JP7292906B2 - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置及び画像形成装置に関し、例えば電子写真プロセスで形成されるトナー像を記録材上に定着させる複数の発熱体を有する熱定着装置の技術に関する。
発熱源にセラミックヒータを用いた加熱装置おいて、発熱体の長さよりも短い通紙幅の記録紙(小サイズ紙)を通紙した際、この発熱領域かつ非通紙領域において、通紙領域に比べて温度が高くなってしまう現象が発生する場合がある。以下、この現象を非通紙部昇温という。非通紙部昇温による温度上昇が大きくなりすぎるとセラミックヒータを支持する部材等、周囲の部材にダメージを与えてしまうおそれがある。そこで、例えば特許文献1のように、異なる長さの発熱体を複数備え、記録紙の幅に応じた長さの発熱体を選択的に用いて非通紙部昇温を軽減することを可能にした加熱装置及び画像形成装置の提案がなされている。
特開2001-100558号公報
しかし、従来例では、トライアックのショート故障等の駆動回路部品や演算装置が故障すると、制御対象の発熱体とは異なる別の発熱体を発熱させてしまうおそれがある。制御対象ではない発熱体に電力を供給して発熱させてしまうと、例えば非通紙部昇温が発生して、昇温した部分に対応する加熱装置の部品が熱破壊するおそれがある。
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、複数の発熱体のうち電力が供給されている発熱体を判別し、定着装置の過度な加熱を防ぐことを目的とする。
上述した課題を解決するために、本発明は、以下の構成を備える。
(1)記録材上の未定着のトナー像を定着する定着装置であって、第1の抵抗値である第1の発熱体と、前記第1の抵抗値より大きい第2の抵抗値である第2の発熱体とを含む、少なくとも2つ以上の複数の発熱体を有するヒータ部と、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体と、交流電源との接続を切り替える第1の切り替え部と、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に前記交流電源から電力を供給するために導通状態となり、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への前記交流電源からの電力の供給を遮断するために非導通状態となる第2の切り替え部と、前記交流電源の第1極と第2極との間に接続され、前記交流電源の交流電圧に応じてゼロクロス信号を出力するゼロクロス回路部と、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に電力が供給されていることを判別する判別回路部と、前記第1の切り替え部及び前記第2の切り替え部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記ゼロクロス回路部から出力された前記ゼロクロス信号に基づいて、前記交流電源から電力が供給されている発熱体が前記第1の発熱体であるか前記第2の発熱体であるかを判断し、前記判別回路部から出力される前記ゼロクロス信号とは異なる信号に基づいて、異常状態を判断することを特徴とする定着装置。
(2)記録材上の未定着のトナー像を定着する定着装置であって、第1の抵抗値である第1の発熱体と、前記第1の抵抗値より大きい第2の抵抗値である第2の発熱体とを含む、少なくとも2つ以上の複数の発熱体を有するヒータ部と、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体と、交流電源との接続を切り替える第1の切り替え部と、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に前記交流電源から電力を供給するために導通状態となり、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への前記交流電源からの電力の供給を遮断するために非導通状態となる第2の切り替え部と、前記交流電源の第1極と第2極との間に接続され、前記交流電源の交流電圧の周波数を検出する周波数検出回路部と、前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に電力が供給されていることを判別する判別回路部と、前記第1の切り替え部及び前記第2の切り替え部を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記周波数検出回路部により検出された前記周波数に基づいて、前記交流電源から電力が供給されている発熱体が前記第1の発熱体であるか前記第2の発熱体であるかを判断し、前記判別回路部から出力される前記周波数検出回路部から出力される信号とは異なる信号に基づいて、異常状態を判断することを特徴とする定着装置。
(3)記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、記録材上の未定着のトナー像を定着する前記(1)又は前記(2)に記載の定着装置と、を備えることを特徴とする画像形成装置。
本発明によれば、複数の発熱体のうち電力が供給されている発熱体を判別し、定着装置の過度な加熱を防ぐことができる。
実施例1~3の画像形成装置の全体構成図 実施例1~3の画像形成装置の制御ブロック図 実施例1~3の定着装置の長手方向の中央部付近の断面模式図 実施例1の定着装置の回路構成を示す全体概略図、ヒータの断面図 実施例1の交流電圧とVout部及びCPU内部論理の出力電圧波形図 実施例1の交流電圧とVout部及びCPU内部論理の出力電圧波形図 実施例1の電力が供給されている発熱体の判別処理を示すフローチャート 実施例2の定着装置の回路構成を示す全体概略図 実施例2の交流電圧とVout部及びCPU内部論理の出力電圧波形図 実施例2の交流電圧とVout部及びCPU内部論理の出力電圧波形図 実施例2の電力が供給されている発熱体の判別処理を示すフローチャート 実施例3の定着装置の回路構成を示す全体概略図、ヒータの断面図 実施例3の電力が供給されている発熱体の判別処理を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。以下の実施例において、用紙を定着ニップ部に通すことを、通紙するという。また、発熱体が発熱している領域で、用紙が通紙していない領域を非通紙領域(又は非通紙部)といい、用紙が通紙している領域を通紙領域(又は通紙部)という。更に、非通紙領域が通紙領域に比べて温度が高くなってしまう現象を、非通紙部昇温という。
[画像形成装置]
図1は実施例1の定着装置を搭載した一例の画像形成装置である、インライン方式のカラー画像形成装置を示す構成図である。図1を用いて電子写真方式のカラー画像形成装置の動作を説明する。なお、第1ステーション6aはイエロー(Y)色のトナー画像形成用のステーションである。第2ステーション6bはマゼンタ(M)色のトナー画像形成用のステーションである。また、第3ステーション6cはシアン(C)色のトナー画像形成用のステーションである。第4ステーション6dはブラック(K)色のトナー画像形成用のステーションである。
第1ステーション6aで、像担持体である感光ドラム1aは、OPC感光ドラムである。感光ドラム1aは金属円筒上に感光して電荷を生成するキャリア生成層、発生した電荷を輸送する電荷輸送層等からなる機能性有機材料が複数層積層されたものであり、最外層は電気的導電性が低くほぼ絶縁である。帯電手段である帯電ローラ2aが感光ドラム1aに当接され、感光ドラム1aの回転に伴い、従動回転しなから感光ドラム1a表面を均一に帯電する。帯電ローラ2aには直流電圧又は交流電圧を重畳した電圧が印加され、帯電ローラ2aと感光ドラム1a表面とのニップ部から、回転方向の上流側及び下流側の微小な空気ギャップにおいて放電が発生することにより感光ドラム1aが帯電される。クリーニングユニット3aは、後述する転写後に感光ドラム1a上に残ったトナーをクリーニングするユニットである。現像手段である現像ユニット8aは、現像ローラ4a、非磁性一成分トナー5a、現像剤塗布ブレード7aからなる。感光ドラム1a、帯電ローラ2a、クリーニングユニット3a、現像ユニット8aは、画像形成装置に対して着脱自在な一体型のプロセスカートリッジ9aとなっている。
露光手段である露光装置11aは、レーザー光を多面鏡によって走査させるスキャナユニット又はLED(発光ダイオード)アレイから構成され、画像信号に基づいて変調された走査ビーム12aを感光ドラム1a上に照射する。また、帯電ローラ2aは、帯電ローラ2aへの電圧供給手段である帯電高電圧電源20aに接続されている。現像ローラ4aは、現像ローラ4aへの電圧供給手段である現像高電圧電源21aに接続されている。1次転写ローラ10aは、1次転写ローラ10aへの電圧供給手段である1次転写高電圧電源22aに接続されている。以上が第1ステーション6aの構成であり、第2ステーション6b、第3ステーション6c、第4ステーション6dも同様の構成をしている。他のステーションについて、第1ステーション6aと同一の機能を有する部品は同一の符号を付し、符号の添え字にステーションごとにb、c、dを付している。なお、以下の説明において、特定のステーションについて説明する場合を除き、添え字a、b、c、dを省略する。
中間転写ベルト13は、その張架部材として2次転写対向ローラ15、テンションローラ14、補助ローラ19の3本のローラにより支持されている。テンションローラ14のみバネ(不図示)で中間転写ベルト13を張る方向の力が加えられており、中間転写ベルト13に適当なテンション力が維持されるようになっている。2次転写対向ローラ15はメインモータ(不図示)からの回転駆動を受けて回転し、外周に巻かれた中間転写ベルト13が回動する。中間転写ベルト13は感光ドラム1a~1d(例えば、図1では反時計回り方向に回転)に対して順方向(例えば、図1では時計回り方向)に略同速度で移動する。また、中間転写ベルト13は、矢印方向(時計回り方向)に回転し、1次転写ローラ10は中間転写ベルト13を挟んで感光ドラム1と反対側に配置されて、中間転写ベルト13の移動に伴い従動回転する。中間転写ベルト13を挟んで感光ドラム1と1次転写ローラ10とが当接している位置を1次転写位置という。補助ローラ19、テンションローラ14及び2次転写対向ローラ15は電気的に接地されている。なお、第2ステーション6b~第4ステーション6dも1次転写ローラ10b~10dは第1ステーション6aの1次転写ローラ10aと同様の構成としているので説明を省略する。
次に実施例1の画像形成装置の画像形成動作を説明する。画像形成装置は待機状態時に印刷指令を受信すると、画像形成動作をスタートする。感光ドラム1a~1dや中間転写ベルト13等はメインモータ(不図示)によって所定のプロセススピードで矢印方向に回転を始める。感光ドラム1aは、帯電高電圧電源20aにより電圧が印加された帯電ローラ2aによって一様に帯電され、続いて露光装置11aから照射された走査ビーム12aによって画像情報に従った静電潜像が形成される。現像ユニット8a内のトナー5aは、現像剤塗布ブレード7aによって負極性に帯電されて現像ローラ4aに塗布される。そして、現像ローラ4aには、現像高電圧電源21aより所定の現像電圧が供給される。感光ドラム1aが回転して感光ドラム1a上に形成された静電潜像が現像ローラ4aに到達すると、静電潜像は負極性のトナーが付着することによって可視化され、感光ドラム1a上には第1色目(例えば、Y(イエロー))のトナー像が形成される。他の色M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各ステーション(プロセスカートリッジ9b~9d)も同様に動作する。各色の1次転写位置間の距離に応じて、一定のタイミングでコントローラ(不図示)からの書き出し信号を遅らせながら、露光による静電潜像が各感光ドラム1a~1d上に形成される。それぞれの1次転写ローラ10a~10dにはトナーと逆極性の直流高電圧が印加される。以上の工程により、順に中間転写ベルト13にトナー像が転写されて(以下、1次転写という)、中間転写ベルト13上に多重トナー像が形成される。
その後、トナー像の作像に合わせて、カセット16に積載されている記録材である用紙Pは、給紙ソレノイド(不図示)によって回転駆動される給紙ローラ17により給送(ピックアップ)される。給送された用紙Pは搬送ローラによりレジストレーションローラ(以下、レジストローラという)18に搬送される。用紙Pは、中間転写ベルト13上のトナー像に同期して、レジストローラ18によって中間転写ベルト13と2次転写ローラ25との当接部である転写ニップ部へ搬送される。2次転写ローラ25には2次転写高電圧電源26により、トナーと逆極性の電圧が印加され、中間転写ベルト13上に保持された4色の多重トナー像が一括して用紙P上(記録材上)に転写される(以下、2次転写という)。用紙P上に未定着のトナー像が形成されるまでに寄与した部材(例えば、感光ドラム1等)は画像形成手段として機能する。一方、2次転写を終えた後、中間転写ベルト13上に残留したトナーは、クリーニングユニット27によって清掃される。2次転写が終了した後の用紙Pは、定着手段である定着装置50へと搬送され、トナー像の定着を受けて画像形成物(プリント、コピー)として排出トレー30へと排出される。定着装置50のフィルム51、ニップ形成部材52、加圧ローラ53、ヒータ54については後述する。
[画像形成装置のブロック図]
図2は画像形成装置の動作を説明するブロック図であり、この図を参照しながら画像形成装置の印刷動作について説明する。ホストコンピュータであるPC90は、画像形成装置の内部にあるビデオコントローラ91に対して印刷指令を出力し、印刷画像の画像データをビデオコントローラ91に転送する役割を担う。
ビデオコントローラ91はPC90からの画像データを露光データに変換し、エンジンコントローラ92内にある露光制御装置93に転送する。露光制御装置93はCPU94から制御され、露光データに応じてレーザー光のオンオフを行う露光装置11の制御を行う。制御部であるCPU94は印刷指令を受信すると画像形成シーケンスをスタートさせる。
エンジンコントローラ92にはCPU94、メモリ95等が搭載されており、予めプログラムされた動作を行う。高電圧電源96は上述の帯電高電圧電源20、現像高電圧電源21、1次転写高電圧電源22、2次転写高電圧電源26から構成される。また、電力制御部97は双方向サイリスタ(以下、トライアックという)56、電力を供給する発熱体を排他的に選択する第1の切り替え部としての発熱体切り替え器57等から構成される。発熱体切り替え器57は、後述する発熱体54b1又は発熱体54b2と、後述する交流電源55との接続を切り替える。電力制御部97は、図1、図2に示した定着装置50において発熱する発熱体を選択し、供給する電力量を決定する。また、駆動装置98はメインモータ99、後述する定着装置50を回転駆動させる定着モータ100等から構成される。またセンサ101は定着装置50の温度を検知する定着温度センサ59、フラグを有し用紙Pの有無を検知する紙有無センサ102等からなり、センサ101の検知結果はCPU94に送信される。CPU94は画像形成装置内のセンサ101の検知結果を取得し、露光装置11、高電圧電源96、電力制御部97、駆動装置98を制御する。これにより、CPU94は、静電潜像の形成、現像されたトナー像の転写、用紙Pへのトナー像の定着等を行い、露光データがトナー像として用紙P上に印刷される画像形成工程の制御を行う。なお、本発明が適用される画像形成装置は、図1で説明した構成の画像形成装置に限定されるものではなく、異なる幅の用紙Pを印刷することが可能で、後述するヒータ54を有する定着装置50を備える画像形成装置であればよい。
[定着装置の構成]
次に、発熱体により用紙P上のトナー像を加熱する定着装置50を制御する、実施例1における定着装置50の構成について図3を用いて説明する。ここで、長手方向とは、後述する用紙Pの搬送方向と略直交する加圧ローラ53の回転軸方向のことである。また、搬送方向に略直交する方向(長手方向)の用紙Pの長さを幅という。図3は、定着装置50の断面模式図である。図3左側から未定着のトナー像Tnを保持した用紙Pが、定着ニップ部Nにおいて図中左から右に向けて搬送されながら加熱されることにより、トナー像Tnが用紙Pに定着される。実施例1における定着装置50は、円筒状のフィルム51と、フィルム51を保持するニップ形成部材52と、フィルム51とともに定着ニップ部Nを形成する加圧ローラ53と、用紙Pを加熱するためのヒータ部であるヒータ54とにより構成されている。定着装置50は、定着温度センサ59も有している。
第1の回転体であるフィルム51は加熱回転体としての定着フィルムである。実施例1では、基層として、例えばポリイミドを用いている。基層の上に、シリコーンゴムからなる弾性層、PFAからなる離型層を用いている。フィルム51の回転によるニップ形成部材52及びヒータ54とフィルム51との間に生じる摩擦力を低減するために、フィルム51の内面には、グリスが塗布されている。
ニップ形成部材52はフィルム51を内側からガイドするとともに、フィルム51を介して加圧ローラ53との間で定着ニップ部Nを形成する役割を果たす。ニップ形成部材52は剛性・耐熱性・断熱性を有する部材であり、液晶ポリマー等により形成されている。フィルム51はこのニップ形成部材52に対して外嵌されている。第2の回転体である加圧ローラ53は加圧回転体としてのローラである。加圧ローラ53は、芯金53a、弾性層53b、離型層53cからなる。加圧ローラ53は、両端を回転可能に保持されており、定着モータ100(図2参照)によって回転駆動される。また、加圧ローラ53の回転により、フィルム51は従動回転する。加熱部材であるヒータ54は、ニップ形成部材52に保持され、フィルム51の内面と接している。ヒータ54及び定着温度センサ59については後述する。
[定着装置の回路構成]
図4は、実施例1の定着装置50の全体概略図を示す図である。図4(a)は定着装置50の回路構成を示す全体概略図である。定着装置50内にある加熱手段であるヒータ54は、交流電源55からの電力供給を受け、発熱する。ヒータ部であるヒータ54は、主として基板54aの上に形成された発熱体54b1、54b2、発熱体54b1、54b2の端部が接続される接点54d1、54d2、54d3、保護ガラス層54eを有している。ヒータ54は、少なくとも2つ以上の複数の発熱体を有する。例えば、ヒータ54は、発熱体54b1及び発熱体54b2を有する。発熱体54b1、54b2は、交流電源55からの電力供給により発熱する抵抗体である。第1の発熱体である発熱体54b1の長手方向の長さは、B5サイズの用紙幅(182mm)より数mm程度、長く設定されている。また、第2の発熱体である発熱体54b2は、主として発熱体54b1より幅の狭い用紙Pを加熱することを目的としたヒータであり、発熱体54b2の長手方向の長さは、A5サイズの用紙幅(148mm)より数mm程度、長く設定されている。定着装置50は、使用する用紙Pの紙幅に応じて、使用する発熱体を、発熱体54b1又は発熱体54b2に切り替える。なお、発熱体54b1の第1の抵抗値は、発熱体54b2の第2の抵抗値より小さくなるように設定されているものとする。
図4(b)は、図4(a)に示すQ-Q’線で、定着装置50のヒータ54を切断した断面を示す断面図である。保護ガラス層54eは、交流電源55と略同電位の発熱体54b1、54b2と、ユーザを絶縁するために設けられている。基板54aの発熱体54b1、54b2が設置された面とは反対側の面には、通紙可能な最小用紙幅の用紙Pが通過する範囲に、温度検知手段である定着温度センサ59が設置されている。なお、実施例1では、定着温度センサ59は、サーミスタを用いている。図4(b)に示すように、定着温度センサ59は、基板54aに接触して設置され、基板54aを介して発熱体54b1、54b2の温度を検知する。定着温度センサ59は、一端を抵抗122に接続され、他端をGND(グランド)に接地されている。そして、直流電圧Vcc1を、定着温度センサ59と抵抗122によって分圧された電圧VthがCPU94に入力される。
発熱体54b1、54b2の一端が接続される接点54d3、発熱体54b2の他端が接続される接点54d2、発熱体54b1の他端が接続される接点54d1は、図4(a)に示す定着装置50を制御する回路に接続されている。接点54d3は、C接点構造のリレー57aの接点57a4に接続され、接点54d1は接点57a3に接続されている。発熱体切り替え器57であるリレー57aは、C接点構造のリレーであり、コイル部57a2、及び接点57a1、57a3、57a4を有している。コイル部57a2は、一方の端子が24Vの直流電圧Vcc2に接続され、もう一方の端子はトランジスタ107のコレクタ端子に接続されている。CPU94がハイ(High)レベルのDrive2信号を出力した場合には、抵抗108を介してトランジスタ107のベース端子にベース電流が流れる。これにより、トランジスタ107のコレクタ端子-エミッタ端子間電圧が0.2~0.3V程度の飽和電圧となって、トランジスタ107がオンする。トランジスタ107がオンするとコレクタ電流が流れることにより、コイル部57a2両端に電位差が生じ、コイル部57a2に電流が流れ、コイル部57a2に発生する磁力により、接点57a4は接点57a3と接続される。以下、この状態をリレー57aのオン状態という。
一方、CPU94がロー(Low)レベルのDrive2信号を出力した場合には、トランジスタ107のベース端子にはベース電流が流れない。そのため、トランジスタ107はオンせず、コイル部57a2の両端に電位差は生じない。その結果、コイル部57a2に電流が流れず磁力が発生しないため、接点57a4は接点57a1と接続される。以下、この状態をリレー57aのオフ状態という。すなわち、C接点構造のリレー57aの動作により、リレー57aがオン状態では接点57a4が接点57a3と接続されて、交流電源55から接点54d3と接点54d2を介して、発熱体54b2に電力供給が行われる。一方、リレー57aがオフ状態では接点57a4が接点57a1と接続されて、交流電源55が接点54d3と接点54d1を介して、発熱体54b1に電力供給が行われる。
CPU94は、入力された定着温度センサ59の電圧Vthによる温度情報に基づいて、定着温度センサ59が予め定められた目標温度になるように、第2の切り替え部であるトライアック56aを制御する。具体的には、CPU94がハイレベルのDrive1信号を出力すると、ベース抵抗110を介して、トランジスタ109のベース端子にベース電流が流れ、これによりトランジスタ109がオンし、コレクタ電流が流れる。トランジスタ109のコレクタ電流が流れると、フォトトライアックカプラ104の発光ダイオードが導通状態となり、抵抗111を介して電流が流れて発光ダイオードが発光し、フォトトライアックカプラ104の受光部が導通状態となる。フォトトライアックカプラ104の受光側が導通状態になると、電流制限抵抗105を介してトライアック56aのT1端子-G端子間にゲートトリガ電流が流れる。これにより、トライアック56aのT1端子-T2端子間が導通状態となる(以下、トライアック56aのオン状態という)。なお、抵抗106も電流制限抵抗である。
一方、CPU94がローレベルのDrive1信号を出力すると、トランジスタ109のベース端子にベース電流が流れず、トランジスタ109はオンしない。その結果、フォトトライアックカプラ104の発光ダイオードは発光せず、フォトトライアックカプラ104の受光部が非導通状態となる。そして、トライアック56aのゲートトリガ電流は流れず、トライアック56aのT1端子-T2端子間が非導通状態となる(以下、トライアック56aのオフ状態という)。CPU94は、用紙Pの紙幅情報に基づいて、リレー57aを制御して、電力供給される発熱体を切り替える。そして、CPU94は、定着温度センサ59が検知した温度情報に基づいてトライアック56aを制御し、交流電源55からヒータ54への電力供給を行い、定着装置50の温度制御を行う。
[ゼロクロス回路部の構成と動作]
交流電源55のゼロクロス信号を検知する回路構成について説明する。実施例1において、交流電源55のゼロクロス信号を検知するゼロクロス回路部1100は、抵抗112、抵抗116、抵抗120、フォトカプラ113、トランジスタ117から構成される。抵抗112は、一端を交流電源55の第1極(ACL部)に接続され、他端をフォトカプラ113のLEDのアノードに接続される。第1のフォトカプラであるフォトカプラ113のLEDのカソードは交流電源55の第2極(ACN部)に接続される。フォトカプラ113の受光側トランジスタのコレクタは3.3Vである直流電圧Vcc1に接続される。フォトカプラ113の受光側トランジスタのエミッタは抵抗116と抵抗120の一端に接続される。抵抗116の他端は、GNDに接地される。抵抗120の他端は、トランジスタ117のベースに接続される。トランジスタ117のエミッタはGNDに接地され、コレクタは抵抗121の一端とCPU94に接続される(以下、Vout部という)。
トライアック56aがオン状態又はオフ状態にかかわらず、フォトカプラ113は、交流電源55から一定値以上の電圧が供給されると、ACL部から抵抗112を介して電流が供給され、LEDが発光する。フォトカプラ113のLEDが発光すると、受光電流が受光側トランジスタのベースに流れて、フォトカプラ113のトランジスタがオンして、コレクタに電流が流れる。以下、この状態をフォトカプラ113のオン状態という。フォトカプラ113がオンすると、直流電圧Vcc1を経由して、抵抗116に流れ、抵抗116の両端に電位差が発生する。抵抗116の両端に発生した電圧により、抵抗120を介して、トランジスタ117のベースに電流が流れる。これによりトランジスタ117がオンし、コレクタ電流が流れる。トランジスタ117のコレクタ電流が流れると、直流電圧Vcc1と抵抗121を介して電流が流れる。これにより、CPU94の入力端子であるVout部の電圧がVcc1の電圧3.3Vから、トランジスタ117のコレクタエミッタ間電圧である0.3V程度まで下がる。
交流電源55の電圧が一定以下に下がると、フォトカプラ113のLEDに電流が流れなくなり、トランジスタ117のベースに電流は流れない。トランジスタ117のベースに電流が流れないためトランジスタ117はオフ状態となり、抵抗121に電流が流れない。これにより、Vout部は、トランジスタ117のコレクタエミッタ間電圧である0.3V程度から直流電圧Vcc1と同電位の3.3Vまで上昇する。以下、この状態をフォトカプラ113のオフ状態という。CPU94は、Vout部が0.3V付近から直流電圧Vcc1と同電位まで立ち上がるタイミングを基準として(以下、ゼロクロス信号という)、基準から一定時間が経過した後にハイレベルのDrive1信号を出力する。これにより、トライアック56aをオン又はオフ状態にする。これにより、交流電源55からヒータ54に電力供給と遮断とが繰り返される。CPU94は、ヒータ54への電力供給と遮断を繰り返すことで、定着温度センサ59が検知した温度情報に基づいてトライアック56aを制御し、定着装置50の温度制御を行う。
[発熱体への電力供給の判別回路構成]
実施例1の発熱体54bへの電力供給を判別する判別回路部1200の構成について図4(a)を用いて説明する。実施例1では、判別回路部1200は、抵抗114、フォトカプラ115、抵抗121から構成される。第2のフォトカプラであるフォトカプラ115のLEDのカソードは、リレー57aの接点57a4とヒータ54の接点54d3との間(以下、COMMON部という)に接続され、アノードは抵抗114の一端に接続される。抵抗114の他端は、ヒータ54の接点54d2とリレー57aの接点57a1及びトライアック56aとの間(以下、NO部という)に接続される。COMMON部は、リレー57aと発熱体54b1又は発熱体54b2の一端との間である。NO部は、トライアック56aと発熱体54b2の他端との間である。
フォトカプラ115の受光側トランジスタは、エミッタがGNDに接地される。コレクタは、抵抗121の一端とCPU94への入力端子であるVout部に接続される。抵抗121の他端は、+3.3Vである直流電圧Vcc1に接続される。第2の抵抗である抵抗114は、第1の抵抗である抵抗112に対して大きい抵抗値であり、詳細な値については後述する。ゼロクロス回路部1100のフォトカプラ113と、判別回路部1200のフォトカプラ115は、抵抗121を介して直流電圧Vcc1にプルアップされている。ゼロクロス回路部1100と判別回路部1200のどちらか一方がオン状態となると、Vout部の電圧が下がるOR回路になるように形成されている。
[判別回路部の動作]
ゼロクロス回路部1100及び判別回路部1200の動作について説明する。図5、図6において、(i)は交流電源55の波形を示し、フォトカプラ113がオン状態となる発光電圧であるVth1を細線で示し、図6にはフォトカプラ115がオン状態となる発光電圧であるVth2も細線で示す。(ii)はVout部の波形を示し、Vout部が最も高いVcc1を破線で示す。また、(ii)には、CPU94の内部論理の閾値Vth3を細線で示す。なお、CPU94は、Vout部の電圧が閾値Vth3より高い場合にハイレベル(High)、Vout部の電位が閾値Vth3以下である場合にローレベル(Low)とする。(iii)は、Vout部のCPU94の内部論理の出力電圧状態を示し、論理のハイレベル(High)とローレベル(Low)を示す。いずれも横軸は時間(秒(s))を示す。
図5は、リレー57aがオフ状態(接点57a1と57a4が導通している状態)(すなわち、発熱体54b1に電力が供給される状態)の出力波形図である。図6は、リレー57aがオン状態(接点57a3と57a4が導通している状態)(すなわち、発熱体54b2に電力が供給される状態)の出力波形図である。
(リレーがオフ状態のとき(発熱体54b1接続))
(ACL部>ACN部)
まず、リレー57aがオフで(接点57a1と57a4が導通している状態で)、発熱体54b1に電力が供給される場合の動作について、図5を用いて説明する。CPU94のDrive1信号によりトライアック56aがオン状態になると、交流電源55からヒータ54に電力が供給される。交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACL部の電圧がACN部に対して大きくなり、ACL部からヒータ54を介してACN部に電流が流れる場合、次のようになる。すなわち、ACL部の電圧がACN部に対して、フォトカプラ113のLED発光電圧であるVth1を超えたときに、抵抗112を介してフォトカプラ113のLEDに電流が流れ、フォトカプラ113はオン状態となる。
一方、フォトカプラ115は、リレー57aがオフ状態(接点57a1と57a4が導通している状態)であり、NO部とCOMMON部との間で短絡されている。これにより、フォトカプラ115のLEDアノードとカソードとの間の電位差がなくなるため、LEDは発光せず、フォトカプラ115はオフ状態となる。これらの状態において、直流電圧Vcc1からトランジスタ117のコレクタエミッタ間に電流が流れる。すると、抵抗121の両端に電位差が発生し、Vout部は、直流電圧Vcc1の電位からトランジスタ117のコレクタエミッタ間電圧差0.3V程度まで降下する。Vout部が0.3V程度まで直流電圧Vcc1から降下すると、CPU94の内部論理もハイ(High)状態からロー(Low)状態に遷移する。ここで、CPU94がロー状態となっている時間をt1とする。
(ACL部<ACN部)
逆に、交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACN部の電圧がACL部に対して正となり、ACN部からヒータ54を介してACL部に電流が流れる場合、次のようになる。すなわち、フォトカプラ113のLEDアノード側(ACL部)に対してカソード側(ACN部)の電位が高くなる。フォトカプラ113のLEDアノード側(ACL部)に対してカソード側(ACN部)の電位が高くなる場合、フォトカプラ113のLEDの逆方向に電位差が発生するため、LEDは発光しない。つまり、フォトカプラ113はオフ状態となる。
一方、フォトカプラ115も、リレー57aがオフ状態(接点57a1と57a4が導通している状態)のとき、NO部とCOMMON部との間が短絡される。そうすると、フォトカプラ115のLEDアノードとカソード間の電位差がなくなるため、LEDは発光せず、オフ状態となる。フォトカプラ113もフォトカプラ115も供にオフ状態となるため、Vout部は抵抗121でプルアップされており、直流電圧Vcc1と同電位となる。以降、同様の動きを繰り返す。
(リレーがオン状態のとき(発熱体54b2接続))
(ACL部>ACN部)
次に、リレー57aがオン状態(接点57a3と接点57a4が短絡している状態)で、発熱体54b2に電力が供給される場合の動作について、図6を用いて説明する。CPU94のDrive1信号によりトライアック56aがオン状態になると、交流電源55からヒータ54に電力が供給される。交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACL部の電圧がACN部に対して正となり、ACL部からヒータ54を介してACN部に電流が流れる場合、次のようになる。すなわち、ACL部の電圧がACN部に対して、フォトカプラ113のLED発光電圧であるVth1を超えたときに、フォトカプラ113はオン状態となる。
一方、フォトカプラ115は、ACL部の電圧が正となり、ヒータ54を介してACN部に電流が流れる場合、フォトカプラ115のLEDアノード側(NO部)に対してカソード側(COMMON部)の電位が高くなる(COMMON部>NO部)。フォトカプラ115のLEDアノード側(NO部)に対してカソード側(COMMON部)の電位が高くなる場合、フォトカプラ115のLEDの逆方向に電位差が発生するため、LEDは発光しない。つまり、フォトカプラ115はオフ状態となる。図5と同様に、フォトカプラ113はオン状態、フォトカプラ115はオフ状態であるため、Vout部は0.3Vまで低下し、CPU94の内部論理もHighからLowに遷移する。CPU94の内部論理がLowとなっている時間は図5と同様にt1である。
(ACL部<ACN部)
逆に、交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACN部の電圧がACL部に対して大きくなり、ACN部側からヒータ54を介してACL部に電流が流れる場合、次のようになる。すなわち、フォトカプラ113のLEDアノード側(ACL部)に対してカソード側(ACN部)の電位が高くなる。フォトカプラ113のLEDアノード側(ACL部)に対してカソード側(ACN部)の電位が高くなる場合、フォトカプラ113のLEDの逆方向に電位差が発生するため、LEDは発光しない。つまり、フォトカプラ113はオフ状態となる。
一方、フォトカプラ115は、LED発光電圧であるVth2を交流電源55の電圧が超えたときに、LEDに電流が流れ始める。抵抗114が抵抗112に対して大きく、また、トランジスタ117がないため、フォトカプラ115の受光側トランジスタのコレクタ電流は、なだらかに増加していく。Vout部は、フォトカプラ115はオン状態であるため、直流電圧Vcc1からフォトカプラ115のトランジスタのコレクタエミッタ間に電流が流れている。すると、抵抗121の両端に電位差が発生し、Vout部は、直流電圧Vcc1の電位からフォトカプラ115のトランジスタのコレクタエミッタ間電圧差0.3V程度までなだらかに降下する(図6(ii))。Vout部が0.3V程度まで直流電圧Vcc1から降下し、CPU94の内部論理の閾値Vth3を下回ると、CPU94の内部論理値はハイ(High)状態からロー(Low)状態に遷移する(q1)。逆に、フォトカプラ115は、交流電源55の電圧がLED発光電圧であるVth2以下となったときにオフ状態となる。この間、Vout部の電圧は0.3V程度から直流電圧Vcc1に向かってなだらかに上昇し、CPU94の内部論理の閾値Vth3を上回ると、CPU94の内部論理値はロー状態からハイ状態に遷移する(q2)。ここで、CPU94がロー(Low)状態となっている時間をt2とする。以降、同様の動きを繰り返す。
以上のことから、リレー57aがオフ状態で発熱体54b1に電力が供給されている場合、図5(iii)に示すように、破線矢印で示すq1及びq2のようなCPU94の内部論理値の遷移が発生しない。一方、リレー57aがオン状態で発熱体54b2に電力が供給されている場合、図6(iii)に示すように、実線矢印で示すq1及びq2のようなCPU94の内部論理値の遷移が発生する。
実施例1において、具体的には、抵抗114は、680kΩであり、抵抗112は、94kΩである。交流電源55から発熱体54bに最大実効値でAC100V、50Hzの正弦波の電圧が印加されたとき、リレー57aがオン状態において、t1=約9.8msである。t1とt2の比率は、予め所定の値に定められており、実施例1では、例えばt2=t1×0.7であり、t2=約6.86msである。
[判別方法とフローチャート]
図7は、発熱体54bの電力供給の判別方法と、判別処理の流れを示したフローチャートである。実施例1の判別処理について、図5、図6及び図7を用いて説明する。ステップ(以下、Sとする)101でCPU94は、Drive1信号をローレベルとしトライアック56aをオフ状態にして、制御回路(不図示)により交流電源55から定着装置50への電力供給を開始する。S102でCPU94は、ゼロクロス信号を検出する。CPU94は、ゼロクロス回路部1100のVout部が直流電圧Vcc1から0.3V付近まで変化する、立ち下がり信号を検出する。以下、Vout部が直流電圧Vcc1となっている状態をHigh状態とし、Vout部が0.3V近傍となっている状態をLow状態という。CPU94は、この立ち下がり信号から4.0ms以降の、次のLow状態からHigh状態に立ち上がる信号をゼロクロス信号として検出する。検出したゼロクロス信号は1つ目のゼロクロス信号である(図5、図6の(iii)参照)。CPU94は、1つ目のゼロクロス信号を検出した後、予め定めた所定時間である14ms以降の次の立ち上がり信号を再度検出して、2つ目のゼロクロス信号とする(図5、図6の(iii)参照)。CPU94は、タイマ(不図示)を有し、内部論理がHigh状態からLow状態に遷移してからゼロクロス信号を検出した時刻までの時間等を計測するものとする。
S103でCPU94は、S102でゼロクロス信号を検出できたか否かを判断する。S103でCPU94は、S102でゼロクロス信号を検出できなかったと判断した場合、処理をS118に進める。S118でCPU94は、回路又は定着装置50に異常があると判断し、処理をS116に進める。S116でCPU94は、Drive1信号をローレベルにして、トライアック56aをオフ状態にし、交流電源55から定着装置50への電力供給を遮断(オフ状態に)して、処理を終了する。
S103でCPU94は、S102でゼロクロス信号を検出できたと判断した場合、処理をS104に進める。S104でCPU94は、交流電源55の交流電圧の周期、言い換えればゼロクロス信号の周期Tz、上述したt1、t2を算出する。CPU94は、1つ目のゼロクロス信号と2つ目のゼロクロス信号との時間差から周期Tzを求める(図5、図6の(iii)参照)。CPU94は、Vout部がHigh状態からLow状態に変化してから、次の(1つ目の)ゼロクロス信号までの、CPU94の内部論理がLow状態になっている時間t1を求める。CPU94は、上述したように、t1に0.7を乗じることでt2を算出する。
S105でCPU94は、Drive2信号をLowにして、リレー57aをオフ状態にする。これにより、発熱体54b1に電力が供給される状態となる。S106でCPU94は、Drive1信号をハイ(High)にして、トライアック56aをオン状態にする。これにより、ヒータ54(発熱体54b1)に電力が供給される。S107でCPU94は、ゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出する。
S108でCPU94は、交流電圧の1全波周期である周期Tzの4分の1の時間以内に、ゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出できたか否かを判断する。S108でCPU94は、周期Tzの4分の1の時間以内にゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出できたと判断した場合、処理をS117に進める。
S117でCPU94は、立ち下がり信号q1を検出した後、S104で算出したt2よりも、予め定めた時間である2.0ms手前の時間(t2-2.0ms)以降で、次の立ち下がり信号を検出する前の、立ち上がり信号q2を検出できたか否かを判断する。S117でCPU94は、立ち上がり信号q2を検出できたと判断した場合、処理をS118に進める。この場合、発熱体54b1に電力供給をする状態となっているにもかかわらず、CPU94の内部論理として発熱体54b2が接続されている状態(図6)のときの値を示している。このため、S118でCPU94は、回路又は定着装置50に異常があると判断し、S116でDrive1信号をLowにして、トライアック56aをオフ状態にし、交流電源55から定着装置50への電力供給を遮断して処理を終了する。このように、CPU94は、ゼロクロス回路部1100から出力されたゼロクロス信号と判別回路部1200の判別結果とに基づいて異常を判断する。
S117でCPU94は、上述した時間内に立ち上がり信号q2を検出できなかったと判断した場合、処理をS109に進める。S109でCPU94は、Drive1信号をLowにして、トライアック56aをオフ状態にする。S108でCPU94は、周期Tzの4分の1の時間以内にゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出できなかったと判断した場合、処理をS109に進める。S109でCPU94は、Drive1信号をLowにして、トライアック56aをオフ状態にする。
S110でCPU94は、Drive2信号をHiにしてリレー57aをオン状態にする。これにより、発熱体54b2に電力が供給される状態となる。S111でCPU94は、再度Drive1信号をHiにしてトライアック56aをオンにし、ヒータ54(発熱体54b2)に電力を供給する。S112でCPU94は、再度S107の処理と同様に、ゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出する。
S113でCPU94は、周期Tzの4分の1の時間以内にゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出できたか否かを判断する。S113でCPU94は、周期Tzの4分の1の時間以内にゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出できたと判断した場合、処理をS114に進める。S114でCPU94は、立ち下がり信号q1を検出してからt2-2.0ms以降で、次の立ち下がり信号を検出する前の立ち上がり信号q2を検出できるか否かを判断する。
S113でCPU94は、周期Tzの4分の1の時間以内にゼロクロス信号を検出した後の立ち下がり信号q1を検出できなかったと判断した場合、処理をS118に進める。この場合、発熱体54b2に電力供給をする状態となっているにもかかわらず、CPU94の内部論理として発熱体54b1が接続されている状態(図5)のときの値を示している。S118でCPU94は、回路又は定着装置50に異常があると判断し、S116でDrive1信号をLowにして、トライアック56aをオフ状態にし、交流電源55から定着装置50への電力供給を遮断して処理を終了する。
S114でCPU94は、立ち下がり信号q1を検出してからt2-2.0msが経過した後から次の立ち下がり信号を検出する前の立ち上がり信号q2を検出できたと判断した場合、処理をS115に進める。S115でCPU94は、回路及び定着装置50は正常であると判断する。S116でCPU94は、Drive1信号をLowにして、トライアック56aをオフ状態にし、交流電源55から定着装置50への電力供給を遮断して処理を終了する。なお、CPU94は、S118で回路又は定着装置50に異常があると判断した場合は、図7の処理が終了した後に、定着装置50を動作させない。
実施例1において、リレー57aがオフ状態では、フォトカプラ115には電流が流れない。したがって、CPU94の内部論理は、High状態のままである。すると、図7のフローチャートにおいて、S108の判断処理ではNoとなりS109の処理に遷移する。また、リレー57aがオン状態では、フォトカプラ113が動作する所定の半波とは逆の位相の半波(以下、半波逆位相という)で、フォトカプラ115に電流が流れる。フォトカプラ115に電流が流れると、CPU94の内部論理は、Low状態に遷移し、ゼロクロス信号が検出された後の立ち下がり信号q1が検出される。そして、立ち下がり信号q1からt2が経過した後に立ち下がり信号q2が検出される。すると、S113の判断ではYesとなりS114の判断に進む。S114の判断ではYesとなりS115の処理に遷移し、正常と判断される。
以上説明したように、複数の発熱体54bへの電力供給を、C接点リレーを用いて切り替える駆動回路構成において、所定の発熱体の電位差のみをゼロクロス信号の検出用のフォトカプラ113と逆位相で検出できるようにフォトカプラ115を接続する。ゼロクロス信号検出用のフォトカプラ113のLEDに流す電流値と、フォトカプラ115のLEDに流す電流値とに差が出るように抵抗を接続する。これにより、フォトカプラ113とフォトカプラ115のオン時間に差を持たせて、ゼロクロス信号と検出信号(q1、q2)とを区別することで、1つの信号線でゼロクロス信号と発熱体54bの電力供給を判断するための信号とを検出する。なお、定着温度センサ59に用いたサーミスタの代わりにサーモパイルを用いたりする等、実施例1の構成部品と同等の機能を有する部品を用いても、実施例1の効果が変わるわけではない。
このように、実施例1によれば、コストアップを抑制しつつ、簡易的な方法で所定のヒータ54に電力供給がなされたか否かを判断して、駆動回路の故障を検出する。駆動回路の故障を検出することで、定着装置50の過度な加熱を未然に防いで、発煙、発火等を未然に防ぐことができる。以上、実施例1によれば、コストアップを抑制しつつ簡易な手段で、複数の発熱体のうち電力が供給されている発熱体を精度よく判別し、定着装置の過度な加熱を防ぎ、定着装置の発煙、発火等を未然に防ぐことができる。
実施例1では、判別回路部1200を2次側でゼロクロス回路部1100の逆位相で接続する構成について説明した。実施例2では、判別回路部1201を1次側でゼロクロス回路部(以下に説明する周波数検出回路部)の逆位相で接続する構成の実施例について説明する。
[周波数検出回路部の構成と動作]
図8は、実施例2の定着装置50の回路構成を示す全体概略図である。周波数検出回路部1300と判別回路部1201以外の構成は実施例1と同様であり、説明を省略する。実施例2の交流電源55の周波数を検出する回路構成について説明する。実施例2において、交流電源55の周波数を検出する周波数検出回路部1300は、抵抗212、抵抗221、フォトカプラ213、ダイオード203、ダイオード204から構成される。ダイオード203のアノードは交流電源55の第1極(ACL部)に接続され、カソードは抵抗212の一端に接続される。抵抗212の他端は、フォトカプラ213のLEDのアノードに接続される。第3のフォトカプラであるフォトカプラ213のLEDのカソードは、ダイオード204のアノードに接続され、ダイオード204のカソードは交流電源55の第2極(ACN)に接続される。
フォトカプラ213の受光側トランジスタのコレクタは抵抗221の一端と、抵抗220の一端に接続される(以下、Pin部という)。抵抗221の他端は、+3.3Vである直流電圧Vcc1に接続される。フォトカプラ213の受光側トランジスタのエミッタはGNDに接地される(以下、Pout部という)。抵抗220の他端は、CPU94に接続される(以下、Vout部という)。
トライアック56aのオン状態、オフ状態にかかわらず、交流電源55から一定値以上の電圧が供給されると、ダイオード203と抵抗212を介して電流が供給され、フォトカプラ213のLEDが発光する。フォトカプラ213のLEDが発光すると、受光電流が受光側トランジスタのベースに流れて、フォトカプラ213のトランジスタがオンして、コレクタに電流が流れる。以下、フォトカプラ213のオン状態という。フォトカプラ213がオンすると、直流電圧Vcc1を経由して、抵抗221に電流が流れ、抵抗221の両端に電位差が発生する。抵抗221の両端に発生した電位差により、CPU94の入力端子であるVout部の電圧が直流電圧Vcc1からフォトカプラ213のトランジスタのコレクタエミッタ間電圧と同程度である0.3V程度まで下がっていく。
交流電源55の電圧が一定値以下に下がると、フォトカプラ213のLEDに電流が流れなくなり、抵抗221にも電流が流れず、Vout部は、直流電圧Vcc1と同電位まで上昇する。以下、フォトカプラ213のオフ状態という。CPU94は、Vout部が0V付近から直流電圧Vcc1と同電位まで立ち上がるタイミングを基準として、一定時間が経過した後にハイレベルのDrive1信号を出力する。これにより、トライアック56aをオン又はオフ状態にすることで、交流電源55からヒータ54に電力を供給し又は遮断する。CPU94は、定着温度センサ59が検知した温度情報に基づいてトライアック56aを制御し、ヒータ54への電力供給と遮断を繰り返すことで、定着装置50の温度制御を行う。
[判別回路部の構成]
実施例2の判別回路部1201の構成について説明する。実施例2の判別回路部1201は、周波数検出回路部1300に加えて、抵抗202、ダイオード201、ダイオード205により構成される。ダイオード201のアノードは、リレー57aの接点57a4とヒータ54の接点54d3に接続される。ダイオード201のカソードは抵抗202の一端に接続される。抵抗202の他端は、抵抗212とダイオード203のカソードに接続される。ダイオード205のアノードは、フォトカプラ213のLEDのカソードとダイオード204のアノードに接続される。ダイオード205のカソードは、交流電源55の第1極(ACL部)に接続される。
[判別回路の動作]
図9、図10の(i)~(iii)は、図5、図6の(i)~(iii)と同様のグラフである。なお、図9、図10の(i)に示すVth4はフォトカプラ213のLEDの発光閾値である。図9は、リレー57aがオン状態(接点57a4と接点57a3が導通している状態)(発熱体54b2に電力が供給される状態)の出力波形図である。図10は、リレー57aがオフ状態(接点57a4と接点57a1が導通している状態)(発熱体54b1に電力が供給される状態)の出力波形図である。
(リレーがオン状態のとき(発熱体54b2接続))
(ACL部>ACN部)
まず、リレー57aがオン状態(接点57a4と接点57a3が導通している状態)で、発熱体54b2に電力が供給される場合の動作について、図9を用いて説明する。CPU94のDrive1信号によりトライアック56aがオン状態になると、交流電源55からヒータ54に電力が供給される。交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACL部の電圧がACN部に対して大きくなり、ACL部からヒータ54を介してACN部に電流が流れる場合、次のようになる。すなわち、ACL部の電圧がACN部に対して上昇し、所定電圧であるVth4を超えたときに、周波数検出回路部1300(ゼロクロス回路でもある)のダイオード203、抵抗212、フォトカプラ213のLED、ダイオード204を介して電流が流れる。加えて、ダイオード201、抵抗202、抵抗212、フォトカプラ213の発光側LED、ダイオード204を介して電流が流れる。両方の電流によりフォトカプラ213のLEDが発光し、フォトカプラ213はオン状態になる。フォトカプラ213がオンすると、直流電圧Vcc1を経由して、抵抗221に電流が流れ、抵抗221の両端に電位差が発生する。抵抗221の両端に発生した電圧により、CPU94の入力端子であるVout部の電圧が直流電圧Vcc1からトランジスタ217のVceと同程度である0.3V程度まで下がっていく。Vout部が0.3V程度まで直流電圧Vcc1から降下すると、CPU94の内部論理閾値Vth3を下回り、内部論理もハイ(High)状態からロー(Low)状態に遷移する。
(ACL部<ACN部)
交流電源55の電圧が一定値以下に下がると、フォトカプラ213のLEDに電流が流れなくなり、抵抗221にも電流が流れず、Vout部は、直流電圧Vcc1と同電位まで上昇する。以下、フォトカプラ213のオフ状態という。Vout部が直流電圧Vcc1まで上昇すると、CPU94の内部論理もロー状態からハイ状態に遷移する。逆に、交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACN部の電圧がACL部に対して大きくなる。ACN部からヒータ54を介してACL部に電流が流れる場合、ダイオード204、フォトカプラ213のLED、ダイオード203のアノード電位に対して、カソード電位が高くなる。これにより、逆方向に電圧がかかるため、フォトカプラ213の発光側LEDには電流が流れない。
また、リレー57aがオン状態では、接点57a3と接点57a4が短絡され、ダイオード201の両端には電位差が発生しないため、ダイオード201を介した電流も流れない。このため、フォトカプラ213のLEDには電流は流れず、フォトカプラ213はオフ状態となり、Vout部は抵抗221でプルアップされている直流電圧Vcc1と同電位となる。ここで、CPU94がロー(Low)からハイ(High)状態になるタイミングで検出される立ち上がり信号を周波数検知信号とする。
CPU94は、周波数検知信号を検出し、次に周波数検知信号を検出するまでの時間Tfを求める。実施例1同様、CPU94はタイマ(不図示)を有し、タイマにより時間等を計測しているものとする。交流電源55の周波数fは、f=1/Tfで定義され、CPU94は時間Tfを求めた後、交流電源55の周波数fを算出する。
(リレーがオフ状態のとき(発熱体54b1接続))
(ACL部>ACN部)
次に、リレー57aがオフ状態(接点57a1と接点57a4が接続)で、発熱体54b1に電力が供給される場合の動作について、図10を用いて説明する。交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACL部の電圧がACN部に対して大きくなり、ACL部からヒータ54を介してACN部に電流が流れる場合、次のようになる。すなわち、リレー57aがオフ状態で接点57a1と接点57a4が短絡している状態では、ダイオード201の両端には、逆方向に電位差が発生するため、ダイオード201には電流が流れない。ACL部の電圧がACN部に対して上昇し、所定電圧であるVth4を超えたときに、前述の周波数検出回路部1300のダイオード203、抵抗212、フォトカプラ213のLED、ダイオード204を介して電流が流れる。この電流によりフォトカプラ213のLEDが発光し、オン状態になる。
フォトカプラ213がオンすると、直流電圧Vcc1を経由して、抵抗221に電流が流れ、抵抗221の両端に電位差が発生する。抵抗221の両端に発生した電圧により、CPU94の入力端子であるVout部の電圧が直流電圧Vcc1からトランジスタ217のコレクタエミッタ間電圧Vceと同程度である0.3V程度まで下がっていく。Vout部が0.3V程度まで直流電圧Vcc1から降下すると、CPU94の内部論理閾値を下回り、内部論理もハイ(High)状態からロー(Low)状態に遷移する。交流電源55の電圧が一定値以下に下がると、フォトカプラ213のLEDに電流が流れなくなり、抵抗221にも電流が流れず、Vout部は、直流電圧Vcc1と同電位まで上昇する。以下、フォトカプラ213のオフ状態という。Vout部が直流電圧Vcc1まで上昇すると、CPU94の内部論理もLow状態からHigh状態に遷移する。
(ACL部<ACN部)
逆に、CPU94のDrive1信号によりトライアック56aがオン状態になり、交流電源55からヒータ54に電力が供給される際、ACN部の電圧がACL部に対して大きくなった場合、次のようになる。すなわち、ACN部側からヒータ54を介してACL部に電流が流れる場合、フォトカプラ213のLEDのアノード側(ACL部)に対してカソード側(ACN部)の電位が高くなる。フォトカプラ213のLEDのアノード側(ACL部)に対してカソード側(ACN部)の電位が高くなる場合、フォトカプラ213のLED、ダイオード204、ダイオード203の逆方向に電位差が発生するため、電流は流れない。
一方、ダイオード201からは、次のような場合に電流が流れる。すなわち、フォトカプラ213のLEDの発光電圧閾値Vth4、ダイオード201とダイオード205の閾値電圧の合計値をACL部の電圧が上回ったときに電流が流れる。電流は、ダイオード201、抵抗202、抵抗212、フォトカプラ213の発光側LED、ダイオード205を介して流れ、フォトカプラ213のLEDに電流が流れる。フォトカプラ213の発光側LEDに電流が流れると、抵抗221の両端に電圧が発生し、Vout部の電位がフォトカプラ213のトランジスタのコレクタエミッタ間電圧である0.3V程度まで下がる。
交流電源55の電圧が上昇して、Vout部の電位がCPU94の内部論理閾値を下回ると、内部論理もハイ(High)状態からロー(Low)状態に遷移する。交流電源55の電圧が一定以下に下がると、フォトカプラ213のLEDに電流が流れなくなり、抵抗221にも電流が流れず、Vout部は、直流電圧Vcc1と同電位となる。以下、フォトカプラ213のオフ状態という。Vout部が直流電圧Vcc1まで上昇すると、CPU94の内部論理もロー(Low)状態からハイ(High)状態に遷移する。このとき、周波数検知信号の次にCPU94の内部論理のロー(Low)状態からハイ(High)状態に遷移する信号をq3とする。また、周波数検知信号からq3までの周期をT3とする。
以上のことから、リレー57aがオン状態で発熱体54b2に電力が供給されている場合、図9(iii)に示すように、破線矢印で示すq3のようなCPU94の内部論理値の遷移が発生しない。一方、リレー57aがオフ状態で発熱体54b1に電力が供給されている場合、図10(iii)に示すように、実線矢印で示すq3のようなCPU94の内部論理値の遷移が発生する。
実施例2において、抵抗212は、94kΩであり、抵抗202は、470kΩである。第4の抵抗である抵抗202の抵抗値は、第3の抵抗である抵抗212の抵抗値よりも大きい。交流電源55から発熱体54bに最大実効値でAC100V、50Hzの正弦波の電圧が印加されたとき、リレー57aがオン状態において、Tf=約20msである。周波数検知信号からq3までの周期T3は、予め定めた所定値の比率を周期Tfに乗じた値として算出され、実施例2において、T3=0.7×Tfであり、T3=14msである。
[判別方法とフローチャート]
図11は、判別方法と、判別処理を示したフローチャートである。実施例1との違いは、実施例1ではCPU94がロー状態となっている時間t2で発熱体54bの電力供給を判断するための信号q1、q2とゼロクロス信号とを判別していた。これに対して、実施例2では、Vout部の立ち上がりから立ち上がりまでの周期T2から周波数を算出し、長い方の周期Tfの信号を交流電源55の周波数、短い方の周期T3の信号を発熱体54bの電力供給を判断するための信号として判定する点が異なる。なお、図11のS201の処理は、図7のS101の処理と同様であり、説明を省略する。
S202でCPU94は、周波数検知信号を検出する。CPU94は、立ち下がり信号を検出すると、立ち下がり信号から4.0ms以降の、次のLow状態からHigh状態に立ち上がる信号を周波数検知信号として検出する(図9、図10の(iii)参照)。CPU94は、1つ目の周波数検知信号を検出した後、予め定めた所定時間である14ms以降の、次の立ち上がり信号を再度検出して、2つ目の周波数検知信号とする。実施例2においても、CPU94はタイマ(不図示)により時間を計測するものとする。
S203でCPU94は、周波数検知信号を検出できたか否かを判断する。S203でCPU94は、周波数検知信号を検出できなかったと判断した場合、処理をS215に進める。S215でCPU94は、回路又は定着装置50に異常があると判断し、処理をS216に進める。S216の処理は図7のS116の処理と同様であるため説明を省略する。S203でCPU94は、周波数検知信号を検出できたと判断した場合、処理をS204に進める。S204でCPU94は、周期Tf、周期T3を算出する。CPU94は、1つ目の周波数検知信号と2つ目の周波数検知信号との時間差である周期Tfを求め、周期Tfに予め定めた所定値0.7を乗じて周期T3を算出する。S205、S206の処理は、図7のS105、S106の処理と同様であり、説明を省略する。
S207でCPU94は、周波数検知信号を検出した後の立ち上がり信号q3を検出する。S208でCPU94は、周波数検知信号からT3-2.0ms秒後から次の立ち下がり信号までの間に検出される、立ち上がり信号q3を検出できたか否かを判断する。S208でCPU94は、周波数検知信号からT3-2.0ms秒後から次の立ち下がり信号までの間に、立ち上がり信号q3が検出できなかったと判断した場合、処理をS215に進める。この場合、発熱体54b1(リレー57aオフ)に電力供給をする状態となっているにもかかわらず、CPU94の内部論理として発熱体54b2が接続されている状態(図9)のときの値を示している。なお、S215の処理は図7のS118の処理と同様であり、説明を省略する。このように、CPU94は、周波数検出回路部1300により検出された周波数と判別回路部1201の判別結果とに基づいて異常を判断する。
S208でCPU94は、立ち上がり信号q3が検出できたと判断した場合、処理をS209に進める。なお、S209~S211の処理は、図7のS109~S111の処理と同様であり、説明を省略する。S212でCPU94は、周波数検知信号からT3-2.0ms秒後から次の立ち下がり信号までの間に検出される、立ち上がり信号q3を検出する。S213でCPU94は、周波数検知信号からT3-2.0ms秒後から次の立ち下がり信号までの間に、立ち上がり信号q3が検出できたか否かを判断する。S213でCPU94は、立ち上がり信号q3を検出できたと判断した場合、処理をS215に進める。この場合、発熱体54b2(リレー57aオン)に電力供給をする状態となっているにもかかわらず、CPU94の内部論理として発熱体54b1が接続されている状態(図10)のときの値を示している。S215の処理は既に説明したため説明を省略する。S213でCPU94は、立ち上がり信号q3が検出できなかったと判断した場合、処理をS214に進める。S214でCPU94は、回路及び定着装置50は正常であると判断する。S216の処理は図7のS116の処理と同様であるため、説明を省略する。
実施例2において、リレー57aがオン状態において、リレー57aは正常であり、接点57a3と接点57a4は短絡状態であるとする。また、周期Tf=約20ms、交流電源55の周波数は50Hzであり、周期T3=14msであるとする。また、リレー57aがオフ状態において、周波数検知信号からT3-2.0ms秒後、つまり、周波数検知信号から12ms後から、次の立ち下がり信号までの間に、立ち上がり信号g3が検出される。すると、図11のS208の判断では、S209に遷移する。リレー57aがオン状態において、立ち上がり信号q3は検出されない。すると、図11のS213の判断ではS214に遷移し、正常と判定される。
以上説明したように、複数の発熱体への電力供給を、C接点リレーを用いて切り替える駆動回路構成において、所定の発熱体に電力を供給した際にのみ電流が流れるように、ダイオードと抵抗を周波数検知回路に追加接続する。周波数検知用のフォトカプラ213のLEDに流れる電流値が、所定の発熱体に電力供給されたときのみ変化するように抵抗値を設定する。そして、周波数検知信号の周期と発熱体への電力供給の検知時の周期とに差を持たせて検出信号を区別し、1つの信号線で周波数検知信号と立ち上がり信号(q3)とを検出する。定着温度センサ59に用いたサーミスタの代わりにサーモパイルを用いたりする等、実施例2の構成部品と同等の機能を有する部品を用いても実施例2の効果が変わるわけではない。
このように、実施例2によれば、コストアップを抑制しつつ、簡易的な方法で所定のヒータ54に電力供給がされたか否かを判断して、ヒータ54と駆動回路部の異常を検出する。ヒータ54と駆動回路部の異常を検出することで、定着装置50の過度な加熱を防いで、発煙、発火等を未然に防ぐことができる。以上、実施例2によれば、コストアップを抑制しつつ簡易な手段で、複数の発熱体のうち電力が供給されている発熱体を精度よく判別し、定着装置の過度な加熱を防ぎ、定着装置の発煙、発火等を未然に防ぐことができる。
実施例1では、一対の発熱体54bを2種類有するヒータ54の実施例について説明した。実施例3では、3種類の発熱体54bを有するヒータ54の実施例について説明する。ゼロクロス回路部1100と判別回路部1200は、実施例1と同様であり、実施例3では説明を省略する。なお、実施例3の判別回路部1200では、COMMON部は抵抗114の一端に接続され、NO部はフォトカプラ115の1次側LEDのカソードに接続されている。
[駆動回路説明]
図12(a)は定着装置50の回路構成を示す全体概略図である。実施例1が2つの発熱体54b1、54b2を備えたヒータ54であるのに対して、実施例3では、3つの発熱体54b1、54b2、54b3を要するヒータ54である点が異なる。それ以外の構成は、実施例1と同様であり、説明を省略する。
定着装置50内にあるヒータ54は、主として基板54aの上に形成された発熱体54b1、54b2、54b3を有している。また、ヒータ54は、第4の接点である接点54d1、第3の接点である54d2、第1の接点である54d3、第2の接点である54d4、を有している。発熱体54b1、54b2、54b3は、交流電源55からの電力供給を受け発熱する抵抗体である。発熱体54b3は定着装置50に通紙可能な最大紙幅の記録用紙にトナーを定着する際に主として用いられる発熱体である。そのため、発熱体54b3の長手寸法はLTRサイズの用紙幅215.9mmより数mm程度長く設定される。また発熱体54b3は定着装置50の起動時(定着装置50が冷めた状態から所定の温度まで立ち上げるとき)においても、主として用いられる発熱体であり、定着装置50の起動時に必要な電力が供給できるよう設計される。
発熱体54b3は、接点54d1と接点54d4に接続される。発熱体54b1はB5サイズの用紙幅に対応した発熱体であり、発熱体54b1の長手寸法はB5サイズの用紙幅182mmより数mm程度長く設定される。発熱体54b1は接点54d1と接点54d3に接続される。発熱体54b2はA5サイズの用紙幅に対応した発熱体であり、発熱体54b2の長手寸法はA5サイズの用紙幅148mmより数mm程度長く設定される。発熱体54b2は接点54d2と54d3に接続される。発熱体54b1と54b2は定着装置50がある程度温まった状態で使用することを想定しており、発熱体54b1と54b2の定格電力は発熱体54b3の定格電力より低く設定される。つまり、発熱体54b3がメインヒータ、発熱体54b1と54b2がサブヒータという位置付けになる。したがって、起動時や負荷変動時を中心に、メインヒータ(発熱体54b3)とサブヒータ(発熱体54b1及び54b2)を切り替えながら使用する。発熱体54b3が接続される接点54d4は、トライアック56bを介して交流電源55の第二の極(ACN部)に接続される。
図12(b)は、図12(a)に示すQ-Q’線で、定着装置50のヒータ54を切断した断面を示す断面図である。基板54aの発熱体54b3、54b1、54b2が設置された面とは反対側の面には、通紙可能な最小用紙幅の用紙Pが通過する範囲に、温度検知手段である定着温度センサ59が設置されている。なお、実施例3では、定着温度センサ59は、サーミスタを用いている。保護ガラス層54eは、交流電源55と略同電位の発熱体54b1、54b2、54b3と、ユーザを絶縁するために設けられている。発熱体54b1、54b2は、基板54aの短手方向において2つの発熱体54b3の間に設けられる。また、実施例3では、第1のリレーであるリレー57aを有している。
図12(b)に示すように、定着温度センサ59は、基板54aに接触して設置され、基板54aを介して発熱体54b3、54b1、54b2の温度を検知する。定着温度センサ59は、一端を抵抗122に接続され、他端をGNDに接地されている。そして、直流電圧Vcc1を、定着温度センサ59と抵抗122によって分圧された電圧VthがCPU94に入力される。
CPU94は、入力された電圧Vthに対応する温度情報に基づいて、定着温度センサ59が予め定められた目標温度になるように、第2の切り替え部であるトライアック56a、トライアック56bを制御する。トライアック56bの動作は、実施例1のトライアック56aと同様である。CPU94がハイレベルのDrive3信号を出力すると、ベース抵抗310を介して、トランジスタ309のベース端子にベース電流が流れ、これによりトランジスタ309がオンし、コレクタ電流が流れる。トランジスタ309のコレクタ電流が流れると、フォトトライアックカプラ304の発光ダイオードが導通状態となり、抵抗311を介して電流が流れて発光ダイオードが発光し、フォトトライアックカプラ304の受光部が導通状態となる。抵抗305、306は電流制限抵抗である。
CPU94は、定着装置50の起動時(定着装置50が冷めた状態から所定の温度まで立ち上げるとき)に定着温度センサ59が検知した温度情報に基づいて、Drive3信号によりトライアック56bを制御する。CPU94は、交流電源55より発熱体54b3への電力供給を行う。定着装置50が所定温度まで立ち上がった後、CPU94は、用紙Pの紙幅情報に基づいて、リレー57aを制御して、電力供給される発熱体を切り替える。そして、CPU94は、定着温度センサ59が検知した温度情報に基づいてトライアック56a、トライアック56bを制御し、定着装置50の温度制御を行う。
[判定方法とフローチャート]
図13は、実施例3の判別方法と、判別処理を示したフローチャートである。実施例1との違いは、実施例1では異常と判断した後、制御を終了していた。これに対して実施例3では、異常を検出した後、発熱体54b3のみで定着装置50を制御する異常時動作モードを動作させた後、制御を終了する点が異なる。それ以外は実施例1と同様である。
図13は、発熱体54bの電力供給の判別方法と、判別処理を示したフローチャートである。なお、S301~S318までの処理は図7のS101~S118までの処理とほぼ同じ処理であり、実施例1と異なる処理について説明する。実施例3では、CPU94は、S318で異常と判断した場合、S319で異常時動作モードに移行する。具体的には、CPU94は、Drive2信号を常にLow状態にして、トライアック56aの制御を停止する。CPU94は、Drive3信号で、トライアック56bを制御し、発熱体54b3のみでヒータ54を温度制御し、定着装置50の動作を継続させる。CPU94は、異常時動作モードに移行した後、処理をS316に進める。
実施例3において、リレー57aが故障状態にあり、オン状態においても、オフ状態と同様に接点57a1と57a4が短絡した状態となっているとする。この場合、図13のS308で、リレー57aは、接点57a1と57a4が短絡した状態のままであり、立ち下がり信号q1が検出され、処理がS317に進み、q2も検出される。S317の処理でq2が検出されたと判断されると、CPU94は、S318で異常と判断し、S319で異常時動作モードに遷移する。CPU94は、Drive1信号をLowにして、トライアック56aをオフ状態にし、制御回路(不図示)により交流電源55から定着装置50への電力供給を遮断して処理を終了する。
以降、CPU94は、例えば異常警告信号を報知し続けながら、Drive3信号でトライアック56bを制御し、発熱体54b3のみを温度制御しながら、定着装置50を動作させ続ける。以上説明したように、複数の発熱体への電力供給を、C接点リレーを用いて切り替える駆動回路構成において、所定の発熱体の電位差のみをゼロクロス信号検出用のフォトカプラ113と逆位相で検出できるようにフォトカプラ115を接続する。ゼロクロス信号検出用のフォトカプラ113のLEDに流す電流値と、フォトカプラ115に流す電流値とに差が出るように抵抗を接続する。これにより、フォトカプラのオン動作時間に差を持たせて、ゼロクロス信号と発熱体の電力供給を判別する信号(q1、q2)を区別することで、1つの信号線でゼロクロス信号と発熱体電力の供給判別信号を検出する。定着温度センサ59に用いたサーミスタの代わりにサーモパイルを用いたりする等、実施例3の構成部品と同等の機能を有する部品を用いても実施例3の効果が変わるわけではない。また、実施例2の周波数検知信号と信号q3とを用いた回路に、実施例3のヒータ(発熱体54b1、54b2、54b3)を適用してもよい。
以上説明したように、コストアップを抑制しつつ、簡易的な方法で所定のヒータ54に電力供給がされたか否かを判断して、ヒータ54と駆動回路部の異常を検出する。ヒータ54と駆動回路部の異常を検出し、異常がある回路駆動部を制御で使用しないようにすることで定着装置50の過度な加熱を防いで、発煙、発火等を防ぐことができる。以上、実施例3によれば、コストアップを抑制しつつ簡易な手段で、複数の発熱体のうち電力が供給されている発熱体を精度よく判別し、定着装置の過度な加熱を防ぎ、定着装置の発煙、発火等を未然に防ぐことができる。
54 ヒータ
54b1、54b2 発熱体
56a トライアック
57a リレー
94 CPU
1100 ゼロクロス回路部

Claims (20)

  1. 記録材上の未定着のトナー像を定着する定着装置であって、
    第1の抵抗値である第1の発熱体と、前記第1の抵抗値より大きい第2の抵抗値である第2の発熱体とを含む、少なくとも2つ以上の複数の発熱体を有するヒータ部と、
    前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体と、交流電源との接続を切り替える第1の切り替え部と、
    前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に前記交流電源から電力を供給するために導通状態となり、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への前記交流電源からの電力の供給を遮断するために非導通状態となる第2の切り替え部と、
    前記交流電源の第1極と第2極との間に接続され、前記交流電源の交流電圧に応じてゼロクロス信号を出力するゼロクロス回路部と、
    前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に電力が供給されていることを判別する判別回路部と、
    前記第1の切り替え部及び前記第2の切り替え部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ゼロクロス回路部から出力された前記ゼロクロス信号に基づいて、前記交流電源から電力が供給されている発熱体が前記第1の発熱体であるか前記第2の発熱体であるかを判断し、前記判別回路部から出力される前記ゼロクロス信号とは異なる信号に基づいて、異常状態を判断することを特徴とする定着装置。
  2. 前記判別回路部は、前記第1の切り替え部と前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体の一端との間と、前記第2の切り替え部と前記第2の発熱体の他端との間と、の間に接続されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記ゼロクロス回路部は、1次側のダイオードと2次側のトランジスタとを有する第1のフォトカプラと、前記1次側のダイオードのアノードに接続された第1の抵抗と、を有し、
    前記判別回路部は、1次側のダイオードと2次側のトランジスタとを有する第2のフォトカプラと、前記1次側のダイオードのアノードに接続された第2の抵抗と、を有し、
    前記第2の抵抗の抵抗値は、前記第1の抵抗の抵抗値よりも大きいことを特徴とする請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記第1のフォトカプラは、前記交流電圧の所定の半波において導通し、
    前記第2のフォトカプラは、前記所定の半波とは逆の位相の半波において導通することが可能であることを特徴とする請求項3に記載の定着装置。
  5. 前記判別回路部は、前記逆の位相の半波において前記ゼロクロス信号とは異なる信号を出力することを特徴とする請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記制御部は、前記第1の発熱体が前記交流電源に接続されるように前記第1の切り替え部を制御したとき、前記判別回路部から前記逆の位相の半波において前記ゼロクロス信号とは異なる信号を出力されたときに異常と判断することを特徴とする請求項5に記載の定着装置。
  7. 前記制御部は、前記第2の発熱体が前記交流電源に接続されるように前記第1の切り替え部を制御したとき、前記判別回路部から前記逆の位相の半波において前記ゼロクロス信号とは異なる信号を出力されないときに異常と判断することを特徴とする請求項6に記載の定着装置。
  8. 記録材上の未定着のトナー像を定着する定着装置であって、
    第1の抵抗値である第1の発熱体と、前記第1の抵抗値より大きい第2の抵抗値である第2の発熱体とを含む、少なくとも2つ以上の複数の発熱体を有するヒータ部と、
    前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体と、交流電源との接続を切り替える第1の切り替え部と、
    前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体に前記交流電源から電力を供給するために導通状態となり、前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体への前記交流電源からの電力の供給を遮断するために非導通状態となる第2の切り替え部と、
    前記交流電源の第1極と第2極との間に接続され、前記交流電源の交流電圧の周波数を検出する周波数検出回路部と、
    前記第1の発熱体及び前記第2の発熱体のいずれか一方に電力が供給されていることを判別する判別回路部と、
    前記第1の切り替え部及び前記第2の切り替え部を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記周波数検出回路部により検出された前記周波数に基づいて、前記交流電源から電力が供給されている発熱体が前記第1の発熱体であるか前記第2の発熱体であるかを判断し、前記判別回路部から出力される前記周波数検出回路部から出力される信号とは異なる信号に基づいて、異常状態を判断することを特徴とする定着装置。
  9. 前記判別回路部は、前記周波数検出回路部を含み、前記第1の切り替え部と前記第1の発熱体又は前記第2の発熱体の一端との間と、前記第1極と前記第1の発熱体の他端との間と、の間に接続されることを特徴とする請求項8に記載の定着装置。
  10. 前記周波数検出回路部は、1次側のダイオードと2次側のトランジスタとを有する第3のフォトカプラと、前記1次側のダイオードのアノードに接続された第3の抵抗と、を有し、
    前記判別回路部は、ダイオードと、前記ダイオードのカソードに接続された第4の抵抗と、を有し、
    前記第4の抵抗の抵抗値は、前記第3の抵抗の抵抗値よりも大きいことを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 前記周波数検出回路部は、前記交流電圧の所定の半波において第3のフォトカプラを導通させ、
    前記判別回路部は、前記所定の半波とは逆の位相の半波において前記第3のフォトカプラを導通させることが可能であることを特徴とする請求項10に記載の定着装置。
  12. 前記制御部は、前記第2の発熱体が前記交流電源に接続されるように前記第1の切り替え部を制御したとき、前記判別回路部から前記逆の位相の半波において前記周波数検出回路部から出力される信号とは異なる信号を出力されたときに異常と判断することを特徴とする請求項11に記載の定着装置。
  13. 前記制御部は、前記第1の発熱体が前記交流電源に接続されるように前記第1の切り替え部を制御したとき、前記判別回路部から前記逆の位相の半波において前記周波数検出回路部から出力される信号とは異なる信号を出力されないときに異常と判断することを特徴とする請求項12に記載の定着装置。
  14. 前記ヒータ部は、少なくとも2つの第3の発熱体と、
    前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、及び前記第3の発熱体の端部が接続される、第1の接点、第2の接点、第3の接点、及び第4の接点と、を有し、
    前記第1の接点には前記第1の発熱体の一端と前記第2の発熱体の一端とが接続され、
    前記第2の接点には、前記第3の発熱体の一端が接続され、
    前記第3の接点には、前記第2の発熱体の他端が接続され、
    前記第4の接点には、前記第1の発熱体の他端と前記第3の発熱体の他端とが接続され
    ていることを特徴とする請求項1から請求項13のいずれか1項に記載の定着装置。
  15. 前記第1の切り替え部は、第1のリレーを有し、
    前記第1のリレーは、前記交流電源と前記第1の接点との接続、又は前記交流電源と前記第3の接点との接続を切り替え可能であることを特徴とする請求項14に記載の定着装置。
  16. 前記第1の発熱体、前記第2の発熱体及び前記第3の発熱体が形成される基板を備え、
    前記基板の短手方向において、前記第3の発熱体、前記第1の発熱体、前記第2の発熱体、前記第3の発熱体の順に配置されていることを特徴とする請求項14又は請求項15に記載の定着装置。
  17. 前記ヒータ部により加熱される第1の回転体と、
    前記第1の回転体とともにニップ部を形成する第2の回転体と、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項16のいずれか1項に記載の定着装置。
  18. 前記第1の回転体は、フィルムであることを特徴とする請求項17に記載の定着装置。
  19. 前記ヒータ部は、前記フィルムの内部空間に配置されており、前記ヒータ部と前記第2の回転体により前記フィルムを挟持しており、
    記録材上の画像は、前記フィルムと前記第2の回転体との間に形成された前記ニップ部で前記フィルムを介して加熱されることを特徴とする請求項18に記載の定着装置。
  20. 記録材に未定着のトナー像を形成する画像形成手段と、
    記録材上の未定着のトナー像を定着する請求項1から請求項19のいずれか1項に記載の定着装置と、
    を備えることを特徴とする画像形成装置。
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