JP4300753B2 - 貧血抑制剤及び食欲抑制剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規貧血抑制剤及び食欲抑制剤に関し、更に詳しくはスレオニンを含有するメチオニンに起因する貧血の予防、改善及び/又は治療剤、並びに食欲抑制作用を有するメチオニンと、その貧血作用を抑制するスレオニンを含有する食欲抑制剤や、メチオニンの溶血性貧血が改善された飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品に関する。
【0002】
【従来の技術】
メチオニンは含硫アミノ酸に属し、ヒトに対して必須アミノ酸である。栄養学的に重要であり、動物性タンパク質に多く含まれ、植物性タンパク質には含有量が少ないことが知られている。また、医薬用途としては、アミノ酸輸液、抗脂肝作用、或いは解毒作用があるため、他の必須アミノ酸と共に配合した総合アミノ酸製剤、慢性及び急性の肝炎、肝硬変等の肝疾患の治療薬、並びに薬物の解毒剤等に用いられている(アミノ酸工業の全容、シーエムシー、29-39、1988参照。)。
【0003】
このメチオニンには、大量に摂取した場合に、食欲低下による体重増加抑制又は体重減少、網状赤血球数の増加及び脾臓への鉄の沈着を主たる症状とする溶血性貧血等の影響(作用)のあることが知られており、このような作用が医薬・食品分野の利用面での一つの課題と考えられる。
【0004】
この課題(前記メチオニンの有する作用の低減)を解決するために、村松(日本栄養・食糧学会誌、37、399-418、1984参照。)やSugiyama等(J. Nutr. Sci. Vitaminol.,33, 195-205,1987参照。)は、セリンやグリシンをメチオニンと共に使用することにより、溶血性貧血及び食欲低下に伴う症状を共に改善する方法を提案している。しかしながら、このような作用を選択的に低減される方法についての報告は見当たらず、その開発が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、上記貧血抑制剤、即ちメチオニンに起因する貧血を予防、改善及び/又は治療することができる薬剤を提供し、及び次の課題として上記貧血作用を選択的に抑制しながら食欲抑制作用を有する薬剤を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、これまでメチオニンに存する溶血性貧血及び食欲低下の二つの作用が共に連動しているものと考えられていたが、メチオニンに起因する貧血作用、特に、網状赤血球数の増加、脾臓への鉄の沈着等の症状を示す溶血性貧血作用に対し、スレオニンを適宜摂取又は投与することで上記貧血作用を選択的且つ有効に抑制できることを見出した。更に、メチオニンを摂取又は投与する場合に誘発される溶血性貧血及び食欲低下等の作用について、スレオニンの併用摂取又は投与により上記貧血作用は選択的に抑制されるが、食欲抑制作用は何等影響を受けないことや、スレオニンにL−体を使用すると安全性にも優れ、飲食品としての使用が可能であること等、を見出した。これ等種々の知見に基づいて本発明が完成されるに到った。
【0007】
即ち、本発明は、一つの形態としてスレオニンを含有することに特徴を有するメチオニンに起因する貧血抑制剤に存する。スレオニンは塩の形態でもよい。また、光学異性体については生体内で代謝可能なL−体が使用される。
【0008】
また、本発明の貧血抑制剤は、メチオニンに起因する貧血、具体的には溶血性貧血、特に、網状赤血球の増加及び脾臓への鉄沈着を予防、改善及び/又は治療することができる。
【0009】
従って、本発明の貧血抑制剤は溶血性貧血作用を誘発する物質、例えば、メチオニンを同一製剤中に含有していてもよいし、スレオニン単独の製剤の形態でもよい。この場合、メチオニンは塩の形態でもよい。また、光学異性体については天然に存在するL−体が望ましいが、D−体等の他の異性体についても利用が可能である。一方、他のアミノ酸と併用することも可能である。しかしながら、貧血抑制作用を有するセリン及びグリシンについては含んでいてもよいが、これ等は生体内でスレオニンから代謝生成され得るので、その必要性は殆ど無い。
【0010】
本発明の貧血抑制剤を摂取又は投与する場合、その摂取又は投与形態に特に限定されるものではないが、経口摂取又は経口投与が簡便である。
【0011】
また、摂取又は投与対象は特にメチオニンを利用する動物、例えばヒト等であるが、特にヒトが望ましく、この場合、メチオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは25〜100mg/kg/day程度、より好ましくは25〜85mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜50mg/kg/day程度であり、スレオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは20〜300mg/kg/day程度、より好ましくは20〜255mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜80mg/kg/day程度である。
【0012】
一方、メチオニンに対するスレオニンの含有率は遊離体換算で好ましくは80〜300%(重量)程度であるが、より好ましくは100〜160%(重量)程度である。
【0013】
貧血抑制剤の形態については特に制限は無いが、飼料、栄養剤、飲食品(飲料と食品の総称)又は医薬品の形態を好ましいものとして例示することができる。
【0014】
また、本発明は、別の形態としてメチオニン及びスレオニンを含有することに特徴を有する食欲抑制剤に存する。即ち、スレオニンはメチオニンの作用の一つである食欲低下には効果を示さないことから、メチオニンを有効成分とし、これにスレオニンを配合した食欲抑制剤とすることができる。この場合、メチオニンは塩の形態でもよく、同様にスレオニンも塩の形態でもよい。また、光学異性体についても前記貧血抑制剤の場合と同様である。
【0015】
メチオニンを一日当たり25mg/kg以上摂取又は投与すると、食欲抑制作用が誘発される可能性があるが、セリン及びグリシンの少なくとも1種を含有した場合では、食欲抑制作用は改善又は治療されてしまうため、これ等2種のアミノ酸を含まないことが必要となる。
【0016】
本発明の食欲抑制剤を摂取又は投与する場合、その形態に特に限定されるものではないが、経口摂取又は経口投与が簡便である。
【0017】
また、摂取又は投与対象はヒトやペット動物が望ましく、この場合、メチオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは25〜100mg/kg/day程度、より好ましくは25〜85mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜50mg/kg/day程度であり、スレオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは20〜300mg/kg/day程度、より好ましくは20〜255mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜80mg/kg/day程度である。
【0018】
一方、メチオニンに対するスレオニンの含有率は遊離体換算で好ましくは80〜300%(重量)程度であるが、より好ましくは100〜160%(重量)程度である。
【0019】
食欲抑制剤の形態については特に制限は無いが、栄養剤、飲食品又は医薬品の形態を提供することができる。また、ダイエット食品或いは特定保健用食品の形態でも提供することができる。
【0020】
本発明は、更に別の形態として、メチオニンを含有する飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品であって、スレオニンを含有することに特徴を有するメチオニンの溶血性貧血が改善された飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品に存する。
【0021】
この発明においては、従来から使用されるメチオニンの前記作用を抑えるためにスレオニンを併用するものであり、その使用方法等については前記二つの形態の発明での説明を参照することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
本発明には、幾つかの形態、即ち、メチオニンに起因する貧血抑制剤、食欲抑制剤、並びにメチオニンの溶血性貧血が改善された飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品が含まれる。
【0024】
(本発明の貧血抑制剤)
本発明の貧血抑制剤は、メチオニンに起因する貧血、特に溶血性貧血、即ち、網状赤血球の増加及び脾臓への鉄沈着等の症状を示す溶血性貧血を抑制するための薬剤である。
【0025】
網状赤血球とは幼若な赤血球であって、その増加は赤血球再生現象が盛んであることを示し、即ち、貧血の存在、或いは貧血傾向にあることを示している。また、赤血球減少の起因である、異常赤血球の増加に伴う脾臓における異常赤血球の破壊の亢進によって、異常赤血球由来の鉄分が脾臓へ沈着することがある。
【0026】
従来からメチオニンの医薬用途としては、例えばアミノ酸輸液、総合アミノ酸製剤の成分として用いられる他、抗脂肝作用を利用し、肝機能を保持する製剤にも用いられ、更に解毒作用を利用して、薬物中毒等に対する解毒にも用いられている。これ等の用途の中で、副作用低減効果を有するアミノ酸成分を含まず、メチオニンを単独で投与する場合には、前記の網状赤血球数の増加、脾臓への鉄の沈着等の作用(副作用)が現れることが予想される。この発明では、このような副作用を抑えるために、スレオニンを予めメチオニン製剤にメチオニンと共に均一に含有させておくことにより、これ等の副作用を選択的且つ有効に防止できるのである。また、飲食品としても、メチオニン成分を活用したものが種々知られており、同様にスレオニンを併用することにより、前記効果を得ることができる。
【0027】
一方、スレオニンはメチオニンに起因する貧血に対しては抑制作用を示すが、副作用を新しく起こさないか、殆ど起こすことなく、選択的且つ有効に前記副作用を抑制することができるので、メチオニンに起因する貧血の抑制剤として、特にメチオニンを使用する、飼料、栄養剤、飲食品及び医薬品の分野で期待できる。
【0028】
本発明のメチオニンに起因する貧血抑制剤について、ヒトが摂取又はヒトに投与する場合の摂取又は投与形態については特に制限は無い。従って、経口摂取、経口投与、又は非経口投与(静脈投与等)等の各種の投与形態が採用可能である。簡便さの点で経口摂取又は経口投与が好ましいが、メチオニンが使用される製品に混合、使用することが簡便であるので、メチオニンが使用される製品の形態が参考になる。
【0029】
本発明の貧血抑制剤はメチオニンとスレオニンを含む製剤の形態として使用することができ、薬理学的に許容し得る各種の製剤用物質(補助剤として)を含むこともできる(以下、「製剤学上許容される担体」とも称する。)。製剤用物質は製剤の剤型により適宜選択することができるが、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等を挙げることができる。更に、製剤用物質を具体的に例示すると、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、牛乳蛋白、ゼラチン、澱粉、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、ポリエチレングリコール、及び溶剤、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロールを挙げることができる。
【0030】
本発明の貧血抑制剤は、前述の如く公知の又は将来開発される様々な医薬製剤の形態、例えば、経口投与、腹腔内投与、経皮的投与、吸入投与等各種の投与形態に調製することができる。本発明の薬剤をこれ等の様々な医薬製剤の形態に調製するためには公知の又は将来開発される方法を適宜採用することができる。
【0031】
これ等の様々な医薬製剤(栄養剤を含む。)の形態として、例えば適当な固体又は液状の製剤形態、例えば顆粒、粉剤、被覆錠剤、錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、ジュース、懸濁液、乳濁液、滴下剤、注射用溶液、活性物質の放出を延長する製剤等を挙げることができる。
【0032】
以上に例示した製剤形態にある本発明の貧血抑制剤には、薬効を奏するに有効な量の前記成分(メチオニン及びスレオニン)を含有すべきことは当然のことである。
【0033】
摂取又は投与対象は、特にメチオニンを利用する動物、例えばヒト等である。特にヒトが望ましく、この場合、メチオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは25〜100mg/kg/day程度、より好ましくは25〜85mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜50mg/kg/day程度であり、スレオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは20〜300mg/kg/day程度、より好ましくは20〜255mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜80mg/kg/day程度である。
【0034】
一方、メチオニンに対するスレオニンの含有率は遊離体換算で好ましくは80〜300%(重量)程度であるが、より好ましくは100〜160%(重量)程度である。
【0035】
以上、医薬品への応用例を中心に説明したが、これを基に飼料、栄養剤及び飲食品への応用も容易である。通常は、メチオニンが使用される製品において、前記副作用を抑える目的で添加する。スレオニンを所定量均一にメチオニンと混合した状態で目的とする製品を取得することができる。
【0036】
(本発明の食欲抑制剤)
本発明の第二の形態として食欲抑制剤について説明する。
【0037】
この発明は、メチオニンとスレオニンとの併用において、前記の如くメチオニンに起因し、網状赤血球の増加及び脾臓への鉄沈着等の症状を示す溶血性貧血を抑制し、一方、メチオニンの食欲抑制作用については何等影響を受けないので、この作用を有効活用するものである。
【0038】
本発明の食欲抑制剤について以下詳細に説明する。
【0039】
前記の如くメチオニンを単独で各種製品に使用する場合には、前記の網状赤血球数の増加、脾臓への鉄の沈着等の作用と同時に食欲抑制作用も誘発される。スレオニンを予めメチオニンと共に前記製品中に含有させておくことにより、貧血作用を選択的且つ有効に抑制することができる。即ち、スレオニンの貧血抑制作用及びメチオニンの食欲抑制作用のみを有効に活用することができる。
【0040】
一方、スレオニンは前記の如くメチオニンと共に含有させておくことにより、貧血に対しては選択的且つ有効に抑制作用を示し、その他の副作用を起こさないか、殆ど起こすことなく、食欲も抑制することができる。従って、メチオニンとスレオニンの併用が食欲抑制剤として極めて期待できる。
【0041】
本発明の食欲抑制剤は、前記貧血抑制剤と同様、医薬品(栄養剤を含む。)の形態として使用することもでき、薬理学的に許容し得る各種の製剤用物質(補助剤として)を含むこともできる(以下、「製剤学上許容される担体」とも称する。)。製剤用物質は製剤の剤型により適宜選択することができるが、例えば、賦形剤、希釈剤、添加剤、崩壊剤、結合剤、被覆剤、潤滑剤、滑走剤、滑沢剤、風味剤、甘味剤、可溶化剤等を挙げることができる。更に、製剤用物質を具体的に例示すると、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、マンニトール及びその他の糖類、タルク、牛乳蛋白、ゼラチン、澱粉、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、ポリエチレングリコール、及び溶剤、例えば滅菌水及び一価又は多価アルコール、例えばグリセロールを挙げることができる。
【0042】
これ等の様々な医薬製剤の形態として、例えば適当な固体又は液状の製剤形態、例えば顆粒、粉剤、被覆錠剤、錠剤、(マイクロ)カプセル、坐剤、シロップ、ジュース、懸濁液、乳濁液、滴下剤、注射用溶液、活性物質の放出を延長する製剤等を挙げることができる。
【0043】
以上に例示した製剤形態にある本発明の食欲抑制剤には、薬効を奏するに有効な量の前記成分(メチオニン及びスレオニン)を含有すべきことは当然のことである。
【0044】
以上、医薬品にこの発明を適用する場合について詳しく説明したが、メチオニンが飲食品に使用されている場合にもスレオニンの併用により、前記効果を奏することができる。従って、このような飲食品への適用も期待される。
【0045】
本発明の食欲抑制剤は、前述の如く公知の又は将来開発される様々な栄養剤、飲食品又は医薬品の形態を適宜採用することができる。ダイエット食品或いは特定保健用食品の形態についても同様に採用することができる。
【0046】
様々な飲食品等の製品の形態として、例えば菓子(冷菓、ゼリー、ケーキ、キャンディー)、パン、チューインガム、及びヒト以外の動物(ペット等)用製品等の形態としての各種製品の食欲抑制剤として使用することができ、このようにして食欲抑制作用が付与された製品の形態についても当然本発明に含まれる。
【0047】
本発明の食欲抑制剤について、前記の如く摂取又は投与する対象については制限が無いが、ヒト及びペット動物が望ましい。この場合の摂取又は投与形態については特に制限は無い。従って、経口摂取、経口投与、又は非経口投与(静脈投与等)各種の投与形態が採用可能であるが、簡便さの点で経口摂取又は経口投与が好ましいが、従来からメチオニンには食欲抑制作用を有することが知られ、その目的での使用も知られているので、知られているメチオニンの使用においてスレオニンを均一混合等で併用するのがより簡便である。
【0048】
メチオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは25〜100mg/kg/day程度、より好ましくは25〜85mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜50mg/kg/day程度であり、スレオニンの摂取量又は投与量については、遊離体換算で好ましくは20〜300mg/kg/day程度、より好ましくは20〜255mg/kg/day程度、更に好ましくは30〜80mg/kg/day程度である。
【0049】
一方、メチオニンに対するスレオニンの含有率は遊離体換算で好ましくは80〜300%(重量)程度であるが、より好ましくは100〜160%(重量)程度である。
【0050】
以上の説明から、本発明の食欲抑制剤によれば、スレオニンとメチオニンとの併用で、メチオニンの持つ貧血作用を選択的且つ有効に抑制し、食欲抑制作用のみを有効活用することができ、この薬剤を容易に実施することができる。
【0051】
(本発明の栄養剤、飲食品又は医薬品)
本発明は、別の形態として、メチオニンを含有する飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品であって、スレオニンを含有することに特徴を有するメチオニンの溶血性貧血が改善された飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品にも存する。
【0052】
メチオニン及びスレオニンの使用方法等については、前記二つの形態の発明において説明した通りである。従って、本発明を実施するには特に困難は無い。
【0053】
例えば、従来から知られているメチオニンを含む飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品において、特にメチオニンの前記副作用を改善したいものについてスレオニン(所定量)を、メチオニンに対し均一に混合して使用することができる。
【0054】
このようにメチオニンの溶血性貧血が改善された飼料、栄養剤、飲食品又は医薬品の実施方法については前記二つの形態の発明での説明や公知技術を利用して本発明の製品を容易に取得することができる。
【0055】
尚、既に知られているメチオニンの大量投与による食欲低下或いは体重増加抑制ついて、その発現メカニズムの詳細は殆ど知られていない。特に、これ等の現象がメチオニン食自体の摂取を拒むことによって直接的に生じている可能性については否定しきれない。なぜなら、殆どの研究試験において、実験動物はメチオニンを配合する実験飼料のみを与えられ、それ以外の実験食を選択することができないからである。もし、メチオニン食の摂取を拒んでいるのなら、その理由としてメチオニン自体の匂いや味、或いは飼料中の他の成分との相乗効果による匂いや味等を忌避していることが考えられる。また、スレオニンによる食欲抑制或いは体重増加抑制はメチオニンほど強くないと言われている(村松、日本栄養・食糧学会誌、37、399-418、1984参照。)。
【0056】
そこで、従来の知見を検証する意味で、メチオニン食とスレオニン食の2つを同時に動物に与える実験も後記の如く行い(実施例5参照。)、メチオニン摂取による上記効果を確認している。
【0057】
【実施例】
以下に実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれ等の実施例に限定されるものではない。
【0058】
(実施例1)
網状赤血球数増加に対する抑制効果
【0059】
(実験動物)
4週齢のF344/DuCrj系雄ラットを日本チャールス・リバー(株)より購入し、ブラケットケージ内に居住せしめ、室温25℃前後、湿度60%前後の環境下で、明期を7:00〜19:00とした明暗サイクルのもとに飼育した。市販粉末飼料CRF-1(オリエンタル酵母(株))にて1週間、後述の無添加食にて1週間の予備飼育の後、群当り6匹ずつを無作為に割り当て、次の実験食を2週間にわたって自由摂取させた。飲水は水道水を自由摂取させた。
【0060】
(実験飼料)
無添加食はβ-コーンスターチ62.9%、カゼイン20.0%、大豆油7.0%、セルロース5.0%、AIN-93Gミネラル混合(オリエンタル酵母(株))3.5%、AIN-93ビタミン混合(オリエンタル酵母(株))1.0%、L-シスチン0.3%、酒石酸コリン0.25%、t-ブチルヒドロキノン0.0014%から成り、これ等は米国NRCによるAIN-93G精製飼料組成(1995)を基本としているが、オリジナル組成のα化コーンスターチとシュークロースの全量をβ-コーンスターチに置き換えている。実験食としてアミノ酸を含有せしめる場合にはβ-コーンスターチの一部と置き換えた。メチオニン或いはスレオニンを実験食中に含有せしめる場合はそれぞれ2.4%、3.8%とし、これらを同時に混合せしめる場合も同様の割合とした。
【0061】
(アミノ酸)
何れも味の素(株)のアミノ酸(L−体、遊離体)を使用した。以下の実施例においても同様である。
【0062】
(各種測定)
各実験食の給与後14日目に動物をエーテル麻酔し、開腹後、腹部下大静脈より採血した。EDTA-2Kで抗凝固処理した血液を用いて、Brecher法(臨床検査技術全書、第3巻、血液検査、1972年参照。)により血液塗沫標本を作成し、網状赤血球数の測定を血液像自動分類装置(日立8200型)にて行った。
【0063】
各実験食群間の比較はTukeyの多重比較検定にて行い、有意水準p<0.05で統計的に有意とした。
【0064】
(結果)
ラットに無添加食及びスレオニン食を与えたところ、網状赤血球数に増加は認められなかった。メチオニン食を与えたラットでは、従来の知見通り、網状赤血球数の値が著しく増加した。しかし、メチオニンとスレオニンを同時に投与した場合、溶血性貧血を示す指標の一つである網状赤血球数は無添加食群と殆ど同じ程度までその増加が抑制されており、これは統計学的に有意な効果であった(図1参照。)。このことから、スレオニンの同時添加によりメチオニンの副作用が選択的に抑制されているものと考えられる。
【0065】
(実施例2)
脾臓への鉄沈着の抑制効果
【0066】
実験動物及び実験食は実施例1と同様のものを用いた。
【0067】
各実験食給与後14日目に動物をエーテル麻酔し、腹部大動脈より放血致死させ、脾臓を摘出し、重量を測定した。その後直ちに液体窒素により凍結させ、超低温冷凍庫に保管した。
【0068】
脾臓中非ヘム鉄含量の測定は、摘出した脾臓をポリトロンで氷冷下にて粉砕した後、Kaldorの方法(Austral. J. exp. Biol., 32、795-800、1954参照。)をもとにo-phenanthrolineによる吸光光度法にて行った。
【0069】
各実験食群における測定項目の比較はTukeyの多重比較検定にて行い、有意水準p<0.05で統計的に有意とした。
【0070】
(結果)
溶血性貧血を示すもう一つの指標である、脾臓への鉄の沈着を検討した。メチオニン食を与えたラットでは無添加食群に比べて脾臓への鉄の蓄積が著しく増加していた。しかし、メチオニン+スレオニン食を与えたラットでは、無添加食で示された正常値よりは高い値となったが、メチオニン食を給与されたラットに比べて脾臓中での鉄の蓄積は有意に抑制されていた(図2参照。)。このことから、メチオニン食へのスレオニンの添加により、溶血性貧血の発症を抑え、その結果、脾臓への鉄の沈着が抑えられているものと考えられた。
【0071】
(実施例3)
食欲低下への効果
【0072】
実験動物は実施例1と同様のものを用いた。実験食組成も実施例1と同様としたが、含有せしめるアミノ酸としてメチオニン、グリシン、スレオニンを実験食中にそれぞれ2.4%、2.4%、3.8%となるように単独又はメチオニンとの混合として、β-コーンスターチの一部と置き換えることにより配合した。
【0073】
(各種測定)
体重及び摂取量の測定を連日行い、実験食給与2週間での総体重増加量及び総摂取量として下記の表1に示した。
【0074】
【表1】
Figure 0004300753
1:平均値±標準偏差、n=6
2:a〜eの異符号間で統計的有意差あり(有意水準5%)、同一符号間及び同一符号を含むものの間で有意差無し。
【0075】
(結果)
メチオニン食を給与されたラットにおいて、体重増加抑制及び摂食抑制が顕著に示された。体重増加抑制と摂食抑制が実験食間で同様の変化を示していることから、体重増加抑制は摂食抑制によって引き起こされるものと考えられ、恐らく、摂食抑制は食欲の低下に起因するものと思われる。一方、これ等の影響はグリシンやスレオニンを単独で配合した実験食群では認められなかった。更に、メチオニン+グリシン食をラットに給与したところ、メチオニン食給与ラットで見られた影響は大きく改善された。しかし、メチオニン+スレオニン食給与群では、メチオニン食群に対して体重増加ではある程度の改善が認められたが、摂取量には殆ど変化はなかった。これ等のことから、メチオニン過剰摂取によって発現する食欲低下を同時に摂取したスレオニンが抑制する効果は、グリシン或いはセリンよりも弱いものと考えられる。
【0076】
以上のことから、メチオニンを摂取するときに誘発される副作用、即ち溶血性貧血の発症を選択的に低減させるためにスレオニンの同時摂取が有効であることが明らかである。よって、スレオニンの同時摂取により、メチオニンによる食欲低下効果の作用としての選択的な機能の活用を可能とすることができる。
【0077】
(実施例4)
異なる動物種及び老齢期における食欲低下への効果
【0078】
(実験動物)
8週齢のCrj:CD(ICR)系雄マウスを日本チャールス・リバー(株)より購入し、ポリケージ内に居住せしめ、室温25℃前後、湿度60%前後の環境下で、明期を7:00〜19:00とした明暗サイクルのもとに飼育した。市販固形飼料CRF-1(オリエンタル酵母(株))にて87週齢まで飼育し、マウスの老齢化を成した。88週齢直前に、体重をもとに無添加食群(n=25)と実験食(メチオニン+スレオニン食)群(n=27)の2群に動物(マウス)を割り当てた。実験食の内容は下記の通りである。実験食給与は2週間行ったが、この間、無添加食群で4匹、メチオニン+スレオニン食群で3匹の死亡例があり、解剖所見からは何れも自然死と推察された。最終的に、無添加食群はn=21、メチオニン+スレオニン食群はn=24となった。飲水は水道水を自由摂取させた。
【0079】
(実験飼料)
無添加食及び実験食(メチオニン+スレオニン食)は実施例1と同様に調製したが、マウスの体重はラットに比較してかなり少ないので、この体重差を考慮して配合量を減じ、メチオニン、スレオニンともに2%ずつとした。
【0080】
(各種測定)
体重及び摂食量の測定を行い、実験食給与2週間での体重、総体重増加量及び総摂取量として下記の表2に示した。尚、各測定項目における群間の比較はStudent'sのt-検定にて行い、有意水準p<0.05で統計的に有意とした。
【0081】
【表2】
Figure 0004300753
1:表中の値は、平均値±標準偏差
2:a、bの異符号間で統計的有意差あり(有意水準5%)、同一符号間で有意差無し。
【0082】
(結果)
実験食給与2週間後において、体重、体重増加量及び実験食摂取量の何れもがメチオニン+スレオニン食群で有意に低下した。このことから、実施例1における6〜8週齢ラットの実験において確認されたメチオニン+スレオニン配合食による食欲低下効果は、異なる動物種(マウス)及び老齢期(88〜90週齢)においても有効に発現することが明らかである。
【0083】
(実施例5)
メチオニンの摂取による効果の確認
【0084】
(実験動物)
市販粉末飼料CRF-1(オリエンタル酵母(株))にて1週間の予備飼育を行った6週齢F344/DuCrj雄ラット(5匹、日本チャールス・リバー(株))を用いた。飼育環境の室温、湿度及び明暗サイクルについては前記実施例1記載の環境条件と同じ条件とした。
【0085】
(実験飼料)
実験飼料については、前記記載の実施例1と同様、AIN-93G組成(米国NRC、1995)を基本とする実験食において、β-コーンスターチの一部をメチオニン又はスレオニンに置き換えることにより、それぞれのアミノ酸を配合した。尚、実験食中でのそれぞれの配合率は、メチオニン2.4%、スレオニン3.8%とした。
【0086】
(実験方法)
ラット1匹に対し2つのエサ箱を用意し、一方にメチオニン食を、もう一方にスレオニン食を入れた。これ等2個のエサ箱を各個体に同時に供出し、毎日の体重及び摂餌量を各個体毎に測定し、これを2週間行った。
【0087】
(結果)
各実験食給与2週間での各個体(動物)に対する総体重増加量、総メチオニン食摂取量、総スレオニン食摂取量及び総摂取量として下記の表3に示した。
【0088】
【表3】
Figure 0004300753
【0089】
2週間の各実験食の給与において、5匹中3匹はメチオニン食を選択的に摂取し、残る2匹はスレオニン食に対し嗜好性を示した。また、スレオニン食を嗜好した2匹に比べ、メチオニン食を選択的に摂取した3匹では体重増加抑制が明瞭に示されている。このことから、既に知られているメチオニンの大量投与による食欲低下或いは体重増加抑制といった作用は、メチオニン食の摂取を拒むことによって直接的に生じる効果ではなく、メチオニンを摂取した後に生体内にて起こる二次的な作用であるものと推察される。従って、メチオニンを用いた食欲抑制剤の開発は実現性が高いものと考えられる。
【0090】
(実施例6)
メチオニン製剤の製造
【0091】
DL−メチオニン1.0g、L−スレオニン1.3gを混合し、これをカプセル封入するのが製造及び服用において最も簡便であるが、この他に散剤或いは賦形剤を添加して錠剤とする製法が考えられる。これ等の製剤により食欲低下効果を得るために、例えば1日3回、食前30〜60分前に服用すること等が考えられる。
【0092】
(実施例7)
ダイエット食品の製造
【0093】
1日3回の服用で標準的栄養所要量を充足し、且つ、これ以外の食物への食欲低下効果を期待できるダイエット食品用組成の一例として、下記表4に示す組成が考えられる。
【0094】
【表4】
ダイエット食品(1食当たりエネルギー800kcal)用組成
Figure 0004300753
【0095】
上記組成による飲料、菓子、その他の形状で、容易に経口摂取することが可能で、且つ、携帯可能な包材に収納できる形態の食品が考えられる。更に、経口摂取を容易にするために、フレーバー剤や甘味料、香辛料等の添加も考えられる。
【0096】
【発明の効果】
本発明により、スレオニンを有効成分として含有する貧血抑制剤、好ましくはメチオニンに起因する溶血性貧血抑制剤を提供すると共に、メチオニンとスレオニンを組み合わせて有効成分として含有する食欲抑制剤を提供することができる。
【0097】
特に、メチオニンが有する重要な副作用である網状赤血球数の増加、脾臓への鉄の沈着等を選択的に改善(低減)することができるので、これまでその副作用のために栄養剤、医薬品分野及び飲食品の分野で制限的に使用されていたメチオニンの利用が量的にも用途面においても拡大することが期待される。特に、溶血性貧血を抑えたより安全な食欲抑制剤としての期待が大きい。なお、ここに、まとめとして、本発明の好ましい実施の形態を示す。
(形態1)
セリン及びグリシンを含有せず、スレオニンを含有することを特徴とするメチオニンに起因する貧血に対する、医薬品としての貧血抑制剤。但し、スレオニンは塩の形態でもよい。
(形態2)
溶血性貧血抑制剤である形態1記載の医薬品としての貧血抑制剤。
(形態3)
網状赤血球の増加及び脾臓への鉄沈着を予防、改善及び/又は治療するためのものである形態1記載の医薬品としての貧血抑制剤。
(形態4)
メチオニンを含有する形態1記載の医薬品としての貧血抑制剤。但し、メチオニンは塩の形態でもよい。
(形態5)
ヒト用であり、メチオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で25〜100mg/kg/dayであり、スレオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で20〜300mg/kg/dayである形態4記載の医薬品としての貧血抑制剤。
(形態6)
メチオニンに対するスレオニンの含有率が遊離体換算で80%以上300%以下(重量)である形態4記載の医薬品としての貧血抑制剤。
(形態7)
セリン及びグリシンを含有せず、メチオニン及びスレオニンを含有することを特徴とする医薬品としての食欲抑制剤。但し、メチオニンは塩の形態でもよく、同様にスレオニンも塩の形態でもよい。
(形態8)
ヒト用であり、メチオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で25〜100mg/kg/dayであり、スレオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で20〜300mg/kg/dayである形態7記載の医薬品としての食欲抑制剤。
(形態9)
メチオニンに対するスレオニンの含有率が遊離体換算で80%以上300%以下(重量)である形態7記載の医薬品としての食欲抑制剤。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例1における各実験食群間でのラット血液中の網状赤血球数の比較を示す(平均値±標準偏差、n=6)。
【図2】図2は、実施例2における各実験食群間でのラット脾臓中のヘム鉄含量の比較を示す(平均値±標準偏差、n=6)。
【符号の説明】
a、b及びc:
a、b、cの異符号間で統計的有意差があることを示す(有意水準5%)。

Claims (9)

  1. セリン及びグリシンを含有せず、スレオニンを含有することを特徴とするメチオニンに起因する貧血に対する、医薬品としての貧血抑制剤。但し、スレオニンは塩の形態でもよい。
  2. 溶血性貧血抑制剤である請求項1記載の医薬品としての貧血抑制剤。
  3. 網状赤血球の増加及び脾臓への鉄沈着を予防、改善及び/又は治療するためのものである請求項1記載の医薬品としての貧血抑制剤。
  4. メチオニンを含有する請求項1記載の医薬品としての貧血抑制剤。但し、メチオニンは塩の形態でもよい。
  5. ヒト用であり、メチオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で25〜100mg/kg/dayであり、スレオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で20〜300mg/kg/dayである請求項4記載の医薬品としての貧血抑制剤。
  6. メチオニンに対するスレオニンの含有率が遊離体換算で80%以上300%以下(重量)である請求項4記載の医薬品としての貧血抑制剤。
  7. セリン及びグリシンを含有せず、メチオニン及びスレオニンを含有することを特徴とする医薬品としての食欲抑制剤。但し、メチオニンは塩の形態でもよく、同様にスレオニンも塩の形態でもよい。
  8. ヒト用であり、メチオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で25〜100mg/kg/dayであり、スレオニンの摂取量又は投与量が遊離体換算で20〜300mg/kg/dayである請求項7記載の医薬品としての食欲抑制剤。
  9. メチオニンに対するスレオニンの含有率が遊離体換算で80%以上300%以下(重量)である請求項7記載の医薬品としての食欲抑制剤。
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