JP7161421B2 - ヒノキ科樹木の苗木の生産方法及びヒノキ科樹木の生産方法 - Google Patents

ヒノキ科樹木の苗木の生産方法及びヒノキ科樹木の生産方法 Download PDF

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Description

本発明は、挿し木増殖を利用したヒノキ科樹木の苗木の生産方法及びその苗木を用いたヒノキ科樹木の生産方法に関する。
スギやヒノキ等のヒノキ科樹木は、付加価値の高い建築材として広く用いられている。そのため、植栽から伐採までおおよそ40~60年程度の長期間を要しても、林業として利用されてきた。しかしながら、近年、外材の輸入による価格低下等に伴って、長期育林を要する林業が困難になりつつある。そこで、早生樹を育林して伐採回数を増やすことにより、収益性を高める新たな林業が望まれている。
このような早生樹として、ヒノキ科樹木のコウヨウザンが提案されている。コウヨウザンの苗木は、実生又は挿し木により生産されている。ところで、コウヨウザンは、中国中部から南部に分布する針葉樹であり、日本には江戸時代後期に渡来して、神社仏閣等に植栽されている。そのため、国内に存在するコウヨウザンの実生から苗木を生産するには、林業として利用するのに十分な量を確保できない。そこで、コウヨウザンの苗木を挿し木から生産することが検討されている(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1には、樹冠部の芯立ちした枝、枝性の枝、樹冠部の枝を切断した後に発生する萌芽枝を挿し穂に用いると、苗木が曲がりやすいことが開示されている。苗木が曲がると、建築材として利用可能な樹木が得られず、建築材に利用する林業には不適である。一方、地際から発生した萌芽枝を挿し木に用いると、苗木が芯立ちする、即ち、通直性の苗木が得られることが開示されている。
大分県農林水産研究指導センター 林業研究部、「早生樹を用いた短伐期林業の手引き(コウヨウザン、チャンモドキ編)」、平成27年4月発行
地際から発生した萌芽枝だけを用いて苗木を生産しても、林業として利用するのに十分な量を確保できないのが実状である。
従って、林業として利用するのに十分な量を確保し得る、新たな苗木の生産方法が望まれている。
本発明の課題は、林業として利用するのに十分な量を確保し、かつ、発根率、芯立ち率の優れた苗木を得る、ヒノキ科樹木の苗木の生産方法を提供することである。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、ブリッジ状にした主軸から発生した萌芽枝を挿し穂に用いることにより、上記の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明者らは、下記の〔1〕~〔6〕を提供する。
〔1〕幼若相のヒノキ科樹木の主軸をブリッジ状にすること、ブリッジ状にした前記主軸から萌芽枝を発生させること、及び前記主軸から発生した前記萌芽枝を採穂して挿し穂を得ること、を有するヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
〔2〕さらに、前記挿し穂を挿し床に挿して発根培養した後、育苗すること、を有する上記〔1〕に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
〔3〕前記主軸の上端部を、地際と同じ水平面上、或いは地際より下方の位置で固定して、前記ブリッジ状にする上記〔1〕又は〔2〕に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
〔4〕前記ヒノキ科樹木が、コウヨウザン属植物である上記〔1〕~〔3〕のいずれかに記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
〔5〕前記幼若相のヒノキ科樹木が、播種後3年(樹齢3年生)以下である上記〔1〕~〔4〕のいずれかに記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
〔6〕上記〔1〕~〔5〕のいずれかに記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法により生産した苗木を用いて育林すること、を有するヒノキ科樹木の生産方法。
本発明によれば、林業として利用するのに十分な量を確保し、かつ、発根率、芯立ち率の優れた苗木を得ることができる、ヒノキ科樹木の苗木の生産方法を提供することができる。
図1は、萌芽枝を発生させるヒノキ科樹木の模式図である。 図2は、ヒノキ科樹木をブリッジ状にした状態を示す模式図である。 図3は、ブリッジ状にしたヒノキ科樹木から萌芽枝を発生させた状態を示す模式図である。 図4は、採穂した萌芽枝を育苗して苗木を生産している状態を示す模式図である。 図5は、ヒノキ科樹木の主軸を切った状態を示す模式図である。 図6は、主軸を切った状態で地際から萌芽枝を発生させた状態を示す模式図である。
[1.ヒノキ科樹木の苗木の生産方法]
本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法は、幼若性のヒノキ科樹木の主軸をブリッジ状にすること、ブリッジ状にした主軸から萌芽枝を発生させること、及び主軸から発生した萌芽枝を採穂して挿し穂を得ること、を有する。また、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法は、さらに、挿し穂を挿し床に挿して発根培養した後、育苗すること、を有することが好ましい。
幼若性のヒノキ科樹木は、採穂母樹(以下、幼若性のヒノキ科樹木を単に「採穂母樹」とも記載する)である。ヒノキ科樹木としては、ヒノキ属(ヒノキ、サワラ等)、スギ属(スギ)、コウヨウザン属(コウヨウザン)等が挙げられる。中でも、外来樹であるコウヨウザン属が好ましい。
以下、図面を参照しつつ、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
図1は、萌芽枝を発生させるヒノキ科樹木の模式図である。図1に示すように、挿し木増殖を利用して苗木を生産するための挿し穂を得るために、幼若性のヒノキ科樹木1を準備する。幼若性のヒノキ科樹木1は、土壌を含むポット・鉢等の容器3に準備する。なお、幼若性のヒノキ科樹木1の主軸には、複数の葉2が存在する。そして、複数の葉2の付け根には、芽が存在する。図1に示すような通常の状態で生育すると、複数の葉2の付け根に存在する芽は、頂芽優勢により生長が抑制されており、萌芽枝は発生し難い。
幼若性のヒノキ科樹木1は、実生から生育したものでもよく、挿し木から生育したものでもよい。但し、複数回の挿し木増殖が認められていない樹種である場合、実生から生育したものである必要がある。
ヒノキ科樹木1は、ブリッジ状にする。そのため、ヒノキ科樹木1は、主軸(主茎)が木質化する前に、人の手等で折れることなく曲げることが肝要である。それゆえ、幼若性である必要がある。幼若性の定義は、樹種に応じて異なる。例えば、ヒノキ科樹木1がコウヨウザン属である場合、播種後5年(樹齢5年生)以下をいい、播種後3年(樹齢3年生)以下であることが好ましい。
実生から採穂母樹を生育する際の条件は、樹種に応じて異なる。以下にヒノキ科樹木1がコウヨウザン属である場合を例示する。実生から採穂母樹を生育する際、通常、施肥を行う。施肥を行う場合、肥料は特に限定されず、速効性肥料若しくは緩効性肥料でも構わない。なお、肥料は、無機肥料又は有機肥料が好ましく、化成肥料がより好ましい。
肥料に含まれる成分は特に限定されないが、例えば、無機成分、銀イオン、抗酸化剤、炭素源、ビタミン類、アミノ酸類、植物ホルモン類等の植物の栄養素の供給源となり得る成分が挙げられる。
肥料の形態も特に限定されない。例えば、固形物(粉剤、粒剤等)、液体(液肥等)のいずれでもよい。
無機成分としては、例えば、窒素、リン、カリウム、硫黄、カルシウム、マグネシウム、鉄、マンガン、亜鉛、ホウ素、モリブデン、塩素、ヨウ素、コバルト等の元素や、これらを含む無機塩が挙げられる。該無機塩としては、例えば、硝酸カリウム、硝酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸ナトリウム、リン酸1水素カリウム、リン酸2水素ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硫酸マグネシウム、硫酸第1鉄、硫酸第2鉄、硫酸マンガン、硫酸亜鉛、硫酸銅、硫酸ナトリウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、ホウ酸、三酸化モリブデン、モリブデン酸ナトリウム、ヨウ化カリウム、塩化コバルト等やこれらの水和物が挙げられる。
抗酸化剤としては、例えば、アスコルビン酸、亜硫酸塩が挙げられる。アスコルビン酸は、培地への残留性が低いため、環境汚染を抑制できる。そのため、抗酸化剤としては、アスコルビン酸が好ましい。
炭素源としては、例えば、ショ糖等の炭水化物とその誘導体;脂肪酸等の有機酸;エタノール等の1級アルコール等の化合物が挙げられる。
ビタミン類としては、例えば、ビオチン、チアミン(ビタミンB1)、ピリドキシン(ビタミンB4)、ピリドキサール、ピリドキサミン、パントテン酸カルシウム、イノシトール、ニコチン酸、ニコチン酸アミド、及びリボフラビン(ビタミンB2)が挙げられる。
アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、グルタミン酸、システイン、フェニルアラニン、及びリジンが挙げられる。
施肥方法は、特に限定されず、用いる肥料に適した施肥条件とすればよい。例えば、採穂母樹の支持体及び/又は採穂母樹に肥料を適量散布、塗布、噴霧する方法が挙げられる。施肥の回数は、採穂予定日より前1年間(前年に採穂を行った場合、通常は、前年の採穂から採穂予定日までの間)に少なくとも1回行い、2回以上行うことが好ましい。施肥方法は、施肥の回数ごとに異なってもよいし、同じでもよい。
採穂母樹の生育における支持体は、通常植物の生育に用いられるものであればよい。例えば、砂、土(例、赤玉土、鹿沼土)等の自然土壌が挙げられる。支持体の別の例としては、籾殻燻炭、ココナッツ繊維、バーミキュライト、パーライト、ピートモス、ガラスビーズ等の人工土壌;発泡フェノール樹脂、ロックウール等の多孔性成形品;固化剤(例、寒天又はゲランガム)が挙げられる。支持体の別の例から選ばれる少なくとも一種を自然土壌に換えて、又は自然土壌と共に用いてもよい。支持体は容器に格納されていてもよい。容器としては、従来慣用の容器を用いればよい。
採穂母樹の生育のためのその他の条件(例、温度、湿度、光)は、樹種によって適宜設定できる。例えば、自然条件でもよいし、人為的に制御してもよい。温度の制御条件としては、例えば、日中温度15~35℃(好ましくは20~35℃)、夜間温度5~25℃(好ましくは10~25℃)が挙げられる。生育場所も特に限定されず、閉鎖空間(例、ビニールハウス内、人工太陽光室内、温室内、屋内)及び解放空間(例、屋外)のいずれでもよい。必要に応じて、生長を促進するための処理(例えば、根切り)を施してもよい。
図2は、ヒノキ科樹木をブリッジ状にした状態を示す模式図である。準備した幼若性のヒノキ科樹木1を、図2に示すようにブリッジ状にする。ヒノキ科樹木1の主軸の上端部は、地際と同じ水平面l上、或いは地際より下方の位置で固定することが好ましい。ヒノキ科樹木1をブリッジ状にして生育すると、頂芽優勢が打破されて、複数の葉の付け根に存在する芽から萌芽枝が発生するようになる。なお、主軸の先端1cm程度は切り落とすことが好ましい。
ヒノキ科樹木1の主軸の上端部を固定する固定部材5は、特に限定されるものではなく、ポール等が挙げられる。また、固定部材5にヒノキ科樹木1の主軸の上端部を固定する固定具4も特に限定されるものではなく、クリップ、紐、ゴム、結束バンド等が挙げられる。
図3は、ブリッジ状にしたヒノキ科樹木1から萌芽枝11を発生させた状態を示す模式図である。図2の状態で生育すると、図3に示すように、ヒノキ科樹木1の主軸に存在する複数の葉2の根元の芽から萌芽枝11が発生する。ここで、萌芽枝は図3に示すように複数発生する。
ブリッジ状にしたヒノキ科樹木1から萌芽枝11を発生させる際の条件は、樹種に応じて異なる。例えば、採穂母樹の生育のための条件が挙げられる。なお、ブリッジ状にしたヒノキ科樹木1から萌芽枝11を発生させる際の条件は、採穂母樹の生育のための条件と同一であってもよく、一部変更してもよい。
ヒノキ科樹木1の主軸から発生した萌芽枝11が生長した後、採穂して挿し穂を得る。上記した通り、萌芽枝は複数存在するので、挿し穂も複数得られる。この際、採穂するサイズに応じて1の萌芽枝から、複数の挿し穂を得ることができる。よって、挿し穂は、萌芽枝の数と挿し穂のサイズに応じて多数得られので、林業として利用するのに十分な量を確保し得る。
採穂する挿し穂のサイズは、20cm以下が好ましく、15cm以下がより好ましく、10cm以下がさらに好ましい。下限は、特に限定されないが、通常1cm以上であり、2cm以上が好ましく、3cm以上がより好ましく、4cm以上がさらに好ましく、5cm以上がさらにより好ましい。
本発明においては、サイズの小さい挿し穂であっても、良好な発根率を発揮することができる。挿し穂の基部(支持体に挿し付ける側、例えば、基部先端から3cm程度)の葉は、はさみ等の切断器具で切断しておいてもよい。
採穂予定日は、特に限定されない。ヒノキ科樹木がコウヨウザン属である場合は、2月~10月が好ましく、3月~9月がより好ましい。採穂母樹を実生で生産する場合、上記の範囲内に採穂予定日を設定することがさらに好ましい。実際の採穂日は、採穂予定日の前後10日間の間の日であればよく、採穂予定日当日が好ましい。
本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法は、挿し穂を得た後、採穂母樹のブリッジの向きを変えて生育することが好ましい。ブリッジの向きを変えて生育すると、複数の葉の付け根に存在する萌芽枝が発生しなかった芽の中で、新たに上向きとなった芽の頂芽優勢が打破されて、萌芽枝を発生し得る。そのため、1本の採穂母樹から複数回萌芽枝を発生させて、林業として利用し得る挿し穂をさらに確保し得る。
図4は、採穂した萌芽枝を育苗して苗木を生産している状態を示す模式図である。図4に示すように、採穂した萌芽枝11を挿し穂として挿し床13に挿して発根培養した後、育苗することで、ヒノキ科樹木1の苗木を生産することができる。なお、図4においては、1の苗木しか図示されていないが、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法においては、得られた挿し穂の数だけ苗木を生産し得ることはいうまでもない。
挿し穂からの発根は、常法により行えばよい。例えば、支持体に挿し穂を挿し付けて発根させる方法が挙げられる。支持体は、必要に応じて用いられる添加剤を含んでいてもよい。また、培養容器に格納されてもよい。挿し付けの時期は、採穂と同時でもよいし、採穂後の適当な時期(例えば、採穂から6か月以内、5か月以内、4か月以内、3か月以内、又は2か月以内の時期)でもよい。中でも、採穂と同時が好ましい。
採穂後の適当な時期に挿し付けを行う場合、挿し付けまでの間、挿し穂を冷蔵(例えば4℃以下)することが好ましい。これにより、挿し穂の発根能力を維持することができる。
支持体は、挿し穂及び培地を支持(保持)できればよい。中でも、吸水性及び通気性を有し、添加剤を挿し穂に効率よく吸収させ得ることができる、従来慣用の支持体を用いることができる。支持体の例は、採穂母樹の育成の際に用い得る支持体の例と同様であり、好ましくは自然土壌と人工土壌の組み合わせである。自然土壌としては、赤玉土又は鹿沼土が好ましい。人工土壌としては、ピートモス、ココナッツ繊維、パーライト又はバーミキュライトが好ましい。
培地としては、例えば、植物組織培養用の公知の培地、水性溶媒(例、水)が挙げられる。中でも、水性溶媒が好ましく、水がより好ましい。植物組織培養用培地としては、例えば、MS培地、リンスマイヤースクーグ培地、ホワイト培地、ガンボーグのB-5培地、ニッチニッチ培地を挙げることができる。中でも、MS培地及びガンボーグのB-5培地が好ましい。これらの培地は、必要に応じて適宜希釈して用いることができる。
培地は、液体培地、固体培地のいずれであってもよい。但し、液体培地の方が作業効率及び移植時に根を傷つけることが少ない点で好ましい。液体培地は、培地組成を混合し調製してそのまま用い得る。固体培地は、液体培地と同様に培地組成を混合し調製すると同時に、或いは調製後に、固化剤(例、寒天、ゲランガム)で固化して使用し得る。
固化剤の添加量は、固化剤の種類、培地の組成等の条件によって適宜設定できる。寒天の培地に対する添加量は、0.5~1重量%が好ましい。ゲランガムの培地に対する添加量は、0.2~0.3重量%が好ましい。
添加剤は、挿し穂の発根の際に用いられる添加剤であればよい。例えば、肥料(例、無機成分、銀イオン、抗酸化剤、炭素源、ビタミン類、アミノ酸類、植物ホルモン類)、上記以外の発根促進剤(例、国際公開第2011/136285号、特開2012-232907号公報、特開2013-95664号公報等の文献に記載の剤)等が挙げられる。
各成分の形態は特に限定されず、固形物(例、粉剤、粒剤)、又は液体(例、液肥)のいずれでもよい。また、添加剤を構成する成分は、支持体に混合、吸収又は散布されてもよく、挿し穂の少なくとも一部に直接散布、塗布又は噴霧されてもよい。
添加剤は、それぞれを混合して又は少なくとも一部を別個に、支持体に含ませてもよいし、植物組織培養用の公知の培地又は水性溶媒(例、水)に添加して支持体に含ませてもよいし、挿し穂(好ましくは基部)に直接適用してもよい。
無機成分は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。無機成分の例は、採穂母樹の肥料の無機成分の例と同様である。中でも、無機成分は、窒素、リン、カリウム、窒素を含む無機塩、リンを含む無機塩、及びカリウムを含む無機塩から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
無機成分1種を上述の公知の培地に含ませる場合、培地中の量は、0.1μM~100mMが好ましく、1μM~100mMがより好ましい。2種以上の組み合わせの場合、それぞれの培地中の量は、0.1μM~100mMが好ましく、1μM~100mMがより好ましい。
銀イオンは、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。銀イオンとしては、例えば、チオ硫酸銀(STS、AgS)、硝酸銀等の銀化合物(銀イオン源)が挙げられる。中でも、銀イオンは、STSが好ましい。STSは培地中で、チオ硫酸銀イオンの形態を取り、マイナスに帯電していると推測される。そのため、健全な根の発根及び伸長を促進に寄与し得る。銀イオンを上述の培地に含ませる場合、銀イオン源の培地中の量は、0.5μM~6μMが好ましく、2μM~6μMがより好ましい。
抗酸化剤は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。抗酸化剤の例は、採穂母樹の肥料の抗酸化剤の例と同様である。抗酸化剤を培地中に含ませる場合、その量は、5mg/l~200mg/lが好ましく、20mg/l~100mg/lがより好ましい。
炭素源は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。炭素源の例は、採穂母樹の肥料の炭素源の例と同様である。炭素源を培地中に含ませる場合、その量は、1g/l~100g/lが好ましく、10g/l~100g/lがより好ましい。
炭酸ガスを供給して発根培養を行う場合、発根培地は炭素源を含まなくてもよく、含まないことが好ましい。ショ糖等の炭素源となりうる有機化合物は微生物の炭素源ともなるので、これらを添加した発根培地を用いる場合、無菌環境下で栽培を行う必要がある。しかしながら、炭酸ガスを供給して発根培養を行うことにより、発根培地への炭素源の添加を省略でき、非無菌環境下での栽培が可能となる。
ビタミン類は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。ビタミン類の例は、採穂母樹の肥料のビタミン類の例と同様である。
ビタミン1種を上述の培地に添加する場合、その量は、0.01mg/l~200mg/lが好ましく、0.02mg/l~100mg/lがより好ましい。2種以上の組み合わせを添加する場合、それぞれの量は、0.01mg/l~150mg/lが好ましく、0.02mg/l~100mg/lがより好ましい。
アミノ酸類は、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。アミノ酸類の例は、採穂母樹の肥料のアミノ酸の例と同様である。
アミノ酸類1種を上述の培地に添加する場合、その量は、0.1mg/l~1000mg/lが好ましい。2種以上の組み合わせを添加する場合、それぞれの培地中の量は、0.2mg/l~1000mg/lが好ましい。
植物ホルモンとしては、例えば、オーキシン及びサイトカイニン等の発根促進剤が挙げられる。植物ホルモンは、1種単独でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。中でも、オーキシン、又はオーキシンとサイトカイニンの組み合わせを含むことが好ましい。
オーキシンとしては、例えば、ナフタレン酢酸(NAA)、インドール酢酸(IAA)、p-クロロフェノキシ酢酸、2,4-ジクロロフェノキシ酢酸(2,4D)、インドール酪酸(IBA)及びこれらの誘導体等が挙げられる。オーキシンは、これらのうちの1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
サイトカイニンとしては、例えば、ベンジルアデニン(BA)、カイネチン、ゼアチン及びこれらの誘導体が挙げられる。サイトカイニンは、これらのうちの1種でもよく、2種以上の組み合わせでもよい。
植物ホルモンを1種類培地中に添加する場合、その量は0.001mg/l~10mg/lが好ましく、0.01mg/l~10mg/lがより好ましい。2種以上の組み合わせを添加する場合、それぞれの量は0.001mg/l~10mg/lが好ましく、0.01mg/l~10mg/lがより好ましい。
植物ホルモンの添加方法は、市販品の説明書に従えばよい。例えば、植物ホルモンの粉末(例えば、オーキシン)を挿し付け前に挿し穂の基部(好ましくは物理的刺激を加えた基部)に直接塗布する方法、支持体に添加する方法が挙げられる。
発根培地の添加時期は特に限定されない。例えば、発根培養の開始時、培養の途中が挙げられる。添加方法は成分の態様にもよるが、例えば、散布、湿潤、噴霧が挙げられる。
添加回数も特に限定されず、1回のみ(培養開始時)でもよいし、2回以上(培養開始時及び途中)でもよい。また、発根培地を構成する成分をまとめて添加してもよいし、それぞれ別個に添加してもよいし、途中で適宜交換又は補充してもよい。
培養容器に支持体を格納することにより、発根後の挿し穂の育苗を円滑に行うことができる。培養容器は、通水口(網、細孔)を有することが好ましい。これにより、底面灌水に用いることができる。例えば、コンテナ(例、特開2017-079706号公報に記載されたコンテナ、マルチキャビティコンテナ(JFA-150、JFA-300)等)、セルトレー、育苗ポット、プランター、およびバット(底面または側面に網状の開口部を有する箱型容器)が挙げられる。1つの容器に挿し穂1株ずつ植え付けるタイプの培養容器でもよいし、1つの容器に2株以上の挿し穂を植え付けるタイプの培養容器でもよい。培養容器の材質は特に限定はなく、例えば、樹脂、ガラス、木材が挙げられる。
挿し穂の支持体への挿し付けは、支持体の種類、環境、挿し穂の種類等の条件により適宜選択すればよい。例えば、挿し穂の基部を含む一部(例えば基部から1cm~5cm)を支持体に挿し付ける方法が挙げられる。
挿し穂の基部とは、挿し穂の一端であって根が形成される領域(葉の形成される端部に対し反対側)を意味する。多芽体の基部は、多芽体を分割する際の切断面を有する領域である。
挿し付ける際、挿し穂への物理的刺激を加えて(例、基部に傷をつける)もよい。これにより、発根率を向上させることができる。基部につける傷のサイズ(例、大きさ、形状)は、特に限定されない。例えば、挿し穂である多芽体の基部(上述の切断面)に十字型の傷を付けることができる。傷を付ける際の器具としては例えば、ハサミ、ナイフが挙げられる。挿し穂の基部のうち支持体に挿し付ける部分の葉は、切除しておくことが好ましい。
発根の際の灌水方法としては、例えば、頭上灌水及び底面灌水のいずれでもよい。中でも、底面灌水が好ましい。底面灌水の方法としては、例えば、挿し穂が挿し付けられた支持体を格納している培養容器(通水口を具備)を水に浸漬する方法が挙げられる。
灌水量は、挿し穂が実質的に湿潤すればよく、特に限定されない。発根培養工程においては、吸水性部材を介して挿し穂に灌水してもよい。すなわち、吸水性部材に給水し、水分が、培地と吸水性部材とが接する部分を介して挿し穂に供給される。吸水性部材への給水は、培地が湿潤するように行うこと、及び/又は、吸水性部材が均一に吸水する状態となるように行うことが、好ましい。これにより、培地の水分環境を適度、一定且つ均一に保持することができる。灌水作業は、手灌水および自動灌水装置のいずれで行ってもよい。
挿し穂を発根させるための発根培養期間は、樹種によっても異なる。但し、少なくとも発根が観察されるまで続ければよく、根が充実するまで続けることが好ましい。通常は2週間~10ヶ月であり、4週間~8ヶ月が好ましく、1ヶ月~6ヶ月がより好ましい。
前述以外の発根のための条件(例、温度、光、炭酸ガス濃度、湿度)は、挿し穂の樹種、部位、サイズ、添加剤の種類等により適宜決定し得る。例えば、コウヨウザン属である場合は以下の通りである。
温度は、23~28℃であることがより好ましい。
挿し穂に照射する光は、自然光でもよいし、光強度が人為的に調整された光でもよい。人為的に調整する方法としては、例えば、光強度の調整、波長成分の調整、遮光が挙げられる。
光強度(光合成有効光量子束密度)は、10μmol/m/s~1000μmol/m/sが好ましく、50μmol/m/s~500μmol/m/sがより好ましい。
照射する光は、650nm~670nmの波長成分と450nm~470nmの波長成分とを含む光が好ましく、両者の割合は、好ましくは9:1~7:3、より好ましくは9:1~8:2である。
遮光を行う場合、遮光率は、30~70%が好ましく、40~60%がより好ましい。
発根の際の炭酸ガス濃度は、通常、300~2000ppm、好ましくは800~1500ppmである。炭酸ガス濃度は、二酸化炭素透過性の膜を備えた培養容器を用いることにより、膜内の二酸化炭素濃度を上記範囲に調節する(例えば、人工気象器などの設備内に載置)ことが挙げられる。
湿度は、60%以上が好ましく、80%以上がより好ましい。これにより、植物からの発根を促進できる。上限は特に制限はない。
培養容器はビニールハウス内に設置することが好ましい。これにより湿度、温度等の条件の制御が容易となり得る。
本発明においては、挿し穂を発根させた後、育苗する。育苗は、培養容器から育苗容器、苗畑(用土:例えば前述の自然土壌)等に移植して行ってもよいし、培養容器中でそのまま行ってもよい。
施肥方法は特に限定されず、用いる肥料に適した施肥条件(施肥間隔、施肥量、施肥方法)とすればよい。肥料成分の例は採穂母樹に与える肥料の例と同じである。
育苗のための条件(例、温度、湿度、光照射、灌水条件)は、適宜決定することができる。発根培養の際と同じ条件としてもよいし、異なる条件としてもよい。苗がある程度まで大きくなった時点で(例えば、30cm以上又は35cm以上)、植林等の目的に用いる苗を得ることができる。
本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法の利点は、以下の通りである。図3に示すように、1つのヒノキ科樹木1の主軸から、複数の萌芽枝11を発生することができる。そして、発生した複数の萌芽枝11は、全て挿し穂として利用することができる。そのため、1つのヒノキ科樹木1の主軸から複数の挿し穂を準備することができ、林業に使用する苗木の量を十分確保し得る。
これに対して、従来公知の方法では、林業に使用するのに十分な量の苗木を確保し難いという課題が存在することを、図面を用いつつ説明する。
上記した通り、樹冠部の芯立ちした枝、枝性の枝、樹冠部の枝を切断した後に発生する萌芽枝を挿し穂に用いると、苗木が曲がりやすいことが知られている。そのため、地際から発生した萌芽枝を挿し穂に用いる必要がある。
地際から発生した萌芽枝を挿し穂に用いる従来の方法でも、最初に幼若性のヒノキ科樹木1を準備する。ヒノキ科樹木1の準備については、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法で、上記したことと同じことがいえる。
図5は、ヒノキ科樹木1の主軸を切った状態を示す模式図である。地際から発生した萌芽枝を挿し穂に用いて苗木を生産する場合、茎をブリッジ状にするのではなく、主軸を適切な長さmで切断する。切断は、枝切りはさみ、ニッパー等の公知の道具を用いて行うことができる。
なお、適切な長さmは、樹種に応じて異なる。ヒノキ科樹木1がコウヨウザン属である場合、その大きさが10~30cmとなることをいう。
図6は、主軸を切った状態で地際から複数の萌芽枝21を発生させた状態を示す模式図である。図5の状態で生育すると、図6に示すように、地際から複数の萌芽枝21が発生する。なお、この際、ヒノキ科樹木1の主軸に存在する複数の葉2の根元の芽からも複数の萌芽枝31が発生する。
主軸を切った状態でヒノキ科樹木1を生育する際の条件は適宜設定できる。例えば、自然条件でも良いし、人為的に制限してもよい。温度の制御条件としては、例えば、日中温度15~35℃(好ましくは20~35℃)、夜間温度5~20℃(好ましくは10~20℃)が挙げられる。生育場所についても特に限定されず、閉鎖空間(例、ビニールハウス内、人工太陽光室、温室内、屋内)及び開放空間(例、屋外)のいずれでも良い。
従来の方法であると、地際から発生する萌芽枝21と、茎の複数の葉2の根元の芽から発生する萌芽枝31が取れる。しかしながら、茎の複数の葉2の根元の芽から発生する萌芽枝31を挿し穂に用いると、苗木が曲がる場合がある。
従って、地際から発生する萌芽枝21を利用する必要がある。しかしながら、地際から発生する萌芽枝21は、その数が限られており、林業に使用するのに十分な量の苗木を確保し難い。
[2.ヒノキ科樹木の生産方法]
本発明のヒノキ科樹木の生産方法は、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法により生産した苗木を用いて育林する工程を有する。
上記した通り、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法によれば、1つの主軸から複数の挿し穂(萌芽枝)が得られるので、多量の苗木を生産することができる。即ち、林業として利用するのに十分な量の苗木を確保し得る。加えて、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法により生産した苗木は、育苗の過程で芯立ちしやすい。そのため、当該苗木を用いてヒノキ科樹木を生産すると、建築材に適したヒノキ科樹木を多量に生産し得る。
従って、本発明のヒノキ科樹木の生産方法は、早生樹を育林して採穂回数を増加することにより、収益性を高める新たな林業として期待し得る。
苗木を育林する工程は、特に限定されるものではない。ある程度生長した苗木を育林地に運んで植える等が挙げられる。育林地は、樹種に応じて適宜変更し得る。なお、苗木を植える際、野ウサギ等の食害を防止する観点から、ツリーシェルター等を利用してもよい。
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。以下の実施例は、本発明を好適に説明するためのものであって、本発明を限定するものではない。
[発根率]:挿し穂を調製した挿し床に挿しつけて、通常のガラス温室内で2か月生育した後、セルトレー内から掘り起こし、発根した挿し穂数を挿し床に挿しつけた挿し穂の数で割ることで算出した。
[芯立ち率]:発根培養した挿し穂をコンテナに移植後、通常のガラス温室内で育苗した。1か月が経過した時点で芯立ちしていることを確認した数を、育苗した数で割ることで算出した。
(実施例1:主軸伏せ)
コウヨウザンの播種後2年目(樹齢2年生)実生苗の鉢植えについて、2018年6月18日に主軸の先端1cm程度を切り落とし、主軸を伏せて採穂母樹とした。ここで、「主軸を伏せる」とは、コウヨウザンの主軸を地面と水平の向きにブリッジ状に曲げ、主軸の先端が鉢植えの土表面よりも下の位置にくるように固定することをいう。主軸を伏せてから2か月が経過した時点で、主軸から発生した萌芽枝を62本採取し、下部2~3cm程度の範囲の葉を除去して62本の挿し穂を得た。
培養容器としてセルトレーを用いた。赤玉小粒土(簗島商事社製)とピートモス(トーホー社製)を1対1に混合し、セルトレーに充填して挿し床を調製した。上記で得た62本の挿し穂の基部にルートン(登録商標)(石原バイオサイエンス社製、植物ホルモンNAAを含む白色粉末、NAAの濃度は0.4%)の粉末を5~10mg塗布した後、該挿し穂を基部から1.5~2.5cmのところまで挿し床に挿しつけて発根培養を行った。発根培養は、通常のガラス温室内で8月から10月まで行った。2か月後、セルトレー内から掘り起こし、発根率の評価を行った。発根培養した挿し穂(59本)を容量300ccのコンテナに移植した。コンテナに移植後、通常のガラス温室内で育苗したところ、芯立ちした苗木は、53本であった。
表1に、萌芽枝数、発根率、芯立ちした苗木数、芯立ち率の評価結果を記す。
(比較例1:主軸切り戻し)
コウヨウザンの播種後2年目(樹齢2年生)実生苗の鉢植えについて、2018年6月18日に主軸を地際から5cm程度で切り戻して採穂母樹とした。主軸を地際から5cm程度で切り戻しから2か月が経過した時点で、地際から発生した33本の萌芽枝を採取し、33本の挿し穂を得た。
得られた33本の挿し穂を実施例1と同様にして調製した挿し床に挿しつけて発根培養を行った。発根培養は、通常のガラス温室内で8月から10月まで行った。2か月後、セルトレー内から掘り起こし、発根率の評価を行った。発根培養した挿し穂(31本)を容量300ccのコンテナに移植した。コンテナに移植後、通常のガラス温室内で育苗したところ、芯立ちした苗木は、30本であった。
表1に、萌芽枝数、発根率、芯立ちした苗木数、芯立ち率の評価結果を記す。
(比較例2:無処理)
コウヨウザンの実生苗の鉢植えについて、自然に地際から発生した、10本の挿し穂を得た。
得られた10本の挿し穂を実施例1と同様にして調製した挿し床に挿しつけて発根培養を行った。発根培養は、通常のガラス温室内で8月から10月まで行った。2か月後、セルトレー内から掘り起こし、発根率の評価を行った。発根培養した挿し穂(9本)を容量300ccのコンテナに移植した。コンテナに移植後、通常のガラス温室内で育苗したところ、芯立ちした苗木は、8本であった。
表1に、萌芽枝数、発根率、芯立ちした苗木数、芯立ち率の評価結果を記す。
実施例1及び比較例1~2の処理方法、萌芽枝数、発根率、芯立ちした苗木数、及び芯立ち率を表1に記す。
Figure 0007161421000001
表1からわかるように、本発明のヒノキ科樹木の苗木の生産方法によれば、従来の方法と比べて苗木の生産量を向上し、かつ、発根率、芯立ち率の優れた苗木を得ることができる。
1、11、21、31:ヒノキ科樹木、2、12、22、32:葉、3、13:容器、4:固定具、5、固定部材、l:水平面、m:長さ。

Claims (6)

  1. 幼若相のヒノキ科樹木の主軸をブリッジ状にすること、
    ブリッジ状にした前記主軸から萌芽枝を発生させること、及び
    前記主軸から発生した前記萌芽枝を採穂して挿し穂を得ること、を有するヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
  2. さらに、前記挿し穂を挿し床に挿して発根培養した後、育苗すること、を有する請求項1に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
  3. 前記主軸の上端部を、地際と同じ水平面上、或いは地際より下方の位置で固定して、前記ブリッジ状にする請求項1又は2に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
  4. 前記ヒノキ科樹木が、コウヨウザン属植物である請求項1~3のいずれか1項に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
  5. 前記幼若相のヒノキ科樹木が、播種後3年以下である請求項1~4のいずれか1項に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法。
  6. 請求項1~5のいずれか1項に記載のヒノキ科樹木の苗木の生産方法により生産した苗木を用いて育林すること、を有するヒノキ科樹木の生産方法。
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