JP7296744B2 - 積層セラミックコンデンサ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
(1)複数の誘電体層と内部電極層が交互に積層された積層体と、
前記積層体の積層方向の両側に形成されたカバー層と、を備え、
前記カバー層は複数のポアを含み、
前記複数のポアは、前記積層体の積層方向に直交する方向に沿って配向している、積層セラミックコンデンサ。
前記積層体の積層方向の両側に形成されたカバー層と、を備え、
前記カバー層は複数のポアを含み、
前記複数のポアの周辺領域に硼素(B)が存在する、積層セラミックコンデンサ。
前記非容量部は複数のポアを含み、
前記非容量部に含まれる前記複数のポアは、前記積層体の積層方向に直交する方向に沿って配向している、(1)から(7)のうちいずれかに記載の積層セラミックコンデンサ。
前記カバー層の原料に窒化硼素(BN)粒子を添加する工程と、窒化硼素粒子が添加された原料をグリーンシートに展延する工程と、前記グリーンシートを切断しカバー層として積層して焼成前の素体を得る工程と、前記素体を焼成する工程を含む、積層セラミックコンデンサの製造方法。
図1に示すように、本実施形態の積層セラミックコンデンサ10は、略直方体の素体16を備えている。素体16は、6つの面を備えている。本明細書では、内部電極層が左右の外部電極14に引き出される面を端面12a、12bと呼び、内部電極層及び誘電体層の積層方向上下の面を主面12c、12dと呼び、残りの一対の面を側面12e、12fと呼ぶ。
図4に示すように、ポア30の断面形状は、扁平状あるいは楕円状となっている。ポア30の断面を見たときに、その外周上の2点を結ぶ線分のうち最も長い線分を長軸Aとする。また、その外周上の2点を結ぶ線分のうち、長軸Aに直交する方向の線分で最も長い線分を短軸Bとする。
面積率[%] = {(カバー層に含まれる複数のポアの断面積の合計)/(カバー層の断面積)}×100
図5に示すように、まず、誘電体層とカバー層を形成するための原料粉末を準備する。原料粉末としては、誘電体材料を形成し得る各種の粉末を使用することができる。例えば、TiO2とBaCO3を等モル量で混合した原料粉末を使用することができる。
ステップS11で準備した原料粉末に、分散剤、バインダ、及び有機溶剤を加えて混合することでスラリーを調製する。分散剤としては、例えば、ポリカルボン酸アンモニウムを使用できる。バインダとしては、例えば、ポリビニルブチラール樹脂やポリビニルアセタール樹脂を使用できる。有機溶剤としては、例えば、エタノール及び/又はトルエンを使用できる。
ステップS12で調製したスラリーを、凝集粉がなくなるようにビーズを衝突させながら混合することによって、スラリー中に原料粉末を均一に分散させる。このような混合には、例えばビーズミルを使用することができる。
ステップS13で得られたスラリーを乾燥させた後、粉砕する。粉砕によって得られた粉末を、大気中、1100℃の温度で1時間焼成する。これにより、TiO2とBaCO3 が反応し、粉末中に誘電体材料であるチタン酸バリウム(BaTiO3)が生成する。
ステップS14で得られた粉末に、Mg:0.2wt%、Mn:0.2wt%、Ho:0.7wt%、及びSi:1.0wt%、を添加する(wt%は、Tiの含有量を100%としたときの割合を示している)。これらの元素は、酸化物などの化合物の形態で添加することができる。
ステップS15で得られた粉末に、分散剤、有機バインダ、および有機溶剤を添加して混合することでスラリーを調製する。
PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムなどのキャリアフィルム上に、ステップS16で調製したスラリーを、ドクターブレード法でシート状に塗布する。塗布したスラリーを乾燥させることでグリーンシートを作製する。グリーンシートの厚さは、好ましくは、0.4~15μmである。
複数枚のグリーンシートのうち、内部電極層18を形成するためのグリーンシートの上に、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、あるいはグラビア印刷法などによって、導電ペーストを塗布して所定のパターンを形成する。これにより、グリーンシートの上に、内部電極層18を形成するためのパターンが印刷される。導電ペーストの主成分は、例えばNiやCuなどである。
パターンが印刷されたグリーンシートとパターンが印刷されていないグリーンシートを、ハンドリングしやすい大きさに切断する。その後、パターンが印刷されたグリーンシートと、パターンが印刷されていないカバー層用のグリーンシートを、所定の順序で、複数枚積み重ねる。パターンが印刷されていないグリーンシートは、最上面、最下面にそれぞれ複数枚積み重ねる。なお、パターンが印刷された複数枚のグリーンシートについては、内部電極層が交互に外部電極に引き出されるように、交互にその位置をずらしながら積み重ねる。複数枚のグリーンシートを積み重ねて得られた積層ブロックを、製品1個のサイズにカットする。これにより、焼成前の複数の素体が得られる。なお、カットは、押切り、ブレードダイシングなどの公知の方法で行うことができる。
ステップS19で得られた焼成前の素体を、バレル研磨する。このような研磨によって、素体16と外部電極14との密着を強固にすることができる。また、素体16の角部の欠けを防止することができる。
ステップS20で研磨した焼成前の素体の両端面に、焼成後に外部電極の下地を形成する導電ペーストを塗布して乾燥させる。このようなペーストとしては、例えば、Niを含む導電ペーストを用いることができる。
ステップS21で導電ペーストを塗布した素体を、焼成炉にて、1000~1350℃で、5分~2時間焼成する。これにより、セラミックスからなる誘電体層と内部電極層とが一体化した素体16が得られる。内部電極層を形成するための導電ペーストがNi、Cuなどの卑金属を含む場合は、内部電極層の酸化を防止するため、還元雰囲気にて焼成を行うのが好ましい。
ステップS22で得られた素体の両端面に形成された外部電極の表面に、Cu、Ni、Snの順番で電解めっき層を形成する。具体的には、ステップS22で得られた複数の素体を、めっき液とともにバレルに収容する。次に、バレルを回転させつつ、めっき液に通電を行う。これにより、素体の両端面に形成された外部電極の表面に、めっき層を形成することができる。Niめっきは、外部電極のはんだ耐熱性を向上させる目的で形成される。Snめっきは、外部電極のはんだ濡れ性を高める目的で形成される。
図6、7に示すように、積層体20は、積層セラミックコンデンサの容量に寄与しない非容量部40を備えてもよい。非容量部40は、カバー層22と同様に、内部電極用パターンが印刷されていないグリーンシートを複数枚積み重ねることによって形成することができる。非容量部40は、積層体20の積層方向におけるほぼ中央の位置に形成されている。非容量部40は、積層セラミックコンデンサの容量に寄与しないが、例えば、積層セラミックコンデンサを規格品の大きさに合わせる目的で形成されることがある。なお、非容量部40は、ダミー層またはトリム層と呼ばれることもある。
14 外部電極
16 素体
17 誘電体層
18 内部電極層
20 積層体
22 カバー層
24 サイドマージン
30 ポア
40 非容量部
Claims (8)
- 複数の誘電体層と内部電極層が交互に積層された積層体と、
前記積層体の積層方向の両側に形成されたカバー層と、を備え、
前記カバー層は複数のポアを含み、
前記複数のポアは、前記積層体の積層方向に直交する方向に沿って配向しており、
前記複数のポアの長手方向の大きさの平均値が、0.5~6.0μmである、積層セラミックコンデンサ。 - 前記カバー層の断面を観察したとき、前記複数のポアが占める面積の比率が0.2~5.0%である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記カバー層の断面を観察したとき、前記複数のポアが占める面積の比率が0.5~2.0%である、請求項1に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記誘電体層の厚さは、0.25~0.4μmである、請求項1から3のうちいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 複数の誘電体層と内部電極層が交互に積層された積層体と、
前記積層体の積層方向の両側に形成されたカバー層と、を備え、
前記カバー層は複数のポアを含み、
前記複数のポアは、前記積層体の積層方向に直交する方向に沿って配向しており、
前記複数のポアの周辺領域に硼素(B)が存在することにより、当該周辺領域の少なくとも一部がガラス相となっている、積層セラミックコンデンサ。 - 前記硼素(B)の濃度が、前記ポアから離れるほど低くなっている、請求項5に記載の積層セラミックコンデンサ。
- 前記積層体は、積層セラミックコンデンサの容量に寄与しない非容量部をさらに備え、
前記非容量部は複数のポアを含み、
前記非容量部に含まれる前記複数のポアは、前記積層体の積層方向に直交する方向に沿って配向している、請求項1から6のうちいずれか1項に記載の積層セラミックコンデンサ。 - 複数の誘電体層と内部電極層が交互に積層された積層体と、前記積層体の積層方向の両側に形成されたカバー層と、を備える積層セラミックコンデンサの製造方法であって、
前記カバー層の原料に六方晶窒化硼素(hBN)粒子を添加する工程と、窒化硼素粒子が添加された原料をグリーンシートに展延する工程と、前記グリーンシートを切断しカバー層として積層して焼成前の素体を得る工程と、前記素体を焼成する工程を含む、積層セラミックコンデンサの製造方法。
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