JP7274964B2 - 貯湯式給湯システム - Google Patents

貯湯式給湯システム Download PDF

Info

Publication number
JP7274964B2
JP7274964B2 JP2019136717A JP2019136717A JP7274964B2 JP 7274964 B2 JP7274964 B2 JP 7274964B2 JP 2019136717 A JP2019136717 A JP 2019136717A JP 2019136717 A JP2019136717 A JP 2019136717A JP 7274964 B2 JP7274964 B2 JP 7274964B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hot water
temperature
tank
boiling
bathtub
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019136717A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2021021506A (ja
Inventor
智 赤木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Electric Corp filed Critical Mitsubishi Electric Corp
Priority to JP2019136717A priority Critical patent/JP7274964B2/ja
Publication of JP2021021506A publication Critical patent/JP2021021506A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7274964B2 publication Critical patent/JP7274964B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Description

本発明は、タンク内の湯の殺菌機能を有する貯湯式給湯システムに関する。
貯湯式給湯システムは、負荷の発生に対して湯切れの生じることのないように、事前に沸上げ手段により生成された湯水をタンクに溜めておき、当該タンクの湯を用いて負荷を賄うシステムである。この種の貯湯式給湯システムでは、従来、タンク内の湯を殺菌する機能を有している(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、タンク内の全ての湯の温度がレジオネラ菌を殺菌可能な殺菌温度以上となるように沸上げる殺菌運転を行っており、この殺菌運転を、週一回、定時に行うようにしている。
特開2015-206566号公報
特許文献1では、殺菌運転を定期的に行っているが、殺菌運転では、沸上げ温度を殺菌温度以上の高温にする必要がある。このため、負荷に備えてタンク内の沸上げを行う際の中温に比べて沸上げ温度を高くする必要があることで、消費電力量の増加を招くという問題があった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、殺菌運転の頻度を抑えて消費電力量の低減を図ることが可能な貯湯式給湯システムを提供することを目的とする。
本発明に係る貯湯式給湯システムは、タンク内に貯めた湯を負荷側へ給湯する貯湯式給湯システムであって、水を沸上げて湯にする沸上げ手段と、沸上げ手段で沸上げられた湯を上側から貯留し、殺菌済の水を下側から貯留するタンクと、沸上げ手段の沸上げ運転を制御する制御手段とを備え、沸上げ運転は、水を中温に沸上げ、中温の湯をタンク内へ貯留する中温沸上げ運転と、水を中温よりも高い殺菌温度以上の高温で沸上げ、高温の湯をタンク内へ貯留する高温沸上げ運転と、中温沸上げ運転で沸上げられた中温の湯のタンク内の残存期間が、予め設定された設定期間を超えた場合、タンク内の湯を高温以上に沸上げてタンク内を殺菌する殺菌運転とを有し、制御手段は、中温沸上げ運転の後、高温沸上げ運転を行うようにしており、高温沸上げ運転後の時間帯で、タンク内が、高温の湯による高温層と殺菌済の水による低温層との2層状態となったことを検知すると、残存期間をリセットするものである。
本発明によれば、高温沸上げ運転後の時間帯で、タンク内が高温の湯による高温層と殺菌済の水による低温層との2層状態を作り出し、タンク内の中温の湯の残存期間をゼロにリセットする。残存期間をゼロにリセットすることで、残存期間が設定期間となるまでの時間を引き延ばすことができる。したがって、殺菌運転の頻度を低減でき、消費電力量の低減を図ることができる。
実施の形態に係る貯湯式給湯システムの構成図である。 実施の形態に係る各貯湯式給湯システム内の信号の流れを表すブロック図である。 実施の形態に係る貯湯式給湯システムの使用状況のタイムチャートの一例である。 実施の形態に係る貯湯式給湯システムにおける沸上げ運転の流れを示すフローチャートである。 実施の形態に係る貯湯式給湯システムにおけるタンク内の温度分布の変化を示す図である。
本実施の形態に係る構成、動作及び効果について図1、図2、図3、図4及び図5を用いて説明する。
≪機器構成≫
図1は、実施の形態に係る貯湯式給湯システムの構成図である。
本実施の形態における貯湯式給湯システムは、縦長のタンク1、沸上げ手段2、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、中高温混合弁42、熱交換回路切替弁43及び追焚き熱交換器5を備えている。貯湯式給湯システムは更に、沸上げ往き配管301aと、沸上げ戻り配管301bと、給水配管302と、高温導出配管303と、中間導出配管303bと、温調配管304及び湯栓配管305を備えている。貯湯式給湯システムは更に、浴槽往き配管306a、浴槽戻り配管306b、追焚き往き配管307a、追焚き戻り配管307b、排熱回収用配管307c及び制御手段100等を備えている。
タンク1には、湯水が溜められる。沸上げ手段2は、タンク1内の水を沸上げる。この沸上げ手段2は、例えばヒートポンプを用いて構成される。また沸上げ手段2は例えばインバータ制御等を用いて沸上げ能力を可変に設定できるように構成される。またヒートポンプに用いられる冷媒は、高温出湯に適したCOでもよいが、本実施の形態に特徴的な運転において運転効率を高めるために、冷媒の超臨界状態を用いない冷媒、例えば一般的なフロン系冷媒、プロパン又はイソブタン等の冷媒でもよい。
湯栓温調弁41は、タンク1内の温水と、例えば市水等の冷水とを混合し、シャワー等の湯栓から直接放出する給湯負荷に供給する湯の温度を調節する。中高温混合弁42は、タンク上部及び中間部の一方からの水、又は、混合した水を、湯栓温調弁41の高温側ポートに送る。追焚き熱交換器5は、浴槽6内の浴槽水を加熱する追焚きのときにタンク上部の高温水と浴槽6の湯を熱交換する。浴槽6には、入浴用の例えば約40℃の湯が溜められる。熱交換回路切替弁43は、タンク1から追焚き熱交換器5に送る水のタンク1からの出口をタンク1の上部又は下部に切り替える。
沸上げ往き配管301aは、タンク下部の水を沸上げ手段2に導く。沸上げ戻り配管301bは、沸上げ手段2で沸上げた湯をタンク上部に導く。沸上げ往き配管301a及び沸上げ戻り配管301bは、沸上げ手段2及び沸上げポンプ31と共に、水を沸上げ温度まで加熱して湯にし、湯をタンク1内へ貯留する沸上げ回路20を構成している。
給水配管302は、タンク下部に市水等の冷水を導く。高温導出配管303は、タンク上部から高温水を導出して中高温混合弁42に導く。中間導出配管303bは、タンク1の中間部から温水を導出して中高温混合弁42に導く。温調配管304は、給水配管302から分岐して湯栓温調弁41に低温水を導く。湯栓配管305は、湯栓温調弁41にて温調された湯を、使用される湯栓に導く。
浴槽戻り配管306bは、浴槽6内の水を追焚き熱交換器5に導く。浴槽往き配管306aは、追焚き熱交換器5で昇温された湯を浴槽6に導く。追焚き往き配管307aは、タンク上部の高温水を追焚き熱交換器5に導く。追焚き戻り配管307bは、追焚き熱交換器5で浴槽6からの水と熱交換して冷めた湯をタンク1の中間導出配管303bより高い位置に導く。この例では、追焚き戻り配管307bの一端が高温導出配管303に接続され、追焚き熱交換器5で浴槽6からの水と熱交換して冷めた湯をタンク1の上部に導く。
排熱回収用配管307cは、浴槽6の排熱をタンク1に回収する際に、タンク下部から低温水を導出して熱交換回路切替弁43に導く。排熱回収用配管307cは、熱交換回路切替弁43と共に、浴槽6の排熱をタンク1内に回収する排熱回収回路30を構成している。
沸上げポンプ31は、比較的低温な沸上げ往き配管301aの途中に接続される。追焚きポンプ32は、比較的低温な追焚き戻り配管307bの途中に接続される。浴槽ポンプ33は、比較的低温な浴槽戻り配管306bの途中に接続される。
制御手段100は、沸上げ手段2、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41及び中高温混合弁42、の動作を制御する。
また、タンク1には、高さ方向に間隔をおいて、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501fが設けられる。なお、ここでは、貯湯温度センサの個数が6個の場合を説明するが、これに限るものではなく、タンク1の内部の温度分布を測るのに充分な数の温度センサを設けるようにしてもよい。沸上げ戻り配管301bには、沸上げ手段2にて沸上げた水の温度を検出する沸上げ温度センサ502が設けられる。給水配管302には、給水温度を検出するための給水温度センサ504が設けられる。タンク上部には、タンク上部から導出される高温水の温度を検出する上部導出温度センサ503aが設けられる。
中間導出配管303bには、タンク中間部から給湯用に導出される温水の温度を検出する中間導出温度センサ503bが設けられる。湯栓配管305には、湯栓に供給される湯温を検出する湯栓温度センサ505が設けられる。浴槽往き配管306aは、追焚き熱交換器5から浴槽6に流れ込む浴槽往き温度を検出する浴槽往き温度センサ506aが設けられる。浴槽戻り配管306bには、浴槽6から追焚き熱交換器5に流れ込む浴槽戻り温度を検出する浴槽戻り温度センサ506bが設けられる。なお、浴槽戻り温度センサ506bは、定期的に浴槽ポンプ33を運転させることにより、浴槽6内の浴槽水を浴槽戻り配管306bに通過させて浴槽温度を検出する手段として利用してもよい。
追焚き戻り配管307bには、追焚き熱交換器5からタンク1に戻る湯の温度を検出する追焚き戻り温度センサ507が設けられる。湯栓配管305には、負荷側で使用される湯量を検出する湯栓流量センサ601が設けられる。
図2は、実施の形態に係る各貯湯式給湯システム内の信号の流れを表すブロック図である。
図2に示すように、制御手段100は、目標温度設定手段101、ポンプ制御手段102、弁制御手段103、沸上げ制御手段104、蓄熱量算出手段105、及び、必要熱量予測手段106等を有する。
制御手段100には、時刻検出手段であるタイマー、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501f、沸上げ温度センサ502、上部導出温度センサ503a、中間導出温度センサ503b、給水温度センサ504、湯栓温度センサ505、浴槽戻り温度センサ506b、追焚き戻り温度センサ507、及び、湯栓流量センサ601からの情報が入力される。この制御手段100は、入力されたこれらの情報に基づいて、沸上げ手段2、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32、浴槽ポンプ33、湯栓温調弁41、中高温混合弁42及び熱交換回路切替弁43を制御する。
制御手段100は、貯湯式給湯システム全体を統括制御するものであり、例えば、マイクロプロセッサユニット等で構成される。なお、制御手段100の構成については、これに限定するものではない。例えば、制御手段100は、ファームウェア等の更新可能なもので構成されていてもよい。また、制御手段100は、プログラムモジュールであって、図示しないCPU等からの指令により、実行されるものでもよい。
目標温度設定手段101は、主にユーザーによるマニュアル操作にて、湯栓からの給湯にてシャワー又は浴槽6に供給する湯の温度及び浴槽6を温調する際の目標浴槽温度を設定する。
ポンプ制御手段102は、沸上げポンプ31、追焚きポンプ32及び浴槽ポンプ33、の回転数を制御し、ポンプ循環量を調節する。
弁制御手段103は、目標温度設定手段101で設定された目標温度に基づいて、湯栓温調弁41から流出する湯が目標温度に近づくように湯栓温調弁41の動作を制御する。また弁制御手段103は、中高温混合弁42から湯栓温調弁41の高温側ポートに送る水温が給湯用目標温度以上となるように、中高温混合弁42の動作を制御する。
沸上げ制御手段104は、予測される追焚き用必要熱量に対してタンク1内の蓄熱量が不足しないように沸上げ手段2の運転を制御する。
蓄熱量算出手段105は、給湯に有効な蓄熱量の算出と、追焚きに有効な蓄熱量の算出とを行う。以下、それぞれの蓄熱量算出について順に説明する。
[給湯に有効な蓄熱量の算出]
蓄熱量算出手段105は、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501fの情報に基づいてタンク1内の湯の有する蓄熱量の内で、給湯に有効な蓄熱量を算出する。給湯においては、タンク1内の湯の有する熱エネルギーを、混合によって市水に与える。このため、給湯に有効な熱エネルギーのゼロ点は、市水の給水温度である。ここで、ゼロ点とは、給湯エネルギー基準温度である。したがって、給水温度を熱エネルギーのゼロ点としてタンク容積に関して積分することにより、給湯に有効な蓄熱量が算出される。また、給湯に有効な所定の温度である例えば45℃以上の湯の領域に関してのみ積分して、給湯に有効な蓄熱量を算出してもよい。また、給湯に用いる湯を、給湯用中間導出部より下の領域から主に導出する場合、給湯用中間導出部より下の領域にて給湯に有効な蓄熱量を算出してもよい。
[追焚きに有効な蓄熱量の算出]
蓄熱量算出手段105は、貯湯温度センサ501a~貯湯温度センサ501fの情報、及び、目標温度設定手段101で設定された目標温度に基づいて、タンク1内の湯の有する蓄熱量の内で、追焚きに有効な蓄熱量を算出する。
追焚きにおいて追焚き熱交換器5に送られた高温水は、追焚き熱交換器5にて浴槽系統に熱を供給して温度が低下し、追焚き戻り配管307bからタンク1に戻される。したがって、タンク1内の湯の有する熱エネルギーの内、追焚きにおいて有効に利用される熱エネルギーは、貯湯温度から追焚き戻り温度を減算した部分である。つまり、追焚き戻り温度センサ507で検出された追焚き戻り温度を、熱エネルギーの基準温度としてタンク容積に関して積分することにより、追焚きに有効な蓄熱量が求められる。なお、ここでは、タンク容積に関して積分するとしたが、給湯用中間導出部より上の領域の容積に関して積分するようにしてもよい。
また、追焚き戻り温度は、追焚き戻り温度センサ507で検出するとしたが、追焚き戻り温度センサ507を設けずに、導出温度、浴槽戻り温度、追焚きポンプ回転数、又は、浴槽ポンプ回転数等から推定してもよい。例えば、目標温度設定手段101からの情報と、浴槽戻り温度センサ506bの情報とに基づいて追焚き戻り温度を予測してもよい。他に例えば、浴槽温度を目標浴槽温度で一定と仮定し、その浴槽温度に、追焚き熱交換器5の性能に依存した設定値を加えた温度を追焚き戻り温度としてもよい。また、浴槽温度を、現在の浴槽温度と目標浴槽温度との平均値で一定と仮定し、その浴槽温度に、追焚き熱交換器5の性能に依存した設定値を加えた温度を追焚き戻り温度としてもよい。
必要熱量予測手段106は、給湯負荷に対して湯切れを回避するために必要な蓄熱量(以下、湯切れ回避用必要熱量という)の予測と、追焚きに必要な蓄熱量(以下、追焚き用必要熱量という)の予測とを行う。以下、それぞれの蓄熱量の予測方法について順に説明する。
[湯切れ回避用必要熱量の予測]
必要熱量予測手段106は、(a)ユーザーの過去の給湯負荷の実績に基づいて湯切れ回避用必要熱量を予測するか、又は、(b)所定の設計値に湯切れ回避用必要熱量を設定する。
(a)ユーザーの過去の給湯負荷実績から湯切れ回避用必要熱量を予測する場合
必要熱量予測手段106は、タイマー、湯栓温度センサ505、及び、湯栓流量センサ601からの情報に基づいて、所定の時間幅ごとの給湯負荷実績を日々学習する。所定の時間幅とは例えば6分であり、6分ごとの負荷を、1日分である240区間分、学習する。そして、必要熱量予測手段106は、学習した給湯負荷実績を用いて、本システムの沸上げ能力による同時運転を考慮して、湯切れ回避用必要熱量を予測する。ここで、同時運転とは、沸上げ手段2による「沸上げ」を行っている最中に、給湯又は追焚き等のユーザーによる「熱負荷」が発生する状況を指す。
具体的には、湯切れ回避用必要熱量は、「240区間のうちのX区間からY区間までの間における合計給湯負荷」から「X区間からY区間までの間において沸上げ手段2により沸上げ可能な熱量」を減算することによって求められる。例えば、ユーザーによる集中的な湯の使用、具体的には湯張りとシャワー2回とが、第1区間から第10区間の1時間で行われたという学習結果があったとする。この場合、湯切れ回避用必要熱量は、「湯張り+シャワー2回」分の熱量Q1から、「沸上げ手段2が1時間で沸上げ可能な熱量Q2」を減算した値Q3である。つまり、湯切れを回避するためにタンク1に蓄えておく必要のある熱量は、熱量Q3である。タンク1内の熱量がQ3を下回った瞬間に、沸上げ手段2にて沸上げを開始することで、湯切れを回避できる。
また、「湯張り+シャワー2回」分の熱量Q1そのものをタンク1内に蓄えておくことでも、湯切れを回避できるため、必要熱量予測手段106は、熱量Q1そのものを湯切れ回避用必要熱量として求めてもよい。また、240区間のうち、熱量Q1が最大となる区間帯を特定し、特定された区間帯において湯切れを回避できる湯切れ回避用必要熱量として予測することで、信頼性の高いシステムを構築できる。
(b)所定の設計値に基づいて湯切れ回避用必要熱量を設定する場合
必要熱量予測手段106は、多量の給湯負荷が予測される例えば17時~23時の時間帯は、湯切れ回避用必要熱量を大きく設計し、それ以外の時間帯は小さく設計する。大きく設計する場合の湯切れ回避用必要熱量は、例えば、300Lを42℃にするための熱量とし、小さく設計する場合の湯切れ回避用必要熱量は、例えば50Lを42℃にするための熱量等とする。
[追焚き用必要熱量の予測]
必要熱量予測手段106は、(a)現在の浴槽6の温度及び湯量のうちの一方又は両方、又は、(b)ユーザーの過去の追焚き実績、に基づいて追焚き用必要熱量を予測する。
(a)現在の浴槽6の温度及び湯量のうちの一方又は両方の情報に基づいて追焚き用必要熱量を予測する場合
必要熱量予測手段106は、現在の浴槽6の温度及び湯量のうちの一方又は両方の情報に基づいて追焚き負荷を算出し、追焚き負荷そのものを追焚き用必要熱量とする。追焚き負荷は、浴槽6の温度を現時点の温度から目標浴槽温度まで上昇させるのに必要な熱量である。よって、追焚き負荷は、浴槽6の湯量に、目標浴槽温度(例えば40℃)と現時点の浴槽温度(例えば30℃)との差と、密度(例えば1kg/L)と、比熱(例えば1kcal/g℃)とを積算することで算出される。
追焚き負荷を算出する際の浴槽6の湯量には、例えば200L等の一般的な値を使用してもよいし、ユーザーによってリモコンで設定された値を使用してもよい。また、湯栓配管305に流量計を設置し、流量の積算値を浴槽6の湯量としてもよい。また本システムにおいて、例えば浴槽戻り配管306b内に圧力センサ等の水位検出手段を設け、水位から浴槽6の湯量を求めてもよい。すなわち、タンク1から浴槽6への積算流量と水位との相関を初期学習しておき、水位検出手段で検出した水位と学習結果とから浴槽6の湯量を求めてもよい。
(b)ユーザーの過去の追焚き実績から追焚き用必要熱量を予測する場合
必要熱量予測手段106は、追焚き負荷実績を日々学習する。必要熱量予測手段106は、当該学習結果の過去所定期間内の追焚き負荷の最大値又は平均値を用いて、当日予測される追焚き負荷を予測し、予測した追焚き負荷そのものを追焚き用必要熱量とする。追焚き負荷の学習では、具体的には浴槽6の湯量と、追焚きの開始時と終了時との温度差とを学習する。また、浴槽戻り配管306b或いは浴槽往き配管306aを循環する流量と、追焚き熱交換器5の浴槽6側の系統の出入り口の温度差と、を学習してもよい。浴槽戻り配管306b或いは浴槽往き配管306aを循環する流量は、流量計で直接的に算出してもよいし、追焚きポンプ32への制御信号から間接的に算出してもよい。
また、必要熱量予測手段106は、予測した追焚き負荷から、追焚き中に沸上げ手段2が沸上げ可能な熱量を減算した値を、追焚き用必要熱量としてもよい。
以上、本実施の形態における貯湯式給湯システムの機器構成を説明した。
以下、本実施の形態における貯湯式給湯システムの動作について説明する。
≪基本的な運転動作≫
まず、貯湯式給湯システムの基本的な運転動作を図1を参照して説明する。
[沸上げ動作]
タンク1にはタンク下部から給水配管302を通じて冷水を注入して溜められる。タンク下部の水が沸上げポンプ31によって沸上げ往き配管301aを通して沸上げ手段2に送られる。沸上げ手段2は水を沸上げて湯を生成する。湯は沸上げ戻り配管301bを通じてタンク上部に戻される。
[給湯動作]
タンク1に溜められた湯水は、湯が使用される負荷側の要求に応じて、高温導出配管303及び中間導出配管303bの一方又は両方から流出し、湯栓温調弁41の高温側ポートに送られる。湯栓温調弁41は、給水配管302から分岐させた温調配管304を通じて水を導き、タンク1から導いた湯と混合させて適温とし、湯栓配管305を通じて蛇口、シャワー、或いは浴槽6等の負荷側へ供給する。ここで、本実施の形態では、給湯時に、タンク中間部からの給湯を優先的に行うため、湯栓温調弁41の高温側ポートには、中間導出配管303bから導出されたタンク中間部の湯が優先して送られる。これは、タンク上部領域に、追焚き用の高温水を優先的に残すためである。ここで、タンク上部領域とは、タンク1の中間導出配管303bから上方の領域を指す。
[湯張り動作]
浴槽6に湯を張る湯張り動作は、基本的には湯栓出湯動作と同様である。湯張り指示があると、タンク1内に溜められた湯水が、高温導出配管303及び中間導出配管303bから流出し、湯栓温調弁41の高温側ポートに送られる。湯栓温調弁41は、浴槽往き温度センサ506aで検出される温度が、ユーザーが設定した目標浴槽温度となるように、温調配管304から導いた水とタンク1から導いた湯とを混合させる。湯栓温調弁41で温度調整された湯は、湯栓配管305を通じて浴槽6に供給される。そして、浴槽6に溜まった湯量が、ユーザーが設定した湯張り量に達した場合、ふろ給湯用電磁弁(図示せず)が閉じられて湯張り動作が終了する。
[追焚き動作]
追焚きでは、浴槽6に残る浴槽水を目標浴槽温度まで上昇させる。追焚きは、ユーザーの操作により強制的に或いは自動的に開始される。自動的に追焚きを開始する場合とは、例えば、浴槽戻り温度センサ506bによって定期的に検出される浴槽温度が、目標浴槽温度よりも所定量以上、低くなったときが該当する。
追焚きが開始されると、タンク1に溜められた湯が、追焚き往き配管307aを通って、追焚き熱交換器5に送られる。ここで、本実施の形態では、追焚き時に、タンク上部の高温水を優先して使用する。このため、熱交換回路切替弁43がタンク上部側に切り替えられ、タンク上部の高温水が追焚き熱交換器5に送られる。またこのタイミングと概ね同時に、浴槽6に溜められた湯が、浴槽戻り配管306bを通って追焚き熱交換器5に導かれる。
追焚き熱交換器5で浴槽系統へ熱を与えて温度の低下したタンク系統の湯は、追焚き戻り配管307bを通ってタンク1に戻る。また、追焚き熱交換器5で熱を受け取って温度の上昇した浴槽系統の湯は、浴槽往き配管306aを通って浴槽6に戻る。
追焚きの終了は、ユーザーの操作により強制的にあるいは自動的に行われる。自動的に追焚きを終了する場合とは、浴槽戻り温度センサ506bによって検出される浴槽温度が、目標浴槽温度よりも所定量以上大きくなったときが該当する。
≪本実施の形態の特徴に係る構成及び動作≫
本実施の形態に係る貯湯式給湯システムは、殺菌目的の高温沸上げ運転(以下、殺菌運転という)の頻度を減らすことで、消費電力量の低減を図っている。
以下、殺菌運転の頻度を減らすための制御の概要について説明する。
まず、本実施の形態において、沸上げ運転は、中温沸上げ運転と、高温沸上げ運転と、殺菌運転とを有する。中温沸上げ運転は、水を中温に沸上げ、中温の湯をタンク1内へ貯留する運転である。中温沸上げ運転により、タンク1内に中温層が形成される。高温沸上げ運転は、水を殺菌温度以上の高温に沸上げ、高温の湯をタンク1内へ貯留する運転である。高温沸上げ運転により、タンク1内に高温層が形成される。殺菌温度は、中温よりも高くレジオネラ菌の殺菌が可能な温度である。殺菌運転は、中温沸上げ運転で沸上げられた中温の湯がタンク1内に残存する期間(以下、残存期間という)が、予め設定された設定期間(例えば、4日間)を超えた場合に行われる。殺菌運転は、例えばタンク1内の全量が殺菌温度以上の高温となるまで沸上げてタンク1内を殺菌する運転である。
ここで、中温とは例えばユーザーの設定する給湯用設定温度に、タンク1における放熱を考慮した裕度を加えた温度であり、具体的には例えば、給湯用設定温度が40℃、裕度が5℃の場合、45℃である。高温とは殺菌温度以上の温度であって、例えば60℃である。
貯湯式給湯システムは、一日の運転サイクルにおいて、少なくとも中温沸上げ運転を行い、その後、高温沸上げ運転を行う。そして、高温沸上げ運転後の時間帯で、タンク1内が殺菌済の状態となるように、貯湯式給湯システムの運転を制御する。タンク1内が殺菌済の状態とは、タンク1内が、高温沸上げ運転で沸上げられた湯による高温層と、未加熱で塩素殺菌済の低温水による低温層との2層状態となることを指す。低温層の低温水は、市水から給水配管302を介してタンク1内に供給されたものである。
本実施の形態では、タンク1内に、このような殺菌済の状態が形成されるように、中温沸上げ運転における沸上げ熱量を給湯負荷実績に基づいて設定する。沸上げ熱量には、高温沸上げ運転後の時間帯における負荷側への給湯を賄う熱量が設定される。つまり、中温沸上げ運転では、高温沸上げ運転後の時間帯における負荷側への給湯を賄う熱量分だけ沸上げる。これにより、中温沸上げ運転で生成された中温の湯は、高温沸上げ運転後の時間帯における負荷側への給湯によって消費し尽くされることになり、タンク1内を高温層と低温層との2層による殺菌済状態にすることができる。そして、本実施の形態では、タンク1内が殺菌済状態となった場合、中温の湯の残存期間をリセットすることで、殺菌運転の頻度を減らすようにしている。
以下、具体例で説明する。
図3は、実施の形態に係る貯湯式給湯システムの使用状況のタイムチャートの一例である。
本実施の形態に係る貯湯式給湯システムは、ユーザーの起床後、湯張りまでの負荷発生に対応するため、夜間に沸上げ動作を行う。夜間とは、本例では昼間よりも電気代の安い時間帯を指し、具体的にはPM11時~AM7時の間の所謂深夜時間帯を指す。このように夜間に行う沸上げ動作を、以下では夜間沸上げという。この例では、夜間沸上げが毎日AM3時に行われる例である。なお、図3の左端のAM3時が現在、すなわち夜間沸上げを行うタイミングであり、それ以降の追加沸上げ、湯張り及び追焚き等の時間はあくまでも予測であり、説明を分かりやすくするために示したものである。
この例では、夜間沸上げをAM3時に行った後、例えば、学習した給湯負荷実績に基づいて決定した時刻(この例ではPM6時)に追加沸上げを行い、その後、PM9時に湯張り、PM10時に追焚きが行われる予測となっている。ここでは、夜間沸上げで中温沸上げ運転を行い、追加沸上げで高温沸上げ運転を行う。
図4は、実施の形態に係る貯湯式給湯システムにおける沸上げ運転の流れを示すフローチャートである。図5は、実施の形態に係る貯湯式給湯システムにおけるタンク1内の温度分布の変化を示す図である。図5(a)は、夜間沸上げにおいて中温沸上げ運転が終了した状態のタンク1内の温度分布を示している。図5(b)は、追加沸上げにおいて高温沸上げ運転が終了した状態のタンク1内の温度分布を示している。図5(c)は、湯張り途中のタンク1内の温度分布を示している。図5(d)は、湯張り終了時のタンク1内の温度分布を示している。
以下、図3のタイムチャートの例で、貯湯式給湯システムにおける沸上げ運転の制御について図4を参照して説明する。
制御手段100は、AM3時の夜間沸上げタイミングとなると(ステップS1)、残存期間の判定フラグFLGが0であるか否かを判定する(ステップS2)。このFLGは0か1のどちらかの値を取り得るように設定され、初期設定では0に設定されている。制御手段は、FLGが0の場合、中温層の残存期間のカウントを開始して(ステップS3)、中温沸上げ運転を開始する(ステップS4)。水は、中温に加熱されることで塩素による殺菌能力の働きが失われることから、中温沸上げ運転の開始時に残存期間のカウントを開始するようにしている。
そして、制御手段100は、給湯負荷実績に基づいて設定した沸上げ熱量の沸上げが完了するまで(ステップS5でNO)、中温沸上げ運転を継続し、沸上げ熱量の沸上げが完了すると(ステップS5でYES)中温沸上げ運転を終了する(ステップS6)。ここで、沸上げ熱量は、湯張りで消費される熱量と湯張り前の負荷で消費される熱量との合計である予測消費熱量に設定される。
中温沸上げ運転終了後、図5(a)に示すように、タンク上部に中温層(例えば、45℃から50℃)が形成される。なお、タンク下部には、給水配管302からの低温の給水を受けて殺菌済の水による低温層(例えば9℃)が形成される。
制御手段100は、中温沸上げ運転を終了後、追加沸上げタイミング待ち状態となる(ステップS7でNO)。なお、制御手段100は、図4のフローチャートの処理と並行して、負荷側の給湯要求に応じたタンク1への給湯の制御を行っている。
そして、PM6時の追加沸上げタイミングとなると(ステップS7でYES)、制御手段100は、高温沸上げ運転を開始する(ステップS8)。高温沸上げ運転では、タンク1に上部から高温の湯が供給されるため、タンク1内には高温層、中温層、低温層の3層状態が形成され、高温沸上げ運転が続けられることで、高温層が徐々に下方に広がっていく。制御手段100は、中間導出配管303bより下の貯湯温度センサ501cが高温を検知するまで高温沸上げ運転を継続する(ステップS9でNO)。制御手段100は、貯湯温度センサ501cが高温を検知したら(ステップS9でYES)、高温沸上げ運転を終了する(ステップS10)。つまり、制御手段100は、図5(b)に示すように、高温層が中間導出配管303bより下の設定位置である貯湯温度センサ501cの高さ位置に達するまで高温沸上げ運転を継続し、高温層が貯湯温度センサ501cの高さ位置に達したら高温沸上げ運転を終了する。
高温沸上げ運転終了後の時間帯では、図3に示すように湯張りが行われる。制御手段100は、高温沸上げ運転終了後、湯張りの開始待ちとなる(ステップS11でNO)。そして、制御手段100は、負荷側の要求による湯張りの開始を検知すると(ステップS11でYES)、湯張り終了までにタンク1内が殺菌済状態となったか否かを判定する(ステップS12)。
ここで、湯張りの際は、タンク上部に連通する高温導出配管303は使用せず、中間導出配管303bが優先的に使用される。すなわち、中間導出配管303bを介してタンク1内の中温層から湯張りが行われる。このように、湯張りの際に中温層の湯を優先的に使用することで、湯張り中のタンク1内は、図5(c)に示すように、図5(b)に比べて中温層の領域が狭くなり、狭くなった分、給水配管302から低温の水が供給されることで低温層の領域が大きくなる。
そして、中温層が湯張りで消費し尽くされると、湯張り終了時のタンク1内は、図5(d)に示すように、高温層と低温層との2層状態、つまり殺菌済の状態となる。制御手段100はタンク1内が殺菌済状態となったことを検知すると(ステップS12でYES)、残存期間をゼロにリセットする(ステップS13)。一方、湯張り終了までにタンク1内が殺菌済状態とならなかった場合には(ステップS12でNO)、つまりタンク1内に中温層が残存する場合には、制御手段100は、残存期間のカウントを引き続き継続し、FLGを1に設定して(ステップS14)、ステップS1に戻る。ここで、タンク1内が殺菌済状態となったか否かの判定は、貯湯温度センサ501cが低温層の低温を検知したか否かで判定できる。つまり、貯湯温度センサ501cが低温層の低温を検知した場合、タンク1内が殺菌済状態となったと判定でき、貯湯温度センサ501cが低温層の低温を検知しない場合、タンク1内が殺菌済状態となっていないと判定できる。
なお、このように湯張り終了時にちょうどタンク1内に2層状態が形成されるのは、ステップS5の中温沸上げ運転での沸上げ熱量が、実際の負荷側での消費熱量と一致する理想状態の場合である。実際の負荷側での消費熱量が沸上げ熱量よりも多い場合には、湯張り終了前にタンク1内に2層状態が形成される。このように湯張り終了前にタンク1内に2層状態が形成された場合、湯張り途中に低温層の水が浴槽6へ流れ、浴槽6の湯温を一時的に冷ますことになる。これを考慮して、湯張り開始序盤に浴槽6に供給する湯の温度は、設定温度より高くしても良い。なお、タンク1から中温層の湯が消失した後は、高温導出配管303から湯張りを行うが、この際、設定温度より高い湯水を浴槽6に供給することで、最終的に浴槽6の湯温が設定温度となるように調節しても良い。
一方、実際の負荷側での消費熱量が中温沸上げ運転での沸上げ熱量よりも少ない場合には、湯張り終了時に中温層がタンク1内に残存することになる。この場合、ステップS12でNOとなり、制御手段100は、残存期間のカウントを引き続き継続し、FLGを1に設定してステップS1に戻る。
制御手段100は、ステップS1に戻った後、再び夜間沸上げタイミングとなると(ステップS1)、FLGが0であるかを判定し、FLGが0の場合(ステップS2でYES)は上述と同様の処理を行う。一方、FLGが1の場合(ステップS2でNO)、つまりタンク1内に中温層が残存している場合、残存期間が設定期間を超えているか否かを判定する(ステップS15)。残存期間が設定期間を超えていない場合(ステップS15でNO)、制御手段100は上記と同様にステップS4以降の動作を行う。残存期間が設定期間を超えていれば(ステップS15でYES)、制御手段100は殺菌運転を開始する(ステップS16)。制御手段100は、タンク1内の全量を殺菌温度以上の高温とする全量沸上げが完了すると(ステップS17でYES)、殺菌運転を終了する(ステップS18)。そして、制御手段100は、残存期間をゼロにリセットして(ステップS19)、FLGを0に設定する(ステップS20)。その後、制御手段100は、ステップS7に戻って同様の処理を行う。
このように、本実施の形態では、一日の運転サイクル内で、タンク1内が殺菌済となる状態を作り出し、残存期間をゼロにリセットすることで、残存期間が設定期間となるまでの時間を引き延ばすことができる。したがって、殺菌運転の頻度を低減でき、消費電力量の低減を図ることができる。
上記では、タンク1内における中温の湯の残存期間を低減させたが、タンク1の湯水を循環させる循環回路内において中温の湯が残存することも好ましくない。このため、本実施の形態では、循環回路である追焚き回路において、追焚き回路に残存している湯水を浴槽へ排出する構成を有している。つまり、追焚き回路においてタンク1への戻り配管である追焚き戻り配管307bをタンク1から浴槽6へ繋がる配管の何れか、ここでは高温導出配管303に接続した構成としている。これにより、高温導出配管303から湯張りを行う際に、追焚きポンプ32を駆動させて追焚き回路の湯水を循環させ、排熱回収用配管307c、熱交換回路切替弁43、追焚き熱交換器5、追焚きポンプ32及び追焚き戻り配管307b内の湯を高温導出配管303に合流させ、追焚き回路の湯水を浴槽に排出する。
なお、ここでは、循環回路として追焚き回路の例を挙げたが、沸上げ回路においても同様に構成して、沸上げ回路に残存している湯水を浴槽6へ排出する構成としてもよい。具体的には、高温導出配管303から湯張りを行う際に沸上げポンプ31を駆動させ、沸上げ往き配管301a、沸上げポンプ31、沸上げ手段2及び沸上げ戻り配管301b内の湯を高温導出配管303に合流させて浴槽6に排出すればよい。
また、上記では、貯湯温度センサ501cが高温を検知した場合、高温沸上げ運転を終了するとしたが、高温沸上げ運転の終了の判定に用いる貯湯温度センサは、中間導出配管303bより下に位置する貯湯温度センサ501cに限られたものではなく、中間導出配管303bより上に位置する貯湯温度センサ501bとしてもよい。貯湯温度センサ501bを用いる場合には、貯湯温度センサ501bが高温を検知した際に高温沸上げ運転を一旦終了し、湯張り中に、湯張りと並行して再度高温沸上げ運転を行えばよい。また、高温沸上げ運転の終了の判定に貯湯温度センサ501bを用いる場合には、貯湯温度センサ501bで高温を検知してから、高温層が中間導出配管303bの高さ位置に達すると予測される時間経過後、高温沸上げ運転を終了するようにしてもよい。
また、図4のフローチャートでは、殺菌運転後、高温沸上げ運転を行うようにしているが、殺菌運転ではタンク1内の全量が高温まで沸上げられているため、高温沸上げ運転を省略し、ステップS11に移行する流れとしてもよい。
また、上記では、中温沸上げ運転を夜間沸上げで行うとしたが、必ずしも夜間に行う必要はなく、湯張りより前の時間帯で複数回に分けて実施しても良い。
また、追加沸上げ時の沸上げ温度は殺菌温度以上であればよく、湯張り後の追焚き負荷を想定して決めてもよい。例えば、PM9時の湯張りからPM11時までの2時間の間の追焚き負荷が2000kcalであったとする。この2000kcalの追焚き負荷をタンク上部領域の100Lで賄うと、追焚き負荷を賄った後のタンク上部領域の湯の温度は、追焚き負荷を賄う前の温度から20℃下がることになる。したがって、追焚き負荷の2000kcalが、浴槽6の温度を例えば40℃に維持するために消費されるとした場合、40℃より最低でも20℃高い60℃を、沸上げ温度に設定する。沸上げ温度を60℃にして、追加沸上げを行っておくことで、湯張り後の追焚きの際に、湯切れが生じることを抑制できる。なお、追焚き熱交換器5の放熱によるロス、及び、追焚きを迅速に実施することを考慮して、60℃から例えば更に10℃程度高い70℃を、追加沸上げ時の沸上げ温度に設定してもよい。
≪作用効果≫
以上に示した本実施の形態の貯湯式給湯システムは、タンク1内に貯めた湯を負荷側へ給湯する貯湯式給湯システムであって、水を沸上げて湯にする沸上げ手段2と、沸上げ手段2で沸上げられた湯を上側から貯留し、殺菌済の水を下側から貯留するタンク1と、沸上げ手段2の沸上げ運転を制御する制御手段100とを備える。沸上げ運転は、水を中温に沸上げ、中温の湯をタンク1内へ貯留する中温沸上げ運転と、水を中温よりも高い殺菌温度以上の高温で沸上げ、高温の湯をタンク1内へ貯留する高温沸上げ運転と、中温沸上げ運転で沸上げられた中温の湯のタンク1内の残存期間が、予め設定された設定期間を超えた場合、タンク1内の湯を高温以上に沸上げてタンク1内を殺菌する殺菌運転とを有する。制御手段100は、中温沸上げ運転の後、高温沸上げ運転を行うようにしている。制御手段100は、高温沸上げ運転後の時間帯で、タンク1内が、高温の湯による高温層と殺菌済の水による低温層との2層状態となるようにし、タンク1内が2層状態となったことを検知すると、残存期間をリセットする。
このように、高温沸上げ運転後の時間帯で、タンク1内が2層状態、つまり殺菌済となる状態を作り出し、残存期間をゼロにリセットする。残存期間をゼロにリセットすることで、残存期間が設定期間となるまでの時間を引き延ばすことができる。したがって、殺菌運転の頻度を低減でき、消費電力量の低減を図ることができる。
本実施の形態の貯湯式給湯システムは中温沸上げ運転において、給湯負荷実績に基づいて設定した沸上げ熱量を沸上げるように運転することで、タンク1内を2層状態となるようにする。
このように、中温沸上げ運転における沸上げ熱量を制御することで、タンク1内を殺菌済みの2層状態にすることができる。
本実施の形態の貯湯式給湯システムは、タンク1の高さ方向の中間部から湯を導出する中間導出配管303bと、タンク1において中間導出配管303bの下方に配置された貯湯温度センサ501cとを備える。制御手段100は、高温沸上げ運転後に貯湯温度センサ501cによって中温より低い低温を検知した場合、タンク1内が殺菌済状態となったと検知する。
このように、タンク1内が殺菌済状態となったことの検知を貯湯温度センサ501cの検出温度に基づいて行える。
本実施の形態において制御手段100は、前記時間帯においてタンク1内が2層状態となるように、時間帯における負荷側への給湯では、中間導出配管303bから優先して中温の湯を導出する。
このように、前記時間帯における負荷側への給湯において、中間導出配管303bから優先して中温層の湯を導出することで、タンク1内に高温層と低温層との2層の殺菌済状態を形成できる。
本実施の形態において制御手段100は、高温層が中間導出配管303bより下方の設定位置に達するまで高温沸上げ運転を行う。
このように、高温層が中間導出配管303bより下方の設定位置に達するまで高温沸上げ運転を行うことで、前記時間帯における負荷側への給湯後に、中温層がタンク1内に残存することを抑制できる。
本実施の形態において制御手段100は、高温層が中間導出配管303bより上方の設定位置に達するまで高温沸上げ運転を行い、前記時間帯における負荷側への給湯時には、給湯と並行して、高温層が中間導出配管303bより下方の設定位置に達するまで再度高温沸上げ運転を行う。
このように、高温沸上げ運転の終了タイミングは、高温層が中間導出配管303bより下方の設定位置に達するまでに限定されず、中間導出配管303bより上方の設定位置に達するまでとしてもよい。高温沸上げ運転の終了タイミングを中間導出配管303bより上方の設定位置に達するまでとした場合には、前記時間帯における負荷側への給湯時に、給湯と並行して、高温層が中間導出配管303bより下方の設定位置に達するまで再度高温沸上げ運転を行うことで、前記時間帯における負荷側への給湯後に、中温層がタンク1内に残存することを抑制できる。
本実施の形態において前記時間帯の負荷側への給湯は、タンク1内の湯を浴槽6へ供給する湯張りである。
このように、前記時間帯の負荷側への給湯が湯張りである場合、湯張りを中温層の湯を用いて行える。
本実施の形態の貯湯式給湯システムは、タンク1の湯水を循環させる循環回路を有する。循環回路のタンク1への戻り配管は、タンク1から浴槽6へ繋がる配管の何れかの位置に接続されており、湯張りの際に、循環回路の湯水を循環させることにより、循環回路に残存している湯水を浴槽6へ排出する。
これにより、循環回路に残存している湯水を浴槽6へ排出することができる。
なお、上記本実施の形態における各温度、時間及びタンク1の容量等の具体的数値は一例を示したに過ぎず、それらは実使用条件等に応じて適宜設定すればよい。
1 タンク、2 沸上げ手段、5 追焚き熱交換器、6 浴槽、20 沸上げ回路、30 排熱回収回路、31 沸上げポンプ、32 追焚きポンプ、33 浴槽ポンプ、41 湯栓温調弁、42 中高温混合弁、43 熱交換回路切替弁、100 制御手段、101 目標温度設定手段、102 ポンプ制御手段、103 弁制御手段、104 沸上げ制御手段、105 蓄熱量算出手段、106 必要熱量予測手段、301a 沸上げ往き配管、301b 沸上げ戻り配管、302 給水配管、303 高温導出配管、303b 中間導出配管、304 温調配管、305 湯栓配管、306a 浴槽往き配管、306b 浴槽戻り配管、307a 追焚き往き配管、307b 追焚き戻り配管、307c 排熱回収用配管、501a 貯湯温度センサ、501b 貯湯温度センサ、501c 貯湯温度センサ、501d 貯湯温度センサ、501e 貯湯温度センサ、501f 貯湯温度センサ、502 沸上げ温度センサ、503a 上部導出温度センサ、503b 中間導出温度センサ、504 給水温度センサ、505 湯栓温度センサ、506a 浴槽往き温度センサ、506b 浴槽戻り温度センサ、507 追焚き戻り温度センサ、601 湯栓流量センサ。

Claims (8)

  1. タンク内に貯めた湯を負荷側へ給湯する貯湯式給湯システムであって、
    水を沸上げて湯にする沸上げ手段と、
    前記沸上げ手段で沸上げられた湯を上側から貯留し、殺菌済の水を下側から貯留する前記タンクと、
    前記沸上げ手段の沸上げ運転を制御する制御手段とを備え、
    前記沸上げ運転は、
    水を中温に沸上げ、中温の湯を前記タンク内へ貯留する中温沸上げ運転と、
    水を前記中温よりも高い殺菌温度以上の高温で沸上げ、高温の湯を前記タンク内へ貯留する高温沸上げ運転と、
    前記中温沸上げ運転で沸上げられた前記中温の湯の前記タンク内の残存期間が、予め設定された設定期間を超えた場合、前記タンク内の湯を前記高温以上に沸上げて前記タンク内を殺菌する殺菌運転とを有し、
    前記制御手段は、
    前記中温沸上げ運転の後、前記高温沸上げ運転を行うようにしており、前記高温沸上げ運転後の時間帯で、前記タンク内が、前記高温の湯による高温層と前記殺菌済の水による低温層との2層状態となったことを検知すると、前記残存期間をリセットする貯湯式給湯システム。
  2. 前記中温沸上げ運転では、給湯負荷実績に基づいて設定した沸上げ熱量を沸上げるように運転することで、前記高温沸上げ運転後の時間帯で、前記タンク内を前記2層状態となるようにする請求項1記載の貯湯式給湯システム。
  3. 前記タンクの高さ方向の中間部から湯を導出する中間導出配管と、
    前記タンクにおいて前記中間導出配管の下方に配置された貯湯温度センサとを備え、
    前記制御手段は、前記高温沸上げ運転後に前記貯湯温度センサによって前記中温より低い低温を検知した場合、前記タンク内が前記2層状態となったと検知する請求項1又は請求項2記載の貯湯式給湯システム。
  4. 前記制御手段は、前記時間帯において前記タンク内が前記2層状態となるように、前記時間帯における前記負荷側への給湯では、前記中間導出配管から優先して前記中温の湯を導出する請求項3記載の貯湯式給湯システム。
  5. 前記制御手段は、前記高温層が前記中間導出配管より下方の設定位置に達するように前記高温沸上げ運転を制御する請求項3又は請求項4記載の貯湯式給湯システム。
  6. 前記制御手段は、前記高温層が前記中間導出配管より上方の設定位置に達するように前記高温沸上げ運転を制御し、前記時間帯における前記負荷側への給湯時には、前記給湯と並行して、前記高温層が前記中間導出配管より下方の設定位置に達するように再度前記高温沸上げ運転を行う請求項3~請求項5の何れか一項に記載の貯湯式給湯システム。
  7. 前記時間帯の前記負荷側への給湯は、前記タンク内の湯を浴槽へ供給する湯張りである請求項1~請求項6の何れか一項に記載の貯湯式給湯システム。
  8. 前記タンクの湯水を循環させる循環回路を有し、前記循環回路の前記タンクへの戻り配管が前記タンクから前記浴槽へ繋がる配管の何れかの位置に接続され、
    前記制御手段は、前記湯張りの際に、前記循環回路の湯水を循環させることにより、前記循環回路に残存している湯水を前記浴槽へ排出する請求項7記載の貯湯式給湯システム。
JP2019136717A 2019-07-25 2019-07-25 貯湯式給湯システム Active JP7274964B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019136717A JP7274964B2 (ja) 2019-07-25 2019-07-25 貯湯式給湯システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019136717A JP7274964B2 (ja) 2019-07-25 2019-07-25 貯湯式給湯システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2021021506A JP2021021506A (ja) 2021-02-18
JP7274964B2 true JP7274964B2 (ja) 2023-05-17

Family

ID=74574792

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019136717A Active JP7274964B2 (ja) 2019-07-25 2019-07-25 貯湯式給湯システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7274964B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022123998A (ja) 2021-02-15 2022-08-25 セイコーエプソン株式会社 記録装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005055149A (ja) 2003-08-07 2005-03-03 Denso Corp 貯湯式給湯装置
JP2007071450A (ja) 2005-09-07 2007-03-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 貯湯式給湯装置
JP2014240723A (ja) 2013-06-12 2014-12-25 ダイニチ工業株式会社 貯湯式給湯システム

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005055149A (ja) 2003-08-07 2005-03-03 Denso Corp 貯湯式給湯装置
JP2007071450A (ja) 2005-09-07 2007-03-22 Matsushita Electric Ind Co Ltd 貯湯式給湯装置
JP2014240723A (ja) 2013-06-12 2014-12-25 ダイニチ工業株式会社 貯湯式給湯システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2021021506A (ja) 2021-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5812043B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP5126345B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP6107958B2 (ja) 蓄熱システム
JP4525820B2 (ja) 給湯装置
JP6015926B2 (ja) 貯湯式給湯装置
JP7274964B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP2011163659A (ja) 給湯システム
JP6052342B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP6628643B2 (ja) 給湯システム
JP5919475B2 (ja) 給湯装置
JP7292084B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP4710511B2 (ja) 貯湯式給湯機
JP7466387B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP4039160B2 (ja) 電気温水器
JP2006349273A (ja) 給湯装置
JP5106567B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP2003287278A (ja) ヒートポンプ給湯機
JP6672978B2 (ja) 貯湯式給湯装置
JP5965731B2 (ja) 貯湯タンクの沸き上げ方法及び貯湯式給湯機
JP5831383B2 (ja) 貯湯式給湯機
JP5903654B2 (ja) 給湯装置
JP4887881B2 (ja) 給湯装置
JP5252021B2 (ja) 貯湯式給湯システム
JP6070165B2 (ja) 給湯機
JP7433054B2 (ja) 制御装置、制御装置を備えた給湯システムおよび制御方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220627

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20230322

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20230404

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20230502

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7274964

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150