JP4484254B2 - アミノ酸組成剤 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、所定量摂食することにより強壮効果や肌荒れ改善効果が得られるアミノ酸組成剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、肥満を解消するために、あるいはシェイプアップのために、体内の脂肪を消費し、消費エネルギーの増大を可能にする飲食品の開発が行われている。例えば、グルカゴン分泌亢進作用を有するアミノ酸類の少なくとも1種、キサンチン誘導体の少なくとも1種およびチアミン化合物の少なくとも1種を含有し、体脂肪としての脂質を消費し、体脂肪減少効果、さらにダイエット効果を奏する飲食品が知られている(特開平5−252905号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この飲食品は脂質を消費して体脂肪を減少させることはできるものの、その成分の組合せが適切でなく、必要な種類のアミノ酸が含有されていないことから、体調を良好に整えることができない。しかも、男性が摂食する場合、有効な精子の数を増やす造精子機能や、乾燥肌、吹き出物などの肌荒れの改善を十分に行うことができないという問題があった。
【0004】
さらに、筋肉や肝機能の強化や抗潰瘍作用、抗腫瘍作用を十分に発揮できないという問題があった。加えて、肉体的疲労の改善以外に、ストレスによる精神的疲労の早期回復ができないという問題があった。
【0005】
この発明は、以上のような従来技術に存在する問題に着目してなされたものである。その目的とするところは、男性の造精子機能を向上させることができるとともに、肌荒れの改善を図ることができ、しかも肥満を改善でき、加えて体調を回復させることができるアミノ酸組成剤を提供することにある。
【0006】
その他の目的とするところは、強壮機能や筋肉正常化機能を発揮できるとともに、筋肉、肝機能強化、解毒、抗腫瘍、食欲増進、カルシウムの吸収促進、脂肪肝抑制、白血球の生成促進、抗欝(うつ)、鎮痛、睡眠等の効果を得ることができるアミノ酸組成剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、第1の発明のヒト摂取用のアミノ酸組成剤は、アミノ酸であるアルギニンを含有とし、必須アミノ酸であるバリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンの9種類すべてを含有し、さらにプロリン及びグルタミンを含有し、前記アルギニン45〜89重量%、グルタミン1〜5重量%、イソロイシン1〜5重量%、ロイシン1〜8重量%、バリン1〜5重量%、リジン1〜5重量%、メチオニン1〜5重量%、スレオニン1〜5重量%、ヒスチジン1〜5重量%、プロリン1〜5重量%、フェニルアラニン1〜5重量%およびトリプトファン1〜5重量%とするものである。
【0008】
第2の発明は、第1の発明において、前記9種類の必須アミノ酸、並びに前記プロリン及びグルタミンが各々のペプチド類及び水和物から選ばれる少なくとも一種の誘導体、または塩類である。
第3の発明は、第1または第2の発明において、不妊治療に用いられる
【0011】
【発明の実施の形態】
以下に、この発明の実施形態について詳細に説明する。
アミノ酸組成剤は、アミノ酸であるアルギニンを主成分とし、これに必須アミノ酸であるバリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンの9種類すべてを含有する。
【0012】
このアミノ酸組成剤を一定量以上、一定期間摂食することにより、男性の造精子機能の向上および肌の改善、痩身化、さらには体調の回復を図ることができる。
【0013】
これら9種類の必須アミノ酸は、誘導体または塩類であってもよい。誘導体はペプチド類あるいは水和物であり、例えばアルギニン−グルタメート、リジン−グルタメート等が挙げられる。また、塩類としては、アミノ酸の塩酸塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、酢酸塩、複塩などであり、リジン酢酸塩、リジン塩酸塩、ヒスチジン塩酸塩等が挙げられる。
【0014】
加えて、アミノ酸組成剤は、さらにプロリン、グルタミンおよびそれらの誘導体または塩類より選ばれる少なくとも1種類以上を含有するのが、免疫力により潰瘍治癒効果を発揮できるため好ましい。
【0015】
アミノ酸はL体がアミノ酸組成剤の効果を発揮するために好ましいが、DL体でも有効なアミノ酸であればよい。アミノ酸の純度については、食品あるいは医薬品として使用される高純度のアミノ酸が好ましい。但し、この純度については、目的とする用途に応じて設定される。
【0016】
すなわち、アミノ酸組成剤を食品として利用するならば、原料のアミノ酸としては、食品用途の純度のアミノ酸を使用し、医薬部外品あるいは医薬品として利用するならば、原料のアミノ酸は、それぞれの用途における純度のアミノ酸を利用するのがよい。
【0017】
アミノ酸の含有量は、アルギニン45〜89重量%、グルタミン1〜5重量%、イソロイシン1〜5重量%、ロイシン1〜5重量%、バリン1〜5重量%、リジン1〜5重量%、メチオニン1〜5重量%、スレオニン1〜5重量%、ヒスチジン1〜5重量%、プロリン1〜5重量%、フェニルアラニン1〜5重量%およびトリプトファン1〜5重量%であることが好ましい。各アミノ酸の含有量をこれらの範囲内に設定することにより、各アミノ酸の相乗効果により体の本来の機能を回復できるからである。
【0018】
このアミノ酸組成剤を摂食する場合、その摂食量は筋肉に対する負荷量、頻度、摂食する人の体重などにより異なるため一概に言えないが、一日に人の体重10kg当たり0.2g以上摂食するのが望ましい。摂食量が0.2g未満では、効果を体感できないか、または体感できるまでの期間が長くなる。摂食量の上限は、通常一日に人の体重10kg当たり13gである。栄養学上、成人の1日当たりのタンパク質、すなわちアミノ酸の必要量は体重1kg当たり1.3gを食物から摂取するのが一般的だからである。
【0019】
アミノ酸組成剤は、一定期間継続的に摂食することにより、所定の効果が得られる。すなわち、造精子機能の向上、性欲減退の回復を目的とする場合の期間は、1ヶ月程度である。肥満型の体型を痩身型の体型に整える場合は、最低2ヶ月程度である。また、皮膚の症状を改善する場合、最低1ヶ月程度である。さらに、男性不妊症の治療については、約3ヶ月程度である。このアミノ酸組成剤を摂食している間は、通常の標準的な食事をしておればよく、特別な食事にする必要はない。また、特に運動などはしなくても良い。アミノ酸組成剤をいつ摂取するかについては、特に制限はなく、食前、食事の際あるいは食後のいずれであってもよい。
【0020】
アミノ酸組成剤の形態としては、粉末や顆粒あるいは錠剤(タブレット)、キャンディでもよく、いずれの形態でもよい。粉末の形態の場合、直接薬のように摂食しても良いし、水、ミルク、ジュースなどに溶解させた飲料水でもよい。最終商品形態中のアミノ酸含量については特に制限はなく、一定量以上のアミノ酸が摂食できればよい。
【0021】
アミノ酸組成剤に、例えば味を改良するため、さらに体調を整える作用のあるビタミンなどの添加成分を添加してもよい。これらの添加成分としては、甘味料として砂糖、ブドウ糖、果糖、麦芽糖、還元麦芽糖、還元乳糖、各種オリゴ糖類、アスパルテーム、サッカリン等やビタミン類としてビタミンA、B誘導体、C、D、E、F、P、K等また、ミネラル類としてカルシュウム、鉄、マグネシュウム、カリウム、ナトリウム等さらに有機酸類として、クエン酸、リンゴ酸、酢酸等が挙げられる。
【0022】
アミノ酸組成剤を最も必要とする人は、特に中高年、高齢者でも、胃腸障害により消化、吸収力が弱っている人、糖尿病の人、肝臓病の人をはじめ抵抗力の弱っている人やストレス条件下にあり精力が減退した人、体脂肪が気になる人、30才を過ぎて成長ホルモンの分泌低下しはじめた人、肌の状態が気になりだした人などである。
【0023】
このような実施形態によれば、次のような効果を得ることができる。
(1)アミノ酸組成剤に含有されるアミノ酸としてのアルギニンがホルモンの分泌促進作用を有し、他の必須アミノ酸が体の機能向上作用を有していることから、造精子機能向上ならびに男性の精力減退の回復を早期に図ることができる。
(2)さらに、乾燥肌、脂漏性肌、吹き出物などの肌荒れに対し、皮膚の状態を改善させることができる。
(3)しかも、体の脂肪の多い部分が細くなり、肥満の改善や痩身に効果があるとともに、体調を回復させることができる。
(4)特に、アルギニンがホルモンの分泌促進作用や筋肉組織を強化する作用を有することから、強壮効果や筋肉正常化効果を得ることができる。
(5)アルギニンに加え、人に必要とされる9種類の必須アミノ酸の全てを含有することから、筋肉、肝機能強化、解毒、抗腫瘍、食欲増進、カルシウムの吸収促進、脂肪肝抑制、白血球の生成促進、抗欝(うつ)、鎮痛、睡眠の各種の効果を奏することができる。
(6)さらにプロリン、グルタミンおよびそれらの誘導体または塩類より選ばれる少なくとも1種類以上を含有することにより、免疫力が向上して潰瘍治癒ないし潰瘍治癒促進効果を得ることができる。
(7)加えて、体へストレスが加わったとき発生する肉体的、精神的疲労感を早期に回復することができる。
(8)アミノ酸組成剤の効果の発現を早期に達成することができる。すなわち、我々にとって最も大切な栄養素はタンパク質であるが、これは経口摂取により胃腸で消化され、アミノ酸として小腸から吸収されるまでに4時間近くかかる。
【0024】
ところが、アミノ酸組成剤は、既にタンパク質が消化された状態にあり、それを摂取するため、吸収が30分と早く、吸収効率が良く、消化器系に負担をかけず、大変好ましい。特に、中高年、高齢者、胃腸障害をもつ人、消化器系の手術をした人、ストレスを強く受けている人などにとって好ましい。
【0025】
【実施例】
次に、実施例および比較例を挙げてこの発明をさらに具体的に説明する。なお、この発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
この実施例のアミノ酸組成剤(1)の組成は、アルギニン62%、イソロイシン3%、ロイシン6%、バリン3%、リジン3%、メチオニン5%、スレオニン5%、ヒスチジン3%、プロリン3%、フェニルアラニン1%、トリプトファン1%、グルタミン5%とした。このアミノ酸組成剤(1)は、結晶性アミノ酸を粉砕器で粉砕後、混合することにより得た。
【0026】
そして、男性不妊患者10名に、アミノ酸組成剤(1)を体重1kg当り0.25gを下記表1に示す期間投与した。精子数は、北里サプライ社製SPエースにより算定した。運動率は、顕微鏡(400倍)による目測で実施した。その結果を表1に示した。なお、表1中、運動率は多数の精子中、活発に運動しているものの割合を示す。
【0027】
【表1】
Figure 0004484254
【0028】
【表2】
Figure 0004484254
【0029】
【表3】
Figure 0004484254
表1に示したように、精子数、運動率共全員に改善が見られた上、6名の患者を妊娠させることができた。また、投与後の体感について調べ、その結果を下記表2および表3に示した。表2,表3に示すように、各項目について良好な体感を得られることが判った。
(比較例1)
実施例1と同じ男性不妊患者10名にアミノ酸としてアルギニンのみを、実施例1と同様に体重1kgあたり、0.25g摂食させた。その結果、精子数は全員改善したものの、運動率の改善は、60%の患者にしか見られず、妊娠させることができたのは、3名のみであった。
(実施例2および比較例2)
実施例1と同じ男性不妊患者10名に、アミノ酸組成剤(1)の体重当りの摂食量を変化させ、妊娠率との相関を調べ、その結果を下記表4に示した。
【0030】
この場合のアミノ酸組成剤(1)の投与日数は、30日から90日間とした。
【0031】
【表4】
Figure 0004484254
表4の実施例2に示したように、アミノ酸組成剤(1)を体重1kg当り、0.2g以上で30日間摂食すると50%以上の確率で妊娠することが判った。一方、比較例2に示したように、0.1gでは、20〜30%の妊娠確率しか得ることはできなかった。
(実施例3)
この実施例のアミノ酸組成剤(2)の組成は、アルギニン79%、イソロイシン2%、ロイシン4%、バリン2%、リジン1%、メチオニン2%、スレオニン2%、ヒスチジン2%、プロリン2%、フェニルアラニン1%、トリプトファン1%、グルタミン1%とした。このアミノ酸組成剤(2)は、結晶性アミノ酸を粉砕器で粉砕後、混合することにより得られた。
【0032】
そして、25才から58才の女性22名がアミノ酸組成剤(2)を体重1kg当り0.4g、3ヶ月間摂食した。摂食前後の体重、バスト、ヒップ、ウエスト、二の腕、ふくらはぎを測定し、さらに本人の体感についても調べた。アミノ酸組成剤(2)を摂食期間中各人の食事は、各人の体型で必要量を摂取していることを確認したが、特別なカロリーコントロールは実施しなかった。また、特に運動なども実施しなかった。その結果を表5に示した。
【0033】
表5において、体重1kg減少の場合-1.0、またバスト、ウエスト、ヒップ、二の腕、ふくらはぎ1cm減少の場合-1.0として、3ケ月間でのプラス、マイナス合計を各人で算出した。
【0034】
【表5】
Figure 0004484254
表5に示したように、60%の人で合計がマイナスで、効果があったことがわかった。
【0035】
その他の詳細なデ−タを解析すると、下記の表6に示すような特徴が見られた。
【0036】
【表6】
Figure 0004484254
表6に示したように、興味あることに、29才以上の女性に対して特に、アミノ酸組成剤(2)は、きわめて効果的であることが判った。
【0037】
さらに、体感としては、80%以上の人の体調が改善され、疲労感が減少した。肌荒れについても、従来肌荒性(乾燥肌、脂漏性肌、にきび、吹き出物等)の人の75%が改善された。
(実施例4)
アミノ酸組成剤(3)を、アルギニン58%、アルギニン−グルタメート5%、イソロイシン3%、ロイシン8%、バリン3%、リジン5%、メチオニン5%、スレオニン4%、ヒスチジン塩酸塩3%、プロリン3%、フェニルアラニン1%およびトリプトファン1%を混合することにより調製した。そして、このアミノ酸組成剤(3)を東京都内で働く男性40名(35才から60才)に2週間摂食させ、モニターテストを行った。その結果を表7に示した。
【0038】
【表7】
Figure 0004484254
表7に示したように、アミノ酸組成剤(3)は精力のアップや体調の向上に効果があることがわかった。
【0039】
また、精力がアップした男性(16名)のうち、1週間のお楽しみ回数について聞いた結果を表8に示した。
【0040】
【表8】
Figure 0004484254
表8に示したように、4分の3の男性はお楽しみ回数が増えた。
さらに、モニターの男性40名について前記表7の各項目を体感し始めた時期に関し表9のような結果を得た。
【0041】
【表9】
Figure 0004484254
表9に示したように、モニターの男性40名のうち、半数の男性が1週間以内に表7の各項目を体感しており、肉体的改善のみならず、精神面においても改善が見られることがわかった。
【0042】
なお、前記実施形態より把握される技術的思想について以下に記載する。
(1)前記アミノ酸はL体である請求項1に記載のアミノ酸組成剤。この構成によれば、アミノ酸による造精子効果、肌荒れの改善、肥満の改善などの効果を有効に発揮することができる。
(2)さらにビタミンを配合した請求項1に記載のアミノ酸組成剤。このように構成すれば、ビタミンの作用により体調を整えることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上詳述したように、この発明によれば、次のような効果を奏する。
第1の発明のアミノ酸組成剤によれば、男性の造精子機能を向上させることができるとともに、肌荒れの改善を図ることができる。さらに、肥満を改善でき、加えて体調を回復させることができる。
【0044】
しかも、強壮機能や筋肉正常化機能を発揮できるとともに、筋肉、肝機能強化、解毒、抗腫瘍、食欲増進、カルシウムの吸収促進、脂肪肝抑制、白血球の生成促進、抗欝(うつ)、鎮痛、睡眠等の各種の効果を得ることができる。
【0045】
らに免疫力が向上して潰瘍治癒ないし潰瘍治癒促進効果を得ることができる

Claims (3)

  1. アミノ酸であるアルギニンを含有し、必須アミノ酸であるバリン、イソロイシン、ロイシン、メチオニン、リジン、スレオニン、ヒスチジン、フェニルアラニン、トリプトファンの9種類すべてを含有し、
    さらにプロリン及びグルタミンを含有し、
    前記アルギニン45〜89重量%、グルタミン1〜5重量%、イソロイシン1〜5重量%、ロイシン1〜8重量%、バリン1〜5重量%、リジン1〜5重量%、メチオニン1〜5重量%、スレオニン1〜5重量%、ヒスチジン1〜5重量%、プロリン1〜5重量%、フェニルアラニン1〜5重量%およびトリプトファン1〜5重量%とするヒト摂取用のアミノ酸組成剤。
  2. 前記9種類の必須アミノ酸、並びに前記プロリン及びグルタミンが各々のペプチド類及び水和物から選ばれる少なくとも一種の誘導体、または塩類である請求項1に記載のアミノ酸組成剤。
  3. 不妊治療に用いられる請求項1または請求項2に記載のアミノ酸組成剤。
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