JP7301057B2 - 耐変色性金合金及びその製造方法 - Google Patents

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Description

発明の分野
本発明は、金合金の分野に関連し、特に以下においてライトレッドとして定義される色を有する金合金に関する。
本発明は、ライトレッド色を有する金合金を製造する方法にも関する。
本発明に従う金合金及び金合金を製造する方法は、それぞれ宝石類及び時計製造の用途のための合金及び金合金を製造する方法である。
背景技術
宝石類及び時計製造の分野では、金は、非常に延性があるために純粋な形態で使用されない。宝石類及び時計製造の用途のために、通常、純粋な形態の金に関して及び/又は低硬度若しくは高延性の金合金に関して、より高い硬度を特徴とする宝石類又は時計製造のための金合金が使用される。
一般に、金合金は、侵食性環境との相互作用後、時間と共に望まれない色の変化を受ける可能性があることが知られている。これらの相互作用は、反応生成物の薄層の形成をもたらし、これは、合金表面に付着して留まり、色及び光沢の変化を引き起こす(文献“Observations of onset of sulfide tarnish on Gold-base alloys”; JPD, 1971, Vol. 25, issue 6, pag. 629-637)。
金合金の色の変化を促進することができる環境は、様々であり、その用途と関連がある。
金合金の色は、第1のLパラメータ、第2のaパラメータ及び第3のbパラメータに基づいて色を定義するCIELAB 1976色空間において独自に測定することができ、ここで、第1のLパラメータは、輝度を特定し、0(黒色)~100(白色)に含まれる値を採用するが、第2のaパラメータ及び第3のbパラメータは、色度パラメータを表す。特にCIELAB 1976カラーチャートにおいて、グレーの無彩色スケールは、a=b=0の点で検出され;第2のaパラメータの正の値は、第2のパラメータの値が高くなるにつれてより大きく赤色に傾いた色を示し;第2のパラメータaの負の値は、第2のパラメータaの値が負であっても絶対値として高いと、より大きく緑色に傾いた色を示し;第3のパラメータbの正の値は、第3のパラメータの値が高くなるにつれてより大きく黄色に傾いた色を示し;第3のパラメータbの負の値は、第3のパラメータbの値が負であっても絶対値が高いと、より大きく青色に傾いた色を示す。さらに、第2のaパラメータ及び第3のbパラメータを、以下のように定義される極性パラメータに変換することが可能である。
Figure 0007301057000001

ab パラメータは、「彩度」と定義され;Cab パラメータの値が高いほど、色の彩度が高くなり;Cab パラメータの値が低いほど、色の彩度が低くなり、グレースケールに近くなる。本出願人の知る限り、白又はグレーの金合金などとして使用可能であり、且つ表面のロジウムめっきを必要としない、金の含有量が750‰よりも高い合金は、任意に、8未満のCab 値を示す。パラメータhab*は、色の色調を特定する。
特に、ISO DIS 8654:2017標準は、宝石類の金合金に関して7つの色指定を定義する。特に、これらの合金は、以下の表に従って定義され、ここで、色は、0N~6Nで規定される標準基準に従って定義される。
Figure 0007301057000002
合金の色の測定について、特にISO DIS 8654標準は、測定機器がCIE N°15刊行物に準拠しなければならないことを規定する。
ISO DIS 8654:2017標準は、0N~6N標準色の合金の三色座標として、許容範囲を含む公称値L、a、bも示す。以下にこの標準の抜粋が規定されており、ISO DIS 8654:2017標準でピンク/レッドとして定義される合金の色の限界が定義される。
Figure 0007301057000003
先の表に関連して、次に、CIELAB 1976色空間内において、合金が0N...6N色、より具体的には5N~6N色を示すと断定することが可能である色空間をそれぞれが表す複数の領域を得ることが可能である。これらの領域は、図1に詳細に表される。
ISO DIS 8654:2017標準は、0N~6N合金のそれぞれに対して推奨される化学組成も提案する。特にピンク/レッド合金の場合、組成は、以下の表で規定されるものである。
Figure 0007301057000004
本出願人は、特に塩化物又は硫化物が存在する環境に曝露されたとき、既知のタイプのピンク/レッド金合金がかなりの色の不安定性を示すことを認識した。
CIE1976カラーチャートで定義される色であって、

Figure 0007301057000005

が時間t=0における初期条件の第1のパラメータとして定義され、

Figure 0007301057000006

が時間t=0における初期条件の第2のパラメータとして定義され、

Figure 0007301057000007

が時間t=0における初期条件の第3のパラメータとして定義される、E=f(L,a,b)座標によって規定されるような色に従う金合金の色の変化は、以下の式で定義される。
Figure 0007301057000008
貴重な材料に関する技術的な専門家のヒトの目は、色の変化ΔE(L,a,b)>1を検出できることも認識した。
特に、本出願人は、チオアセトアミドの蒸気に150時間曝露された(UNI EN ISO 4538:1998標準に従う)、銀の含有量に関して最小基準値を使用する配合の5N ISO DIS 8654:2017金合金が、5.6に等しい色の変化ΔE(L,a,b)を示し、50g/リットルの塩化ナトリウム水溶液(NaCl)の作用に35℃で175時間曝露されたとき、5N金合金が、3.6に等しい色の変化ΔE(L,a,b)を示すことを認識した。
特開平04-193924号から、特に表面酸化処理後に合金の色の変化を得ることが考えられた金合金が知られている。このプロセスは、黒/青色を得るまで合金の所望される徹底的な表面変化を起こす。宝石類の分野では、この文献に記載される合金は、意図される色の変化の挙動に加えて、合金の青/黒の呈色を得るために必要とされて、偶然割れたり合金により溶解されたりすると少なくともアレルギー反応をもたらし得る、コバルト及び他の希土類元素などの著しく毒性でもある元素を提供するという欠点を有する。皮膚接触用途に対して毒性があると認識される他の材料は、ニッケル、カドミウム及びヒ素であり、これらは、同様に金合金中に含有されることが多い。
文献“Effect of Palladium addition on the tarnishing of dental Gold alloys”; J Mater Sci-Mater, 1(3), pp.104-145, 1990及び文献“Effect of Palladium on sulphide tarnishing of noble metal alloys”, J Biomed Mater Res, 19(8), pp.317-934, 1985から、パラジウムは、3重量%未満の含有量でも、存在する場合、硫黄化合物が主として存在する環境によって生じる曇りの影響を最小限にすることが知られている。
本出願人は、研磨操作、特にダイヤモンド研磨中、宝石類のために決定された金合金が、肉眼で明白に見ることができる線として現れる暗色模様を有することを観察した。これらの暗色模様は、炭化物などの金合金中の包含物に起因する。これらの炭化物の存在は、酸化物の存在にも関連し得る。いずれの場合も、類似の化合物の存在により、金合金は、視覚的に美的な外観に関して好ましくなくなり、且つ物品の研磨又はダイヤモンド研磨が必要とされる宝石類及び時計製造の用途に不適切になる。純金の研磨では、炭化物自体を発生させることができる材料を含まないため、これらの模様は、存在しない。
特に、国際公開第2014087216号は、バナジウムを含有し、特に硫黄及び塩素化合物を含有する環境での変色に抵抗するようにその組成が配合された金合金を示す。バナジウムは、金合金の耐変色性を驚くほど改善することができる元素であると示されているが、本出願人は、この元素を含有する金合金が、炭化物又は酸化物を形成するという不都合を特徴とすることを観察した。従って、これらの合金は、物品の研磨又はダイヤモンド研磨が必要とされる、すなわち高品質の物品表面が必要とされる宝石類及び時計製造の用途に適さない。
従って、本発明の目的は、合金中に分散された炭化物及び/又は酸化物の存在に起因して研磨中に欠陥が生じる問題を解決するのに適した、特に宝石類又は時計製造のための金合金を説明することである。
より具体的には、本発明の目的は、炭化物を含まず(すなわち既に記載された欠陥を生じない量で存在する)、且つ5N ISO DIS 8654:2017合金よりも大きい程度まで(特に空気中及び塩化物又は硫化物が存在する環境中において)表面の色の変化に抵抗することができる、すなわち5N ISO DIS 8654:2017合金よりも表面の望まれない変色に抵抗することができるライトレッド金合金を説明することである。
概要
本発明は、以下の態様に従って記載され、これらは、互いに又は以下の詳細な説明の一部と組み合わせることができる。態様間に依存関係がある場合、これらは、好ましく且つそれに対して非限定的であると考えられなければならない。
本発明の第1の独立した態様は、重量において、
- 750‰よりも多く、且つ770‰以下の量の金と、
- 165‰~202‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 11‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 0‰~8‰に含まれる量の鉄と
を含む、宝石類のための金合金であって、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる、金合金を形成する。
本発明の第2の態様は、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 2‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含む、宝石類のための金合金であって、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる金合金である。
上記の組成のため、第2の態様に従う金合金は、チオアセトアミド、NaCl及び/又は空気を含有する環境において、5N ISO DIS 8654:2017合金により提供される耐性よりも高い耐変色性を有すると共に、炭化物及び/又は酸化物も形成しない。
第3の非限定的な態様によると、前記宝石類のための金合金は、バナジウム及び炭化物及び酸化物を形成することができる他の材料が存在しないことによって特徴付けられ、特にマグネシウム、インジウム、ケイ素、スズ、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、イットリウム、レニウム、ゲルマニウムを含まない合金である。
第4の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、ライトレッド金合金である。
本発明によると、「ライトレッド」として、CIE1976カラーチャートに従うa、bカラープランにおいて、ISO DIS 8654:2017標準により定義される空間内に含まれず、少なくとも以下の点によって定義される多角形に囲まれた色が意図される。
Figure 0007301057000009
特に、金合金は、初期条件下、すなわち研磨の直後に、ISO DIS 8654:2017標準によって定義されるようにライトレッド合金である。この合金は、参照ISO標準に従って合金4N、5N、6Nに対して定義される色に関して有意に異なる色を有し、従ってこれらと明白に識別可能である。
第5の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 2‰~4.5‰に含まれる量の鉄と
を含み、この合金は、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる。
特に第6の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、実質的に4重量‰に等しい量の鉄を含む。
第7の非限定的な態様によると、先行する第6の態様に依存して、合金は、実質的に40重量‰に等しい量の銀及び実質的に21重量‰に等しい量のパラジウムを含む。
第8の非限定的な態様によると、第6及び/又は第7の態様に従う金合金は、実質的に759重量‰~761重量‰に含まれる量の金を含む。
第5~第8の態様の代替として、第9の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含み、この合金は、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる。
特に第10の非限定的な態様によると、先行する第9の態様に依存して、宝石類のための金合金は、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 170‰~180‰に含まれる量の銅と、
- 38‰~42‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含み、この合金は、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる。
第11の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、CIE1976カラーチャート上のその色が5よりも大きい座標aを示す、より好ましくは6よりも大きい座標a(10°オブザーバー)を示す合金である。
第12の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、CIE1976カラーチャート上のその色が15.5未満の座標b(10°オブザーバー)を示す合金である。
第13の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、CIE1976カラーチャート上のその色が、(5÷8)、より好ましくは(6÷8)の範囲に含まれる座標a、特にグレー又は白色合金として既に及び任意に定義された範囲の外側にある座標aを示す(10°オブザーバー)合金である。
第14の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、CIE1976カラーチャート上のその色が、(13.5÷15.5)の範囲に含まれる座標bを示す合金である(10°オブザーバー)。
第11、第12、第13、第14の非限定的な態様によると、この色座標は、ISO DIS 8654:2017標準によって定義される4N、5N及び6N合金の許容範囲内に含まれないため、座標a及びbの組み合わせは、色の組み合わせにおいて共に作用して、例えば「ライトレッド」色の本発明の対象の合金を作る。
第15の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、重量において、
- 759‰~761‰に含まれる量の金と、
- 173‰~177‰に含まれる量の銅と、
- 実質的に40‰に等しい量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 3.5‰~5‰に含まれる量の鉄と
を含む。
第16の非限定的な態様によると、先行する第15の態様に依存して、宝石類のための金合金は、重量において、
- 759‰~761‰に含まれる量の金と、
- 173‰~177‰に含まれる量の銅と、
- 実質的に40‰に等しい量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 3.5‰~4.5‰に含まれる量の鉄と
を含む。
第17の非限定的な態様によると、先行する第16の態様に依存して、宝石類のための金合金は、重量において、
- 759‰~761‰に含まれる量の金と、
- 174.5‰~175.5‰に含まれる量の銅と、
- 実質的に40‰に等しい量の銀と、
- 実質的に21‰に等しい量のパラジウムと、
- 実質的に4‰に等しい量の鉄と
を含む。
第18の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、5N DIS 8654:2017合金の公称値に関してΔE(a,b)>3.24及びΔE(L,a,b)>3.57の公称色差を示す合金である(2°オブザーバー)。
この態様は、既に記載された及び/又は以下の説明部分で記載される効果にとどまらず、ISO DIS 8654:2017 5N標準に適合する色を有する合金に関して、目に見えて識別可能な色の合金を有することを可能にする。
第19の非限定的な態様によると、宝石類のための金合金は、ニッケル、ヒ素及びコバルトを含まない合金である。この態様のため、合金は、アレルギー耐性が著しく低い対象による着用に適合するか又は着用可能な金合金である。
第20の非限定的な態様によると、金合金は、5元合金である。
本発明によると、4元又は5元金合金として、その量が無視できない、特に2重量‰よりも多い、より好ましくは1重量‰よりも多い、それぞれ4つ又は5つの成分が存在する合金が意図される。換言すれば、4元又は5元合金は、明確に言及された成分に加えて、2重量‰、より好ましくは1重量‰を超える成分を含まない。
第21の非限定的な態様によると、金合金は、300時間の空気曝露時間にわたって0.8未満、より好ましくは0.5未満の色の変化ΔE(L,a,b)を有し、合金の色及びその変化は、ISO DIS 8654:2017標準に従って測定される。
第22の非限定的な態様によると、金合金は、35℃の50g/LのNaCl溶液への300時間の曝露時間にわたって2.8未満、より好ましくは2.5未満の色の変化ΔE(L,a,b)を有し、合金の色及びその変化は、前述の色測定条件に従って測定される。
第23の非限定的な態様によると、金合金は、ISO DIS 4538:1998標準に従うチオアセトアミドへの曝露時間にわたって5.8未満、より好ましくは5.5未満の色の変化ΔE(L,a,b)を有し、合金の色及びその変化は、前述の色測定条件に従って測定される。
第24の非限定的な態様によると、金合金は、重量において、
- 750‰~754‰に含まれる量の金と、
- 182‰~200‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 11‰~20‰に含まれる量のパラジウムと、
- 0‰~8‰に含まれる量の鉄と
を含み、且つバナジウムが存在しないことによって特徴付けられる。
第24の独立した態様によると、金合金を製造する方法も本発明の対象であり、前記方法は、
a)合金を構成する純元素の全てが、均一な溶液又は混合物を得るような方法で溶融される(以下では均質化と定義される)ステップであって、この混合物は、重量において、
- 750‰よりも多く、且つ770‰以下の量の金と、
- 165‰~202‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 0‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含む、ステップ、
b)混合物をるつぼに導入し、且つ続いて溶融するまで加熱によって溶融させるステップ
を含むことを特徴とする。
第26の非限定的な態様によると、前記方法は、
a)重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 2‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含む混合物を均質化するステップ
を含むことを特徴とする。
第27の非限定的な態様によると、前記方法は、
a)重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 2‰~4.5‰に含まれる量の鉄と
を含む混合物を均質化するステップ
を含むことを特徴とする。
従って、第27の態様に従う方法は、第26の態様に従う方法に等しいが、ここで、鉄は、2‰~4.5‰に含まれる量で存在する。
特に第28の非限定的な態様によると、混合物は、実質的に4重量‰に等しい量の鉄を含む。
第29の非限定的な態様によると、先行する第27の態様に依存して、混合物は、実質的に40重量‰に等しい量の銀及び実質的に21重量‰に等しい量のパラジウムを含む。
第30の非限定的な態様によると、第24及び/又は第25の態様に従う混合物は、実質的に759重量‰~761重量‰に含まれる量の金を含む。
第24~第30の態様の代替として、第31の非限定的な態様によると、前記方法は、
a)重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含む混合物を均質化するステップ
を含むことを特徴とする。
特に第32の非限定的な態様によると、先行する第31の態様に依存して、混合物は、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 170‰~180‰に含まれる量の銅と、
- 38‰~42‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄と
を含む。
第33の非限定的な態様によると、前記方法は、
a)重量において、
- 759‰~761‰に含まれる量の金と、
- 173‰~177‰に含まれる量の銅と、
- 実質的に40‰に等しい量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 3.5‰~5‰に含まれる量の鉄と
を含む混合物を均質化するステップ
を含むことを特徴とする。
より具体的には、第34の非限定的な態様によると、前記方法は、
a)重量において、
- 759‰~761‰に含まれる量の金と、
- 173‰~177‰に含まれる量の銅と、
- 実質的に40‰に等しい量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 3.5‰~4.5‰に含まれる量の鉄と
を含む混合物を均質化するステップ
を含むことを特徴とする。
より具体的には、第35の非限定的な態様によると、前記方法は、
a)重量において、
- 759‰~761‰に含まれる量の金と、
- 174.5‰~175.5‰に含まれる量の銅と、
- 実質的に40‰に等しい量の銀と、
- 実質的に21‰に等しい量のパラジウムと、
- 実質的に4‰に等しい量の鉄と
を含む混合物を均質化するステップ
を含むことを特徴とする。
第36の非限定的な態様によると、前記均質化は、溶融された材料が耐火性モールド又は耐火性若しくは金属製のインゴットにおいて鋳造される鋳造ステップを含む不連続溶融であり、前記溶融された合金は、バナジウム及び炭化物又は酸化物を形成することができる他の元素が存在しないことによって特徴付けられ、特にマグネシウム、インジウム、ケイ素、スズ、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、イットリウム、レニウム、ゲルマニウムを含まない合金である。前記炭化物又は酸化物が存在しないことにより、金は、最終物品の研磨又はダイヤモンド研磨が必要とされる宝石類及び時計製造の用途に適するようになる。
第37の非限定的な態様によると、前記溶融中、るつぼは、ガス制御雰囲気にさらされ、特に少なくとも一時的に真空条件にさらされる。
第38の非限定的な態様によると、前記鋳造ステップ中、前記るつぼは、環境圧力未満の圧力までの制御雰囲気にさらされる。
第39の非限定的な態様によると、前記制御雰囲気は、不活性ガス、好ましくはアルゴンであり、及び/又は前記圧力は、800mbar未満、好ましくは700mbar未満の圧力である。
第40の非限定的な態様によると、前記ガスは、還元ガス、好ましくは水素-窒素混合物であり、及び/又は前記圧力は、800mbar未満、好ましくは700mbar未満の圧力である。
第41の非限定的な態様によると、前記溶融は、黒鉛るつぼにおける溶融及び均質化ステップと、その後の溶融ステップとを含み、溶融された合金が、黒鉛で実現されたダイにおいて鋳造される連続溶融であり、前記合金は、黒鉛に対する化学的親和性を有さない、より具体的には特に少なくともバナジウム、マグネシウム、インジウム、ケイ素、スズ、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、イットリウム、レニウム、ゲルマニウムを含まない金属の合金である。
黒鉛に対する化学的親和性を有する元素が存在しないことにより、溶融された合金のダイ内での優れた流れが可能になり、凝固後にその取り出しが容易になる。反対に、黒鉛に対する化学的親和性を有する元素の存在は、合金のダイへのグリッピング効果を引き起こし、取り出しが妨害される。さらに、炭化物及び酸化物が存在しないことにより、金合金は、最終物品の研磨又はダイヤモンド研磨が必要とされる宝石類及び時計製造の用途に適するようになる。
第42の非限定的な態様によると、連続又は不連続溶融後、前記合金は、冷却ステップを受け、その後、1回又は複数回の熱間又は冷間塑性変形ステップと、1回又は複数回の熱処理とを受ける。
第43の非限定的な態様によると、元素の混合は、ステップa)に従って混合される元素の重量における量が実質的に1000重量‰に等しいようなものである。
第44の非限定的な態様によると、前記金合金に関する先行する態様の1つ又は複数に従う金合金を含む宝石類の物品も本発明の対象である。
第45の非限定的な態様によると、金合金は、二次相を含まない合金である。
本発明によると、「二次相を含まない」又は「第2相を含まない」として、特に他の熱処理を伴わない溶融及びその後の凝固の手順において前記第2相を生成し得る元素を含まない合金が意図される。液相で生じ、合金凝固の下流でも残存する第2相は、有害な第2相、例えば炭化物及び/又は酸化物であり、これらは、研磨中、研磨した物品の表面に肉眼で見ることができ、且つハイジュエリー分野で要求される必要性に適合する表面品質の高い物体を得ることを妨げる。合金を硬化させることができる熱処理プロセスに合金を曝露する可能性があり、従って前記熱処理の結果として沈殿のためにわずかな沈殿物が存在し得る。この場合、これらは、材料の機械特性を増大させ、本発明の合金により実現された物品における変形の発生を対比させることにより、変位の動きを防止する沈殿物である。
第45の非限定的な態様によると、先の態様に依存して、前記宝石類の物品は、宝石、又は時計、又は時計のためのブレスレット、又は時計のためのムーブメント若しくは機械式ムーブメントの一部を含む。
第46の非限定的な態様によると、先の態様に依存して、前記時計又は時計のための機械式ムーブメントは、それぞれ着用されるか又は腕時計に取り付けられるように構成される。
図面の説明
本発明は、好ましく且つ非限定的な実施形態において以下に説明され、その説明は、添付図面に関連している。
座標L、a、bに従う色空間の一部を示し、ISO DIS 8654:2017 5N及び6N標準に従って金合金に対して認められる色区間又は許容範囲に対応する領域が、本出願人によりライトレッドとして定義される区間と共に検出されており;さらに本発明の対象のいくつかの合金(LRS450、LRS451、LRS261(1))に対する典型的な色の位置が表される。特定の図面に示されるデータは、ISO DIS 8564:2017標準により定義される値と比較するためにオブザーバー2°により評価される。 本発明の対象の合金、特にLRS261(2)、LRS450 LRS451合金について、35℃の50g/LのNaCl溶液への曝露時間による色の変化チャートを示す。 本発明の対象の合金の一部、特にLRS261(2)、LRS450 LRS451合金について、UNI EN ISO 4538:1998に従うチオアセトアミドへの曝露時間による色の変化チャートを示す。 図面自体に示されるスケールに従い、本発明に従う金合金の研磨表面の顕微鏡写真を示す。単一の均一な溶液により微細構造が構成され、炭化物及び/又は酸化物は含まれない。 図面自体に示されるスケールに従い、国際公開第2014087216号に従うL06金合金の研磨表面の顕微鏡写真を示す。この顕微鏡写真は、炭化バナジウムのアグロメレーションにより形成された包含物を示す。この包含物は、合金の微細構造を構成する均一な溶液中に分散され、研磨又はダイヤモンド研磨が行われる物品の表面に見られる前述の表面欠陥を引き起こし得る。 本発明の対象の合金の一部、特にLRS261(1)、LRS262、LRS263合金について、ISO DIS 8654:2017標準(表1の組成)に従う5N合金及びL06合金などの参照合金が受ける色の変化と比較して、35℃の50g/LのNaCl溶液への曝露時間による色の変化チャートを示す。 特にLRS261(1)、LRS262、LRS263合金について、ISO DIS 8654:2017標準に従う5N合金及び国際公開第2014087216号に従うL06合金などの参照合金が受ける色の変化と比較して、UNI EN ISO 4538:1998に従うチオアセトアミドへの曝露時間による色の変化チャートを示す。 LRS261(1)、LRS262、LRS263合金について、L06合金などの参照合金サンプルが受ける色の変化と比較して、空気への曝露時間による色の変化チャートを示す。
発明の詳細な説明
本発明の対象は、炭化物の形成がないこと及びライトレッド色を特徴とし、耐曇り特性を有する、特に宝石類のための金合金群である。本発明の対象の合金の色の測定のために、測定機器は、CIE刊行物No.15に準拠することになる。
特に、この機器は、積分球を有する分光光度計であり、8°又は8°(正反射光を含む)の指定に適合する測定形状により反射スペクトルを測定することができる。
機器は、以下のパラメータに従って調整される。
- 正反射光を含む
- 標準照射6504KのD65
- 2°又は10°オブザーバー
色測定は、測定間で旋回を保証する再配置により、サンプルの5回の異なる測定の平均から得られる。
以下において、そのように記載される条件が色測定の条件として考えられるであろう。図1は、本発明に従って「ライトレッド」色の合金に対して仮定される値の表示ボックスを示し、本発明の対象の特定の実施形態LRS450、LRS451及びLRS261(1)の前記ボックス内の位置を示す(オブザーバー2°)。
本発明の目的のために、「ライトレッド」として、CIE1976カラーチャートに従うa、bカラープランにおいて、ISO DIS 8654:2017標準により定義される区間内に含まれず、少なくとも以下の点によって定義される多角形内に囲まれた色が意図される。
Figure 0007301057000010
本発明によると、「耐変色性金合金」又は「耐曇り性金合金」として、NaCl及び/又はチオアセトアミドなどの侵食性の化学物質の濃度を含有する雰囲気にさらされたとき、色を著しく変化させる明白な傾向を有さない、特に同じ試験条件下で5N ISO DIS 8654:2017合金及びL06合金などの参照合金が呈する色の変化よりも小さい色の変化ΔE(L,a,b)及び/又はΔE(a,b)を提示する傾向を有する合金が意図される。
本発明において記載される合金は、チオアセトアミド及びNaCl(塩化ナトリウム)を含む環境における色の変化(曇り)に対する耐性の観点から試験された。本発明の説明において、チオアセトアミドを含む環境で実行される試験への言及は、いずれもUNI EN ISO4538:1998標準に従って行われる。本発明に従って試験を実行するために、サンプルは、2~20リットルに含まれる容量を有する試験チャンバ内において、酢酸ナトリウム三水和物CHCOONa・3HOの飽和溶液の存在により相対湿度が75%に維持された雰囲気でチオアセトアミドCHCSNHの蒸気に曝露されており、ここで、チャンバ自体の構築のために使用される材料は、全て揮発性硫化物に対して耐性であると共に、試験結果に影響を与えることができるガス又は蒸気を全く放出しない。
塩化ナトリウム溶液の存在を特徴とする環境における腐食及び色の変化に対する耐性の評価に関して、試験は、金合金のサンプルを、35℃に温度調節された50g/LのNaCl溶液中に浸漬することによって実行された。
本出願人は、上記の特徴に関して、重量において、
- 750‰よりも多く、且つ770‰以下の量の金と、
- 165‰~202‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 11‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 0‰~8‰に含まれる量の鉄と
を含む、宝石類のための主要な金合金群を考えた。
上記の主要な群に従う合金は、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる。
本明細書に記載される主要な配合を用いて、次に本発明の対象の合金群が定義され、これは、空気中、NaCl中及び上記条件のチオアセトアミド中において、5N合金及びL06合金などの参照合金に関して大きく優れた耐曇り特性も示す。
金合金の特定の配合は、上記の群の一部であり、その成分の重量における量は、以下の表に示される。
Figure 0007301057000011
以下の表には、代わりに既知の合金の組成物が存在し、これに関して本発明に記載される合金の割合が評価される。従って、以下に示される組成物は、参照サンプルと考えられる。
Figure 0007301057000012
特に、本出願人は、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 2‰~6‰に含まれる量の鉄と
をその配合が含む合金について、上記条件下の空気、NaCl及びチオアセトアミド中での耐変色性が最適化されることを認識した。
本出願人は、特に、上記のような金-銅-銀-パラジウム合金への鉄の添加が、チオアセトアミドを含有する雰囲気などの揮発性硫化物を含有する雰囲気において合金の表面色の変化の低減に寄与することを観察した。特に、本出願人は、この色の変化の低減が、165重量‰~183重量‰に含まれる量の銅及び28重量‰~50重量‰に含まれる量の銀と共に、19重量‰よりも多い、特に19重量‰~23重量‰に含まれる量のパラジウム及び2重量‰~4.5重量‰に含まれる量の鉄の組み合わせによるものであることを観察した。特に、実質的に40重量‰に等しい含有量の銀及び実質的に21重量‰に等しいパラジウムと共に、4.5重量‰未満、より好ましくは4.2重量‰以下、特に実質的に4重量‰に等しい含有量の鉄を含む上記の合金は、同時に、チオアセトアミド中及びNaCl水溶液中での挙動を最適化させることが観察された。
表5には、以下:
- 750‰~754‰に含まれる量の金と、
- 182‰~200‰に含まれる量の銅と、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
- 11‰~20‰に含まれる量のパラジウムと、
- 0‰及び8‰に含まれる量の鉄と
を含み、バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる合金群に属するLRS262、263、255、256、258実施形態に従う合金の配合が示される。
合金の特定の実施形態(ここでは、LRS261(1)又はLRS261(2)実施形態と定義される)は、760重量‰~761重量‰に含まれる量の金、39重量‰~41重量‰に含まれる量の銀、174重量‰~176重量‰の銅、20重量‰~22重量‰のパラジウム、3~5重量‰の鉄を含み、不純物を除いてさらなる元素が存在しない。
本出願人は、そのように構成された合金が、チオアセトアミドを含有する環境において耐曇り性の良好な特徴を有することを観察した。この耐性は、ISO DIS 8654:2017 5N標準合金、特に銀の含有量に関して最小基準値を使用する配合を特徴とするISO DIS 8654:2017 5N合金よりも有意に優れている。従って、参照サンプルとして使用されるISO 5N合金は、重量において、750.5‰に等しい量の金、204.5‰に等しい量の銅及び45‰に等しい量の銀を含む。
チオアセトアミドは、ヒトの汗を十分に模倣するため、本発明の対象の合金の群は、ローズ-レッド金合金に対してISO標準により定義される合金の変色に関してより少ない変色を示す。
この配合において、基準値として使用されるISO DIS 8654:2017 5N合金は、2°オブザーバーによるL=87.2、a=8.60、b=17.90又は均等に10°オブザーバーによるL=86.6、a=9.7、b=17.4(個々の実験的測定におけるばらつきが存在しない限り)に等しい色を示す。
LRS450-451実施形態に従う合金は、4重量‰~6重量‰に含まれる量で鉄が含有される異なる部分群の一部である。この異なる部分群は、重量において、以下の組成:
- 755‰~770‰に含まれる量の金、
- 165‰~183‰に含まれる量の銅、
- 28‰~50‰に含まれる量の銀、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウム、及び
- 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄
に従う、宝石類のための金合金を含む。
特に、本出願人は、その組成が、重量において、
- 755‰~770‰に含まれる量の金と、
- 170‰~180‰に含まれる量の銅と、
- 38‰~42‰に含まれる量の銀と、
- 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
- 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄、
を含む特定の合金種からLRS450-451実施形態を抽出した。
明らかに、上記の異なる部分群に従う合金でも、主としてバナジウム並びに炭化物及び/又は酸化物の形成を引き起こすことができる元素が存在しないことによって特徴付けられる。
LRS261(2)及び262配合物の実施形態に従う配合に関する異なる部分群の鉄含有量の増大は、チオアセトアミド中の色の変化に対する耐性の点で性能のわずかな改善を引き起こす。
本出願人は、驚くべきことに、特許請求される上記の割合に従って記載される合金群が、DIS8654:2017 5N色標準に関して有意に識別可能な色を示すことを観察した。実際に、本出願人により実行された試験から、特許請求される上記の割合に従う合金群は、5N合金公称色に関してΔE(a,b)>3.24及びΔE(L,a,b)>3.57並びに4N合金の公称色に関してΔE(a,b)>6の公称色差を有し、従って記載される実施形態の合金に関して有意に異なる色を有すると思われる。
特に、上記の割合に従う群の合金は、実質的にL=85.50±0.7、a=7.3±0.4、b=14.4±0.5に等しい色を示す。実行した試験の再現性のあらゆるマージンを考慮して、本出願人は、上記の一般的な配合に従う合金が、その座標aが常に(5÷8)、より好ましくは(6÷8)の区間内に含まれる色を示すことを認識し、またb座標が15.5未満であり、特に13.5~15.5に含まれるという事実のため、例えば、これらは、既に提供された定義に従って常に「ライトレッド」金合金と定義できるようになる。
特に、本明細書に記載される金合金は、特に物品の高い表面品質が必要とされる用途のために、宝石類及び時計製造におけるその使用を可能にするように配合されている。このために、本明細書に示される組成物は、少なくとも国際公開第2014087216号文献に示される組成物と等しい耐変色性を得るように、しかしながら、物品の表面に欠損を形成することができるバナジウムなどの元素を使用せずに配合されている。加えて、良好な機械抵抗及び摩耗抵抗のために、探索される組成物は、アニーリング時に150よりも高い、アニーリング後の75%のひずみ硬化時に220よりも高い、且つアニーリング後のエージング時に270よりも高いHV硬度を有さなければならない。
本発明の対象の合金群にバナジウムが存在しないことにより、炭化物及び/又は酸化物の形成が回避されることになる。この態様は、製品のより優れた表面品質を可能にし、これらの研磨及びダイヤモンド研磨が可能になる。バナジウムの不在は、炭化物及び/又は酸化物の不在を決定するために十分ではない。実際に、この発生を防止するために、上記の金合金群は、炭化物を形成することができる材料を含まない、特にマグネシウム、インジウム、ケイ素、スズ、チタン、タングステン、モリブデン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、イットリウム、レニウム、ゲルマニウムを含まない合金を含む。例えば、図4に示されるように、表面欠損が存在しないと、加工性に関して、このように考えられた金合金の最高の品質がもたらされる。これらの元素が存在しないと、金マトリックスよりも有意に高い高度を有する炭化物及び/又は酸化物を含む金構造の研磨相に特有の「コメットテール」として知られている美的な欠損を回避することが可能になる。炭化物及び/又は酸化物の不在は、研磨又はダイヤモンド研磨プロセス中に最も硬い包含物に関して金マトリックスの優先的な除去が起こり、従って注意を払っていない目にも見えるようになる表面の不規則さをもたらすことを回避するために特に重要である。さらに、バナジウムの不在が共に作用して、図5に示されるような二次相(これも共に作用して、研磨又はダイヤモンド研磨されたときに合金の外観を悪化させる)の形成を低減する。
本発明の対象の全ての合金、特に表5において言及される合金は、完全に存在しないか又は非常に低い多孔性及び熱収縮を特徴とする。本出願人は、多孔性及び熱収縮が二次相及びコメットテールに類似した欠損を生じ得、これにより、実際に、これらを特徴とする合金は、研磨又はダイヤモンド研磨の結果として可能な限り最高の表面品質が必要とされる宝石類及び/又は時計製造の全ての用途に対して使用できなくなることを指摘する。「二次相を含まない」又は「第2相を含まない」として、特に他の熱処理を伴わない溶融及びその後の凝固プロセスにおいて、それらを生成し得る元素を含まない合金が意図される。液相で形成され、合金凝固の下流でも残存する第2相は、有害な第2相、例えば炭化物及び/又は酸化物であり、これらは、研磨ステップ中、研磨した物品の表面に肉眼で見ることができ、且つハイジュエリー分野で要求される必要性に適合する表面品質の高い物品を得ることを妨げる。
本明細書に記載される金合金の製造プロセスにおいて、合金を硬化させることができる熱処理プロセスに合金を曝露することが可能であり、従って前記熱処理の結果として沈殿のためにわずかな沈殿物が存在し得る。この場合、これらは、材料の機械特性を増大させることにより変位の動きを防止し、本発明の合金により実現された物品における変形の発生に抵抗する沈殿物である。
本発明に従う合金の全ては、さらに明確に、ニッケル、コバルト、ヒ素又はカドミウムを含まない。これにより、それらは、敏感な表皮部分と接触する宝石又は宝石類物品の一部を製造するための使用にも適するようになる。
本出願人は、バナジウムが細粒化剤のような挙動をするため、バナジウムが存在しないと、結果的に合金粒子の平均容積が増大することを観察した。一般に、合金の粒の縁部は、曇りの根底にある腐食現象の活性化に対する優先部位を表すことができる。結晶粒の平均サイズが小さくなるほど、粒の縁部のエネルギーが増大するため、結晶粒のサイズ(ISO 643)は、金合金の化学安定性に影響を与える。完全なレチクルに関して、多結晶構造の過剰の自由エネルギーと定義されるこのエネルギーは、合金の化学安定性の低下をもたらすことができ、合金の元素間又は分離した相間に発生する電気化学ポテンシャルの差を増大させる。
本発明の対象の金合金群は、少なくとも4元合金、より具体的には5元合金を含む。従って、本発明の対象の金合金群において無視できない量で含まれる元素の数は、少なくとも4に等しく、好ましくは5以下である。4元又は5元合金への限定により、最小限の量でも存在する元素間の相互作用に起因して、特許請求される合金間で異なる挙動を有するリスクの低減が可能になる。
以下の表は、本出願人が観察したデータの一部を示す。
Figure 0007301057000013
Figure 0007301057000014
Figure 0007301057000015
Figure 0007301057000016
Figure 0007301057000017
Figure 0007301057000018
Figure 0007301057000019
Figure 0007301057000020
本発明の対象の合金群は、チオアセトアミドへの同じ暴露時間にわたってISO 5N合金と比べて少ない色の変化を提示するだけでなく、同じ時間にNaCl溶液中及び空気中においても常に色の変化の点で挙動の改善を提示する。
特に、上記の表から、本発明に従う合金は、300時間の空気中の曝露時間にわたって0.5未満、より好ましくは0.45未満の色の変化ΔE(L,a,b)を示すが、特に35℃のNaCl溶液中では、色の変化は、300時間の曝露時間にわたってΔE(L,a,b)が1.9未満、より好ましくは1.77未満であるようなものであることが推測され得る。UNI EN ISO 4538:1998標準に従うチオアセトアミド中での210時間の曝露時間にわたり、色の変化は、4未満、より好ましくは3.5未満のΔE(L,a,b)である。
いくつかの試みの後、本出願人は、本発明の対象の合金金の好ましい実施形態が、上記の表にその配合が示されるLRS261(1)及びLRS261(2)アクロニムによって特定されるものであることを理解した。好ましい実施形態は、CIE1976標準に従い、且つISO DIS 8654:2017標準に従う色測定に従い、L=85.3、a=7.45及びb=14.40に等しい座標を有する色を有する。
本出願人は、驚くべきことに、上記の合金の特定の実施形態が、国際公開第2014087216号の特許出願に記載されるL06合金に極めて類似した色を有し、後者に対してΔE(L,a,b)=約0.6を有するが、後者に対して炭化物の形成がないことを発見した。従って、上記の合金の特定の実施形態は、特にこの色の変化が1未満であり、そのためにヒトの目に知覚できないため、色の観点から既知の合金に有利に関連し得るが、まさに炭化物の形成がないために後者に比べてより高い品質の加工性を有する(これは、製造された合金において起こるだけではなく、以下の記載部分においてよりよく説明されるように、特に連続鋳造における合金の溶融及び凝固段階においても起こる)。換言すれば、L06合金は、非常に高い表面品質、二次相の不在、炭化物の形成及び多孔性の不在が必要とされる宝石類及び時計製造要素への適用から除外されるが、特に、LRS261(1)及びLRS261(2)実施形態又はこれらに近い組成に従う合金は、L06合金に関して - 色の観点から - 実質的に識別できず、色の変化に対する耐性の観点から後者よりも優れた挙動を相乗的に示すことから、このような用途のために使用することができる。
意図されない不純物の排除を害することなく、本発明に従う合金は、総量、すなわち合計で2重量‰以下、より好ましくは1‰以下である付加的な材料を含むことができる。前記付加的な材料のリストには、イリジウム、ルテニウム及びレニウムが含まれる。これらの材料は、以下でさらによく説明される特定の条件下で細粒化特性を有することができる。最後に、このリストは、合金中に溶解される酸素の含有量を低減することができる元素として亜鉛も含む。
特に、イリジウムは、好ましくは、高い銅含有量を有する合金において使用される(特に後者の元素と結合するため)。限定はされないが、好ましくは、存在する場合、イリジウムは、0.5重量‰以下の量で存在する。亜鉛の使用についても同じ重量が好ましい。
より珍しいのは、0.1重量‰までのより少量のルテニウム及びレニウムの使用である。ルテニウム及びレニウムは、好ましくは、パラジウムを含有するグレー又は白色の金合金において使用される。
しかしながら、イリジウム、レニウム及びルテニウムの使用は、プレ合金中にこれらの元素の包含物が生じやすいことが認識されている。実際に、これらの元素は、これらに親和性のある材料とプレ合金化せずにるつぼ内に直接導入された場合に合金を形成せず、従って合金の特性の悪化の一因となることが観察された。他方で、銅(イリジウム)又はパラジウム(レニウム及びルテニウム)とのプレ合金において使用される場合に限り、プレ合金と、合金自体を構成する元素の残りとを注意して結合させることによって細粒化することが可能である。
本発明の対象は、耐変色性を有する金合金を製造する方法でもある。
本発明の対象である金合金は、純元素、特に99.99%の金、99.99%のCu、99.95%のPd、99.99%のFe、99.99%のAgから作られ、溶融中にこれらの間で均質化される。
本発明に従う金合金を作製するための純元素の溶融プロセスは、詳細には、金の不連続溶融プロセス又は金の連続溶融プロセスであり得る。金の不連続溶融プロセスは、合金が溶融され、耐火性モールド又は耐火性若しくは金属製のインゴットモールドにおいて鋳造されるプロセスである。この場合、上記の元素は、制御雰囲気中で溶融及び鋳造される。より具体的には、溶融操作は、好ましくは、溶融チャンバの雰囲気の少なくとも3回の条件付けサイクルを行った後にのみ実行される。この条件付けは、第1に、1×10-2mbar未満の圧力までの真空レベルに到達させ、続いてアルゴンにより700mbarで部分飽和させることを含む。溶融中、アルゴン圧は、700mbar~800mbarの圧力レベルに保持される。純元素の完全溶融が達成されたら、混合物の過熱段階が行われ、金属浴の化学組成物を均質化するために混合物は、約1250℃の温度、いずれの場合も1200℃を超える温度まで加熱される。過熱段階中、溶融チャンバ内の圧力値は、再度1×10-2mbar未満の真空レベルに達する。
鋳造段階のこの時点において、溶融材料は、モールド又はインゴットモールドに鋳造され、溶融チャンバは、ガス、好ましくはアルゴンにより再度加圧され、800mbar未満、特に700mbar未満の圧力で注入される。
凝固後、バー又は鋳物は、耐火性モールド又は耐火性若しくは金属製のインゴットから取り出される。合金が凝固したら、金合金バー又は鋳物が得られ、これは、固体状態の相変態を低減し且つ場合により回避するために、水中での浸漬段階による急速冷却を受ける。換言すれば、バー又は鋳物は、固体状態での相変化を回避するために、限定はされないが、好ましくは水中で急速冷却段階を受ける。
より一般的な実施形態では、本発明に従う金合金の製造プロセスは、上記の記載に従う純元素から出発して、上記の重量‰の量の成分を混合及び/又は均質化するステップを含み、これは、続いて、るつぼ、特に連続鋳造るつぼに導入される。
連続溶融プロセスは、金の凝固及び凝固した金の取り出しがバー又は金鋳物の一方の自由端から連続的に実行されるプロセスである。特に、連続溶融プロセスでは黒鉛ダイが使用される。黒鉛は、固体潤滑剤であり、通常、その表面と固体金属の表面との間に低摩擦を有し、通常、その表面に割れが存在せず、最少量の欠損のみが存在してその中に含有される元素の容易な取り出しを可能にするため、黒鉛ダイの使用が知られている。
イリジウム、ルテニウム及びレニウムなどの元素の包含物が細粒化のために存在する場合、製造プロセスは、プレ合金を実現するステップを含み、ここで、前記プレ合金は、
a)既に表示された量の銅にプレ合金化されたイリジウム、又は代わりに、
b)既に表示された量のパラジウムにプレ合金化されたレニウム又はルテニウム
を含む。
続いて、不連続又は連続溶融によって得られたバー又は鋳物は、冷間塑性変形ステップ、限定はされないが、好ましくはフラット圧延ステップを受ける。
フラット圧延中、より一般的には冷間塑性加工ステップ中、既に記載された溶融手順に従って合成された種々の組成物は、50%を超えて変形され、且つ700℃よりも高い温度で再結晶の熱処理を受け、続いて冷却される。
本出願人は、連続鋳造プロセス中、金合金中のバナジウムの不在が共に作用して、黒鉛のダイにおける特定の鋳造ステップを改善することを認識した。特にダイの黒鉛との化学的親和性に起因して、宝石類の製造のために一般的に使用される金合金内に非常に低い割合でもバナジウムが導入されると、ダイの表面における後者の滑りが制限されることが観察された。従って、バーを取り出すのが困難であり、得られるバー又は鋳物の外側面の品質が悪影響を受ける。従って、黒鉛に化学的に類似した元素の存在は、合金のダイへの接着効果を引き起こし、その取り出しを妨げるため、本出願人は、上記の組成に従って金合金を実現する際、バナジウムの不在が、上記の利点に加えて、連続鋳造による加工性を最適化するのに役立つことを認識した。
次に、本発明の対象は、既に記載された特徴に従う金合金を含む宝石類物品である。この宝石類物品は、ほとんどの様々な形状及び特徴を有することができるが、特に例えばブレスレット、同様にシャトンブレスレット、ネックレス、イヤリング、指輪であるが、限定されない宝石、マネークリップ、又は時計、又は時計のためのブレスレット、又は時計のためのムーブメント若しくは機械式ムーブメントの一部を含む。特に、前記時計又は時計のための機械式ムーブメントは、それぞれ着用されるか又は腕時計に取り付けられるように構成される。本発明の対象の合金金の使用により、これらの宝石類物品は、特に侵食性環境、例えば多量の汗をかいたときの皮膚及び海洋環境(しかしながら、後者は、通常、結婚指輪及び/又は例えば金のブレスレット若しくはケースの部分を有するダイビング時計が通常使用者によって着用されている環境である)などにおける使用に対しても十分に安定した、上記の定義に従うライトレッド色を有し、アレルギーを引き起こす可能性のある構成要素がなく、十分な硬度を有する。
最後に、本発明の対象は、それによって特許請求の範囲により提供される保護の範囲から外れることなく、当業者に明らかである修正形態、付加形態又は変形形態が可能であることが明白である。

Claims (14)

  1. 重量において、
    - 755‰~770‰に含まれる量の金と、
    - 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
    - 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
    - 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
    - 2‰~6‰に含まれる量の鉄と
    任意の、イリジウム、ルテニウム、レニウム及び亜鉛の1種以上と、
    からなることを特徴とする、宝石類のための耐変色性金合金であって、
    イリジウム、ルテニウム、レニウム及び亜鉛の合計が2‰を超えず、
    バナジウムが存在しないことによって特徴付けられる、耐変色性金合金。
  2. 300時間の空気曝露時間にわたって0.8及未満の色の変化ΔE(L,a,b)を有することを特徴とし、前記合金の色及びその変化は、ISO DIS 8654:2017標準に従って測定される、請求項1に記載の金合金。
  3. 任意選択的に35℃に温度調節されたNaCl溶液中で300時間に等しい曝露時間にわたって2.8未満の色の変化ΔE(L,a,b)を有することを特徴とし、前記合金の色及びその変化は、ISO DIS 8654:2017標準に従って測定される、請求項1又は2に記載の金合金。
  4. UNI EN ISO 4538:1998標準に従うチオアセトアミド中での210時間の曝露時間にわたって5.8未満の色の変化ΔE(L,a,b)を有することを特徴とし、前記合金の色及びその変化は、ISO DIS 8654:2017標準に従って測定される、請求項1~3のいずれか一項に記載の金合金。
  5. ISO DIS 8654標準に従って測定されるCIE1976カラーチャート上の前記金合金の色は、区間(5~8)に含まれるa座標と、区間(13.5~15.5)に含まれるb座標とを有し(2°オブザーバー)、且つDIS 8654:2017 5N合金の公称色に関してΔE(a,b)>3.24及びΔE(L,a,b)>3.57の公称色差を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の金合金。
  6. - 金が、755重量‰~770重量‰に含まれる量で存在し、
    - 銅が、165重量‰~183重量‰に含まれる量で存在し、
    - 銀が、28重量‰~50重量‰に含まれる量で存在し、
    - パラジウムが、19重量‰~23重量‰に含まれる量で存在し、
    - 鉄が、2重量‰~4.5重量‰に含まれる量で存在する、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の金合金。
  7. - 金が、759重量‰~761重量‰に含まれる量で存在し、
    - 銅が、173重量‰~177重量‰に含まれる量で存在し、
    - 銀が、40重量‰に等しい量で存在し、
    - パラジウムが、19重量‰~23重量‰に含まれる量で存在し、
    - 鉄が、3.5重量‰~5重量‰に含まれる量で存在する、
    請求項1~6のいずれか一項に記載の金合金。
  8. a)重量において、
    - 755‰~770‰に含まれる量の金と、
    - 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
    - 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
    - 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
    - 2‰~6‰に含まれる量の鉄と
    からなる混合物を均質化するステップ、
    b)前記混合物をるつぼに導入し、且つ続いて溶融するまで加熱によって溶融させるステップ
    を含む、宝石類のための金合金を製造する方法であって、前記溶融は、連続溶融であり、前記溶融された材料は、黒鉛で実現されたモールドにおいて鋳造され、前記混合物は、黒鉛に対する化学的親和性を有さない、少なくともバナジウムを含まない金属の混合物である、方法。
  9. 鉄は、2重量‰~4.5重量‰に含まれる量で存在する、請求項8に記載の方法。
  10. 前記混合物は、4重量‰に等しい量の鉄を含み、及び/又は前記混合物は、40重量‰に等しい量の銀及び21重量‰に等しい量のパラジウムを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記混合物は、759重量‰~761重量‰に含まれる量の金を含む、請求項8~10のいずれか一項に記載の方法。
  12. 重量において、
    - 755‰~770‰に含まれる量の金と、
    - 165‰~183‰に含まれる量の銅と、
    - 28‰~50‰に含まれる量の銀と、
    - 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
    - 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄と
    を含む混合物を均質化するステップを含むことを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  13. 前記混合物は、重量において、
    - 755‰~770‰に含まれる量の金と、
    - 170‰~180‰に含まれる量の銅と、
    - 38‰~42‰に含まれる量の銀と、
    - 19‰~23‰に含まれる量のパラジウムと、
    - 4.5‰~6‰に含まれる量の鉄と
    を含む、請求項12に記載の方法。
  14. 請求項1~7のいずれか一項に記載の金合金を含む宝石類の物品。
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