JP7292162B2 - 採穂母樹の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、採穂母樹の生産方法に関する。
山林樹木及び果樹の挿し木におけるクローン増殖用の挿し穂の生産のため、採穂母樹が育成、栽培されている。非特許文献1には、採穂母樹(採穂台木)の育成管理にあたり、低台(丸刈・平刈)、中台(丸刈・平刈)、高台(丸刈・円筒型)に仕立てることが記載されている。
カラマツ属植物、中でもグイマツF1(カラマツとグイマツのF1雑種)、特に北海道で開発されたエリートカラマツ(品種名:クリーンラーチ)は、種子を生産する採種母樹が少ないため、若齢の苗からの挿し木増殖により苗木生産が行われている。しかし、播種後3年目(樹齢3年生)程度の若齢木でも発根率の低下や枝性が現れることがあり、採穂母樹には播種後1年間育苗した2年目(樹齢2年生)の幼苗のみが使用されており、1本の母樹からの採穂可能な数は約10本と少ない。非特許文献2には推定樹齢5~6年生のグイマツF1の採穂母樹から得た挿し穂の発根状況の調査結果が記載されており、採穂前に台木を地上高2mで断幹し枝の剪定を行い円筒型に仕立てることが記載されている。非特許文献2には、母樹の形態別の発根率のグラフ(図-4)が記載されているが、同家系間で仕立てを行った台木と自然形の間での発根率には有意差はないことが記載されている。
東北の林木育種 東北林木育種場 No.34(1971) 板鼻及び丹藤「グイマツF1の挿し木」日林北支論43(1995)134-136
非特許文献1には、環境条件に応じて、中でも寒・雪害を受けにくい仕立て方を選別すべきことが記載されているに過ぎない。非特許文献2では台木の仕立ての有無よりもむしろ発根培養の際の植物ホルモン使用の有無が発根数に影響することが示されており、また、苗の通直性等の品質について何ら言及していない。
本発明は、採穂母樹の樹齢に拘らず、挿し穂を効率よく生産でき、かつ得られる挿し穂から通直性のある苗を効率よく得ることのできる、採穂母樹の生産方法を提供することを目的とする。
寒冷地における採穂母樹の剪定にあたっては、台木が雪に埋もれることによる剪定の手間を省き、かつ多くの側枝を残すようにするため、高台(母樹に積雪し難くするために円筒型が多い)に仕立てることが一般的である。しかし、カラマツ属植物の採穂母樹を高台に仕立てると、ある程度の樹齢(通常、5年以降)に達してからの採穂となり、その結果、得られる苗の多くは枝性を表し、通直性のある苗を効率よく得ることが困難であった。そこで本発明者らは、中台円筒型または低台円筒型への仕立てを試みたところ、採穂数を増やすことができ、低樹齢で採穂でき、通直性のある苗を効率よく得られることを見出した。本発明は、斯かる知見に基づくものである。
本発明は、以下の〔1〕~〔6〕を提供する。
〔1〕カラマツ属植物の採穂母樹を、採穂前に低台円筒型又は中台円筒型に仕立てることを含む、採穂母樹の生産方法。
〔2〕カラマツ属植物は、カラマツ、グイマツ、及びカラマツとグイマツの交雑種から選ばれる植物である、〔1〕に記載の生産方法。
〔3〕仕立ては、採穂時に播種後3年目(樹齢3年生)以降となる採穂母樹に行う、〔1〕又は〔2〕に記載の生産方法。
〔4〕採穂母樹へ、リン、カリウム及び窒素を含む肥料を投与することを更に含み、肥料中の、リン含有量の窒素含有量に対する重量比、及びまたはカリウム含有量の窒素含有量に対する重量比の少なくともいずれかが、1を超える、〔1〕~〔3〕のいずれか1項に記載の生産方法。
〔5〕〔1〕~〔4〕のいずれか1項に記載の生産方法により生産されるカラマツ属植物の採穂母樹から挿し穂を得ること、
挿し穂を発根させること、及び
発根した挿し穂を育苗すること
を含む、カラマツ属植物の挿し木苗の生産方法。
〔6〕挿し穂の発根は、底面灌水にて行う、〔5〕に記載の生産方法。
本発明により採穂母樹を生産することで、採穂母樹の樹齢に拘らず挿し穂を効率よく得ることができる。得られる挿し穂を発根培養し育苗することにより、通直性のある苗を効率よく得ることができる。これにより、カラマツ属植物の効率的な挿し木増殖が可能となり、早期普及が期待できる。
〔採穂母樹〕
採穂母樹は、カラマツ属植物の採穂母樹である。カラマツ属植物としては、カラマツ(Larix kaempferi)、グイマツ(Larix gmelinii var.japonica)、ダフリアカラマツ(Larix gmelinii)、マンシュウカラマツ(Larix olgensis)、及びこれらの交配種が挙げられる。交配種としては、カラマツを花粉親、グイマツを母樹とする交配種(例、グイマツF1)が挙げられ、それらの中でも特に形質の優れた品種として開発されたエリートカラマツ(クリーンラーチ、東演1号、北のパイオニア1号)がより好ましい。
採穂母樹は、挿し木、接ぎ木等の無性生殖により繁殖した個体でもよいし、実生苗等の、種子から繁殖した個体でもよい。また、過去の採穂経験の有無は問わない。また、採穂母樹の樹齢も特に限定されず、主幹と側枝が形成された後であればよく、通常は播種後3年目(樹齢3年生)以降である。上限は、通常は播種後11年目(樹齢11年生)以下、好ましくは播種後9年目(樹齢9年生)以下、より好ましくは播種後7年目(樹齢7年生)以下、更に好ましくは播種後6年目(樹齢6年生)以下である。
〔樹型、剪定〕
本発明においては、好ましくは採穂予定日における、採穂母樹の樹型が中台円筒型又は低台円筒型となるように仕立てることが好ましい。これにより、1本の採穂母樹から多くの挿し穂を得、その挿し穂から発根、育苗することにより、通直性のある苗を効率よく得ることができる。樹型とは、台木の高さと樹幹の型であり、円筒型とは樹幹が円筒状であることを意味する。
本発明では、低台円筒型とは、樹高が低く樹幹が円筒状であることを意味し、中台円筒型とは、樹高が中程度で樹幹が円筒状であることを意味する。中台円筒型及び低台円筒型のサイズは特に限定されず、植物種や樹齢によっても異なり一律に特定することは難しい。一例を挙げると中台の台木の高さは通常は1.5m以下又は1.0m以下である。下限は、通常は0.5mを超える高さである。低台の台木の高さは通常は0.5m以下であり、好ましくは0.4m以下、より好ましくは0.3m以下となるように行うことが好ましい。下限は特に限定されないが、0.1m以上が好ましく、0.2m以上がより好ましい。
仕立てを行う時期は特に限定されないが、通常は採穂予定日より前(前年に採穂を行った場合、通常は、前年の採穂日より後)であり、採穂予定日より前3ヶ月以前が好ましく、2ヶ月以前がより好ましい。これにより、通直性の良好な挿し穂を効率よく得ることができる。上限は、通常は採穂予定日より前1ヶ月より後である。仕立てを行う時期は、最高気温が10℃以下の時期が好ましく、好ましくは11~4月、より好ましくは12~3月である。
樹型を低台円筒型又は中台円筒型に仕立てる方法としては、例えば、断幹、枝(主に側枝)の剪定が挙げられる。断幹により樹高を調整できる。また、枝の剪定により、萌芽枝をより多く生じさせることができる。低台円筒型の場合、断幹は、断幹後の樹高が、通常は0.5m以下であり、好ましくは0.4m以下、より好ましくは0.3m以下となるように行うことが好ましい。下限は特に限定されないが、0.1m以上が好ましく、0.2m以上がより好ましい。中台円筒型の場合、断幹は、断幹後の樹高が通常は1.5m以下又は1.0m以下である。下限は特に限定されないが、通常は0.5mを超える高さである。剪定する枝は、萌芽枝を発生させると予想される枝が好ましく、このような枝としては、例えば、緑枝(当年枝)、熟枝(前年以前に伸びた枝)等が挙げられる。低台円筒型及び中台円筒型のいずれも、剪定後の枝のサイズは、20cm未満が好ましく、17cm以下がより好ましく、15cm以下が更に好ましい。下限は特に限定されないが、3cm以上が好ましく、4cm以上がより好ましく、5cm以上が更に好ましい。剪定の際には、芽が上向きにバランスよく付いている枝を選択することが好ましく、芽(好ましくは内芽)を少なくとも1つ残すように剪定することがより好ましい。
採穂母樹の生育は、鉢上管理もしくは植栽のいずれでもよい。植栽の場合、植え方は特に限定されないが、複数の採穂母樹を育成する場合、列植えすることが好ましい。植栽間隔は、0.5~2m×0.5~2mに1樹とすることが好ましい。これにより、採穂母樹の樹型を容易に仕立てることができる。
〔採穂母樹への施肥〕
採穂母樹の生産にあたっては、通常は施肥を行う。これにより採穂母樹の生長を促進できる。肥料は特に限定されず、速効性肥料もしくは緩効性肥料でも構わないが、無機肥料又は有機肥料がより好ましく、化成肥料が更に好ましい。
肥料に含まれる成分は特に限定されないが、例えば、無機成分、銀イオン、抗酸化剤、炭素源、ビタミン類、アミノ酸類、植物ホルモン類等の植物の栄養素の供給源となり得る成分が挙げられる。肥料の形態は特に限定されず、固形物(例、粉剤、粒剤)、又は液体(例、液肥)のいずれでもよい。
無機成分としては、必須要素の窒素、リン、カリウム、および微量要素の硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ヨウ素、コバルト等の元素や、これらを含む無機塩が例示される。該無機塩としては例えば、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ホウ酸、三酸化モリブデン、モリブデン酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等やこれらの水和物が挙げられる。必須要素においては、リンまたはカリウムの含有量が窒素の含有量よりも多いことが好ましい。これにより、採穂母樹の樹齢に拘らず、樹齢が進んでいても発根率の良い挿し穂を効率よく得ることができる。リン含有量の窒素含有量に対する重量比、及びカリウム含有量の窒素含有量に対する重量比の少なくともいずれか(好ましくは両方)は、1を超えることが好ましく、1.5以上がより好ましく2.0以上がさらに好ましい。上限は通常は4.0以下であり、特に限定されない。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩が挙げられ、アスコルビン酸が好ましい。アスコルビン酸は、培地への残留性が低いため、環境汚染を抑制できる。
炭素源としては、例えば、ショ糖等の炭水化物とその誘導体;脂肪酸等の有機酸;エタノール等の1級アルコール、などの化合物が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB4)、ピリドキサール、ピリドキサミン、パントテン酸カルシウム、イノシトール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド及びリボフラビン(ビタミンB2)が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸、システイン、フェニルアラニン及びリジン等が挙げられる。
〔採穂母樹への施肥方法〕
施肥方法は特に限定されず、用いる肥料に適した施肥条件とすればよい。例えば、採穂母樹の支持体及び/又は採穂母樹に肥料を適量散布、塗布、噴霧する方法が挙げられる。施肥の時期及び回数は特に限定されないが、剪定と同時(2回以上の施肥を行う場合少なくとも1回は剪定と同時)が好ましい。施肥の回数は、採穂予定日より前1年間(前年に採穂を行った場合、通常は、前年の採穂から採穂予定日までの間)に少なくとも1回、好ましくは2回以上である。施肥方法は、施肥の回数ごとに異なってもよいし、同じでもよい。
採穂母樹の育成における支持体は、通常植物の育成に用いられるものであればよく、例えば、砂、土(例、赤玉土、鹿沼土)等の自然土壌が挙げられる。支持体の別の例としては、籾殻燻炭、ココナッツ繊維、バーミキュライト、パーライト、ピートモス、ガラスビーズ等の人工土壌;発泡フェノール樹脂、ロックウール等の多孔性成形品;固化剤(例、寒天又はゲランガム)が挙げられ、これらから選ばれる少なくとも一種を自然土壌に換えて、又は自然土壌と共に用いてもよい。支持体は容器に格納されていてもよい。容器としては、従来慣用の容器を用いればよい。
〔採穂母樹の生産のためのその他の条件〕
採穂母樹の生産のためのその他の条件(例、温度、湿度、光)は、植物種によって適宜設定でき、自然条件でもよいし、人為的に制御してもよい。温度の制御条件としては、例えば、日中温度15~35℃(好ましくは20~35℃)、夜間温度10~25℃(好ましくは10~20℃、より好ましくは15~20℃)が挙げられる。生育場所も特に限定されず、閉鎖空間(例、ビニールハウス内、人工太陽光室内、温室内、屋内)及び解放空間(例、屋外)のいずれでもよい。必要に応じて、生長を促進するための処理(例えば、根切り)を施してもよい。
〔挿し穂〕
採穂母樹より採穂される挿し穂は、採穂母樹の植物体の少なくとも一部であればよく、例えば、緑枝、熟枝等の枝;頂芽、腋芽などの芽;葉、子葉;胚軸が挙げられる。木本植物の挿し穂は、一般に、緑枝又は熟枝を少なくとも含む。挿し穂は、シュートを少なくとも含むことが好ましい。これにより、不定根形成が容易となり得る。シュートとは、発根能を有する組織を言い、例えば、枝、茎、萌芽、頂芽、腋芽、不定芽、葉、子葉、胚軸、不定胚、苗条原基、これらの具体例から誘導される多芽体(特開平8-228621号公報)が挙げられ、頂芽が好ましい。本発明においては、シュート(好ましくは頂芽)を少なくとも1つ含む枝を、効率良く取得できる。
採穂される挿し穂のサイズは、通常は40cm以下又は35cm以下であり、30cm以下が好ましく、25cm以下がより好ましく、20cm以下が更に好ましく、15cm以下が更により好ましい。下限は特にないが、通常1cm以上又は2cm以上、好ましくは3cm以上、より好ましくは4cm以上、さらに好ましくは5cm以上である。本発明においては、サイズの小さい挿し穂であっても、良好な発根率を発揮することができる。挿し穂の基部(支持体に挿し付ける側、例えば基部先端から3cm程度)の葉は、はさみ等の切断器具で切断しておいてもよい。
〔採穂予定日〕
採穂予定日は特に限定されないが、例えば、日長が12時間以上の長日条件である月が挙げられ、3月~9月が好ましく、4月~8月がより好ましい。これにより、この時期に採穂した挿し穂から発根させると、日長が短い時期(例えば、9月頃~翌年3月頃)に発根した状態で休眠期を迎えることができ、冬芽の形成の確認が容易となる。採穂母樹を日本国内で生産する場合には上記の範囲内に採穂予定日を設定することが更に好ましい。実際の採穂日は、採穂予定日の前後10日間の間の日であればよいが、採穂予定日当日が好ましい。
〔挿し穂からの発根〕
本発明においてカラマツ属植物の採穂母樹より採穂された挿し穂からの発根は、常法により行えばよい。例えば、支持体に挿し穂を挿し付けて発根させる方法が挙げられる。支持体は、必要に応じて用いられる添加剤を含んでいてもよく、また、培養容器に格納されてもよい。挿し付けの時期は、採穂と同時でもよいし、採穂後の適当な時期(例えば、2週間以内、又は1週間以内の時期)でもよいが、採穂と同時が好ましい。採穂後の適当な時期に挿し付けを行う場合、挿し付けまでの間、挿し穂を日の当たらない冷涼な場所で維持(例えば10℃~20℃)することが好ましい。これにより、挿し穂の発根能力を維持することができる。
〔発根の際の支持体及び培地〕
支持体は、挿し穂および培地を支持(保持)できればよく、吸水性及び通気性を有すること、及び、添加剤を挿し穂に効率よく吸収させ得ることができる、従来慣用の支持体を用いることができる。支持体の例は、採穂母樹の育成の際用い得る支持体の例と同様であり、好ましくは自然土壌と人工土壌の組み合わせである。自然土壌としては赤玉土および鹿沼土のいずれか又はこれらの組み合わせが好ましい。人工土壌としては、ピートモス、ココナッツ繊維、パーライトおよびバーミキュライトのいずれか又は2以上の組み合わせが好ましい。
培地としては例えば、植物組織培養用の公知の培地、水性溶媒(例、水)が挙げられ、水性溶媒が好ましく、水がより好ましい。植物組織培養用培地としては、例えば、MS培地、リンスマイヤースクーグ培地、ホワイト培地、ガンボーグのB-5培地、ニッチニッチ培地を挙げることができる。中でも、MS培地およびガンボーグのB-5培地が好ましい。これらの培地は、必要に応じて適宜希釈して用いることができる。培地は、液体培地、固体培地のいずれであってもよいが、液体培地の方が作業効率および移植時に根を傷つけることが少ない点で好ましい。液体培地は、培地組成を混合し調製してそのまま用い得る。また固体培地は、液体培地と同様に培地組成を混合し調製すると同時に、或いは調製後に、固化剤(例、寒天、ゲランガム)で固化させて使用し得る。固化剤の添加量は、固化剤の種類、培地の組成等の条件によって適宜設定できる。寒天の培地に対する添加量は、0.5~1重量%が好ましい。ゲランガムの培地に対する添加量は、0.2~0.3重量%が好ましい。
添加剤は任意であり、挿し穂の発根の際に用いられる添加剤でもよく、例えば、肥料(例、無機成分、銀イオン、抗酸化剤、炭素源、ビタミン類、アミノ酸類、植物ホルモン類)、上記以外の発根促進剤(例、国際公開第2011/136285号、特開2012-232907号公報、特開2013-95664号公報等の文献に記載の剤)等が挙げられる。各成分の形態は特に限定されず、固形物(例、粉剤、粒剤)、又は液体(例、液肥)のいずれでもよい。また、添加剤を構成する成分は支持体に混合、吸収又は散布されてもよく、挿し穂の少なくとも一部に直接散布、塗布又は噴霧されてもよい。
添加剤は、それぞれを混合して又は少なくとも一部を別個に、支持体に含ませてもよいし、培地に添加剤を予め添加してから支持体に含ませてもよい。また、添加剤を、挿し穂(好ましくは基部)に直接適用(例えば、塗布、散布)してもよい。
無機成分の例は、採穂母樹の肥料の無機成分の例と同様である。無機成分は、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよく、窒素、リン、カリウム、窒素を含む無機塩、リンを含む無機塩、及びカリウムを含む無機塩から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。無機成分1種を上述の公知の培地に含ませる場合、培地中の量は、0.1μM~100mMが好ましく、1μM~100mMがより好ましい。2種以上の組み合わせの場合、それぞれの培地中の量は0.1μM~100mMが好ましく、1μM~100mMがより好ましい。
銀イオンとしては、例えば、チオ硫酸銀(STS、AgS46)、硝酸銀等の銀化合物(銀イオン源)が挙げられ、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよく、STSが好ましい。STSは培地中で、チオ硫酸銀イオンの形態を取り、マイナスに帯電していると推測され、これにより健全な根の発根及び伸長を促進に寄与することができる。銀イオンを上述の培地に含ませる場合、銀イオン源の培地中の量は、0.5μM~6μMが好ましく、2μM~6μMがより好ましい。
抗酸化剤の例は、採穂母樹の肥料の抗酸化剤の例と同様であり、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。抗酸化剤を培地中に含ませる場合、その量は、5mg/l~200mg/lが好ましく、20mg/l~100mg/lがより好ましい。
炭素源の例は、採穂母樹の肥料の炭素源の例と同様であり、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。炭素源を培地中に含ませる場合、その量は、1g/l~100g/lが好ましく、10g/l~100g/lがより好ましい。炭酸ガスを供給して発根培養を行う場合、発根培地は炭素源を含まなくてもよく、含まないことが好ましい。ショ糖等の炭素源となりうる有機化合物は微生物の炭素源ともなるので、これらを添加した発根培地を用いる場合、無菌環境下で栽培を行う必要があるが、炭酸ガスを供給して発根培養を行うことにより、発根培地への炭素源の添加を省略でき、非無菌環境下での栽培が可能となる。
ビタミン類の例は、採穂母樹の肥料のビタミン類の例と同様であり、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。ビタミン1種を上述の培地に添加する場合、その量は、0.01mg/l~200mg/lが好ましく、0.02mg/l~100mg/lがより好ましい。2種以上の組み合わせを添加する場合、それぞれの量は、0.01mg/l~150mg/lが好ましく、0.02mg/l~100mg/lがより好ましい。
アミノ酸類の例は、採穂母樹の肥料のアミノ酸の例と同様であり、1種単独でも2種以上の組み合わせでもよい。アミノ酸としては例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸、システイン、フェニルアラニン及びリジンが挙げられる。アミノ酸類1種を上述の培地に添加する場合、その量は、0.1mg/l~1000mg/lが好ましく、2種以上の組み合わせを添加する場合、それぞれの培地中の量は、0.2mg/l~1000mg/lが好ましい。
植物ホルモンとしては、例えば、オーキシン及びサイトカイニン等の発根促進剤が挙げられる。オーキシンとしては、例えば、ナフタレン酢酸(NAA)、インドール酢酸(IAA)、p-クロロフェノキシ酢酸、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、インドール酪酸(IBA)及びこれらの誘導体等が挙げられ、これらのうちの1種、又は2種以上の組み合わせでもよい。サイトカイニンとしては、例えば、ベンジルアデニン(BA)、カイネチン、ゼアチン及びこれらの誘導体が挙げられ、これらのうちの1種、又は2種以上の組み合わせでもよい。植物ホルモンは、1種でもよいし2種以上の組み合わせでもよく、オーキシン、又はオーキシンとサイトカイニンの組み合わせを含むことが好ましい。
植物ホルモンを1種類培地中に添加する場合、その量は0.001mg/l~10mg/lが好ましく、0.01mg/l~10mg/lがより好ましい。2種以上の組み合わせを添加する場合、それぞれの量は0.001mg/l~10mg/lが好ましく、0.01mg/l~10mg/lがより好ましい。植物ホルモンの添加方法は、市販品の説明書に従えばよく、例えば、植物ホルモンの粉末(例えば、オーキシン)を挿し付け前に挿し穂の基部(好ましくは物理的刺激を加えた基部)に直接塗布する方法、支持体に添加する方法が挙げられる。
発根培地の添加時期は特に限定されず、例えば、発根培養の開始時、培養の途中が挙げられる。添加方法は成分の態様にもよるが、例えば、散布、湿潤、噴霧が挙げられる。添加回数も特に限定されず、1回のみ(培養開始時)でもよいし、2回以上(培養開始時及び途中)でもよい。また、発根培地を構成する成分をまとめて添加してもよいし、それぞれ別個に添加してもよいし、途中で適宜交換又は補充してもよい。
〔発根の際の培養容器〕
培養容器に支持体を格納することにより、発根後の挿し穂の育苗を円滑に行うことができる。培養容器は、通水口(網、細孔)を有することが好ましい。これにより、底面灌水に用いることができる。例えば、コンテナ(例、特開2017-079706号公報に記載されたコンテナ、マルチキャビティコンテナ(JFA-150、JFA-300)等)、セルトレー、育苗ポット、プランター、およびバット(底面または側面に網状の開口部を有する箱型容器が挙げられる。1つの容器に挿し穂1株ずつ植え付けるタイプの培養容器でもよいし、1つの容器に2株以上の挿し穂を植え付けるタイプの培養容器でもよい。培養容器の材質は特に限定はなく、例えば、樹脂、ガラス、木材が挙げられる。
〔挿し穂の挿し付け〕
挿し穂の支持体への挿し付けは、支持体の種類、環境、挿し穂の種類等の条件により適宜選択すればよい。例えば、挿し穂の基部を含む一部(例えば基部から1cm~5cm、好ましくは1cm~3cm、より好ましくは1.5cm~2.5cm)を支持体に挿し付ける方法が挙げられる。挿し穂の基部とは、挿し穂の一端であって根が形成される領域(葉の形成される端部に対し反対側)を意味する。多芽体の基部は、多芽体を分割する際の切断面を有する領域である。挿し付ける際、挿し穂への物理的刺激を加えて(例、基部に傷をつける)もよい。これにより、発根率を向上させることができる。基部につける傷のサイズ(例、大きさ、形状)は、特に限定されない。例えば、挿し穂である多芽体の基部(上述の切断面)に十字型の傷を付けることができる。傷を付ける際の器具としては例えば、ハサミ、ナイフが挙げられる。挿し穂の基部のうち支持体に挿し付ける部分の葉は、切断しておくことが好ましい。
〔灌水〕
発根の際の灌水方法としては例えば、頭上灌水及び底面灌水のいずれでもよいが、底面灌水によることが好ましい。底面灌水の方法としては、例えば、挿し穂が挿し付けられた支持体を格納している培養容器(通水口を具備)を水に浸漬する方法、吸水性部材を介して挿し穂に灌水する方法が挙げられる。灌水量は、挿し穂が実質的に湿潤すればよく、特に限定されない。底面灌水を吸水性部材を介して行う場合、通常、吸水性部材(例えば、マット状の部材)に給水し、水分を、培地と吸水性部材とが接する部分を介して挿し穂に供給する。吸水性部材への給水は、培地が湿潤するように行うこと、及び/又は、吸水性部材が均一に吸水する状態となるように行うことが、好ましい。これにより、培地の水分環境を適度、一定且つ均一に保持することができる。灌水作業は、手灌水および自動灌水装置のいずれで行ってもよい。
〔発根培養期間〕
挿し穂を発根させるための発根培養期間は、植物種によっても異なるが、少なくとも発根が観察されるまで続ければよく、根が充実するまで続けることが好ましい。通常は2週間~10ヶ月であり、4週間~8ヶ月が好ましく、2ヶ月~6ヶ月がより好ましい。
〔発根のためのその他の条件〕
前述以外の発根のための条件(例、温度、光、炭酸ガス濃度、湿度)は、挿し穂の植物種、部位、サイズ、添加剤の種類などにより適宜決定することができ、一概に規定することは難しい。温度は、例えば、採穂母樹において示した温度の制御条件の範囲内であることが好ましい。挿し穂に照射する光は、自然光でもよいし、光強度が人為的に調整された光でもよい。人為的に調整する方法としては、例えば、光強度の調整、波長成分の調整、遮光(例えば、寒冷紗を利用した遮光)が挙げられる。光強度(光合成有効光量子束密度)は、10μmol/m2/s~1000μmol/m2/sが好ましく、50μmol/m2/s~500μmol/m2/sがより好ましい。照射する光は、650nm~670nmの波長成分と450nm~470nmの波長成分とを含む光が好ましく、両者の割合は、好ましくは9:1~7:3、より好ましくは9:1~8:2である。遮光を行うことが好ましい。遮光の程度は、60%以上の遮光が好ましく、70%以上の遮光がより好ましい。
発根の際の炭酸ガス濃度は、通常は300~2000ppm、好ましくは800~1500ppmである。炭酸ガス濃度は、二酸化炭素透過性の膜を備えた培養容器を用いることにより、膜内の二酸化炭素濃度を上記範囲に調節する(例えば、人工気象器などの設備内に載置)ことが挙げられる。
湿度は60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。これにより、植物からの発根を促進できる。上限は特に制限はない。培養容器はビニールハウス内に設置することが好ましい。これにより湿度、温度等の条件の制御が容易となり得る。
〔発根した挿し穂の育苗〕
本発明においては、挿し穂を発根させた後、育苗する。育苗は、培養容器から育苗容器、苗畑(用土:例えば前述の自然土壌)等に移植して行ってもよいし、培養容器中でそのまま行ってもよい。
〔育苗時の施肥〕
施肥方法は特に限定されず、用いる肥料に適した施肥条件(施肥間隔、施肥量、施肥方法)とすればよい。肥料成分の例は採穂母樹に与える肥料の例と同じである。
育苗のための条件(例、温度、湿度、光照射、灌水条件、育苗期間)は、適宜決定することができる。発根培養の際と同じ条件としてもよいし、異なる条件としてもよい。苗がある程度まで大きくなった時点で(例えば、30cm以上又は35cm以上)、植林等の目的に用いる苗を得ることができる。
以下実施例により本発明を説明するが本発明はこれに限定されない。
実施例1
カラマツの山林苗(樹齢3年生・播種後3年目、実生由来)の鉢植えを2018年2月7日に低台円筒型に仕立てて採穂母樹とした。すなわち、樹高50cm以下で断幹し、萌芽枝を発生させる側枝をすべて5~15cmに剪定した。剪定の際には、芽が上向きにバランスよく付いている枝を優先して選択した。また、芽(好ましくは内芽)を少なくとも1つ残すように剪定した。同時に、施肥(速効性肥料:メーカー名 あかぎ園芸、商品名 化成肥料8-8-8、N:P:K=1:1:1、施肥量 20g/母樹1本)を行い、加温(日中20~35℃、夜間10~20℃)したビニールハウス内で2~3カ月生育させた。その後、採穂母樹より萌芽した5~15cmの頂芽枝を5月末に採取し、下部2~3cmの範囲の葉をすべて切断して挿し穂を調製した。調製された挿し穂の本数を「挿し穂本数/採穂母樹1本」としてカウントした。培養容器としてセルトレーを用い、赤玉小粒土(梁嶋商事(株)製)とピートモス(トーホー(株)製)を1対1に混合し、充填して挿し床を調製した。
上述のようにして調製した挿し穂の基部(切断部)にルートン(登録商標)(石原バイオサイエンス(株)製、植物ホルモンNAAを含む白色粉末、NAAの濃度は0.4%)の粉末を5~10mg塗布した後、該挿し穂を基部から1.5~2.5cmのところまで挿し床に挿しつけた。これを、通常のビニールハウス内に配置して8月まで3カ月間発根培養した。ビニールハウス内は、出成の気温(日中20~30℃、夜間10~20℃)、及び湿度も出成(40~100%)で行い、寒冷紗を使用して太陽光を70%遮光した。培地としては水を使用し、底面灌水とした。培養後の挿し穂を肉眼により観察し、根が確認されれば発根したと判断し「発根数」としてカウントした。その後、ビニールハウス内で寒冷紗を外し(遮光なし)、灌水方法を頭上灌水に変更した他は発根培養と同様の条件で9月末まで1カ月育苗させ、苗の先端に冬芽が形成されて通直性を保って生存していれば通直な得苗ができたと判断し「通直な得苗数」としてカウントした。発根数に対する通直な得苗数を算出し、得苗率(%)とした。通直性の判断基準は、以下のとおりとした:○:得苗率:90%以上;△:得苗率20%以上、90%未満;及び×:得苗率:20%未満。得られた苗は翌年まで育苗を継続することで植林可能な大きさに生長した。
実施例2
中台円筒型に仕立てた以外、実施例1と同様に実施した。すなわち、樹高1.5m以下で断幹し、萌芽枝を発生させる側枝をすべて5~15cmに剪定した。
実施例3
カラマツの山林苗(樹齢5年・播種後5年目、実生由来)を用いた以外、実施例1と同様に実施した。すなわち、樹高1.5m以下で断幹し、萌芽枝を発生させる側枝をすべて5~15cmに剪定した。
実施例4
カラマツの山林苗(樹齢5年生・播種後5年目、実生由来)を用いて中台円筒型に仕立てた以外、実施例1と同様に実施した。
実施例5
施肥の際、化成肥料と同時に天然リンカリ肥料(メーカー名:朝日工業、N:P:K=0:14:15)5gを加えた以外、実施例1と同様に実施した。
実施例6
施肥に天然リンカリ肥料を加えた以外、実施例2と同様に実施した。すなわち、施肥の際、化成肥料と同時に天然リンカリ肥料を5g/母樹1本加えた。
実施例7
カラマツの山林苗(樹齢5年・播種後5年目、実生由来)を用いて、施肥の際、化成肥料と同時に天然リンカリ肥料を5g/母樹1本加えた以外、実施例1と同様に実施した。
実施例8
カラマツの山林苗(樹齢5年・播種後5年目、実生由来)を用いて、施肥の際、化成肥料と同時に天然リンカリ肥料を5g/母樹1本加えた以外、実施例2と同様に実施した。
実施例9
カラマツの山林苗(樹齢5年・播種後5年目、実生由来)を用いて、有機複合肥料857号(メーカー名:井関農機、N:P:K=8:15:7)20g/母樹1本を施肥した以外、実施例1と同様に実施した。
実施例10
カラマツの山林苗(樹齢5年・播種後5年目、実生由来)を用いて、OATハウス肥料(メーカー名:OATアグリオ、N:P:K=10:8:27)16g/母樹1本を施肥した以外、実施例1と同様に実施した。
比較例1
自然樹形を維持し、側枝の剪定及び断幹を行わなかったこと以外、実施例1と同様に実施した。
比較例2
カラマツの山林苗(樹齢5年生・播種後5年目、実生由来)を用いて高台円筒型に仕立て、施肥量を40gにした以外、実施例1と同様に実施した。すなわち、樹高2.5m以下で断幹し、萌芽枝を発生させる側枝をすべて5~15cmに剪定した。
実施条件及び評価結果を表1~3に示す。
なお、各施肥条件における窒素、リン、カリウムの含有重量及び比率は以下のとおりである。
・化成肥料8-8-8 20g
含有重量:窒素1.6g-リン1.6g-カリウム1.6g
比率:窒素1-リン1-カリウム1
・化成肥料8-8-8 20g+天然リンカリ肥料 5g
含有重量:窒素1.6g-リン2.3g-カリウム2.4g
比率 窒素1-リン1.4-カリウム1.5
・有機複合肥料857号 20g
含有重量:窒素1.6g-リン3g-カリウム1.4g
比率 窒素1-リン1.9-カリウム0.9
・OATハウス肥料 16g
含有重量:窒素1.6g-リン1.3g-カリウム4.3g
比率 窒素1-リン0.8-カリウム2.7
Figure 0007292162000001
Figure 0007292162000002
Figure 0007292162000003
表1~3より、実施例1~10は、通直な得苗数が比較例1(自然樹型)を上回っていた。また、実施例1~10は、比較例2(高台円筒型)と比べて通直性に優れていた。中でも、リン含有量の窒素含有量に対する重量比、及びカリウム含有量の窒素含有量に対する重量比のいずれか、または両方が1を超える肥料を用いた実施例5~10は、挿し木の発根率も良好であった。これらの結果から、本発明の方法により、採穂母樹の樹齢に拘らず、挿し穂を効率よく生産でき、かつ得られる挿し穂から通直性のある苗を効率よく得られることが分かる。

Claims (6)

  1. カラマツ属植物の採穂母樹を、採穂前に低台円筒型又は中台円筒型に仕立てることを含む、採穂母樹の生産方法。
  2. カラマツ属植物は、カラマツ、グイマツ、及びカラマツとグイマツの交雑種から選ばれる植物である、請求項1に記載の生産方法。
  3. 仕立ては、採穂時に播種後3年目(樹齢3年生)以降となる採穂母樹に行う、請求項1又は2に記載の生産方法。
  4. 採穂母樹へ、リン、カリウム及び窒素を含む肥料を投与することを更に含み、
    肥料中の、リン含有量の窒素含有量に対する重量比、及びカリウム含有量の窒素含有量に対する重量比の少なくともいずれかが、1を超える、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の生産方法。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載の生産方法により生産されるカラマツ属植物の採穂母樹から挿し穂を得ること、
    挿し穂を発根させること、及び
    発根した挿し穂を育苗すること
    を含む、カラマツ属植物の挿し木苗の生産方法。
  6. 挿し穂の発根は、底面灌水にて行う、請求項5に記載の生産方法。
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