JP7300156B2 - 接合体の製造方法、及び、半硬化膜の製造方法 - Google Patents
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Description
特許文献1には、所定の温度で剥離するべく予め設計された被覆材により被覆された低温焼結性を有する金属ナノ粒子と、当該剥離温度より低温の融点を有するはんだ粒子及び当該融点より低温で揮散するペースト化剤の三成分で構成された接合剤用組成物が開示されている。特許文献1によれば、はんだが融解した後に焼結現象が起きる加熱条件の下で溶融接合を行なうことにより基板へ強固に接着するとされている。特許文献1ではアルコールを被覆した銀ナノ粒子と、錫-ビスマス系はんだ粒子とを組み合わせた導電性接合材が開示されている。
本発明者らは、無機系の接合材の取り扱い性の向上の点から、銀ナノ粒子とはんだ粒子とを含む接合用組成物の半硬化方法を検討した。しかしながら、このような接合用組成物を半硬化した場合、最終的に得られる接合層にはボイド(空隙)が多く発生することがあった。熱伝導性や接合強度などの観点から、ボイドの少ない接合層が得られる方法が求められている。
第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合層を介して接合された接合体の製造方法であって、
銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物を準備する工程(I)と、
前記第1被接合部材の接合面に、前記接合用組成物を塗布して塗膜を形成する工程(II)と、
前記塗膜を、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度で加熱して、塗膜中の銀ナノ粒子(A)の一部を焼結して半硬化膜を形成する工程(III)と、
前記半硬化膜上に前記第2被接合部材を配置する工程(IV)と、
前記半硬化膜を、スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも高い温度で焼成して接合層とする工程(V)と、を有する。
銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物を準備する工程(Ia)と、
基材上に、前記接合用組成物を塗布して塗膜を形成する工程(IIa)と、
前記塗膜を、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度で加熱して、塗膜中の銀ナノ粒子(A)の一部を焼結する工程(IIIa)と、を有する。
本実施形態に係る接合体の製造方法(以下、本接合体製造方法という)は、
第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合層を介して接合された接合体の製造方法であって、
銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物を準備する工程(I)と、
前記第1被接合部材の接合面に、前記接合用組成物を塗布して塗膜を形成する工程(II)と、
前記塗膜を、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度で加熱して、塗膜中の銀ナノ粒子(A)の一部を焼結して半硬化膜を形成する工程(III)と、
前記半硬化膜上に前記第2被接合部材を配置する工程(IV)と、
前記半硬化膜を、スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも高い温度で焼成して接合層とする工程(V)とを、通常、この順番で有するものであり、必要に応じて更に他の工程を有していてもよいものである。
本接合体製造方法においては、上記工程(III)における加熱温度を、スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度とすることにより、銀ナノ粒子(A)の一部のみを焼結することで半硬化時においてAg3Snの形成が抑制される。次いで、本焼成(工程(V))においてはんだ粒子(B)を融解させることにより、銀ナノ粒子焼結体の細孔内にスズが充填されるとともにスズと銀が合金化するものと推定される。このようなことから、本接合体製造方法によれば、接合層の高密度化が可能であると推測される。
以下、本接合体製造方法の各工程について説明する。
まず、銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物(以下、本接合用組成物ともいう)を準備する。本接合用組成物は、少なくとも、銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有するものであり、必要に応じて更に他の成分を含有してもよいものである。以下、本接合用組成物に含まれ得る各成分について説明する。
本接合用組成物において、銀ナノ粒子(A)は低温焼結性を有するものの中から適宜選択して用いる。銀ナノ粒子(A)は、工程(V)において、はんだ粒子が有するスズとAg3Sn合金を形成して接合層の強度を向上する。
銀ナノ粒子(A)の形状は、真球を含む略球状、板状、棒状などいずれの形状であってもよいが、略球状が好ましい。
一方、銀ナノ粒子(A)の焼結ピーク温度(T2)は、得られる接合層の高密度化の点から、前記融解温度(T1)よりも高いことが好ましい。
上記焼結ピーク温度(T2)が上記前記融解温度(T1)よりも高い場合、工程(III)において、少なくとも一部の銀ナノ粒子(A)は焼結せずナノ粒子のまま残存する。そのため、工程(V)における加熱の際、融解したはんだ粒子とともに当該ナノ粒子も流動し、空隙の少ない接合層が形成されると推定される。なお上記焼結ピーク温度(T2)が上記前記融解温度(T1)よりも高い場合であっても銀ナノ粒子(A)の少なくとも一部は、工程(III)において焼結する。
本実施形態において銀ナノ粒子(A)の焼結ピーク温度(T2)は、銀ナノ粒子(A)の半数以上が焼結する温度であり、示差熱天秤(TG8120(リガク社製))を用いて、窒素雰囲気下(窒素流速:250ml/min)において、10℃/minの昇温速度で、熱重量示唆熱(TG-DTA)測定により得られた発熱ピーク温度とする。
当該焼結ピーク温度(T2)は、例えば100~350℃の範囲で調整すればよく、100~300℃の範囲が好ましく、100~250℃の範囲がより好ましい。銀ナノ粒子(A)の焼結開始温度及び焼結ピーク温度は銀ナノ粒子の粒径などにより調整できる。
上記被覆化合物を構成する脂肪族基の炭素数は、分散性の点から、3以上が好ましく、5以上がより好ましく、7以上が更に好ましい。また、加熱時の脱離性及び、はんだ粒子への作用の点から、当該脂肪族基の炭素数は24以下が好ましく、16以下がより好ましく、12以下が更に好ましい。
好ましい脂肪酸の具体例としては、酪酸、カプロン酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、ウンデカン酸、ステアリン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸が挙げられる。また、好ましい脂肪族アルデヒドの具体例としては、ブタナール、ヘキサナール、オクチナール、ノナナール、デカナール、ウンデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、ヘキサデセニルアルデヒドが挙げられる。脂肪酸等は1種単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本接合用組成物において、はんだ粒子は、スズ(Sn)を含むはんだ粒子(B)を用いる。当該はんだ粒子(B)と、前記銀ナノ粒子(A)との組合せにより、焼結時にスズ銀合金が形成されるため、得られる接合層の機械強度が向上する。
はんだ粒子(B)としては、スズを含み、更に、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)、鉛(Pb)、アンチモン(Sb)、銅(Cu)、インジウム(In)、銀(Ag)等の元素を含む合金が挙げられ、不可避的に混入する他の元素を含有してもよい。また実質的にスズからなるスズ粒子であってもよい。はんだの具体例としては、Sn-Pb系、Pb-Sn-Sb系、Sn-Sb系、Sn-Pb-Bi系、Sn-Bi系、Sn-Zn-Bi系、Sn-Zn系、Sn-Cu系、Sn-Pb-Cu系、Sn-In系、Sn-Ag系、Sn-Pb-Ag系、Pb-Ag系はんだ等が挙げられる。本実施形態においてはんだ粒子は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
はんだ粒子は所望の金属を公知の方法により混合して製造してもよく、また、はんだ粒子の市販品を用いてもよい。
本接合用組成物において溶媒(C)は、上記各成分及び下記任意成分を溶解乃至分散可能な溶媒の中から塗膜形成方法(印刷方法)などに応じて適宜選択できる。溶媒は1種単独であっても2種以上を組み合わせた混合溶媒であってもよい。溶媒としては、中でも、脂肪族アミン系溶媒、脂肪族アルコール系溶媒、脂肪族アミノアルコール系溶媒、テルピンアセテート系溶媒、脂肪族アルカン系溶媒、カルビトール系溶媒や、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオールモノイソブチレート(KHネオケム株式会社製、キョーワノールM)などが挙げられる。
脂肪族アミノアルコール系溶媒としては、例えば、エタノールアミン、プロパノールアミン、オクタノールアミン、デカノールアミン、ドデカノールアミン、オレイルアルコールアミン等が挙げられる。
脂肪族アルコール系溶媒としては、例えば、ヘキサノール、オクタノール、デカノール、ドデカノール、オレイルアルコール等が挙げられる。
テルピンアセテート系溶媒としては、例えば、1,8-テルピン-1-アセテート、1,8-テルピン-8-アセテート、1,8-テルピン-1,8-ジアセテート等が挙げられる。
脂肪族アルカン系溶媒としては、例えば、オクタン、デカン、ドデカン、流動パラフィン等が挙げられる。
また、カルビトール系溶媒としては、例えば、ブチルカルビトール、ヘキシルカルビトール、デシルカルビトール等が挙げられる。
低沸点溶媒の含有割合は、溶媒全量を100質量%として、35質量%以下が好ましく、30質量%以下がより好ましく、20%以下が更に好ましい。
本接合用組成物は、必要に応じてさらに他の成分を含有してもよい。他の成分としては、フラックス剤、還元剤、分散剤、増粘剤、ゲル化剤等が挙げられる。
フラックス剤等(D)は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができ、たとえば、フラックス剤と還元剤とを組み合わせて用いてもよい。
ゲル化剤としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリイソブチレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィンが挙げられ、これらは前記流動パラフィンをゲル化できる。中でもポリエチレンが好ましい。ポリオレフィンの重量平均分子量は、例えば、10,000以上のものの中から適宜選択することができ、10,000~5,000,000が好ましく、20,000~3,000,000がより好ましい。接合用組成物をゲル化することにより、塗膜のパターン形状を保持することができる。
流動パラフィンとゲル化剤との配合比率は、パターン保持性を向上する観点点から、流動パラフィンとゲル化剤の合計100質量%に対し、ゲル化剤が0.5質量%以上20質量%以下であることが好ましく、1質量%以上15質量%以下がより好ましく、1.5質量%以上12質量%以下が更に好ましい。
次いで上記工程(I)で準備した本接合用組成物を接合対象となる第1被接合部材に塗布する。塗膜の形成方法は、公知の塗布手段及び印刷手段の中から適宜選択できる。塗膜をパターン状に形成でき、厚膜化が可能な点から、ディスペンサー塗布、又はスクリーン印刷が好ましい。
またスクリーン印刷は、所定の開口部を有するスクリーンに接合用組成物を塗布し、前記第1被接合部材上に前記スクリーンを配置し、スキージを用いて第1被接合部材にスクリーンを押し付けることで接合用組成物を所定パターンに転写する方法である。
接合用組成物の塗膜の膜厚は、例えば、1~100μmの範囲で適宜調整すればよく、2~80μmが好ましい。
なお第1被接合部材と第2被接合部材は、製造する接合体の用途に応じて適宜選択すればよい。被接合部材の接合面の材質は、焼結温度に対する耐熱性があればよく、例えば、金、銅等の金属類、シリコン、無機系セラミックスなどが挙げられる。
次いで工程(III)により上記塗膜を半硬化する。前記工程(III)における加熱温度は、前記融解温度(T1)未満であることを条件に、銀ナノ粒子(A)の焼結ピーク温度(T2)などを考慮しながら、50℃~180℃の範囲で任意に設定できる。中でも、100℃~150℃の範囲内とすることが好ましい。
加熱時間は、銀ナノ粒子の焼結性を考慮して、たとえば、1分~24時間、好ましくは15分~4時間の範囲で適宜調整する。なお、工程(III)において、塗膜は、通常、無加圧で加熱する。
これにより、はんだ粒子(B)が実質的に融解せず、銀ナノ粒子(A)の一部が焼結した半硬化膜が得られる。
次いで、接合対象である第2被接合部材の接合面を前記半硬化膜上に配置する(工程(IV))。
本接合体製造方法においては、工程(III)と工程(IV)のとの間、又は、工程(IV)と工程(V)との間に、前記塗膜(半硬化膜)を冷却する工程(VI)を有してもよい。ここで本実施形態において、冷却とは、冷気を吹き付けるなど積極的に冷却する場合のみならず、半硬化膜の状態で保管や運搬などを行うことにより結果的に半硬化膜が冷却されることを含む。冷却時間は特に限定されないが、例えば、1分以上、5分以上、10分以上とすることができる。
次いで、前記半硬化膜を、スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも高い温度で焼成して接合層とする。当該本焼成工程における加熱温度は、前記融解温度(T1)を超え、かつ、200℃~350℃であることが好ましい。加熱時間は、銀ナノ粒子の焼結性を考慮して、たとえば、10秒~12時間、好ましくは1分~2時間の範囲で適宜調整する。工程(V)では、半硬化膜を加圧しながら焼結を行ってもよく、無加圧であってもよい。
本実施形態に係る半硬化膜の製造方法(以下、本半硬化膜製造方法という)は、
銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物を準備する工程(Ia)と、
基材上に、前記接合用組成物を塗布して塗膜を形成する工程(IIa)と、
前記塗膜を、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度で加熱して、塗膜中の銀ナノ粒子(A)の一部を焼結する工程(IIIa)とを、通常、この順番で有するものであり、必要に応じて更に他の工程を有していてもよいものである。
本半硬化膜製造方法における基材は、耐熱性を有するものであればよく、前記第1被接合部材と同様のものであってもよく、また、剥離性の基材を用いることにより、得られた半硬化膜を接合用シートとして用いることができる。
特開2017-179403号公報を参考に、銀ナノ粒子の表面に2.5~5.2nm2の被覆密度でウンデカン酸が被覆した被覆銀ナノ粒子Ag1を製造した。平均一次粒径は65nmであった。また、下記TG-DTA測定による被覆銀ナノ粒子Ag1の焼結温度(T2)は、160~180℃であった。
前記被覆銀ナノ粒子Ag1を1.88質量部、SnBiはんだ粒子(三井金属鉱業製、ST-5; 粒子径約5μm; Sn:Bi=42:58(モル比); 融点(T1)は143℃)8.4質量部、溶媒としてテルソルブTHA-70(日本テルペン化学株式会社製;沸点は223℃)0.3質量部、及び、酪酸3-ヒドロキシ-2,2,4-トリメチルペンチル(東京化成工業株式会社製)0.2質量部を混合して、接合用組成物1を得た。
製造例2において、被覆銀ナノ粒子Ag1の代わりに、被覆銀ナノ粒子Ag2(被覆化合物:脂肪族アルコール、粒子径10nm以下、焼結温度T2は180℃~260℃)を用いた以外は製造例2と同様にして、接合用組成物2を得た。
製造例2において、被覆銀ナノ粒子Ag1の代わりに、被覆銀ナノ粒子Ag3(被覆化合物:脂肪族アミン、粒子径10nm以下、焼結温度T2は180℃~260℃)を用いた以外は製造例2と同様にして、接合用組成物3を得た。
製造例2の接合用組成物1を、開口部が4mm四方×厚み0.05mmのメタルマスクを用いて5mm四方×厚み0.5mmの合成石英ガラス基板上に塗布し、塗膜を形成した。次いで、塗膜を大気中110℃で60分間加熱し、半硬化膜を得た。当該半硬化膜は銀ナノ粒子の一部が焼結していることが確認された。
次いで、得られた半硬化膜の上に、金メッキされた窒化アルミナ系セラミックス基板を配置した。半硬化物をガラス基板とセラミックス基板とで挟んだ状態で、大気雰囲気下、半硬化物の厚み方向に0.35kgf/mm2の圧力をかけながら175℃で1分間加熱実装し、更に250℃で60分間加熱し秒間加熱焼成して接合層とし、ガラス基板とセラミックス基板とが接合層を介して接合された接合体を製造した。
実施例1において、接合用組成物1に代えて、それぞれ接合用組成物2又は3を用いた以外は、実施例1と同様にして接合体を製造した。
前記実施例1において、塗膜の加熱条件を、大気中110℃で60分間から、大気中175℃で60分間に変更した以外は、実施例1と同様にして接合体を製造した。
工程(III)と工程(V)における温度条件を表1に示す。
比較例1において、接合用組成物1に代えて、それぞれ接合用組成物2又は3を用いた以外は、比較例1と同様にして接合体を製造した。
<実装密度評価>
実施例及び比較例で製造した各接合体の接合層をガラス基板側から走査型電子顕微鏡(SEM)で観察し、実装密度を評価した。SEM観察で径が2μm以上の空隙が認められなかったものを〇、径が2μm以上の空隙が認められたものを×として、結果を表1に示す。代表して実施例1と比較例1のSEM像を図1に、実施例2と比較例2のSEM像を図2に示す。実施例1と比較例1は、いずれも接合用組成物1を用いて製造された接合層である。本発明の接合体製造方法に従って製造された実施例1の接合層は径が1μm以上の空隙が認められず、比較例1に対して、実装密度が高いことが明らかとなった。また図2に示すように、同じ接合用組成物2を用いた実施例2と比較例2との比較でも、実施例2の実装密度が高くなっている。
次に、実施例及び比較例の各接合体を12時間静置した後、接合面の観察を行った。うきや剥がれが認められなかったものを〇、うきや剥がれが認められたものを×として結果を表1に示す。
実施例1~3の接合体は、いずれも各基板との界面において接合層のうきや剥がれは認められず、密着性に優れていた。一方、比較例1~3の接合体では、界面でのうきが認められ、接合が不十分な状態であった。
このように、本発明の製造方法によれば、実装密度が高く優れた密着性を有する接合層を有する接合体が製造できる。
Claims (9)
- 第1被接合部材と、第2被接合部材とが接合層を介して接合された接合体の製造方法であって、
銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物を準備する工程(I)と、
前記第1被接合部材の接合面に、前記接合用組成物を塗布して塗膜を形成する工程(II)と、
前記塗膜を、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度で加熱して、塗膜中の銀ナノ粒子(A)の一部を焼結して半硬化膜を形成する工程(III)と、
前記半硬化膜上に前記第2被接合部材を配置する工程(IV)と、
前記半硬化膜を、スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも高い温度で焼成して接合層とする工程(V)と、を有する、
接合体の製造方法。 - 前記銀ナノ粒子(A)の焼結ピーク温度(T2)が、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも高い、請求項1に記載の接合体の製造方法。
- 前記工程(III)における加熱温度が、前記融解温度(T1)未満で、かつ、50℃~180℃である、請求項1又は2に記載の接合体の製造方法。
- 前記工程(V)における焼成温度が、前記融解温度(T1)を超え、かつ、200℃~350℃である、請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
- 前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)が100℃~200℃である、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
- 前記溶媒(C)が、前記焼結ピーク温度(T2)よりも高い沸点を持つ溶媒を含む、請求項2に記載の接合体の製造方法。
- 前記銀ナノ粒子(A)が、表面に脂肪酸及び脂肪族アルデヒドより選択される1種以上が被覆した被覆層を有する、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
- 前記工程(III)と前記工程(V)との間に、前記塗膜を冷却する工程(VI)を有する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載の接合体の製造方法。
- 接合に用いる半硬化膜の製造方法であって、
銀ナノ粒子(A)と、スズを含むはんだ粒子(B)と、溶媒(C)とを含有する接合用組成物を準備する工程(Ia)と、
基材上に、前記接合用組成物を塗布して塗膜を形成する工程(IIa)と、
前記塗膜を、前記スズを含むはんだ粒子(B)の融解温度(T1)よりも低い温度で加熱して、塗膜中の銀ナノ粒子(A)の一部を焼結する工程(IIIa)と、を有する、
半硬化膜の製造方法。
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