JP2886607B2 - 電気音響変換器用振動板 - Google Patents

電気音響変換器用振動板

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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、振動板に無機−有機複合体を表面コートま
たは含浸させてなる電気音響変換器用振動板に関する。
(従来の技術) 従来、電気音響変換器に使用される振動板は、プラス
チックフィルム、金属板、織布等を成形加工して作る
か、あるいは天然繊維、合成繊維等に樹脂加工等を施
し、それを成形加工したものが多く用いられている。
しかし、これらは比弾性率が小さいため、良好な周波
数特性を得ることができなかった。
これらを改善するために、チタンやアルミナを基材と
し、ダイヤモンド状炭素膜やダイヤモンド膜を基材表面
に形成させた振動板がある。
一方、紙製の振動板において、内部損失が比較的大き
く、高弾性の振動板を得る方法として、実開昭63−1561
98号に示されるように、紙基材の表面にセラミック系の
コーティング剤を塗布したものもある。
(発明が解決しようとする課題) しかしながら、前者のものでは基材を100〜900℃程度
に加熱してプラズマCVD法で表面コーティングしている
ため、コーティング膜の厚さは最大でも2μm程度とな
り、振動板として十分な効果が得られないことと、大形
基材へのコーティングが困難となり、コストアップの要
因となる、といった課題がある。
また、後者のものは、コーティング剤としてセラミッ
クを主原料としているが、セラミック物質の相互間はエ
ポキシ樹脂等の有機物質で結合されているため、結局、
所望の高弾性を有する振動板を得ることはできず、かつ
三層構造で構成されるので、構造が複雑であるなどの課
題がある。
本発明は、上記のことに鑑み提案されたもので、その
目的とするところは、振動板基材に無機−有機複合体を
付着し、所望の剛性などを備え、耐久性があり、製造が
容易で安価な電気音響変換器用振動板を提供することに
ある。
(課題を解決するための手段) 本発明は、天然繊維等の繊維状物質、合成樹脂発泡体
またはフィルム、金属発泡体または金属板、セラミック
発泡体またはセラミック板等で構成された振動板基材
に、ゾル−ゲル法にてセラミック系コーティング剤を塗
布し、振動板基材に対して表面コートまたは含浸させ常
温または加熱乾燥にて無機−有機複合体を付着させて振
動板を構成することにより、上記目的を達成している。
また、セラミック系コーティング剤として無機−有機
複合体に金属粉等の無機フィラーを添加して構成したも
のを用いても良く、これによっても上記目的を達成して
いる。
(作用) 本発明では上記のように、皮膜形成剤または添加物の
結合剤(バインダー)にはエポキシ樹脂などの有機物を
用いず、皮膜形成剤または結合剤として、ゾル−ゲル法
による無機−有機複合体を使用しているため、高弾性で
耐久性のある振動板を安価に得ることができる。
ゾル−ゲル法による無機−有機複合体は、金属アルコ
キシドと有機モノマーを混合し、それらを反応させて作
られる。この無機−有機複合体は重合反応によって無機
の結合を有機の高分子で共有結合によってつないだ形の
無機−有機複合体であるため、無機成分と有機成分の相
違並びにそれらの比率によって無機−有機複合体の物性
は任意にコントロールすることができる。つまり、無機
成分の含有量の多い無機−有機複合体はセラミックの性
質を発現し、有機成分の含有量の多い無機−有機複合体
は耐熱性の高い合成樹脂の物性に近くなる。
また、ゾル−ゲル法を使用しているため、上記セラミ
ック系コーティング剤は次のような特徴を有している。
(1)低温で無機−有機複合体合成が可能である。
(2)溶液から出発しているので、多成分系であって
も、分子、原子レベルで混合ができるため均一性が良
い。
(3)新しい組成の物質の合成が容易である。
さらに、セラミック系コーティング剤を基材の表面に
塗布する場合、特別な装置を用いなくて良いため、コス
トパフォーマンスに優れ、安価な振動板を実現してい
る。
(実施例) 以下に本発明の実施例を説明する。ゾル−ゲル法によ
る無機−有機複合体は前記のように容易に種々の物質を
合成することができるが、本実施例では、紙基材に、シ
リコン−チタニウム系の無機−有機複合体にアルミニウ
ム粉を混入した皮膜を形成した場合のものを一例として
記す。
紙基材は、NBKP80%、マニラ麻パルプ20%をビーター
に投入し叩解度が23°SRになるまで叩解し、叩解後のパ
ルプを染料とサイズ剤とで染色、サイズ処理をした。処
理されたパイプ材は水道水で希釈し、抄紙機にて所定の
形状に抄紙し、乾燥して作製した。
コーティング剤の主成分としては金属酸化物系ポリマ
ーの一種である金属アルコキシドを用い、この金属アル
コキシドとしては下記の(1)と(2)を用いた。
(1)と(2)の配合比率はセラミックとしてのSiO2
とTiO2の重量比でSiO2/TiO2=74/26である。
溶剤としては、トルエン、キシレン、n−ブタノール
の混合溶剤を用い上記(1)と(2)の混合物とした。
混合後の固形分は25%であり、このようにして製造され
たセラマー剤の固形分と同量のアルミニウム粉を添加し
てセラミック系コーティング剤とした。
セラミック系コーティング剤の反応物質は、反応の過
程でゾルの状態、ゲルの状態を経過して、無機の結合
(Si−O,Ti−O)を有機の高分子で共有結合によってつ
ないだ形の無機−有機複合体となって固化体となる。こ
の無機−有機複合体をこの種技術分野でハイブリッドま
たはセラマーとも称している。
塗布方法としては、上記紙基材表面に基材重量に対し
て重量比で15%の上記セラミック系コーティング剤をエ
アースプレーで均一に塗布した。塗布されたものは室温
で5分間放置後、150℃で40分間強制乾燥した。なお、
乾燥手段としては、常温で約10日放置したままでも、あ
るいは強制乾燥でも良く、これらは製造時間の問題であ
る。
得られた無機−有機複合体の皮膜は硬度が鉛筆硬度で
6〜7Hであり、フレキシブル性のあるセラミック系皮膜
となった。振動板としては高弾性で適度の内部損失を有
し、機械的疲労がなく、耐水性、耐熱性、耐候性が優
れ、かつ電気導電性なく難燃性であった。
紙基材に塗布された振動板の部分断面を第1図に示
す。すなわち、第1図において1は振動板基材、2はそ
の表面に形成された無機−有機複合体、2aは振動板基材
1中に含浸された無機−有機複合体である。
第3図は本実施例で作製した振動板を用いた16cm口径
のスピーカの周波数特性を示し、Aは本発明のもの、B
は従来の紙製振動板である。
なお、第1図では基動板基材1の一方の面のみに無機
−有機複合体2を形成した例について示したが、両面に
形成しても良いことは勿論である。
また、第3図に示すように、振動板基材1の表面に適
宜の配合比の上記コーティング剤をエアースプレーで吹
き付けるなどして無機−有機複合体を含浸させた振動板
であっても良く、この場合も優れた諸特性を有する振動
板を得ることができる。
なお、上記実施例では、セラミック系コーティング剤
を無機−有機複合体とアルミニウム粉とで構成した例に
ついて説明したが、アルミニウム粉以外の無機質フィラ
ーを用いたものであっても良く、この場合、セラミック
特有の脆さがなくなり、耐久性を大巾に向上させること
ができる。
また、振動板基材1としては紙基材を用い、これを所
定の形状に抄紙・乾燥させてなる天然繊維の繊維状物質
のほかに、例えば合成樹脂発泡体またはフィルム、金属
発泡体または金属板、セラミック発泡体またはセラミッ
ク板等を用い、これにゾル−ゲル法により無機−有機複
合体を形成しても良い。
(発明の効果) 以上のように、本発明によれば、振動板基材にセラミ
ック系コーティング剤を塗布または含浸し、常温乾燥ま
たは加熱乾燥して前記振動板基材に無機−有機複合体を
形成したので、高弾性で耐久性の良い振動板を得ること
ができる。
さらに、耐熱性の低い合成樹脂基材であっても、通常
の塗装のように、セラミック系コーティング剤を塗布さ
せ、乾燥させるといった簡易構成としたから、特別の特
殊な装置が不要で製造が容易となり、かつ量産性に優
れ、安価な振動板を得ることができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の振動板の部分断面図、第2図は本発明
と従来例とを比較した周波数特性図、第3図は本発明の
振動板の他の例を示す。 1…振動板基材、2…無機−有機複合体、2a…含浸され
たセラマー。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】天然繊維等の繊維状物質、合成樹脂発泡体
    またはフィルム、金属発泡体または金属板、セラミック
    発泡体またはセラミック板等で構成された振動板基材
    に、ゾル−ゲル法にてセラミック系コーティング剤を塗
    布し、振動板基材に対して表面コートまたは含浸させ常
    温または加熱乾燥にて無機−有機複合体を付着させたこ
    とを特徴とする電気音響変換器用振動板。
  2. 【請求項2】セラミック系コーティング剤は上記無機−
    有機複合体に金属粉等の無機フィラーを添加して構成し
    たことを特徴とする請求項(1)記載の電気音響変換器
    用振動板。
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