JP2003287278A - ヒートポンプ給湯機 - Google Patents

ヒートポンプ給湯機

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JP2003287278A JP2002087836A JP2002087836A JP2003287278A JP 2003287278 A JP2003287278 A JP 2003287278A JP 2002087836 A JP2002087836 A JP 2002087836A JP 2002087836 A JP2002087836 A JP 2002087836A JP 2003287278 A JP2003287278 A JP 2003287278A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タンク内に残る中温から高温の湯をなくして
高効率にヒートポンプ貯湯運転をおこない、給湯にかか
る光熱費を低減する。 【解決手段】 貯湯用のタンク31と、タンク31内の
水を加熱するヒートポンプユニット32と、第二のポン
プ53を有してタンク31内の下部と上部を連通し水を
循環攪拌する攪拌流路52とを備えるものである。これ
によって、昼間給湯使用した後の残湯が深夜の加熱前に
タンク31内に残っていても、第二のポンプ53の運転
により残湯を高温のまま再加熱せずに、タンク下方の低
温の給水と攪拌混合し十分に温度低下させた後にタンク
全量を沸かすことができるので、加熱する際のヒートポ
ンプユニット32への供給水温度が低くなり、加熱運転
の効率が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、貯湯用のタンクを
備えるヒートポンプ給湯機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、R22などの冷媒を使用する
ヒートポンプ給湯機が公知である。この種のヒートポン
プ給湯機としては、図6に示すように、給湯用水を貯留
するタンク1、給湯用水の加熱手段であるヒートポンプ
熱源2、タンク1とヒートポンプ熱源2とを接続する流
水配管3、この流水配管3に給湯用水を循環させるポン
プ4等より構成される。
【0003】ヒートポンプ熱源2は、圧縮機5、給湯用
熱交換器6、膨張弁7、室外熱交換器8、アキュムレー
タ9を順次冷媒配管10により接続して構成され、冷媒
が充填されている。給湯用熱交換器6は、圧縮機5より
吐出された高圧のガス冷媒と給湯用水とを熱交換するも
ので、冷媒が流れる冷媒通路6aと、給湯用水が流れる
給湯用水通路6bとを有している。膨張弁7は、給湯用
熱交換器6から流出する冷媒を弁開度に応じて減圧する
減圧装置で、室外熱交換器8は、膨張弁7で減圧された
冷媒をファン11によって送風される外気との熱交換に
よって蒸発させる。アキュムレータ9は、室外熱交換器
8で蒸発した冷媒を気液分離して液冷媒を貯留し、気相
冷媒のみを圧縮機5に吸引させ、サイクル中の余剰冷媒
を蓄えている。流水配管3は、給湯用熱交換器6の給湯
用水通路6bに接続される冷水管3aと温水管3bとで
構成され、冷水管3aの上流端がタンク1の底面に接続
され、温水管3bの下流端がタンク1の天面に接続され
ている。ポンプ4は、冷水管3a(温水管3bでも良
い)に設けられ、通電されて回転することにより、タン
ク1内の給湯用水を流水配管3に流通させる。なお、給
湯用水の流通方向は、図に矢印で示すように、タンク1
内の下部→冷水管3a→給湯用熱交換器6の給湯用水通
路6bと流れ、ここでヒートポンプ熱源2により加熱さ
れて温水となり、給湯用水通路6b→温水管3b→タン
ク1内の上部へと流れる。また、タンク1の底面には、
タンク1内に給水するための給水配管12が接続され、
タンク1の天面には、タンク1内に蓄えられた給湯用水
(温水)を使用者に供給するための給湯配管13が接続
されている。
【0004】一般に、このような貯湯式の給湯機では、
タンクに蓄えられた温水を直接給湯用として使用する場
合、衛生面上から温水の温度(貯湯温度)を60℃以上
としたり、タンクを小型化するために冷媒の特性上可能
な限り高温(R22では65℃、二酸化炭素冷媒では例
えば90℃)に加熱してタンク1に貯湯する。そして、
ヒートポンプ熱源2は電力料金の安い深夜時刻帯に運転
されてタンク1内をすべて温水に加熱し、翌朝から夜に
かけて給湯使用される運転方法が主になっており、タン
ク内に深夜貯湯した熱量を給湯負荷が上回りタンク1内
の温水が不足することがないように、その加熱温度とタ
ンク1の容量が設定されている。なお、給湯負荷とは、
給湯使用に必要な温水を得るために要する熱量のことで
あり、例えば、同一の温水温度及び温水量を得るために
は、供給水温が低いほど、必要熱量は増大する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来のヒートポンプ給湯機は、給湯使用時にタンク内の温
水不足が発生しないように常にタンク1内に温水を残し
ているため、一日の給湯使用が終了した深夜加熱直前に
もタンク1内に残湯がある。この残湯はタンクからの放
熱により設定加熱温度よりも温度低下しているので、残
湯も合わせて深夜時刻帯にタンク内すべてを加熱する際
に、温度低下した残湯が流水配管3aを通ってヒートポ
ンプ熱源2に供給されると、ヒートポンプで設定温度ま
で昇温する時の運転効率は非常に悪くなるという課題を
有していた。図7に示すように、水温が上昇するとヒー
トポンプの運転効率COPは非常に悪化する。特に、二
酸化炭素を冷媒としたヒートポンプ熱源は顕著に低下す
る。
【0006】本発明は、前記従来の課題を解決するもの
で、タンク内に残る中温から高温の湯をなくして高効率
にヒートポンプ貯湯運転をおこない、給湯にかかる光熱
費を低減したヒートポンプ給湯機を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】前記従来の課題を解決す
るために、本発明のヒートポンプ給湯機は、貯湯用のタ
ンクと、タンク内の水を加熱するヒートポンプ熱源と、
搬送手段Aを有してタンク内の水を攪拌しタンク内の温
度を略均一化する攪拌流路とを備えたものである。
【0008】これによって、昼間に給湯使用した後の残
湯が、深夜の加熱前にタンク内に残っていても、これを
高温のまま再加熱せずに、攪拌流路の搬送手段Aの運転
により残湯をタンク下方の低温の給水と攪拌混合し十分
に温度低下させた後にタンク全量を沸かすことができる
ので、ヒートポンプ熱源で加熱する際の供給温度が低く
なり、加熱運転の効率が向上する。
【0009】
【発明の実施の形態】請求項1に記載の発明は、貯湯用
のタンクと、圧縮機、放熱器、減圧手段、蒸発器を有し
タンク内の水を加熱するヒートポンプ熱源と、搬送手段
Aを有してタンク内の下部と上部を連通し水を循環攪拌
する攪拌流路を備えたことにより、昼間給湯使用した後
の残湯が、深夜の加熱前にタンク内に残っていても、こ
れを高温のまま再加熱せずに、攪拌流路の搬送手段Aの
運転により残湯をタンク下方の低温の給水と混合し、十
分に温度低下させた後にタンク全量を沸かすことができ
るので、ヒートポンプ熱源で加熱する際の供給温度が低
くなるので運転効率が向上し運転の省電力化が図れ、給
湯にかかる光熱費を低減することができる。
【0010】請求項2に記載の発明は、特に請求項1記
載の発明において、タンク内の下部から水を取り出して
ヒートポンプ熱源へ供給し、ヒートポンプ熱源で加熱さ
れた水をタンク内の上部へ戻す加熱通路を備えたことに
より、給湯後のタンク内再加熱の過程において、攪拌流
路の運転によりタンク内全域の水を温度低下させた後、
水をタンク内の下部から取り出してヒートポンプ熱源で
加熱しタンク内の上部へ戻すことで、タンク内に高温の
上部層と低温の下部層に分かれる温度成層を形成するこ
とができるので、一度ヒートポンプ熱源を通って加熱さ
れた湯を再び加熱することなく、低温度水だけの加熱を
確実に行い運転効率が向上して給湯にかかる光熱費を低
減することができる。
【0011】請求項3に記載の発明は、特に請求項2記
載の攪拌流路を、加熱通路と加熱通路の途中に設けた搬
送手段Bとで構成し、ヒートポンプ熱源を運転せずに搬
送手段Bを駆動するだけでタンク内を攪拌することによ
り、攪拌手段として新たに部材を設けることなくヒート
ポンプ熱源の加熱用回路構成をそのまま兼用できるの
で、機器価格が高くならずに光熱費が低減できる経済性
の優れたヒートポンプ給湯機を提供できる。
【0012】請求項4に記載の発明は、特に請求項1〜
3に記載の発明において、タンク内下部の水温を検出す
る水温検出手段と、水温検出手段の検出温度t1が所定
の温度ts1を超えたt1>ts1の場合に攪拌流路の
攪拌運転を終了する制御手段とを備えたことにより、タ
ンク内に高温層W1、中温層W2、低温層W3ができて
いるとき、高温湯は比重の大きいW3領域に下降せずW
1からW2までの領域で攪拌流路の運転による攪拌が生
じるので、攪拌のために低温層W3領域の水をタンク上
部に搬送し終え攪拌が完了したことをタンク下部温度に
より検出し搬送手段Aの駆動を停止できるので、必要以
上に攪拌流路の運転を継続することなく搬送手段Aの駆
動動力を節約して給湯機の運転を効率化し、給湯のため
の運転費を節約できる。
【0013】請求項5に記載の発明は、特に請求項1〜
4に記載の発明において、浴槽加熱用の熱交換器と、熱
交換器と浴槽の間に設けた往き管と戻り管からなる循環
路とを備え、浴槽の湯とタンク内上部の湯とを循環路を
通じて熱交換器で熱交換させるようにしたことにより、
深夜電力を利用してヒートポンプ熱源により加熱しタン
ク内に貯めた湯の熱を利用して浴槽の追焚きも可能とな
り、深夜電力の料金も安く加熱の運転効率も高いので、
浴槽追焚きにかかる光熱費も低減できる。そして、給湯
使用後の深夜にタンク内を再加熱する際に、浴槽の湯と
の熱交換により高温から中間温度に放熱したタンク内の
残湯を攪拌流路の運転により温度低下させることができ
るので、中間温度の湯を再加熱するよりも運転効率が向
上し、給湯にかかる光熱費をさらに低減することができ
る。
【0014】請求項6に記載の発明は、特に請求項5記
載の発明において、タンク内の残湯量を検出する残湯量
検出手段と、浴槽の湯とタンク内の湯とを熱交換器で熱
交換する風呂追焚き運転Aと、タンク上部の湯を浴槽へ
出湯する風呂追焚き運転Bと、浴槽水の追焚き運転の指
令を検出したときに残湯量検出手段の検出信号が設定湯
量より多い場合に風呂追焚き運転Bを選択する制御手段
とを備えたことにより、一日の給湯使用量が少なくタン
ク内に多量の高温残湯があるときに浴槽の追焚き指令が
あった場合、先ず浴槽へタンク内の高温湯(例えば85
℃)を出湯して浴槽水を昇温する。その後の追焚き指令
があると、風呂追焚き運転Aおよび風呂追焚き運転Bを
しながら、残湯を減らし、熱交換器を用いた風呂追焚き
運転Aによる中間温度の湯がタンク内に多量に残らない
ようにできるので、攪拌流路の運転による温度低下の効
果が大きくなるので運転効率が向上し、給湯にかかる光
熱費を低減することができる。
【0015】請求項7に記載の発明は、特に請求項5〜
6記載の発明において、タンク内の温水温度を検出する
湯温検出手段と、湯温検出手段の検出温度t2が所定の
温度ts2より高温であるt2>ts2の場合に攪拌運
転を行う制御手段とを備えたことにより、タンク内の残
湯が所定値であるts2より低い比較的低温水のとき
は、ヒートポンプ熱源で再加熱するときの運転効率CO
Pの悪化も僅少なので、タンク下部の給水を高COPで
加熱した分と残湯を再加熱した分との平均COPは、攪
拌して加熱運転した場合よりも高効率になる。一方、タ
ンク内の残湯が所定値であるts2より高温のt2>t
s2の場合は攪拌流路の運転による温度低下の効果によ
り加熱運転の効率が向上し、給湯のための運転費を節約
できる。
【0016】請求項8に記載の発明は、特に請求項1〜
7記載のヒートポンプ熱源において、ヒートポンプ熱源
に封入する冷媒を二酸化炭素とすることにより、高温湯
を高効率に沸上げタンクに貯湯することができる。ま
た、加熱前の供給水温が高温の場合二酸化炭素冷媒では
運転効率の低下が顕著であるため、タンク内の攪拌によ
り温度低下させることで運転効率の向上効果が大きくな
り、給湯にかかる光熱費を低減することができる。
【0017】
【実施例】以下本発明の実施例について、図面を参照し
ながら説明する。
【0018】(実施例1)図1は、本発明の第1の実施
例におけるヒートポンプ給湯機の構成の模式図を示すも
ので、図2は同実施例のヒートポンプ給湯機における流
入水の水温とそれを加熱したときの運転効率(COP)
特性を示すものである。
【0019】図1において、31は給湯用水を貯留する
タンク、32は給湯用水の加熱手段となる熱源であるヒ
ートポンプユニットであり、33はタンク31とヒート
ポンプユニット32とを接続する流水配管、34は給湯
用水を循環させる第一のポンプである。ヒートポンプユ
ニット32は、圧縮機35、給湯用熱交換器36、膨張
弁37、室外熱交換器38を順次冷媒配管39により接
続して構成され冷媒が充填されたヒートポンプ回路とフ
ァン40を備えている。ここで本実施例においては、冷
媒に二酸化炭素冷媒を使用した。給湯用熱交換器36
は、圧縮機35より吐出された高圧のガス冷媒と給湯用
水とを熱交換する放熱器で、冷媒が流れる冷媒通路36
aと、給湯用水が流れる給湯用水通路36bとを有して
いる。膨張弁37は、給湯用熱交換器36から流出する
冷媒を弁開度に応じて減圧する減圧手段で、室外熱交換
器38は、膨張弁37で減圧された冷媒をファン40に
よって送風される外気との熱交換によって蒸発させる。
【0020】流水配管33は、給湯用熱交換器36の給
湯用水通路36bに接続される流入管33aと流出管3
3bとで構成され、流入管33aの上流端がタンク31
の底面に接続され、流出管33bの下流端がタンク31
の天面に接続されている。第一のポンプ34は、ヒート
ポンプユニット32内の流入管33a(流出管33bで
も良い)に設けられ、通電されて回転することにより、
タンク31内の給湯用水を流水配管33に流通させる。
なお、給湯用水の流通方向は、図に矢印で示すように、
タンク31内の下部→流入管33a→給湯用熱交換器3
6の給湯用水通路36bと流れ、ここでヒートポンプユ
ニット32により加熱されて温水となり、給湯用水通路
36b→流出管33b→タンク31内の上部へと流れ、
タンク31に温水が貯められていく。また、タンク31
の底面には、給水圧を加えながらタンク31に市水を供
給するための給水配管41が接続され、タンク31の天
面には、タンク31内に貯えられた給湯用水(温水)を
使用者に供給するための給湯配管42が接続され、その
先端には台所、洗面、浴室などの複数の蛇口43が設け
られている。
【0021】タンク31の壁面には、温度検知手段であ
る3個のサーミスタ44、45、46がそれぞれ異なる
高さに配置されている。具体的には、第1サーミスタ4
4、第2サーミスタ45、第3サーミスタ46の順に、
図における上部から下部に向かって所定の間隔を置いて
配置されている。また、流出管33bの給湯用熱交換器
36の出口近傍には出口サーミスタ47が、流入管33
aの給湯用熱交換器36の入口側には入口サーミスタ4
8が設けられ、各サーミスタ44、45、46および4
7、48の検出信号は、CPU、メモリ、入出力インタ
ーフェース等を有するマイクロコンピュータ(図示せ
ず)を用いて構成された制御手段49にそれぞれ入力さ
れるよう構成されている。50はヒートポンプ給湯機の
遠隔操作を行うリモコンであり、リモコン50は信号用
のケーブル51で制御手段49と有線接続されている。
【0022】上記構成のヒートポンプ給湯機の運転動作
のうちの湯沸かし運転について説明する。まず、制御手
段49が電気的に接続された冷媒回路中の圧縮機35を
駆動し、給湯用熱交換器36を放熱器として機能させる
と共に、室外熱交換器38を蒸発器として機能させる。
次に、水系統回路における第一のポンプ34を作動させ
る。すると、タンク31の底部から貯留水が流出し、前
述した水の流れの通り、これが流入管33aを介して給
湯用熱交換器36の水通路36bを流通する。そのとき
この水は放熱器として機能している給湯用熱交換器36
によって加熱され流出管33bを通って再びタンク31
内の上部へと返流される。そしてこのような動作を継続
して行うことによって、タンク31の上端側から下端側
へと高温湯が次第に貯留されるように構成されている。
この湯沸かし運転においては、出口サーミスタ47が給
湯用熱交換器36で加熱された高温湯の温度を検出し、
電気的に接続された制御手段49が高温湯の温度を決定
した所定値(例えば二酸化炭素冷媒では加熱温度85℃
に設定)になるように、この検出信号に基づき運転制御
する。そして入口サーミスタ48がタンク31から流入
する水の温度を検出し、タンクからの流入温度が所定の
加熱終了温度(例えば、設定加熱温度85℃から10度
引いた75℃)より高温になると、その信号に基づき制
御手段49はタンク31全量が高温湯となったと判断
し、湯沸かし運転を停止する。この湯沸かし運転は、通
常は深夜電気料金制度を利用して電気料金の安い深夜時
刻帯に行い、日中の給湯量を賄うように湯を沸かして貯
めることで給湯コストを低減するようにしている。
【0023】以上のように構成されたヒートポンプ給湯
機において、前述したような湯沸かし運転によりタンク
31の全量(例えば、300リットルタンクであれば3
00リットル)が高温湯となって貯められた状態から、
給湯使用により湯量が減少してくる。給湯使用する際
は、使用者が最寄りのリモコン50を操作して給湯を要
求する。すると、この給湯要求信号はケーブル51を経
て制御手段49に伝わる。蛇口からの出湯の場合、蛇口
43を開栓すると給水配管41を流れる水の給水圧によ
ってタンク31内に貯留された約85℃の高温湯が押し
上げられ、給湯配管42を通って使用する蛇口43に供
給される。給湯使用後のタンク31内は、水温による比
重差によって、タンク内上部は高温湯の高温層W1、下
部は給水が加熱されず低温のままの低温層W3、高温層
W1と低温層W3の間に挟まれた薄い層をなす中間温度
の中温層W2に自然に分離されており、上から高温層W
1、中温層W2、低温層W3の3層構造となる。
【0024】ところで、上記に示したようにタンク31
には3個のサーミスタ44、45、46がそれぞれ異な
る高さ位置に配置されており、タンク31内を3つに区
分して湯温を検出できるようになっている。すなわち、
図における上方部から下方部に向かって、第1サーミス
タ44は最小残湯量を、第2サーミスタ45は大出湯
を、第3サーミスタ46は最大貯湯量をそれぞれ検知す
るよう設けられ、各位置の湯温を検出している。また、
各サーミスタ44、45、46および47の検出信号
は、制御手段49にそれぞれ入力されるよう構成されて
おり、制御手段49は所定時間内に入力される各検出信
号の温度変化から適切な給湯運転制御を選択して、運転
指令を発する機能を有している。そして、残湯量が所定
の最小湯量(例えば、前記300リットルタンクであれ
ば100リットル)以下になると、ヒートポンプユニッ
ト32を運転して沸き増しを行う。具体的には、タンク
31の第1サーミスタ44で検知される湯温twが、基
準温度ts0(例えば、50℃)よりも低くなると、そ
の検出信号を受けて制御手段49は沸き増し運転開始の
判定を行う。そして、制御手段49はヒートポンプユニ
ット32の運転を要求し、第一のポンプ34と圧縮機3
5を駆動し沸き増し運転を行う。そして、第1サーミス
タ44で検知される湯温twが設定加熱温度(例えば、
85℃)に達すれば、運転を停止するというような制御
を繰り返し行うことによって、上記一定の残湯量を維持
するよう制御される。
【0025】次に、本発明の実施例の特徴的なタンク内
の攪拌流路とその制御について説明する。52は攪拌流
路であり、上流端がタンク31の底面に接続され、途中
に設けた第二のポンプ53を経て、下流端がタンク31
の天面に接続され、タンク内の下部と上部が連通されて
いる。この攪拌流路52は、給水配管41から流入しタ
ンク31の下部に貯留している低温の水を、第二のポン
プ53を駆動してタンク31の上部に搬送し、タンク上
部の高温湯を冷却しながら攪拌することができるもので
ある。制御手段49には現在時刻を出力するクロック5
4が設けられており、またリモコン50には使用者が一
日の給湯使用が終了すると給湯使用の終了を確定してタ
ンク内の攪拌許可を設定する給湯終了設定手段である給
湯終了スイッチ55が設けられている。
【0026】そして使用者が、一日の給湯使用が終了し
てリモコン50の給湯終了スイッチ55を押すと、制御
手段49は攪拌運転の待機モードに入り、クロック54
の出力が深夜時刻帯になるまで待機する。一日の給湯使
用が終了した夜の時点では、上記のように沸き増し運転
が行われることにより、最小残湯量以上の湯量がタンク
31内に残されている。深夜の湯沸かし運転開始直前に
は、この残湯はタンクからの放熱により温度低下してお
り、特に沸き増し運転で使用される第1サーミスタ44
が設けられている位置の下部には、前日深夜に沸かされ
て約一日放熱していた湯があり、設定加熱温度(例え
ば、85℃)よりもいくらか温度低下している。そこ
で、時間が経過して深夜時刻帯に入ると、制御手段49
は、タンク31内の湯温検出手段である第2サーミスタ
45の検出温度tmが所定の温度ts0(例えば、設定
加熱温度85℃から10度引いた75℃)より低温であ
るtm<ts0の場合に、給湯負荷を賄うために再加熱
が必要なので攪拌運転を許可し、第二のポンプ53を駆
動して攪拌流路の運転を開始する。この攪拌流路の運転
により、給水配管41から流入したタンク31内の下部
にある低温の水がタンク上部へ搬送され、水流によりタ
ンク上部の比較的高温の残湯と混合されて温度は略均一
化が進みタンク上部の湯温が低下する。例えば、第2サ
ーミスタ45の検出温度tmが50℃で、タンク上半分
の平均温度が65℃、下半分の温度が給水温度とほぼ等
しい5℃であったとすると、攪拌運転によりタンク31
内全量が均一化すると35℃になる。本実施例における
ヒートポンプユニット32の運転効率COPが、入口サ
ーミスタ48の水温に対して図2に示すようなCOP値
をとる場合、攪拌後の湯沸かし運転は300リットルを
COP1.5で運転することとなり、消費電力量は(湯
沸かし水量×(設定加熱温度ー水温)÷COP÷86
0)で計算されるので、300×(85−35)÷1.
5÷860=11.6キロワット時となる。一方、攪拌
せずに湯沸かし運転をした場合は、タンク下半分をCO
P2.5で沸かして5.6キロワット時、タンク上半分
をCOP0.5で沸かして7.0キロワット時となり、
合計すると12.6キロワット時と、9%程度余計に電
力を消費することとなる。別の例として、タンク31の
上50リットルが65℃で、下250リットルが5℃で
あった場合は、攪拌実施による差がさらに顕著となり、
30%弱ほどの消費電力の差が生じる。このように、タ
ンク31内の下部と上部の間で水を循環させることによ
りタンク31内の水を攪拌しタンク内の温度を略均一化
する攪拌流路52を備え、昼間給湯使用した後の残湯が
深夜の加熱前にタンク内に残っていても、これを高温の
まま湯沸かし運転で再加熱せずに、攪拌流路52の第二
のポンプ53の運転により残湯をタンク下方の低温の給
水と混合し、十分に温度低下させた後にタンク全量を沸
かすことができるので、ヒートポンプユニット32で加
熱する際の供給温度が低くなって運転効率が向上し運転
の省電力化が図れ、給湯にかかる光熱費を低減すること
ができる。
【0027】攪拌流路の運転中は、前述のW1、W2、
W3の3層構造において、タンク上部で低温水と攪拌混
合された混合湯はW3領域の水温よりもいくらか高温で
あるので、混合湯は比重の大きいW3領域に下降せず、
およそW1からW2までの領域で攪拌流路52の運転に
よる攪拌が生じる。一方、3層構造のうちの低温である
W3領域の水をタンク上部に搬送するので、低温層W3
が減少する。攪拌のために低温層W3領域の水をすべて
タンク上部に搬送し終えると、タンク31の下部に設け
た第3サーミスタ46の位置で低温水がなくなって混合
湯に変わるので、第3サーミスタ46の検出温度t1が
上昇する。t1が所定の温度ts1(例えば、30℃)
を超えたt1>ts1になった場合に制御手段49は攪
拌運転を終了し、第二のポンプ53を停止する。このよ
うに、高温層W1、中温層W2、低温層W3ができてい
るとき、低温水より高温の混合湯は比重の大きいW3領
域に下降せずW1からW2までの領域で攪拌流路52の
運転による攪拌が生じるので、攪拌のために低温層W3
領域の水をタンク上部に攪拌流路52で搬送し終え攪拌
が完了したことをタンク下部温度により検出し、搬送手
段である第二のポンプ53の駆動を停止できるので、必
要以上に攪拌流路52の運転を継続することなく搬送手
段の駆動動力を節約して給湯機の運転を効率化し、給湯
のための運転費を節約できる。
【0028】攪拌運転が終了すると、深夜の湯沸かし運
転を開始する。流水配管33がタンク31内の下部から
水を取り出してヒートポンプユニット32へ供給し、こ
の水をヒートポンプユニット32で加熱してタンク内の
上部へ戻す加熱通路構成となっているので、攪拌運転に
よりタンク内全域の湯を温度低下させた後の湯沸かし運
転の過程において、水をタンク内の下部から取り出して
ヒートポンプ熱源で加熱しタンク内の上部へ戻すこと
で、タンク内に高温の上部層と低温の下部層に分かれる
温度成層を形成することができるので、一度ヒートポン
プ熱源を通って加熱された湯を再び加熱することなく、
低温度水だけの加熱を確実に行い運転効率が向上して給
湯にかかる光熱費を低減することができる。
【0029】そして、ヒートポンプ回路に封入する冷媒
を二酸化炭素とすることによって、高温湯を高効率に沸
上げタンクに貯湯することができる。また、加熱前の給
湯用熱交換器36への供給水温が高温の場合二酸化炭素
冷媒では運転効率の低下が顕著であるため、タンク内の
攪拌により温度低下させることで運転効率の向上効果が
大きくなり、給湯にかかる光熱費を低減することができ
る。
【0030】なお本実施例では、タンク内下部の水温で
ある検出温度t1が、所定の温度ts1を超えたt1>
ts1の場合に攪拌流路52の攪拌運転を終了する制御
方法を説明したが、攪拌後の湯沸かし運転の必要加熱時
間を制御手段49が算出し、深夜時刻帯に湯沸かし運転
が終了するように必要加熱時間を優先して攪拌運転を終
了する、すなわち必要加熱時間が十分に短い場合はタン
ク内下部の水温に基づき攪拌流路52の運転を終了し、
必要加熱時間が長い場合は攪拌運転が不十分であっても
終了し優先的に湯沸かし運転が深夜時刻帯内に終了する
ように運転してもよい。
【0031】また、本実施例ではこの攪拌流路52を、
給水配管41から流入しタンク31の下部に貯留してい
る低温の水を、第二のポンプ53を駆動してタンク31
の上部に搬送し、タンク上部の高温湯を冷却しながら攪
拌することができるものとしたが、逆にタンク上部から
水を取り出してタンク下部に戻すように第二のポンプ5
3を設けて駆動しても、タンク内を攪拌混合することが
できる。
【0032】また、攪拌流路52と、その搬送手段Aで
ある第2のポンプの53の代わりに、加熱通路である流
水配管33と、その搬送手段Bである第1のポンプ34
でヒートポンプユニット32を運転せずに駆動すること
で、タンク31内を攪拌してもよく、この場合は、機器
コストを下げることができる。
【0033】(実施例2)図3は、本発明の第2の実施
例における給湯機であるヒートポンプ給湯機の構成の模
式図を示すもので、図4は同実施例のヒートポンプ給湯
機における動作を説明する制御フローチャートを示すも
のである。
【0034】図3において、図1と同符号のものは相当
する構成要素であり、詳細な説明は省略する。図におい
て、ヒートポンプ熱源での加熱通路とタンク31の攪拌
流路を兼ねる流水配管56は、給湯用熱交換器36の給
湯用水通路36bに接続される流入管56aと流出管5
6bとで構成され、流入管56aの上流端がタンク31
の底面に接続され、流出管56bの下流端がタンク31
の天面に接続されている。第三のポンプ57は、ヒート
ポンプユニット32内の流入管56a(流出管56bで
も良い)に設けられ、通電されて回転することにより、
タンク31内の給湯用水を流水配管56に流通させる。
58はタンク31内の上部に設けた風呂熱交換器であ
り、浴槽59に接続された往き管60と戻り管61およ
び風呂ポンプ62とで循環路を構成し、風呂ポンプ62
を駆動することで浴槽59内の湯とタンク31内上部の
高温湯とが熱交換できるようになっている。63は風呂
追焚き運転Aであり、浴槽59の湯を風呂ポンプ62を
介して風呂熱交換器58へ流して追焚き運転する。64
は風呂追焚き運転Bであり、貯湯槽31上部の高温湯を
給湯配管42、電磁開閉弁65を介して浴槽59へ出湯
する。66はリモコン50に設けられた追焚き運転の指
令手段である。
【0035】以上のように構成されたヒートポンプ給湯
機において、以下その動作、作用のうち浴槽の湯温を上
昇させる追焚き運転について説明する。使用者が入浴に
際して指令手段66を操作して制御手段49が追焚き指
令を検出したとき、残湯量検出手段である第1サーミス
タ44と第2サーミスタ45とによりタンク31の所定
位置のそれぞれの検出温度から残湯量を求め、この残湯
量に基づき風呂追焚き運転A63か風呂追焚き運転B6
4かを選択する。具体的には、第1サーミスタ44の検
出温度と第2サーミスタ45の検出温度が共に高温(例
えば共に85℃前後)である場合は、残湯量が設定湯量
よりも十分に多いので風呂追焚き運転Bを選択し、電磁
開閉弁65を開弁してタンク31の高温湯を給湯配管4
2、電磁開閉弁65を介して浴槽59へ注湯することで
追焚き運転する。一方、第1サーミスタ44の検出温度
は高温であるが、第2サーミスタ45の検出温度が低温
(例えば40℃)である場合は、残湯量が設定湯量より
も少ないので風呂追焚き運転Aを選択する。そして、風
呂ポンプ62を運転し浴槽59の湯を風呂熱交換器58
へ流してタンク31の高温湯と熱交換し、高温にして浴
槽59に戻して追焚き運転する。この風呂追焚き運転A
を行ったときは、熱交換したタンク31内の湯温は低下
する。1日の給湯使用量が少ない場合、あるいは前日の
低温となった浴槽水を再度沸上げて利用する場合にはタ
ンク31に多量の残湯がある。特に、前日の低温となっ
た浴槽水を再度沸上げて利用する場合には、タンク31
から浴槽59へ出湯しないため多量の残湯がある。これ
らの場合に風呂追焚き運転Aを行うと、追焚き後に多量
の中間温度の湯がタンク31に残るため、ヒートポンプ
熱源であるヒートポンプユニット33で湯沸かし運転す
る際に効率が非常に悪くなる。しかし、本発明では、高
温の湯が設定湯量より多量にある場合、先ずタンク31
の残湯を浴槽59へ注湯して追焚きに利用しタンク31
内の残湯量を少なくする。そして、家族の入浴とともに
この追焚き運転Bを繰り返すことによって、タンク31
の残湯量が少なくなって残湯量が設定湯量以下に達する
と、その後、浴槽59の追焚き運転の指令を検出した
時、風呂追焚き運転Aを行うので、湯沸かし運転前にタ
ンク31に残った中間温度の湯量が少なくなる。このよ
うに、一日の給湯使用量が少なく多量の高温残湯がある
ときに浴槽の追焚き指令があった場合、先ず浴槽59へ
タンク内の高温湯(例えば85℃)を出湯して浴槽水を
昇温する。そして、風呂追焚き運転Aおよび風呂追焚き
運転Bをしながら、残湯を減らし、風呂熱交換器58を
用いた風呂追焚き運転Aによる中間温度の湯がタンク内
に多量に残らないようにできるので、攪拌流路の第三の
ポンプ57の運転による温度低下の効果が大きくなり、
より低温の水を再加熱する結果となるので運転効率が向
上し、給湯にかかる光熱費を低減することができる。
【0036】また、浴槽加熱用の風呂熱交換器58を設
けているので、深夜電力を利用してヒートポンプ熱源に
より加熱しタンク31内に貯めた湯の熱を利用して浴槽
の追焚きも可能となり、深夜電力の料金も安く加熱の運
転効率も高いので、浴槽追焚きにかかる光熱費も低減で
きる。そして、給湯使用後の深夜にタンク31内を再加
熱する湯沸かし運転の際に、浴槽59の湯との熱交換に
より高温から中間温度に放熱したタンク31内の残湯を
攪拌流路の運転により温度低下させることができるの
で、中間温度の湯を再加熱するよりも運転効率が向上
し、給湯にかかる光熱費をさらに低減することができ
る。
【0037】前述の風呂追焚き運転も含めて一日の給湯
使用が終了すると、使用者が給湯終了スイッチ55を押
し、制御手段49はクロック54の出力が深夜時刻帯に
なるまで攪拌運転の待機モードに入る。そして深夜の湯
沸かし運転前になると、制御手段49は、タンク31内
の湯温検出手段である第1サーミスタ44の湯沸かし前
検出温度t2が所定の温度ts2(例えば、設定加熱温
度45℃)より高温であるt2>ts2の場合に攪拌運
転を許可し、第三のポンプ57を駆動して攪拌流路の運
転を開始する。タンク31内の残湯は、前述の風呂追焚
き運転Aが行われていると中間温度まで温度低下してお
り、このときの残湯の温度と量が例えば50℃で150
Lであり、タンク下半分の温度が給水温度とほぼ等しい
5℃であったとすると、攪拌運転によりタンク31内全
量の温度が均一化すると27.5℃になる。本実施例に
おけるヒートポンプユニット32の運転効率COPが、
入口サーミスタ48の水温に対して図2に示すようなC
OP値をとる場合、攪拌後の湯沸かし運転を消費電力量
11.5キロワット時で行うこととなる。一方、攪拌せ
ずに湯沸かし運転をした場合は、タンク下半分をCOP
2.5で沸かして5.6キロワット時、タンク上半分を
COP1.0で沸かして6.1キロワット時となり、合
計すると11.7キロワット時と、少し余計に電力を消
費することとなる。残湯の温度がこの例よりも高温であ
れば、攪拌実施による消費電力の低減効果がさらに顕著
となる。このように、タンク31内の残湯が所定値であ
るts2より低い比較的低温水のときは、ヒートポンプ
熱源で再加熱するときの運転効率COPの悪化も僅少な
ので、タンク下部の給水を高COPで加熱した分と残湯
を再加熱した分との平均COPは、攪拌して加熱運転し
た場合よりも高効率になる。一方、タンク内の残湯が所
定値であるts2より高温のt2>ts2の場合は攪拌
流路の運転による温度低下の効果により加熱運転の効率
が向上し、運転の省電力化が図れ給湯のための運転費を
節約できる。
【0038】そして、攪拌流路は加熱通路と兼用の流水
配管56であるので、攪拌手段として新たに部材を設け
ることなくヒートポンプ熱源の加熱用回路構成をそのま
ま兼用でき、機器価格が高くならずに光熱費が低減でき
る経済性の優れたヒートポンプ給湯機を提供できる。
【0039】なお本実施例では、残湯量検出手段として
第1サーミスタ44と第2サーミスタ45とによりタン
ク31の所定位置のそれぞれの検出温度から残湯量を求
めるものを説明したが、多数の温度検出手段の設置間隔
を密にしたものや、流量センサーを設けて検出するもの
などでもよく、種々のものが考えられる。
【0040】(実施例3)図5は、本発明の第3の実施
例における給湯機であるヒートポンプ給湯機の要部構成
図を示すものである。
【0041】図5において、図1および図3と同符号の
ものは相当する構成要素であり、詳細な説明は省略す
る。図において、67はタンク31の外部に設けた風呂
熱交換器であり、タンク側とは第四のポンプ68を設け
た配管69と接続されてタンク上部と循環路を形成して
いる。一方、浴槽側は浴槽59に接続された往き管60
と戻り管61および風呂ポンプ62とで循環路を構成
し、風呂ポンプ62を駆動することで浴槽59内の湯と
タンク31内上部の高温湯とが熱交換できるようになっ
ている。
【0042】以上のように構成されたヒートポンプ給湯
機において、以下その動作、作用について説明する。使
用者が入浴に際して指令手段66を操作して制御手段4
9が追焚き指令を検出したとき、制御手段49は残湯量
に基づき風呂追焚き運転A63か風呂追焚き運転B64
かを選択する。風呂追焚き運転Bを選択した場合は、電
磁開閉弁65を開弁してタンク31の高温湯を浴槽59
へ注湯することで追焚き運転する。一方、風呂追焚き運
転Aを選択した場合は、第四のポンプ68および風呂ポ
ンプ62を運転し、タンク31上部の高温湯と浴槽59
の湯を風呂熱交換器67へ流して熱交換し、浴槽59の
湯を高温にして浴槽59に戻して追焚き運転する。この
風呂追焚き運転Aを行ったときは、熱交換したタンク3
1内の湯温は風呂熱交換器67で放熱して温度低下しタ
ンク内に戻されるので、タンク31内の湯が中間温度に
低下する。しかし、本発明では、一日の給湯使用量が少
なく多量の高温残湯があるときに浴槽の追焚き指令があ
った場合、先ず浴槽59へタンク内の高温湯(例えば8
5℃)を出湯する追焚き運転Bにより浴槽水を昇温す
る。そして、風呂追焚き運転Aおよび風呂追焚き運転B
をしながら残湯を減らし、風呂熱交換器67を用いた風
呂追焚き運転Aによる中間温度の湯がタンク内に多量に
残らないようにできるので、攪拌流路の運転による温度
低下の効果が大きくなるので運転効率が向上し、給湯に
かかる光熱費を低減することができる。
【0043】また、浴槽加熱用の風呂熱交換器67を設
けているので、深夜電力を利用した湯の熱を利用して浴
槽の追焚きも可能となり、浴槽追焚きにかかる光熱費も
低減できる。そして、給湯使用後の深夜の湯沸かし運転
の際に、中間温度に放熱したタンク31内の残湯を攪拌
流路の運転により温度低下させることができるので運転
効率が向上し、給湯にかかる光熱費をさらに低減するこ
とができる。
【0044】
【発明の効果】以上のように、請求項1〜8記載の発明
によれば、昼間給湯使用した後の残湯が、深夜の加熱前
にタンク内に残っていても、攪拌流路により残湯を高温
のまま再加熱せずに、タンク下方の低温の給水と攪拌混
合し十分に温度低下させた後にタンク全量を沸かすこと
ができるので、ヒートポンプ熱源で加熱する際の供給温
度が低くなり、効率化による運転の省電力化が図れ、給
湯にかかる光熱費を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1のヒートポンプ給湯機の構成
【図2】本発明の実施例1のヒートポンプ給湯機の運転
効率特性図
【図3】本発明の実施例2のヒートポンプ給湯機の構成
【図4】本発明の実施例2のヒートポンプ給湯機の動作
を説明するフローチャート
【図5】本発明の実施例3のヒートポンプ給湯機の要部
構成図
【図6】従来のヒートポンプ給湯機の構成図
【図7】従来のヒートポンプ給湯機の運転効率特性図
【符号の説明】
31 タンク 32 ヒートポンプユニット(ヒートポンプ熱源) 33 流水配管(加熱通路) 33a 流入管 33b 流出管 34 第一のポンプ(攪拌手段B) 35 圧縮機 36 給湯用熱交換器(放熱器) 37 膨張弁(減圧手段) 38 室外熱交換器(蒸発器) 44 第1サーミスタ(湯温検出手段、残湯量検出手
段) 45 第2サーミスタ(残湯量検出手段) 46 第3サーミスタ(水温検出手段) 49 制御手段 52 攪拌流路 53 第二のポンプ(搬送手段A) 56 流水配管(加熱通路、攪拌流路) 57 第三のポンプ(搬送手段B) 58 風呂熱交換器 59 浴槽 60 往き管 61 戻り管
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 今林 敏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 國本 啓次郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 松本 聡 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 貯湯用のタンクと、圧縮機、放熱器、減
    圧手段、蒸発器を有し前記タンク内の水を加熱するヒー
    トポンプ熱源と、搬送手段Aタンク内の下部と上部を連
    通し水を循環攪拌する攪拌流路を備えたヒートポンプ給
    湯機。
  2. 【請求項2】 タンク内の下部から水を取り出してヒー
    トポンプ熱源へ供給し、前記ヒートポンプ熱源で加熱さ
    れた水を前記タンク内の上部へ戻す加熱通路を備えた請
    求項1に記載のヒートポンプ給湯機。
  3. 【請求項3】 攪拌流路は、加熱通路と前記加熱通路の
    途中に設けた搬送手段Bとで構成し、ヒートポンプ熱源
    を運転せずに搬送手段Bを駆動するだけでタンク内を攪
    拌する請求項2に記載のヒートポンプ給湯機。
  4. 【請求項4】 タンク内下部の水温を検出する水温検出
    手段と、前記水温検出手段の検出温度t1が所定の温度
    ts1を超えたt1>ts1の場合に攪拌流路の攪拌運
    転を終了する制御手段とを備えた請求項1〜3のいずれ
    か1項記載のヒートポンプ給湯機。
  5. 【請求項5】 浴槽加熱用の熱交換器と、前記熱交換器
    と浴槽の間に設けた往き管と戻り管からなる循環路とを
    備え、前記浴槽の湯と前記タンク内上部の湯とを前記循
    環路を通じて前記熱交換器で熱交換させるようにした請
    求項1〜4のいずれか1項記載のヒートポンプ給湯機。
  6. 【請求項6】 タンク内の残湯量を検出する残湯量検出
    手段と、浴槽の湯と前記タンク内の湯とを熱交換器で熱
    交換する風呂追焚き運転Aと、前記タンク上部の湯を浴
    槽へ出湯する風呂追焚き運転Bと、前記浴槽水の追焚き
    運転の指令を検出したときに前記残湯量検出手段の検出
    信号が設定湯量より多い場合に風呂追焚き運転Bを選択
    する制御手段とを備えた請求項5に記載のヒートポンプ
    給湯機。
  7. 【請求項7】 タンク内の温水温度を検出する湯温検出
    手段と、前記湯温検出手段の検出温度t2が所定の温度
    ts2より高温であるt2>ts2の場合に攪拌運転を
    行う制御手段とを備えた請求項5または6記載のヒート
    ポンプ給湯機。
  8. 【請求項8】 ヒートポンプ熱源に封入する冷媒を二酸
    化炭素とする請求項1〜7のいづれか1項記載のヒート
    ポンプ給湯機。
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