JP2908828B2 - スピーカ用振動板 - Google Patents

スピーカ用振動板

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JP2908828B2 JP5322990A JP5322990A JP2908828B2 JP 2908828 B2 JP2908828 B2 JP 2908828B2 JP 5322990 A JP5322990 A JP 5322990A JP 5322990 A JP5322990 A JP 5322990A JP 2908828 B2 JP2908828 B2 JP 2908828B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はセラミックを用いてなるスピーカ用振動板に
関する。
(従来の技術) スピーカ用振動板に要望される物性は、密度が小さく
高弾性で高内部損失を有し、機械的疲労がなく、耐熱
性、耐水性、耐光性、耐食性、抗菌性、不燃性等を有す
ることである。
しかして、スピーカ用振動板の材質としては種々のも
のが存在するが、このうち、一般的には植物繊維を素材
とするパルプからなる紙製の振動板が広く使用されてい
る。すなわち、パルプは植物体より取り出したセルロー
スを主体とした植物繊維の集合体であり、このパルプを
用いた紙製の振動板は、パルプを叩解し、パルプに染
色、サイズ処理を施し、かつ水に分散し、抄紙、乾燥し
て作製される。
従って、振動板の力学物性は使用される単繊維の物性
と繊維間結合強度並びに振動板の密度で決定される。
しかし、植物繊維を用いた振動板は天然繊維であるた
め、単繊維の物性が限定されることと、パルプがセルロ
ースで構成されているため、サイズ処理を行っても湿度
に影響されやすい欠点がある。
一方、繊維を用いた振動板は単繊維物性と繊維間結合
状態を変えることにより振動板のヤング率、密度、内部
損失等を任意に変えることが出来るので、単繊維のヤン
グ率が大きくて水分等に安定な繊維として、炭素繊維が
使用されている。
この炭素繊維は植物繊維と異なり、繊維間を直接水素
結合等で結合することは出来ないので、エポキシ樹脂等
で繊維間を結合する必要がある。このようにして作製さ
れた炭素繊維使用の振動板はヤング率を大きくすること
は出来るが、内部損失が小さくなる欠点がある。
また、紙製の振動板において、内部損失が比較的大き
く、高弾性の振動板を得る方法として、実開昭63−1561
98号に示されるように、紙基材の表面にセラミック系の
コーティング剤を塗布したりするものがある。
また、特開昭60−247400号に示されるように、紙基材
表面に非酸化物系のセラミックス、金属、金属酸化物を
マトリックスとして溶射したものもある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前者のものではコーティング剤として
セラミックを主原料としているが被膜形成剤等にエポキ
シ樹脂、塩化ビニール樹脂等の有機物質が使用されてい
るため、結局、所望の高弾性を有する振動板を得ること
はできず、かつ三層構造で構成が複雑であるなどの課題
がある。
また、後者の紙基材表面に非酸化物系のセラミック
ス、金属、金属酸化物をマトリックスとして溶射する方
法は装置が高価なことと、大形基材へのコーティングが
困難となりコストアップの要因となる、といった課題が
ある。
さらに、従来のセラミックを用いた振動板は、セラミ
ックが脆いため、運搬時や組立時の振動や衝撃等によっ
て破損するおそれがあり、耐久性に欠けるといった課題
がある。
本発明は上記のことに鑑み提案されたもので、その目
的とするところは、紙製の振動板において、その内部損
失を保持し、高弾性を有し、所望の剛性などを備え、ま
た、耐久性があり、製造が容易で安価なスピーカ用振動
板を提供することにある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、所定の形状に抄造された紙器材の表面に、
金属酸化物系ポリマーを主体としたもの、またはこれと
無機質フィラーとで構成されたセラミックコーティング
剤を塗布し、常温乾燥または加熱乾燥し前記紙基材表面
にセラミック膜を形成することにより、上記目的を達成
している。
(作 用) 本発明では上記のように、被膜形成剤にエポキシ樹脂
等の有機物質を用いることなく、金属酸化物系ポリマー
を用い、高弾性であって剛性のある紙製振動板を得るこ
とができる。
また、無機質フィラーを添加し、この際、セラミック
バインダーの化学結合を無機フィラーの添加と反応条件
とをコントロールすることにより、セラミック特有の脆
さを解消し、セラミックがコーティングされているにも
拘らず耐久性のある振動板を得ることができるようにし
ている。
さらに、セラミックコーティング剤を紙基材の表面に
塗布する構成とし、溶射のような特別な装置を用いなく
ても良いため、コストパフォーマンスに優れ、安価な振
動板を実現している。
(実施例) 以下に本発明の実施例を説明する。
金属酸化物系ポリマーにはアルカリ金属塩と金属アル
コキシドがある。実施例〔I〕はアルカリ金属塩でセラ
ミックコーティング皮膜を作製した場合であり、実施例
〔II〕は金属アルコキシドでセラミックコーティング皮
膜を作製した場合である。
また、紙基材は次のように作製したが、実施例〔I〕
〔II〕で使用したものは同様に作製したものである。
紙基材はNBKP80%、マニラ麻パルプ20%をビーターに
投入し、叩解度が23゜SRになるまで叩解し、叩解度のパ
ルプを染料とサイズ剤とで染色、サイズ処理した。処理
されたパルプ材は水に希釈し、抄紙紙にて所定の形状に
抄紙し乾燥して作製した。
〔実施例I〕
アルカリ金属塩が金属酸化物皮膜を形成する化学反応
は下記のように進行することが知られている。
M1 2O・nMO3+H2O→M1++OH-+nH4MO4 M1++M2O+nH4MO4→M1M2O・nH4MO4(↓) ここで、M:Siなどの金属、M1:Li,Naなど、M2:Zn,Mg,C
aなどの硬化剤が用いられている。
本実施例で使用したものはMはSiとTiであり、M1はLi
を使用した。上記のようなアルカリ金属塩のコーティン
グ剤として固形分43〜47%の水溶液を作製した。作製し
た水溶液の物性は比重が1.3〜1.4、粘度300〜500cp、pH
は11である 塗布方法は上記紙基材からなる振動板の表面に重量比
で約30%のコーティング剤を刷毛で塗布した。
塗布後、室温にて5分間放置後、150℃で20分間乾燥
した。得られた無機皮膜(主成分はTiO2,SiO2,無機フィ
ラー等)の硬度は鉛筆硬度で8〜9Hであり、電気絶縁性
のよいセラミック特有の耐久性のある皮膜が得られた。
紙基材が塗布された振動板は高弾性を有し適度の内部
損失を有する振動板が得られた。この振動板を組込んだ
直径16cmのスピーカの音響特性を第1図に示す。第1図
中一点鎖線で示したAはこの実施例によるもの、実線の
Bは紙製振動板の特性図であり、振動板としての耐久性
と電気電導性は従来の紙製振動板と比較して良好な結果
となるので、スピーカの組立方法も従来の方法と同様に
作製することが出来、高品質のスピーカを安価に提供す
ることが出来る。
〔実施例II〕
金属アルコキシドが金属酸化物皮膜を形成する化学反
応は下記のように進行することが知られている。
本実施例ではMはSiとTiを使用した。紙基材表面に塗
布または付着した金属アルコキシド〔M(OR)〕は上
記反応の過程で、ゾルの状態、ゲルの状態を経過して金
属酸化物の固化体となる。
紙基材に塗布する金属アルコキシド系コーティング剤
は下記のように作製した。
皮膜形成剤(バインダー)となるSi,Tiの金属アルコ
キシドのメタノール溶液は、所定の方法にて作製した。
この溶液の溶液物性は固形分が23%、比重1.0、粘度16c
pである。コーティング皮膜の外観と物性を変えるため
にコーティング剤は下表のように配合したものを使用し
た。
コーティング剤の配合 1.皮膜形成剤(バインダー) 300g 固形分として 2.カーボングラファイト粉 30g 3.ステンレス粉 250g 4.溶剤 420g 作製したコーティング剤は固形分が58%で粘度は500c
pのものである。
塗布方法は上記紙基材表面に基材重量に対して重量比
で約20%のコーティング剤をエアースプレーで均一に塗
布した。塗布されたものは室温に5分間放置後150℃で2
0分間強制乾燥した。
得られたコーティング皮膜の物性は鉛筆硬度で8〜9H
の硬度を有し、電気電導性のない、セラミック特有の耐
久性のある皮膜であった。紙基材に塗布された振動板の
部分断面図を第2図に、また、本実施例で作製した振動
板を用いた直径16cmのスピーカの周波数特性を第3図に
示した。すなわち、第2図中1は紙製振動板基材、2は
その表面に塗布されたセラミックコーティング膜、2aは
紙製振動板基材2に浸透したセラミックコーティング剤
の浸透部分である。また、第3図において、一点鎖線の
Cは第2実施例、Dは単なる紙製振動板の特性図であ
る。
なお、上記各実施例ではセラミックコーティング剤
を、金属酸化物系ポリマーと無機質フィラーとで構成し
た例について説明したが、無機質フィラーを用いないも
のであっても良い。
(発明の効果) 以上のように本発明によれば、所定の形状に抄造され
た紙基材の表面に、金属酸化物ポリマーを主体としたも
ので構成されたセラミックコーティング剤を塗布し、常
温乾燥または加熱乾燥し前記紙基材表面にセラミック膜
を形成して構成し、被膜形成剤に金属酸化物系ポリマー
を主体とするものを用いたため、高弾性の紙製振動板を
得ることができる。
また、無機フィラーを添加したものにおいては、セラ
ミック特有の脆さがなくなり、耐久性を大巾に向上させ
ることができる。
さらに、通常の塗装のように紙基材の表面にセラミッ
クコーティング剤を塗布させ、乾燥させるといった簡易
構成としたから、特別の特殊な装置が不要で製造が容易
となり、かつ量産性に優れ、安価な振動板、ひいては安
価なスピーカを得ることができる。
等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の第1実施例にてなる振動板を備えたス
ピーカの周波数特性図、第2図は本発明の振動板の部分
断面図、第3図は本発明の第2実施例の振動板を用いた
スピーカの周波数特性図を示す。 1……紙製振動板基材 2……セラミックコーティング膜 2a……セラミックコーティング剤の浸透部分

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の形状に抄造された紙基材の表面に、
    金属酸化物系ポリマーを主体としたもので構成されたセ
    ラミックコーティング剤を塗布し、常温乾燥または加熱
    乾燥し前記紙基材表面にセラミック膜を形成したことを
    特徴とするスピーカ用振動板。
  2. 【請求項2】セラミックコーティング剤は上記金属酸化
    物系ポリマーに無機質フィラーを添加して構成したこと
    を特徴とする請求項(1)記載のスピーカ用振動板。
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