JPH11119002A - 光学部品製造装置およびこれを用いた光学部品製造方法ならびに光学部品さらにこの光学部品を用いたプロジェクションテレビ - Google Patents

光学部品製造装置およびこれを用いた光学部品製造方法ならびに光学部品さらにこの光学部品を用いたプロジェクションテレビ

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JPH11119002A
JPH11119002A JP9285484A JP28548497A JPH11119002A JP H11119002 A JPH11119002 A JP H11119002A JP 9285484 A JP9285484 A JP 9285484A JP 28548497 A JP28548497 A JP 28548497A JP H11119002 A JPH11119002 A JP H11119002A
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optical component
optical
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optical thin
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Lippy Barret
リツピー バレツト
Kazuto Shimoda
和人 下田
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Original Assignee
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生産性が良好な光学部品製造装置及びこれを
用いた光学部品製造方法ならびに光学特性が良好な光学
部品ならびにこの光学部品を用いたプロジェクションテ
レビを提供する。 【解決手段】 ポリエチレンナフタレートなどの支持体
3aを、送りロール4にセットして、送りロール4から
巻き取りロール6の方向へ、ガイドロール5a、5b、
5c、5d、5e、5fを経由して巻き取りロール6に
巻き取るようにする。次に、Siのターゲットの蒸発源
7aとNbのターゲットの蒸発源7bを交互にスパッタ
させて、Arガスおよび酸素ガスの流量を調節しつつ、
光学モニタ10により所定の透過率特性を満たすように
膜厚を調整しつつ、予め光学設計された薄膜構成の光学
薄膜のSiO2 とNb2 5 を例えば10層づつ併せて
20層形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学部品製造装置お
よびこれを用いた光学部品製造方法ならびに光学部品さ
らにこの光学部品を用いたプロジェクションテレビに関
し、さらに詳しくは、減圧雰囲気中で支持体上に光学薄
膜を形成することを特徴とする光学部品製造装置および
これを用いた光学部品製造方法ならびに光学部品さらに
これを用いたプロジェクションテレビに関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜付部品や、ダイクロイックミ
ラー等の光学薄膜を形成した光学部品において、良好な
光学特性を実現するためには、少なくとも10層の光学
薄膜を形成する必要がある。光学薄膜は、低屈折率材料
のMgF2 やSiO2 、高屈折率材料のTiO2 やNb
2 5 等により構成される。通常のバッチプロセスで光
学薄膜を形成して作製される光学部品は、真空装置内で
蒸着やスパッタリングなどの薄膜形成方法により光学薄
膜原材料を蒸発させてこれをガラス基板などの透明部材
上に直接成膜し作製される。その光学特性は、例えばガ
ラス基板上に光学薄膜を直接成膜したプロジェクション
テレビ用ダイクロイックミラーの透過率特性の測定結果
の一例を示した概略状態図である図6のように、525
nmの波長で約97%の透過率(光源はP偏光で入射角
45度の条件)を得ることができる。ガラス基板など透
明部材に光学薄膜が形成された面の反対面は通常反射防
止処理を行って反射防止膜を形成している。上記の真空
装置内でガラス基板などに直接光学薄膜を成膜する光学
部品の製造方法では、大面積のガラス基板を真空装置内
に配置する空間が制限され、また大面積のガラス基板に
光学薄膜を均一に形成することが困難であり、一度に作
製できる光学部品の数量は小であり、またこのようなバ
ッチプロセスを用いることが避けられないためにより量
産性を有する光学部品の製造装置および製造方法が望ま
れていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる問題
点に鑑み、生産性が良好な光学部品製造装置およびこれ
を用いた光学部品製造方法ならびに光学特性が良好な光
学部品ならびにこの光学部品を用いたプロジェクション
テレビを提供することを課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の光学部品製造装
置は、少なくとも、支持体を巻着する送りロールと、送
りロールから送出される支持体を巻き取る巻き取りロー
ルと、送りロールと巻き取りロールとの間に光学薄膜原
材料を蒸発させる蒸発手段とを具備し、支持体を送りロ
ールから巻き取りロールに送りつつ、減圧雰囲気中で少
なくとも屈折率の異なる2種の前記光学薄膜原材料の選
択的蒸発を可能とする蒸発手段により光学薄膜原材料を
蒸発させ、支持体上に光学薄膜を形成することを特徴と
する。送りロールおよび巻き取りロールの芯径は少なく
とも100mmの径を有することが望ましい。
【0005】本発明の光学部品の製造方法は、少なくと
も、支持体を送りロールから巻き取りロールに送りつ
つ、減圧雰囲気中で少なくとも屈折率の異なる2種の光
学薄膜原材料の選択的蒸発を可能とした蒸発工程によ
り、支持体上に光学薄膜を形成する工程を有することを
特徴とする。光学薄膜を蒸発させる蒸発工程が、屈折率
の異なる2種の光学薄膜をそれぞれ交互に少なくとも1
0層形成する工程を有することが望ましい。支持体上に
光学薄膜を形成する工程の後に、支持体を板状ガラスな
どの透明部材に接合する工程と、支持体を所定の形状に
裁断する工程とを有することが望ましい。支持体上に光
学薄膜を形成する工程の前に、透明部材が、少なくとも
透明部材の一主面に接着剤層と、接着剤層上に保護フィ
ルムとを形成する工程を有することが望ましい。支持体
上に前記光学薄膜を形成する工程の後に、前記支持体を
フレームに接合する工程と、フレームを所定の形状に裁
断する工程とを有することが望ましい。
【0006】本発明の光学部品の製造装置および製造方
法において、光学薄膜原材料が、一方はSi、Siの酸
化物およびMgF2 のいずれかであり、他方がTi、N
b、Tiの酸化物、Nb酸化物のいずれかである少なく
とも2種の屈折率の異なる光学薄膜であることが望まし
い。蒸発手段/光学薄膜形成工程が、真空蒸着装置/方
法、電子ビーム蒸着装置/方法、スパッタリング装置/
方法およびイオンプレーティング装置/方法のうちのい
ずれか1種であることが望ましい。光学薄膜を形成する
手段/工程が、前記光学薄膜を形成するために反応ガス
を導入する反応ガス導入手段/工程を有することが望ま
しい。光学薄膜を形成する手段/工程が、減圧雰囲気の
圧力調整手段/工程を有することが望ましい。光学薄膜
を形成する前に、支持体が光学薄膜形成面の反対面に接
着剤層を形成し、接着剤層上に保護フィルムとを形成す
る手段/工程を有することが望ましい。また、光学薄膜
を形成する前に支持体が光学薄膜形成面に予めハードコ
ート層を形成する手段/工程を有することが望ましい。
支持体がポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリメチルメタアクリレートおよびポリカ
ーボネートのうちのいずれか1種の高分子フィルムであ
ることが望ましい。
【0007】本発明の光学部品製造装置または光学部品
製造方法のいずれかにより作製される光学薄膜を形成さ
れた支持体を用いて作製された光学部品であることを特
徴とする。光学部品はダイクロイックミラー、エッジフ
ィルタ、バンドパスフィルタ、反射防止膜付部品および
ペリクルビームスプリッターのいずれか1種であること
が望ましい。
【0008】本発明の光学部品製造装置または光学部品
製造方法のいずれかにより作製される光学薄膜を形成さ
れた支持体を用いて作製された光学部品のダイクロイッ
クミラーを用いて色分離などを行うプロジェクションテ
レビであることを特徴とする。
【0009】本発明の光学部品の製造装置およびこれを
用いた製造方法によれば、高分子フィルムの支持体上に
光学薄膜を均一で連続的に容易に形成することができ、
かつ光学特性を良好にすることができる。従って、本発
明の光学部品製造装置およびこれを用いた光学部品製造
方法により作製された例えばダイクロイックミラー、エ
ッジフィルター、バンドパスフィルタ、反射防止膜付部
品およびペリクルビームスプリッターなどは光学特性に
優れた光学部品の提供が可能である。本発明の光学部品
製造装置およびこれを用いた光学部品製造方法により作
製されたダイクロイックミラーを用いれば画質に優れた
プロジェクションテレビを提供できる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の高分子フィルムの支持体
上に光学薄膜を形成した光学部品の製造装置および製造
方法ならびに光学部品さらにプロジェクションテレビに
ついての実施の形態について以下に説明する。本発明の
光学部品の製造装置として、真空排気装置を具備した真
空装置内に、高分子フィルムの支持体を送りロールから
ガイドロールを経由して巻き取りロールに定速で走行さ
せる走行装置を配設する。ガイドロールなどに支持され
た支持体に対向して光学薄膜原材料の蒸発源を少なくと
も2種配設する。光学薄膜原材料の蒸発源は例えばSi
2 などのSi酸化物およびMgF2 のうちのいずれか
の低屈折率材料、およびTiO2 などのTi酸化物およ
びNb2 5 などのNb酸化物のうちのいずれかの高屈
折率材料を使用できる。蒸発手段としては、スパッタリ
ング装置、真空蒸着装置、電子ビーム蒸着装置およびイ
オンプレーティング装置のうちのいずれかを使用でき
る。真空装置には、ガス導入バルブを設けて、蒸発手段
の光学薄膜原材料と反応する反応ガスなどを導入できる
ようにしても良い。その場合、上記の光学薄膜を形成す
るために、光学薄膜原材料として例えばSi、Tiおよ
びNbを用い、反応ガスとして酸素ガスを用いることに
より、それぞれSiO2 などのSi酸化物、TiO2
どのTi酸化物およびNb2 5 などのNb酸化物を形
成することができる。
【0011】光学薄膜を形成する場合、まず、ポリエチ
レンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリ
メチルメタアクリレートおよびポリカーボネートなどの
高分子フィルムの支持体を、送りロールにセットし、送
りロールから巻き取りロールの方向へ、ガイドロールを
経由して巻き取りロールに巻き取りつつ上記の蒸発手段
により光学薄膜原材料を蒸発させて支持体に光学薄膜を
形成する。光学薄膜は、支持体を送りロールから巻き取
りロールの方向へ定速で走行させつつ、少なくとも2種
の光学薄膜原材料を選択的に蒸発させて、所定の透過率
特性を満たすように所定の膜厚に調整しつつ、予め光学
設計された薄膜構成の光学薄膜を例えば低屈折率層10
層および高屈折率層10層を併せて20層形成する。そ
の場合、支持体の送りロールから巻き取りロールへの走
行を交互に逆転させることにより光学薄膜原材料を選択
的に蒸発させて繰り返し形成することも可能である。支
持体に直接形成される最下層の光学薄膜としてSiOx
およびTiOx のいずれかの光学薄膜を形成しても良
い。(xは、2以下の正数である。) 光学薄膜形成時に蒸発手段のプラズマ源のArガスおよ
び酸素ガスなどの流量を制御して蒸発雰囲気の圧力を調
節することができる。支持体の薄膜形成面にはハードコ
ート層を形成したものを用いても良い。また、薄膜形成
前または後に支持体に接着剤層と接着剤層上に保護フィ
ルムとを形成しても良い。
【0012】透明部材として、例えばガラス基板などを
用意し、上記の薄膜形成装置で光学薄膜を形成した支持
体に接着剤を介してラミネート接合し、ダイクロイック
ミラー、エッジフィルタ、バンドパスフィルタおよび反
射防止膜付部品などの光学部品として完成する。透明部
材は予め接着剤層を形成し、接着剤層上に保護フィルム
を形成したものを使用しても良い。また、光学薄膜を形
成した高分子フィルムの支持体に例えば円形状のフレー
ムを接着剤を介して接合してペリクルビームスプリッタ
ーなどの光学部品とすることができる。上記の光学部品
の製造装置およびこれを用いた光学部品製造方法で作製
されたダイクロイックミラーはプロジェクションテレビ
に用いることができる。
【0013】
【実施例】本発明の光学部品製造装置および光学部品製
造方法ならびに光学部品さらにプロジェクションテレビ
の実施例についてプロジェクションテレビ用のダイクロ
イックミラーに用いる光学薄膜を形成する一例について
以下に説明する。先ず、高分子フィルムの支持体に光学
薄膜を形成する薄膜形成装置の一例を示す概略断面図で
ある図1を用いて光学薄膜形成装置および製造方法を説
明する。真空排気装置2を具備した光学薄膜形成装置1
内に、高分子フィルムの支持体3aを送りロール4から
ガイドロール5a、5b、5c、5d、5e、5fを経
由して巻き取りロール6に定速で走行させる走行装置を
配設する。蒸発手段としては、例えばスパッタリング装
置を用い、光学薄膜原材料として例えばSiおよびNb
のターゲットをそれぞれ蒸発源7a、7bとしてガイド
ロール5dに対向して2個配設する。また、支持体3a
の脱ガスなどの前処理装置としてガイドロール5aおよ
び5b間の支持体に対向してプラズマ電極8を配設す
る。真空装置には、ガス導入バルブ9を設けて、スパッ
タにおいては、Arガスおよび酸素ガスなどの反応ガス
の導入流量を調節できるようにする。ガイドロール5d
は、図示を省略するが成膜時に高分子フィルムの支持体
3aの温度上昇を防止するために冷却される構造になっ
ている。
【0014】次に、この光学薄膜形成装置1を用いてプ
ロジェクションテレビ用のダイクロイックミラーに適用
する光学薄膜を形成する事例を説明する。まず、厚さ1
88μm のポリエチレンナフタレートの支持体3aを、
送りロール4にセットして、送りロール4から巻き取り
ロール6の方向へ、ガイドロール5a、5b、5c、5
d、5e、5fを経由して巻き取りロール6に巻き取る
ようにする。次に、Arガスおよび酸素ガスの流量を調
節しつつ、Siのターゲットの蒸発源7aをスパッタさ
せてSiOx(xは、2以下の正数)を支持体3aに形
成する。次に、Nbのターゲットの蒸発源7b、Siの
ターゲットの蒸発源7aとを交互にスパッタさせて、A
rガスおよび酸素ガスの流量を調節しつつ、光学モニタ
10により所定の透過率特性を満たすように膜厚を調整
しつつ、予め[表1]のように光学設計された薄膜構成
の光学薄膜のSiO2 とNb2 5 を例えば10層づつ
併せて20層形成する。(SiOx はSiO2 に含め
る。)また、光学薄膜成膜のときに、スパッタのArガ
スおよび酸素ガスの流量をガス導入バルブ9により調節
して圧力を変化させて薄膜の応力が小となるような条件
に設定する。例えば通常のスパッタ条件は圧力が0.3
Pa程度であるが、これを1.6Pa程度にすることに
より、SiO2 とNb2 5 の応力のバランスを調整し
つつ光学薄膜全体の内部応力を小とし、フィルム状の支
持体3aのカールを低減することができる。支持体3a
は予め光学薄膜形成面にはハードコート層を形成し、ま
た、光学薄膜形成面の反対面に接着剤層と接着剤層上に
保護フィルムを形成したものを使用する。ポリエチレン
ナフタレートの支持体3aは、耐熱性があり熱変形が小
さいので成膜時に光学薄膜を均一に成膜することができ
る。例えば、ポリエチレンナフタレートのガラス転移点
は110℃であり、ポリエチレンテレフタレートの69
℃と比べて耐熱性に優れるものと推察される。
【0015】
【表1】
【0016】次に、透明部材として、例えば幅5cm、
長さ8.75cm、厚さ1mmの板状ガラスを用意し、
上記の光学薄膜を形成した支持体3aに接着剤を介して
ラミネート接合し支持体3aを板状ガラスの外形形状に
裁断することにより、例えばプロジェクションテレビ用
のダイクロイックミラーに適用した光学部品として完成
する。透明部材は予め接着剤層と接着剤層上に保護フィ
ルムを形成したものを使用しても良い。上記の製造方法
により製造されたプロジェクションテレビ用のダイクロ
イックミラーに適用した光学部品について概略構成断面
図である図2を用いて説明する。板状ガラスの透明部材
21上にポリエチレンナフタレートの支持体3aが接着
剤層22により接合され、支持体3上にはハードコート
層3bが形成されている。SiOx の低屈折率層3
c′、Nb2 5の高屈折率層3dおよびSiO2 の低
屈折率層3cが交互に10層づつ併せて20層積層され
た構成となっている。((SiOx 層はSiO2 に含め
る。) また、図3(a)、図3(b)の概略構成図に示すよう
に、上記の光学薄膜を形成した支持体3aに例えば円形
状のフレーム31を接着剤を介して接合してペリクルビ
ームスプリッター30に適用した光学部品を完成する。
【0017】次に、上記の製造装置および製造方法によ
り作製されたダイクロイックミラーに適用した光学部品
の透過率特性を図4および図5に示す。図4はポリエチ
レンナフタレート上に形成したダイクロイックミラーの
理論的な透過率特性の概略状態図を示し(この場合、裏
面の反射率はないものとする)、図5は、ガラス基板上
に接合されたポリエチレンナフタレート上に形成したダ
イクロイックミラーの透過率特性の測定結果の概略状態
図を示す。(但し、図4および図5の光源はいずれもP
偏光で入射角が45度である。) 図5の透過率特性の測定結果によれば、このダイクロイ
ックミラーの波長525nmにおける透過率は約90%
であり、これはプロジェクションテレビ用のダイクロイ
ックミラーに必要な性能としては充分な値である。この
場合、525nmで全散乱は1%、全吸収は約3%であ
る。また、約4.5%の残存透過率損失は高分子フィル
ムとガラスの屈折率をほぼ同一とすることで低減するこ
とができる。さらには、このダイクロイックミラーにお
いて、高分子フィルム材料内の吸収の低減および光学薄
膜形成工程の最適化による光学薄膜内の吸収の低減によ
り、全吸収を低減することが可能である。また、プロジ
ェクションテレビ用のダイクロイックミラーでは、45
度入射角、P偏光においてガラス基板の裏面反射は約
1.5%と非常に小であり、基板裏面の反射防止膜処理
の必要はないものと考えられる。
【0018】
【発明の効果】本発明の光学部品製造装置およびこれを
用いた光学部品製造方法ならびに光学部品さらにこの光
学部品を用いたプロジェクションテレビによれば、光学
部品の製造において生産性を良好にするとともに、光学
特性の優れた光学部品さらには画質に優れたプロジェク
ションテレビを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態例を示し、薄膜形成装置
の一例を示す概略断面図である。
【図2】 本発明の光学部品の構成の一例を示し、ダイ
クロイックミラーの概略構成断面図を示す。
【図3】 本発明の光学部品の一例であり、(a)はペ
リクルビームスプリッターの概略構成平面図および
(b)はペリクルビームスプリッターの概略構成側面図
を示す。
【図4】 本発明の光学部品の一例であるダイクロイッ
クミラーの理論的な透過率特性の概略状態図を示す。
【図5】 本発明の光学部品の一例であるダイクロイッ
クミラーの透過率特性の測定結果の概略状態図を示す。
【図6】 従来例の光学部品の一例であるダイクロイッ
クミラーの透過率特性の測定結果の概略状態図を示す。
【符号の説明】
1…光学薄膜形成装置、2…真空排気装置、3a…支持
体、3b…ハードコート層、3c、3c′…低屈折率
層、3d…高屈折率層、4…送りロール、5a,5b,
5c,5d,5e,5f…ガイドロール、6…巻き取り
ロール、7a,7b…蒸発源、8…プラズマ電極、9…
ガス導入バルブ、10…光学モニタ、20…ダイクロイ
ックミラー、21…透明部材、22…接着剤層、30…
ペリクルビームスプリッター、31…フレーム

Claims (31)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、支持体を巻着する送りロー
    ルと、 前記送りロールから送出される前記支持体を巻き取る巻
    き取りロールと、 前記送りロールと前記巻き取りロールとの間に光学薄膜
    原材料を蒸発させる蒸発手段とを具備し、 前記支持体を前記送りロールから前記巻き取りロールに
    送りつつ、減圧雰囲気中で前記蒸発手段により前記光学
    薄膜原材料を蒸発させ、前記支持体上に光学薄膜を形成
    することを特徴とする光学部品製造装置。
  2. 【請求項2】 前記蒸発手段が、少なくとも屈折率の異
    なる2種の前記光学薄膜原材料の選択的蒸発を可能とす
    る手段を有することを特徴とする請求項1に記載の光学
    部品製造装置。
  3. 【請求項3】 前記屈折率の異なる2種の前記光学薄膜
    原材料の一方はSi、Si酸化物およびMgF2 のいず
    れかを含有し、他方はTi、Nb、Ti酸化物およびN
    b酸化物のいずれかを含有することを特徴とする請求項
    2に記載の光学部品製造装置。
  4. 【請求項4】 前記光学部品製造装置は、前記光学部品
    製造装置内部に反応ガスを導入する反応ガス導入手段を
    有することを特徴とする請求項1に記載の光学部品製造
    装置。
  5. 【請求項5】 前記光学部品製造装置は、前記光学部品
    製造装置内部に前記減圧雰囲気の圧力調整手段を有する
    ことを特徴とする請求項1に記載の光学部品製造装置。
  6. 【請求項6】 前記蒸発手段が、真空蒸着装置、電子ビ
    ーム蒸着装置、スパッタリング装置およびイオンプレー
    ティング装置のうちのいずれか1種であることを特徴と
    する請求項1に記載の光学部品製造装置。
  7. 【請求項7】 前記送りロールおよび前記巻き取りロー
    ルの芯径は少なくとも100mmの径を有することを特
    徴とする請求項1に記載の光学部品製造装置。
  8. 【請求項8】 前記支持体が、前記光学薄膜形成面の反
    対面に形成された接着剤層と、 前記接着剤層上に形成された保護フィルムを有すること
    を特徴とする請求項1に記載の光学部品製造装置。
  9. 【請求項9】 前記支持体が、前記光学薄膜形成面に予
    め形成されたハードコート層を有することを特徴とする
    請求項1に記載の光学部品製造装置。
  10. 【請求項10】 前記支持体が、ポリエチレンテレフタ
    レート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタア
    クリレートおよびポリカーボネートのうちのいずれか1
    種の高分子フィルムであることを特徴とする請求項1に
    記載の光学部品製造装置。
  11. 【請求項11】 少なくとも、支持体を送りロールから
    巻き取りロールに送りつつ、減圧雰囲気中で光学薄膜原
    材料を蒸発させ、前記支持体上に光学薄膜を形成する工
    程とを有することを特徴とする光学部品製造方法。
  12. 【請求項12】 前記支持体上に前記光学薄膜を形成す
    る工程の後に、前記支持体を透明部材に接合する工程
    と、 前記支持体を所定の形状に裁断する工程とを有すること
    を特徴とする請求項11に記載の光学部品製造方法。
  13. 【請求項13】 前記透明部材が板状ガラスであること
    を特徴とする請求項12に記載の光学部品製造方法。
  14. 【請求項14】 前記光学薄膜を形成する工程の前に、
    前記透明部材の少なくとも一主面に接着剤層と、 前記接着剤層上に保護フィルムとを形成する工程とを有
    することを特徴とする請求項12に記載の光学部品製造
    方法。
  15. 【請求項15】 前記光学薄膜を形成する工程の後に、
    前記支持体をフレームに接合する工程と、 前記支持体を所定の形状に裁断する工程とを有すること
    を特徴とする請求項11に記載の光学部品製造方法。
  16. 【請求項16】 前記光学薄膜を形成する工程が、少な
    くとも屈折率の異なる2種の前記光学薄膜原材料を選択
    的に蒸発させることを特徴とする請求項11に記載の光
    学部品製造方法。
  17. 【請求項17】 前記屈折率の異なる2種の前記光学薄
    膜原材料の一方はSi、Si酸化物およびMgF2 のい
    ずれかを含有し、他方はTi、Nb、Ti酸化物および
    Nb酸化物のいずれかを含有することを特徴とする請求
    項16に記載の光学部品製造方法。
  18. 【請求項18】 前記光学薄膜を形成する工程が、真空
    蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法およびイ
    オンプレーティング法のうちのいずれか1種を用いるこ
    とを特徴とする請求項11に記載の光学部品製造方法。
  19. 【請求項19】 前記光学薄膜を形成する工程が、前記
    屈折率の異なる2種の光学薄膜をそれぞれ交互に少なく
    とも10層形成する工程を有することを特徴とする請求
    項16に記載の光学部品製造方法。
  20. 【請求項20】 前記光学薄膜を形成する工程が、反応
    ガスを導入する反応ガス導入工程を有することを特徴と
    する請求項11に記載の光学部品製造方法。
  21. 【請求項21】 前記光学薄膜を形成する工程が、前記
    減圧雰囲気の圧力調整工程を有することを特徴とする請
    求項11に記載の光学部品製造方法。
  22. 【請求項22】 前記支持体が、ポリエチレンテレフタ
    レート、ポリエチレンナフタレート、ポリメチルメタア
    クリレートおよびポリカーボネートのうちのいずれか1
    種の高分子フィルムであることを特徴とする請求項11
    に記載の光学部品製造方法。
  23. 【請求項23】 前記光学薄膜を形成する工程の前およ
    び後のいずれかに、前記支持体の前記光学薄膜形成面の
    反対面に接着剤層と、前記接着剤層上に保護フィルムと
    を形成する工程を有することを特徴とする請求項11に
    記載の光学部品製造方法。
  24. 【請求項24】 前記光学薄膜を形成する工程の前に、
    前記支持体の前記光学薄膜形成面に予めハードコート層
    を形成する工程を有することを特徴とする請求項11に
    記載の光学部品製造方法。
  25. 【請求項25】 前記支持体の屈折率と前記透明部材の
    屈折率とがほぼ同一であることを特徴とする請求項12
    に記載の光学部品製造方法。
  26. 【請求項26】 請求項1に記載の光学部品製造装置に
    より作製された光学薄膜を形成した支持体を用いて作製
    された光学部品。
  27. 【請求項27】 前記光学部品がダイクロイックミラ
    ー、エッジフィルタ、バンドパスフィルタ、反射防止膜
    付部品およびペリクルビームスプリッターのうちのいず
    れか1種であることを特徴とする請求項26に記載の光
    学部品。
  28. 【請求項28】 請求項11に記載の光学部品製造方法
    により作製された光学薄膜を形成した支持体を用いて作
    製された光学部品。
  29. 【請求項29】 前記光学部品がダイクロイックミラ
    ー、エッジフィルタ、バンドパスフィルタ、反射防止膜
    付部品およびペリクルビームスプリッターのうちのいず
    れか1種であることを特徴とする請求項28に記載の光
    学部品。
  30. 【請求項30】 請求項27に記載のダイクロイックミ
    ラーを用いたことを特徴とするプロジェクションテレ
    ビ。
  31. 【請求項31】 請求項29に記載のダイクロイックミ
    ラーを用いたことを特徴とするプロジェクションテレ
    ビ。
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