JP5229678B2 - 脂肪蓄積抑制用アミノ酸含有組成物 - Google Patents

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本発明は特定のアミノ酸の組合せを含有する脂肪蓄積抑制用アミノ酸含有組成物に関する。詳細には、特定量のスレオニンを単独で又は特定量の他のアミノ酸と共に含むことを特徴とする脂肪蓄積抑制用アミノ酸含有組成物に関するものである。
脂肪の過剰な蓄積は代謝異常を引き起こす。例えば、肝臓や筋肉、血液への脂肪の過剰な蓄積により、脂肪肝やインスリン抵抗性が引き起こされる。また、脂肪細胞への脂肪の過剰な蓄積によって肥満となり、肥満者の増加は全世界的に深刻な社会問題となっている。このように、脂肪の蓄積は様々な問題を引き起こすことから、問題解決のためには脂肪蓄積を抑制することが重要となる。
脂肪蓄積を抑制する方法として、食事の量や種類を制限する方法、運動をする方法が効果的である。しかし食事の制限や運動は強い意志や努力を必要とし、この方法で脂肪の蓄積を抑制することは困難である。そのため、特別な運動や食事制限をすることなく、手軽で効果的に脂肪の蓄積を抑制する方法が望まれている。その一つとして、サプリメントの摂取により脂肪の蓄積を抑制させる方法が検討されている。しかし、現状のサプリメントは、効果が不十分であったり、摂取することで肝機能障害等の健康被害を引き起こす可能性があるものが報告されたりしている。
一方、アミノ酸はタンパク質の構成成分であり、長い食経験から高い安全性を有することが知られている。また、アミノ酸には様々な生理作用があり、脂肪蓄積抑制作用を持つことも明らかとなってきている。アミノ酸混合物については、アミノ酸十三種の混合物が体重、体脂肪を低下させること(特許文献1)、必須アミノ酸八種類の混合物が体脂肪を減少させること(特許文献2)、アルギニンを主成分とし、必須アミノ酸九種を含有するアミノ酸組成物が肥満を改善すること(特許文献3)が報告されている。これらのアミノ酸混合物の組成を後掲の表2に示した。一方、単独のアミノ酸については、食餌制限時に摂取したロイシンが、体重をより減少させること(非特許文献1)が報告されている。しかし、これらの先行文献では運動や食事量の制限が必要であること、また、同一の方法で比較されていないことから、どの組成物が十分な脂肪蓄積抑制作用を有するかは不明確であり、より効果的な組成物が望まれている。
特開平6−24977号公報 特開平4-346770号公報 特開平9-157163号公報 Nutrition, 2006 May;22(5):520−7
本発明の課題は、脂肪組織、肝臓、血液への脂肪蓄積を気にする者の脂肪蓄積抑制を、安全・手軽かつ最大限に得ることのできるアミノ酸を有効成分とする組成物の提供にある。
本発明者らは、前記記載の課題を解決すべく鋭意研究の結果、特定のアミノ酸を特定の割合で含有する組成物が脂肪蓄積抑制作用を持つこと、詳しくは特定量のスレオニンを単独で又は特定量の他のアミノ酸と共に含有する組成物が脂肪蓄積抑制作用を持つことを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、スレオニン33〜67重量%を含有することを特徴とする脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物を提供する。
本発明はまた、総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、ロイシン33〜67重量%およびスレオニン33〜67重量%を含有することを特徴とする脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物を提供する。
本発明はまた、上記脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物を含有する食品、サプリメント、医薬品、または飼料を提供する。
本発明はまた、総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、ロイシン33〜67重量%およびスレオニン33〜67重量%を含有することを特徴とするアミノ酸組成物を提供する。
本発明はまた、総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、ロイシン33〜50重量%およびスレオニン50〜67重量%を含有することを特徴とするアミノ酸組成物を提供する。
本発明はまた、総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、スレオニン33〜67重量%を含有することを特徴とする脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物を提供する。
本発明の組成物によれば、アミノ酸インバランスの危険性を低減しつつ、安全かつ効果的に脂肪組織、肝臓、筋肉、血液等における脂肪の蓄積を抑制することができる。
本発明で使用するスレオニン、更には後述するロイシン、リジン、アルギニン、プロリン及びフェニルアラニン等のアミノ酸は、各々、いかなる形態であってもよい。具体的には、遊離体、ペプチド態、塩及び溶媒和物等の形態をとることができる。ここでいうペプチド態とはアミノ酸が2〜50個結合したものを示し、より好ましくは2〜10個のアミノ酸が結合したものである。ペプチド態はその大部分が吸収されるまでにアミノ酸に分解され、ペプチド態のまま吸収されたものについても、門脈にはいるまでに全てアミノ酸の形になると言われている(野口 忠ら著 最新栄養化学 朝倉書店2004年)。塩としては、例えば、式中のカルボキシル基に対しては、アンモニウム塩、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属との塩、カルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類金属との塩、アルミニウム塩、亜鉛塩、トリエチルアミン、エタノールアミン等の有機アミンとの塩を、塩基性基に対しては、塩酸、硫酸、リン酸などの無機酸との塩、酢酸、クエン酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸等の有機カルボン酸との塩、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等の有機スルホン酸との塩を挙げることができる。溶媒和物としては、水和物、アルコール付加物等を挙げることが出来る。また、スレオニン、ロイシン、リジン、アルギニン、プロリン及びフェニルアラニン等のアミノ酸は、L体およびDL体いずれであっても良い。種々の形態のスレオニン、ロイシン、リジン、アルギニン、プロリン及びフェニルアラニン等のアミノ酸は、二種類以上を併用することができることは言うまでもない。
本発明の組成物は、総アミノ酸中33〜67重量%のスレオニンに加えて他のアミノ酸を含有することができる。他のアミノ酸としては、前述のロイシン、リジン、アルギニン、プロリン及びフェニルアラニン等があげられる。他のアミノ酸は、単独でスレオニンと混合することもできるし、二種以上を併用して混合することもできる。このうち、ロイシンとの混合物、及びロイシンとリジンとの混合物が好ましく、ロイシンとの混合物がさらに好ましい。本発明の組成物における他のアミノ酸の量は、総アミノ酸中33〜67重量%であるのが好ましい。
本発明の組成物は、総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、ロイシンおよびスレオニンをそれぞれ33〜67重量%含むことが望ましい。
これらの他のアミノ酸もまた、スレオニンと同様、遊離体、ペプチド態、塩及び溶媒和物等の形態をとることができる。従って、本明細書において「総アミノ酸」とは、あらゆる形態のアミノ酸の総量を意味する。
本発明の組成物はまた、ロイシン及びスレオニンを、一日当たりの摂取量として、摂取対象の体重1kgあたり、アミノ酸遊離体換算量で、それぞれ30〜140mgとなる量で含有するのが好ましい。更に好ましくはそれぞれ50〜75mgが良い。
本発明の組成物はまた、ロイシン及びスレオニンを、一日当たりの摂取量として、摂取対象の一日当たりの総タンパク質摂取重量に対し、アミノ酸遊離体換算量で、それぞれ3〜14重量%の割合の量で含有するのが好ましい。更に好ましくは5〜7.5重量%の割合の量で含有するのが好ましい。
本発明の組成物はまた、スレオニンを、一日当たりの摂取量として、摂取対象の体重1kgあたり、30〜140mgとなる量で含有するのが好ましい。更に好ましくは50〜75mgが良い。
本発明の組成物はまた、スレオニンを、一日当たりの摂取量として、摂取対象の一日当たりの総タンパク質摂取重量に対し、3〜14重量%の割合の量で含有するのが好ましい。更に好ましくは5〜7.5重量%の割合の量で含有するのが好ましい。
本発明の組成物における、摂取対象の体重1kgあたりのロイシン及びスレオニンの含有量の下限及び上限、及び摂取対象の一日当たりの総タンパク質摂取重量に対するロイシン及びスレオニンの含有量の下限及び上限は、以下のようにして決定した。即ち、下限については、ロイシンおよびスレオニンの摂取重量がそれぞれヒトの体重1kgに対し30mg未満、もしくは一日当たりのタンパク質摂取重量に対して3重量%未満の場合、効果が弱くなり、明確な効果は期待できないため、既述の量とした。
他方、上限については、ヒトの場合のアミノ酸の許容摂取量と安全性とを勘案した。FDA等によりアミノ酸の許容摂取量は明確に決定されていないが、例えばスレオニンは、未熟児において1日の摂取量が体重1kg当り140mgを超えるべきではないとの報告がある(J Parenteral Enteral Nutr 4:15−17,1980)。ロイシンは、動物実験において1日の摂取重量がタンパク質摂取重量の20〜25重量%を超えると食欲不振を引き起こすとの報告がある(J. Nutr. 135:1585S−1590S,2005)。ヒトの1日のタンパク質摂取量は体重1kg当り約1gであることから、このロイシン量をヒトの体重1kg当りの量に換算すると、1日当り200〜250mgとなる。以上のことから、より少量であるスレオニンの摂取量を選択するのが安全性の観点から適切と考えられる。従って、ロイシンおよびスレオニンの1日の摂取重量が、摂取対象がヒトの場合、体重1kgあたり140mg以下、もしくは一日当たりのタンパク質摂取重量に対し14重量%以下であることが望ましい。
最後に、本発明のアミノ酸組成物中のロイシンおよびスレオニンの好ましい摂取重量の決定の仕方について説明する。
本発明者らがマウスに20重量%タンパク食を摂取させたところ、ロイシンおよびスレオニンの添加量が、食事の乾燥重量を基準として、一回の食事あたりそれぞれ1〜1.5重量%の場合に、安全かつ最大限に体重と体脂肪の増加を抑制し、肝臓の脂肪蓄積を抑制することが認められた。これは、タンパク質摂取重量に対し、5〜7.5重量%となる。ヒトの場合、一日あたりのタンパク質摂取重量は体重1kgあたり約1gであることから、一日あたりのロイシンおよびスレオニンの摂取重量に換算すると体重1kgあたりそれぞれ50〜75mgの量となる。
本発明の組成物は、粉体または液体混合物等の形態で流通に置くことができる。また、製品分類としては、脂肪蓄積抑制のために用いられるものである旨の表示を附したサプリメント、飲料、調味料、加工食品、健康食品、栄養機能食品、医薬品などの形態で流通に供することができる。なお、健常人が喫食する通常の栄養成分組成の食品にももちろん本発明の組成物を適用できることは言うまでもない。
サプリメント形態の場合、乳化剤、色素、香料等と混合し、錠剤、カプセル状、リキッド状等の剤型をとることができる。
飲料、調味料、加工食品等の食品形態の場合、適宜の添加剤を使用して常法により調製することもできる。このような添加剤としては味を調整改良する果汁、デキストリンなどの賦形剤、バニリンなどの嬌味剤、ベニバナ色素などの色素、環状オリゴ糖、糖類(果糖、ブドウ糖、液糖、蔗糖)、酸味料、香料、抹茶粉末、油脂、テクスチャーを改善する乳化剤、コラーゲン、全脂粉乳、増粘多糖類や寒天(ゼリー飲料の場合)など通常健康食品又は栄養機能食品の成分として使用されているものを挙げる事ができる。
本発明の食品は、更に、糖質、脂質、タンパク質、アミノ酸、ビタミン類、特にビタミンB2、ビタミンC、卵殻カルシウムパントテン酸カルシウム、その他のミネラル類、特にカルシウム、ローヤルゼリー、プロポリス、蜂蜜、食物繊維、アガリクス、キチン、キトサン、カプサイシン、ポリフェノール、カロテノイド、脂肪酸、ムコ多糖、補酵素、抗酸化物質などを配合することにより健康食品又は栄養機能食品とすることもできる。
医薬品形態の場合、医薬的に許容できる担体又は希釈剤、例えばカルボキシメチルセルロース・エチルセルロース等のセルロース誘導体、ポテトスターチ・コーンスターチ等の澱粉類、乳糖・ショ糖等の糖類、ピーナツ油・コーン油・ゴマ油等の植物性油、ポリエチレングリコール、アルギン酸、ゼラチン、タルク等と混合し、錠剤・散剤・丸剤・顆粒剤・カプセル剤・シロップ等の経口剤、皮下注射剤・静脈内注射剤・筋肉内注射剤・硬膜外腔注射剤・くも膜下腔注射剤等の注射剤、経鼻投与製剤・経皮製剤・軟膏剤等の外用剤、直腸坐剤・膣坐剤等の坐剤、点滴剤等の剤形とすることができる。本発明の医薬品は、経口的又は非経口的に、例えば経腸、経静脈投与することができる。
本発明のロイシンおよびスレオニン含有組成物を摂取または給餌する対象は、ヒトまたは動物であり、動物は犬、猫、ウサギ、フェレット、ハムスター、鳥などのペットや動物園の動物、さらには(競走)馬、牛、羊、豚、鳥などの家畜(産業動物)などの動物であって、特別の制限はない。従って、本発明の組成物はまた、飼料としてもよい。例えば、当該技術分野において周知の方法に従い、本発明の組成物を飼料用の固体又は液体の添加剤とすることもできる。
具体的な摂取法として、サプリメントとして一日当りヒトの体重1kg当りロイシンおよびスレオニンをそれぞれ30〜140mg含有するサプリメントとして摂取する方法や、一日のタンパク質摂取重量に対しロイシンおよびスレオニンがそれぞれ3〜14重量%含まれている機能性食品などの形態として摂取方法があげられる。摂取するタイミング、回数は問わない。好ましくは食事と一緒、またはその前後に摂取するのがよい。たとえば、体重60kgのヒトが摂取する場合、本発明のアミノ酸組成物の1日当りの摂取量の範囲は3.6g〜25.2gである。サプリメントや医薬品であれば、1単位包装当り2〜5gのロイシン及びスレオニンを含有するようなアミノ酸組成物とし、これを1日1〜9袋程度服用するとよい。
<実験例1>
C57BL/6Jマウス(日本クレア)8週齢オス40匹を、CRF−1粉末(オリエンタル酵母)にて1週間馴化させた後、9週齢より試験に供した。マウスは、水および飼料を自由摂取させた。試験区は、1) 高脂肪食(HF)群、2)HF+2.0%L−ロイシン(2L)群、3)HF+2.0%L−スレオニン(2T)、4) HF+1.0%L−ロイシン+1.0%L−スレオニン(LT)群の計4群(10匹/群)を設け、8週間試験飼料を供与した。実験に用いた飼料組成を表1に示す。飼料摂取重量を測定し、各試験食の1g当たりのエネルギーより、摂取エネルギー量を求めた。試験食摂取8週目に剖検を行い、体重、脂肪組織(副睾丸周囲脂肪、腎周囲脂肪、腸間膜脂肪、および大腿部周辺の皮下脂肪の和)重量を測定した。その結果を後掲図1〜3に示す。
Figure 0005229678
図1に剖検時の体重を、図2に脂肪組織重量を示した。ロイシン、スレオニンをそれぞれ単独で添加した際にはHF群と比べて体重及び脂肪組織量の減少が認められなかったが、2つのアミノ酸を同量ずつ添加したLT群では体脂肪蓄積が抑制されたことが明らかである。この結果より、本発明のアミノ酸含有組成物が脂肪蓄積抑制作用を持つものとして有用であることが示された。図3に摂取エネルギー量を示した。群間に有意な差は認められなかった。
<実験例2>
C57BL/6Jマウス(日本クレア)8週齢オス50匹を、CRF−1粉末(オリエンタル酵母)にて1週間馴化させた後、9週齢より試験に供した。マウスは、水および飼料を自由摂取させた。試験区は、1) 高脂肪食(HF)群、2)HF+1.5%L−ロイシン+1.5%L−スレオニン(LT)群、3)HF+3.0%アミノ酸組成物A(A)群、4) HF+3.0%アミノ酸組成物B(B)群、5) HF+3.0%アミノ酸組成物C(C)群の計5群(10匹/群)を設け、4週間試験飼料を供与した。飼料組成は実験例1に準じ、HFを基本にコーンスターチと置き換える形でそれぞれのアミノ酸組成物を3%ずつ添加した。表2に詳細なアミノ酸組成を示した。アミノ酸組成物Aは特開平6−24977号公報に記載されているアミノ酸組成、アミノ酸組成物Bは特開平4−346770号公報に記載されているアミノ酸組成、アミノ酸組成物Cは特開平9−147163号公報に記載されているアミノ酸組成である。
飼料摂取重量を測定し、各試験食の1g当たりのエネルギーより、摂取エネルギー量を求めた。試験食摂取4週目に剖検を行い、体重、脂肪組織(副睾丸周囲脂肪、腎周囲脂肪、腸間膜脂肪、および大腿部周辺の皮下脂肪の和)重量、肝臓中脂質重量を測定した。その結果を後掲図4〜6に示す。
HF群と各群間の比較をt-test法にて検定を実施した。図中*はHF群と比較してp<0.05で有意差があることを示す。




Figure 0005229678
図4に剖検時の体重を、図5に脂肪組織重量を、図6に肝臓中脂質重量を示した。特開平6−24977号公報、特開平4−346770号公報及び特開平9−147163号公報に記載されているアミノ酸組成物に比べ、本発明のアミノ酸含有組成物は体重・体脂肪、肝臓中脂質の増加を明確に抑制した。図7に示した摂取エネルギー量は群間で差が認められないことから、LTの効果は摂食抑制によらないと言える。また、アミノ酸組成物Bも体重・肝臓中脂質重量を減少させたが、脂肪重量の増加抑制効果はLTの方が大きかった。総合的に判断して、アミノ酸組成物BよりもLTの効果が優れていると言える。
実験1、2の結果より、本発明のロイシン、スレオニンを含むことを特徴としたアミノ酸組成物は、既存の抗肥満用アミノ酸組成物より優れた脂肪蓄積抑制効果を持つことが示された。
<実験例3>
C57BL/6Jマウス(日本クレア)8週齢オス60匹を、CRF−1粉末(オリエンタル酵母)にて1週間馴化させた後、9週齢より試験に供した。マウスは、水および飼料を自由摂取させた。試験区は、1) 高脂肪食(HF)群、2)HF+3.0%アミノ酸組成物D(D)群、3)HF+3.0%アミノ酸組成物E(E)群、4)HF+3.0%アミノ酸組成物F(F)群、5) HF+3.0%アミノ酸組成物G(G)群、6)HF+3.0%アミノ酸組成物H(H)群の計6群(10匹/群)を設け、4週間試験飼料を供与した。表3に詳細なアミノ酸組成を示した。飼料組成は実験例1に準じ、HFを基本にコーンスターチと置き換える形でアミノ酸組成物を添加した。飼料摂取重量を測定し、各試験食の1g当たりのエネルギーより、摂取エネルギー量を求めた。試験食摂取4週目に剖検を行い、体重、脂肪組織(副睾丸周囲脂肪、腎周囲脂肪、腸間膜脂肪、および大腿部周辺の皮下脂肪の和)重量、肝臓中脂質重量を測定した。その結果を後掲図8〜11に示す。また、脂肪組織重量が最も低下していたアミノ酸組成物Fについて、血漿中中性脂質濃度を測定してHF群と比較し、その結果を図12に示した。HF群と各群間の比較をt-test法にて検定を実施した。図中*はHF群と比較してp<0.05で有意差があることを示す。アミノ酸組成物Fに比べて脂肪組織重量の低下効果が低かったアミノ酸組成物D,Hについても同様に血漿中中性脂質濃度を測定し、HF群と比較した。
Figure 0005229678
図8に剖検時の体重を、図9に脂肪組織重量を、図10に肝臓中脂質重量を示した。体重の減少はアミノ酸組成物Fで最も大きく、アミノ酸組成物Hでは、アミノ酸組成物D、E、F、Gに比べて脂肪量の減少が小さかった。また、肝臓中脂質重量に関しては、アミノ酸組成物E、F、Gの脂肪蓄積抑制効果が強かった。これらの結果より、アミノ酸組成物E、F、Gは、体重減少効果はあまり大きくないものもあったが、脂肪蓄積抑制効果がアミノ酸組成物D、Hに比べて強いことが示された。つまり、ロイシンを33〜67重量%、スレオニンを33〜67重量%含むアミノ酸組成物が脂肪蓄積抑制について最大限の効果を発揮することが示された。このとき、図11で示したようにエネルギー摂取量はアミノ酸添加によって低下することはなく、摂食抑制によらず体脂肪蓄積が抑制されていることが明らかとなった。さらに、図12に示したように、アミノ酸組成物Fについては血漿中中性脂質濃度がHF群に比較し有意に低下した。アミノ酸組成物D,HについてもHF群と比較して血漿中中性脂質濃度が低下していることが観察された。
<参考例>
C57BL/6Jマウス(日本クレア)8週齢オス20匹を、CRF−1粉末(オリエンタル酵母)にて1週間馴化させた後、9週齢より試験に供した。マウスは、水および飼料を自由摂取させた。試験区は、1) 高脂肪食(HF)群、2)HF+3.0%L−スレオニン(3T)群の計2群(10匹/群)を設け、8週間試験飼料を供与した。飼料組成は実験例1に準じ、HFを基本にコーンスターチと置き換える形でL−スレオニンを3%添加した。
飼料摂取重量を測定し、各試験食の1g当たりのエネルギーより、摂取エネルギー量を求めた。試験食摂取8週目に剖検を行い、体重、脂肪組織(副睾丸周囲脂肪、腎周囲脂肪、腸間膜脂肪の和)重量を測定した。その結果を後掲図13〜15に示す。
図13に剖検時の体重を、図14に脂肪組織重量を、図15に摂取エネルギー量を示した。体重、脂肪組織重量ともにHF群に比較し3T群で減少した。このとき、図15で示したようにエネルギー摂取量はスレオニン添加によって低下することはなく、摂食抑制によらず体脂肪蓄積が抑制されていることが明らかとなった。
剖検時の体重を示す(実験例1)。 剖検時の脂肪組織重量を示す(実験例1)。 飼育時の摂取エネルギー量を示す(実験例1)。 剖検時の体重を示す(実験例2)。 剖検時の脂肪組織重量を示す(実験例2)。 剖検時の肝臓中脂質重量を示す(実験例2)。 飼育時の摂取エネルギー量を示す(実験例2)。 剖検時の体重を示す(実験例3)。 剖検時の脂肪組織重量を示す(実験例3)。 剖検時の肝臓中脂質重量を示す(実験例3)。 飼育時の摂取エネルギー量を示す(実験例3)。 剖検時の血漿中中性脂質濃度を示す(実験例3)。 剖検時の体重を示す(参考例)。 剖検時の脂肪組織重量を示す(参考例)。 飼育時の摂取エネルギー量を示す(参考例)。

Claims (4)

  1. 総アミノ酸中、アミノ酸遊離体換算量で、ロイシン33〜67重量%およびスレオニン33〜67重量%を含有することを特徴とする脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物。
  2. ロイシン及びスレオニンの含有量が、1日あたりの摂取量として、摂取対象の体重1kgあたり、アミノ酸遊離体換算量で、それぞれ30〜140mgとなる量であることを特徴とする請求項記載の脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物製品。
  3. ロイシン及びスレオニンの含有量が、1日あたりの摂取量として、摂取対象の一日当りの総タンパク質摂取重量に対し、アミノ酸遊離体換算量で、それぞれ3〜14重量%の割合となる量であることを特徴とする請求項記載の脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物。
  4. 一単位包装当りロイシンおよびスレオニンを、アミノ酸遊離体換算量で、計2g〜5g含有することを特徴とする請求項記載の脂肪蓄積抑制用アミノ酸組成物。
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