JP7304178B2 - 立体成型体及びコート層付き金属基材の製造方法 - Google Patents
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Description
本発明の立体成型体は、ガラス粒子を含むため、金属基材の表面に固定して加熱することによって、ガラス粒子が溶融してコート層を形成することができる。
本発明の立体成型体は、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方を含むため、金属基材の表面形状に追従可能な立体形状を維持することができる。
さらに、立体成型体が有機バインダ及びフィブリル繊維の両方を含んでいると、立体成型体が、金属基材の表面形状に追従可能な立体形状を維持しつつ、適当な弾性を有する。立体成型体が適当な弾性を有すると、立体成型体を一時的に変形させることによって、金属基材の形状が複雑な場合であっても、立体成型体を金属基材の表面形状に追従させることができる。
有機バインダの含有量が20重量%以下であると、コート層の気孔率を低くすることができる。
有機バインダのガラス転移温度(Tg)が上記範囲であると、室温において立体成型体が適当な弾性を有し、金属基材の表面形状に追従させやすくなる。
フィブリル繊維の含有量が上記範囲であると、立体成型体の形状を維持しやすくなる。
フィブリル繊維の平均繊維長が上記範囲であると、立体成型体の立体形状を維持しやすくなる。
フィブリル繊維の平均繊維径が上記範囲であると、立体成型体の立体形状を維持しやすくなる。
ヤング率が上記範囲内であると、複雑な形状の金属基材の表面に対しても、立体成型体を固定しやすい。
本発明の立体コート層付き金属基材の製造方法では、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定することができるため、金属基材が複雑な形状を有していても、その表面に所望の厚さのコート層を形成することができる。
このとき、スプレー法のように液垂れが起こらないため、コート層の厚さがばらつくことを抑制することができる。コート層の厚さがばらつくと、応力集中による割れが起こりやすくなるが、コート層の厚さがばらついていないと、応力集中による割れを抑制できる。
また、金属基材の表面形状に合わせた形状の立体成型体を金属基材の表面に固定するだけでよいため、従来の一般的なコーティング法のようにコーティングと焼き付けを何度も繰り返す必要がなく、生産性に優れる。また従来の一般的なコーティング法のように、コーティング時に液垂れを起こすことがないため、コート層の厚みがばらつくことを抑制することができる。
[立体成型体]
本発明の立体成型体について説明する。
図1に示す立体成型体1は、ガラス粒子20、有機バインダ30及びフィブリル繊維40を含んでいる。有機バインダ30は立体成型体1の全体に分散しており、ガラス粒子20及びフィブリル繊維40の周囲を覆っている。立体成型体1は、内部に空洞を有する円筒形状であるため、円筒形状の金属基材の外側表面又は内側表面に均一なコート層を形成することができる。
なお、立体成型体1は、ガラス粒子20と有機バインダ30とで構成されていてもよく、ガラス粒子20とフィブリル繊維40とで構成されていてもよい。
軟化点が300~1000℃の低軟化点ガラスとしては、例えば、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス、ソーダバリウムガラス等が挙げられる。
従って、ガラス粒子は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラスで構成されていることが好ましい。
なお、軟化点は、JIS R 3103-1:2001に規定される方法に基づき、例えば、有限会社オプト企業製の硝子自動軟化点・歪点測定装置(SSPM-31)を用いて測定することができる。
クリスタルガラスは、PbOを含むガラスであり、その種類は特に限定されないが、SiO2-PbO系ガラス、SiO2-PbO-B2O3系ガラス、SiO2-B2O3-PbO系ガラス等が挙げられる。
バリウムガラスとしては、例えば、BaO-SiO2系ガラス等が挙げられる。
これらの中では、アクリル系樹脂がより好ましい。
有機バインダの含有量が20重量%以下であると、コート層の気孔率を低くすることができる。
フィブリル繊維は、繊維同士の絡み合いが強く、表面が毛羽立っているため、ガラス粒子抄造シートを作製するために必要な繊維の含有量を減少させることができる。また、立体成型体の形状を維持しやすくなる。
フィブリル繊維の平均繊維径は特に限定されないが、0.01~10μmであることが好ましい。
従って、フィブリル繊維は、フィブリル状の有機繊維及び/又はフィブリル状の無機繊維を含むことが好ましい。
フィブリル状の有機繊維を得る方法としては、叩解等が挙げられる。
有機天然繊維としては、例えば、綿、麻、絹、羊毛等が挙げられる。
また有機天然繊維としては、木材パルプ、靭皮パルプ、綿パルプ等が好ましい。
木材パルプとしては、N-BKPが好ましい。
靭皮パルプとしては、麻、楮、三椏が好ましい。
有機合成繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられる。
有機繊維は、2種類以上を併用してもよい。
従って、無機繊維は、アルミナ-シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種の無機繊維であることが好ましい。
従って、ガラス繊維は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラス繊維であることが好ましい。
また、ガラス繊維の軟化点は、ガラス粒子を構成するガラスの軟化点よりも高いことが好ましい。
ガラス繊維の軟化点が、ガラス粒子を構成するガラスの軟化点よりも高いと、立体成型体を加熱溶融させる際に軟化点がより高いガラス繊維によってガラス粒子抄造シートの形状が維持されやすい。
結晶性無機材を含んでいると、金属基材とコート層との密着性を向上させることができる。また、コート層の機械的強度を向上させることができる。
結晶性無機材が、二酸化マンガン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロム、又は、酸化ニッケルであると、コート層と金属基材との密着性を向上させることができる。
結晶性無機材が、ジルコニア、イットリア、カルシア、マグネシア、セリア、アルミナ、チタニア、酸化ニオブ、又は、ハフニアであると、コート層の機械的強度を向上させることができる。
またジルコニアは、耐熱性及び耐腐食性に優れるY2O3安定化ジルコニア、CaO安定化ジルコニア、MgO安定化ジルコニア等の安定化ジルコニアであってもよい。
結晶性無機材の含有量は特に限定されないが、1~35重量%であることが好ましい。
ヤング率が上記範囲内であると、複雑な形状の金属基材の表面に対しても、立体成型体を固定しやすい。
立体成型体の表面に金属酸化物含有層又は炭化物含有層が形成されていると、立体成型体を加熱して得られるコート層の表面に金属酸化物を含む金属酸化物層や炭化物を含む炭化物層を形成することができる。
コート層の表面に金属酸化物を含む金属酸化物層が形成されていると、オゾン分解や尿素分解といった機能を発揮することができる。
コート層の表面に炭化物を含む炭化物層が形成されていると、尿素水や水等の付着を防止できる。
この場合、立体成型体の一方の表面に金属酸化物含有層が形成され、金属酸化物含有層の表面に炭化物含有層が形成されていてもよいし、立体成型体の一方の表面に炭化物含有層が形成され、炭化物含有層の表面に金属酸化物含有層が形成されていてもよい。さらには、立体成型体の一方の表面の一部に金属酸化物含有層が形成され、同表面の金属酸化物含有層が形成されていない部分に炭化物含有層が形成されていてもよい。
また、金属酸化物含有層は2層以上形成されていてもよい。
また、炭化物含有層は2層以上形成されていてもよい。
図2(a)~図2(d)は、本発明の立体成型体を製造する方法の一例を模式的に示す斜視図である。
まず、図2(a)に示すように、型200aの外周面に、ガラス粒子抄造シート10を巻きつける。ガラス粒子抄造シート10は、ガラス粒子20、有機バインダ30及びフィブリル繊維40を含む。
続いて、図2(b)に示すように、巻き付けたガラス粒子抄造シート10の外側から、型200b及び型200cによって、型200aに巻き付けたガラス粒子抄造シート10を挟み込み、加圧すると共に有機バインダ30の軟化点以上の温度まで加熱する。有機バインダ30の軟化点以上の温度まで加熱されることによって、図2(c)に示すように、ガラス粒子抄造シート10が所定の形状に成型される。このとき、ガラス粒子抄造シート10の端面同士も一体化して、つなぎ目が消滅する。最後に離型することで、図2(d)に示すように、ガラス粒子抄造シート10を立体成型してなる立体成型体1が得られる。
続いて、ガラス粒子抄造シートについて説明する。
ガラス粒子抄造シートは、加熱溶融させて金属基材の表面にコート層を形成するためのものであって、ガラス粒子と、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方とを含む。
ガラス粒子抄造シートの厚さが2mm以下であると、ガラス粒子抄造シートの可撓性が高く、所望の形状に変形させやすい。
凝集剤としては、例えば、非イオン性ポリアクリルアミド等が挙げられる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法について説明する。
金属基材の表面に立体成型体を固定するだけでよいため、従来の一般的なコーティング法のようにコーティングと焼き付けを何度も繰り返す必要がなく、生産性に優れる。また、従来の一般的なコーティング法のように、コーティング時に液垂れを起こすことがないため、コート層の厚みがばらつくことを抑制することができる。コート層の厚さがばらつくと、応力集中による割れが起こりやすくなるが、コート層の厚さがばらついていないと、応力集中による割れを抑制できる。
図3(a)~図3(c)は、本発明のコート層付き金属基材を製造する方法の一例を模式的に示す斜視図である。
まず、図3(a)及び図3(b)に示すように、立体成型体1の内部に設けられた空間に金属基材50を挿入して、金属基材50の表面に立体成型体1を固定する。この状態で、金属基材50及び立体成型体1を加熱することで、図3(c)に示すように、立体成型体1のガラス粒子が溶融して、金属基材50の表面にコート層70が形成されたコート層付き金属基材100が得られる。
固定工程では、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定する。
立体成型体を金属基材の表面に固定する方法は特に限定されず、コート層を形成した金属基材の表面形状に対応する形状の立体成型体を金属基材の表面に配置するだけでよい。
金属基材の表面形状に対応する形状の立体成型体を金属基材の表面に配置すると、金属基材と立体成型体の摩擦抵抗により、立体成型体は金属基材の表面に固定される。摩擦抵抗が充分ではない場合には、必要に応じて、粘着テープ等を使用してもよい。
立体成型体を2個以上重ねることで、コート層の厚さをより厚くすることができる。
また、コート層の厚さを特に厚くしたい部分に立体成型体を重ねることによって、コート層の厚さを調整することもできる。
また、立体成型体の一方の表面の少なくとも一部に粘着層を形成しておき、該粘着層が金属基材と接触するように立体成型体を金属基材の表面に貼り付けることによって、立体成型体を金属基材の表面に固定してもよい。
さらに、貼り付け対象となる金属基材の外形寸法に対して、立体成型体の内形寸法を少し小さく設計しておくことで、立体成型体が元の形状に戻る復元力を利用して、立体成型体を金属基材の表面に固定してもよい。
コート層形成工程では、金属基材及び立体成型体を加熱してガラス粒子を溶融させて、金属基材の表面にコート層を形成する。
金属基材の表面は、金属基材の外側の表面であってもよく、内側の表面であってもよい。
加熱温度は600~1100℃であることがより好ましい。
立体成型体の表面に金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する工程をさらに備えることで、コート層の表面に金属酸化物を含む層を形成することができ、オゾン分解や尿素分解といった機能を発揮することができる。
固定工程の後に、立体成型体の表面に金属酸化物シートを貼り付けることで、コート層の表面に金属酸化物を含む層を形成することができる。
金属酸化物含有層に酸化ニッケル(NiO、Ni2O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化マンガン(MnO2)のいずれかの粒子が含まれていると、金属酸化物層がオゾン分解機能を発揮することができる。
金属酸化物含有層に酸化タングステン、酸化バナジウム又は酸化モリブデンの粒子が含まれていると、金属酸化物層が尿素分解機能を発揮することができる。
また、組成が異なる2層以上の金属酸化物含有層を、コート層の表面に形成してもよい。
組成が異なる2層の金属酸化物含有層をコート層の表面に形成する場合、例えば、金属酸化物の組成が異なる2つの分散液を、立体成型体の表面に順次吹き付けたあと加熱する方法や、金属酸化物の組成が異なる第1の金属酸化物シート及び第2の金属酸化物シートを、立体成型体の表面に順次貼り付けた後加熱する方法等が挙げられる。
立体成型体の表面に炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する工程をさらに備えることで、コート層の表面に炭化物を含む炭化物層を形成することができる。
また炭化物の表面にはOH基(水酸基)が少ないため、尿素水や水等の付着を防止できる。
従って、炭化物粒子としては、カーボン及び炭化タングステンの少なくとも一方を含むことが好ましい。
また、組成が異なる2種以上の炭化物含有層を、立体成型体の表面に形成してもよい。
また、炭化物含有層は、上記金属酸化物含有層の表面に形成されていてもよい。
固定工程の後に、立体成型体の表面に炭化物シートを貼り付けることで、コート層の表面に炭化物を含む層を形成することができる。
これらの中では、曲面や環状部分を有する形状であることが好ましい。曲面や環状部分を有する形状は、スプレーコートや刷毛塗り等の従来のコーティング法では液だれを起こしやすいため、厚さの厚いコート層を一度で形成できなかったり、形成されたコート層の厚さがばらつきやすいという問題があった。
これに対して、本発明の立体成型体を用いてコート層付き金属基材を製造する場合、厚さのばらつき率を低く抑えることができるため、上述したような形状の金属基材であっても、厚さのばらつき率の小さいコート層を形成することができる。
円筒形状の金属基材の径は、部分ごとに異なっていてもよい。
また、金属基材の形状としては、例えば、長手方向の両端面のうちの一方の端面から他方の端面に向かって、金属基材の径が徐々に変化していく円錐形状、金属基材の径が段階的に変化する形状、金属基材の外側又は内側の表面に突出部を有する形状等であってもよい。
図4(a)に示すように、立体成型体3は略円筒形状であり、長手方向の一方の端部に、段階的に径が変化する部分が設けられている。
立体成型体3は、例えば、図4(b)に示す、立体成型体3と同様に径が段階的に変化する形状を有する金属基材53の表面にコート層を形成することができる。
図5(a)に示すように、立体成型体5は略円筒形状であり、長手方向の中央に、外側に向かって突出する環状の突出部5aが設けられている。突出部5aの内側には凹部が形成されており、立体成型体5の厚さは突出部5aとそれ以外の部分とで同じである。
立体成型体5は、例えば図5(b)に示す、立体成型体5と同様の形状を有する金属基材55の表面に固定して加熱することによって、金属基材55の表面にコート層を形成することができる。金属基材55の外側の表面には環状の突起部55aが設けられているが、立体成型体5にも突起部5aが設けられているため、突起部55aの表面にも、他の部分と同様の厚さのコート層を形成することができる。
金属基材55の突起部55aにおける外径は、立体成型体5の突起部5aが形成されていない部分の内径よりも大きいが、立体成型体5を変形させながら、立体成型体5の内側に金属基材55を挿入することによって、突起部5aと突起部55aの位置をあわせた状態で、立体成型体5を金属基材55の表面に固定させることができる。
金属基材の外側の表面と内側の表面に同時にコート層を形成できるような形状としては、例えば、立体成型体が、金属基材を収容できる溝部を有する形状が考えられる。
金属基材を収容できる溝部を有する形状の立体成型体について、図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。
図6(a)及び図6(b)に示すように、立体成型体7は、外筒61及び内筒63を有し、立体成型体7の長手方向の一方の端面7aから正面視した際に、外筒61、溝60、及び内筒63が外側から順に同心円状に配置されている。外筒61と内筒63は立体成型体7の長手方向の一方の端面7aでは互いに接続されていないが、他方の端面7bで互いに接続されている。
立体成型体7の円筒形の溝60に金属基材50を挿入することによって、金属基材50の外側の表面50a及び金属基材50の内側の表面50bの両方に、それぞれ外筒61及び内筒63を固定することができる。その後金属基材50及び立体成型体3を加熱することによって、金属基材50の外側の表面50a及び内側の表面50bの両方に、一度にコート層を形成することができる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法により製造されるコート層付き金属基材について説明する。
コート層付き金属基材は、金属基材と該金属基材の表面に形成されたコート層とを含む。
コート層の気孔率が20%以下であると、コート層が緻密で機械的強度に優れる。
コート層の厚さのばらつき率は、コート層の厚さを20箇所で測定した際の、最大値及び最小値の平均値に対する割合から求めることができる。すなわち、コート層付き金属基材の切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、20箇所におけるコート層の厚さを測定して平均値、最大値及び最小値を算出する。
最大値と最小値の差が平均値の15%以下であれば、コート層の厚さのばらつき率が15%以下であり、最大値と最小値の差が平均値の10%以下であれば、コート層の厚さのばらつき率が10%以下であるといえる。
金属酸化物層に酸化ニッケル(NiO、Ni2O3)、酸化コバルト(Co2O3)、酸化マンガン(MnO2)のいずれかが含まれていると、オゾン分解機能を発揮することができる。
金属酸化物層に酸化タングステン、酸化バナジウム又は酸化モリブデンが含まれていると、尿素分解機能を発揮することができる。
炭化物の表面にはOH基(水酸基)が少ないため、尿素水や水等の付着を防止できる。また、炭化物層は2層以上形成されていてもよい。
この場合、コート層の表面に金属酸化物層が形成され、金属酸化物層の表面に炭化物層が形成されていてもよいし、コート層の表面に炭化物層が形成され、炭化物層の表面に金属酸化物層が形成されていてもよい。さらには、コート層の表面の一部に金属酸化物層が形成され、金属酸化物層が形成されていないコート層の表面に炭化物層が形成されていてもよい。
5a、55a 突出部
10 ガラス粒子抄造シート
20 ガラス粒子
30 有機バインダ
40 フィブリル繊維
50、53、55 金属基材
60 溝
61 外筒
63 内筒
70 コート層
100 コート層付き金属基材
200a、200b、200c 型
Claims (19)
- 加熱溶融させて金属基材の表面にコート層を形成するためのガラス粒子抄造シートを立体成型してなる立体成型体であって、
前記立体成型体はガラス粒子及び表面が毛羽立ったフィブリル繊維を含むことを特徴とする立体成型体。 - ガラス転移温度(Tg)が-150℃~+25℃である有機バインダをさらに含み、
前記有機バインダの含有量が、20重量%以下である請求項1に記載の立体成型体。 - 前記有機バインダはゴム系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む請求項2に記載の立体成型体。
- 前記ガラス粒子は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラスで構成されている請求項1~3のいずれかに記載の立体成型体。
- 前記フィブリル繊維の含有量が、1~20重量%である請求項1~4のいずれかに記載の立体成型体。
- 前記フィブリル繊維は、フィブリル状の有機繊維を含む請求項1~5のいずれかに記載の立体成型体。
- 前記有機繊維は、有機天然繊維及び有機合成繊維の少なくとも一方を含む請求項6に記載の立体成型体。
- 前記フィブリル繊維は、フィブリル状の無機繊維を含む請求項1~7のいずれかに記載の立体成型体。
- 前記フィブリル繊維の平均繊維長は、200~20000μmである請求項1~8のいずれかに記載の立体成型体。
- 前記フィブリル繊維の平均繊維径は、0.01~10μmである請求項1~9のいずれかに記載の立体成型体。
- 平均厚さが2mm以下である請求項1~10のいずれかに記載の立体成型体。
- ヤング率が0.1~3GPaである請求項1~11のいずれかに記載の立体成型体。
- 前記立体成型体の表面の少なくとも一部には、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層、又は、炭化物粒子を含む炭化物含有層が形成されている請求項1~12のいずれかに記載の立体成型体。
- 金属基材の表面にコート層が形成されたコート層付き金属基材の製造方法であって、
請求項1~13のいずれかに記載の立体成型体を、前記金属基材の表面に固定する固定工程と、
前記金属基材及び前記立体成型体を加熱してガラス粒子を溶融させて、前記金属基材の表面にコート層を形成するコート層形成工程とを含むことを特徴とするコート層付き金属基材の製造方法。 - 前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する工程をさらに含む請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
- 前記固定工程の後に、前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物シートを貼り付ける請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
- 前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する工程をさらに含む請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
- 前記固定工程の後に、前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物シートを貼り付ける請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
- 前記炭化物粒子は、カーボン及び炭化タングステンの少なくとも一方を含む請求項17又は18に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
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