JP7292084B2 - 貯湯式給湯システム - Google Patents

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本発明は、浴槽への湯張り及び追焚きを行う貯湯式給湯システムに関する。
貯湯式給湯システムは、負荷の発生に対して湯切れの生じることのないように、事前に沸上げ手段により生成された湯水をタンクに溜めておき、当該タンクの湯を用いて負荷を賄うシステムである。また、貯湯式給湯システムは、タンク内の湯を浴槽に導いて湯を張る湯張りと、タンク内の高温の湯を浴槽の冷めた湯と熱交換して昇温させる追焚きとを行う。そして、貯湯式給湯システムは、湯張り及び追焚きの熱負荷に対しても熱量不足とならないように、事前に沸上げ手段によりタンクに熱を溜めておくシステムである。
この種の湯張り及び追焚きを行う貯湯式給湯システムとして、例えば特許文献1がある。特許文献1では、過去の湯の使用実績に基づく学習結果に基づいて、一日の湯の使用量が多いか否かを判断するようにしている。そして、一日の湯の使用量が多いと判断した場合、電気料金が昼間よりも安価な夜間の夜間沸上げ時の沸上げ温度を高くし、一日の湯の使用量が少ないと判断した場合、沸上げ温度を低くしている。
特開2006-23064号公報
特許文献1では、一日の湯の使用量が多いか否かを判断しているが、具体的にどのように判断しているのか明かにされていない。一日の湯の使用量を、予め設定された設定使用量と比較して判断しているとするならば、設定使用量の設定が適切でないと、追焚き時に湯切れが生じる可能性がある。
また、貯湯式給湯システムでは、消費電力の低減を図ることが重要課題とされており、更なる改善が求められている。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、夜間沸上げを適切に行って追焚き時の湯切れを抑制すると共に、消費電力の低減を図ることが可能な貯湯式給湯システムを提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式給湯システムは、タンクに溜めた湯の浴槽内への湯張りと、浴槽の浴槽水の追焚きとを行う貯湯式給湯システムであって、水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、湯をタンク内へ貯留する沸上げ回路と、制御手段とを備え、制御手段は、予め設定された設定時刻から湯張りまでの間の追焚き負荷を学習する機能を備え、沸上げ回路を用いて夜間に行う夜間沸上げを行ってから湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、を予測し、予測結果に基づいて、夜間沸上げ時における沸上げ温度を決定するものであり、夜間沸上げにおいて、追焚き負荷の学習結果が予め設定した設定負荷以下であれば、時間帯に追焚きは行われないと予測するものである。
本発明によれば、夜間沸上げを行ってから湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、を予測した結果に基づいて、夜間沸上げ時における沸上げ温度を決定する。このように、追焚きの発生状況の予測に応じて沸上げ温度を決定することで、追焚き時の湯切れを抑制できる。また、沸上げ温度を一定にする場合よりも、追焚きの発生状況の予測に応じて沸上げ温度が決定することで、沸上げ温度を適切に設定でき、消費電力の低減が可能となる。
実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの構成図である。 実施の形態1に係る各貯湯式給湯システム内の信号の流れを表すブロック図である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの使用状況のタイムチャートの一例である。 実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの動作を示すフローチャートである。 実施の形態2に係る貯湯式給湯システムにおける沸上げ動作を示すフローチャートである。
実施の形態1.
実施の形態1に係る構成、動作及び効果について図1、図2、図3及び図4を用いて説明する。
≪機器構成≫
図1は、実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの構成図である。
本実施の形態1における貯湯式給湯システムは、縦長のタンク1、沸上げ手段2、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、中高温混合弁42、熱交換回路切替弁43及び追焚き熱交換器5を備えている。貯湯式給湯システムは更に、沸上げ往き配管301aと、沸上げ戻り配管301bと、給水配管302と、高温導出配管303と、中間導出配管303bと、温調配管304及び湯栓配管305を備えている。貯湯式給湯システムは更に、浴槽往き配管306a、浴槽戻り配管306b、追焚き往き配管307a、追焚き戻り配管307b、排熱回収用配管307c及び制御手段100等を備えている。
タンク1には、湯水が溜められる。沸上げ手段2は、タンク1内の水を沸上げる。この沸上げ手段2は、例えばヒートポンプを用いて構成される。また沸上げ手段2は例えばインバータ制御等を用いて沸上げ能力を可変に設定できるように構成される。またヒートポンプに用いられる冷媒は、高温出湯に適したCOでもよいが、本実施の形態1に特徴的な運転において運転効率を高めるために、冷媒の超臨界状態を用いない冷媒、例えば一般的なフロン系冷媒、プロパン又はイソブタン等の冷媒でもよい。
湯栓温調弁41は、タンク1内の温水と、例えば市水等の冷水とを混合し、シャワー等の湯栓から直接放出する給湯負荷に供給する湯の温度を調節する。中高温混合弁42は、タンク上部及び中間部の一方からの水、又は、混合した水を、湯栓温調弁41の高温側ポートに送る。追焚き熱交換器5は、浴槽6内の浴槽水を加熱する追焚きのときにタンク上部の高温水と浴槽6の湯を熱交換する。浴槽6には、入浴用の例えば約40℃の湯が溜められる。熱交換回路切替弁43は、タンク1から追焚き熱交換器5に送る水のタンク1からの出口をタンク1の上部又は下部に切り替える。
沸上げ往き配管301aは、タンク下部の水を沸上げ手段2に導く。沸上げ戻り配管301bは、沸上げ手段2で沸上げた湯をタンク上部に導く。沸上げ往き配管301a及び沸上げ戻り配管301bは、沸上げ手段2及び沸上げポンプ31と共に、水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、湯をタンク1内へ貯留する沸上げ回路20を構成している。
給水配管302は、タンク下部に市水等の冷水を導く。高温導出配管303は、タンク上部から高温水を導出して中高温混合弁42に導く。中間導出配管303bは、タンク1の中間部から温水を導出して中高温混合弁42に導く。温調配管304は、給水配管302から分岐して湯栓温調弁41に低温水を導く。湯栓配管305は、湯栓温調弁41にて温調された湯を、使用される湯栓に導く。
浴槽戻り配管306bは、浴槽6内の水を追焚き熱交換器5に導く。浴槽往き配管306aは、追焚き熱交換器5で昇温された湯を浴槽6に導く。追焚き往き配管307aは、タンク上部の高温水を追焚き熱交換器5に導く。追焚き戻り配管307bは、追焚き熱交換器5で浴槽6からの水と熱交換して冷めた湯をタンク1の中間導出配管303bより高い位置に導く。
排熱回収用配管307cは、浴槽6の排熱をタンク1に回収する際に、タンク下部から低温水を導出して熱交換回路切替弁43に導く。排熱回収用配管307cは、熱交換回路切替弁43と共に、浴槽6の排熱をタンク1内に回収する排熱回収回路30を構成している。
沸上げポンプ31は、比較的低温な沸上げ往き配管301aの途中に接続される。追焚きポンプ32は、比較的低温な追焚き戻り配管307bの途中に接続される。浴槽ポンプ33は、比較的低温な浴槽戻り配管306bの途中に接続される。
制御手段100は、沸上げ手段2、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41及び中高温混合弁42、の動作を制御する。
また、タンク1には、高さ方向に間隔をおいて、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501fが設けられる。なお、ここでは、貯湯温度センサの個数が6個の場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、タンク1の内部の温度分布を測るのに充分な数の温度センサを設けるようにしてもよい。沸上げ戻り配管301bには、沸上げ手段2にて沸上げた水の温度を検出する沸上げ温度センサ502が設けられる。給水配管302には、給水温度を検出するための給水温度センサ504が設けられる。タンク上部には、タンク上部から導出される高温水の温度を検出する上部導出温度センサ503aが設けられる。
給湯用中間導出部には、タンク中間部から給湯用に導出される温水の温度を検出する中間導出温度センサ503bが設けられる。湯栓配管305には、湯栓に供給される湯温を検出する湯栓温度センサ505が設けられる。浴槽往き配管306aは、追焚き熱交換器5から浴槽6に流れ込む浴槽往き温度を検出する浴槽往き温度センサ506aが設けられる。浴槽戻り配管306bには、浴槽6から追焚き熱交換器5に流れ込む浴槽戻り温度を検出する浴槽戻り温度センサ506bが設けられる。なお、浴槽戻り温度センサ506bは、定期的に浴槽ポンプ33を運転させることにより、浴槽6内の浴槽水を浴槽戻り配管306bに通過させて浴槽温度を検出する手段として利用してもよい。
追焚き戻り配管307bには、追焚き熱交換器5からタンク1に戻る湯の温度を検出する追焚き戻り温度センサ507が設けられる。湯栓配管305には、負荷側で使用される湯量を検出する湯栓流量センサ601が設けられる。
図2は、実施の形態1に係る各貯湯式給湯システム内の信号の流れを表すブロック図である。
図2に示すように、制御手段100は、目標温度設定手段101、ポンプ制御手段102、弁制御手段103、沸上げ制御手段104、蓄熱量算出手段105、及び、必要熱量予測手段106等を有する。
制御手段100には、時刻検出手段であるタイマー、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501f、沸上げ温度センサ502、上部導出温度センサ503a、中間導出温度センサ503b、給水温度センサ504、湯栓温度センサ505、浴槽戻り温度センサ506b、追焚き戻り温度センサ507、及び、湯栓流量センサ601からの情報が入力される。この制御手段100は、入力されたこれらの情報に基づいて、沸上げ手段2、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、中高温混合弁42及び熱交換回路切替弁43を制御する。
制御手段100は、貯湯式給湯システム全体を統括制御するものであり、例えば、マイクロプロセッサユニット等で構成される。なお、制御手段100の構成については、これに限定するものではない。例えば、制御手段100は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよい。また、制御手段100は、プログラムモジュールであって、図示しないCPU等からの指令により、実行されるものであってもよい。
目標温度設定手段101は、主にユーザーによるマニュアル操作にて、湯栓からの給湯にてシャワー又は浴槽6に供給する湯の温度及び浴槽6を温調する際の目標浴槽温度を設定する。
ポンプ制御手段102は、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32及び浴槽ポンプ33、の回転数を制御し、ポンプ循環量を調節する。
弁制御手段103は、目標温度設定手段101で設定された目標温度に基づいて、湯栓温調弁41から流出する湯が目標温度に近づくように湯栓温調弁41の動作を制御する。また弁制御手段103は、中高温混合弁42から湯栓温調弁41の高温側ポートに送る水温が給湯用目標温度以上となるように、中高温混合弁42の動作を制御する。
沸上げ制御手段104は、予測される追焚き用必要熱量に対してタンク1内の蓄熱量が不足しないように沸上げ手段2の運転を制御する。
蓄熱量算出手段105は、給湯に有効な蓄熱量の算出と、追焚きに有効な蓄熱量の算出とを行う。以下、それぞれの算出について順に説明する。
[給湯に有効な蓄熱量の算出]
蓄熱量算出手段105は、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501fの情報に基づいてタンク1内の湯の有する蓄熱量の内で、給湯に有効な蓄熱量を算出する。給湯においては、タンク1内の湯の有する熱エネルギーを、混合によって市水に与える。このため、給湯に有効な熱エネルギーのゼロ点は、市水の給水温度である。ここで、ゼロ点とは、給湯エネルギー基準温度である。したがって、給水温度を熱エネルギーのゼロ点としてタンク容積に関して積分することにより、給湯に有効な蓄熱量が算出される。また、例えば給湯に有効な所定の温度である例えば45℃以上の湯の領域に関してのみ積分して、給湯に有効な蓄熱量を算出してもよい。また、給湯に用いる湯を、給湯用中間導出部より下の領域から主に導出する場合、給湯用中間導出部より下の領域にて給湯に有効な蓄熱量を算出してもよい。
[追焚きに有効な蓄熱量の算出]
蓄熱量算出手段105は、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501fの情報、及び、目標温度設定手段101で設定された目標温度に基づいて、タンク1内の湯の有する蓄熱量の内で、追焚きに有効な蓄熱量を算出する。
追焚きにおいて追焚き熱交換器5に送られた高温水は、追焚き熱交換器5にて浴槽系統に熱を供給して温度が低下し、追焚き戻り配管307bからタンク1に戻される。したがって、タンク1内の湯の有する熱エネルギーの内、追焚きにおいて有効に利用される熱エネルギーは、貯湯温度から追焚き戻り温度を減算した部分である。つまり、追焚き戻り温度センサ507で検出された追焚き戻り温度を、熱エネルギーの基準温度としてタンク容積に関して積分することにより、追焚きに有効な蓄熱量が求められる。なお、ここでは、タンク容積に関して積分するとしたが、給湯用中間導出部より上の領域の容積に関して積分するようにしてもよい。
また、追焚き戻り温度は、追焚き戻り温度センサ507で検出するとしたが、追焚き戻り温度センサ507を設けずに、導出温度、浴槽戻り温度、追焚きポンプ回転数、又は、浴槽ポンプ回転数等から推定してもよい。例えば、目標温度設定手段101からの情報と、浴槽戻り温度センサ506bの情報とに基づいて追焚き戻り温度を予測してもよい。他に例えば、浴槽温度を目標浴槽温度で一定と仮定し、その浴槽温度に、追焚き熱交換器5の性能に依存した設定値を加えた温度を追焚き戻り温度としてもよい。また、浴槽温度を、現在の浴槽温度と目標浴槽温度との平均値で一定と仮定し、その浴槽温度に、追焚き熱交換器5の性能に依存した設定値を加えた温度を追焚き戻り温度としてもよい。
必要熱量予測手段106は、給湯負荷に対して湯切れを回避するために必要な蓄熱量(以下、湯切れ回避用必要熱量という)の予測と、追焚きに必要な蓄熱量(以下、追焚き用必要熱量という)の予測とを行う。以下、それぞれの予測方法について順に説明する。
[湯切れ回避用必要熱量の予測]
必要熱量予測手段106は、(a)ユーザーの過去の給湯負荷の実績に基づいて湯切れ回避用必要熱量を予測するか、又は、(b)所定の設計値に湯切れ回避用必要熱量を設定する。
(a)ユーザーの過去の給湯負荷実績から湯切れ回避用必要熱量を予測する場合
必要熱量予測手段106は、タイマー、湯栓温度センサ505、及び、湯栓流量センサ601からの情報に基づいて、所定の時間幅ごとの給湯負荷実績を日々学習する。所定の時間幅とは例えば6分であり、6分ごとの負荷を、1日分である240区間分、学習する。そして、必要熱量予測手段106は、学習した給湯負荷実績を用いて、本システムの沸上げ能力による後述の同時運転を考慮して、湯切れ回避用必要熱量を予測する。ここで、同時運転とは、沸上げ手段2による「沸上げ」を行っている最中に、給湯又は追焚き等のユーザーによる「熱負荷」が発生する状況を指す。
具体的には、湯切れ回避用必要熱量は、「240区間のうちのX区間からY区間までの間における合計給湯負荷」から「X区間からY区間までの間において沸上げ手段2により沸上げ可能な熱量」を減算することによって求められる。例えば、ユーザーによる集中的な湯の使用、具体的には湯張りとシャワー2回とが、第1区間から第10区間の1時間で行われたという学習結果があったとする。この場合、湯切れ回避用必要熱量は、「湯張り+シャワー2回」分の熱量Q1から、「沸上げ手段2が1時間で沸上げ可能な熱量Q2」を減算した値Q3である。つまり、湯切れを回避するためにタンク1に蓄えておく必要のある熱量は、熱量Q3である。タンク1内の熱量がQ3を下回った瞬間に、沸上げ手段2にて沸上げを開始することで、湯切れを回避できる。
また、「湯張り+シャワー2回」分の熱量Q1そのものをタンク1内に蓄えておくことでも、湯切れを回避できるため、必要熱量予測手段106は、熱量Q1そのものを湯切れ回避用必要熱量として求めてもよい。また、240区間のうち、熱量Q1が最大となる区間帯を特定し、特定された区間帯において湯切れを回避できる湯切れ回避用必要熱量として予測することで、信頼性の高いシステムを構築できる。
(b)所定の設計値に基づいて湯切れ回避用必要熱量を設定する場合
必要熱量予測手段106は、多量の給湯負荷が予測される例えば17時~23時の時間帯は、湯切れ回避用必要熱量を大きく設計し、それ以外の時間帯は小さく設計する。大きく設計する場合の湯切れ回避用必要熱量は、例えば、300Lを42℃にするための熱量とし、小さく設計する場合の湯切れ回避用必要熱量は、例えば50Lを42℃にするための熱量等とする。
[追焚き用必要熱量の予測]
必要熱量予測手段106は、(a)現在の浴槽6の温度及び湯量のうちの一方又は両方、又は、(b)ユーザーの過去の追焚き実績、に基づいて追焚き用必要熱量を予測する。
(a)現在の浴槽6の温度及び湯量のうちの一方又は両方の情報に基づいて追焚き用必要熱量を予測する場合
必要熱量予測手段106は、現在の浴槽6の温度及び湯量のうちの一方又は両方の情報に基づいて追焚き負荷を算出し、追焚き負荷そのものを追焚き用必要熱量とする。追焚き負荷は、浴槽6の温度を現時点の温度から目標浴槽温度まで上昇させるのに必要な熱量である。よって、追焚き負荷は、浴槽6の湯量に、目標浴槽温度(例えば40℃)と現時点の浴槽温度(例えば30℃)との差と、密度(例えば1kg/L)と、比熱(例えば1kcal/g℃)とを積算することで算出される。
追焚き負荷を算出する際の浴槽6の湯量には、例えば200L等の一般的な値を使用してもよいし、ユーザーによってリモコンで設定された値を使用してもよい。また、湯栓配管305に流量計を設置し、流量の積算値を浴槽6の湯量としてもよい。また本システムにおいて、例えば浴槽戻り配管306b内に圧力センサ等の水位検出手段を設け、水位から浴槽6の湯量を求めてもよい。すなわち、タンク1から浴槽6への積算流量と水位との相関を初期学習しておき、水位検出手段で検出した水位と学習結果とから浴槽6の湯量を求めてもよい。
(b)ユーザーの過去の追焚き実績から追焚き用必要熱量を予測する場合
必要熱量予測手段106は、追焚き負荷実績を日々学習する。必要熱量予測手段106は、当該学習結果の過去所定期間内の追焚き負荷の最大値又は平均値を用いて、当日予測される追焚き負荷を予測し、予測した追焚き負荷そのものを追焚き用必要熱量とする。追焚き負荷の学習では、具体的には浴槽6の湯量と、追焚きの開始時と終了時との温度差とを学習する。また、浴槽戻り配管306b或いは浴槽往き配管306aを循環する流量と、追焚き熱交換器5の浴槽6側の系統の出入り口の温度差と、を学習してもよい。浴槽戻り配管306b或いは浴槽往き配管306aを循環する流量は、流量計で直接的に算出してもよいし、追焚きポンプ32への制御信号から間接的に算出してもよい。
また、必要熱量予測手段106は、予測した追焚き負荷から、追焚き中に沸上げ手段2が沸上げ可能な熱量を減算した値を、追焚き用必要熱量としてもよい。
以上、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの機器構成を説明した。
以下、本実施の形態1における貯湯式給湯システムの動作について説明する。
≪基本的な運転動作≫
まず、貯湯式給湯システムの基本的な運転動作を図1を参照して説明する。
[沸上げ動作]
タンク1にはタンク下部から給水配管302を通じて冷水を注入して溜められる。タンク下部の水が沸上げポンプ31によって沸上げ往き配管301aを通して沸上げ手段2に送られる。沸上げ手段2は水を沸上げて、高温水を生成する。高温水は、沸上げ戻り配管301bを通じてタンク上部に戻される。
[給湯動作]
タンク1に溜められた湯水は、湯が使用される負荷側の要求に応じて、高温導出配管303及び中間導出配管303bから流出し、湯栓温調弁41の高温側ポートに送られる。湯栓温調弁41は、給水配管302から分岐させた温調配管304を通じて水を導き、タンク1から導いた湯と混合させて適温とし、湯栓配管305を通じて蛇口、シャワー、或いは浴槽6等の負荷側へ供給する。ここで、本実施の形態1では、給湯時に、タンク中間部からの給湯を優先的に行うため、湯栓温調弁41の高温側ポートには、タンク中間部の湯が優先して送られる。これは、タンク上部領域に、追焚き用の高温水を優先的に残すためである。ここで、タンク上部領域とは、タンク1の中間導出配管303bから上方の領域を指す。
[湯張り動作]
浴槽6に湯を張る湯張り動作は、基本的には湯栓出湯動作と同様である。湯張り指示があると、タンク1内に溜められた湯水が、高温導出配管303及び中間導出配管303bから流出し、湯栓温調弁41の高温側ポートに送られる。湯栓温調弁41は、浴槽往き温度センサ506aで検出される温度が、ユーザーが設定した目標浴槽温度となるように、温調配管304から導いた水とタンク1から導いた湯とを混合させる。湯栓温調弁41で温度調整された湯は、湯栓配管305を通じて浴槽6に供給される。そして、浴槽6に溜まった湯量が、ユーザーが設定した湯張り量に達した場合、ふろ給湯用電磁弁(図示せず)が閉じられて湯張り動作が終了する。
[追焚き動作]
追焚きでは、浴槽6に残る浴槽水を目標浴槽温度まで上昇させる。追焚きは、ユーザーの操作により強制的に或いは自動的に開始される。自動的に追焚きを開始する場合とは、例えば、浴槽戻り温度センサ506bによって定期的に検出される浴槽温度が、目標浴槽温度よりも所定量以上、低くなったときが該当する。
追焚きが開始されると、タンク1に溜められた湯が、追焚き往き配管307aを通って、追焚き熱交換器5に送られる。ここで、本実施の形態1では、追焚き時に、タンク上部の高温水を優先して使用する。このため、熱交換回路切替弁43がタンク上部側に切り替えられ、タンク上部の高温水が追焚き熱交換器5に送られる。またこのタイミングと概ね同時に、浴槽6に溜められた湯が、浴槽戻り配管306bを通って追焚き熱交換器5に導かれる。
追焚き熱交換器5で浴槽系統へ熱を与えて温度の低下したタンク系統の湯は、追焚き戻り配管307bを通ってタンク1に戻る。また、追焚き熱交換器5で熱を受け取って温度の上昇した浴槽系統の湯は、浴槽往き配管306aを通って浴槽6に戻る。
追焚きの終了は、ユーザーの操作により強制的にあるいは自動的に行われる。自動的に追焚きを終了する場合とは、浴槽戻り温度センサ506bによって検出される浴槽温度が、目標浴槽温度よりも所定量以上大きくなったときが該当する。
≪本実施の形態1の特徴に係る構成及び動作≫
本実施の形態1に係る貯湯式給湯システムは、ユーザーの起床後の負荷発生に対応するため、夜間に沸上げ動作を行う。夜間とは、本例では昼間よりも電気代の安い時間帯を指し具体的にはPM11時~AM7時の間の所謂深夜時間帯を指す。このように夜間に行う沸上げ動作を、以下では夜間沸上げという。夜間は、昼間よりも電気代が安いことから、従来は、夜間沸上げ時に沸上げ温度を高く設定し、夜間に集中して蓄熱を行っている。沸上げ手段2を構成するヒートポンプでは、沸上げ温度が高くなるほど、ヒートポンプ効率(以下、COPという)が低下して消費電力が増大する。このため、従来のように夜間沸上げ時の沸上げ温度を高く設定すると、消費電力が増大する。
これを踏まえ、本実施の形態1では、夜間沸上げ時に、沸上げ温度をできるだけ低くすることで、消費電力の低減を図る。ここで、本実施の形態1は、追焚きに着目し、湯張りの前に追焚きが行われるか否かの予測結果を用いて、夜間沸上げ時の沸上げ温度を設定する点に特徴がある。以下、夜間沸上げ時の沸上げ温度の設定に関する基本的な考え方について説明する。
図3は、実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの使用状況のタイムチャートの一例である。以下では、図3のタイムチャートに沿った例で説明を行う。図3は、夜間沸上げが毎日AM3時に行われる例である。なお、図3の左端のAM3時が現在、すなわち夜間沸上げを行うタイミングであり、それ以降の追焚き及び湯張り等の時間はあくまでも予測であり、説明を分かりやすくするために示したものである。
まず、追焚きには、「湯張り後の追焚き」と「湯張り前の追焚き」とがある。湯張り後の追焚きとは、例えば一人目が入浴した後、二人目が入浴する前に、浴槽6内の湯の温度を目標浴槽温度まで上昇させるために行われる追焚きである。よって、湯張り後の追焚きは、浴槽6内の浴槽水の温度が、室温に比べてある程度高い状態から行われるため、追焚き用必要熱量は少なめである。
一方、湯張り前の追焚きは、夜間沸上げを行ってから湯張りが行われるまでの時間帯に行われる追焚きである。湯張り前の追焚きは、前夜の入浴後に浴槽6内に残された浴槽水を追焚きする場合が該当し、通常は浴槽水の温度が室温付近の温度まで下がった状態から行われる。図3の例では、湯張りがPM9時に行われるとして、その日のAM8時に朝風呂に入るため、前夜に浴槽6に残った浴槽水を追焚きする場合のその追焚きが、湯張り前の追焚きに該当する。
湯張り前の追焚きは、上述したように室温付近の温度からの追焚きとなるため、湯張り後の追焚きに比べて、追焚き用必要熱量が多くなる。よって、AM8時の「湯張り前の追焚き」が行われる日のAM3時現在の夜間沸上げでは、「湯張り前の追焚き」が行われることを見越して、その分の蓄熱量を確保しておく必要がある。したがって、AM3時現在の夜間沸上げの際に、AM8時の「湯張り前の追焚き」の際に湯切れが発生しないことを目的として、沸上げ温度を高温に設定する。逆に、「湯張り前の追焚き」が行われない日のAM3時現在の夜間沸上げでは、消費電力の低減を図るため、沸上げ温度を、高温よりも低い中温に設定する。
つまり、本実施の形態1では、夜間沸上げ時に、「湯張り前の追焚き」が行われるか否かを予測し、「湯張り前の追焚き」が行われると予測される場合には、夜間沸上げ時の沸上げ温度を高温に設定する。一方、「湯張り前の追焚き」が行われないと予測される場合には、夜間沸上げ時の沸上げ温度を中温に設定する。なお、「湯張り前の追焚き」が行われるか否かを予測する方法については後述する。
ここで、高温とは、例えば65℃である。中温とは、例えば、ユーザーの設定する給湯用設定温度に、タンク1における放熱を考慮した裕度を加えた温度であり、具体的には例えば、給湯用設定温度が40℃、裕度が5℃の場合、45℃である。
図3の「湯張り後の追加沸上げ」と「湯張り前の追加沸上げ」については後述する。
図4は、実施の形態1に係る貯湯式給湯システムの動作を示すフローチャートである。
制御手段100は、予め設定された夜間沸上げタイミングとなると(ステップS1)、湯張り前の追焚きが行われるか否かを予測する(ステップS2)。制御手段100は、湯張り前の追焚きが行われると予測した場合(ステップS3でYES)、沸上げ温度を予め設定された高温に設定する(ステップS4)。制御手段100は、湯張り前の追焚きが行われないと予測した場合(ステップS3でNO)、沸上げ温度を予め設定された中温に設定する(ステップS5)。そして、制御手段100は、沸上げ温度が、設定した沸上げ温度となるように沸上げ手段2を制御して沸上げ動作を行う(ステップS6)。
夜間沸上げ動作の完了のタイミングは、沸上げ温度を中温に設定した場合は、タンク1内全体又は所定の領域の水を、中温まで上昇させたことを以て完了としてもよいし、タンク1内の蓄熱量が湯切れ回避用必要熱量に達したことを以て完了としてもよい。また、夜間沸上げ動作の完了のタイミングは、沸上げ温度を高温に設定した場合は、タンク1内全体又は所定の領域の水を、高温まで上昇させたことを以て完了としてもよいし、タンク1内の蓄熱量が追焚き用必要熱量に達したことを以て完了としてもよい。
このように、本実施の形態1では、湯張り前の追焚きが行われないと予測される場合には、夜間沸上げ時における沸上げ温度を中温にすることで、高温に一律に設定する場合に比べて消費電力の低減を図ることができる。
[湯張り前の追焚きが行われるか否かの予測方法]
湯張り前の追焚きが行われるか否かの予測には、例えば以下の(1)~(3)の方法を用いることができる。図3のタイムチャートの例で予測方法を説明する。なお、以下の例は一例であって以下の方法に限られたものではない。
(1)AM3時の夜間沸上げ時において浴槽6の水位が予め設定された設定水位以下であれば、湯張り前の追焚きが行われないと予測する。
(2)AM3時の夜間沸上げ時において浴槽6の水位が高くても、入浴目的ではなく、洗濯用水目的の可能性もある。よって、前夜の例えばPM11時等、前夜の入浴完了後と考えられる予め設定した設定時刻から、PM9時の湯張りまでの間の追焚き負荷を学習する機能を用いて、以下のようにして予測する。すなわち、AM3時の夜間沸上げ時において、過去所定期間(例えば、1週間)の学習結果が、予め設定した設定負荷以下であれば、湯張り前の追焚きは行われないと予測する。
(3)浴槽6の排熱を回収した後に再度浴槽6を追焚きすることは、省エネに反するため行われないという考えの基、浴槽6の排熱回収が行われたか否かを用いて予測する。つまり、AM3時の夜間沸上げ時に、排熱回収回路30を用いた浴槽6の排熱回収が既に実施済みであれば、例え浴槽6の水位が高く残っていても、湯張り前の追焚きは行われないと予測する。
[沸上げ温度:高温の決め方]
湯張り前の追焚きが行われる場合の沸上げ温度の高温は、上述したように例えば65℃等の予め決められた温度としてもよいし、学習結果を用いて決めてもよい。以下、学習結果を使用した高温の決め方の一例について説明する。
制御手段100は、夜間沸上げを行ってから湯張りが行われるまでの時間帯、例えば夜間沸上げが終了したAM7時からPM9時の湯張りまでの14時間の間に、追焚きが1~数回行われたとして、その各「湯張り前の追焚き」の負荷の合計値を、毎日学習しておく。そして、過去一週間の学習値のうちの最大値が3000kcalであったとする。本実施の形態1では、タンク1内において追焚き用の熱量を蓄える領域をタンク上部領域としており、タンク上部領域の容量が100Lであるとする。このタンク上部領域に、追焚き用の熱量が蓄えられるように「高温」を決める。
3000kcalの追焚き負荷を、タンク上部領域の100Lで賄うという条件では、追焚き負荷を賄った後のタンク上部領域の湯の温度は、追焚き負荷を賄う前の温度から30℃下がることになる。この3000kcalが、浴槽6の温度を例えば40℃に維持するために消費されるとした場合、沸上げ温度の「高温」には、40℃より最低でも30℃高い70℃が設定される。沸上げ温度を70℃にして夜間沸上げを行っておくことで、湯張り前の追焚き時に、湯切れが生じることを抑制できる。なお、追焚き熱交換器5の放熱によるロス、及び、追焚きを迅速に実施することを考慮して、70℃から更に例えば5℃程度高い75℃を「高温」に設定してもよい。
なお、追焚き用の熱量を蓄えるタンク内の領域を中間導出配管303bより高いタンク上部領域としたのは、以下の理由による。中間導出配管303bより低いタンク下部領域は、上述したように給湯負荷に優先的に使用される。このため、タンク下部領域に追焚き用の熱量を蓄えたのでは、せっかく低COPで高温水を準備したにもかかわらず、中温水で足りる給湯用途に消費されてしまう。これを回避しながら、最大限低い沸上げ温度で追焚き負荷を賄うため、追焚き用の熱量を蓄える領域をタンク上部領域としている。
[湯張り前の追加沸上げ]
ユーザーの給湯負荷状況によってはタンク1の湯水が不足し、追加で沸上げ動作が必要となる。このような追加沸上げの場合も、湯張り前であれば、前記の夜間沸上げと同様の方法で沸上げ温度を決定する。つまり、湯張り前の追焚きが行われるかの予測結果に応じて、沸上げ温度を中温又は高温に決定する。湯張り前の追焚きが行われるかの予測は、上述の(1)~(3)の方法で行われる。このため、追加沸上げを行うタイミングでの予測結果は、夜間沸上げ時の予測結果とは同じとは限らず、現時点での予測結果に応じた沸上げ温度が決定されることになる。
[湯張り後の追加沸上げ]
湯張りが行われた場合は、湯張り後に予想される追焚き負荷を賄うために、タンク上部領域に高温水を沸上げる沸上げ動作を行う。制御手段100は、湯張り後に予想される追焚き負荷を、タンク上部領域の容量で賄うという条件で求めた温度に基づいて、湯張り後に追加沸上げを行う際の沸上げ温度を決定する。
例えば、PM9時の湯張りからPM11時までの2時間の間の追焚き負荷が1000kcalであったとする。この1000kcalの追焚き負荷をタンク上部領域の100Lで賄うと、追焚き負荷を賄った後のタンク上部領域の湯の温度は、追焚き負荷を賄う前の温度から10℃下がることになる。したがって、追焚き負荷の1000kcalが、浴槽6の温度を例えば40℃に維持するために消費されるとした場合、40℃より最低でも10℃高い50℃を、沸上げ温度に設定する。沸上げ温度を50℃にして、湯張り後に沸上げ動作を行っておくことで、湯張り後の追焚きの際に、湯切れが生じることを抑制できる。なお、追焚き熱交換器5の放熱によるロス、及び、追焚きを迅速に実施することを考慮して、50℃から例えば更に5℃程度高い55℃を、湯張り後の追加沸上げ時の沸上げ温度に設定してもよい。
≪作用効果≫
以上のように本実施の形態1は、タンク1に溜めた湯の浴槽6内への湯張りと、浴槽6の浴槽6水の追焚きとを行う貯湯式給湯システムである。貯湯式給湯システムは、水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、湯をタンク内へ貯留する沸上げ回路20と、制御手段100とを備える。制御手段100は、沸上げ回路20を用いて夜間に行う夜間沸上げを行ってから湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、つまり「湯張り前の追焚き」が行われるか否か、を予測した結果に基づいて、夜間沸上げ時における沸上げ温度を決定する。
このように、追焚きの発生状況の予測に応じて沸上げ温度を決定することで、追焚き時の湯切れを抑制できる。また、沸上げ温度を一定にする場合よりも、追焚きの発生状況の予測に応じて沸上げ温度を決定することで、沸上げ温度を適切に設定でき、消費電力の低減が可能となる。
また、上述したように、現在は夜間の電気代が昼間よりも安い料金制度となっているが、今後、電気代が一日一律の制度となる可能性が想定される。電気代が一日一律の制度となった場合、夜間に集中して蓄熱を行うことにメリットは無く、逆に沸上げ温度を高く設定することで消費電力が増大して好ましくない。本実施の形態1は、夜間沸上げ時の沸上げ温度をできるだけ低く設定する制御であるため、電気代が一日一律の制度となった場合にも、好適である。
実施の形態1において、制御手段100は、「湯張り前の追焚き」が行われると予測した場合、沸上げ温度を高温に決定し、「湯張り前の追焚き」が行われないと予測した場合、沸上げ温度を高温よりも低い中温に決定する。
このように、「湯張り前の追焚き」が行われないと予測した場合、沸上げ温度を高温よりも低い中温に決定することで、沸上げ温度を高温に一律にする場合よりも、消費電力の低減が可能である。
実施の形態1において、中温とは、ユーザーの設定する給湯用設定温度に、予め設定した裕度を加えた温度である。
このように、ユーザーの設定する給湯用設定温度と予め設定した裕度とから中温を決定できる。
実施の形態1において、制御手段100は、夜間沸上げ時において、浴槽6の水位が予め設定された水位以下の場合、「湯張り前の追焚き」は行われないと予測する。
このようにして、「湯張り前の追焚き」が行われるか否かを予測できる。
実施の形態1において、予め設定された設定時刻から湯張りまでの追焚き負荷を学習する機能を備え、夜間沸上げにおいて、追焚き負荷の学習結果が予め設定した設定負荷以下であれば、「湯張り前の追焚き」は行われないと予測する。
このようにして、「湯張り前の追焚き」が行われるか否かを予測できる。
実施の形態1において、浴槽6の排熱をタンク内に回収する排熱回収回路30を備え、制御手段100は、夜間沸上げ時において、排熱回収回路30を用いた浴槽6の排熱回収が実施済みであれば、時間帯に追焚きは行われないと予測する。
このようにして、「湯張り前の追焚き」が行われるか否かを予測できる。
実施の形態1において、制御手段100は、湯張り後に行う追加沸上げ時の沸上げ温度を、湯張り後に発生すると予測される追焚き負荷を、タンク1の上部領域の容量で賄うという条件で求めた温度に基づいて決定する。
これにより、追焚きの発生状況の予測に応じた、湯張り後の追加沸上げ時の沸上げ温度を決定でき、消費電力の低減が可能となる。
実施の形態2.
夜間に行われる沸上げ運転には、上述の夜間沸上げの他に、水中殺菌目的の高温沸上げがある。水中殺菌目的の高温沸上げは、殺菌温度以上の沸上げ温度で行われる沸上げである。
図5は、実施の形態2に係る貯湯式給湯システムにおける沸上げ動作を示すフローチャートである。
制御手段100は、予め設定された夜間沸上げタイミングとなると(ステップS11)、予め設定された殺菌処理タイミングであるかを判断する(ステップS12)。殺菌処理タイミングには任意のタイミングを設定でき、例えば4日に1回又は毎週月曜といったように、所定期間に1回等に設定することができる。
制御手段100は、殺菌処理タイミングでないと判断すると(ステップS12でNO)、ステップS13~ステップ17の処理を行う。ステップS13~ステップS17の処理は、図4に示した実施の形態1のステップS2~ステップS6の処理と同様である。制御手段100は、殺菌処理タイミングであると判断すると(ステップS12でYES)、湯張り前の追焚きが行われるか否かの予測結果に関わらず、沸上げ温度を殺菌温度に設定する(ステップS18)。殺菌温度には、夜間沸上げ時の高温(例えば65℃)以上の温度が設定される。そして、制御手段100は、沸上げ温度が、設定した沸上げ温度となるように沸上げ手段2を制御して沸上げ動作を行う(ステップS17)。
以上説明したように、本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果が得られると共に、以下の効果が得られる。すなわち、実施の形態2では、予め設定された殺菌処理タイミングとなると、湯張り前の追焚きが行われるか否かの予測結果にかかわらず、夜間沸上げ時に、殺菌温度以上の温度を沸上げ温度とした沸上げを行う。これにより、水中殺菌目的の高温沸上げを行うことができる。
なお、上記実施の形態1及び実施の形態2における各温度、時間及びタンク1の容量等の具体的数値は一例を示したに過ぎず、それらは実使用条件等に応じて適宜設定すればよい。
1 タンク、2 沸上げ手段、5 追焚き熱交換器、6 浴槽、20 沸上げ回路、30 排熱回収回路、31 沸上げポンプ、32 追焚きポンプ、33 浴槽ポンプ、41 湯栓温調弁、42 中高温混合弁、43 熱交換回路切替弁、100 制御手段、101 目標温度設定手段、102 ポンプ制御手段、103 弁制御手段、104 沸上げ制御手段、105 蓄熱量算出手段、106 必要熱量予測手段、301a 沸上げ往き配管、301b 沸上げ戻り配管、302 給水配管、303 高温導出配管、303b 中間導出配管、304 温調配管、305 湯栓配管、306a 浴槽往き配管、306b 浴槽戻り配管、307a 追焚き往き配管、307b 追焚き戻り配管、307c 排熱回収用配管、501a 貯湯温度センサ、501a~501f 貯湯温度センサ、502 沸上げ温度センサ、503a 上部導出温度センサ、503b 中間導出温度センサ、504 給水温度センサ、505 湯栓温度センサ、506a 浴槽往き温度センサ、506b 浴槽戻り温度センサ、507 追焚き戻り温度センサ、601 湯栓流量センサ。

Claims (10)

  1. タンクに溜めた湯の浴槽内への湯張りと、前記浴槽の浴槽水の追焚きとを行う貯湯式給湯システムであって、
    水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、前記湯を前記タンク内へ貯留する沸上げ回路と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、予め設定された設定時刻から前記湯張りまでの間の追焚き負荷を学習する機能を備え、前記沸上げ回路を用いて夜間に行う夜間沸上げを行ってから前記湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、を予測し、予測結果に基づいて、前記夜間沸上げ時における前記沸上げ温度を決定するものであり、
    前記夜間沸上げにおいて、前記追焚き負荷の学習結果が予め設定した設定負荷以下であれば、前記時間帯に追焚きは行われないと予測する貯湯式給湯システム。
  2. タンクに溜めた湯の浴槽内への湯張りと、前記浴槽の浴槽水の追焚きとを行う貯湯式給湯システムであって、
    水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、前記湯を前記タンク内へ貯留する沸上げ回路と、
    前記浴槽の排熱を前記タンク内に回収する排熱回収回路と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸上げ回路を用いて夜間に行う夜間沸上げを行ってから前記湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、を予測し、予測結果に基づいて、前記夜間沸上げ時における前記沸上げ温度を決定するものであり、
    前記夜間沸上げにおいて、前記排熱回収回路を用いた前記浴槽の排熱回収が実施済みであれば、前記時間帯に追焚きは行われないと予測する貯湯式給湯システム。
  3. 前記制御手段は、湯張り後に行う追加沸上げ時の沸上げ温度を、前記湯張り後に発生すると予測される追焚き負荷を、前記タンクの上部領域の容量で賄うという条件で求めた温度に基づいて決定する請求項1又は請求項2記載の貯湯式給湯システム。
  4. 前記制御手段は、予め設定された殺菌処理タイミングとなると、前記予測結果にかかわらず、前記夜間沸上げ時に、殺菌温度以上の温度を前記沸上げ温度とした沸上げを行う請求項1~請求項の何れか一項に記載の貯湯式給湯システム。
  5. タンクに溜めた湯の浴槽内への湯張りと、前記浴槽の浴槽水の追焚きとを行う貯湯式給湯システムであって、
    水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、前記湯を前記タンク内へ貯留する沸上げ回路と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸上げ回路を用いて夜間に行う夜間沸上げを行ってから前記湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、を予測し、予測結果に基づいて、前記夜間沸上げ時における前記沸上げ温度を決定するものであり、
    前記湯張り後に行う追加沸上げ時の沸上げ温度を、前記湯張り後に発生すると予測される追焚き負荷を、前記タンクの上部領域の容量で賄うという条件で求めた温度に基づいて決定する貯湯式給湯システム。
  6. タンクに溜めた湯の浴槽内への湯張りと、前記浴槽の浴槽水の追焚きとを行う貯湯式給湯システムであって、
    水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、前記湯を前記タンク内へ貯留する沸上げ回路と、
    制御手段とを備え、
    前記制御手段は、前記沸上げ回路を用いて夜間に行う夜間沸上げを行ってから前記湯張りが行われるまでの時間帯に追焚きが行われるか否か、を予測し、予測結果に基づいて、前記夜間沸上げ時における前記沸上げ温度を決定し、
    予め設定された殺菌処理タイミングとなると、前記予測結果にかかわらず、前記夜間沸上げ時に、殺菌温度以上の温度を前記沸上げ温度とした沸上げを行う貯湯式給湯システム。
  7. 前記制御手段は、前記夜間沸上げ時において、前記浴槽の水位が予め設定された水位以下の場合、前記時間帯に追焚きは行われないと予測する請求項5又は請求項6記載の貯湯式給湯システム。
  8. 前記制御手段は、前記時間帯に追焚きが行われると予測した場合、前記沸上げ温度を高温に決定し、前記時間帯に追焚きが行われないと予測した場合、前記沸上げ温度を前記高温よりも低い中温に決定する請求項1~請求項7の何れか一項に記載の貯湯式給湯システム。
  9. 前記中温は、ユーザーの設定する給湯用設定温度に、予め設定した裕度を加えた温度である請求項記載の貯湯式給湯システム。
  10. 前記高温は、予め設定された温度に設定されるか、又は、前記時間帯に予測される追焚き負荷を、前記タンクの上部領域の容量で賄うという条件で求めた温度に基づいて設定される請求項又は請求項記載の貯湯式給湯システム。
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