JP7304178B2 - 立体成型体及びコート層付き金属基材の製造方法 - Google Patents

立体成型体及びコート層付き金属基材の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、立体成型体及びコート層付き金属基材の製造方法に関する。
金属等からなる基材に、用途に応じ種々のセラミック原料からなるセラミックコート層を設け、基材に所定の性能・機能を持たせる試みは従来より行われている。
例えば、特許文献1には、電気加熱触媒において、基材である排気管の内表面にガラスを主成分とするセラミックコート層を、スプレー塗布、刷毛塗り等の一般的なコーティング法によって設けることで、排気管と、電気加熱触媒との間の絶縁性を確保する技術が記載されている。
特開2012-167543号公報
しかしながら、特許文献1に記載された一般的なコーティング法では、セラミックコート層の緻密性を向上させ、厚みのばらつきを抑制するために、コーティングと焼き付けを何度も繰り返す必要があり、製造工程が煩雑であった。また、平板ではない金属基材に対しては、曲線部や凹部におけるコート層の厚みがばらついてしまうという問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、立体的な金属基材の表面に、厚さばらつきが小さいコート層を簡便な工程で作製することができる立体成型体を提供することを目的とする。
本発明の立体成型体は、加熱溶融させて金属基材の表面にコート層を形成するためのガラス粒子抄造シートを立体成型してなる立体成型体であって、上記立体成型体はガラス粒子と、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方とを含むことを特徴とする。
本発明の立体成型体は、ガラス粒子を含むため、金属基材の表面に固定して加熱することによって、ガラス粒子が溶融してコート層を形成することができる。
本発明の立体成型体は、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方を含むため、金属基材の表面形状に追従可能な立体形状を維持することができる。
さらに、立体成型体が有機バインダ及びフィブリル繊維の両方を含んでいると、立体成型体が、金属基材の表面形状に追従可能な立体形状を維持しつつ、適当な弾性を有する。立体成型体が適当な弾性を有すると、立体成型体を一時的に変形させることによって、金属基材の形状が複雑な場合であっても、立体成型体を金属基材の表面形状に追従させることができる。
本発明の立体成型体において、上記有機バインダの含有量が、20重量%以下であることが好ましい。
有機バインダの含有量が20重量%以下であると、コート層の気孔率を低くすることができる。
本発明の立体成型体において、上記有機バインダのガラス転移温度(Tg)は、-150℃~+25℃であることが好ましい。
有機バインダのガラス転移温度(Tg)が上記範囲であると、室温において立体成型体が適当な弾性を有し、金属基材の表面形状に追従させやすくなる。
本発明の立体成型体において、上記有機バインダはゴム系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
本発明の立体成型体において、上記ガラス粒子は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラスで構成されていることが好ましい。
本発明の立体成型体において、上記フィブリル繊維の含有量が、1~20重量%であることが好ましい。
フィブリル繊維の含有量が上記範囲であると、立体成型体の形状を維持しやすくなる。
本発明の立体成型体において、上記フィブリル繊維は、フィブリル状の有機繊維を含むことが好ましい。
本発明の立体成型体において、上記有機繊維は、有機天然繊維及び有機合成繊維の少なくとも一方を含むことが好ましい。
本発明の立体成型体において、上記フィブリル繊維は、フィブリル状の無機繊維を含むことが好ましい。
本発明の立体成型体において、上記無機繊維は、アルミナ-シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種の無機繊維であることが好ましい。
本発明の立体成型体において、上記フィブリル繊維の平均繊維長は、200~20000μmであることが好ましい。
フィブリル繊維の平均繊維長が上記範囲であると、立体成型体の立体形状を維持しやすくなる。
本発明の立体成型体において、上記フィブリル繊維の平均繊維径は、0.01~10μmであることが好ましい。
フィブリル繊維の平均繊維径が上記範囲であると、立体成型体の立体形状を維持しやすくなる。
本発明の立体成型体は、平均厚さが2mm以下であることが好ましい。
本発明の立体成型体は、ヤング率が0.1~3GPaであることが好ましい。
ヤング率が上記範囲内であると、複雑な形状の金属基材の表面に対しても、立体成型体を固定しやすい。
本発明の立体成型体において、上記立体成型体の表面の少なくとも一部には、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層、又は、炭化物粒子を含む炭化物含有層が形成されていることが好ましい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法は、金属基材の表面にコート層が形成されたコート層付き金属基材の製造方法であって、本発明の立体成型体を、上記金属基材の表面に固定する固定工程と、上記金属基材及び上記立体成型体を加熱してガラス粒子を溶融させて、上記金属基材の表面にコート層を形成するコート層形成工程とを含むことを特徴とする。
本発明の立体コート層付き金属基材の製造方法では、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定することができるため、金属基材が複雑な形状を有していても、その表面に所望の厚さのコート層を形成することができる。
このとき、スプレー法のように液垂れが起こらないため、コート層の厚さがばらつくことを抑制することができる。コート層の厚さがばらつくと、応力集中による割れが起こりやすくなるが、コート層の厚さがばらついていないと、応力集中による割れを抑制できる。
また、金属基材の表面形状に合わせた形状の立体成型体を金属基材の表面に固定するだけでよいため、従来の一般的なコーティング法のようにコーティングと焼き付けを何度も繰り返す必要がなく、生産性に優れる。また従来の一般的なコーティング法のように、コーティング時に液垂れを起こすことがないため、コート層の厚みがばらつくことを抑制することができる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法においては、上記金属基材と接触しない上記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法においては、上記固定工程の後に、上記金属基材と接触しない上記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物シートを貼り付けることが好ましい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法においては、上記金属基材と接触しない上記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する工程をさらに含むことが好ましい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法においては、上記固定工程の後に、上記金属基材と接触しない上記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物シートを貼り付けることが好ましい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法において、上記炭化物粒子は、カーボン及び炭化タングステンの少なくとも一方を含むことが好ましい。
図1は、本発明の立体成型体の一例を模式的に示す斜視図である。 図2(a)~図2(d)は、本発明の立体成型体を製造する方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図3(a)~図3(c)は、本発明のコート層付き金属基材を製造する方法の一例を模式的に示す斜視図である。 図4(a)は、本発明の立体成型体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す立体成型体を固定する金属基材の一例を模式的に示す斜視図である。 図5(a)は、本発明の立体成型体のさらに別の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す立体成型体を固定する金属基材の一例を模式的に示す斜視図である。 図6(a)は、本発明の立体成型体のさらに別の一例を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)におけるA-A線断面図である。 図7は、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定する方法の一例を模式的に示す断面図である。
(発明の詳細な説明)
[立体成型体]
本発明の立体成型体について説明する。
本発明の立体成型体は、加熱溶融させて金属基材の表面にコート層を形成するためのガラス粒子抄造シートを立体成型してなる立体成型体であって、上記立体成型体はガラス粒子と、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方とを含むことを特徴とする。
図1は、本発明の立体成型体の一例を模式的に示す斜視図である。
図1に示す立体成型体1は、ガラス粒子20、有機バインダ30及びフィブリル繊維40を含んでいる。有機バインダ30は立体成型体1の全体に分散しており、ガラス粒子20及びフィブリル繊維40の周囲を覆っている。立体成型体1は、内部に空洞を有する円筒形状であるため、円筒形状の金属基材の外側表面又は内側表面に均一なコート層を形成することができる。
なお、立体成型体1は、ガラス粒子20と有機バインダ30とで構成されていてもよく、ガラス粒子20とフィブリル繊維40とで構成されていてもよい。
ガラス粒子を構成する材料としては、軟化点が300~1000℃である低軟化点ガラスが好ましい。
軟化点が300~1000℃の低軟化点ガラスとしては、例えば、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス、ソーダバリウムガラス等が挙げられる。
従って、ガラス粒子は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラスで構成されていることが好ましい。
なお、軟化点は、JIS R 3103-1:2001に規定される方法に基づき、例えば、有限会社オプト企業製の硝子自動軟化点・歪点測定装置(SSPM-31)を用いて測定することができる。
硼珪酸ガラスとしては、例えばSiO-B-ZnO系ガラス、SiO-B-Bi系ガラス等が挙げられる。
クリスタルガラスは、PbOを含むガラスであり、その種類は特に限定されないが、SiO-PbO系ガラス、SiO-PbO-B系ガラス、SiO-B-PbO系ガラス等が挙げられる。
バリウムガラスとしては、例えば、BaO-SiO系ガラス等が挙げられる。
ガラス粒子の平均粒子径は特に限定されないが、1~100μmであることが好ましく、1~20μmであることがより好ましい。
ガラス粒子の含有量は、60~98重量%であることが好ましく、80~95重量%であることがより好ましい。
ガラス粒子抄造シートを構成する有機バインダとしては、ゴム系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられ、ゴム系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含むことが好ましい。
これらの中では、アクリル系樹脂がより好ましい。
有機バインダの含有量は、20重量%以下であることが好ましく、10重量%以下であることがより好ましい。
有機バインダの含有量が20重量%以下であると、コート層の気孔率を低くすることができる。
フィブリル繊維の含有量は、1~20重量%であることが好ましい。
フィブリル繊維は、繊維同士の絡み合いが強く、表面が毛羽立っているため、ガラス粒子抄造シートを作製するために必要な繊維の含有量を減少させることができる。また、立体成型体の形状を維持しやすくなる。
フィブリル繊維の平均繊維長は特に限定されないが、200~20000μmであることが好ましく、200~2000μmであることがより好ましい。
フィブリル繊維の平均繊維径は特に限定されないが、0.01~10μmであることが好ましい。
フィブリル繊維としては、フィブリル状の有機繊維及びフィブリル状の無機繊維等が挙げられる。
従って、フィブリル繊維は、フィブリル状の有機繊維及び/又はフィブリル状の無機繊維を含むことが好ましい。
フィブリル状の有機繊維を得る方法としては、叩解等が挙げられる。
有機繊維は、有機天然繊維及び有機合成繊維の少なくとも一方を含むことが好ましい。
有機天然繊維としては、例えば、綿、麻、絹、羊毛等が挙げられる。
また有機天然繊維としては、木材パルプ、靭皮パルプ、綿パルプ等が好ましい。
木材パルプとしては、N-BKPが好ましい。
靭皮パルプとしては、麻、楮、三椏が好ましい。
有機合成繊維としては、例えば、レーヨン、キュプラ、ポリエステル繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ポリウレタン繊維等が挙げられる。
有機繊維は、2種類以上を併用してもよい。
無機繊維としては、アルミナ-シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維等が挙げられる。
従って、無機繊維は、アルミナ-シリカ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ガラス繊維及び生体溶解性繊維からなる群から選択される少なくとも1種の無機繊維であることが好ましい。
ガラス繊維を構成する材料は特に限定されないが、軟化点が300~1000℃である低軟化点ガラスが好ましい。
従って、ガラス繊維は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラス繊維であることが好ましい。
また、ガラス繊維の軟化点は、ガラス粒子を構成するガラスの軟化点よりも高いことが好ましい。
ガラス繊維の軟化点が、ガラス粒子を構成するガラスの軟化点よりも高いと、立体成型体を加熱溶融させる際に軟化点がより高いガラス繊維によってガラス粒子抄造シートの形状が維持されやすい。
立体成型体は、フィブリル繊維とガラス粒子及び有機バインダの他に、結晶性無機材、分散剤、凝集剤等を含んでいてもよい。
結晶性無機材を含んでいると、金属基材とコート層との密着性を向上させることができる。また、コート層の機械的強度を向上させることができる。
結晶性無機材としては、二酸化マンガン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロム、酸化ニッケル、ジルコニア、イットリア、カルシア、マグネシア、セリア、アルミナ、チタニア、酸化ニオブ、及び、ハフニア等が挙げられる。
結晶性無機材が、二酸化マンガン、酸化マンガン、酸化鉄、酸化コバルト、酸化銅、酸化クロム、又は、酸化ニッケルであると、コート層と金属基材との密着性を向上させることができる。
結晶性無機材が、ジルコニア、イットリア、カルシア、マグネシア、セリア、アルミナ、チタニア、酸化ニオブ、又は、ハフニアであると、コート層の機械的強度を向上させることができる。
またジルコニアは、耐熱性及び耐腐食性に優れるY安定化ジルコニア、CaO安定化ジルコニア、MgO安定化ジルコニア等の安定化ジルコニアであってもよい。
結晶性無機材の平均粒子径は特に限定されないが、0.1~150μmであることが好ましい。
結晶性無機材の含有量は特に限定されないが、1~35重量%であることが好ましい。
立体成型体の平均厚さは、2mm以下であることが好ましい。
立体成型体のヤング率は、0.1~3GPaであることが好ましい。
ヤング率が上記範囲内であると、複雑な形状の金属基材の表面に対しても、立体成型体を固定しやすい。
立体成型体の一方の表面には、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層、又は、炭化物粒子を含む炭化物含有層が形成されていることが好ましい。
立体成型体の表面に金属酸化物含有層又は炭化物含有層が形成されていると、立体成型体を加熱して得られるコート層の表面に金属酸化物を含む金属酸化物層や炭化物を含む炭化物層を形成することができる。
コート層の表面に金属酸化物を含む金属酸化物層が形成されていると、オゾン分解や尿素分解といった機能を発揮することができる。
コート層の表面に炭化物を含む炭化物層が形成されていると、尿素水や水等の付着を防止できる。
立体成型体は、一方の表面に、金属酸化物含有層と炭化物含有層の両方が形成されていてもよい。
この場合、立体成型体の一方の表面に金属酸化物含有層が形成され、金属酸化物含有層の表面に炭化物含有層が形成されていてもよいし、立体成型体の一方の表面に炭化物含有層が形成され、炭化物含有層の表面に金属酸化物含有層が形成されていてもよい。さらには、立体成型体の一方の表面の一部に金属酸化物含有層が形成され、同表面の金属酸化物含有層が形成されていない部分に炭化物含有層が形成されていてもよい。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化タングステン、酸化バナジウム及び酸化モリブデン等の粒子が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
また、金属酸化物含有層は2層以上形成されていてもよい。
炭化物粒子としては、カーボン及び炭化タングステン等の粒子が挙げられる。
また、炭化物含有層は2層以上形成されていてもよい。
立体成型体の表面に金属酸化物含有層を形成する方法としては、立体成型体の表面に金属酸化物粒子を直接吹き付ける方法や、金属酸化物粒子を含む分散液を塗布する方法等が挙げられる。また、金属酸化物粒子と有機バインダと水との混合物を、ドクターブレード法によってシート状に成形して得られるシートを、立体成型体の表面に貼り付ける方法であってもよい。
立体成型体の表面に炭化物含有層を形成する方法としては、立体成型体の表面に炭化物粒子を直接吹き付ける方法や、炭化物粒子を含む分散液を塗布する方法等が挙げられる。また、炭化物粒子と有機バインダと水との混合物を、ドクターブレード法によってシート状に成形して得られるシートを、立体成型体の表面に貼り付ける方法であってもよい。
ガラス粒子抄造シートを立体成型する方法は特に限定されないが、熱プレス等が挙げられる。
ガラス粒子抄造シートを熱プレスにより立体成型する方法の一例について、図2(a)~図2(d)を参照しながら説明する。
図2(a)~図2(d)は、本発明の立体成型体を製造する方法の一例を模式的に示す斜視図である。
まず、図2(a)に示すように、型200aの外周面に、ガラス粒子抄造シート10を巻きつける。ガラス粒子抄造シート10は、ガラス粒子20、有機バインダ30及びフィブリル繊維40を含む。
続いて、図2(b)に示すように、巻き付けたガラス粒子抄造シート10の外側から、型200b及び型200cによって、型200aに巻き付けたガラス粒子抄造シート10を挟み込み、加圧すると共に有機バインダ30の軟化点以上の温度まで加熱する。有機バインダ30の軟化点以上の温度まで加熱されることによって、図2(c)に示すように、ガラス粒子抄造シート10が所定の形状に成型される。このとき、ガラス粒子抄造シート10の端面同士も一体化して、つなぎ目が消滅する。最後に離型することで、図2(d)に示すように、ガラス粒子抄造シート10を立体成型してなる立体成型体1が得られる。
ガラス粒子抄造シートを立体成型する際に使用される型の形状、数等は特に限定されず、得たい立体成型体の形状に合わせて適宜設定することができる。
ガラス粒子抄造シートを立体成型する際の温度は、ガラス粒子抄造シートに含まれる有機バインダのガラス転移温度(Tg)を超える温度であればよく、例えば50~300℃が挙げられる。
ガラス粒子抄造シートを立体成型する際の圧力は特に限定されないが、0.5~5MPaであることが好ましい
ガラス粒子抄造シートを立体成型する際は、一度に所望の形状に成型するのではなく、目的の形状に近い形状に一度成型し、さらに別の型を用いて、目的の形状に成型するという2段階以上の成型を経てもよい。
[ガラス粒子抄造シート]
続いて、ガラス粒子抄造シートについて説明する。
ガラス粒子抄造シートは、加熱溶融させて金属基材の表面にコート層を形成するためのものであって、ガラス粒子と、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方とを含む。
ガラス粒子抄造シートを構成するガラス粒子、有機バインダ及びフィブリル繊維は、本発明の立体成型体に含まれるガラス粒子、有機バインダ及びフィブリル繊維と同じである。従って、ガラス粒子抄造シートにおける、ガラス粒子、有機バインダ及びフィブリル繊維の好ましい種類及びこれらの含有量の好ましい範囲は、本発明の立体成型体と同じである。
ガラス粒子抄造シートの厚さは、2mm以下であることが好ましく、1mm以下であることがより好ましい。
ガラス粒子抄造シートの厚さが2mm以下であると、ガラス粒子抄造シートの可撓性が高く、所望の形状に変形させやすい。
ガラス粒子抄造シートは、例えば、水、ガラス粒子に加えて、有機バインダ及びフィブリル繊維の少なくとも一方と、必要に応じて結晶性無機材、分散剤、凝集剤等を含む混合液を成形器に流し込んで脱水、乾燥することで製造することができる。
分散剤としては、ポリカルボン酸及び/又はその塩、ナフタレンスルホン酸塩ホルマリン縮合物及び/又はその塩、ポリアクリル酸及び/又はその塩、ポリメタクリル酸及び/又はその塩、ポリビニルスルホン酸及び/又はその塩、等のアニオン性高分子系分散剤、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール等のノニオン性高分子系分散剤、などの親水性合成高分子物質;ゼラチン、カゼイン、水溶性でんぷん等の天然親水性高分子物質;カルボキシメチルセルロース等の親水性半合成高分子物質等が挙げられる。
凝集剤としては、例えば、非イオン性ポリアクリルアミド等が挙げられる。
[コート層付き金属基材の製造方法]
本発明のコート層付き金属基材の製造方法について説明する。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法は、金属基材の表面にコート層が形成されたコート層付き金属基材の製造方法であって、本発明の立体成型体を上記金属基材の表面に固定する固定工程と、上記金属基材及び上記立体成型体を加熱してガラス粒子を溶融させて、上記金属基材の表面にコート層を形成するコート層形成工程とを含むことを特徴とする。
本発明の立体コート層付き金属基材の製造方法では、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定することができるため、金属基材が複雑な形状を有していても、その表面に所望の厚さのコート層を形成することができる。
金属基材の表面に立体成型体を固定するだけでよいため、従来の一般的なコーティング法のようにコーティングと焼き付けを何度も繰り返す必要がなく、生産性に優れる。また、従来の一般的なコーティング法のように、コーティング時に液垂れを起こすことがないため、コート層の厚みがばらつくことを抑制することができる。コート層の厚さがばらつくと、応力集中による割れが起こりやすくなるが、コート層の厚さがばらついていないと、応力集中による割れを抑制できる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法の一例について、図3(a)~図3(c)を参照しながら説明する。
図3(a)~図3(c)は、本発明のコート層付き金属基材を製造する方法の一例を模式的に示す斜視図である。
まず、図3(a)及び図3(b)に示すように、立体成型体1の内部に設けられた空間に金属基材50を挿入して、金属基材50の表面に立体成型体1を固定する。この状態で、金属基材50及び立体成型体1を加熱することで、図3(c)に示すように、立体成型体1のガラス粒子が溶融して、金属基材50の表面にコート層70が形成されたコート層付き金属基材100が得られる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法を構成する各工程について説明する。
[固定工程]
固定工程では、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定する。
立体成型体を金属基材の表面に固定する方法は特に限定されず、コート層を形成した金属基材の表面形状に対応する形状の立体成型体を金属基材の表面に配置するだけでよい。
金属基材の表面形状に対応する形状の立体成型体を金属基材の表面に配置すると、金属基材と立体成型体の摩擦抵抗により、立体成型体は金属基材の表面に固定される。摩擦抵抗が充分ではない場合には、必要に応じて、粘着テープ等を使用してもよい。
金属基材の表面に固定する立体成型体の数は特に限定されず、コート層が形成したい領域を覆う形状であれば、2個以上の立体成型体を用いてもよい。
固定工程において、立体成型体を2個以上重ねて用いてもよい。
立体成型体を2個以上重ねることで、コート層の厚さをより厚くすることができる。
また、コート層の厚さを特に厚くしたい部分に立体成型体を重ねることによって、コート層の厚さを調整することもできる。
立体成型体は、可燃性のバンドや粘着性テープ等によって、金属基材の表面に固定してもよい。
また、立体成型体の一方の表面の少なくとも一部に粘着層を形成しておき、該粘着層が金属基材と接触するように立体成型体を金属基材の表面に貼り付けることによって、立体成型体を金属基材の表面に固定してもよい。
さらに、貼り付け対象となる金属基材の外形寸法に対して、立体成型体の内形寸法を少し小さく設計しておくことで、立体成型体が元の形状に戻る復元力を利用して、立体成型体を金属基材の表面に固定してもよい。
[コート層形成工程]
コート層形成工程では、金属基材及び立体成型体を加熱してガラス粒子を溶融させて、金属基材の表面にコート層を形成する。
金属基材の表面は、金属基材の外側の表面であってもよく、内側の表面であってもよい。
コート層形成工程における加熱条件は特に限定されないが、400~1100℃で3~120分であることが好ましい。
加熱温度は600~1100℃であることがより好ましい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法では、上記金属基材と接触しない上記立体成型体の表面には、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する工程をさらに備えることが好ましい。
立体成型体の表面に金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する工程をさらに備えることで、コート層の表面に金属酸化物を含む層を形成することができ、オゾン分解や尿素分解といった機能を発揮することができる。
立体成型体の表面に金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する方法としては、例えば、立体成型体の表面に金属酸化物粒子を直接吹き付ける方法や、金属酸化物粒子を含む分散液を塗布する方法等が挙げられる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法では、上記固定工程の後に、固定された上記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物シートを貼り付けることが好ましい。
固定工程の後に、立体成型体の表面に金属酸化物シートを貼り付けることで、コート層の表面に金属酸化物を含む層を形成することができる。
金属酸化物粒子を含む金属酸化物シートは、例えば、金属酸化物粒子と有機バインダと水との混合物を、ドクターブレード法によってシート状に成形することにより得ることができる。
金属酸化物粒子としては、例えば、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化タングステン、酸化バナジウム及び酸化モリブデン等の粒子が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
金属酸化物含有層に酸化ニッケル(NiO、Ni)、酸化コバルト(Co)、酸化マンガン(MnO)のいずれかの粒子が含まれていると、金属酸化物層がオゾン分解機能を発揮することができる。
金属酸化物含有層に酸化タングステン、酸化バナジウム又は酸化モリブデンの粒子が含まれていると、金属酸化物層が尿素分解機能を発揮することができる。
また、組成が異なる2層以上の金属酸化物含有層を、コート層の表面に形成してもよい。
組成が異なる2層の金属酸化物含有層をコート層の表面に形成する場合、例えば、金属酸化物の組成が異なる2つの分散液を、立体成型体の表面に順次吹き付けたあと加熱する方法や、金属酸化物の組成が異なる第1の金属酸化物シート及び第2の金属酸化物シートを、立体成型体の表面に順次貼り付けた後加熱する方法等が挙げられる。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法では、上記金属基材と接触しない上記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する工程をさらに備えることが好ましい。
立体成型体の表面に炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する工程をさらに備えることで、コート層の表面に炭化物を含む炭化物層を形成することができる。
また炭化物の表面にはOH基(水酸基)が少ないため、尿素水や水等の付着を防止できる。
立体成型体の表面に炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する方法としては、例えば、立体成型体の表面に炭化物粒子を直接吹き付ける方法や、炭化物粒子を含む分散液を塗布する方法等が挙げられる。
炭化物含有層を構成する炭化物粒子としては、カーボン及び炭化タングステン等の粒子が挙げられ、2種以上を併用してもよい。
従って、炭化物粒子としては、カーボン及び炭化タングステンの少なくとも一方を含むことが好ましい。
また、組成が異なる2種以上の炭化物含有層を、立体成型体の表面に形成してもよい。
また、炭化物含有層は、上記金属酸化物含有層の表面に形成されていてもよい。
本発明のコート層付き金属基材の製造方法では、上記固定工程の後に、固定された上記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物シートを貼り付けることが好ましい。
固定工程の後に、立体成型体の表面に炭化物シートを貼り付けることで、コート層の表面に炭化物を含む層を形成することができる。
炭化物粒子を含む炭化物シートは、例えば、炭化物粒子と有機バインダと水との混合物を、ドクターブレード法によってシート状に成形することにより得ることができる。
金属基材の形状は、特に限定されず、平板、半円筒、円筒状の他、その断面の外縁の形状は、楕円形、多角形等の任意の形状であってもよい。また、エンジン部材等、所定の部材の形状であってもよい。
これらの中では、曲面や環状部分を有する形状であることが好ましい。曲面や環状部分を有する形状は、スプレーコートや刷毛塗り等の従来のコーティング法では液だれを起こしやすいため、厚さの厚いコート層を一度で形成できなかったり、形成されたコート層の厚さがばらつきやすいという問題があった。
これに対して、本発明の立体成型体を用いてコート層付き金属基材を製造する場合、厚さのばらつき率を低く抑えることができるため、上述したような形状の金属基材であっても、厚さのばらつき率の小さいコート層を形成することができる。
曲面や環状部分を有する形状としては、例えば円筒形状が挙げられる。
円筒形状の金属基材の径は、部分ごとに異なっていてもよい。
また、金属基材の形状としては、例えば、長手方向の両端面のうちの一方の端面から他方の端面に向かって、金属基材の径が徐々に変化していく円錐形状、金属基材の径が段階的に変化する形状、金属基材の外側又は内側の表面に突出部を有する形状等であってもよい。
図4(a)は、本発明の立体成型体の別の一例を模式的に示す斜視図であり、図4(b)は、図4(a)に示す立体成型体を固定する金属基材の一例を模式的に示す斜視図である。
図4(a)に示すように、立体成型体3は略円筒形状であり、長手方向の一方の端部に、段階的に径が変化する部分が設けられている。
立体成型体3は、例えば、図4(b)に示す、立体成型体3と同様に径が段階的に変化する形状を有する金属基材53の表面にコート層を形成することができる。
図5(a)は、本発明の立体成型体のさらに別の一例を模式的に示す斜視図であり、図5(b)は、図5(a)に示す立体成型体を固定する金属基材の一例を模式的に示す斜視図である。
図5(a)に示すように、立体成型体5は略円筒形状であり、長手方向の中央に、外側に向かって突出する環状の突出部5aが設けられている。突出部5aの内側には凹部が形成されており、立体成型体5の厚さは突出部5aとそれ以外の部分とで同じである。
立体成型体5は、例えば図5(b)に示す、立体成型体5と同様の形状を有する金属基材55の表面に固定して加熱することによって、金属基材55の表面にコート層を形成することができる。金属基材55の外側の表面には環状の突起部55aが設けられているが、立体成型体5にも突起部5aが設けられているため、突起部55aの表面にも、他の部分と同様の厚さのコート層を形成することができる。
金属基材55の突起部55aにおける外径は、立体成型体5の突起部5aが形成されていない部分の内径よりも大きいが、立体成型体5を変形させながら、立体成型体5の内側に金属基材55を挿入することによって、突起部5aと突起部55aの位置をあわせた状態で、立体成型体5を金属基材55の表面に固定させることができる。
金属基材の形状が、円筒状のように外側表面と内側表面の両方を有する場合、コート層を円筒の外側表面だけに形成してもよく、内側表面だけに形成してもよく、外側表面と内側表面の両方に形成してもよい。
金属基材を構成する材料は特に限定されないが、例えば、ステンレス鋼、耐熱鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、インコネル(登録商標)、ハステロイ(登録商標)、インバー(登録商標)等が挙げられる。また、これ以外の材料として、各種鋳造品(例えば、鋳鉄、鋳鋼、炭素鋼等)が挙げられる。
本発明のコート層付き金属基材は、例えば、排気管、インシュレータ、エンジン部材、エンジンバルブ等に用いることができる。
本発明の立体成型体は、金属基材の外側の表面と内側の表面に同時にコート層を形成できるような形状であってもよい。
金属基材の外側の表面と内側の表面に同時にコート層を形成できるような形状としては、例えば、立体成型体が、金属基材を収容できる溝部を有する形状が考えられる。
金属基材を収容できる溝部を有する形状の立体成型体について、図6(a)及び図6(b)を参照しながら説明する。
図6(a)は、本発明の立体成型体のさらに別の一例を模式的に示す斜視図であり、図6(b)は、図6(a)におけるA-A線断面図である。
図6(a)及び図6(b)に示すように、立体成型体7は、外筒61及び内筒63を有し、立体成型体7の長手方向の一方の端面7aから正面視した際に、外筒61、溝60、及び内筒63が外側から順に同心円状に配置されている。外筒61と内筒63は立体成型体7の長手方向の一方の端面7aでは互いに接続されていないが、他方の端面7bで互いに接続されている。
図7は、本発明の立体成型体を金属基材の表面に固定する方法の一例を模式的に示す断面図である。
立体成型体7の円筒形の溝60に金属基材50を挿入することによって、金属基材50の外側の表面50a及び金属基材50の内側の表面50bの両方に、それぞれ外筒61及び内筒63を固定することができる。その後金属基材50及び立体成型体3を加熱することによって、金属基材50の外側の表面50a及び内側の表面50bの両方に、一度にコート層を形成することができる。
[コート層付き金属基材]
本発明のコート層付き金属基材の製造方法により製造されるコート層付き金属基材について説明する。
コート層付き金属基材は、金属基材と該金属基材の表面に形成されたコート層とを含む。
コート層の厚さは、50μm~1mmであることが好ましく、100μm~0.5mmであることがより好ましい。
コート層の気孔率は、20%以下であることが好ましく、15%以下であることがより好ましい。
コート層の気孔率が20%以下であると、コート層が緻密で機械的強度に優れる。
コート層の厚さのばらつき率は、15%以下であることが好ましく、10%以下であることがより好ましい。
コート層の厚さのばらつき率は、コート層の厚さを20箇所で測定した際の、最大値及び最小値の平均値に対する割合から求めることができる。すなわち、コート層付き金属基材の切断面を走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて観察し、20箇所におけるコート層の厚さを測定して平均値、最大値及び最小値を算出する。
最大値と最小値の差が平均値の15%以下であれば、コート層の厚さのばらつき率が15%以下であり、最大値と最小値の差が平均値の10%以下であれば、コート層の厚さのばらつき率が10%以下であるといえる。
コート層の表面には、金属酸化物からなる金属酸化物層、又は、炭化物からなる炭化物層が形成されていることが好ましい。
金属酸化物層を構成する金属酸化物としては、例えば、酸化ニッケル、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化タングステン、酸化バナジウム及び酸化モリブデン等が挙げられ、2種以上を併用してもよい。また、金属酸化物層は2層以上形成されていてもよい。
金属酸化物層に酸化ニッケル(NiO、Ni)、酸化コバルト(Co)、酸化マンガン(MnO)のいずれかが含まれていると、オゾン分解機能を発揮することができる。
金属酸化物層に酸化タングステン、酸化バナジウム又は酸化モリブデンが含まれていると、尿素分解機能を発揮することができる。
炭化物層を構成する炭化物としては、カーボン及び炭化タングステン等が挙げられる。
炭化物の表面にはOH基(水酸基)が少ないため、尿素水や水等の付着を防止できる。また、炭化物層は2層以上形成されていてもよい。
コート層付き金属基材には、金属酸化物層と炭化物層の両方が形成されていてもよい。
この場合、コート層の表面に金属酸化物層が形成され、金属酸化物層の表面に炭化物層が形成されていてもよいし、コート層の表面に炭化物層が形成され、炭化物層の表面に金属酸化物層が形成されていてもよい。さらには、コート層の表面の一部に金属酸化物層が形成され、金属酸化物層が形成されていないコート層の表面に炭化物層が形成されていてもよい。
1、3、5、7 立体成型体
5a、55a 突出部
10 ガラス粒子抄造シート
20 ガラス粒子
30 有機バインダ
40 フィブリル繊維
50、53、55 金属基材
60 溝
61 外筒
63 内筒
70 コート層
100 コート層付き金属基材
200a、200b、200c 型

Claims (19)

  1. 加熱溶融させて金属基材の表面にコート層を形成するためのガラス粒子抄造シートを立体成型してなる立体成型体であって、
    前記立体成型体はガラス粒子及び表面が毛羽立ったフィブリル繊維を含むことを特徴とする立体成型体。
  2. ガラス転移温度(Tg)が-150℃~+25℃である有機バインダをさらに含み、
    前記有機バインダの含有量が、20重量%以下である請求項1に記載の立体成型体。
  3. 前記有機バインダはゴム系樹脂、スチレン系樹脂、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂及びポリウレタン樹脂からなる群から選択される少なくとも1種の樹脂を含む請求項に記載の立体成型体。
  4. 前記ガラス粒子は、ソーダ石灰ガラス、無アルカリガラス、硼珪酸ガラス、カリガラス、クリスタルガラス、チタンクリスタルガラス、バリウムガラス、ストロンチウムガラス、アルミナ珪酸ガラス、ソーダ亜鉛ガラス及びソーダバリウムガラスからなる群から選択される少なくとも1種のガラスで構成されている請求項1~3のいずれかに記載の立体成型体。
  5. 前記フィブリル繊維の含有量が、1~20重量%である請求項1~4のいずれかに記載の立体成型体。
  6. 前記フィブリル繊維は、フィブリル状の有機繊維を含む請求項1~5のいずれかに記載の立体成型体。
  7. 前記有機繊維は、有機天然繊維及び有機合成繊維の少なくとも一方を含む請求項6に記載の立体成型体。
  8. 前記フィブリル繊維は、フィブリル状の無機繊維を含む請求項1~7のいずれかに記載の立体成型体。
  9. 前記フィブリル繊維の平均繊維長は、200~20000μmである請求項1~のいずれかに記載の立体成型体。
  10. 前記フィブリル繊維の平均繊維径は、0.01~10μmである請求項1~のいずれかに記載の立体成型体。
  11. 平均厚さが2mm以下である請求項1~10のいずれかに記載の立体成型体。
  12. ヤング率が0.1~3GPaである請求項1~11のいずれかに記載の立体成型体。
  13. 前記立体成型体の表面の少なくとも一部には、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層、又は、炭化物粒子を含む炭化物含有層が形成されている請求項1~12のいずれかに記載の立体成型体。
  14. 金属基材の表面にコート層が形成されたコート層付き金属基材の製造方法であって、
    請求項1~13のいずれかに記載の立体成型体を、前記金属基材の表面に固定する固定工程と、
    前記金属基材及び前記立体成型体を加熱してガラス粒子を溶融させて、前記金属基材の表面にコート層を形成するコート層形成工程とを含むことを特徴とするコート層付き金属基材の製造方法。
  15. 前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物含有層を形成する工程をさらに含む請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
  16. 前記固定工程の後に、前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、金属酸化物粒子を含む金属酸化物シートを貼り付ける請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
  17. 前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物含有層を形成する工程をさらに含む請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
  18. 前記固定工程の後に、前記金属基材と接触しない前記立体成型体の表面に、炭化物粒子を含む炭化物シートを貼り付ける請求項14に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
  19. 前記炭化物粒子は、カーボン及び炭化タングステンの少なくとも一方を含む請求項17又は18に記載のコート層付き金属基材の製造方法。
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