JP7290442B2 - 回路部品 - Google Patents

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Description

本発明は、回路部品に関する。
近年、三次元成形回路部品(MID:Molded Interconnected Device)が、スマートフォン等で実用化されており、今後、自動車分野での応用拡大が期待されている。MIDは、樹脂成形体の表面に金属膜で回路を形成したデバイスであり、製品の軽量化、薄肉化及び部品点数削減に貢献できる。
発光ダイオード(LED)が実装されたMIDも提案されている。LEDは、通電により発熱するため背面からの排熱が必要であり、MIDの放熱性を高めることが重要となる。特許文献1では、MIDと金属製の放熱部材とを一体化した複合部品が提案されている。また、特許文献1のMIDでは、メッキ膜により回路パターンを形成している。
また、MIDではなく平面上に回路パターンが形成された回路部品であるが、特許文献2及び3には、金属製の放熱部材をベース基材として用いた回路部品が開示されている。金属製のベース基材と、回路パターンを形成する配線とを絶縁するために、特許文献2では、これらの間にアルマイト層を設けることが提案され、特許文献3でも、アルマイト層を含む種々のセラミック層を設けることが提案されている。
特許第3443872号公報 特開2017‐27993号公報 特許第4880358号公報
しかし、陽極酸化皮膜であるアルマイト層は、ポーラスな構造を有し、封孔処理を施しても、硬くて脆く、衝撃強度が低い。このため、回路部品の製造工程において、振動等の衝撃が与えられると、アルマイト層にクラック(割れ)が生じる虞がある。回路パターンを形成する配線と、金属製ベース基材との間のアルマイト層にクラックが発生すると、配線と、金属製ベース基材とを十分に絶縁できず、これらが短絡する虞があり、回路部品の信頼性が低下する。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、高い放熱性を有すると共に、信頼性の高い回路部品を提供する。
本発明に従えば、回路部品であって、厚肉部及び薄肉部を有する金属部と、前記金属部上に形成されている陽極酸化皮膜と、前記陽極酸化皮膜を介して、前記厚肉部上に形成されている樹脂部と、前記陽極酸化皮膜及び前記樹脂部を介して、前記厚肉部上に形成されているメッキ膜を含む回路パターンと、前記陽極酸化皮膜及び前記樹脂部を介して、前記厚肉部上に実装され、前記回路パターンと電気的に接続する実装部品と、を含む回路部品が提供される。
前記メッキ膜が、前記樹脂部上に形成された溝に形成されていてもよい。前記金属部の厚肉部は、前記薄肉部の第1面から、第1面と交差する所定方向に離れて配置される第2面を有し、前記金属部の第2面上に、前記回路パターンが形成されていてもよい。第1面が平面を含み、前記所定方向が前記平面に垂直な方向であってもよい。前記所定方向における、前記厚肉部の厚さが1mm~30mmであってもよい。前記所定方向において、前記厚肉部の厚さが、前記薄肉部の厚さの最小値の1.1倍~3倍であってもよい。
前記薄肉部の第1面から、第2面を含む前記厚肉部の一部である突出部が突出していてもよい。前記突出部は、前記薄肉部の第1面と、前記厚肉部の第2面とを連結する第3面を有し、第3面上に形成されている前記樹脂部の厚さが、第2面上に形成されている前記樹脂部の厚さより大きくてもよい。第2面が曲面を含んでもよい。
前記薄肉部が、前記厚肉部の周囲を囲んでいてもよい。前記金属部の前記薄肉部が板状体であってもよい。前記金属部がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記陽極酸化皮膜がアルマイトであってもよい。前記陽極酸化皮膜の膜厚が10μm~60μmであってもよい。前記回路パターンが立体的な回路パターンであってもよい。
本発明の回路部品は、高い放熱性及び信頼性を有する。
図1Aは、実施形態の回路部品の上面模式図である。 図1Bは、図1AのIB‐IB線断面模式図である。 図2は、実施形態の回路部品の製造方法を説明するフローチャートである。 図3Aは、実施形態の回路部品の製造方法を説明する図である。 図3Bは、実施形態の回路部品の製造方法を説明する図である。 図3Cは、実施形態の回路部品の製造方法を説明する図である。 図3Dは、実施形態の回路部品の製造方法を説明する図である。 図3Eは、実施形態の回路部品の製造方法を説明する図である。 図3Fは、実施形態の回路部品の製造方法を説明する図である。 図4は、変形例1の回路部品の断面模式図である。 図5は、変形例2の回路部品の断面模式図である。 図6は、変形例3の回路部品の断面模式図である。 図7は、変形例4の回路部品の断面模式図である。 図8は、変形例5の回路部品の断面模式図である。
[回路部品]
図1A及び図1Bに示す、本実施形態の回路部品100について説明する。回路部品100は、金属部50と、金属部50上に形成されている陽極酸化皮膜60と、陽極酸化皮膜60上に形成されている樹脂部10と、樹脂部10上に形成されるメッキ膜21を含む回路パターン20と、樹脂部10上に実装され、回路パターン20(メッキ膜21)と電気的に接続する実装部品30とを含む。
金属部50は、薄肉部51と、厚肉部52とを有する。薄肉部51は板状体であり、厚肉部52は、薄肉部51より厚さの厚い板状体である。即ち、金属部50は、厚さが一定でない(厚さが変動している)板状体である。厚肉部52上には、陽極酸化皮膜60及び樹脂部10を介して、メッキ膜21を含む回路パターン20が形成され、実装部品30が実装されている。一方、薄肉部51上には、回路パターン20は形成されておらず、実装部品30は実装されていない。
厚肉部52は、薄肉部51の第1面51aから、図1Bに矢印で示す、第1面51aと交差する所定方向に離れて配置される第2面52aを有する。回路パターン20は、陽極酸化皮膜60及び樹脂部10を介して、第2面52a上に形成されている。薄肉部51の第1面51aは、板状体である薄肉部51の一方の面であり、平面を含んでもよい。所定方向は、第1面51aの平面に垂直な方向であってもよい。所定方向において、厚肉部52の厚さTは、薄肉部51の厚さtより厚い。
薄肉部51は、厚肉部52の周囲を囲んで配置されている。板状体である薄肉部51の一方の面(第1面51a)から、厚肉部52の一部である突出部52bが突出している。突出部52bは、第2面52aと、第2面52aと第1面51aとを連結する第3面52cを有する。即ち、薄肉部51の第1面51aと、厚肉部52(突出部52b)の第2面52aとの間には、段差(第3面52c)が形成されている。第2面52aは、第2面52aに対して傾いている第3面52cにより周囲を囲まれている。
本実施形態では、第1面51a及び第2面52aは平面であり、略平行である。また、本実施形態では、第3面52cは平面であり、第1面51a及び第2面52aに対して略垂直である
金属部50に用いる金属は、陽極酸化が可能な金属であれば、特に限定されない。陽極酸化とは、金属を陽極として電解質溶液中で通電し、金属の表面に酸化皮膜を形成する方法である。陽極酸化が可能な金属としては、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン、マグネシウム等が挙げられる。中でも、放熱性が高く、絶縁性や耐食性の高い陽極酸化皮膜を形成できるアルミニウムおよびアルミニウム合金が好ましい。
所定方向における、厚肉部52の厚さ(T)は、例えば、1mm~30mmであり、好ましくは、2mm~10mmであり、より好ましくは、4mm~6mmである。厚肉部52の厚さ(T)が上記範囲内であれば、厚肉部52上に形成される陽極酸化皮膜60に応力が発生し難くなり、陽極酸化皮膜60でのクラックの発生を抑制できる。同様に、陽極酸化皮膜60でのクラック発生を抑制する観点から、所定方向において、厚肉部52の厚さ(T)は、薄肉部51の厚さ(t)の最小値の、例えば、1.1倍~3倍であり、好ましくは、1.2倍~3倍である。また、薄肉部51の厚さ(t)は、回路部品100の軽量化の観点から、例えば、0.1mm~5mmであり、好ましくは、1mm~3mmである。本実施形態の金属部50において、厚肉部52の厚さ(T)及び薄肉部51の厚さ(t)は、それぞれ、ほぼ一定であるが、これらは、変動していてもよい。厚肉部52の厚さ(T)及び薄肉部51の厚さ(t)が変動する場合、厚肉部52の厚さ(T)及び薄肉部51の厚さ(t)は、それぞれ、上述した範囲内で変動していることが好ましい。
陽極酸化皮膜60は、金属部50と回路パターン20のメッキ膜21とを絶縁する観点から、少なくとも、回路パターン20が形成されている金属部50の第2面52a上に形成される。第2面52a上に形成されていれば、陽極酸化皮膜60は、金属部50表面の一部のみに形成されていてもよいし、全面に形成されていてもよい。製造工程(金属部50の陽極酸化)の簡素化の観点からは、陽極酸化皮膜60は、金属部50の全面に形成されていることが好ましい。本実施形態では、陽極酸化皮膜60は、金属部50の全面に形成されており、金属部50の第1面51a上に形成される第1部61、第2面52a上に形成される第2部62、及び第3面52c上に形成される第3部63を有する。第2部62上には、樹脂部10を介して、回路パターン20が形成される。第2部62は、第3部63により周囲を囲まれている。第2部62と、第1部61との間に、第3部63が存在する。
陽極酸化皮膜60は、上述のように、金属部50を陽極酸化することで形成される。したがって、陽極酸化皮膜60の材料は、金属部50の材料(金属)に依存する。例えば、金属50が、アルミニウム又はアルミニウム合金の場合、陽極酸化皮膜60は、アルマイトである。
陽極酸化皮膜60の第2部62の膜厚は、例えば、10~100μmであり、好ましくは、10μm~60μである。陽極酸化皮膜60の第2部62の膜厚が大きすぎるとクラックが発生し易くなり、膜厚が小さすぎると、金属部50とメッキ膜21との絶縁を確保し難くなる。第2部62の膜厚が上記範囲内であれば、クラックの発生を抑制しつつ、十分な絶縁性を担保できる。また、陽極酸化皮膜60の第3部63の膜厚は、第2部62の膜厚よりも薄い。
樹脂部10は、陽極酸化皮膜60を介して、厚肉部52上に形成されている。金属部50とメッキ膜21とを絶縁する観点から、樹脂部10は、少なくとも、回路パターン20が形成されている、厚肉部52の第2面52a上に形成される。第2面52a上に形成されていれば、樹脂部10は、厚肉部52の一部にのみに形成されてもよいし、厚肉部52の全面に形成されてもよい。本実施形態の樹脂部10は、厚肉部52の第2面52a上に形成されている回路形成部11と、第3面52c上に形成されている側部12を有する。回路形成部11と側部12とは連続して形成され、突出部52bを覆っている。回路形成部11の周囲には、側部12が配置されている。側部12の端部は、金属部50の薄肉部51の第1面51aに接触している。
本実施形態では、実装部品30がハンダ付けにより樹脂部10に実装される。このため、樹脂部10が含む樹脂は、ハンダリフロー耐性を有する耐熱性のある高融点の樹脂が好ましい。樹脂部10に用いる樹脂の融点は、260℃以上であることが好ましく、290℃以上であることがより好ましい。尚、実装部品30の実装に、低温ハンダを用いる場合はこの限りではない。
樹脂部10が含む樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化性樹脂である。中でも、薄く成形することが容易であり、成形精度が高く、更に硬化後は高耐熱性及び高密度を有する熱硬化樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、6Tナイロン(6TPA)、9Tナイロン(9TPA)、10Tナイロン(10TPA)、12Tナイロン(12TPA)、MXD6ナイロン(MXDPA)等の芳香族ポリアミド及びこれらのアロイ材料、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSU)等を用いることができ、中でも、薄肉成形が容易であるLCPが好ましい。これらの熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の樹脂部10は、絶縁性熱伝導フィラーを含んでもよい。絶縁性熱伝導フィラーとは、ここでは、熱伝導率1W/m・K以上のフィラーであり、カーボン等の導電性の放熱材料は除外される。絶縁性熱伝導フィラーとしては、例えば、高熱伝導率の無機粉末である、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス粉が挙げられる。フィラー同士の接触率を高めて熱伝達性を高めるために、ワラストナイト等の棒状のフィラー、タルクや窒化ホウ素等の板状のフィラーを混合してもよい。これらの絶縁性熱伝導フィラーは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
絶縁性熱伝導フィラーの粒径(粒子サイズ)は、例えば、5μm~100μmが好ましい。絶縁性熱伝導フィラーは、樹脂部10中に例えば、10重量%~90重量%含まれ、30重量%~80重量%含まれることが好ましい。
樹脂部10は、更に、その強度を制御するために、ガラス繊維、チタン酸カルシウム等の棒状又は針状のフィラーを含んでもよい。また、樹脂部10は、必要に応じて、樹脂成形体に添加される汎用の各種添加剤を含んでもよい。
樹脂部10の回路形成部11の厚さは、成形性の観点からは厚い方が好ましく、放熱性及びコストの観点からは薄い方が好ましい。回路形成部11の厚さは、例えば、20μm~200μmであり、好ましくは、40μm~150μmである。回路形成部11の厚さは、第2面52aが平面を含む場合は、例えば、その平面に垂直な方向の厚さである。また、第2面52aが曲面を含む場合は、例えば、回路形成部11に実装される実装部品30の底面(実装したとき、回路形成部11の表面11aに対向する面)に垂直な方向の厚さである。また、回路形成部11の厚さが一定でなく、変動している場合は、回路形成部11の厚さは、上記範囲内で変動していることが好ましい。また、側部12の厚さは、回路形成部11の厚さより大きい。側部12の厚さは、バリの発生を抑制する観点からは、50μm以上が好ましい。側部12の厚さは、例えば、第3面52cに垂直な方向の厚さである。
回路パターン20はメッキ膜21を含み、回路形成部11上に形成されている。即ち、回路パターン20は、陽極酸化皮膜60及び樹脂部10を介して、厚肉部52上に形成されている。回路形成部11の表面11aには、溝(凹部)11bが形成されており、回路パターン20は溝11bに形成されている。溝11bは、例えば、レーザー光を回路形成部11の表面11aに照射して形成でき、溝11b内は粗化されている。これにより、回路パターン20を構成するメッキ膜21と樹脂部10(回路形成部11)との密着強度が向上する。
回路パターン20は、絶縁体である樹脂部10上に形成されるため、無電解メッキにより形成されることが好ましい。したがって、回路パターン20は、例えば、無電解ニッケルリンメッキ膜、無電解銅メッキ膜、無電解ニッケルメッキ膜等の無電解メッキ膜を含んでもよく、中でも、無電解ニッケルリンメッキ膜を含むことが好ましい。無電解メッキ膜の上に、更に、他の種類の無電解メッキ膜や電解メッキ膜を積層して、回路パターン20を形成してもよい。メッキ膜21の総厚さを厚くすることで回路パターン20の電気抵抗を小さくできる。電気抵抗を下げる観点から、回路パターン20は、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜、電解ニッケルメッキ膜等を含むことが好ましい。また、メッキ膜のハンダの濡れ性を向上させるために、金、銀、錫等のメッキ膜を回路パターン20の最表面に形成してもよい。
実装部品30は、陽極酸化皮膜60及び樹脂部10を介して、厚肉部52上に実装され、回路パターン20と電気的に接続されている。実装部品30は、厚肉部52の第2面52a上に形成されている樹脂部10(回路形成部11)の表面11aに実装されている。実装部品30としては、例えば、LED(発光ダイオード)、パワーモジュール、IC(集積回路)、熱抵抗等が挙げられる。本実施形態では、実装部品30としてLEDを用いる。実装部品30の実装方法は特に限定されず、例えば、汎用のハンダにより実装されている。
[回路部品の製造方法]
図2に示すフローチャートに従って、図3A~図3Fに示す本実施形態の回路部品100の製造方法について説明する。
まず、金属部50を陽極酸化する。これにより、金属部50上に陽極酸化皮膜60を形成する(図2のステップS1、図3B)。本実施形態では、回路パターン20が形成される金属部50の第2面52aを電極に対向させて配置して、陽極酸化を行う。これにより、金属部50の第2面52a上に均一な陽極酸化皮膜60(第2部62)が形成される。一方、陽極酸化において電極と対向していない面、即ち、金属部50の第2面52aに対して傾いている面、例えば、金属部50の第3面52c上には、不均一で薄い陽極酸化皮膜60(第3部63)が形成される。したがって、第3部63の膜厚は、第2部62の膜厚よりも薄い。
次に、陽極酸化皮膜60上に樹脂部10を形成する(図2のステップS2)。例えば、樹脂部10はインサート成形(一体成形)によって形成してもよい。具体的には、陽極酸化皮膜60が形成された金属部50を先に金型内に配置し、その金型の空き部分に樹脂材料を充填する。これにより、陽極酸化皮膜60が形成された金属部50と、樹脂部10とが一体に成形される。インサート成形としては、射出成形、トランスファー成形等を用いることができる。このように、樹脂部10と、その表面に陽極酸化皮膜60が形成された金属部50とは、一体成形した一体成形体であってもよい。ここで、一体成形体とは、別個に作成された金属部50と樹脂部10とを接着や接合(二次接着や機械的接合)するのではなく、樹脂部10の成形時に金属部50と接合する方法(典型的にはインサート成形)により製造したものを意味する。
本実施形態では、図3Cに示すように、インサート成形により、突出部52b上に樹脂部10を成形する。まず、金属部50の薄肉部51の第1面51aに金型70を突き当てる。これにより、金型70と金属部50との間に、樹脂部10に対応する空き領域(キャビティ)を形成し、そこに樹脂を充填して樹脂部10を成形する。
次に、樹脂部10の回路形成部11の表面11aに、メッキ膜21を含む回路パターン20を形成する(図2のステップS3、図3E及び図3F)。回路パターン20を形成する方法は、特に限定されず、汎用の方法を用いることができる。例えば、回路形成部11の表面11aの全体にメッキ膜を形成し、メッキ膜にフォトレジストでパターニングし、エッチングにより回路パターン以外の部分のメッキ膜を除去する方法、回路パターンを形成したい部分にレーザー光を照射して樹脂部10を粗化し、レーザー光照射部分のみにメッキ膜を形成する方法等が挙げられる。
本実施形態では、国際公開第2016/013464号、国際公開第2017/154470号又は国際公開第2018/131492号に開示されている以下に説明する方法により回路パターン20を形成する。まず、回路形成部11の表面11aの表面に、触媒活性妨害層(不図示)を形成する。次に、触媒活性妨害層が形成された回路形成部11の表面11aの無電解メッキ膜を形成する部分、即ち、回路パターン20を形成する部分をレーザー描画する。これにより、表面11aが切削されるため、表面11a上に溝(レーザー描画部分)11bが形成される(図3E)。次に、レーザー描画した表面11aの表面に無電解メッキ触媒を付与し、そして、無電解メッキ液を接触させる。触媒活性妨害層は、その上に付与される無電解メッキ触媒の触媒活性を妨げる(妨害する)。このため、触媒活性妨害層上では、無電解メッキ膜の生成が抑制される。一方、レーザー描画部分(溝)11bは、触媒活性妨害層が除去されるため、無電解メッキ膜が生成する。これにより、レーザー描画部分(溝)11bに無電解メッキ膜21による回路パターン20が形成される(図3F)。
触媒活性妨害層は、無電解メッキ触媒の触媒活性を妨げる(妨害する)触媒活性妨害剤(触媒失活剤)を含む。触媒活性妨害(触媒失活剤)は、特に限定されないが、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー等のデンドリティックポリマーが好ましい。これらは、触媒失活能力に優れ、また、ポリマーであるので、バインダ樹脂を用いずに、触媒活性妨害層を形成できる。無電解メッキ触媒は、特に限定されず、汎用のものを適宜選択して用いることができ、例えば、塩化パラジウム等の金属塩を含むメッキ触媒液を用いてもよい。無電解メッキ触媒として金属塩を含むメッキ触媒液を用いる場合、樹脂部10にメッキ触媒液を付与する前に、無電解メッキ触媒の吸着を促進する前処理液を樹脂部10に付与してもよい。前処理液としては、例えば、ポリエチレンイミン等の窒素含有ポリマーを含む水溶液を用いることができる。
次に、樹脂部10の回路形成部11の表面11aに実装部品30を実装する(図2のステップS4)。これにより、本実施形態の回路部品100が得られる。実装部品30の実装方法は特に限定されず、汎用の方法を用いることができる。例えば、メッキ膜21上に常温のハンダと実装部品30とを配置して高温のリフロー炉に通過させるハンダリフロー法、又はレーザー光を樹脂部10と実装部品30の界面に照射してハンダ付けを行うレーザーハンダ付け法(スポット実装)により、実装部品30を樹脂部10にハンダ付けしてもよい。
以上説明した本実施形態の回路部品100は、例えば、以下の作用効果を示す。回路部品100では、回路パターン20及び実装部品30が、陽極酸化皮膜60及び樹脂部10を介して、金属部50上に配置されている。この構造により、回路パターン20と金属部50とを陽極酸化皮膜60及び樹脂部10によって絶縁させつつ、実装部品30の発する熱を伝熱性の高い金属部50へ逃がすことができる。即ち、回路部品100は高い放熱性を有する。また、LEDは発光面とは反対側の背面から発熱する。実装部品30がLEDである場合、本実施形態の回路部品100は、LEDの背面側に放熱部材となる金属部50が配置されるため、LEDの発する熱を効率的に放熱できる。また、陽極酸化皮膜60は、樹脂部10よりもレーザー光により切削され難い。このため、レーザー光により溝11bを形成する場合、溝11bが陽極酸化皮膜60を貫通して金属部50に達することを防止でき、回路パターン20(メッキ膜21)と金属部50との絶縁を保持できる。したがって、陽極酸化皮膜60を設けることで、樹脂部10の厚さを薄くでき、回路部品100の放熱性を更に向上させることができる。
本実施形態の回路部品100では、回路パターン20は、金属部50の厚肉部52上に形成される。厚肉部52は厚さが厚いため、その表面(第2面52a)上に形成された陽極酸化皮膜60(第2部62)に応力が発生し難い。このため、外部から振動等の衝撃が加えられても、陽極酸化皮膜60の第2部62にはクラックが生じ難い。これにより、第2部62上に形成される回路パターン20のメッキ膜21と、金属部50(厚肉部52)との短絡が防止され、回路部品100の信頼性が確保できる。特に、樹脂部10の成形時には、金属部50への圧力が上昇し、陽極酸化皮膜60へ負荷がかかる虞がある。また、レーザー光照射による溝11bの形成時には、陽極酸化皮膜60に熱衝撃が加わる虞がある。これらの回路部品100の製造過程においても、厚肉部52は厚さが厚いため、第2面52a上に形成された陽極酸化皮膜60(第2部62)でのクラック発生を抑制でき、回路部品100の信頼性を確保できる。
本実施形態の回路部品100では、金属部50は、薄肉部51と、厚肉部52とを有する。金属部50全体の厚さを厚くすることによっても、陽極酸化皮膜60のクラック発生を抑制できるが、重量が増加し軽量化の妨げとなる。本実施形態では、回路パターン20か形成される厚肉部52と共に、薄肉部51を設けることで、回路部品100の信頼性確保と共に、回路部品100の軽量化が実現できる。
また、本実施形態の回路部品100の樹脂部10では、回路形成部11の周囲に側部11が配置されており、側部11の厚さは回路形成部11の厚さより厚い。放熱性向上の観点から回路形成部11の厚さは薄い方が好ましいが、樹脂部10を成形するとき、厚さが薄いと溶融樹脂の流動末端部にバリが発生する虞がある。本実施形態では、樹脂部10の端部に比較的厚さの厚い側部11を配置することで、成形時の溶融樹脂の流動が安定し、流動末端部でのバリの発生を抑制できる。
また、本実施形態の回路部品100の陽極酸化皮膜60では、その上に回路パターン20が形成される第2部62と、薄肉部51上に形成されている第1部61との間に、第3部63が存在する。そして、第3部63の膜厚は、第2部62の膜厚よりも薄い。金属部50において、厚肉部52と比較して、薄肉部51は剛性が弱いため撓みやすく、その上に形成される陽極酸化皮膜60(例えば、第1部61)は、クラックが発生し易い。本実施形態の陽極酸化皮膜60では、第1部61と、第2部62との間に、第3部63が存在し、第3部63の膜厚は比較的薄く、不均一である。このため、第1部61にクラックが発生しても、第3部63を越えて第2部62にクラックが伝搬し難い。これにより、回路パターンが形成される第2部62にクラックが発生することを抑制でき、回路部品100の信頼性が確保できる。特に、樹脂部10を成形するとき、図3Cに示すように、金属部50の薄肉部51の第1面51aに金型70を突き当てる場合、第1面51a上の陽極酸化皮膜60(第1部61)にクラックが発生する虞がある。この場合も、第3部63が存在することで、回路パターンが形成される第2部62にクラックが発生する(伝搬する)ことを抑制できる。
本実施形態の回路部品100の製造方法では、図3Cに示すように、金属部50の薄肉部51の第1面51aに、金型70を突き当てて、樹脂部10を成形する。そして、金型70を突き当てる場所は、厚肉部52の突出部52bの近傍である。金型70を厚肉部52の第2面52aではなく、薄肉部51の第1面51aに突き当てることで、回路パターン20を形成可能な領域を広く取ることができる。また、剛性の低い薄肉部51に金型70を突き当てると、金属部50が撓み易いが、本実施形態では、剛性の高い厚肉部52(突出部52b)の近傍に金型70を突き当てることで、金属部50の撓みを抑制し、陽極酸化皮膜60でのクラックの発生を抑制できる。
[変形例1~5]
以下に図4~図8に示す変形例1~5について説明する。変形例1~5の回路部品110、120、130、140及び150では、上述した図1A及び図1Bに示す回路部品100の金属部50とは、異なる形状の金属部50を用いている。しかし、変形例1~5の金属部50は、上述した実施形態と同様に、薄肉部51と、厚肉部52とを有する。これにより、変形例1~5の回路部品110、120、130、140及び150は、実施形態の回路部品100と同様に、回路パターン20が形成されている、第2面52a上の陽極酸化皮膜60(第2部62)でのクラック発生を抑制でき、信頼性を確保できる。尚、図4~図8において、図1A及び図1Bに示す回路部品100と同様の構成要素については、同一の参照番号を用いている。
図1A及び図1Bに示す回路部品100の金属部50では、突出部52bが、薄肉部51の第1面51aの中央付近から突出しているが、本実施形態はこれに限定されない。図4に示す変形例1の回路部品110では、突出部52bは、薄肉部51の第1面51aの端部から突出している。したがって、回路部品110では、薄肉部51は、厚肉部52の周囲を囲んで配置されていない。
図1A及び図1Bに示す回路部品100の金属部50では、第2面52aは、第1面51aと平行な平面であるが、本実施形態はこれに限定されない。図5に示す変形例2の回路部品120では、第2面52aが曲面である。図6に示す変形例3の回路部品130では、第2面52aが第1面51aに対して傾いている。更に、本実施形態の金属部50の第2面52aは複数の面から構成されてもよい。
尚、回路パターン20が、金属部50の複数の面に亘って、又は金属部50の球面等を含む立体形状の面に沿って、立体的に形成されている場合、このような立体的な回路パターン20を有する回路部品は、三次元成形回路部品(MID)である。したがって、図5に示す変形例2の回路部品120はMIDである。
図1A及び図1Bに示す回路部品100の金属部50では、回路パターン20が形成される第2面52aは、突出部52bを形成する面の1つであるが、本実施形態はこれに限定されない。図7及び図8に、それぞれ、示す変形例4及び5の回路部品140及び150では、回路パターン20が形成される第2面52aは、突出部52bを形成していない。金属部50において、第2面52aは、突出部52bに対向する面(反対側の面)である。尚、回路部品140及び150において、第2面52aは、薄肉部51の第1面51aから、所定方向に離れて配置されている。
以上説明したように、本実施形態の回路部品100の金属部50は、薄肉部51と、厚肉部52とを有していれば、その形状は特に限定されず、回路部品100の用途に合わせて様々な形状とすることができる。また、金属部50は、複数の薄肉部51と、複数の厚肉部52とを組み合わせた形状であってよいし、1つの薄肉部51に複数の厚肉部52を組み合わせた形状であってもよいし、又は、1つの厚肉部52に複数の薄肉部51を組み合わせた形状であってもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例により制限されない。
[回路部品の製造]
本実施例では、実施形態で説明した図1A及び図1Bに示す回路部品100を製造した。
(1)金属部の陽極酸化
図3Aに示す金属部50として、アルミニウム板(A1050、アルミニウム成分:99%以上、6cm×8cm)を用意した。厚肉部52の厚さ(T)は、6mmであり、薄肉部51の厚さ(t)は、4mmであった。したがって、厚肉部52の厚さ(T)は、薄肉部の厚さ(t)の最小値の1.5倍である。また、第2面52aの大きさは、4cm×4cmであった。アルミニウム板に、脱脂及び化学エッチングを施した後、硬質アルマイト処理を行った(東亜電化、TAF-TR)。これにより、図3Bに示すように、陽極酸化皮膜60が形成された。第2面52a上に形成された陽極酸化皮膜60(第2部62)の膜厚は、50μmであった。
(2)樹脂部の形成
次に、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂(熱伝導率:1W/m・K)を用い、汎用の成形機により、樹脂部10をインサート成形(トランスファー成形)した。このとき、図3Cに示すように、金属部50の薄肉部51の第1面51aに金型70を突き当てて、金型70と金属部50との間に、樹脂部10に対応する空き領域(キャビティ)を形成した。樹脂部10の回路形成部11の厚さは、50μmであり、側部12の厚さは、300μmであった。本実施例において、これ以降、金属部50上に、陽極酸化皮膜60及び樹脂部10を形成したものを回路部品100の「基材」と記載する。
(3)回路パターンの形成
本実施例では、以下に説明する方法により、樹脂部10上にメッキ膜21により形成される回路パターン20を形成した。
(a)触媒活性妨害層の形成
樹脂部10の表面に、触媒失活剤である下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーを含む触媒活性妨害層を形成した。式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、国際公開第2018/131492号に開示される方法により合成した。式(1)において、Rはビニル基又はエチル基である。
Figure 0007290442000001
合成したハイパーブランチポリマーの分子量をGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定した。分子量は、数平均分子量(Mn)=9,946、重量平均分子量(Mw)=24,792であり、ハイパーブランチ構造独特の数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)とが大きく異なった値であった。
合成した式(1)で表されるポリマーをメチルエチルケトンに溶解して、ポリマー濃度0.5重量%のポリマー溶液を調製した。室温のポリマー溶液に、基材を5秒間浸漬し、その後、100℃乾燥機中で10分間乾燥した。これにより、基材の表面に触媒活性妨害層を形成した。触媒活性妨害層の厚さは、100nmであった。
(b)レーザー描画
図3Eに示すように、触媒活性妨害層(不図示)を形成した後、樹脂部10の表面11aに、3Dレーザー加工機(キーエンス製、MD-9900)を用いて、回路パターン20に対応する部分をレーザー光照射(レーザー描画、レーザー切削)した。これにより、表面11a上に、深さ20μm~40μmの溝11bが形成された。
(c)無電解メッキ触媒の付与
30℃に調整した市販の塩化パラジウム(PdCl)水溶液(奥野製薬工業製、アクチベータ)に基材を5分間浸漬した。その後、基材を塩化パラジウム水溶液から取り出し、水洗した。
(d)無電解メッキ
60℃に調整した無電解ニッケルリンメッキ液(奥野製薬工業製、トップニコロンLPH-L、pH6.5)に、基材を10分間浸漬した。樹脂部10上のレーザー描画部分(溝11b)にニッケルリン膜(無電解ニッケルリンメッキ膜)が約1μm成長した。
ニッケルリン膜上に、更に、汎用の方法により、電解銅メッキ膜20μm、電解金メッキ膜0.1μmを、この順に積層し、回路パターン20を形成した。
(4)実装部品の実装
実装部品30として、面実装タイプの高輝度LED(日亜化学製、NS2W123BT、3.0mm×2.0mm×高さ0.7mm)を用いた。まず、実装部品30を回路パターン20と電気的に接続可能な位置に、常温のハンダを介して配置した。次に、LEDを配置した基材をリフロー炉に通した(ハンダリフロー)。リフロー炉内で基材は加熱され、基材の最高到達温度は240℃~260℃となり、基材が最高到達温度で加熱された時間は約1分であった。ハンダにより、実装部品30は樹脂部10に実装され、図1A及び図1Bに示す本実施例の回路部品100を得た。
[回路部品の評価]
実施例で製造した回路部品100について、以下の評価を行った。
(1)放熱性
製造した回路部品100に一定電流(800mA)を流し、3個のLED30を点灯させた。点灯してから1時間後のLED30の端部に熱電対を接着させ、LEDの温度を測定した。3個のLED30の平均温度は80℃であり、目標値の100℃以下であった。これにより、回路部品100が、高い放熱性を有することが確認できた。
(2)絶縁性
<評価1>
回路部品100の金属部50の断面を観察した。その結果、樹脂部10のインサート成形において、金型70を突き当てた薄肉部51の第1面51a上の陽極酸化皮膜60(第1部61)に、クラック(割れ)が確認された。しかし、第1部61で発生したクラックは、第3部63を越えて、第2部62へ伝搬していなかった。即ち、回路パターンが形成されている、厚肉部52の第2面52a上の陽極酸化皮膜60(第2部62)にクラックは発生していなかった。次に、金属部50の第2面52aにおいて、回路パターン20が形成されている領域の外側の樹脂部10(回路形成部11)及び陽極酸化皮膜60(第2部62)をドリルで切削して、金属部50(厚肉部52)のアルミニウムを露出させた。500Vの電圧をメッキパターン20のメッキ膜21と、露出させたアルミニウムとの間に印加し、金属部50とメッキ膜21との間の絶縁性を評価した。金属部50とメッキ膜21との間の抵抗値は、10000MΩと目標の5000MΩよりも高かった。これから、回路部品100において、金属部50とメッキ膜21とは、十分に絶縁されていることが確認できた。
<評価2>
薄肉部51の第1面51aから、第1面51aと対向する面(反対の面)に向ってドリルで貫通孔を開け、回路部品100を他の部材にネジ止めした。この結果、第1面51a上の陽極酸化皮膜60(第1部61)において、貫通孔の周囲にクラックが発生した。しかし、第1部61で発生したクラックは、第3部63を越えて、第2部62へ伝搬しなかった。次に、他部材にネジ止めした回路部品100において、評価1と同様の方法により、金属部50とメッキ膜21との間の絶縁性を評価した。金属部50とメッキ膜21との間の抵抗値は、評価1の結果と同様であった。即ち、金属部50とメッキ膜21との間の抵抗値は、貫通孔を開ける前の10000MΩから低下していなかった。これから、物理的衝撃を加えた場合でも、回路パターン20のメッキ膜21と、金属部50との短絡が防止され、回路部品100の信頼性が確保できることが確認できた。
本発明の回路部品は、放熱性及び信頼性が高い。このため、本発明の回路部品は、LED等の実装部品を実装した部品に適しており、スマートフォンや自動車の部品に応用可能である。
10 樹脂部
20 回路パターン
21 メッキ膜
30 実装部品
50 金属部
51 薄肉部
52 厚肉部
60 陽極酸化皮膜
100 回路部品

Claims (13)

  1. 回路部品であって、
    厚肉部及び薄肉部を有する金属部と、
    前記金属部上に形成されている陽極酸化皮膜と、
    前記陽極酸化皮膜を介して、前記厚肉部上に形成されている樹脂部と、
    前記陽極酸化皮膜及び前記樹脂部を介して、前記厚肉部上に形成されているメッキ膜を含む回路パターンと、
    前記陽極酸化皮膜及び前記樹脂部を介して、前記厚肉部上に実装され、前記回路パターンと電気的に接続する実装部品と、を含み、
    前記金属部の厚肉部は、前記薄肉部の第1面から、第1面と交差する所定方向に離れて配置される第2面を有し、
    前記金属部の第2面上に、前記回路パターンが形成されており、
    前記薄肉部の第1面から、第2面を含む前記厚肉部の一部である突出部が突出しており、
    前記突出部は、前記薄肉部の第1面と、前記厚肉部の第2面とを連結する第3面を有し、
    第3面上に形成されている前記樹脂部の厚さが、第2面上に形成されている前記樹脂部の厚さより大きい、回路部品。
  2. 第2面が曲面を含む、請求項1に記載の回路部品。
  3. 回路部品であって、
    厚肉部及び薄肉部を有する金属部と、
    前記金属部上に形成されている陽極酸化皮膜と、
    前記陽極酸化皮膜を介して、前記厚肉部上に形成されている樹脂部と、
    前記陽極酸化皮膜及び前記樹脂部を介して、前記厚肉部上に形成されているメッキ膜を含む回路パターンと、
    前記陽極酸化皮膜及び前記樹脂部を介して、前記厚肉部上に実装され、前記回路パターンと電気的に接続する実装部品と、を含み、
    前記金属部の厚肉部は、前記薄肉部の第1面から、第1面と交差する所定方向に離れて配置される第2面を有し、
    前記金属部の第2面上に、前記回路パターンが形成されており、
    第2面が曲面を含む、回路部品。
  4. 前記薄肉部の第1面から、第2面を含む前記厚肉部の一部である突出部が突出している、請求項3に記載の回路部品
  5. 前記メッキ膜が、前記樹脂部上に形成された溝に形成されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の回路部品。
  6. 第1面が平面を含み、前記所定方向が前記平面に垂直な方向である、請求項1~5のいずれか一項に記載の回路部品。
  7. 前記所定方向における、前記厚肉部の厚さが1mm~30mmである、請求項1~6のいずれか一項に記載の回路部品。
  8. 前記所定方向において、前記厚肉部の厚さが、前記薄肉部の厚さの最小値の1.1倍~3倍である、請求項1~7のいずれか一項に記載の回路部品。
  9. 前記薄肉部が、前記厚肉部の周囲を囲んでいる、請求項1~のいずれか一項に記載の回路部品。
  10. 前記金属部の前記薄肉部が板状体である、請求項1~のいずれか一項に記載の回路部品。
  11. 前記金属部がアルミニウム又はアルミニウム合金であり、前記陽極酸化皮膜がアルマイトである、請求項1~10のいずれか一項に記載の回路部品。
  12. 前記陽極酸化皮膜の膜厚が10μm~60μmである、請求項1~11のいずれか一項に記載の回路部品。
  13. 前記回路パターンが立体的な回路パターンである、請求項1~12のいずれか一項に記載の回路部品。
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