JP7295269B2 - 経腸摂取用組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、経腸摂取用組成物に関する。
タンパク質の摂取は、ヒトを含む動物にとって栄養生理学上欠かすことができない。しかしながら、タンパク質の過剰摂取は、腎臓や肝臓に負担をかけるものである。特に、高齢者や、腎臓又は肝臓に疾患をもつ人においては、腎臓や肝臓への負担を低減させる必要性から、タンパク質の摂取量が制限されることが少なくない。また、スポーツアスリート等のタンパク質を日常的に多く摂取する人においては、腎臓や肝臓の機能低下に留意する必要がある。
これまでに、腎臓や肝臓への負担を軽減させるために、タンパク質の含有量が小さい、低タンパク質食品が種々提案されている(特許文献1等)。
特開2018-130047号公報
たんぱく質は腎臓等に負担をかけるとされており、腎機能や肝機能が低下した人において、必要量のたんぱく質を摂取しながら腎臓や肝臓への負担軽減を叶えることは難しい。
かかる状況において、本発明は、摂取量を減らすことなく、腎臓や肝臓に負担をかけずに摂取することができる、タンパク質を含有する組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、ミセル構造を形成した状態のカゼインであるミセル性カゼインが、他の構造を有するカゼインや他のタンパク質に比べて、腎臓や肝臓への負担が小さいことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の一の態様は、タンパク質を含有する経腸摂取用組成物であって、ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有し、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するための組成物である。
本態様の組成物は、好ましくはミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも90質量%含有する。
本態様の組成物は、好ましくはタンパク質を0.1~25g/100kcal含有する。
本態様の組成物は、好ましくは灰分を0.01~3g/100kcal含有する。
また、本発明の別の態様は、タンパク質を0.1~25g/100kcal含有し、ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有する経腸摂取用組成物である。
本発明の組成物は腎臓や肝臓への負担が小さいため、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象(人など)にとっては、摂取量を減らすことなくタンパク質を摂取することができる。
さらに、本発明の組成物は、摂取したタンパク質の利用効率にも優れるため、タンパク質源として有用である。
ミセル性カゼイン、カゼインナトリウム、又はホエイタンパク質を摂取したヒトにおける血漿尿素の、摂取時を0とする経時変化量を示すグラフ。 ミセル性カゼイン又はカゼインナトリウムを投与したラットにおける投与後30分後から2時間後までの糸球体濾過量(GFR)を示すグラフ。 ミセル性カゼイン又はカゼインナトリウムを投与したラットにおける血漿シスタチンCの、投与時を0とする経時変化量を示すグラフ。
次に、本発明を詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されず、本発明の範囲内で自由に変更することができるものである。
本発明の組成物は、タンパク質を含有し、ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有する。
本発明において、「ミセル性カゼイン」とは、乳中においてみられるミセル構造を維持しているカゼインであり、カゼインタンパク質が形成するミセルコロイド(いわゆるカゼインミセル)である。「ミセラカゼイン(micellar casein)」と称される場合もある。
ミセル性カゼインは、一般的には乳又は脱脂乳などの乳製品に含まれており、例えば、脱脂乳を、限外濾過膜や精密ろ過膜を用いて膜分離処理することによって、ミセル性カゼインを濃縮することができる。当該膜分離処理の結果、脱脂乳から得られる乳タンパク濃縮物を、ミセル性カゼイン素材として使用することができる。ミセル性カゼインは、膜分離処理により得られることから、例えば、カゼインナトリウム等のカゼイネートの製造工程において行われるような酸沈殿及び/又はアルカリ溶解処理に晒されることがない。よって、当該ミセル性カゼインは、乳中においてカゼインが保持しているとされる“ミセル構造”を維持していることが考えられる。
ウシの乳由来のミセル性カゼインは一般的にαs1-カゼイン、αs2-カゼイン、β-カゼイン又はκ-カゼイン等の各種カゼインの集合体である。サブミセルと呼ばれる小さなミセルが会合してミセル性カゼインを形成していると考えられている。また、各カゼインの立体構造やカゼインサブミセル同士の結合部分にはリン、カルシウムが関与しているため、カルシウムを多く含むことが特徴である。すなわち、本発明におけるミセル性カゼインはカゼインとリン、カルシウムから構成されるミセルであってもよい。また、ミセル性カゼインの形態は、通常は乳中で存在しているカゼインのミセルコロイドと同様の形態であり、平均粒子径が20~600nmのコロイド粒子である。
また、本発明におけるミセル性カゼインは、乳由来であることが好ましく、より好ましくはウシの乳由来のものである。
本発明におけるミセル性カゼインは、特定の方法で生乳から脂質を除去した脱脂乳(スキムミルク)から製造したものであることが好ましい。すなわち、人工的にミセルを形成させたカゼインよりも、天然のミセル性カゼインを乳等の原料から回収したもの(天然ミセル性カゼインともいう)が好ましい。より具体的には、脱脂乳から粒子径が好ましくは0.1μm以下の成分を除くことにより得た、脱脂乳の特定の分画物を、ミセル性カゼインとして取得することができる。通常、脱脂乳に含まれる粒子径0.1μm以下の成分は、ホエイタンパク質や、糖質等の種々の成分である。
かかる、粒子径0.1μm以下の成分を除く処理は、例えば細孔径0.1~0.2μmの精密ろ過膜(Microfiltration Membrane、MF膜)に、脱脂乳を通過させることにより行うことができ、処理後の膜上に残った成分をミセル性カゼインとすればよい。取得したミセル性カゼインは、必要に応じて濃縮やスプレー乾燥等の処理を行ってもよい。また、ミセル性カゼインの調製工程において、酸又はアルカリ処理、タンパク質分解酵素の添加等の処理は、行わないことが好ましい。
このようにして製造された天然ミセル性カゼインを含む原料中のカゼインは、通常の乳中に存在しているカゼインのミセルコロイドの組成や形態を保持したものであり、本発明の組成物に公的に使用することができる。かかる原料は、膜処理などの操作の性質上、通常はミセル性カゼインと共にホエイタンパク質も存在する態様で取得されうるが、本発明の効果を妨げない限りにおいてかかる混入は許容される。このような混入タンパク質の混入量は、ミセル性カゼインを含む原料の総タンパク質量に対して、好ましくは19質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、よりさらに好ましくは5質量%以下である。また、かかる原料中の総タンパク質量に対して、ミセル性カゼインの割合は、81質量%以上が好ましく、85質量%以上がより好ましく、88%以上がさらに好ましく、90質量%以上がよりさらに好ましい。上限は100質量%でもよいが、入手の容易性の観点からは、97質量%以下、又は95質量%以下であってよい。
すなわち、本発明の組成物において、総タンパク質量に対するミセル性カゼインの量が、81~100質量%、85~100質量%、88~100質量%、90~100質量%、81~97質量%、85~97質量%、88~97質量%、90~97質量%、81~95質量%、85~95質量%、88~95質量%、又は90~95質量%の原料を使用することができる。
本発明におけるミセル性カゼインを含む原料としては、上述のような膜分離によりミセル性カゼインを濃縮した、ミセル性カゼイン濃縮物やミセル性カゼイン単離物を用いることができる。市販のものを用いてもよく、例えば、Milei(ミライ、ドイツ)社製のミセル性カゼイン濃縮物や、ミセル性カゼイン単離物を使用することができる。
脱脂乳からカゼイン素材を取得することは従来行われていたが、酸沈殿及び/又はアルカリ溶解処理等の方法で調製したカゼイン素材は、ミセルコロイドの形態を保持しておらず、本発明における有効成分とは区別される。
例えば、従来は、生乳から脂質を除去した脱脂乳から、硫酸等の酸を添加することによる酸凝固反応や、レンネットを添加することによる酵素反応を行い、ゲル化したタンパク質を分離するために予備加熱工程や、沈殿させたカゼインを水酸化ナトリウム等のアルカリによって可溶化するための加温工程を経て、カゼイネートとしてカゼインを調製してきた。なお、一般に、酸凝固反応によりホエイと分離して得たカゼインは、「酸カゼイン(素材)」と称される。また、一般に酸カゼインに対して水酸化ナトリウム処理を施して得たカゼインは、「カゼインナトリウム(素材)」と称される。
本発明の組成物は、かかる方法で得られたミセル性カゼインを含む原料を使用することができる。ミセル性カゼインを、例えば前述した量で含む原料の配合割合は、1~15質量%が好ましく、1~13質量%がより好ましく、1~10質量%がさらに好ましく、2~10質量%がさらに好ましい。
本発明の組成物に含有されるタンパク質の総含有量に対して、ミセル性カゼインの含有量は、少なくとも81質量%であり、好ましくは85質量%以上であり、より好ましくは88質量%以上であり、さらに好ましくは90質量%以上である。また、本発明の組成物中のミセル性カゼインの含有量の上限は、特に制限されないが、総タンパク質の100質量%以下であってよく、97質量%以下であってもよく、95質量%以下であってよい。
本発明の組成物がミセル性カゼイン以外のタンパク質を含有する場合、そのタンパク質は、本発明の効果を妨げない限りにおいて、特に限定されない。例えば、ミセル性カゼイン以外のカゼインタンパク質であってもよく、ホエイタンパク質等の乳タンパク質であってもよいし、大豆やトウモロコシ等の植物性タンパク質、肉や魚等の動物性タンパク質であってもよい。
また、本発明の組成物は、タンパク質の他に、脂質、炭水化物、ミネラル、ビタミン等を適宜含有させることが可能である。ミネラル類の成分としては、ナトリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、銅、塩素、ヨウ素、マンガン、セレン、クロム、モリブデン等を例示することが可能である。ビタミン類の成分としては、ビタミンA、レチノール、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、葉酸、ビタミンB12、ビオチン、パントテン酸、ビタミンC、コリン等を含有することが可能である。脂質成分としては、飽和脂肪酸、n-6系脂肪酸、n-3系脂肪酸等が例示され、特に、EPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)、DPA(ドコサペンタエン酸)等のオメガ3脂肪酸類を添加することが好ましい。
さらに、安定剤、ゲル化剤、増粘多糖類、乳化剤等を適宜含有することもできる。例えば、ペクチン、寒天、ジェランガム、カラギナン、キサンタンガム、グアーガム、及びローカストビーンガム、レシチン、モノグリセリド、ポリグリセリド等を含有することができる。
本発明の組成物は、1ml当たりのカロリーが、0.2~4.0kcalであることが好ましく、0.4~3.0kcalであることがより好ましく、0.6~2.0kcalであることがさらに好ましい。
本発明の組成物は、タンパク質を、好ましくは0.1~25g/100kcal含有し、より好ましくは0.1~15g/100kcal含有し、さらに好ましくは0.1~10g/100kcal含有し、さらに好ましくは2.5~6.0g/100kcal含有し、さらに好ましくは3.2~5.5g/100kcal含有する。なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前記含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対するタンパク質含有量であってよい。
本発明の組成物は、脂質を、好ましくは1.8~7.0g/100kcal含有し、より好ましくは2.2~6.5g/100kcal含有し、さらに好ましくは2.2~5.4g/100kcal含有する。なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前記含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対する脂質含有量であってよい。
本発明の組成物は、炭水化物を、好ましくは7.0~22.0g/100kcal含有し、より好ましくは8.5~21.0g/100kcal含有し、さらに好ましくは12.0~17.5g/100kcal含有する。なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前記含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対する炭水化物含有量であってよい。
本発明の組成物は、灰分を、好ましくは0.01~3.0g/100kcal含有し、より好ましくは0.01~1.0g/100kcal含有し、さらに好ましくは0.03~0.9g/100kcal含有し、さらに好ましくは0.05~0.8g/100kcal含有する。
ここで、灰分とは、ナトリウム、カルシウム、鉄、マグネシウム、亜鉛等を指す。
通常、牛乳は灰分を0.5~1.0g/100kcal含有するが、本発明の組成物は牛乳そのものとは区別される。
本発明の組成物は、ナトリウムを、好ましくは30~250mg/100kcal含有し、より好ましくは43~240mg/100kcal含有し、さらに好ましくは70~200mg/100kcal含有する。なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前記含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対するナトリウム含有量であってよい。
本発明の組成物は、カルシウムを、好ましくは20~150mg/100kcal含有し、より好ましくは30~145mg/100kcal含有し、さらに好ましくは50~120mg/100kcal含有する。なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前記含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対するカルシウム含有量であってよい。
本発明の組成物は、水分を、好ましくは30~100g/100kcal含有し、より好ましくは40~100g/100kcal含有し、さらに好ましくは50~90g/100kcal含有する。なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前記含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対する水分含有量であってよい。
本発明の組成物は、カリウムを、好ましくは25~240mg/100kcal含有し、より好ましくは30~225mg/100kcal含有し、さらに好ましくは50~190mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、リンを、好ましくは35~160mg/100kcal含有し、より好ましくは35~145mg/100kcal含有し、さらに好ましくは35~120mg/100kcal含有する。
本発明の組成物は、ビタミンAを好ましくは35~220μgRAE/100kcal含有し、より好ましくは40~210μgRAE/100kcal含有し、さらに好ましくは75~180μgRAE/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンDを好ましくは0.10~6.0μg/100kcal含有し、より好ましくは0.12~5.7μg/100kcal含有し、さらに好ましくは0.4~4.8μg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンEを好ましくは0.5~7.0mg/100kcal含有し、より好ましくは0.9~6.5mg/100kcal含有し、さらに好ましくは1.0~5.5mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンKを好ましくは1.2~11μg/100kcal含有し、より好ましくは1.4~10.5μg/100kcal含有し、さらに好ましくは7.0~8.5μg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンB1を好ましくは0.05~0.3mg/100kcal含有し、より好ましくは0.1~0.25mg/100kcal含有し、さらに好ましくは0.1~0.16mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンB2を好ましくは0.10~0.30mg/100kcal含有し、より好ましくは0.13~0.28mg/100kcal含有し、さらに好ましくは0.15~0.23mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ナイアシンを好ましくは1.0~4.0mg/100kcal含有し、より好ましくは1.2~3.8mg/100kcal含有し、さらに好ましくは2.0~3.2mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンB6を好ましくは0.15~1.3mg/100kcal含有し、より好ましくは0.18~1.2mg/100kcal含有し、さらに好ましくは0.3~1.0mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンB12を好ましくは0.15~0.8μg/100kcal含有し、より好ましくは0.2~0.7μg/100kcal含有し、さらに好ましくは0.3~0.6μg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、葉酸を好ましくは20~80μg/100kcal含有し、より好ましくは25~75μg/100kcal含有し、さらに好ましくは30~63μg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、パントテン酸を好ましくは0.4~1.7mg/100kcal含有し、より好ましくは0.5~1.6mg/100kcal含有し、さらに好ましくは0.7~1.3mg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビオチンを好ましくは2.0~40μg/100kcal含有し、より好ましくは3.0~37μg/100kcal含有し、さらに好ましくは5.0~31μg/100kcal含有する。
また、本発明の組成物は、ビタミンCを好ましくは4.0~100mg/100kcal含有し、より好ましくは5.0~50mg/100kcal含有し、さらに好ましくは10~30mg/100kcal含有する。
なお、本発明の組成物が後述する飲食品に含有される態様である場合、前述したカリウム、リン、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK、ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン、ビタミンB6、ビタミンB12、葉酸、パントテン酸、ビオチン、及びビタミンCの各含有量は、飲食品全体のエネルギー量に対する含有量であってよい。
本発明の組成物における各成分の含有量の測定は、それぞれ常法により行うことができる。すなわち、脂質含量は、レーゼ・ゴットリーブ法により測定することができる。タンパク質含量は、燃焼法により測定することができる。炭水化物は、差し引き法(100%から、脂質含量、タンパク質含量、灰分含量及び水分含量を差し引いて求められる値)により測定することができる。なお、灰分含量は直接灰化法により、水分含量は常圧加熱乾燥法によりそれぞれ測定することができる。また、熱量は、アトウォーター法により算出することができる。
本発明の組成物は、半固形状又は液状であることが好ましく、粘度が、1~30,000mPa・s、1~20,000mPa・s、1~3,000mPa・sであることがより好ましい。粘度は、B型回転粘度計(東機産業株式会社製)を使用し、測定温度20℃、ローター回転数6rpmの条件で測定することができる。
本発明の組成物は、腎臓や肝臓への負担が小さい。そのため、摂取量を減らすことなく、腎臓や肝臓に過度の負担をかけずにタンパク質を摂取することができる。なお、大豆タンパク質も腎臓への負担が小さいことが従来知られているが、乳タンパク質は大豆タンパク質よりも栄養組成すなわちアミノ酸バランスが良好であることからも(Stein, H. H., and J. K. Mathai. 2016. Use of the pig to determine digestible indispensable amino acid scores (DIAAS) in human foods. Proc. 5th Intl. Symp. Energy and Protein. Krakow, Poland, Sep. 12 to 15, 2016.)、ミセル性カゼインが優れたタンパク質源となることが期待される。
また、本発明の組成物を摂取後の体内における尿素生成量が小さいことから、吸収したアミノ酸が無駄に排泄されず利用されやすいことが推測される。すなわち、タンパク質の利用効率にも優れるため、かかる点でも本発明の組成物はタンパク質源として有用であるといえる。
そのため、本発明の組成物は、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象に、好適に摂取される。対象は、通常は動物であり、好ましくは哺乳動物であり、より好ましくはヒトである。
ここで、腎機能の低下抑制を必要とする対象とは、腎臓病などの診断を受けた対象のほか、例えば血清クレアチニン値が男性1.0mg/dL以上、女性0.8mg/dL以上の対象、血清尿素窒素値が22mg/dL以上の対象、尿タンパクが陽性の対象等が含まれるが、特に限定されない。
また、肝機能の低下抑制を必要とする対象とは、肝機能異常の診断を受けた対象のほか、例えば血清AST値が40U/L以上の対象、血清ALT値が40U/L以上の対象、血清γ-GTP値が男性70U/L以上、女性30U/L以上の対象等が含まれるが、特に限定されない。
また、腎機能及び/又は肝機能の低下の予防を必要とする対象とは、例えばアスリート等が挙げられ、より具体的には継続的にタンパク質を1.2g/kg/日以上摂取する対象等が含まれるが、特に限定されない。
また、本発明の組成物を摂取する対象は、高齢者(65歳以上)であってもよい。
本発明の組成物の適用は、治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。なお、「非治療的」とは、医療行為、すなわち治療による人体への処置行為を含まない概念である。
言い換えると、本発明の別の態様は、本発明の経腸摂取用組成物を、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象に摂取させる方法である。
なお、本明細書において「組成物を対象に摂取させること」は、「組成物を動物に投与すること」と同義であってよい。摂取は、自発的なもの(自由摂取)であってもよく、強制的なもの(強制摂取)であってもよい。すなわち、摂取させるとき、具体的には、例えば、本発明の組成物を飲食品や飼料に配合して対象に供給し、以て対象に本発明の組成物を自由摂取させる工程であってもよい。
本発明の別の側面は、タンパク質を含有する経腸摂取用組成物の製造方法であって、前記組成物にミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有させること、及び前記組成物は腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するためのものであること、を特徴とする製造方法である。
また、本発明の別の側面は、タンパク質を含有する経腸摂取用組成物の製造におけるミセル性カゼインの使用であって、前記組成物はミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有し、前記組成物は腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するためのものである、使用である。
また、本発明の別の側面は、タンパク質を含有する経腸摂取用組成物の製造に用いられるミセル性カゼインであって、前記組成物はミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有し、前記組成物は腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するためのものである、ミセル性カゼインである。
また、本発明の別の側面は、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防のために用いられる経腸摂取用組成物であって、前記組成物はタンパク質を含有し、ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有する、前記組成物である。当該組成物は、好ましくは腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するためのものである。
さらに、本発明の別の側面は、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防のための経腸摂取用組成物の使用であって、前記組成物はタンパク質を含有し、ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有する、前記組成物である。当該組成物は、好ましくは腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するためのものである。
本発明の組成物の摂取時期は、特に限定されず、対象の状態に応じて適宜選択することが可能である。
本発明の組成物の摂取期間は、特に限定されず、長期間(例えば、数週間、数か月単位で)継続的に摂取しても、腎臓や肝臓への負担を軽減することができる。
本発明の組成物の摂取量は、摂取対象の年齢、性別、状態、その他の条件等により適宜選択される。
本発明の組成物の摂取量は、成人の場合、例えば、成人の1日の摂取量は、ミセル性カゼインのタンパク質量換算で、0.1~4g/kg体重/日が好ましく、0.2~2g/kg体重/日がより好ましく、0.4~1.2g/kg体重/日がさらに好ましい。
なお、摂取の量や期間にかかわらず、本発明の組成物は1日1回又は複数回に分けて摂取することができる。
本発明の組成物は、経腸摂取用組成物である。経腸摂取とは、腸を経由して体内に吸収される限りにおいて、腸に至る経路は特に限定されず、例えば、経口で摂取する態様であってもよいし、胃瘻等の非経口で摂取する態様であってもよい。本発明の経腸摂取用組成物は、栄養組成物であることが好ましく、経腸栄養剤、濃厚流動食、天然濃厚流動食、人工濃厚流動食、半消化態栄養剤、消化態栄養剤、半固形栄養剤、及び成分栄養剤等の流動食であることがより好ましい。
本発明の組成物は、好ましく飲食品や医薬品の態様にすることができ、飲食品の態様がより好ましい。
なお、本発明の組成物自体が飲食品又は飲食品の素材として流通する態様であってもよいし、本発明の組成物が飲食品に添加されたり他の飲食品原料と合わせて飲食品を形成されたりする態様であってもよい。
飲食品としては、液状、ペースト状、ゲル状固体、粉末等の形態を問わず、前述した流動食(経管摂取用栄養食)のほかに、例えば、錠菓;パン、マカロニ、スパゲッティ、めん類、ケーキミックス、から揚げ粉、パン粉等の小麦粉製品;即席めん、カップめん、レトルト・調理食品、調理缶詰め、電子レンジ食品、即席スープ・シチュー、即席みそ汁・吸い物、スープ缶詰め、フリーズ・ドライ食品、その他の即席食品等の即席食品類;農産缶詰め、果実缶詰め、ジャム・マーマレード類、漬物、煮豆類、農産乾物類、シリアル(穀物加工品)等の農産加工品;水産缶詰め、魚肉ハム・ソーセージ、水産練り製品、水産珍味類、つくだ煮類等の水産加工品;畜産缶詰め・ペースト類、畜肉ハム・ソーセージ等の畜産加工品;加工乳、乳飲料、ヨーグルト類、乳酸菌飲料類、チーズ、アイスクリーム類、調製粉乳類、クリーム、その他の乳製品等の乳・乳製品;バター、マーガリン類、植物油等の油脂類;しょうゆ、みそ、ソース類、トマト加工調味料、みりん類、食酢類等の基礎調味料;調理ミックス、カレーの素類、たれ類、ドレッシング類、めんつゆ類、スパイス類、その他の複合調味料等の複合調味料・食品類;素材冷凍食品、半調理冷凍食品、調理済冷凍食品等の冷凍食品;キャラメル、キャンディー、チューインガム、チョコレート、クッキー、ビスケット、ケーキ、パイ、スナック、クラッカー、和菓子、米菓子、豆菓子、デザート菓子、ゼリー、その他の菓子などの菓子類;炭酸飲料、天然果汁、果汁飲料、果汁入り清涼飲料、果肉飲料、果粒入り果実飲料、野菜系飲料、豆乳、豆乳飲料、コーヒー飲料、お茶飲料、粉末飲料、濃縮飲料、スポーツ飲料、栄養飲料、アルコール飲料、その他の嗜好飲料等の嗜好飲料類、ベビーフード、ふりかけ、お茶漬けのり等のその他の市販食品等;育児用調製粉乳;経腸栄養食;機能性食品(特定保健用食品、栄養機能食品)等が挙げられる。
また、飲食品の一態様として飼料とすることもできる。飼料としては、ペットフード、家畜飼料、養魚飼料等が挙げられる。
飼料の形態としては特に制限されず、トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦、マイロ等の穀類;大豆油粕、ナタネ油粕、ヤシ油粕、アマニ油粕等の植物性油粕類;フスマ、麦糠、米糠、脱脂米糠等の糠類;コーングルテンミール、コーンジャムミール等の製造粕類;魚粉、脱脂粉乳、ホエイ、イエローグリース、タロー等の動物性飼料類;トルラ酵母、ビール酵母等の酵母類;第三リン酸カルシウム、炭酸カルシウム等の鉱物質飼料;油脂類;単体アミノ酸;糖類等を含有するものであってよい。
なお、本発明の組成物を飲食品の態様とする又は飲食品に含有させる場合、ミセル性カゼイン及び/又はその加水分解物の含有量は特に限定されず、一日あたりのタンパク質摂取量や前述した一日あたりのミセル性カゼインの摂取量に基づいて適宜設計することができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)ヒトへの投与試験
被検者2名に表1に示す試料の何れか1つを経口摂取してもらい、摂取0、30、60、120、180、240分後に採血し、血漿中の尿素を測定した。異なる試料を摂取する試験は異なる日に行った。なお、使用したミセル性カゼイン濃縮物は、総タンパク質中のミセル性カゼインの割合が90%であり、カゼインナトリウムとホエイタンパク質濃縮物は、ミセル性カゼインを含まない試料である。
Figure 0007295269000001
図1に、血漿尿素の、摂取時を0とする経時変化量をそれぞれ示す。
ミセル性カゼイン摂取群は、血漿中の尿素濃度は上昇しなかった。なお、尿素は摂取物中にはほとんど含まれておらず、生合成(尿素回路)で産生するものである。これらの結果から、ミセル性カゼインは、一般にタンパク質を過剰摂取した時に問題となる肝臓や腎臓への負担が小さいタンパク質であることが認められる。
<実施例2>
(2)ラットへの投与試験
ラット(各群n=4)に、ミセル性カゼイン濃縮物(MC80、ミライ社製)、カゼインナトリウム(TATUA100、タツア社製)、又は水を経口投与した。タンパク質摂取群のタンパク質摂取量は体重1kg当たり1.5gとした。投与30分後~2時間後の糸球体濾過量(GFR)を測定し、また、投与0、30、60、90、120、150分後に採血し、血漿中のシスタチンCを測定した。
図2に、投与後30分後から2時間後までのGFRを示す。
カゼインナトリウム投与群は、0.85mL/分/100gまで上昇した。一方、ミセル性カゼイン投与群は、水投与群と同程度0.77mL/分/100gであった。GFRの上昇は腎臓の負担が大きい事を表すことから、ミセル性カゼインはカゼインナトリウムよりも腎臓への負担が小さいタンパク質であることが分かる。
図3に、血漿シスタチンCの経時変化を示す。
シスタチンCは、全身の細胞で産生され、血漿中のタンパク質と結合しないため容易に腎臓の糸球体で濾過される。濾過後は近位尿細管で再吸収された後にアミノ酸に分解されるため、GFRが増加するとそれを反映して血漿中のシスタチンC濃度は低下する。カゼインナトリウム投与群は、ミセル性カゼイン投与群よりもシスタチンCが低下した。この結果はGFRの結果(図2)と一致し、ミセル性カゼインはカゼインナトリウムよりも腎臓への負担が小さいタンパク質であることが分かる。
<製造例1>
ミセル性カゼイン濃縮物(ミライ社製)5.1kg及びマルトデキストリン(松谷化学工業社製)19.4kg、ファイバーソル2(松谷化学工業社製)0.5kgを溶解水75kgに分散、溶解した。これに表2で示す配合量で混合されたミネラル混合物620gを混合する。当該溶解液に、乳化剤としてコハク酸モノグリセリド(花王社製)50g及びレシチン(Jオイルミルズ社製)50gを溶解した大豆油(太陽油脂社製)2.8kgを混合し、混合液をTKホモミキサー(プライミクス社)を用いて予備乳化し、水を添加して総量を100Lに調整する。次いで、該予備乳化物を、高圧均質機(SPX社製)を用いて、50MPaの圧力で均質化処理する。均質処理後、得られた乳化液をレトルトパウチ(東洋製罐社製)に200mLずつ充填し、密封し、レトルト殺菌機(日阪製作所社製)を用いて125℃で15分間滅菌処理し、液状栄養組成物を製造する。
得られた組成物は、腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防に好適であり、表3に記載のとおりの組成を有するものであり、100mL当たりの熱量が100kcalである。
Figure 0007295269000002
Figure 0007295269000003

Claims (5)

  1. タンパク質を含有する経腸摂取用組成物であって、
    ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも81質量%含有し、
    腎機能及び/又は肝機能の低下の抑制又は予防を必要とする対象が摂取するための組成物であり、
    前記腎機能の低下の抑制を必要とする対象は、腎臓病の診断を受けた対象、血清クレアチニン値が1.0mg/dL以上の男性、血清クレアチニン値が0.8mg/dL以上の女性、血清尿素窒素値が22mg/dL以上の対象、及び尿タンパクが陽性の対象から選択され、
    前記肝機能の低下の抑制を必要とする対象は、肝機能異常の診断を受けた対象、血清AST値が40U/L以上の対象、血清ALT値が40U/L以上の対象、血清γ-GTP値が70U/L以上の男性、及び血清γ-GTP値が30U/L以上の女性から選択され、
    前記腎機能及び/又は肝機能の低下の予防を必要とする対象は、アスリートである、組成物。
  2. ミセル性カゼインを総タンパク質の少なくとも90質量%含有する、請求項1に記載の組成物。
  3. タンパク質を0.1~25g/100kcal含有する、請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 灰分を0.01~3g/100kcal含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
  5. 前記アスリートが、継続的にタンパク質を1.2g/kg/日以上摂取する対象である、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
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