好ましい。可撓性のある基板は、従来のガラス基板等
に比べて廉価・軽量・変形性に富むという点においても
優れている。
【0022】光学多層体3は、一層以上の透明誘電体膜
4と、光吸収膜5とが積層形成されてなるものである。
その層数は、特に限定されるものではなく任意である
が、図1においては、透明誘電体膜4が3層、光吸収膜
5が2層の5層構造としている。
【0023】透明誘電体膜4は、透明な誘電体からなる
薄膜であり、例えばSiO、TiO、Nb
Ta、Al等の材料により構成することが
できる。そして、これらの透明誘電体膜4は、Si、T
i、Nb、Ta、Al等の金属ターゲットを用いたリア
クティブスパッタリングにより形成することができ、N
Dフィルターの使用帯域、すなわち例えば波長400n
m〜700nm程度の通常可視光域で消衰kがk<0.
1となるように形成される。
【0024】透明誘電体膜4の各層の厚みは特に限定さ
れるものではなく、これらの総体としての光学多層体3
がNDフィルターの使用帯域、すなわち例えば波長40
0nm〜700nm程度の通常可視光域で所定の光量減
衰率を有するように、且つNDフィルターの使用帯域に
おいて略平坦な透過率の減衰特性を有するように、光吸
収膜の各層の厚みとともに調整して予め決められる。す
なわち、上述したような材料を適当に選択し、各層の膜
厚を最適設定して透明誘電体膜4を構成することによ
り、NDフィルターの使用帯域において所望の透過率及
び略平坦な透過率の減衰特性を備えたNDフィルターを
得ることができる。
【0025】光吸収膜5は、低級窒化金属膜によりなる
ものである。そして、このような低級窒化金属膜は、例
えばTiN、NbN、TaN、AlN等の低級
窒化物をリアクティブスパッタリングにより成膜するこ
とで形成され、NDフィルターの使用帯域、すなわち例
えば波長400nm〜700nm程度の通常可視光域で
消衰kが1以上となるように形成される。
【0026】通常、光吸収膜は、透明誘電体膜と当接さ
れて積層されるため透明誘電体膜の酸化物からの酸化を
受け易い。そして、透明誘電体膜が酸化されることによ
り、透明誘電体膜の透過率が変化してしまい、NDフィ
ルターの使用帯域、すなわち例えば波長400nm〜7
00nm程度の通常可視光域において透過率が大きくな
ってしまう。そして、光吸収膜の透過率が変化しまうと
NDフィルター自体の分光特性が変化してしまい、長期
間に亘って安定して均一な分光特性を有するNDフィル
ターを構成することができない。
【0027】そこで、NDフィルター1においては、光
吸収膜5を低級窒化金属膜により構成する。低級窒化金
属膜は、酸化物を有する層と当接して積層した場合にお
いても、該酸化物からの影響を受けにくく、酸化しにく
い。したがって、光吸収膜5を低級窒化金属膜により構
成することにより、光吸収膜5は該光吸収膜5に当接し
て積層された透明誘電体膜4の酸化物からの酸化を受け
にくく、酸化しにくい光吸収膜を構成することができ
る。すなわち、透過率の変化が抑制された光吸収膜を構
成することができる。これにより、例えば80℃程度の
高温環境においても酸化が抑制され、透過率の変化が抑
制された光吸収膜5を構成することが可能であり、安定
して均一な分光特性を有するNDフィルターを構成する
ことができる。したがって、NDフィルター1において
は、光吸収膜5を低級窒化金属膜により構成すること
で、長期間に亘って安定して均一な分光特性を有するN
Dフィルターが実現されている。
【0028】このような低級窒化金属膜からなる光吸収
膜5の各層の厚みは、これらの総体としての光学多層体
3が、NDフィルターの使用帯域、すなわち例えば波長
400nm〜700nm程度の通常可視光域で所定の光
量減衰率、すなわち所定の透過率を有するように透明誘
電体膜4の各層の厚みとともに調整して予め決められ
る。すなわち、上述したような材料を適当に選択し、各
層の膜厚を最適設定して光吸収膜5を構成することによ
り、NDフィルターの使用帯域において所望の透過率及
び略平坦な透過率の減衰特性を備えたNDフィルターを
得ることができる。
【0029】そして、光透過性の基板2上に、上述した
1層以上の透明誘電体膜4と、上述した光吸収膜5とを
積層形成して構成した光学多層体3を形成することによ
り、NDフィルターの使用帯域、すなわち例えば波長4
00nm〜700nm程度の可視光域において略平坦な
透過率の減衰特性を有し、且つ長期間に亘って安定して
均一な分光特性を有するNDフィルターを実現すること
ができる。
【0030】本発明に係るNDフィルターの具体的な例
を図2に示す。図2に示すNDフィルター11の構成は
以下の通りである。また、NDフィルター11の透過率
特性を図3に示す。
【0031】NDフィルター11の構成 光透過性基板:PET基板(厚み188μm)
【0032】なお、各膜の複素屈折率の、実部n及び消
衰係数kは以下のような条件で設計した。
【0033】 各膜の設計条件 SiO:n=1.47、k=0(波長400nm) n=1.46、k=0(波長550nm) n=1.46、k=0(波長700nm) NbN:n=2.23、k=1.93(波長400nm) n=2.52、k=2.37(波長550nm) n=2.78、k=2.71(波長700nm) Nb:n=2.51、k=0(波長400nm) n=2.31、k=0(波長550nm) n=2.26、k=0(波長700nm)
【0034】以上のように構成されたNDフィルター1
1においては、従来のNDフィルターとは異なり、光吸
収膜が窒化されているため、該光吸収膜は当接して積層
された透明誘電体の酸化物からの酸化を受けにくく、例
えば80℃程度の高温環境においても分光透過率の変化
が少ないものとされている。
【0035】また、図4に、NDフィルター11の2つ
のサンプル、サンプル−1及びサンプル−2に対して高
温試験を行った後の透過率変化量を示す。高温試験は、
NDフィルター11を80℃で48時間保持することに
より行った。図4から、通常のNDフィルターの使用帯
域、すなわち例えば波長400nm〜700nm程度の
可視光域においての透過率の変化量が非常に少なく、且
つ上記の範囲において略平坦な透過率の減衰特性が実現
されていることが判る。
【0036】また、比較として、図5に示すような従来
の吸収を持つ金属酸化膜を用いたNDフィルター21に
対して上記と同様にして高温試験を行った後の透過率変
化量を図7に示す。そして、図6に示すようなNbとS
iOとの積層構造からなる光学多層体を用いたNDフ
ィルター31について上記と同様にして高温試験を行っ
た後の透過率変化量を図8に示す。なお、NDフィルタ
ー21及びNDフィルター31の構成は以下の通りであ
る。
【0037】NDフィルター21の構成 光透過性基板:PET基板(厚み188μm)
【0038】各膜の複素屈折率の、実部n及び消衰係数
kは以下のような条件で設計した。
【0039】NDフィルター21の各膜の設計条件 Ti :n=1.89、k=2.6 TiO:n=2.2、k=1.97 TiO:n=2.39、k=0 SiO:n=1.46、k=0
【0040】NDフィルター31の構成 光透過性基板:PET基板(厚み188μm)
【0041】各膜の複素屈折率の、実部n及び消衰係数
kは以下のような条件で設計した。
【0042】NDフィルター31の各膜の設計条件 SiO:n=1.46、k=0 Nb :n=1.95、k=2.56
【0043】図7及び図8より、従来の吸収を持つ金属
酸化膜を用いたNDフィルター、及びNbとSiO
の積層構造からなる光学多層体を用いたNDフィルター
では、高温試験後の透過率変化量は、本発明を適用した
NDフィルター11と比較して非常に大きくなっている
ことが判る。また、NDフィルターの使用帯域、すなわ
ち例えば波長400nm〜700nm程度の可視光域に
おいての透過率の変化量は均一でなく、波長によって変
化量が大幅に変化していることが判る。これらのことか
ら、本発明を適用することにより、例えば80℃程度の
高温環境においても通常のNDフィルターの使用帯域、
すなわち例えば波長400nm〜700nm程度の可視
光域においての透過率の変化量が非常に少なく、且つ上
記の範囲において略平坦な透過率の減衰特性を備え、長
期的に安定した透過率特性を有する信頼性の高いNDフ
ィルターが実現可能であるといえる。
【0044】また、本発明を適用して構成したNDフィ
ルターの他の例を図9に及び図10示す。図9及び図1
0に示すNDフィルター12及びNDフィルター13の
構成は以下の通りである。また、NDフィルター12の
透過率特性を図11に、NDフィルター13の透過率特
性を図12に示す。
【0045】NDフィルター12の構成 光透過性基板:PET基板(厚み188μm)
【0046】NDフィルター13の構成 光透過性基板:PET基板(厚み188μm)
【0047】なお、各膜の複素屈折率の、実部n及び消
衰係数kは以下のような条件で設計した。
【0048】 各膜の設計条件 SiO:n=1.47、k=0(波長400nm) n=1.46、k=0(波長550nm) n=1.46、k=0(波長700nm) NbN:n=2.23、k=1.93(波長400nm) n=2.52、k=2.37(波長550nm) n=2.78、k=2.71(波長700nm) Nb:n=2.51、k=0(波長400nm) n=2.31、k=0(波長550nm) n=2.26、k=0(波長700nm)
【0049】図11及び図12より判るように、以上の
ように構成されたNDフィルター12及びNDフィルタ
ー13は従来のNDフィルターとは異なり、光吸収膜が
窒化されているため、該光吸収膜は当接して積層された
透明誘電体の酸化物からの酸化を受けにくく、全体的に
透過率の変化が少ないものとされている。そして、通常
のNDフィルターの使用帯域、すなわち例えば波長40
0nm〜700nm程度の可視光域においては、波長に
よる透過率の変化の差が非常に少なく、略平坦な透過率
の減衰特性が実現されていることが判る。
【0050】このような本発明に係るNDフィルター1
は、例えば以下のようにして製造することができる。
【0051】図13は、上述したNDフィルターの製造
に用いる成膜装置の概略を示す構成図である。この成膜
装置40は、一方のロールから他方のロールにフィルム
を送る間にそのフィルムに加工を施す、いわゆるロール
コーティング法によりフィルム状の基板上に成膜を行う
ものである。
【0052】成膜装置40は、例えば真空ポンプ(図示
せず)に接続された排気系42と、雰囲気ガスあるいは
反応ガスを導入するためのガス導入系43、43'、4
3''とが設けられた真空チャンバ41によって、外気を
遮断することが可能となっている。
【0053】また、ガス導入系43、43'、43''に
は、マスフローコントロールが備えられ、例えばアルゴ
ンガス、酸素ガス、窒素ガス等の導入ガスの流量を調整
可能とされており、さらに、プラズマエミッションコン
トロール53により制御されるピエゾ・バルブ43b、
43b'により、より正確、且つ迅速に導入ガス流量を
制御可能とされている。
【0054】真空チャンバ41の内部には、フィルム状
の基板2を連続して送り出すための送りロール44、キ
ャンロール45、および送り出された基板2を巻き取る
ための巻き取りロール46が設けられ、これらのロール
間における基板1の走行経路にガイドロール47a乃至
47eが、適宜に配置されている。
【0055】さらに、フィルムの走行パス上にMボック
ス48bとRFプラズマ電源48cとが接続され、基板
2の一面側に対してその表面をクリーニングするための
プラズマ電極48aと、その表面上に薄膜を形成するた
めの蒸着源49A、蒸着源49B及び蒸着源49Cとが
備えられている。そして、蒸着源49Aには、スパッタ
電源51が、デュアルカソードである蒸着源49B及び
蒸着源49Cにはスパッタ電源52が接続される。
【0056】なお、ここでは、蒸着源49Aは光吸収膜
5を、蒸着源49B及び49Cは透明誘電体膜4を形成
するようになっており、それぞれの材料に合わせてター
ゲットが選ばれる。また、形成された薄膜の透過率を確
認するための光学モニタ50がガイドロール47eの近
傍に付設されている。
【0057】この成膜装置40では、送りロール44が
回転してこれに巻回されている基板1が送り出される
と、巻き取りロール46が回転し、図13に示すような
経路をたどった基板2を巻き取る構成とされている。こ
の際、送りロール44と巻き取りロール46の回転速度
を調節することで、両者間における基板2の走行速度を
制御することができる。また、一旦送りロール44から
送り出された基板1は、ガイドロール47a乃至ガイド
ロール47c、キャンロール45、ガイドロール47
d、47eを介して巻き取りロール46に巻き取られ
る。この走行経路において、基板2は、その一面側に順
次以下の処理が施される。
【0058】すなわち、最初にプラズマ電極48が発生
させるプラズマ放電によって基板2の表面洗浄が行われ
る。次いで、キャンロール45の蒸着源49Aと対向す
る位置に達すると、ここでは、蒸着源49Aのスパッタ
リングによって光吸収膜5が形成される。さらに、キャ
ンロール45の蒸着源49B及び蒸着源49cと対向す
る位置に達すると、ここで、蒸着源49Bおよび蒸着源
49Cのスパッタリングによって透明誘電体膜4が順に
形成されるが、それとともに、送りロール44と巻き取
りロール46を回転させながら成膜することによって、
これらの層を基板2上に連続的に形成することができ
る。なお、成膜された基板2は、光学モニタ50によっ
て透過率が逐次監視されている。
【0059】以下、より具体的に説明する。まず、例え
ばPETフィルムからなる帯状の基板2を用意する。そ
して、この基板2を成膜装置40の送りロール44に巻
回し、基板2が上述した経路に沿って巻き取りロール4
6まで走行するように調製する。さらに、真空チャンバ
41を密閉したうえで、その内部を排気系42により真
空引きした後、ガス導入系43、43'を開いて例えば
ArやOなどのガスを導入する。
【0060】続いて、プラズマ電極48にプラズマ放電
を発生させ、蒸着源49B及び蒸着源49Cにおいてそ
れぞれ蒸着を開始させておき、この状態で送りロール4
4と巻き取りロール46とを回転させ、送りロール44
に巻回されている基板2を送り出すと同時に巻き取りロ
ール46で巻き取るようにする。その際、蒸着源49B
および蒸着源49Cへの投入電力は蒸着速度を決めるた
め、基板2の走行速度との間で適宜調製するようにす
る。
【0061】これにより、基板2は、ガイドロール47
a、47bの間を走行するときに表面をプラズマ洗浄さ
れ、ガイドロール47cを介してキャンロール45の蒸
着源49Aと対向する位置を通過する。そして、キャン
ロール45の蒸着源49B及び蒸着源49Cと対向する
位置に達すると、基板2の上に、スパッタリングにより
透明誘電体膜4が形成される。このとき、蒸着源49B
及び蒸着源49Cをともに稼働させた場合には二層の透
明誘電体膜4を形成することができ、蒸着源49Bもし
くは蒸着源49Cのみを稼働させた場合には、一層の透
明誘電体膜4を形成することができる。この後、基板2
は、光学モニタ50により透過率のチェックを受け、ガ
イドロール47d、47eを介して巻き取りロール46
に巻き取られるが、収容される基板2には、一面側に透
明誘電体膜4が形成されている。
【0062】以上の操作により、所定の長さの基板2に
ついて成膜し終えたら、一旦、プラズマ電極48、蒸着
源49Bおよび蒸着源49Cを停止させ、送りロール4
4に基板2を巻き戻す。なお、送りロール44と巻き取
りロール46を互換できるようにし、巻き取り後に巻き
取りロール46を取り外し、送りロール44位置に取り
付けるようにしても良い。
【0063】次に、プラズマ電極48、蒸着源49A、
蒸着源49Bおよび蒸着源49Cを再び稼働させ、上記
の工程と同様にして送りロール44と巻き取りロール4
6とを回転させ、送りロール44に巻回されている基板
2を送り出すと同時に巻き取りロール46で巻き取るよ
うにする。
【0064】そして、基板2がガイドロール47a乃至
ガイドロール47cを介してキャンロール45の蒸着源
49Aと対向する位置に達すると、基板2の透明誘電体
膜4上に、スパッタリングにより光吸収膜5が形成され
る。さらに、基板2がキャンロール45の蒸着源49B
及び蒸着源49Cと対向する位置に達すると、基板2の
光吸収膜5上に、スパッタリングにより透明誘電体膜4
が形成される。
【0065】この後、基板2は、光学モニタ50により
透過率のチェックを受け、ガイドロール47d、47e
を介して巻き取りロール46に巻き取られ、収容される
基板2には、一面側に透明誘電体膜4及び光吸収膜5が
積層形成されている。以上のような透明誘電体膜4およ
び光吸収膜5を1度に形成する工程を繰り返すことで、
容易に透明誘電体膜4と光吸収膜5とを所望の層数で周
期的に形成することができる。
【0066】以上により、基板2の一面側に1層以上の
透明誘電体膜4と消衰係数kが1以上である低級金属窒
化膜からなる光吸収膜5とが積層された光学多層体3が
形成され、NDフィルター1が製造される。
【0067】なお、基板2と光学多層体3との間に密着
層を設けた構成としても良い。基板2と光学多層体3と
の間に、両者の密着性を向上させるとともに光学多層体
3に生じる応力を緩和することができる。密着層は、例
えばケイ素(Si)により構成される。また、この他に
も、Tiなどの化学的活性を発揮することができる材料
であれば特に限定されるものではない。また、密着層の
厚みは、例えば1nm以上10nm以下程度とすること
が好ましい。密着層の厚みがあまり薄すぎる場合には、
十分な密着性が得られず、両者の界面に膜剥がれやクラ
ックを生じる虞がある。また、密着層の厚みがあまり厚
すぎる場合には、透過率が減少し、可視光領域で均一な
光学的特性を得られない虞があるからである。このよう
な密着層は、例えばDCスパッタリングにより形成する
ことができる。
【0068】次に、本発明に係る他のNDフィルターに
ついて説明する。本発明に係るNDフィルターは、光透
過性の基板上に1層以上の透明誘電体膜と光吸収膜とが
積層形成されてなる薄膜型NDフィルターであって、透
明誘電体膜は同一膜内において略等しい膜厚を有し、光
吸収膜は同一膜内において異なる膜厚を有することを特
徴とするものである。
【0069】図14に本発明に係るNDフィルターの一
例の要部断面図を示す。本発明に係るNDフィルター6
1は、光透過性の基板62上に、1層以上の透明誘電体
膜63と光吸収膜64とが積層形成されてなるものであ
る。ここで、透明誘電体膜63としては、第1の透明誘
電体膜63aと第2の透明誘電体膜63bと第3の透明
誘電体膜63cとが形成され、光吸収膜64としては、
第1の光吸収膜64aと第2の光吸収膜64bとが形成
されている。
【0070】光透過性の基板62は、光透過性を有する
ものであれば特に材料が限定されることがなく、種々の
ものを用いることが可能である。このような基板として
は、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リカーボネート(PC)、ポリオレフィン(PO)、ポ
リエチレンサルファイド(PES)等の高分子ポリマー
系材料からなるフィルム基板や薄膜ガラス基板等を用い
ることができる。なお、生産効率の観点からは、後述す
るロールコーティングが可能となる可撓性を有する基板
が好ましい。可撓性のある基板は、従来のガラス基板等
に比べて廉価・軽量・変形性に富むという点においても
優れている。
【0071】透明誘電体膜63は、透明な誘電体からな
る薄膜であり、例えばSiO、TiO、Nb
、Ta、Al等の材料により構成す
ることができる。そして、これらの透明誘電体膜63
は、Si、Ti、Nb、Ta、Al等の金属ターゲット
を用いたリアクティブスパッタリングにより形成するこ
とができ、NDフィルターの使用帯域、すなわち例えば
波長400nm〜700nm程度の通常可視光域で消衰
kがk<0.1となるように形成される。
【0072】透明誘電体膜63の各層の厚みは特に限定
されるものではなく、これらの総体としてのNDフィル
ターが、使用帯域、すなわち例えば波長400nm〜7
00nm程度の通常可視光域で所定の光量減衰率を有す
るように、且つNDフィルターの使用帯域において略平
坦な透過率の減衰特性を有するように、光吸収膜の各層
の厚みとともに調整して予め決められる。すなわち、上
述したような材料を適当に選択し、各層の膜厚を最適設
定して透明誘電体膜63を構成することにより、NDフ
ィルターの使用帯域において所望の透過率及び略平坦な
透過率の減衰特性を備えたNDフィルターを得ることが
できる。ただし、透明誘電体膜63は、図14に示すよ
うに同一膜内においては、一律略等しい膜厚とされる。
すなわち、図14においては、第1の透明誘電体膜63
aの膜厚は、一律略等しい膜厚D とされ、第2の透明
誘電体膜63bの膜厚は、一律略等しい膜厚Dとさ
れ、第3の透明誘電体膜63cの膜厚は、一律略等しい
膜厚Dとされている。また、第1の透明誘電体膜63
aの屈折率は、Nであり、第2の透明誘電体膜63b
の屈折率は、Nであり、第3の透明誘電体膜63cの
屈折率は、Nである。
【0073】光吸収膜64は、Ti、Nb、Ta、Al
等の金属膜、またはTiO、NbO、TaO、A
lO等の低級酸化物、またはTiN、NbN、T
aN 、AlN等の低級窒化物、またはTiO
、NbO、TaO 、AlO
の低級酸化窒化物よりなるものである。そして、このよ
うな光吸収膜64は、金属膜の場合はスパッタリングに
より、それ以外の場合はリアクティブスパッタリングに
より成膜することで形成され、NDフィルターの使用帯
域、すなわち例えば波長400nm〜700nm程度の
通常可視光域で消衰kが1以上となるように形成され
る。
【0074】このような光吸収膜64の各層の厚みは、
図14に示すように同一膜内においてステップ状に異な
る膜厚とされる。そして、同一膜内における各部位の膜
厚は、これらの総体としてのNDフィルターが、使用帯
域、すなわち例えば波長400nm〜700nm程度の
通常可視光域で所定の種類の光量減衰率、すなわち所定
の種類の透過率を有するように透明誘電体膜63の各層
の厚みとともに調整して予め決められる。
【0075】例えば図14においては、第1の光吸収膜
64aの膜厚は、1濃度の膜厚d 、2濃度の膜厚d
12、3濃度の膜厚d13、及び4濃度の膜厚d14
4種類のステップ状の異なる膜厚とされている。また、
第2の光吸収膜64bの膜厚は、1濃度の膜厚d21
2濃度の膜厚d22、3濃度の膜厚d23、及び4濃度
の膜厚d24の4種類のステップ状の異なる膜厚とされ
ている。なお、第1の光吸収膜64aの屈折率は、n
であり、第2の光吸収膜64bの屈折率は、n であ
る。
【0076】ここで、NDフィルターの光量減衰率は光
吸収層の膜厚に依存するため、光吸収層の厚みを変化さ
せることにより光量減衰率を調整することができる。し
たがって、このように光吸収膜64が同一膜内において
ステップ状に異なる膜厚を有することにより、NDフィ
ルター自体に、部位によって異なる光量減衰率、すなわ
ち透過率を付与することが可能となる。その結果、ND
フィルター61においては、光吸収膜64がこのような
構成を有することにより複数のNDフィルターを貼り合
わせることなく、複数の光量減衰率、透過率を有する多
濃度のNDフィルターが実現されている。
【0077】すなわち、光透過性の基板62上に、上述
した1層以上の透明誘電体膜63と、上述した光吸収膜
64とを積層形成して構成することにより、NDフィル
ターの使用帯域、すなわち例えば波長400nm〜70
0nm程度の可視光域において略平坦な透過率の減衰特
性を備え、且つ多濃度を有するNDフィルターを実現す
ることができる。
【0078】なお、NDフィルター61における同一部
位での各光吸収膜64の膜厚は、同一膜厚とする必要は
なく、これらの総体としてのNDフィルターが本発明の
効果を発揮し、所定の多濃度を有するように設定されれ
ば良い。また、複数の光吸収膜64のうちに、同一膜内
においてその膜厚が一律略等しい光吸収膜64が存在し
ても、他の光吸収膜64が同一膜内においてステップ状
に異なる膜厚を有し、全ての光吸収膜64が同一膜内に
おいて一律略等しい膜厚を有していない限り、本発明の
実現を妨げるものではない。
【0079】上述したように、以上のように構成された
NDフィルター61では、同一膜内において膜厚が略等
しい透明誘電体膜63と、同一膜内においてステップ状
に異なる膜厚を有する光吸収膜64とを備えることによ
り、複数の光量減衰率、透過率を有する多濃度のNDフ
ィルターを実現することができる。そして、図14に示
すような構造とした場合には、例えば図15に示すよう
な4濃度のNDフィルターを実現することができる。
【0080】そして、このように多濃度のNDフィルタ
ーを1枚の基板上に一体形成することが可能となるた
め、NDフィルターの薄膜化が可能となる。また、ND
フィルターの濃度数を容易に増やすことが可能となるた
め、ビデオカメラ等に用いた場合に高画質化を図ること
ができる。
【0081】このような本発明に係るNDフィルター6
1は、膜厚制御部材である膜厚制御板71及び73を用
いて基板に対する蒸着面積を規制することにより膜厚を
制御しながら透明誘電体膜及び光吸収膜を蒸着形成する
ことにより作製することができる。すなわち、基板と蒸
着源との間に所定のパターンを有する膜厚制御部材を配
し、蒸着源に対して基板を所定の方向に移動させながら
蒸着することができ、具体的には、例えば図13に示し
た成膜装置40に図16及び図18に示すような専用の
膜厚制御部材である膜厚制御板71及び73を使用し
て、NDフィルター1を作製する場合と同様の手法で作
製することができる。膜厚制御板71及び73を使用す
ること以外は、NDフィルター1の製造方法と同じであ
るため、ここでは、膜厚制御板71及び73についての
み説明することとし、各製造工程の詳細な説明は省略す
る。
【0082】膜厚制御板71を用いてNDフィルター6
1を作製する場合、膜厚制御板71は図19に示すよう
にキャンロール45と蒸着源49Aとが対向する位置に
おいてキャンロール45と蒸着源49Aとの間に配され
る。膜厚制御板71は、図16に示すように、基板62
の長手方向及び幅方向の二方向での蒸着面積を規制する
ためにステップ状に形成された開口部72を有してい
る。このような開口部72を備えて構成された膜厚制御
板71を、基板62が図16における矢印A方向に走行
するようにキャンロール45と蒸着源49Aとの間に配
した状態でNDフィルター1の場合と同様にして成膜を
行う。
【0083】基板62がキャンロール45と蒸着源49
Aとが対向する位置に達すると、基板62の上に、スパ
ッタリングにより光吸収膜64が蒸着形成される。この
とき、基板62の幅方向においては、蒸着時間を制御す
ることにより異なる複数の膜厚が形成される。すなわ
ち、基板62を走行させながら蒸着を行う際に、膜厚制
御板71の開口部72における基板62の走行方向の長
さを変えることにより蒸着面積を規制することで基板6
2における同一部に対する蒸着時間が制御される。これ
により、図16及び図17に示すように基板62の幅方
向において膜厚制御板71の形状に対応して4種類の異
なる膜厚を有する光吸収膜64が成膜される。また、基
板62の長手方向に関しては開口部72の形状で蒸着面
積が規制されることにより同一膜厚で蒸着される。
【0084】そして、基板62がキャンロール45と蒸
着源49B及び蒸着源49Cと対向する位置に達する
と、基板62の上に、スパッタリングにより透明誘電体
膜63が蒸着形成される。このとき、蒸着時間を制御す
るために図18に示すような膜厚制御板73が、キャン
ロール45と蒸着源49B及び蒸着源49Cとが対向す
る位置においてキャンロール45と蒸着源49B及び蒸
着源49Cとの間に配される。しかしながら、膜厚制御
板73においては、基板62の幅方向での蒸着膜厚を変
化させるための開口形状は形成されておらず、略長方形
の開口部74が形成されているので、透明誘電体膜63
は基板62の長手方向と幅方向において略等しい均一な
膜厚に成膜される。
【0085】以上のように、専用の膜厚制御板71及び
73を使用して透明誘電体膜63及び光吸収膜64を基
板62上に蒸着形成することにより、容易に透明誘電体
膜63と光吸収膜64とを所望の層数で周期的に形成す
ることができる。
【0086】以上により、基板62の一面側に同一膜内
においてステップ状に異なる膜厚を有する光吸収膜64
と、同一膜内において略等しい均一な膜厚を有する透明
誘電体膜63とが積層された4濃度のNDフィルター6
1が製造される。
【0087】上記においては、光吸収膜が同一膜内にお
いて異なる膜厚を有するNDフィルターの一例として、
光吸収膜がステップ状に異なる膜厚を有するNDフィル
ターについて説明したが、以下では、他の例として光吸
収膜が連続的に異なるNDフィルターについて説明す
る。
【0088】図20に本発明に係るNDフィルターの他
の例の要部断面図を示す。本発明に係るNDフィルター
81は、光透過性の基板62上に、1層以上の透明誘電
体膜63と光吸収膜84とが積層形成されてなるもので
ある。ここで、透明誘電体膜63としては、第1の透明
誘電体膜63aと第2の透明誘電体膜63bと第3の透
明誘電体膜63cとが形成され、光吸収膜84として
は、第1の光吸収膜84aと第2の光吸収膜84bとが
形成されている。図20のNDフィルター81が図14
のNDフィルター61と異なる点は、光吸収膜84が光
吸収膜64のようにステップ状に異なる膜厚を有するの
ではなく、連続的に異なる膜厚を有する点のみであるの
で、ここでは光吸収膜84についてのみ説明し、NDフ
ィルター61と同じ部分については同じ符号を付すこと
で詳細な説明を省略する。
【0089】光吸収膜84は、Ti、Nb、Ta、Al
等の金属膜、またはTiO、NbO、TaO、A
lO等の低級酸化物、またはTiN、NbN、T
aN 、AlN等の低級窒化物、またはTiO
、NbO、TaO 、AlO
の低級酸化窒化物よりなるものである。そして、このよ
うな光吸収膜84は、金属膜の場合はスパッタリングに
より、それ以外の場合はリアクティブスパッタリングに
より成膜することで形成され、NDフィルターの使用帯
域、すなわち例えば波長400nm〜700nm程度の
通常可視光域で消衰kがk>0.5となるように形成さ
れる。
【0090】このような光吸収膜84の各層の厚みは、
図20に示すように所定の傾斜を有し同一膜内において
連続的に異なる膜厚とされる。そして、光吸収膜84の
傾斜、すなわち各部位の膜厚は、これらの総体としての
NDフィルターが、使用帯域、すなわち例えば波長40
0nm〜700nm程度の通常可視光域で所定の種類の
光量減衰率、すなわち所定の種類の透過率を有するよう
に透明誘電体膜63の各層の厚みとともに調整して予め
決められる。
【0091】ここで、NDフィルターの光量減衰率は光
吸収層の膜厚に依存するため、光吸収層の厚みを変化さ
せることにより光量減衰率を調整することができる。し
たがって、このように光吸収膜64が同一膜内において
連続的に異なる膜厚を有することにより、NDフィルタ
ー自体に、部位によって異なる光量減衰率、すなわち透
過率を付与することが可能となる。その結果、NDフィ
ルター81においては、光吸収膜84がこのような構成
を有することにより複数のNDフィルターを貼り合わせ
ることなく、光量減衰率、すなわち透過率が連続的に変
化するNDフィルターが実現されている。
【0092】したがって、光透過性の基板62上に、上
述した1層以上の透明誘電体膜63と、上述した光吸収
膜84とを積層形成して構成することにより、NDフィ
ルターの使用帯域、すなわち例えば波長400nm〜7
00nm程度の可視光域において略平坦な透過率の減衰
特性を備え、且つ光量減衰率、すなわち透過率が連続的
に変化したNDフィルターを実現することができる。
【0093】そして、このように光量減衰率、すなわち
透過率が連続的に変化したNDフィルターを1枚の基板
上に一体形成することが可能となるため、NDフィルタ
ーの薄膜化が可能となる。また、NDフィルターの濃度
を連続的に変化させることが可能となるため、ビデオカ
メラ等に用いた場合に高画質化を図ることができる。
【0094】このような本発明に係るNDフィルター8
1は、例えば図13に示した成膜装置40に図21及び
図18に示すような専用の膜厚制御板91及び73を使
用してNDフィルター61を作製する場合と同様の手法
で作製することができる。膜厚制御板71の代わりに膜
厚制御板91を使用すること以外は、NDフィルター6
1の製造方法と同じであるため、ここでは、膜厚制御板
91についてのみ説明することとし、各製造工程の詳細
な説明は省略する。
【0095】膜厚制御板91を用いてNDフィルター6
1を作製する場合、膜厚制御板91は図19に示すよう
にキャンロール45と蒸着源49Aとが対向する位置に
おいてキャンロール45と蒸着源49Aとの間に配され
る。膜厚制御板91は、図21に示すように、基板62
の長手方向及び長手方向に垂直な方向、すなわち幅方向
の二方向での蒸着膜厚を制御するために傾斜部を有して
形成された開口部92を有している。このような開口部
92を備えて構成された膜厚制御板91を、基板62が
図21における矢印B方向に走行するようにキャンロー
ル45と蒸着源49Aとの間に配した状態でNDフィル
ター1の場合と同様にして成膜を行う。
【0096】基板62がキャンロール45と蒸着源49
Aとが対向する位置に達すると、基板62の上に、スパ
ッタリングにより光吸収膜84が蒸着形成される。この
とき、基板62の幅方向においては、蒸着時間を制御す
ることにより異なる複数の膜厚が形成される。すなわ
ち、基板62を走行させながら蒸着を行う際に、膜厚制
御板91の開口部92における基板62の走行方向の長
さを変えることにより蒸着面積を規制することで基板6
2における同一部に対する蒸着時間が制御される。これ
により、図21及び図22に示すように基板62の幅方
向において膜厚制御板91の形状に対応して連続して異
なる膜厚を有する光吸収膜84が成膜される。また、基
板62の長手方向に関しては開口部92の形状で蒸着面
積が規制されることにより同一膜厚で蒸着される。
【0097】そして、基板62がキャンロール45と蒸
着源49B及び蒸着源49Cと対向する位置に達する
と、基板62の上に、スパッタリングにより透明誘電体
膜63が蒸着形成される。このとき、蒸着時間を制御す
るために図18に示すような膜厚制御板73が、キャン
ロール45と蒸着源49B及び蒸着源49Cとが対向す
る位置においてキャンロール45と蒸着源49B及び蒸
着源49Cとの間に配される。しかしながら、膜厚制御
板73においては、基板62の幅方向での蒸着膜厚を変
化させるための開口形状は形成されておらず、略長方形
の開口部74が形成されているので、透明誘電体膜63
は基板62の長手方向と幅方向において略等しい均一な
膜厚に成膜される。
【0098】以上のように、専用の膜厚制御板91及び
73を使用して透明誘電体膜63及び光吸収膜84を基
板62上に積層形成することにより、容易に透明誘電体
膜63と光吸収膜84とを所望の層数で周期的に形成す
ることができる。
【0099】以上により、基板62の一面側に同一膜内
において連続的に異なる膜厚を有する光吸収膜84と、
同一膜内において略等しい均一な膜厚を有する透明誘電
体膜63とが積層されたNDフィルター81が製造され
る。
【0100】
【発明の効果】本発明に係る薄膜型NDフィルターは、
光透過性の基板上に1層以上の透明誘電体膜と低級金属
窒化膜とが積層形成されてなるものである。
【0101】以上のように構成された本発明に係る薄膜
型NDフィルターでは、所望の透過率を得るための光吸
収層として低級金属窒化膜を形成しているため、酸化さ
れにくい光吸収層を実現している。これにより、光吸収
層の酸化による透過率の変化が抑制することができ、長
期間に亘って安定して均一な分光特性を有する信頼性の
高いNDフィルターを実現することができる。
【0102】また、本発明に係る薄膜型NDフィルター
は、光透過性の基板上に1層以上の透明誘電体膜と光吸
収膜とが積層形成されてなる薄膜型NDフィルターであ
って、上記透明誘電体膜は同一膜内において略等しい膜
厚を有し、上記光吸収膜は同一膜内において異なる膜厚
を有してなるものである。
【0103】また、本発明に係る薄膜型NDフィルター
の製造方法は、光透過性の基板上に1層以上の透明誘電
体膜と光吸収膜とが積層形成されてなる薄膜型NDフィ
ルターの製造方法であって、上記1層以上の透明誘電体
膜を同一膜内において略等しい膜厚に形成する工程と、
上記光吸収膜を同一膜内において異なる膜厚を有するよ
うに形成する工程とを有してなるものである。
【0104】以上のような本発明によれば、光吸収膜が
同一膜内において異なる膜厚を有するように形成され
る。これにより、本発明においては、多数の濃度または
連続的に変化する減衰率を有するNDフィルターを1枚
の基板上に一体形成することが可能となるため、NDフ
ィルターの薄膜化を図ることが可能となる。また、従来
の複数のNDフィルターを貼り合わせるタイプと比較し
て濃度数を容易に増やすことが可能となるため、例えば
ビデオカメラ等に用いた場合に高画質化を図ることがで
きる。
【0105】したがって、本発明によれば多数の濃度ま
たは連続的に変化する減衰率を有する薄膜型NDフィル
ターを、容易に且つ一体化して供給することが可能であ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜型NDフィルターの一構成例
を示す要部断面図である。
【図2】本発明に係る薄膜型NDフィルターの具体的な
構成例を示す要部断面図である。
【図3】本発明に係る薄膜型NDフィルターの透過率特
性を示す特性図である。
【図4】本発明に係る薄膜型NDフィルターの高温試験
後の透過率変化量を示す特性図である。
【図5】吸収を持つ金属酸化膜を用いた薄膜型NDフィ
ルターの一構成例を示す要部断面図である。
【図6】NbとSiOとの積層構造からなる光学多層
体を用いた薄膜型NDフィルターの一構成例を示す要部
断面図である。
【図7】吸収を持つ金属酸化膜を用いた薄膜型NDフィ
ルターの高温試験後の透過率変化量を示す特性図であ
る。
【図8】NbとSiOとの積層構造からなる光学多層
体を用いた薄膜型NDフィルターの高温試験後の透過率
変化量を示す特性図である。
【図9】本発明に係る薄膜型NDフィルターの他の構成
例を示す要部断面図である。
【図10】本発明に係る薄膜型NDフィルターの他の構
成例を示す要部断面図である。
【図11】本発明に係る薄膜型NDフィルターの透過率
特性を示す特性図である。
【図12】本発明に係る薄膜型NDフィルターの透過率
特性を示す特性図である。
【図13】成膜装置の一構成例を示す概略構成図であ
る。
【図14】本発明に係る薄膜型NDフィルターの一構成
例を示す要部断面図である。
【図15】本発明に係る4濃度の薄膜型NDフィルター
の透過率特性の一例を示す特性図である。
【図16】膜厚制御板の一構成例を示す平面図である。
【図17】基板上に光吸収層が形成された状態を示す図
である。
【図18】膜厚制御板の一構成例を示す平面図である。
【図19】膜厚制御板を備えた成膜装置の一構成例を示
す概略構成図である。
【図20】本発明に係る薄膜型NDフィルターの他の構
成例を示す要部断面図である。
【図21】膜厚制御板の他の構成例を示す平面図であ
る。
【図22】基板上に光吸収層が形成された状態を示す図
である。
【図23】第1のNDフィルター、第2のNDフィルタ
ー及び第3のNDフィルターが透明フィルム基板を介し
てベースに貼り合わされた状態を示す平面図である。
【図24】図23中の線分X−X'における断面図であ
る。
【図25】透過率特性を示す特性図である。
【符号の説明】
1,11,21,31,61,81 薄膜型NDフィル
ター 2,62,82 基板 3 光学多層体 4,63、83透明誘電体膜 5、64,84 光吸収膜
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 真 宮城県多賀城市明月2丁目1番15号 ファ インマテリアル株式会社内 (72)発明者 目々澤 聡彦 東京都品川区北品川6丁目7番35号 ソニ ー株式会社内 Fターム(参考) 2H042 AA06 AA08 AA22 2H048 GA07 GA09 GA11 GA46 GA61 2H083 AA05 AA26 AA53 2K009 BB24 CC02 CC03 CC42 DD03 EE00

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光透過性の基板上に1層以上の透明誘電
    体膜と低級金属窒化膜とが積層形成されてなることを特
    徴とする薄膜型NDフィルター。
  2. 【請求項2】 上記低級金属窒化膜の複素屈折率におけ
    る消衰係数kが、可視光域において1以上であることを
    特徴とする請求項1記載の薄膜型NDフィルター。
  3. 【請求項3】 光透過性の基板上に1層以上の透明誘電
    体膜と光吸収膜とが積層形成されてなる薄膜型NDフィ
    ルターであって、 上記透明誘電体膜は同一膜内において略等しい膜厚を有
    し、 上記光吸収膜は同一膜内において異なる膜厚を有するこ
    とを特徴とする薄膜型NDフィルター。
  4. 【請求項4】 上記光吸収膜が同一膜内においてステッ
    プ状に異なる膜厚を有することを特徴とする請求項3記
    載の薄膜型NDフィルター。
  5. 【請求項5】 上記光吸収膜が同一膜内において連続的
    に異なる膜厚を有することを特徴とする請求項3記載の
    薄膜型NDフィルター。
  6. 【請求項6】 上記光吸収膜は低級金属窒化膜からなる
    ことを特徴とする請求項3記載の薄膜型NDフィルタ
    ー。
  7. 【請求項7】 上記光吸収膜の複素屈折率における消衰
    係数kが、可視光域において1以上であることを特徴と
    する請求項3記載の薄膜型NDフィルター。
  8. 【請求項8】 光透過性の基板上に1層以上の透明誘電
    体膜と光吸収膜とが積層形成されてなる薄膜型NDフィ
    ルターの製造方法であって、 上記1層以上の透明誘電体膜を同一膜内において略等し
    い膜厚に形成する工程と、 上記光吸収膜を同一膜内において異なる膜厚を有するよ
    うに形成する工程とを有することを特徴とする薄膜型N
    Dフィルターの製造方法。
  9. 【請求項9】 上記基板に対する蒸着面積を規制するこ
    とにより膜厚を制御しながら上記透明誘電体膜及び上記
    光吸収膜を蒸着形成することを特徴とする請求項8記載
    の薄膜型NDフィルターの製造方法。
  10. 【請求項10】 上記基板と蒸着源との間に所定のパタ
    ーンを有する膜厚制御部材を配し、上記蒸着源に対して
    上記基板を所定の方向に移動させながら蒸着することを
    特徴とする請求項9記載の薄膜型NDフィルターの製造
    方法。
  11. 【請求項11】 上記光吸収膜として低級金属窒化膜を
    形成することを特徴とする請求項8記載の薄膜型NDフ
    ィルターの製造方法。
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