以下、本開示に係る、圧迫デバイス、及び、圧迫デバイスの貼着方法、の実施形態について図面を参照して例示説明する。各図において共通する部材、部位には同一の符号を付している。
[第1実施形態]
図1~図6は、本開示の一実施形態としての圧迫デバイス1を示す図である。具体的に、図1は圧迫デバイス1を上面側から見た斜視図である。図2、図3は、圧迫デバイス1の平面図である。具体的に、図2は、圧迫デバイス1の上面図である。図3は、圧迫デバイス1の下面図である。図4は、圧迫デバイス1の分解斜視図である。図5、図6は、圧迫デバイス1の同断面での断面図である。詳細は後述するが、図5、図6それぞれは、圧迫デバイス1の異なる状態を示している。
圧迫デバイス1は、貼着シート2と、圧迫部材3と、を備える。
貼着シート2は、厚み方向Aの一方側に生体表面に貼着可能な貼着面11を備える。圧迫部材3は、貼着シート2に取り付けられている。具体的に、圧迫部材3は、貼着面11とは反対側で貼着シート2に固定されている。圧迫部材3は、貼着面11が生体表面に貼着されている状態で、生体表面を圧迫可能である。このように、圧迫デバイス1は、貼着面11を生体表面に貼着することにより、生体表面上での位置が固定される。圧迫デバイス1によれば、貼着シート2の貼着面11が生体表面上に貼着されている状態で、圧迫部材3により、生体表面上の所定部位を圧迫することができる。生体表面上の所定部位とは、例えば、穿刺針、カテーテル、シース等の医療用挿入部材を生体の血管内に挿入することにより形成される、生体表面上の傷口又はその近傍が挙げられる。上述の医療用挿入部材を生体外に抜去した後に、生体表面上の傷口又はその近傍を、圧迫部材3によって所定時間圧迫することにより、止血することができる。
より具体的に、圧迫部材3は、押圧体4と、保持体5と、を備える。押圧体4は、貼着シート2の厚み方向Aに伸長することにより生体表面を押圧可能である。保持体5は、貼着面11とは反対側で貼着シート2に固定されており、押圧体4を厚み方向Aに伸長可能に保持する。
保持体5は、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、押圧体4と重なる位置に、弧状に延在する線分マーカ7aを備える。
線分マーカ7aは、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において弧状に延在することを、視覚を通じて識別可能な態様であれば、その構成は特に限定されない。線分マーカ7aは、例えば、保持体5の上面から突出する1つのリブ状凸部により構成されてもよい。また、線分マーカ7aは、例えば、複数の凸部が間隔を隔てて一列に配置されることで、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において全体として弧状に延在する破線状の線分を形成する態様であってもよい。更に、線分マーカ7aは、例えば、保持体5の上面に形成されている溝部等の凹部により構成されてもよい。また、線分マーカ7aを構成する上述の凸部又は凹部は、保持体5の上面に限られず、保持体5の下面に設けられてもよい。かかる場合には、保持体5の下面に設けられる凸部又は凹部を、上面視(図2参照)で視認できるようにするため、保持体5のうち上面視で凸部又は凹部が設けられる位置は、少なくとも上面から下面まで厚み方向Aに透光性を有する構成とされる。ここで「厚み方向Aに透光性を有する」とは、厚み方向Aで半透明又は透明であることを意味する。更に、線分マーカ7aは、例えば、周囲と透過率を異ならせることにより構成されてもよい。この一例として、線分マーカ7aは、保持体5の透光性を有する部分の中に位置する、周囲より透過率が低い部分により構成されてもよい。この他に、線分マーカ7aは、例えば周囲と色を異ならせることにより構成されてもよい。このような線分マーカ7aは、例えば、保持体5の上面又は下面の一部を形成する塗料等により構成され得る。このように、線分マーカ7aは、圧迫デバイス1の使用環境下の平面視、特に上面視(図2参照)で、周囲から区別して、弧状に延在する線分状であることが識別できる態様であれば特に限定されない。
このような線分マーカ7aを設けることで、生体表面から生体内に挿入されている状態の医療用挿入部材100(図8A参照)の外径にかかわらず、医療用挿入部材100のうち生体表面と同一面上に位置する挿入部分100a(図8A参照)の一部(例えば外面の一部)を、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、線分マーカ7aに接するように又は重なるように位置合わせできる。つまり、線分マーカ7aは、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視で所定の閉領域を区画していない。そのため、医療用挿入部材100の外径にかかわらず、医療用挿入部材100の挿入部分100aの一部のみを利用して、線分マーカ7aに位置合わせできる。換言すれば、線分マーカ7aによれば、医療用挿入部材100を、その外径によらず、挿入部分100aの一部を利用して所定の位置に位置合わせするように、医療従事者に誘導できる。これにより、医療用挿入部材100の外径の相違によって、生体表面上での圧迫デバイス1の取り付け位置がばらつくことを抑制できる。その結果、医療用挿入部材100の外径の相違によらず、生体表面上の適切な位置に容易に位置決め可能な圧迫デバイス1を実現できる。医療用挿入部材100の挿入部分100aの線分マーカ7aに対する位置決めの詳細は後述する(図8A、図8B参照)。
特に、線分マーカ7aは、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、弧状に湾曲して延在する。そのため、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視で凸形で弧状に延在する挿入部分100a(図8A参照)の外面の一部を線分マーカの凹部分に入り込むように位置合わせし易くなる。
また、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視(図2、図3参照)において、保持体5の外縁の外側には、貼着シート2が配置されていない領域であり、後述する医療用挿入部材100(図8A等参照)を受け入れ可能な受入部6が設けられている。より具体的に、本実施形態の貼着シート2は、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視(図2、図3参照)において、保持体5と重なる第1部分X1と、保持体5と重ならない第2部分X2と、を備える。図2に示すように、圧迫デバイス1の上面視において、本実施形態の保持体5の外縁の外側周囲の大部分は、貼着シート2の第2部分X2により囲まれている。換言すれば、本実施形態の圧迫デバイス1の保持体5の外縁は、その外側に貼着シート2の第2部分X2が配置されていない部分を一部のみ有している。本実施形態の受入部6は、保持体5の周囲で貼着シート2の第2部分X2が配置されていない領域により構成されている。
本実施形態の受入部6は、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視(図2、図3参照)において、保持体5の外縁の外側に貼着シート2が配置されていない領域により構成されているが、この構成に限られない。受入部6は、貼着シート2の外縁の凹部により区画される領域であってもよい。例えば、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視(図2、図3参照)において、保持体5の外縁の外側で、貼着シート2の外縁の一部に、周囲よりも窪んだ凹部が形成されていてもよい。かかる場合に、受入部6は、この凹部により区画される領域とされてもよい。つまり、受入部6は、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視(図2、図3参照)において、保持体5の外縁の外側に貼着シート2が配置されている領域において形成されていてもよい。換言すれば、受入部6が形成される位置は、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視(図2、図3参照)において、保持体5の外縁の外側に貼着シート2が配置されていない領域に限られない。
また、本実施形態の圧迫デバイス1には上述の受入部6が設けられているが、受入部6を有さない圧迫デバイスであってもよい。但し、受入部6を設けることで、圧迫デバイス1は、医療用挿入部材100(図8A等参照)のうち生体外に延在する部分を、受入部6を通過するように配置した状態で、生体表面に取り付けることができる。これにより、圧迫デバイス1は、医療用挿入部材100(図8A等参照)のうち生体外に延在する部分があっても、生体表面上の所望の位置に取り付け易くなる。
本実施形態の線分マーカ7aは、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、受入部6に対して、押圧体4の後述する拡張部8が位置する側に設けられている。また、線分マーカ7aは、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、受入部6の位置から拡張部8の位置に向かって凸状に湾曲している。更に、本実施形態では、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、線分マーカ7aの最大幅は、押圧体4の後述する拡張部8の最大幅よりも小さい。本実施形態の線分マーカ7aの最大幅とは、図2に示すように幅方向Bでの線分マーカ7aの最大幅を意味する。また、本実施形態の拡張部8の最大幅とは、図2に示すように幅方向Bでの拡張部8の最大幅を意味する。幅方向Bとは、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、受入部6と、押圧体4の拡張部8と、が配列されている配列方向Cと、直交する方向を意味する。
また、本実施形態では、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、線分マーカ7aの最大幅は、受入部6の最小幅よりも小さい。受入部6の最小幅とは、図2に示すように幅方向Bでの受入部6の最小幅を意味する。
詳細は後述するが、本実施形態の保持体5は、線分マーカ7aの他に、領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1を備える。本実施形態の領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1は、圧迫デバイス1の厚み方向Aで見た平面視において線分マーカ7aを取り囲む所定の領域を区画している。本実施形態の領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1は、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、受入部6に対して、押圧体4の後述する拡張部8が位置する側に隣接して設けられている。また、本実施形態では、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1の最大幅は、押圧体4の後述する拡張部8の最大幅よりも小さい。更に、本実施形態では、圧迫デバイス1を厚み方向Aで見た平面視において、領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1の最大幅は、受入部6の最小幅よりも小さい。本実施形態の線分マーカ7a、及び、領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1、の詳細は後述する。
以下、本実施形態の圧迫デバイス1の各部材・各部位の詳細について説明する。
<貼着シート2>
貼着シート2は、上述したように、厚み方向Aの一方側に貼着面11を備える。また、貼着シート2は、厚み方向Aの他方側、すなわち、貼着面11とは反対側に、圧迫部材3が取り付けられる取付面12を備える。貼着シート2は可撓性を有する。そのため、貼着シート2を、生体表面の形状に沿って変形させることができる。また、貼着面11が生体表面の変形に追従し易くなる。その結果、圧迫デバイス1が意図せずに生体表面から剥離することを抑制できる。
より具体的に、本実施形態の貼着シート2の貼着面11は、貼着シート2の下面により構成されている。また、本実施形態の貼着シート2の取付面12は、貼着シート2の上面により構成されている。
以下、説明の便宜上、厚み方向Aにおいて取付面12から貼着面11に向かう方向である、厚み方向Aの一方側を、単に「下方向A1」又は「下側」と記載する場合がある。また、説明の便宜上、厚み方向Aにおいて貼着面11から取付面12に向かう方向である、厚み方向Aの他方側を、単に「上方向A2」又は「上側」と記載する場合がある。更に、圧迫デバイス1を、貼着シート2の厚み方向Aに沿って見た平面視(図2、図3参照)のうち、貼着シート2の取付面12側から見た平面視(図2参照)を、説明の便宜上、単に「上面視」と記載する。また、圧迫デバイス1を、貼着シート2の厚み方向Aに沿って見た平面視(図2、図3参照)のうち、貼着シート2の貼着面11側から見た平面視(図3参照)を、説明の便宜上、単に「下面視」と記載する。また、上面視及び下面視を区別しない場合は、単に、「平面視」と記載する場合がある。また、特段の記述がない限り、単に「平面視」、「上面視」、「下面視」と記載する場合は、圧迫部材3の後述する押圧体4の拡張部8が収縮形態にある場合での平面視、上面視、下面視を意味する。
貼着シート2は、例えば、基材層と、接着層と、を含む複数層から構成される。
基材層は、例えば、薄肉の樹脂シートにより構成される。より具体的に、基材層は、例えば、ポリエステル繊維の白色スパンレース不織布により構成されており、その厚さは、例えば30μmなど、5μm~150μmの範囲内とされている。但し、基材層の材料は、ポリエステルに限らず、例えば、アクリル重合体、ポリエチレン、エチレン-酢酸ビニル共重合体、ポリウレタン、ポリアミド誘導体などを使用してもよい。
接着層は、例えば、ゴム系接着剤、アクリル系接着剤、シリコン系接着剤等の接着剤により構成される。接着層は、基材層に対して、直接的に又は別の層を挟んで間接的に、積層されている。本実施形態の貼着シート2の貼着面11は、接着層により構成されている。
貼着シート2は、上述の基材層、接着層の他に、更に別の層を含んでもよい。貼着シート2は、例えば、表面層を含んでもよい。表面層は、例えば、厚さが5μm~50μm程度の樹脂から構成される。より具体的に、表面層の材料としては、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、フッ素樹脂などを使用できる。表面層は、基材層を挟んで接着層とは反対側に、基材層に対して、直接的に又は別の層を挟んで間接的に、積層されている。したがって、貼着シート2の取付面12は、表面層により構成されてもよい。
より具体的に、貼着シート2は、一面に接着剤としての粘着剤が施された不織布テープにより構成されてもよい。更に、貼着シート2は、基材層の両側に接着層が設けられている両面テープにより構成されてもよい。貼着シート2を両面テープにより構成した場合には、圧迫部材3の保持体5を、貼着シートの片方の接着層に接着することで、圧迫部材3を貼着シート2に固定することができる。
本実施形態の貼着シート2は、厚み方向Aで見た平面視で、略C字形状の外形を有している。本実施形態の貼着シート2は、図2、図3に示すように、圧迫部材3の下面側の一部のみを覆っている。具体的に、本実施形態の貼着シート2は、圧迫部材3の下面の外縁領域のみを覆っている。そして、本実施形態の貼着シート2は、圧迫部材3の下面の外縁領域のみに固定されている。換言すれば、本実施形態の貼着シート2は、圧迫部材3の押圧体4の拡張部8が位置する、圧迫部材3の下面の中央領域を、覆っていない。また、本実施形態の貼着シート2は、圧迫部材3の下面の外縁領域の全域を覆っておらず、外縁領域を部分的に覆っている。すなわち、本実施形態の貼着シート2は、圧迫部材3の下面の外縁領域のうち一部の領域を覆っていない。本実施形態では、圧迫部材3の下面の外縁領域のうち貼着シート2に覆われていない部分が、圧迫部材3における受入部6と隣接する部分である。
貼着シート2の貼着面11は、生体表面に貼着される前の使用前状態において、剥離シートにより覆われている。剥離シートは、貼着シート2を生体表面に貼着する際に、ユーザーにより貼着面11から剥離されることにより取り除かれる。剥離シートが貼着面11から取り除かれ、貼着面11が露出することにより、貼着シート2の貼着面11が生体表面に貼着可能な状態(以下、説明の便宜上「使用状態」と記載する。)とされる。剥離シートは、例えば、剥離紙や樹脂製のシート材により形成可能である。図1~図6に示す圧迫デバイス1は、剥離シートが取り除かれた使用状態を示している。
<圧迫部材3>
上述したように、圧迫部材3は、押圧体4と、保持体5と、を備える。
上述したように、押圧体4は、厚み方向Aに伸長することにより生体表面を押圧可能である。押圧体4は、平面視で貼着シート2がない位置で、生体表面を押圧可能である。つまり、押圧体4は、貼着シート2を介さずに生体表面を押圧可能である。
本実施形態の押圧体4は、拡張部8と、延設部9と、を備える。拡張部8は、貼着シート2の貼着面11が生体表面に貼着されている状態(以下、「圧迫デバイス1の貼着状態」と記載する。)において生体表面と保持体5との間に配置される。拡張部8は、圧迫デバイス1の貼着状態で、流体の供給により厚み方向Aに拡張することができる。つまり、本実施形態の押圧体4は、拡張部8が厚み方向Aに拡張することで、厚み方向Aに伸長する。圧迫デバイス1の貼着状態で拡張部8が拡張すると、拡張部8は保持体5から反力を受けることで生体表面を押圧する。以下、拡張部8が拡張する前の形態を、拡張部8の「収縮形態」と記載する。また、拡張部8が収縮形態から拡張した形態を、拡張部8の「拡張形態」と記載する。本実施形態の圧迫デバイス1は、貼着状態で、拡張部8が収縮形態の場合、拡張部8により生体表面を圧迫しない。逆に、本実施形態の圧迫デバイス1は、貼着状態で、拡張部8が拡張形態の場合、拡張部8により生体表面を圧迫する。図5は、拡張部8の収縮形態を示している。図6は、拡張部8の拡張形態を示している。
本実施形態の拡張部8は、内部に気体等の流体を収容可能な収容空間8aを区画している。また、本実施形態の拡張部8は、内部が連通するように連結された2つのバルーン部8b、8cにより構成されている。本実施形態の収容空間8aは、2つのバルーン部8b、8cの連通する内部空間により構成されている。
拡張部8は、収容空間8aに流体が供給されることにより、厚み方向Aの下方向A1に向かって拡張可能である。本実施形態の拡張部8は、上述した収縮形態(図5参照)から拡張形態(図6参照)に形態変化することで下方向A1に向かって拡張し、生体表面を圧迫可能な姿勢となる。より具体的に、拡張部8は、収容空間8aに流体が供給されることで、保持体5の下面により反力を受けて、下方向A1に向かって拡張する。拡張部8の収容空間8aに供給される流体は、気体に限らず、液体であってもよい。
図5に示すように、収縮形態の拡張部8は、収容空間8aが収縮した状態で、保持体5の下面に沿うように配置されている。拡張部8の収容空間8aは、保持体5の外部まで延在するチューブ28に連通している。拡張部8の収容空間8aには、チューブ28の端部に設けられた接続部29としてのインフレーションポートに接続される流体供給器具から、チューブ28を通じて、例えば空気等の流体が供給される。これにより、拡張部8の拡張状態を変化させ、拡張部8を収縮形態(図5参照)から拡張形態(図6参照)に形態変化させることができる。
本実施形態の拡張部8は、厚み方向Aに透光性を有する部分を備える。より具体的に、本実施形態の拡張部8は、厚み方向Aに透光性を有する部分のみから構成されている。このように、拡張部8は、厚み方向Aに透光性を有する部分を少なくとも備えることが好ましい。このようにすることで、拡張部8を通じて、拡張部8の上側から拡張部8の下側を透視することができる。そのため、拡張部8を通じて、生体表面上の傷口等の位置を視認し得る。
延設部9は、拡張部8から延設されている。延設部9は可撓性を有している。延設部9は、保持体5に巻き掛けられている。これにより、延設部9は、拡張部8から保持体5を挟んで拡張部8と反対側の保持体5の上面側まで延在している。延設部9は、保持体5の上面側で保持体5に係止されている。
具体的に、本実施形態の保持体5は、厚み方向Aに貫通する貫通孔5aを区画している。本実施形態の延設部9は、貫通孔5aを通じて、保持体5に巻き掛けられている。より具体的に、本実施形態の延設部9は、保持体5を挟んで拡張部8が位置する下側から、その反対側である上側に向かって延在している。そして、本実施形態の延設部9は、貫通孔5aを区画する保持体5の内面、及び、保持体5の上面、に沿うように、保持体5に巻き掛けられている。また、延設部9には、保持体5の上面側で、保持体5の上面から突出する係止突起5bが嵌合する係止孔9bが形成されている。係止突起5bを係止孔9bに嵌合することで、延設部9が保持体5に位置決めされる。また、延設部9は、拡張部8に対して受入部6側の位置で、保持体5の下面側から上面側へと巻き掛けられている。つまり、本実施形態の貫通孔5aは、拡張部8に対して受入部6側に位置している。そのため、図5に示す断面視において、本実施形態の押圧体4を構成する拡張部8及び延設部9は、保持体5に巻き掛けられることで、略U字状に湾曲している。これにより、拡張部8は、延設部9の拡張部8と連結されている部分をヒンジ部9aとして回動しながら拡張することができる。
拡張部8は、延設部9のヒンジ部9aにより回動することで、厚み方向Aのみならず、厚み方向Aに対して傾斜する方向に向かって拡張可能である。上述したように、本実施形態の押圧体4は、シート状の延設部9が保持体5の貫通孔5aを通じて保持体5の上下面に亘って巻き掛けられた状態で、保持体5に固定されている。そのため、拡張部8は、拡張時に、延設部9のうち貫通孔5aの下側で拡張部8に連結されている部分であるヒンジ部9aを回動中心として、この回動中心周りに回動しながら拡張する。より具体的に、本実施形態の拡張部8を構成する2つのバルーン部は、厚み方向Aに重ねられた状態で配置されている。また、これら2つのバルーン部それぞれの一端は、延設部9に対して取り付けられている。つまり、2つのバルーン部の一端側は、延設部9により拘束されている。そのため、2つのバルーン部が拡張しても、上記一端側では2つのバルーン部の距離は離間しない。その一方で、2つのバルーン部の他端側は、何ら拘束されていない。そのため、2つのバルーン部が拡張すると、上記他端側では2つのバルーン部の距離は離間する。すなわち、本実施形態の拡張部8を構成する2つのバルーン部では、延設部9に取り付けられている一端側を回動中心として、延設部9に取り付けられていない他端側が、この回動中心周りを回動する。このようにして、本実施形態の拡張部8は、厚み方向Aに対して傾斜する方向に向かって拡張する。厚み方向Aに対して傾斜する方向に向かって拡張する拡張部8とすることで、後述する穿孔P(図11B参照)を狭窄又は閉塞し易くなる。この詳細は後述する(図12参照)。但し、厚み方向Aに対して傾斜する方向に向かって拡張するための構成は、本実施形態の押圧体4の構成に限られない。
本実施形態の延設部9は、保持体5の上面を覆う位置で、厚み方向Aに透光性を有する部分を備える。具体的に、本実施形態の延設部9の保持体5の上面を覆う部分は全て、厚み方向Aに透光性を有する部分により構成されている。より具体的に、本実施形態の延設部9はシート状であり、延設部9は任意の位置で、その厚み方向に透光性を有している。但し、延設部9は、例えば、保持体5の上面を覆う位置の一部のみに、厚み方向に透光性を有する部分を備える構成であってもよい。
押圧体4の拡張部8及び延設部9の構成材料としては、例えば、軟質ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エチレン-酢酸ビニル共重合体(EVA)、シリコーン、またはこれらのうち任意の材料を混合した、可撓性を有する材料を用いることができる。
保持体5は、扁平で平面視が略四角形状を有する本体部31と、この本体部31から上方向A2に突設されており、対向して配置されている一対の把持板部32と、を備える。
本体部31には、上述した貫通孔5aが形成されている。また、本体部31は、押圧体4の延設部9の係止孔9bに嵌合する上述の係止突起5bを備える。上述の押圧体4の拡張部8は、本体部31の中央部の下面側に配置されている。
また、本体部31は、貼着シート2の取付面12に固定されている。具体的に、本体部31の下面の外縁部のみが、平面視で略C字形状の貼着シート2の取付面12に対して固定されている。本体部31の下面の中央部は、貼着シート2に覆われていない。そのため、本体部31の下面の中央部は、貼着シート2の取付面12に対して固定されていない。
また、保持体5の本体部31には、医療従事者が圧迫デバイス1を生体表面上に取り付ける際に、取り付け位置を医療従事者に誘導する目印が設けられている。本実施形態の圧迫デバイス1は、この目印の1つとして線分マーカ7aを備える。本実施形態では、線分マーカ7aを設けることで、押圧体4の拡張部8により押圧されて圧迫されるべき生体表面上の圧迫位置を、拡張部8により適切に圧迫できる。具体的に、本実施形態の線分マーカ7aは、後述する枠線マーカ7b1内で特に高い圧迫力を得られる位置を示している。また、本実施形態の線分マーカ7aは、平面視において押圧体4の拡張部8と重なる位置に設けられている。そのため、線分マーカ7aを、平面視で生体表面上の所定の圧迫位置と重なるように位置合わせした状態で、圧迫デバイス1を生体表面上に取り付ける。これにより、生体表面上の所定の圧迫位置を、拡張部8により適切に圧迫できる。つまり、線分マーカ7aを設けることで、圧迫デバイス1を生体表面上の適切な位置に容易に位置決めできる。
線分マーカ7aは、例えば、保持体5の本体部31の上面の一部を、色素が混錬された樹脂、着色塗料などにより構成することで実現可能である。線分マーカ7aの色は特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることで、医療従事者等は、線分マーカ7aを血液や生体表面上で容易に視認できる。また、線分マーカ7aは、保持体5の上面から突出する凸部、又は、保持体5の上面に形成されている溝部等の凹部、により構成されてもよい。
また、保持体5は、線分マーカ7aが設けられている位置において、厚み方向Aに透光性を有することが好ましい。つまり、保持体5は、線分マーカ7aが設けられている位置において、厚み方向Aに半透明又は透明であることが好ましい。このようにすることで、医療従事者は、線分マーカ7aと、この線分マーカ7aと位置合わせすべき生体表面上の位置と、の重なり度合いを視認し易い。
更に、保持体5は、平面視で線分マーカ7aと隣接する位置において、厚み方向Aに透光性を有することが好ましい。つまり、保持体5は、平面視で線分マーカ7aと隣接する位置において、厚み方向Aに半透明又は透明であることが好ましい。このようにすることで、医療従事者は、線分マーカ7aが生体表面上の所定位置に重なるように、圧迫デバイス1を生体表面に沿って移動させる動作を行う際に、線分マーカ7aの周囲の透光性を有する部分を通じて生体表面上の位置を視認しながら、圧迫デバイス1を移動させることができる。つまり、保持体5の本体部31の線分マーカ7aの周囲が、厚み方向Aに透光性を有する部分で構成されることで、圧迫デバイス1を生体表面上の適切な位置に取り付ける操作が、より容易になる。
また、本実施形態の保持体5は、上述の線分マーカ7aに加えて、厚み方向Aで見た平面視において線分マーカ7aを取り囲む所定の領域を区画する領域マーカ7bを備える。本実施形態の保持体5は、領域マーカ7bとして、枠線マーカ7b1を備える。本実施形態の領域マーカ7bは、圧迫デバイス1が生体表面上に取り付けられている状態で、圧迫部材3が生体表面を第1所定値以上の圧迫力で圧迫可能な領域を表している。そして、本実施形態の線分マーカ7aは、領域マーカ7bにより識別可能な所定の領域内で、特に高い圧迫力を必要とする医療用挿入部材100(図8A参照)を位置合わせするための基準位置を示している。つまり、本実施形態の線分マーカ7aは、圧迫デバイス1が生体表面上に取り付けられている状態で、圧迫部材3が生体表面を上述の第1所定値より大きい第2所定値以上の圧迫力で圧迫可能な位置を表している。すなわち、領域マーカ7bは、第1所定値以上の圧迫力で圧迫可能な領域を示し、線分マーカ7aは、第1所定値よりも大きい第2所定値の圧迫力で圧迫可能な位置を示している。したがって、本実施形態では、例えば太径のシースなど、高い圧迫力が必要となる医療用挿入部材100(図8A参照)は、領域マーカ7bの中で、線分マーカ7aを利用して位置合わせされることが好ましい。上述した第1所定値、第2所定値などの圧迫力は、圧迫デバイス1が生体表面上に適切に取り付けられている状態で、圧迫デバイス1の所定の使用条件に沿って使用した場合に測定される値を意味する。「所定の使用条件」とは、例えば、圧迫デイバス1の後述する拡張部8を拡張させるために流体量など、圧迫デバイス1を製造又は販売する者が定めている条件を意味する。
線分マーカ7aに加えて、上述の領域マーカ7bを設けることで、図8Bの左側の二点鎖線の枠内に拡大して例示するように、生体内に複数(図8Bの左側の二点鎖線枠内では3本)の医療用挿入部材100が挿入されている場合であっても、すべての挿入部分100aが領域マーカ7bの領域内に収まるように位置合わせできる。これにより、圧迫デバイス1を、複数の医療用挿入部材100の全ての挿入部分100aを所定の圧迫力で圧迫可能な生体表面BS上の適切な位置に、容易に取り付けることができる。
保持体5は、厚み方向Aで見た平面視で領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1により区画される所定の領域内で、少なくとも線分マーカ7aが設けられていない位置において、厚み方向Aに透光性を有することが好ましい。つまり、保持体5は、厚み方向Aで見た平面視で領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1により区画される所定の領域内で、少なくとも線分マーカ7aが設けられていない位置において、厚み方向Aに半透明又は透明であることが好ましい。このようにすることで、医療従事者は、線分マーカ7aが生体表面上の所定位置に重なるように、圧迫デバイス1を生体表面に沿って移動させる動作を行う際に、領域マーカ7b(本実施形態では枠線マーカ7b1)により区画される所定の領域内の透光性を有する部分を通じて生体表面上の位置を視認しながら、圧迫デバイス1を移動させることができる。つまり、保持体5の本体部31の領域マーカ7bにより区画される所定の領域内が、厚み方向Aに透光性を有する部分で構成されることで、圧迫デバイス1を生体表面上の適切な位置に取り付ける操作が、より容易になる。上述したように、保持体5は、線分マーカ7aが設けられている位置においても、厚み方向Aに透光性を有することが好ましい。
上述したように、本実施形態の領域マーカ7bは、厚み方向Aで見た平面視において、線分マーカ7aの周囲を取り囲む枠線マーカ7b1である。保持体5は、枠線マーカ7b1が設けられている位置において、厚み方向Aに透光性を有することが好ましい。つまり、保持体5は、枠線マーカ7b1が設けられている位置において、厚み方向Aに半透明又は透明であることが好ましい。このようにすることで、医療従事者は、枠線マーカ7b1と、この枠線マーカ7b1と位置合わせすべき生体表面上の位置と、の重なり度合いを視認し易い。
更に、保持体5は、厚み方向Aで見た平面視で領域マーカ7b(本実施形態では枠線マーカ7b1)の外側に隣接する位置において、厚み方向Aに透光性を有することが好ましい。つまり、保持体5は、厚み方向Aで見た平面視で領域マーカ7b(本実施形態では枠線マーカ7b1)の外側に隣接する位置において、厚み方向Aに半透明又は透明であることが好ましい。このようにすることで、医療従事者は、線分マーカ7aが生体表面上の所定位置に重なるように、圧迫デバイス1を生体表面に沿って移動させる動作を行う際に、領域マーカ7b(本実施形態では枠線マーカ7b1)により区画される所定の領域の外側の位置において、透光性を有する部分を通じて生体表面上の位置を視認しながら、圧迫デバイス1を移動させることができる。つまり、保持体5の本体部31の領域マーカ7bにより区画される所定の領域の外側に隣接する位置が、厚み方向Aに透光性を有する部分で構成されることで、圧迫デバイス1を生体表面上の適切な位置に取り付ける操作が、より容易になる。
本実施形態の枠線マーカ7b1などの領域マーカ7bは、例えば、保持体5の本体部31の上面の一部を、色素が混錬された樹脂、着色塗料などにより構成することで実現可能である。領域マーカ7bの色は特に限定されないが、緑色系が好ましい。緑色系にすることで、医療従事者等は、領域マーカ7bを血液や生体表面上で容易に視認できる。そのため、領域マーカ7bを利用して、生体表面上の圧迫位置に拡張部8を位置合わせすることが、より容易になる。また、領域マーカ7bを枠線マーカ7b1とする場合は、保持体5の上面から突出する凸部、又は、保持体5の上面に形成されている溝部等の凹部、により構成されてもよい。
本実施形態の領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1は矩形状であるが、この形状は特に限定されない。枠線マーカ7b1は、例えば、円形状、オーバル状、四角以外の多角形状であってもよい。また、本実施形態の枠線マーカ7b1は、保持体5の貫通孔5aで一部が分断されているが、この構成に限られない。枠線マーカ7b1は、貫通孔5aに対して受入部6側と反対側のみに設けられていてもよい。
本実施形態の保持体5は、領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b1を備えるが、領域マーカ7bはこの構成に限られない。領域マーカ7bは、所定の色で塗りつぶされた領域の外縁により、所定の領域を縁取る構成であってもよい。
上述したように、本実施形態の押圧体4の拡張部8及び延設部9についても、厚み方向Aに透光性を有する部分から構成されている。本実施形態の圧迫デバイス1では、押圧体4の延設部9、保持体5の線分マーカ7a、領域マーカ7b(本実施形態では枠線マーカ7b1)及びこれらの周囲、並びに、押圧体4の拡張部8が、厚み方向Aに積層されている。以下、この部分を「積層部分」と呼ぶ。本実施形態の積層部分は、透光性を有する部分が積層されて構成されていることが好ましい。このようにすることで、本実施形態の圧迫デバイス1では、押圧体4の延設部9、保持体5の線分マーカ7a、領域マーカ7b及びこれらの周囲、並びに、押圧体4の拡張部8、を通じて厚み方向Aの一方側から他方側を視認することができる。その結果、本実施形態の圧迫デバイス1によれば、線分マーカ7a及び領域マーカ7bの生体表面上での位置合わせが、より容易となる。このように、積層部分の全てが透光性を有する部分で構成される場合は、線分マーカ7a及び領域マーカ7bは、平面視において積層部分の他の全ての層に対して識別可能な態様であることが好ましい。このようにすることで、線分マーカ7a及び領域マーカ7bの生体表面上での位置合わせが、より一層容易となる。
本実施形態の線分マーカ7a、及び、領域マーカ7bとしての枠線マーカ7b、は保持体5の本体部31の上面に設けられている。そのため、本実施形態の線分マーカ7a及び領域マーカ7bは、圧迫デバイス1を操作中の医療従事者にとって視認し易い。但し、線分マーカ7a及び領域マーカ7bは、保持体5の内部に設けられていてもよい。更に、線分マーカ7a及び領域マーカ7bは、保持体5の本体部31の下面に設けられてもよい。線分マーカ7a及び領域マーカ7bを保持体5の下面に設ける構成の詳細は後述する(図9参照)。
線分マーカ7a及び領域マーカ7bを設ける方法は特に限定されないが、例えば、印刷、融着、接着、一体成形等を利用することができる。
また、本実施形態の線分マーカ7aは、平面視で、一対の把持板部32の間の位置に設けられている。このようにすることで、圧迫デバイス1を操作する医療従事者は、一対の把持板部32を両側から挟み込むようにして把持した状態において、線分マーカ7aを視認し易い。そのため、圧迫デバイス1の操作性が向上する。より具体的に、本実施形態では、線分マーカ7aの全部が、平面視で一対の把持板部32の間に配置されている。
一対の把持板部32は、医療従事者により把持される。このような一対の把持板部32を設けることで、圧迫デバイス1を持ち易くなる。そのため、医療従事者にとっての操作性を向上させることができる。
本実施形態の保持体5の材料としては、例えば樹脂材料が挙げられる。この樹脂材料としては、例えば、ABS樹脂、AS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリフェニレンオキサイド、熱可塑性ポリウレタン、ポリメチレンメタクリレート、ポリオキシエチレン、フッ素樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、アセタール樹脂、アクリル樹脂、ポリエチレンテレフタレート等の射出成形で用いられる熱可塑性樹脂や、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、不飽和ポリエステル等の熱硬化性樹脂等が挙げられる。
保持体5のうち少なくとも本体部31の中央部は、超音波透過性を有する材料で形成されることが好ましい。また、上述した押圧体4についても、超音波透過性を有する材料で形成されることが好ましい。また、押圧体4の拡張部8の収容空間8aに供給される流体についても、水やゲル等の超音波透過性を有する流体を用いる。このようにすれば、圧迫デバイス1による血管の閉塞状態を、超音波装置により検出できる。この詳細は後述する。
<圧迫デバイス1を用いて行う圧迫方法>
次に、本開示に係る圧迫デバイス1の貼着方法の一例を含む、圧迫デバイス1を用いて行う生体表面の圧迫方法について説明する。図7は、生体表面の圧迫方法の一例を示すフローチャートである。図7に示す圧迫方法は、貼着工程S1と、第1圧迫工程S2と、抜去工程S3と、第2圧迫工程S4と、を含む。図8A、図8Bは、貼着工程S1の概要を示す図である。図8Cは、第1圧迫工程S2の概要を示す図である。図8Dは、抜去工程S3の概要を示す図である。図8Eは、第2圧迫工程S4の概要を示す図である。
図7、図8A~図8Eに例示する圧迫方法は、生体表面BSを圧迫することで、静脈を閉塞することなく、生体表面から静脈まで通じる穿孔を、狭窄又は閉塞する、圧迫方法である。穿孔は、生体表面BSから結合組織を通じて、例えば大腿静脈などの静脈内に挿入されている状態の医療用挿入部材100としてのシースを抜去することで形成される。ここで示す圧迫方法により、医療用挿入部材100としてのシースを抜去した後の止血を行うことができる。まず、医療用挿入部材100を抜去した後に形成される穿孔について図11Aおよび図11Bを参照して説明する。図11Aは、医療用挿入部材100としてのシースが生体表面BSから結合組織CTを通じて、大腿静脈FV内に挿入されている状態を示している。図11Aでは、医療用挿入部材100としてのシースを3本示しているが、2本以下であってもよく、4本以上であってもよい。図11Bは、図11Aに示す状態から医療用挿入部材100としてのシースを抜去した後の状態を示している。図11Bに示すように、医療用挿入部材100としてのシースを抜去することで、生体表面BSと大腿静脈FVとの間に穿孔Pが形成される。図7、図8A~図8Eに示す圧迫方法では、大腿静脈FVを閉塞することなく、穿孔Pを狭窄又は閉塞することができる。そのため、生体表面から深い位置にある静脈からの出血の止血を行う場合であっても、その静脈自体を狭窄又は閉塞する必要がなく、より効率的に止血を行うことができる。以下、図8A~図8Eを参照して、各工程S1~S4の詳細について説明する。
図8Aは、生体表面BSから大腿静脈FV(図11A、図11B参照)内に医療用挿入部材100としてのシースが挿入されている状態を示している。図8Bでは、医療用挿入部材100としてのシースが生体内に挿入されている状態で、生体表面BS上の所定位置への圧迫デバイス1の取り付けを完了した状態を示している。また、図8Bでは、線分マーカ7aと、医療用挿入部材100の挿入部分100aと、の平面視での位置合わせの詳細を、二点鎖線の枠内に拡大して示している。図8A、図8Bでは、貼着面11から剥離シートを剥離した後の、圧迫デバイス1の使用状態を示している。
図8A、図8Bに示すように、圧迫デバイス1は、貼着シート2の貼着面11を生体表面に貼着することで、生体表面に取り付けられる。具体的には、図8Bに示すように、生体表面BSから生体内に挿入されている医療用挿入部材100としてのシースの生体表面BSから外部に露出する部分が受入部6で受け入れられた状態で、貼着シート2は生体表面BSに貼着される。更に、図8Bに示すように、医療用挿入部材100としてのシースのうち生体表面BSと同一面に位置する挿入部分100aの一部は、線分マーカ7aに位置合わせされる(図8Bの二点鎖線の枠内参照)。このように位置合わせされた状態で、貼着シート2は生体表面BSに貼着される。
より具体的には、図8Bに示すように、本実施形態では、医療用挿入部材100としてのシースのうち生体表面BSと同一面に位置する挿入部分100aの全部が、領域マーカ7b内に位置合わせされる。このように位置合わせされた状態で、貼着シート2は生体表面BSに貼着される。このような領域マーカ7bを設けることで、図8Bの左側の二点鎖線の枠内に拡大して例示するように、生体内に複数(図8Bの左側の二点鎖線枠内では3本)の医療用挿入部材100が挿入されている場合であっても、すべての挿入部分100aが領域マーカ7bの領域内に収まるように位置合わせすることができる。これにより、圧迫デバイス1を、複数の医療用挿入部材100の全ての挿入部分100aを所定の圧迫力で圧迫可能な生体表面BS上の適切な位置に、容易に取り付けることができる。また、図8Bに示すように、本実施形態では、外径が所定値未満の細いシースなどについては、領域マーカ7b内で線分マーカ7aには位置合わせせず(図8Bの左側の二点鎖線の枠内参照)、外径が所定値以上の太いシースなどについて、挿入部分100aの外面の一部が領域マーカ7b内で線分マーカ7aに位置合わせされる(図8Bの左側及び右側の二点鎖線の枠内参照)。上述したように、本実施形態の線分マーカ7aは、領域マーカ7bの領域内で特に高い圧迫力を得られる位置を示している。そのため、例えば高い圧迫力が求められる太径のシース等であっても、所定の圧迫力を確保できる。また、例えば、高い圧迫力が求められる太径のシースと、これより細い細径のシースと、が両方含まれている場合(図8Bの左側の二点鎖線の枠内参照)であっても、太径のシースを領域マーカ7b内で線分マーカ7aに位置合わせし、細径のシースを領域マーカ7b内で線分マーカ7aに位置合わせしないことで、領域マーカ7b内での圧迫力の違いに基づき、各シースに求められる所望の圧迫力をそれぞれ実現できる。このように各種の位置合わせが行われた後に、貼着シート2は生体表面BSに貼着される。線分マーカ7a及び領域マーカ7bを共に設けることで、医療用挿入部材100の外径や数、必要な圧迫力に応じて、圧迫デバイス1を生体表面BS上のより適切な位置に、取り付けることができる。
上述したように、線分マーカ7aは、厚み方向Aで見た平面視において弧状に延在する。したがって、本実施形態では、医療用挿入部材100の挿入部分100aの外面の一部が、平面視で、線分マーカ7aに接する又は重なるように位置合わせされる。圧迫デバイス1は、このように位置合わせされた状態で、生体表面BS上に取り付けられる。
次に、図8Cに示すように、チューブ28の接続部29に流体供給器具としてのシリンジ30を接続する。チューブ28を通じて、圧迫デバイス1の押圧体4の拡張部8の収容空間8a(図6参照)に対して空気を供給し、拡張部8を拡張させる。このようにすることで、医療用挿入部材100としてのシースを生体表面BSから抜去する前に、生体表面BSの傷口近傍を、予め圧迫することができる。換言すれば、医療用挿入部材100としてのシースが生体表面BSから結合組織CT(図11A、図11B参照)を通じて静脈としての大腿静脈FV内に挿入されている状態で生体表面BSの圧迫を開始する。このように、医療用挿入部材100を生体表面BSから抜去する前に圧迫しておく。これにより、医療用挿入部材100としてのシースの抜去直後に、生体表面BSを圧迫することができる。そのため、生体表面BSから大腿静脈FV(図11A、図11B参照)まで延在する穿孔P(図11B参照)を、シースの抜去直後に、狭窄又は閉塞することができる。
次に、図8Dに示すように、医療用挿入部材100としてのシースを生体表面BSから抜去する。このシースの抜去により、図11Bで示す穿孔Pが形成される。仮に、この状態で生体表面BSを全く圧迫しない場合は、大腿静脈FVから穿孔Pおよび生体表面BS上の傷口を通じて、生体外に出血する。しかしながら、ここで示す圧迫方法では、図8Cに示すように、医療用挿入部材100としてのシースを生体表面BSから抜去する前に、予め生体表面BSを圧迫しておく。そのため、シースを抜去した直後に、穿孔P(図11B参照)を狭窄又は閉塞するように、生体表面BSを圧迫でき、シースの抜去直後における出血量を抑制することができる。
次に、図8Eに示すように、チューブ28の接続部29に流体供給器具としてのシリンジ30を再び接続する。チューブ28を通じて、圧迫デバイス1の拡張部8の収容空間8aに対して、再び空気を供給して加圧する、又は、空気を抜いて減圧する。換言すれば、医療用挿入部材100としてのシースを抜去後に生体表面BSの圧迫力を調整する。これにより、生体表面BSの圧迫力を調整して、大腿静脈FV(図11A、図11B参照)を閉塞することなく、穿孔P(図11B参照)を更に狭窄又は閉塞させることで、出血量を大きく低減させる又は出血を止める、ことができる。
より具体的に、シース抜去後に出血が確認された場合には、止血が達成されるまで圧迫力をゆっくり高めて加圧する。これに対して、シース抜去後に止血が確認された場合には、出血が確認されるまで圧迫力をゆっくり低下させて減圧する。そして、出血が確認された後に、止血が達成されるまで圧迫力をゆっくり高めて加圧する。このようにすることで、過加圧による大腿静脈FV(図11A、図11B参照)の閉塞を防止することができる。
また、生体表面BSが適切に圧迫されているか否かを、超音波装置を用いて検出してもよい。具体的に、押圧体4及び保持体5を、超音波透過性を有する材料で形成し、押圧体4の拡張部8に水等の超音波透過性を有する流体を供給する構成とすることで、圧迫デバイス1による圧迫状態を、超音波により診断できる。つまり、超音波装置により、大腿静脈FV(図11A、図11B参照)が閉塞されているか否かを検出することができる。超音波装置による診断結果に基づき、圧迫デバイス1の圧迫力を調整してもよい。
そのまま、数時間(例えば2~6時間)、圧迫状態を維持することで、止血を完了することができる。止血完了後は、貼着シート2の貼着面11を生体表面BSから剥離することで、圧迫デバイス1を生体表面BSから取り外す。
ここで示す圧迫方法は、大腿静脈FV(図11A、図11B参照)を閉塞せずに、穿孔P(図11B参照)を狭窄又は閉塞する。静脈の止血の場合には、穿孔P(図11B参照)の狭窄又は閉塞により、止血を行うことができる。これに対して、例えば、大腿動脈の止血の場合には、穿孔のみを閉塞しても、結合組織CT(図11A、図11B参照)内に血液が漏れ拡がるため、止血することができない。大腿動脈の止血の場合には、動脈自体を狭窄又は閉塞するほど強く圧迫する方法、動脈壁の孔を塞ぐ方法等、大がかりな対応が必要になる。
したがって、上述の圧迫方法では、生体表面BSを、生体表面BSからの圧迫深さが5mm~20mmとなる位置まで圧迫することが好ましい。圧迫深さを上記範囲とすることで、静脈を閉塞することなく、穿孔P(図11B参照)を狭窄又は閉塞する圧迫状態を実現し易い。圧迫深さは、5mm~15mmとすることがより好ましく、8mm~12mmとすることが更に好ましい。
更に、上述の圧迫方法では、生体表面BSを、生体表面BSから10g/cm2~600g/cm2で圧迫することが好ましい。この圧迫圧力は、医療用挿入部材100としてのシースを抜去した後の圧力であり、上述したシース抜去前の圧迫力を意味しない。圧迫圧力を上記範囲とすることで、静脈を閉塞することなく、穿孔P(図11B参照)を狭窄又は閉塞する圧迫状態を実現し易い。圧迫圧力は、50g/cm2~400g/cm2とすることがより好ましく、100g/cm2~300g/cm2とすることが更に好ましい。
また、生体表面BSを、穿孔P(図11B参照)の延在方向に対して直交する方向に沿って圧迫することが好ましい。「穿孔の延在方向に対して直交する方向に沿って圧迫する」とは、穿孔の延在方向に対して直交する方向のみに圧迫することに限らず、穿孔の延在方向に対して直交する方向に対して所定角度以下(例えば30度以下)の角度で傾斜する方向に圧迫することをも含む意味である。本実施形態の圧迫デバイス1は、生体表面BSを、穿孔P(図11B参照)の延在方向に対して直交する方向に沿って圧迫することができる。
具体的に、本実施形態の押圧体4の拡張部8は、上述したように、厚み方向Aに対して傾斜する方向に向かって拡張可能である。このようにすることで、生体表面を、穿孔P(図11B参照)の延在方向に対して直交する方向に沿って圧迫することができる。具体的に、図11A、図11Bに示すように、医療用挿入部材100としてのシースは、生体表面BSに対して直交する方向(厚み方向Aと同じ方向)ではなく、生体表面BSに対して直交する方向に対して一方側に傾斜した方向に挿入される。そのため、図11Bに示すように、穿孔Pの延在方向についても生体表面BSに直交する方向に対して傾斜する。したがって、生体表面BSに対して直交する方向となる厚み方向Aに対して、穿孔Pの延在方向とは逆側に傾斜する方向(以下、「傾斜方向F」と記載する場合がある。)に拡張可能な拡張部8とすれば、穿孔Pの延在方向に対して直交する方向に沿って生体表面BSを圧迫し易くなる。これにより、図11A、図11Bの大腿静脈FV等の静脈を閉塞せずに穿孔Pを狭窄又は閉塞する圧迫デバイス1を実現し易い。図12は、圧迫デバイス1により、図11Bに示す穿孔Pを狭窄又は閉塞している状態を示す図である。図12に示すように、圧迫デバイス1によれば、大腿静脈FV等の静脈を、より閉塞せずに、穿孔Pを、より狭窄又は閉塞し易くなる。
図7、図8A~図8Eに示す圧迫方法によれば、穿孔P(図11B参照)を、大腿静脈FVなどの静脈を閉塞することなく、狭窄又は閉塞することで、止血を行うことができる。特に、圧迫デバイス1により上述の圧迫方法を実現することで、医療従事者の手による圧迫や、大がかりな止血器具の使用などを不要にし、簡単な方法で止血を行うことができる。
<圧迫デバイス1による生体表面への圧迫>
図12に示すように、圧迫デバイス1において、圧迫部材3の押圧体4の拡張部8は、貼着シート2を生体に装着している状態で、生体表面BSに垂直な垂直方向(図12では厚み方向Aと同じ方向であり、図12の上下方向。以下、単に「垂直方向」と記載する。)に対して傾斜する傾斜方向Fに向かって、生体表面を圧迫可能である。このようにすることで、図12に示すように、大腿静脈FV等の静脈を閉塞せずに穿孔Pを狭窄又は閉塞し易くなる。
図13は、図12に示す状態を、生体表面BS側から見た正面図である。換言すれば、図13は、生体表面BSのうち、圧迫デバイス1により圧迫される位置での正面視を示している。ここで「生体表面のうち、圧迫デバイスにより圧迫される位置での正面視」とは、生体表面のうち、圧迫デバイスにより圧迫される対象となる部分を、圧迫前の当該部分に対して垂直な方向から見た状態を意味する。図13では、鼠径部の正面視を示している。図13に示す正面視において、生体表面BSが圧迫される方向(図13の白抜き矢印「AR1」参照)は、穿孔Pの延在方向Gのうち生体表面BSから静脈に向かうシースの挿入方向G1(図13の白抜き矢印「AR2」参照)と対向している。つまり、圧迫デバイス1が生体表面BSを圧迫する方向は、図13に示す正面視で、シースの挿入方向G1と対向している。このようにすることで、大腿静脈FV等の静脈を閉塞せずに穿孔P(図11B、図12参照)を狭窄又は閉塞し易くなる。
換言すれば、図12に示すように、穿孔Pの延在方向Gは、生体表面BSに対して傾斜しており、かつ、生体表面BSに垂直な垂直方向(図12では上下方向)に対しても傾斜している。また、図12に示すように、圧迫デバイス1による生体表面BSの圧迫方向についても、生体表面BSに対して傾斜しており、かつ、生体表面BSに垂直な垂直方向(図12では上下方向)に対しても傾斜している。更に、図12に示すように、穿孔Pの延在方向Gは、上記垂直方向(図12では上下方向)に対して、圧迫デバイス1による生体表面の圧迫方向としての傾斜方向Fとは逆側に傾いている。つまり、圧迫デバイス1による生体表面の圧迫は、その圧迫方向が穿孔Pの延在方向Gと交差して交わるように、実行される。これにより、穿孔Pを効率的に狭窄又は閉塞することができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態としての圧迫デバイス301について説明する。ここでは上述の圧迫デバイス1(図1等参照)との相違点について主に説明し、共通する構成については説明を省略する。
図9は、本実施形態の圧迫デバイス301のうち押圧体4(図1等参照)を取り除いた状態での下面図である。本実施形態の圧迫デバイス301は、上述した圧迫デバイス1と比較して、線分マーカ及び領域マーカの保持体に設けられている位置が相違する。
本実施形態の線分マーカ307a及び領域マーカ307bは、保持体305の下面に設けられている。図10は、保持体305の下面に設けられる線分マーカ307aに対して、医療用挿入部材100のうち生体表面と同一面上に位置する挿入部分100aの外面の一部を位置決めした状態を説明するための模式図である。換言すれば、図10は、保持体305の下面に設けられる線分マーカ307aによる効果を説明するための模式図である。図10では、説明の便宜上、保持体305の上面に設けられる線分マーカ1007aを比較のため示している。図10に示すように、保持体305の下面に線分マーカ307aを設けることで、保持体305の上面に線分マーカ1007aを設ける構成と比較して、厚み方向Aにおける保持体305の厚みに起因する位置ずれの発生を抑制できる。つまり、保持体305の上面に線分マーカ1007aが設けられていると、線分マーカ1007aは、保持体305の下面側の生体表面と、少なくとも保持体305の厚み分だけ離間している。そのため、平面視からずれた誤った視点(例えば図10に示す視点PV)で、線分マーカ1007aを生体表面上の所定位置に位置合わせすると、生体表面の面内方向Hにおいて、線分マーカ1007aと、生体表面上の所定位置(図10では挿入部分100aの外面の一部)と、が位置ズレしている場合がある。これに対して、本実施形態では、保持体305の下面に線分マーカ307aが設けられているため、視点の相違による上記位置ズレが発生し難くなる。つまり、線分マーカ307aを保持体305の下面に設けることで、圧迫デバイス301を生体表面上の適切な位置に、より取り付け易くなる。図10では、説明の便宜上、線分マーカ307aのみについて保持体305の下面に設けられる効果を説明したが、領域マーカ307bについても同様であり、ここでは説明を省略する。
本実施形態の線分マーカ307aは、保持体305の下面に形成されている弧状に延在する溝部により構成されている。また、本実施形態の領域マーカ307bは、保持体305の下面に形成されている矩形状の溝部により所定の領域を区画する枠線マーカ307b1により構成されている。
本実施形態の領域マーカ307bは、平面視で保持体305の貫通孔305aにより一部分断されているが、この構成に限られない。領域マーカ307bは、平面視で保持体305の貫通孔305aに対して一方側のみに設けられてもよい。
本実施形態の領域マーカ307bとしての枠線マーカ307b1は平面視で矩形状であるが、この形状は特に限定されない。領域マーカ307bとしての枠線マーカ307b1は、平面視で、例えば、円形状、オーバル状、四角以外の多角形状であってもよい。
本開示に係る圧迫デバイス、及び、圧迫でデバイスの貼着方法は、上述した第1実施形態及び第2実施形態に示す具体的な構成及び方法に限られず、請求の範囲の記載を逸脱しない限り、種々の変形・変更が可能である。また、第1実施形態及び第2実施形態に示す圧迫デバイスの各部の構成を組み合わせて構築される圧迫デバイスについても、本開示の技術的範囲に属する。