JP7303493B2 - Cod測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、COD測定装置に関する。さらに詳しくは、耐久性の高い、ガラス製の反応容器が用いられているCOD測定装置に関する。
COD(Chemical Oxygen Demand、化学的酸素要求量)は、水中の被酸化性物質を酸化するために必要とする酸素量を示す指標であり、水質の還元性を確認するために用いられている。JIS K 0102工場排水試験方法(非特許文献1)の第17項目「100℃における過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(CODMn)」として規定されているCODMnは、日本国内で広く採用されている指標である。この指標(CODMn)の測定器が特許文献1で開示されている。また、これとは別に第19項目「アルカリ性過マンガン酸カリウムによる酸素消費量(CODOH)」として規定されているCODOHが採用される場合もある。このCODOHは、塩化物イオンが多い海水などに用いられる方法である。
特開2015-90286号公報
JIS K 0102
CODを測定するためのCOD測定装置(JIS K 0102に準ずる方法で測定するものを含む)では、試料液が導入される容器に、ガラス容器が用いられるのが一般的である。これは一連の測定操作の中の一工程として沸騰水による湯煎が含まれるため、ガラス容器であればガラスの熱伝導率が高く、容器内の試料液を含む混合液の温度を速やかに上昇させ、精度良く保持することが可能になるためである。しかるに、CODOHの測定では、アルカリ溶液、例えば水酸化ナトリウム溶液が用いられ、しかも沸騰水中での加熱が行われるため、ガラス製の反応容器では耐久性が低くなり、ガラス成分の溶出が進行し、このガラス製の反応容器を高頻度に交換する必要が生じるという問題がある。自動のCOD測定装置の場合、ガラス容器の下部が浸漬されるように熱水容器が配置されており、熱水供給ポンプにより熱水容器に熱水が循環されている機構であることが多く、極端にガラス成分の溶出、すなわち腐食が進行すると、ガラス製の反応容器にピンホールが開いて漏れが生じ、熱水がアルカリに汚染されるため、熱水供給ポンプの故障にもつながっていた。
ところで、COD測定装置は、CODMn、CODOHなど、試薬の入れ替えまたは制御シーケンスの変更を行えば、複数種類のCOD測定が可能な構成となっているものもある。CODMnの測定の場合は、ガラス製の反応容器を交換する必要は生じないが、CODOHの測定では、高頻度にガラス製の反応容器を交換する必要が生じる。このため、CODMnおよびCODOHの両方の測定が可能なCOD測定装置では、CODOHの測定を行うことを前提として、ガラス製の反応容器の交換頻度を高くして過剰管理を行うときもあり、これによりCOD測定装置の使用者への作業負担および費用負担が増加することもあった。
これに対し、水酸化ナトリウム溶液、すなわち苛性ソーダに対して耐久性の高い材料、例えばPTFE(poly tetra fluoro ethylene)により反応容器全体が製作されると、PTFEは熱伝導率が低い(PTFE:0.2~0.3W/(m・K)、ガラス:0.9~1.0W/(m・K))ことから、容器内部へ熱が伝わりにくいという問題があるとともに、反応容器の製造コストが上がり、これによりCOD測定装置全体の製造コストが上がるという問題がある。
加えて、手動でCODの測定が行われる装置の場合、滴定の終点を、例えばヨウ素でんぷん反応の青色の呈色が消えることで判定するときがある。このとき、白色のPTFE製の反応容器は、目視による判定を阻害する。また、自動のCOD測定装置においても、測定が正しく行われているか確認するために、反応容器の外部から、電位変化と対比させながら呈色の変化を目視確認するときがある。例えば、過マンガン酸カリウム溶液の赤色の呈色などが、それに該当する。ガラス製の場合は、容器が透明であり、ガラス容器はこの測定に適したものとなる。しかし、他の材料により反応容器が製作された場合は、反応容器を透明にしたり、その透明度を維持したりすることが困難であり、これにより目視による確認を行うことができないという問題がある。
本発明は上記事情に鑑み、ガラス製でありながら耐久性の高い反応容器が用いられているCOD測定装置を提供することを目的とする。
第1発明のCOD測定装置は、試料液にアルカリ溶液を加えてアルカリ性とする工程が実施された後、過マンガン酸カリウムを加える工程が実施され、その後に前記過マンガン酸カリウムのうち消費された量を滴定により求める工程が実施されることで前記試料液中のCODを算出するCOD測定装置において、前記試料液と、前記アルカリ溶液と、が内部に導入されるガラス反応容器を有し、該ガラス反応容器の内部の接液部表面にフッ素樹脂がコーティングされており、前記アルカリ溶液の、前記ガラス反応容器への導入を制御する制御部が設けられ、前記ガラス反応容器が、装置内部に格納されており、前記ガラス反応容器の外側には、該ガラス反応容器の下部が浸漬するように熱水容器が配置されており、熱水供給ポンプにより前記熱水容器に熱水が循環されていることを特徴とする。
第2発明のCOD測定装置は、第1発明において、前記フッ素樹脂が、PTFEであることを特徴とする。
第1発明によれば、COD測定装置のガラス反応容器の内部にフッ素樹脂がコーティングされていることにより、CODOHを測定するためにアルカリ溶液が用いられた場合でも、ガラス反応容器のガラス成分が溶け出すのを防止でき、ガラス反応容器の交換頻度を少なくすることができる。これにより熱伝導率が高いガラスの特性を生かしつつ、COD測定装置の使用者の作業負担及び費用負担を抑制できる。
また、アルカリ溶液の導入のための制御部が設けられていることにより、COD測定装置を自動化でき、COD測定装置は、ガラス反応容器を内部に格納することができる。そして、自動化されたCOD測定装置において、ガラス反応容器の交換頻度を下げることができる。自動化されたCOD測定装置では、その使用者は、内部のガラス反応容器を頻繁に確認することはしない、もしくは確認することができない構造となっているものの、この場合でもガラス反応容器の耐久性が上がっているため、アルカリ溶液を使用する測定が多く行われた場合であっても、ガラス反応容器のガラス成分が容器内の試料液を含む混合液に溶け出し、孔が開いたりすることを抑制できる。これにより、ガラス反応容器から試料液などが流れ出し、COD測定装置全体が汚染されることを防止できる。
また、自動化されたCOD測定装置において、ガラス反応容器の外側には、ガラス反応容器の下部が浸漬するように熱水容器が配置されており、熱水供給ポンプにより熱水容器に熱水が循環されている構成となっているため、ガラス製の反応容器にピンホールが開いて漏れが生じ、熱水がアルカリに汚染され、熱水供給ポンプが故障することを防止できる。
第2発明によれば、フッ素樹脂が汎用のPTFEであることにより、スプレーによる吹き付け等の手段により、容易にガラス反応容器の内部に、フッ素樹脂の薄膜が被覆される利点が得られる。
本発明の一実施形態に係るCOD測定装置を構成するガラス反応容器の正面からの断面図である。 本発明の一実施形態に係るCOD測定装置の説明図である。 図2のCOD測定装置の制御ブロック図である。 図2のCOD測定装置の測定方法のフロー図である。
つぎに、本発明の実施形態を図面に基づき説明する。ただし、以下に示す実施の形態は、本発明の技術思想を具体化するためのCOD測定装置を例示するものであって、本発明はCOD測定装置を以下のものに特定しない。なお、各図面が示す部材の大きさまたは位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。
図2には、本発明の一実施形態に係るCOD測定装置10の説明図を示す。本実施形態に係るCOD測定装置10では、試料液にアルカリ溶液を加えてアルカリ性とした後、過マンガン酸カリウムを加え、消費された過マンガン酸カリウムの量を滴定により求めることで、試料液中のCODOHを測定する機能を、少なくとも有している。このCOD測定装置10での測定方法は、厳密にJIS K 0102に規定されている方法に限らず、この方法に準ずる方法で測定する方法が含まれる。
図2に示すように、本実施形態に係るCOD測定装置10は、例えば幅600mm、奥行600mm、高さ1600mmの鉄製の箱内にすべての部分が格納されている。正面には、好ましくは、内部の状態をCOD測定装置10の使用者に覚知させたり、その使用者からの指令を入力したりする入出力部11が設けられている。このCOD測定装置10の内部には、ガラス反応容器20が格納されている。本明細書では、まず、このCOD測定装置10の構成、およびガラス反応容器20について説明する。その後で、このCOD測定装置10で、CODOHを測定する方法について説明する。
(COD測定装置10の構成)
図3には、本実施形態に係るCOD測定装置10の制御ブロック図を示す。本実施形態に係るCOD測定装置10は、好ましくは、制御部18を有している。制御部18は、CPU、記憶装置等を含んで構成されており、あらかじめ記憶しているプログラムおよび設定に基づいて、COD測定装置10を構成する各部を動作させたり、後述する終点検出電極24からの信号に基づいた滴定量からCODを算出したりする。
この制御部18は、COD測定装置10の箱の前面に設けられている入出力部11と電気的に接続されている(図3参照)。COD測定装置10の使用者は、入出力部11により、COD測定後の測定値を獲得することができたり、どの段階のステップが行われているかを認識できたりする。また入出力部11に対して、使用者が入力を行うことにより、測定タイミング、頻度または待機時間の設定、手動運転、すなわち一連の測定における各単位工程の選択実行、外部インターフェイスとの通信設定等を行うことができる。入出力部11は、液晶画面であることが好ましい。
図3において、制御部18の左側には、主に制御部18への入力信号を出す機器が記載され、右側には、主に制御部18から出力信号を出す機器が記載されている。本実施形態では、制御部18に入力信号を出す機器として終点検出電極24が電気的に接続されている。また本実施形態では、制御部18から出力信号を出す機器として、洗浄水供給部12、試料液供給部13、水酸化ナトリウム溶液供給部14、過マンガン酸カリウム溶液供給部15、熱水供給部16、しゅう酸ナトリウム溶液供給部17、攪拌モータ23が電気的に接続されている。
終点検出電極24は、滴定時に電極間の電位差を測定することで、消費された酸化剤の量を求めるための機器である。本実施形態では、終点検出電極24には、双白金電極が用いられており、この双白金電極による定電流分極電位法により消費された酸化剤の量が求められている。なお、終点検出電極24は、他にも白金電極と比較電極とを用いた酸化還元電位差計を用いることができる。
洗浄水供給部12は、例えば洗浄水を貯留する洗浄水貯留槽と、この洗浄水貯留槽から所定の量の洗浄水をガラス反応容器20へ送り出す洗浄水供給装置および自動弁等と、を含んで構成されている。制御部18からの指令により、洗浄水は洗浄水供給装置および自動弁等によりガラス反応容器20の内部へ供給される。
試料液供給部13は、試料液貯留槽と、この試料液貯留槽から所定の量をガラス反応容器20へ送り出す試料液供給装置および自動弁等と、を含んで構成されている。制御部18からの指令により、試料液は、試料液供給装置および自動弁等によりガラス反応容器20の内部へ供給される。
水酸化ナトリウム溶液供給部14は、水酸化ナトリウム溶液貯留槽と、この水酸化ナトリウム溶液貯留槽から所定の量をガラス反応容器20へ送り出す水酸化ナトリウム溶液供給ポンプと、を含んで構成されている。制御部18からの指令により、水酸化ナトリウム溶液は、水酸化ナトリウム供給ポンプによりガラス反応容器20の内部へ供給される。
過マンガン酸カリウム溶液供給部15は、過マンガン酸カリウム溶液貯留槽と、この過マンガン酸カリウム溶液貯留槽から所定の量を厳密にガラス反応容器20へ送り出す過マンガン酸カリウム溶液供給ビュレットおよび自動弁等と、を含んで構成されている。過マンガン酸カリウム溶液供給ビュレットによって、ガラス反応容器20へ、規定量の過マンガン酸カリウム溶液、すなわち非常に小さな流量の過マンガン酸カリウム溶液を継続して供給できる。制御部18からの指令により、過マンガン酸カリウム溶液は、過マンガン酸カリウム溶液供給ビュレットおよび自動弁等から、ガラス反応容器20の内部へ供給される。
熱水供給部16は、ガラス反応容器20を温めるための熱水を供給する部分である。この熱水供給部16は、供給水を温め、供給水を貯留する熱水貯留槽と、この熱水貯留槽から所定の量をガラス反応容器20に向けて供給する熱水供給ポンプと、を含んで構成されている。供給された熱水は、ガラス反応容器20の外側に配置されている熱水容器21に供給される(図1参照)。すなわち熱水容器21に、ガラス反応容器20の一部は浸漬している。制御部18からの指令により、熱水は、熱水供給ポンプによりこの熱水容器21へ循環される。
しゅう酸ナトリウム溶液供給部17は、しゅう酸ナトリウム溶液貯留槽と、このしゅう酸ナトリウム溶液貯留槽から所定の量をガラス反応容器20へ送り出すしゅう酸ナトリウム溶液供給装置および自動弁等と、を含んで構成されている。制御部18からの指令により、規定量のしゅう酸ナトリウム溶液は、しゅう酸ナトリウム供給装置および自動弁等によりガラス反応容器20の内部へ供給される。
攪拌モータ23は、ガラス反応容器20内の試料液等を攪拌するためのモータである(図1参照)。攪拌モータ23は、制御部18からの指示により、攪拌モータ23の回転が伝達されるように機械的に構成されている攪拌翼23aを回転させて、ガラス反応容器20内の試料液等の混合液を攪拌する。
(ガラス反応容器20)
図1には、本実施形態に係るCOD測定装置10を構成するガラス反応容器20の正面方向の断面図を示す。このガラス反応容器20には、試料液および水酸化ナトリウム溶液が内部に導入される。
ガラス反応容器20の外側には、このガラス反応容器20の下部が浸漬するように熱水容器21が配置されている。この熱水容器21には、取入口21aから熱水が供給され、ガラス反応容器20の温度を高温に保つ。そして熱水は、その後排出口21bから排出される。
ガラス反応容器20には、反応容器ふた20bが設けられている。そしてこの反応容器ふた20bには、過マンガン酸カリウム溶液導入パイプ22、攪拌モータ23、終点検出電極24が設けられている。過マンガン酸カリウム溶液導入パイプ22は、過マンガン酸カリウム溶液供給部15から供給された過マンガン酸カリウム溶液をガラス反応容器20内部に導入する。攪拌モータ23は、制御部18からの指令により、図1の図面において上下の軸心を中心に回転し、ガラス反応容器20内の試料液等の混合液を攪拌する。終点検出電極24は、滴定により過マンガン酸カリウムが導入される際に、電位差を検出し、制御部18は、電位差が所定の値になった際の過マンガン酸カリウムの導入量からCODOHを算出する。
本実施形態に係るガラス反応容器20は、内部にフッ素樹脂コート20aが設けられている。このフッ素樹脂は、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)であることが好ましい。ただし、これに限定されず、例えばPFA(ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂)など他のフッ素樹脂を用いることも可能である。フッ素樹脂は、100℃前後の高温においては軟化せず、また水酸化ナトリウムに侵されることがない。
このフッ素樹脂がPTFEである場合、フッ素樹脂コート20aは、例えばスプレーによりガラス反応容器20内に吹き付けられることで形成される。吹き付けられた後は、例えば200℃で20分程度加熱硬化することとなる。また、フッ素樹脂の厚さは1μm以上10μm以下であることが好ましい。またフッ素樹脂はガラス反応容器20内の接液部表面にまんべんなく吹き付けられることが前提条件となる。フッ素樹脂が設けられていない部分があると、その部分からガラスが溶出するからである。
COD測定装置10のガラス反応容器20の内部にフッ素樹脂がコーティングされていることにより、CODOHを測定するために水酸化ナトリウムが用いられた場合でも、ガラス反応容器20のガラス成分が溶け出すのを防止でき、ガラス反応容器20の交換頻度を少なくすることができる。これにより熱伝導率が高いガラスの特性を生かしつつ、COD測定装置10の使用者の作業負担及び費用負担を抑制できる。
また、自動のCOD測定装置10においても、測定が正しく行われているか確認するために、反応容器の外部から、電位変化と対比させながら過マンガン酸カリウム溶液の赤色の呈色の変化を目視確認するときがある。そのとき、フッ素樹脂コーティングが接液部表面のみであれば、斜め上方からの目視確認も容易である。すなわち、蓋と反応容器の上部は従来と同じガラスのみなので、従来と同様に斜め上方からの確認を行うことができる。また、実験室の机上にて人手によってCOD測定を行う場合等においては、フッ素樹脂の厚さが薄いことから、フッ素樹脂コーティング部分の透明度も確保され、外部からの目視確認も可能になる。すなわち、フッ素樹脂の厚さが極めて薄いので、ガラスのみの場合と比べてフッ素樹脂コーティング部分の透明度がほとんど変わらず、よって、フッ素樹脂コーティング部分の外側からであっても、過マンガン酸カリウム水溶液が示す薄いピンク色の呈色変化のような微妙な色の変化についても確認することができる。
フッ素樹脂がPTFEであることにより、スプレーによる吹き付け等、容易にガラス反応容器20の内部に、フッ素樹脂が被覆される。なお、他の方法、例えば刷毛により被覆されるなど他の公知の方法を採用することもできる。
また、フッ素樹脂の厚さは、例えば、スプレーの吹き付け回数等によって、適宜調整することができる。
水酸化ナトリウム溶液の導入のための制御部18が設けられていることにより、COD測定装置10を自動化でき、そして、COD測定装置10は、ガラス反応容器20を内部に格納することができる。そして、自動化されたCOD測定装置10において、ガラス反応容器20の交換頻度を下げることができる。自動化されたCOD測定装置10では、その使用者は、内部のガラス反応容器20を頻繁に確認することはしないものの、この場合でもガラス反応容器20の耐久性が上がっているため、ガラス反応容器20のガラス成分が水酸化ナトリウム溶液に溶け出し、孔が開いたりすることを抑制できる。これにより、ガラス反応容器20から試料液などが流れ出し、COD測定装置10全体が汚染されることを防止できる。
特に、自動化されたCOD測定装置10において、ガラス反応容器20の外側には、ガラス反応容器20の下部が浸漬するように熱水容器21が配置されており、熱水供給ポンプにより熱水容器21に熱水が循環されている構成となっているため、ガラス製の反応容器にピンホールが開いて漏れが生じ、熱水がアルカリに汚染され、熱水供給ポンプが故障することを防止できる。
さらに、前述のように、ガラスの熱伝導率が0.9~1.0W/(m・K)であるのに対して、フッ素樹脂の熱伝導率は0.2~0.3W/(m・K)と低く、熱の通過速度が遅くなるが、フッ素樹脂の厚さが1μm以上10μm以下と極めて薄いため、フッ素樹脂コーティングによるガラス反応容器20内の試料液等の混合液の温度低下は無視できる程度であり、特に問題は発生しない。
(CODOHの測定方法)
図4には、本実施形態に係るCOD測定装置10を用いてCODOHを測定する方法を示したフロー図を示す。
ステップ001(以下S001のように記載する)において、COD測定装置10の使用者は入出力部11を操作し、一連のCOD測定のためのフローを行うよう、制御部18に指令信号を送信する。この信号を受けた制御部18は、まず、ガラス反応容器20の洗浄を行うための指令信号を洗浄水供給部12へ送信する。この制御部18からの指令信号により、制御部18は、洗浄水供給部12から洗浄水を供給し、ガラス反応容器20の洗浄を行う。なお洗浄水の供給は、洗浄水供給口25から行われる。洗浄水は、ガラス反応容器20の底部に挿入されたチューブからのバキューム等の方法によって、ガラス反応容器20から排出される。
S002において、COD測定装置10の制御部18は、ガラス反応容器20に試料液を供給するための指令信号を、試料液供給部13へ送信する。この制御部18からの指令信号により、試料液供給部13は、あらかじめ定められた量の試料液をガラス反応容器20の内部に供給する。試料液の供給は、図示していないが、反応容器ふた20bに設けられた試料液供給口から行われる。また、試料液とともに、希釈水が洗浄水供給部12からガラス反応容器20の内部へ供給される場合もある。
S003において、COD測定装置10の制御部18は、ガラス反応容器20に水酸化ナトリウム溶液を供給するための指令信号を、水酸化ナトリウム溶液供給部14へ送信する。この制御部18からの指令信号により、水酸化ナトリウム溶液供給部14は、あらかじめ定められた量の水酸化ナトリウム溶液をガラス反応容器20の内部に供給する。これによりガラス反応容器20内の試料液はアルカリ性となる。水酸化ナトリウム溶液の供給は、図示していないが、反応容器ふた20bに設けられた水酸化ナトリウム溶液供給口から行われる。また、制御部18は、攪拌モータ23を回転させ、ガラス反応容器20内部の試料液等の混合液を攪拌し、水酸化ナトリウムが試料液全体と混合されるようにする。
S004において、COD測定装置10の制御部18は、ガラス反応容器20に過マンガン酸カリウム溶液を供給するための指令信号を過マンガン酸カリウム溶液供給部15へ送信する。この制御部18からの指令信号により、過マンガン酸カリウム溶液供給部15は、あらかじめ定められた量の過マンガン酸カリウム溶液をガラス反応容器20の内部に供給する。この過マンガン酸カリウムは酸化剤であり、この過マンガン酸カリウムの消費量を測定することでCODを算出することができる。過マンガン酸カリウム溶液は、過マンガン酸カリウム溶液導入パイプ22からガラス反応容器20の内部に供給される。過マンガン酸カリウム溶液が供給された後、30分混合液は加熱反応させられる。この際、熱水供給部16から熱水が熱水容器21に供給されることで、酸化反応が全体的に進む。合わせて制御部18は、攪拌モータ23を回転させる。
S005において、COD測定装置10の制御部18は、ガラス反応容器20にしゅう酸ナトリウム溶液を供給するための指令信号をしゅう酸ナトリウム溶液供給部17へ送信する。この制御部18からの指令信号によりしゅう酸ナトリウム溶液供給部17は、あらかじめ定められた量のしゅう酸ナトリウム溶液をガラス反応容器20の内部に供給する。しゅう酸ナトリウム溶液の供給は、図示していないが、反応容器ふた20bに設けられたしゅう酸ナトリウム溶液供給口から行われる。また、制御部18は、攪拌モータ23を回転させる。
S006において、COD測定装置10の制御部18は、ガラス反応容器20内部にに過マンガン酸カリウム溶液を滴定するための指令信号を過マンガン酸カリウム溶液供給部15へ送信する。この制御部18からの指令信号により、過マンガン酸カリウム溶液供給部15は、終点検出電極24での電位差が所定の値に達するまで滴定を継続し、終点検出電極24での電位差が所定の値に達した時に、終点検出の信号が、制御部18に送信される。この終点検出時まで滴下された過マンガン酸カリウム溶液の滴定量から、制御部18において、試料液のCODOHが算出される。
なお、上記のように本発明の実施形態として制御部18を備えたCOD測定装置10、すなわちCOD自動測定装置について詳細に説明したが、本発明は制御部18を備えないCOD測定装置10にも適用できる。すなわち、本発明はアルカリが導入され、内部にフッ素樹脂がコーティングされているガラス反応容器20を有するCOD測定装置10であるから、本発明のガラス反応容器20を用いて、実験室の机上にて人手によって、COD測定を行う場合等についても、本発明の範囲に含まれるものとする。
10 COD測定装置
18 制御器
20 ガラス反応容器
20a フッ素樹脂コート

Claims (2)

  1. 試料液にアルカリ溶液を加えてアルカリ性とする工程が実施された後、過マンガン酸カリウムを加える工程が実施され、その後に前記過マンガン酸カリウムのうち消費された量を滴定により求める工程が実施されることで前記試料液中のCODを算出するCOD測定装置において、
    前記試料液と、前記アルカリ溶液と、が内部に導入されるガラス反応容器を有し、
    該ガラス反応容器の内部の接液部表面にフッ素樹脂がコーティングされており、
    前記アルカリ溶液の、前記ガラス反応容器への導入を制御する制御部が設けられ、
    前記ガラス反応容器が、装置内部に格納されており、
    前記ガラス反応容器の外側には、該ガラス反応容器の下部が浸漬するように熱水容器が配置されており、熱水供給ポンプにより前記熱水容器に熱水が循環されている、
    ことを特徴とするCOD測定装置。
  2. 前記フッ素樹脂が、PTFEである、
    ことを特徴とする請求項1に記載のCOD測定装置。
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