JP7293564B2 - ジエステル系物質の製造方法 - Google Patents

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Description

本出願は、2019年9月27日付けの韓国特許出願第10-2019-0119987号に基づく優先権の利益を主張し、該当韓国特許出願の文献に開示されている全ての内容は、本明細書の一部として組み込まれる。
本発明は、反応性および生産性が改善したジエステル系物質の製造方法に関する。
フタレート系可塑剤は、20世紀まで世界の可塑剤市場の92%を占め(Mustafizur Rahman and Christopher S.Brazel 「The plasticizer market:an assessment of traditional plasticizers and research trends to meet new challenges」 Progress in Polymer Science 2004,29,1223-1248参照)、主に、ポリ塩化ビニル(以下、PVCとする)に柔軟性、耐久性、耐寒性などを付与し、溶融時に粘度を下げて加工性を改善するために使用される添加物であり、PVCに様々な含量で投入されて硬いパイプのような硬質製品から柔らかく伸びやすいことから食品包装材および血液バッグ、床材などに使用可能な軟質製品に至るまで、如何なる材料よりも実生活と密接な関連性を有し、且つ人体との直接な接触が不可避な用途に広く使用されている。
しかし、フタレート系可塑剤は、PVCとの相溶性および優れた軟質付与性にもかかわらず、最近、フタレート系可塑剤が含有されたPVC製品を実生活に使用するときに、製品の外部に少しずつ流出されて内分泌障害(環境ホルモン)推定の物質および重金属水準の発癌物質として作用し得るという有害性論難が起きている(N.R.Janjua et al.「Systemic Uptake of Diethyl phthalate,Dibutyl phthalate,and Butyl Paraben Following Whole-body Topical Application and Reproductive and Thyroid Hormone Levels in Humans」 Environmental Science and Technology 2008,42,7522-7527参照)。特に、1960年代の米国でフタレート系可塑剤のうちその使用量が最も多いジエチルヘキシルフタレート(di-(2-ethylhexyl)phthalate、DEHP)が、PVC製品の外部に流出されるという報告が発表されてから、1990年代に入って環境ホルモンに関する関心が高まり、フタレート系可塑剤の人体有害性に関する様々な研究をはじめ、汎世界的な環境規制が実施され始めた。
したがって、多くの研究者たちは、フタレート系可塑剤、特に、ジ(2-エチルヘキシル)フタレートの流出による環境ホルモン問題および環境規制に対応すべく、ジ(2-エチルヘキシル)フタレートの製造時に使用される無水フタル酸が排除された新たなノンフタレート系代替可塑剤を開発するか、フタレート系ではあるが可塑剤の流出が抑制され、工業用として使用可能なジ(2-エチルヘキシル)フタレートの代わりに使用可能なフタレート系可塑剤を開発するだけでなく、フタレート系可塑剤の流出を抑制して人体危害性を著しく低減することは言うまでもなく、環境基準も満たすことができる流出抑制技術を開発するために研究を行っている。
このように、エステル系の可塑剤として、従来の環境的な問題があるジ(2-エチルヘキシル)フタレートの代わりに使用可能な、環境的な問題がない物質の開発が活発に行われており、優れた物性を有するエステル系可塑剤を開発する研究は言うまでもなく、かかる可塑剤を製造するための設備に関する研究も活発に行われており、工程設計の面においてより効率的且つ経済的で、簡素な工程の設計が求められている。
一方、上記のエステル系可塑剤を製造する工程には、ほとんどの産業現場で回分式工程が適用されており、回分式工程として、反応器内の未反応物の還流と副反応物の効率的な除去のための気液分離システムに関する発明(韓国公開特許公報第10-2019-0027622号)と、回分式工程の設備を簡素化するために一次直接エステル化反応および二次トランスエステル化反応の設備を統合したシステムに関する発明(韓国公開特許公報第10-2019-0027623号)が開示されている。
しかし、かかる発明で開示されている回分式工程の場合、設備の簡素化や設備変更による反応の改善を目的としているが、この場合、工程上、設備の追加やラインの変更など、非常に多くの費用を要する方法であり、産業において簡単に適用することは難しい。そのため、工程条件の変形および制御により、反応を最適化できる工程の開発が必要な状況である。
本発明は、ジエステル系物質を製造するにあたり、反応条件の制御により反応速度を改善して生産性を向上させ、エネルギー使用量を削減して工程効率性を改善したジエステル系物質の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一実施形態によると、ジカルボン酸および炭素数が4~10であるモノアルコールを混合して原料混合物を製造するステップ(S1)と、触媒下で、前記原料混合物を反応させてジエステル系物質および生成水を含む生成混合物を得るステップ(S2)とを含み、前記(S2)ステップには、下記条件A~Cのうち1以上が適用され、前記条件A~Cでの反応初期および反応後期の区分は、反応の転化率が10%~80%である時点から選択される時点である反応制御点を基準とする製造方法が提供される。
前記条件A~Cは、下記のとおりである。
条件A:反応初期の反応器の温度を150~220℃に設定し、反応後期の反応器の温度を180~250℃に設定し、この際、後期の温度が初期の温度より高くなるように設定、
条件B:モノアルコールの全投入量に対して、反応初期に40~90重量%投入し、反応後期に10~60重量%投入、および
条件C:不活性気体の全投入量に対して、反応初期に10~50体積%投入し、反応後期に50~90体積%投入。
本発明によるジエステル系物質の製造方法は、反応速度が速くなって生産性が向上することができ、エネルギー消費量が改善して工程費用の削減が可能であり、効率性が高いジエステル系物質の製造方法を提供することができる。
以下、本発明に関する理解を容易にするために本発明をより詳細に説明する。本明細書および特許請求の範囲にて使用されている用語や単語は、通常的もしくは辞書的な意味に限定して解釈してはならず、発明者らは、自分の発明を最善の方法で説明するために用語の概念を適宜定義することができるという原則に則って、本発明の技術的思想に合致する意味と概念に解釈すべきである。
用語の定義
本明細書で用いられているような「組成物」と言う用語は、当該組成物の材料から形成された反応生成物および分解生成物だけでなく、当該組成物を含む材料の混合物を含む。
本明細書で用いられているような「ストレート塩化ビニル重合体」と言う用語は、塩化ビニル重合体の種類の一つであり、懸濁重合またはバルク重合などにより重合されたものを意味し得、数十~数百マイクロメータサイズを有する多量の気孔が分布された多孔性粒子の形態を有し、凝集性がなく、流動性に優れた重合体を意味する。
本明細書で用いられているような「ペースト塩化ビニル重合体」と言う用語は、塩化ビニル重合体の種類の一つであり、微細懸濁重合、微細シード重合、または乳化重合などにより重合されたものを意味し得、数十~数千ナノメータサイズを有する微細で緻密な空隙がない粒子として、凝集性を有し、流動性が劣る重合体を意味する。
本明細書で用いられているような接頭語「イソ」は、一般的には、アルキル基の末端にメチル分岐が結合したものを意味するが、本明細書で別に定義して名付けない以上、本明細書では、アルキル基の主鎖にメチル基またはエチル基が分岐鎖として結合したアルキル基を意味し、末端に結合したものをはじめ、分岐鎖としてメチル基またはエチル基が主鎖に結合したアルキル基を包括する意味で使用され、かかるアルキル基の混合物の意味も含む。
「含む」、「有する」と言う用語およびこれらの派生語は、これらが具体的に開示されているかそうでないかに関係なく、任意の追加の成分、ステップあるいは手続きの存在を排除することを意図するものではない。如何なる不確実性も避けるために、「含む」と言う用語の使用により請求されたすべての組成物は、反対に記述されない限り、重合体であるかあるいはそれ以外の他のものであるかに関係なく、任意の追加の添加剤、補助剤、あるいは化合物を含むことができる。これとは対照的に、「で本質的に構成される」と言う用語は、操作性に必須ではないもの以外は、任意のその他の成分、ステップあるいは手続きを任意の連続する説明の範囲から排除する。「で構成される」と言う用語は、具体的に記述されるか挙げられていない任意の成分、ステップあるいは手続きを排除する。
ジエステル系物質の製造方法
本発明の一実施形態によると、ジカルボン酸および炭素数が4~10であるモノアルコールを混合して原料混合物を製造するステップ(S1)と、触媒下で、前記原料混合物を反応させてジエステル系物質および生成水を含む生成混合物を得るステップ(S2)とを含み、前記(S2)ステップには、下記条件A~Cのうち1以上が適用され、前記条件A~Cでの反応初期および反応後期の区分は、反応の転化率が10%~80%である時点から選択される時点である反応制御点を基準とする製造方法が提供される。
前記条件A~Cは、下記のとおりである。
条件A:反応初期の反応器の温度を150~220℃に設定し、反応後期の反応器の温度を180~250℃に設定し、この際、後期の温度が初期の温度より高くなるように設定、
条件B:モノアルコールの全投入量に対して、反応初期に40~90重量%投入し、反応後期に10~60重量%投入、および
条件C:不活性気体の全投入量に対して、反応初期に10~50体積%投入して、反応後期に50~90体積%投入。
原料混合物の準備ステップ(S1)
本発明の一実施形態による製造方法は、原料混合物を製造することから開始され、前記原料混合物は、ジカルボン酸と炭素数が4~10であるモノアルコールを含み、場合に応じて、前記ジカルボン酸とモノアルコールは、1種が使用されてもよいが、2種以上の混合物が使用されてもよい。
前記原料混合物は、反応が行われる反応器にそれぞれすぐ投入されるよりは、反応器に投入される前にミキシングにより最大限に均一に混合された状態で反応器に投入されることが好ましい。反応器に、原料混合物としてジカルボン酸とモノアルコールをすぐ投入することを排除するものではないが、予め混合し、原料混合物の形態で投入する場合、特に、原料混合物を、無触媒状態で、150℃以下の温度まで予め予熱し、この際、廃熱の活用による十分な予熱により反応を容易に行うことができる。また、この場合には、一般的に、反応触媒を分離して反応器に投入するが、この場合、反応触媒を予熱した後に原料混合物と接触させることで、触媒とともに最初から昇温する場合に発生する副反応を防止することができる。
前記原料混合物に含まれるジカルボン酸は、例えば、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサン1,2-ジカルボン酸、シクロヘキサン1,3-ジカルボン酸およびシクロヘキサン1,4-ジカルボン酸からなる群から選択される1以上を含むことができる。
また、前記モノアルコールは、炭素数が4~10であってもよく、好ましくは炭素数が5~9であってもよく、さらに好ましくは6~9であってもよい。例えば、前記モノアルコールは、n-ブタノール、イソブタノール、n-ペンタノール、イソペンタノール、n-ヘキサノール、イソヘキサノール、n-ヘプタノール、イソヘプタノール、n-オクタノール、2-エチルヘキサノール、n-ノナノール、イソノナノール、デカノール、イソデカノールおよび2-プロピルヘプタノールからなる群から選択される1以上を含むことができ、2以上のアルコールの混合物を使用することができ、前記アルコールの構造異性体の混合物を使用して、ジエステル系物質を組成物として製造することもできる。
エステル化反応ステップ(S2)
本発明の一実施形態による製造方法は、原料混合物を製造し、これを特定の条件でエステル化反応させてジエステル系物質と生成水を得るステップを続けて行う。
前記エステル化反応は、より具体的には、ジカルボン酸とモノアルコールの混合物である原料混合物に触媒を添加し、窒素雰囲気下で反応させるものであり得る。
本発明の一実施形態によると、前記エステル化反応では、特定の時点を反応制御点として指定し、この反応制御点を基準として反応の初期および後期が区分され、条件A~Cが適用される。前記反応制御点は、反応転化率が10%~80%の間である時点から選択され、この反応制御点として選択可能な転化率の範囲は、下限として、好ましくは15%、より好ましくは20%、さらに好ましくは25%であってもよく、上限として、好ましくは75%、より好ましくは70%、さらに好ましくは60%であってもよい。前記反応制御点が転化率10%より低い時点として選択される場合には、反応速度の改善は大きくないにもかかわらずエネルギー消費量が大きくなる可能性があり、条件を適用しない場合とあまり差がなく、転化率80%である時点よりもさらに反応が行われた後に反応制御点を選定することは、かえって反応速度を低下させる要因になり、反応条件の変更が無意味になり得る。
すなわち、反応速度の改善と、エネルギー消費量の改善という効果の両方を具現するためには、前記の範囲内で反応制御点が選択されることが好ましく、反応初期とは、反応制御点が過ぎる前までを意味し、反応後期とは、反応制御点が過ぎた後の転化率を意味し得る。
本発明の一実施形態によると、制御される条件A~Cは、下記のとおりである。
条件A:反応初期の反応器の温度を150~220℃に設定し、反応後期の反応器の温度を180~250℃に設定、
条件B:モノアルコールの全投入量に対して、反応初期に40~90重量%投入し、反応後期に10~60重量%投入、および
条件C:不活性気体の全投入量に対して、反応初期に10~50体積%投入し、反応後期に50~90体積%投入。
前記条件A~Cの場合、反応原料が投入され、触媒が投入された後のものであり、前記条件Aは、反応器の設定(setting)値であり得、条件BとCは、投入量を制御するものであり得る。
一方、前記製造方法は、反応器で行われ、前記反応器は、反応器の上部に連結されて気化する物質として、未反応のモノアルコールと生成水を気液分離するためのストリッパーと、ストリッパーから排出された気体を凝縮して分離するための凝縮器およびデカンターを含む反応ユニットの一構成であり得、前記S2ステップの反応は、かかる反応ユニットで行われることができる。
具体的には、ジカルボン酸とモノアルコールの原料混合物が反応器に投入されて反応が開始されると、反応温度がモノアルコールの沸点より高くて気化が行われ、ジエステル系物質とともに反応副生成物として水(生成水)が生成されて気化がともに行われる。エステル化反応は、平衡反応であり、生成物である生成水を除去し続ける必要があり、気化する未反応のモノアルコールをまた反応器に戻したときに反応がスムーズに行われることができる。これにより、生成水と未反応のモノアルコールの混合気体をストリッパー、凝縮器およびデカンターを通じて分離し、モノアルコールは、また反応器に再循環させ、生成水は、系外に排出するか工程内の工程水として活用することができる。
以下では、前記のような反応環境で、如何なる条件を如何なる方式で制御することが、エネルギー消費量の改善と反応速度の改善に効果的であるかについて説明する。
反応温度の制御
本発明の一実施形態によると、制御される条件のうち、条件Aは、反応器の温度値を変更することである。最初反応のときに、反応器の温度の設定値を150~220℃の範囲内で設定して反応を行い、以降、反応制御点が過ぎる時点で反応器の温度設定を180~250℃の温度に変更することである。この場合、反応後期の反応器の温度は、反応初期の反応器の温度より高くなるように設定する。
反応器の設定温度は、必ずしもその内部の反応物と同一ではなく、反応器の温度を200℃に設定しても、反応物は200℃に向かって昇温する過程であり得、すでに昇温して同等な温度であり得、一部の熱損失や、還流などによってより低い値であり得る。
反応器の温度を最初150~220℃の間に制御する場合、モノアルコールの初期還流を抑制することができ、無駄な熱損失を防止することができ、150℃より低い温度に設定する場合、反応速度が遅すぎて触媒との副反応率が高くなり、220℃より高い温度に設定する場合、無駄な熱損失が起こり、反応物が熱損傷を負うことがあるのに対し、アルコールの還流量の急増によって反応速度の改善は不可能であり、適正水準の温度設定が必須になり得る。
以降、反応制御点が過ぎると、所定水準反応が行われた後であるため、反応転化率を極大化するために温度を適正水準上昇させる必要があるが、この場合、180~250℃の間の値に設定する必要がある。180℃より低い温度に設定される場合、転化率を99%まで達成することができず、製品の純度を合わせることができず、250℃より高い温度に設定される場合には、生成物の熱損傷の可能性が大きくなり、反応器の内壁に反応物や生成物または触媒によるスケール発生の可能性が高く、さらには、反応後期の還流量の増加によって転化率が99%を突破するのにかかる時間が長くなるか、達成が不可能になり得る。
したがって、上述のように、反応器の設定温度を制御条件として選定した場合には、反応初期の反応器の温度の設定値を150~220℃から選択し、反応後期は180~250℃の間の値に変更することが、上述の問題点を予め防止し、エネルギー消費量の改善を図るのに効果的であり、好ましくは、反応初期の反応器の温度を160~190℃に設定し、反応後期の反応器の温度を200~250℃に設定することができる。
アルコールの投入量条件の制御
本発明の一実施形態によると、制御される条件のうち、条件Bは、アルコールの分割投入量である。反応初期に、反応器またはミキサーに投入するアルコールの投入量は、全投入量に対して40~90重量%であり、反応制御点の後の反応後期に、全投入量において反応初期に投入した量の残部である10~60重量%を投入する。この際、アルコールの投入は、反応制御点を基準として、反応を開始する時に一括投入をするか、全時点にわたり連続投入をするか、反応初期の投入量内で分離して分割投入する方法で投入することができ、反応後期にも同じ方法が適用されることができ、投入方法は、反応の初期および後期にそれぞれ独立して適用されることができる。
一般的に、前記アルコールは、ジカルボン酸100モル%に対して、150~500モル%、200~400モル%、200~350モル%、250~400モル%、あるいは270~330モル%範囲内で使用されることができる。前記範囲内から選択される投入される量を100重量%として、反応初期に40~90重量%を投入し、反応後期にその残部を投入することができる。
モノアルコールを投入する時に、反応初期に全投入量の40重量%より少ない量を投入する場合には、反応速度の改善は全くない可能性があり、エネルギー消費量だけ増加し得る。すなわち、反応後期に60重量%より多い量が投入されることを意味するが、すでに昇温が完了した後の反応物に追加投入されるアルコールの投入量が60重量%を超えることを意味するため、反応熱の面で反応を抑制する現象が起こり得る。また、反応として、正反応が優勢ではなく、残留する水と共沸をなすモノアルコール量の増加によって水が除去されず、触媒の失活や逆反応が優勢な状況が反応中に発生し得るため、反応速度は遅くなり、エネルギー消費量は大きくなり得る。
また、反応初期に90重量%より多い量を投入する場合には、エネルギー消費量が急激に増加することがある。モノアルコールの量が反応器内に多く存在する場合、正反応優勢効果で反応速度が速いことが予想されるが、初期のアルコール還流量の増加によってかえって反応速度が遅くなり、還流量の増加によるエネルギー損失も大きくなる問題が発生し得る。
したがって、モノアルコールの投入量を制御条件として選定した場合には、反応初期に投入するアルコールの量を全投入量に対して40~90重量%に設定し、反応後期に全投入量の残部である10~60重量%に設定することが、エネルギー消費量を削減し、反応速度を改善するために効果的であり得る。また、かかる範囲にアルコールの投入量を制御する場合には、アルコールの投入量のうち当量よりも多く投入される超過量の投入制御の面で、理論的な予測とは異なり、初期から100%を全部投入する時よりもジエステル系物質とモノアルコールの反応接触面積の向上によって反応性の改善も期待することができ、好ましくは、反応初期に投入するアルコール量を、全投入量に対して40~85重量%に設定し、反応後期に15~60重量%に設定することができ、より好ましくは、全投入量に対して40~80重量%に設定し、反応後期に20~60重量%に設定することができ、さらに好ましくは、反応初期に40~70重量%、反応後期に30~60重量%投入することに設定することができる。
不活性気体の投入量条件の制御
本発明の一実施形態によると、制御される条件のうち、条件Cは、不活性気体の分割投入量である。最初反応のときに反応器に投入される不活性気体は、全投入量の10~50体積%であり、反応後期、すなわち、反応制御点の後に投入される不活性気体の投入量は、全投入量から初期投入量を除いた残部である50~90体積%である。この際、不活性気体の投入は、反応制御点を基準として、反応を開始するときに反応物で満たした反応器に一括投入をするか、全時点にわたり連続投入をするか、反応初期の投入量内で分離して分割投入する方法で投入することができ、反応後期にも同じ方法が適用されることができ、投入方法は、反応初期および後期にそれぞれ独立して適用されることができる。
前記不活性気体は、窒素、アルゴンおよびヘリウムからなる群から選択される1以上であってもよく、これは、生成水の排出のための還流量の調節の役割を果たすが、初期から全量を投入するか、反応制御点に達する前に全投入量の50体積%を超えて投入する場合、還流量の増加によるエネルギー消費の問題が発生し得、10重量%に達しない場合、生成水の排出が難しくて反応遅延の問題が発生し得る。これにより、前記の範囲内で不活性気体の投入量を制御する場合、反応性および生産性を改善することができ、好ましくは、反応初期に全投入量の10~40体積%を投入し、反応後期に60~90体積%を投入することができる。
本発明の一実施形態によると、前記製造方法のうち、S2ステップでは、前記条件A~Cのうち1以上が適用される。前記条件A~Cのそれぞれで各条件が適用されない場合の問題点は、A~Cがいずれも適用されないときに、各条件を満たさないことを意味し得るが、例えば、条件Aが適用されると、条件BおよびCが適用されないときに問題点の所定部分を相殺することができ、条件Bが適用され、残りが適用されない場合および条件Cが適用され、残りが適用されない場合も同様であり得る。
上述の反応器の温度(条件A)、モノアルコールの投入量(条件B)、不活性気体の投入量(条件C)を互いに複合的にまたは独立的に、特定の転化率を基準として制御する場合には、いずれか一つの場合のみを適用しても、従来に比べて反応性の改善に著しい効果の向上を期待することができ、複合的に反応を前期および後期に、特定の転化率時点を基準として分離し、上記の条件を2以上またはすべて適用すると、最適な効率でジエステル系物質を製造することができる。
すなわち、好ましくは、エネルギー消費量の改善と反応速度の改善の面では、条件A~Cのうち2以上の条件が適用されることができ、中でも、さらに好ましくは、条件AおよびBが適用されることができ、最も好ましくは、条件A~Cがすべて適用されることができる。
本発明の一実施形態による製造方法は、前記の反応条件として、反応器の温度、モノアルコールの投入量および投入時点、不活性気体の投入量および投入時点などの反応条件を反応の転化率を基準として制御することで、最適な反応条件の設計によって反応性と生産性を向上させることができ、これにより、エネルギー消費量や製品の純度と反応時間が優れた水準に達することができる。
このように、反応条件を複合的に制御すると、エネルギー消費量を考慮した還流量の制御と、反応速度および昇温速度の改善による反応性の改善、また、生成水のスムーズな排出による製品品質の改善などの効果をいずれも最適化して得ることができる。
一方、前記触媒は、一例として、硫酸、塩酸、リン酸、硝酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、アルキル硫酸などの酸触媒、乳酸アルミニウム、フッ化リチウム、塩化カリウム、塩化セシウム、塩化カルシウム、塩化鉄、リン酸アルミニウムなどの金属塩、ヘテロポリ酸などの金属酸化物、天然/合成ゼオライト、陽イオンおよび陰イオン交換樹脂、テトラアルキルチタネート(tetra alkyl titanate)およびそのポリマーなどの有機金属から選択される1種以上であり得る。具体的な例として、前記触媒は、テトラアルキルチタネートを使用することができる。
触媒の使用量は、種類に応じて異なり得、一例として、均一触媒の場合には、反応物の総100重量%に対して、0.01~5重量%、0.01~3重量%、1~5重量%あるいは2~4重量%の範囲内、また、不均一触媒の場合には、反応物の総量に対して、5~200重量%、5~100重量%、20~200重量%、あるいは20~150重量%の範囲内であり得る。
生成混合物の中和ステップ(S3)
本発明の一実施形態によると、前記製造方法は、S2ステップで得られた生成混合物に水酸化アルカリ金属および水を含む中和剤を投入して中和するステップ(S3)をさらに含むことができる。前記水は、(S2)ステップの生成水を含むことができる。
前記中和に使用される水酸化アルカリ金属は、水酸化ナトリウム、または水酸化カリウムが適用されることができ、0.1~10%に水に溶解させて水溶液状態で適用することができる。前記中和ステップは、上記の水酸化アルカリ金属水溶液を投入して、生成混合物内に残留する触媒を失活させる過程であり得、この際、塩を発生させて固体生成物で除去し、ジエステル系物質が含まれる有機層と水が含まれる水層とに層分離されて分離排出されることができる。
前記中和ステップを経た生成混合物は、有機層としてジエステル系物質が含まれて排出され、このときに排出された有機層は、所定の精製工程を経てジエステル系物質が製品化されることができ、水層は、廃水処理システムを通じてモノアルコールは回収され、水は工程水などに再使用されることができる。
可塑剤組成物および樹脂組成物
本発明の他の一実施形態によると、上述の製造方法によって製造されたジエステル系物質を含む可塑剤組成物を提供する。
前記可塑剤組成物は、通常使用される成分を含むことができ、特にこれに制限されない。
前記可塑剤組成物は、上述のエポキシ化アルキルエステル組成物を含み、このエポキシ化アルキルエステル組成物を含む可塑剤組成物が単独で使用されることができ、さらに二次可塑剤が含有されて混合可塑剤が適用されることができる。
前記二次可塑剤は、テレフタレート系物質、イソフタレート系物質、フタレート系物質、シクロヘキサン1,4-ジエステル系物質、シクロヘキサン1,2-ジエステル系物質、シクロヘキサン1,3-ジエステル系物質、トリメリテート系物質、シトレート系物質、エポキシ化オイル、サクシネート系物質、ベンゾエート系物質、グリコール系物質などが適用されることができ、これらの混合物が二次可塑剤として適用されることができる。
具体的には、前記二次可塑剤として挙げられた物質は、いずれもエステル基を有する物質であり、前記エステル基に結合するアルキル基としては、n-ブチル基、イソブチル基、n-ペンチル基、イソペンチル基、n-ヘキシル基、イソヘキシル基、n-ヘプチル基、イソヘプチル基、2-エチルヘキシル基、オクチル基、n-ノニル基、イソノニル基、2-プロピルヘプチル基、デシル基、イソデシル基などが適用されることができる。
本発明の他の一実施形態によると、前記可塑剤組成物および樹脂を含む樹脂組成物が提供される。
前記樹脂は、当分野において知られている樹脂を使用することができる。例えば、ストレート塩化ビニル重合体、ペースト塩化ビニル重合体、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレン重合体、プロピレン重合体、ポリケトン、ポリスチレン、ポリウレタン、天然ゴム、合成ゴムおよび熱可塑性エラストマーからなる群から選択される1種以上の混合物などを使用することができるが、これに制限されるものではない。
前記可塑剤組成物は、前記樹脂100重量部に対して、5~150重量部、好ましくは5~130重量部、または10~120重量部含まれることができる。
一般的に、可塑剤組成物が使用される樹脂は、溶融加工またはプラスチゾル加工により樹脂製品として製造されることができ、溶融加工樹脂とプラスチゾル加工樹脂は、各重合方法に応じて異なるように生産され得る。
例えば、塩化ビニル重合体は、溶融加工に使用される場合、懸濁重合などで製造されて平均粒径が大きい固体状の樹脂粒子が使用され、かかる塩化ビニル重合体は、ストレート塩化ビニル重合体と称し、プラスチゾル加工に使用される場合、乳化重合などで製造されて微細な樹脂粒子としてゾル状態の樹脂が使用され、かかる塩化ビニル重合体は、ペースト塩化ビニル樹脂と称する。
この際、前記ストレート塩化ビニル重合体の場合、可塑剤は、重合体100重量部に対して5~80重量部の範囲内で含まれることが好ましく、ペースト塩化ビニル重合体の場合、重合体100重量部に対して40~120重量部の範囲内で含まれることが好ましい。
前記樹脂組成物は、充填剤をさらに含むことができる。前記充填剤は、前記樹脂100重量部に対して、0~300重量部、好ましくは50~200重量部、さらに好ましくは100~200重量部であり得る。
前記充填剤は、当分野において知られている充填剤を使用することができ、特に制限されない。例えば、シリカ、マグネシウムカーボネート、カルシウムカーボネート、硬炭、タルク、水酸化マグネシウム、チタンジオキシド、マグネシウムオキシド、水酸化カリウム、水酸化アルミニウム、アルミニウムシリケート、マグネシウムシリケートおよび硫酸バリウムから選択される1種以上の混合物であり得る。
また、前記樹脂組成物は、必要に応じて、安定化剤などのその他の添加剤をさらに含むことができる。前記安定化剤などのその他の添加剤は、一例として、それぞれ、前記樹脂100重量部に対して、0~20重量部、好ましくは1~15重量部であり得る。
前記安定化剤は、例えば、カルシウム-亜鉛の複合ステアリン酸塩などのカルシウム-亜鉛系(Ca-Zn系)安定化剤またはバリウム-亜鉛系(Ba-Zn系)安定化剤を使用することができるが、これに特に制限されるものではない。
前記樹脂組成物は、上述のように、溶融加工およびプラスチゾル加工の両方に適用されることができ、例えば、溶融加工は、カレンダリング加工、押出加工、または射出加工が適用されることができ、プラスチゾル加工は、コーティング加工などが適用されることができる。
実施例
以下、本発明を具体的に説明するために、実施例をあげて詳細に説明する。しかし、本発明による実施例は、様々な他の形態に変形されてもよく、本発明の範囲が以下で詳述する実施例に限定されるものと解釈してはならない。本発明の実施例は、当業界において平均的な知識を有する者に本発明をより完全に説明するために提供されるものである。
(1)条件Aの適用
実施例、基準例および比較例
ジカルボン酸としてイソフタル酸498gと、モノアルコールとして2-エチルヘキサノール1172gをプレミキシングした後、3.0L反応器に投入し、触媒としてテトラブチルチタネートを投入して反応を行い、各実施例、基準例および比較例の反応条件は、下記表1に記載したとおりである。
Figure 0007293564000001
実験例1
前記実施例、基準例および比較例に対して、エネルギー改善の程度と反応性改善の程度を指数化して表示し、以下の測定基準によって指数化し、その結果を下記表2に示した。
1)エネルギー改善指数:基準例を基準として基準例のエネルギー消費量を0としたときに、-5から10までの段階に分け、-3がエネルギー消費量が大きく、10に行くほどエネルギー消費量が小さく、改善の程度が大きいものと表現した。エネルギー消費量は、反応器の上部に還流されるアルコールをまた反応器に投入するために消費するエネルギーと、反応熱を加えるために消費するエネルギーの総和であり、アルコール還流量は、反応器の上部に配置されて還流されるアルコールを気液分離するカラムの流量を測定して評価し、反応熱は、反応器の温度設定に必要なスチーム量で測定した。
2)反応性改善指数:基準例を基準として基準例の反応性を5としたときに、1から10までの段階に分け、基準例より反応性が小さい場合(反応速度が遅く、転化率99%を達成するのにかかった時間が長い場合)には1に近く表現し、反応性に優れた場合(反応速度が速く、転化率99%を達成するのにかかった時間が長い場合)には10に近く表現し、転化率99%を達成するのにかかる反応時間を基準として評価した。
Figure 0007293564000002
前記表2を参照すると、反応初期および反応後期の反応器の温度を本発明の範囲に合わせて設定し、温度を上昇させた実施例1-1~1-4の場合、エネルギー改善および反応性改善に優れた結果が示されたことを確認することができる。一方、反応初期の反応器の温度を過剰に高く設定し、これを転化率80%まで維持した比較例1-1の場合、エネルギー改善程度が、温度の変更なしに反応を行った基準例よりも悪くなったことを確認することができ、転化率10%で変更した比較例1-2の場合も、最初の初期反応器の温度が過剰に高かった点で、エネルギー消費量はさらに悪くなり、反応性も悪くなったことを確認することができる。さらに、反応初期の反応器の温度を過剰に低く設定した比較例1-3の場合、反応性が劣る水準であることが確認され、この低い反応器の温度を転化率80%まで維持した後、温度を変更した場合には、転化率99%まで反応が行われず、エネルギー改善および反応性改善に関する測定が不可能な水準であった。
これにより、反応初期および後期の反応器の温度を本発明の範囲に合わせて設定し、温度を上昇させて反応を行う場合には、エネルギー改善および反応性改善が同時に達成可能であることが分かる。
(2)条件Bの適用
実施例、基準例および比較例
ジカルボン酸としてイソフタル酸498gと、モノアルコールとして2-エチルヘキサノール1172g(初期および後期に投入された総量)をプレミキシングした後、3.0L反応器に投入し、触媒としてテトラブチルチタネートを投入して反応を行い、各実施例、基準例および比較例の反応条件は、下記表3に記載したとおりである。
Figure 0007293564000003
実験例2
前記実施例、基準例および比較例に対して、エネルギー改善の程度と反応性改善の程度を指数化して表示し、実験例1と同じ基準および方法で測定および指数化し、結果を下記表4に示した。
Figure 0007293564000004
前記表4を参照すると、反応初期および後期にアルコールの全投入量を適正量よく分割して投入した実施例2-1~2-6の場合、エネルギー改善および反応性改善の程度が非常に優れていることを確認することができる一方、比較例2-1と2-2の場合、初期にアルコールを過剰に多量で投入し、エネルギー改善の程度および反応性改善の程度が非常に微小な水準であり、これは、分割投入する時点を変更しても同様であることを確認することができ、比較例2-3の場合、初期にアルコールを過剰に微量で投入し、かえって反応性が悪くなり、且つエネルギー改善の程度は微小な水準であることを確認することができ、比較例2-4は、比較例2-3で分割投入される時点を転化率80%の時点に変更しているが、この場合、反応が行われず、測定が不可能な水準であった。また、実施例2-5および比較例2-5を比較すると、わずか転化率5%の差であるにもかかわらず、エネルギー改善の程度では、3段階も差があることが確認され、実施例2-6と比較例2-6を比較すると、転化率が80%を超えて90%である時点で適用した以外は、すべて同じ条件であるにもかかわらず、エネルギー改善の程度と反応性改善の程度において極端な差があることが確認される。
これにより、反応初期と後期に適正量でアルコールを分割投入する場合には、エネルギー改善および反応性改善が同時に達成可能であることを確認することができる。
(3)条件Cの適用
実施例、基準例および比較例
ジカルボン酸としてイソフタル酸498gと、モノアルコールとして2-エチルヘキサノール1172gをプレミキシングした後、3.0L反応器に投入し、触媒としてテトラブチルチタネートを投入して反応を行い、各実施例、基準例および比較例の反応条件は、下記表5に記載したとおりである。
Figure 0007293564000005
実験例3
前記実施例、基準例および比較例に対して、エネルギー改善の程度と反応性改善の程度を指数化して表示し、実験例1と同じ基準および方法で測定および指数化し、結果を下記表6に示した。
Figure 0007293564000006
前記表6を参照すると、反応初期および後期に不活性気体の全投入量を適正量よく分割して投入した実施例3-1~3-3の場合、エネルギー改善および反応性改善の程度が相対的に優れていることを確認することができるのに対し、比較例3-1の場合、初期に不活性気体を過剰に多量で投入してエネルギー改善の程度および反応性がいずれも悪くなったことを確認することができる。これにより、反応初期と後期に適正量で不活性気体を分割投入する場合には、エネルギー改善および反応性の改善が同時に達成可能であることを確認することができる。
(4)2以上の条件の適用
実施例、基準例および比較例
ジカルボン酸としてイソフタル酸498gと、モノアルコールとして2-エチルヘキサノール1172g(初期および後期に投入された総量)をプレミキシングした後、3.0L反応器に投入し、触媒としてテトラブチルチタネートを投入して反応を行い、各実施例、基準例および比較例の反応条件は、下記表7に記載したとおりである。
Figure 0007293564000007
実験例4
前記実施例、基準例および比較例に対して、エネルギー改善の程度と反応性改善の程度を指数化して表示し、実験例1と同じ基準および方法で測定および指数化して結果を下記表8に示した。
Figure 0007293564000008
前記表8を参照すると、実施例4-1~4-6は、反応条件A~Cのうち2以上を適用した場合であり、エネルギーおよび反応性改善の程度が基準例に比べて著しく上昇したことが確認される。一方、比較例4-1と4-2の場合には、条件を適用するときに反応制御点を適切に選定することができなかった点で、比較例4-1の場合、前記実施例4-4と同一条件であるが、エネルギー改善の程度において極端な差があり、反応性改善の程度も同様であり、かかる反応制御点の設定が誤っている場合、条件を適用しないことと同一であることを確認することができ、比較例4-2の場合、転化率が進みすぎた時点を反応制御点として設定し、反応性がかえって悪くなり、エネルギー改善は微小な水準であることが確認される。これにより、エネルギー改善および反応性改善を同時に達成するためには、条件A~Cのうち2以上を適用することが好ましいという点を確認することができ、さらには、反応制御点の選定によって効果の差は非常に大きく現れるという点が確認される。

Claims (7)

  1. ジカルボン酸および炭素数が4~10であるモノアルコールを混合して原料混合物を製造するステップ(S1)と、
    触媒下で、前記原料混合物を反応させてジエステル系物質および生成水を含む生成混合物を得るステップ(S2)と
    を含み、
    前記(S2)ステップには、下記条件A~Cのうち以上が適用され、(S2)ステップには、下記条件A~Bがいずれも適用され、
    前記条件A~Cでの反応初期および反応後期の区分は、反応の転化率が10%~80%である時点から選択される時点である反応制御点を基準とする、
    製造方法。
    条件A:反応初期の反応器の温度を160~190℃に設定し、反応後期の反応器の温度を200~250℃に設定し、この際、後期の温度が初期の温度より高くなるように設定、
    条件B:モノアルコールの全投入量に対して、反応初期に40~90重量%投入し、反応後期に10~60重量%投入、および
    条件C:不活性気体の全投入量に対して、反応初期に10~50体積%投入し、反応後期に50~90体積%投入。
  2. 前記(S2)ステップには、前記条件A~Cがいずれも適用される、
    請求項1に記載の製造方法。
  3. 前記条件Bは、モノアルコールの全投入量に対して、反応初期に40~85重量%投入し、反応後期に15~60重量%投入する、
    請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記(S1)ステップは、無触媒状態で、原料混合物を150℃以下の温度まで予熱する、
    請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
  5. 前記生成混合物に水酸化アルカリ金属および水を投入して中和するステップ(S3)をさらに含み、
    前記水は、(S2)ステップの生成水を含む、
    請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
  6. 前記ジカルボン酸は、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、アジピン酸、シクロヘキサン1,2-ジカルボン酸、シクロヘキサン1,3-ジカルボン酸およびシクロヘキサン1,4-ジカルボン酸からなる群から選択される1以上を含む、
    請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
  7. 前記モノアルコールは、炭素数が5~9である、
    請求項1からのいずれか1項に記載の製造方法。
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