JP2020102587A - 回路部品 - Google Patents

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Atsushi Yusa
敦 遊佐
公彦 金野
Kimihiko Konno
公彦 金野
朗子 鬼頭
Akiko Kito
朗子 鬼頭
智史 山本
Tomohito Yamamoto
智史 山本
寛紀 太田
Hiroki Ota
寛紀 太田
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Abstract

【課題】高い放熱性を有すると共に、十分な熱衝撃耐性を有する信頼性の高い回路部品を提供する。【解決手段】回路部品であって、金属部と、前記金属部上に形成されているセラミックス層と、前記セラミックス層上に形成されている樹脂部と、前記樹脂部上に形成されているメッキ膜を含む回路パターンと、前記樹脂部上に実装され、前記回路パターンと電気的に接続する実装部品と、を含む。前記実装部品と前記セラミックス層との間において、前記樹脂部は、前記メッキ膜と接触する面に凹部と凸部からなる凹凸構造を有する。【選択図】 図1

Description

本発明は、回路部品に関する。
近年、三次元成形回路部品(MID:Molded Interconnected Device)が、スマートフォン等で実用化されており、今後、自動車分野での応用拡大が期待されている。MIDは、樹脂成形体の表面に金属膜で回路を形成したデバイスであり、製品の軽量化、薄肉化及び部品点数削減に貢献できる。
発光ダイオード(LED)が実装されたMIDも提案されている。LEDは、通電により発熱するため背面からの排熱が必要であり、MIDの放熱性を高めることが重要となる。特許文献1では、MIDと金属製の放熱部材とを一体化した複合部品が提案されている。また、特許文献1のMIDでは、メッキ膜により回路パターンを形成している。
また、MIDではなく平面上に回路パターンが形成された回路部品であるが、特許文献2及び3には、金属製の放熱部材をベース基材として用いた回路部品が開示されている。金属製のベース基材と、回路パターンを形成する配線とを絶縁するために、特許文献2では、これらの間にアルマイト層を設けることが提案され、特許文献3でも、アルマイト層を含む種々のセラミックス層を設けることが提案されている。
特許第3443872号公報 特開2017‐27993号公報 特許第4880358号公報
近年、電子機器は高性能化及び小型化している。これに用いられるMIDも高密度、高機能化が進み、放熱性と共に、信頼性が要求される。例えば、MIDは、高い放熱性を有すると共に、十分な熱衝撃耐性を有することが求められる。特許文献2及び3に開示されるアルマイト層等のセラミックス層は、絶縁性に優れると共に、高い熱伝導性を有する。このため、回路部品の放熱性は向上する。しかし、セラミックス層は、硬くて脆く、熱衝撃耐性が不十分であった。
本発明は、これらの課題を解決するものであり、高い放熱性を有すると共に、十分な熱衝撃耐性を有する信頼性の高い回路部品を提供する。
本発明に従えば、回路部品であって、金属部と、前記金属部上に形成されているセラミックス層と、前記セラミックス層上に形成されている樹脂部と、前記樹脂部上に形成されているメッキ膜を含む回路パターンと、前記樹脂部上に実装され、前記回路パターンと電気的に接続する実装部品と、を含み、前記実装部品と前記セラミックス層との間において、前記樹脂部は、前記メッキ膜と接触する面に凹部と凸部からなる凹凸構造を有する回路部品が提供される。
前記凸部の高さが、0.01mm〜0.10mmであってもよく、前記凹部の高さが0〜0.05mmであってもよい。
前記凸部が一方向に延在していてもよい。前記凹凸構造が接触している前記メッキ膜は、前記樹脂部上において線状に延在しており、前記凸部が延在する前記一方向が、前記メッキ膜の延在方向に垂直な方向であってもよく、前記メッキ膜の延在方向であってもよい。前記複数の凸部は、前記凸部が延在する前記一方向と垂直な方向に周期的に配列されていてもよい。
前記メッキ膜は、前記樹脂部上に形成された溝に形成されていてもよい。前記凹凸構造は、前記溝の底面に形成されていてもよい。
前記金属部がアルミニウムを含み、前記セラミックス層がアルミナを含んでもよい。前記樹脂部が、絶縁性熱伝導フィラーを含んでもよい。前記回路部品が、三次元成形回路部品であってもよい。
本発明の回路部品は、高い放熱性及び信頼性を有する。
図1(a)は、実施形態の回路部品(MID)の上面模式図である。図1(b)は、図1(a)の1B‐1B′線断面模式図である。 図2(a)は、図1(b)に示す回路部品の一部分80の拡大図である。図2(a)では、樹脂部、ハンダ及び実装部品を省略している。図2(b)は、図2(a)に示す凹凸構造の上面模式図である。 図3(a)〜(c)は、実施形態の凹凸構造の別の例の上面模式図である。 図4は、実施形態の樹脂部の凹凸構造の別の例の断面模式図である。図4では、樹脂部、ハンダ及び実装部品を省略している。 図5は、実施形態の回路部品の製造方法を説明するフローチャートである。 図6(a)は、実施形態の変形例の回路部品(MID)の上面模式図である。図6(b)は、図6(a)の6B‐6B′線断面模式図である。 図7(a)は、実施例1のレーザー光照射(1)のレーザー加工パターンの模式図であり、実線がレーザー光照射部分である。図7(b)は、実施例1のレーザー光照射(2)のレーザー加工パターンの模式図であり、実線がレーザー光照射部分である。
[回路部品]
図1(a)、(b)に示す回路部品100について説明する。回路部品100は、金属部50と、金属部50上に形成されているセラミックス層60と、セラミックス層60上に形成されている樹脂部10と、樹脂部10上に形成されるメッキ膜21を含む回路パターン20と、樹脂部10上に実装され、回路パターン20(メッキ膜21)と電気的に接続する実装部品30を含む。金属部50、セラミックス層60及び樹脂部10は、基材70を構成する。
回路部品100は、三次元成形回路部品(MID)であってもよい。MIDとは、回路パターン20が、樹脂部10の複数の面に亘って、又は球面等を含む立体形状の面に沿って立体的に形成されている回路部品である。図1(a)、(b)に示すように、本実施形態では、樹脂部10は、平面10A及び斜面10Bの少なくとも2つの面を有し、平面10A及び斜面10Bに亘って、立体的に回路パターン20が形成されている。したがって、本実施形態の回路部品100は、MIDである。
金属部50は、樹脂部10に実装される実装部品30が発する熱を放熱する。したがって、金属部50は、放熱性のある金属を含むことが好ましい。金属部50の金属は、例えば、鉄、銅、アルミニウム、チタン、マグネシウム、これらの合金、ステンレス鋼(SUS)等である。これらの金属は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。中でも、軽量化、放熱性及びコストの観点から、銅、マグネシウム、アルミニウム、アルミニウム合金が好ましく、特に、軽量で熱伝導性が高く加工性の高いアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。アルミニウム合金の種類は、回路部品100の用途に合わせて、熱伝導率、加工性、強度等を考慮して、適宜選択できる。金属部50の熱伝導率は、例えば、80〜300W/m・Kである。
金属部50の大きさ、形状は、回路部品100の用途(アプリケーション)に合わせて任意に設定できる。放熱性を高めるために、金属部50が放熱フィン等の形状を有してもよいし、金属部50に放熱フィン等の別部材を接続してもよい。金属部50の厚さは、放熱性の観点から、例えば、0.5mm以上であり、好ましくは、1mm以上であり、一方で、重量及びコストの低減及び加工性向上の観点から、例えば、20mm以下であり、15mm以下である。ここで、金属部11の厚さとは、例えば、セラミック層60と樹脂部10との界面に垂直な方向における厚さである。本実施形態では、図1(b)に示すように、平坦部50A及び傾斜部50Bを有する金属部50を用いる。
セラミックス層60は、金属部50上に形成されている。セラミックス層60は、樹脂部10よりもレーザー光により切削され難い。これにより、レーザー光により粗化された部分に形成されるメッキ膜21と、金属部50との短絡を防止できる。
セラミックス層60は、樹脂部10と共に、回路パターン20(メッキ膜21)と金属部50とを絶縁させて短絡を防止する。このため、セラミックス層60は、絶縁性を有する。この絶縁性の程度は、回路部品100の用途にもよるが、例えば、500V電圧の印加により5000MΩ以上の抵抗を有することが好ましい。
また、セラミックス層60は、回路部品100の放熱性を高めるため、高い熱伝導率を有することが好ましい。このように、セラミックス層60は、絶縁性と高い熱伝導率とを併せ持つ、絶縁熱伝導層(絶縁放熱層)であることが好ましい。セラミックス層60の熱伝導率は、例えば、5〜150W/m・Kである。また、樹脂部10上の実装部品30の発する熱を効率的に金属部50へ逃すため、セラミックス層60の熱伝導率は、金属部50の熱伝導率より低く、樹脂部10の熱伝導率より高いことが好ましい。
セラミックス層に含まれるセラミックスとしては、酸化アルミニウム(アルミナ)、窒化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化珪素、酸化ベリリウム、炭化ケイ素、イットリア、酸化ジルコニウム、ジルコニア、酸化チタン、二酸化チタン、酸化マグネシウム、二酸化珪素、粘土鉱物等が挙げられる。中でも、低コストで緻密な薄膜を形成し易いイットリア、アルミナが好ましい。これらのセラミックスは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
セラミックス層60の膜厚は、例えば、1μm〜100μmであり、好ましくは、5μm〜80μmであり、より好ましくは、20μm〜60μmである。ここで、セラミックス層60の膜厚とは、例えば、セラミック層60と樹脂部10との界面に垂直な方向における厚さである。
樹脂部10は、セラミックス層60上に形成されている。樹脂部10は、セラミックス層60と共に、回路パターン20(メッキ膜21)と金属部50とを絶縁させて短絡を防止する。このため、樹脂部10は、絶縁性を有する。この絶縁性の程度は、回路部品100の用途にもよるが、500V電圧の印加により5000MΩ以上の抵抗を有することが好ましい。また、回路部品100の放熱性を高めるため、ある程度の熱伝導率を有する。このように、樹脂部10は、絶縁性とある程度の熱伝導率とを併せ持つ、絶縁放熱部である。樹脂部10の熱伝導率は、例えば、1〜5W/m・Kである。
本実施形態では、実装部品30がハンダ付けにより樹脂部10に実装される。このため、樹脂部10が含む樹脂は、ハンダリフロー耐性を有する耐熱性のある高融点の樹脂が好ましい。樹脂部10に用いる樹脂の融点は、260℃以上であることが好ましく、290℃以上であることがより好ましい。尚、実装部品30の実装に、低温ハンダを用いる場合はこの限りではない。
樹脂部10が含む樹脂は、例えば、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、紫外線硬化性樹脂である。中でも、薄く成形することが容易であり、成形精度が高く、更に硬化後は高耐熱性及び高密度を有する熱硬化樹脂が好ましい。熱硬化性樹脂としては、例えば、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂等の耐熱樹脂を用いることができ、中でもエポキシ樹脂が好ましい。光硬化性樹脂としては、例えば、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂等を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、例えば、6Tナイロン(6TPA)、9Tナイロン(9TPA)、10Tナイロン(10TPA)、12Tナイロン(12TPA)、MXD6ナイロン(MXDPA)等の芳香族ポリアミド及びこれらのアロイ材料、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、液晶ポリマー(LCP)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルイミド(PEI)、ポリフェニルスルホン(PPSU)等を用いることができ、中でも、薄肉成形が容易であるLCPが好ましい。これらの熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂及び熱可塑性樹脂は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
本実施形態の樹脂部10は、絶縁性熱伝導フィラーを含んでもよい。絶縁性熱伝導フィラーとは、ここでは、熱伝導率1W/m・K以上のフィラーであり、カーボン等の導電性の放熱材料は除外される。絶縁性熱伝導フィラーとしては、例えば、高熱伝導率の無機粉末である、酸化アルミニウム、酸化ケイ素、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等のセラミックス粉が挙げられる。フィラー同士の接触率を高めて熱伝達性を高めるために、ワラストナイト等の棒状のフィラー、タルクや窒化ホウ素等の板状のフィラーを混合してもよい。これらの絶縁性熱伝導フィラーは、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。
絶縁性熱伝導フィラーの粒径(粒子サイズ)は、例えば、5μm〜100μmが好ましい。絶縁性熱伝導フィラーは、樹脂部10中に例えば、10重量%〜90重量%含まれ、30重量%〜80重量%含まれることが好ましい。
樹脂部10は、更に、その強度を制御するために、ガラス繊維、チタン酸カルシウム等の棒状又は針状のフィラーを含んでもよい。また、樹脂部10は、必要に応じて、樹脂成形体に添加される汎用の各種添加剤を含んでもよい。尚、これ以降、樹脂、絶縁性熱伝導フィラー等を含む樹脂部10を構成する材料を「樹脂材料」と記載する場合がある。
樹脂部10の大きさ、形状、厚さは、回路部品100の用途に合わせて任意に設定できる。本実施形態では、平坦部50A及び傾斜部50Bを有する金属50上に樹脂部10を形成するため、樹脂部10は、平面10A及び斜面10Bの少なくとも2つの面を有する。尚、樹脂部10は、回路パターン20と金属部50との絶縁性確保のために設けられるため、回路パターン20が形成されていない部分には樹脂部12を設けなくてもよい。
樹脂部10の厚さは、成形性の観点からは厚い方が好ましく、放熱性及びコストの観点からは薄いほうが好ましい。樹脂部10における、回路パターン20が形成される部分の厚さ(例えば、tR1)は、例えば、0.05mm〜1mm、又は、0.1mm〜0.5mmである。ここで、樹脂部10における、回路パターン20が形成される部分の厚さとは、例えば、後述する溝13が形成される前の樹脂部10の厚さ(レーザー切削前の樹脂部10の厚さ)であり、セラミック層60と樹脂部10との界面に垂直な方向における厚さである。
回路パターン20は、樹脂部10の表面10a上にメッキ膜21により形成されている。メッキ膜21は、表面10a上に線状に延在している。本実施形態では、回路パターン20は、樹脂部10の平面10A及び斜面10Bに亘って、立体的に形成されている。
回路パターン20は、絶縁体である樹脂部10上に形成されるため、無電解メッキにより形成されることが好ましい。したがって、回路パターン20は、例えば、無電解ニッケルリンメッキ膜、無電解銅メッキ膜、無電解ニッケルメッキ膜等の無電解メッキ膜を含んでもよく、中でも、無電解ニッケルリンメッキ膜を含むことが好ましい。樹脂部10上の無電解メッキ膜の上に、更に、他の種類の無電解メッキ膜や電解メッキ膜を積層して、回路パターン20を形成してもよい。メッキ膜21の総厚さを厚くすることで回路パターン20の電気抵抗を小さくできる。電気抵抗を下げる観点から、回路パターン20は、無電解銅メッキ膜、電解銅メッキ膜、電解ニッケルメッキ膜等を含むことが好ましい。また、メッキ膜のハンダの濡れ性を向上させるために、金、銀、錫等のメッキ膜を回路パターン20の最表面に形成してもよい。
回路パターン20は、例えば、レーザー光照射等によって、樹脂部10上に形成された溝13に形成される(図2(a)参照)。溝13は、樹脂部10上において線状に延在している。溝13の底13aが、樹脂部10がメッキ膜21と接触する面13aである。溝13の底面13aは、レーザー光照射等によって粗化されていることが好ましい。これにより、回路パターン20を構成するメッキ膜21と樹脂部10との密着強度が向上する。
実装部品30は、樹脂部10の表面10aに、底面30bを対向させて実装されている。実装部品30は、ハンダ40により回路パターン20と電気的に接続し、通電により熱を発生して発熱源となる。ハンダ40は、特に限定されず、汎用のものを用いることができる。実装部品30としては、例えば、LED(発光ダイオード)、パワーモジュール、IC(集積回路)、熱抵抗等が挙げられる。本実施形態では、実装部品30としてLEDを用いる。LEDは発光面とは反対側の背面から発熱する。本実施形態の回路部品100は、LED(実装部品30)の背面側に放熱部材となる金属部50を配置することにより、LEDの発する熱を効率的に放熱できる。
図1(a)、(b)及び図2に示すように、樹脂部10は、メッキ膜21と接触する面(溝13の底面)30aに凹凸構造12を有する。凹凸構造12は、少なくとも、実装部品30とセラミックス層60との間に存在する。樹脂部10の凹凸構造12は、凹部12Aと、凸部12Bを含む。凹凸構造12は、複数の凹部12A及び複数の凸部12Bから構成されてもよい。
本実施形態では、凹凸構造12により、回路部品100の信頼性及び放熱性を両立できる。このメカニズムは、以下のように推測される。セラミックス層60とメッキ膜21との間にある樹脂部10は、緩衝層として機能する。樹脂部10は、セラミックス層60及び/又はメッキ膜21における、熱衝撃によるクラックの発生を抑制する。セラミックス層60とメッキ膜21との間にある樹脂部10の厚さが薄過ぎると、この緩衝機能が不十分となり、セラミックス層60及び/又はメッキ膜21にクラックが発生し易くなる。即ち、回路部品100の信頼性が低下する。このように、回路部品100の信頼性を高める観点からは、樹脂部10の厚さは厚い方が好ましい。一方で、セラミックス層60とメッキ膜21との間にある樹脂部10の厚さが厚過ぎると、回路部品100の放熱性が低下する。特に、発熱源となる実装部品30とセラミックス層60との間に存在する樹脂部10は、放熱を高める観点からは、薄い方が好ましい。しかし、樹脂部10が薄くなり過ぎ、その膜厚が0(ゼロ)となると、即ち、セラミックス層60とメッキ膜21とが直接接触すると、放熱性が再び低下することを発明者らは発見した。この原因は、セラミックス層60とメッキ膜21との密着強度が低いため、界面に微小なボイドが発生し、熱抵抗が大きくなるためだと推測される。したがって、放熱を高める観点からも、セラミックス層60とメッキ膜21との間に、樹脂部10は存在した方が好ましい。但し、樹脂部10の厚さは、薄い方が好ましい。発明者らは、セラミックス層60とメッキ膜21との間の樹脂部10の厚さを単に最適化するのではなく、樹脂部10に、膜厚の異なる凹部12Aと凸部12Bからなる凹凸構造12を設けることで、回路部品100の信頼性及び放熱性を両立できることを見出した。セラミックス層60とメッキ膜21との間の樹脂部10の厚さを全体的に薄くするよりも、膜厚の大きい凸部12Bを設けることで、十分な信頼性を維持しつつ、凹部12Aの高さをより低く(厚みをより薄く)できる。これにより、高い放熱性も得られる。尚、これらのメカニズムは推測であり、本発明を何ら限定しない。
図2(a)、(b)に示すように、本実施形態では、複数の凸部12Bは、一方向に延在している。凸部12Bが一方向に延在していることで、例えば、後述するように凹部12Aに樹脂部10が存在しない場合であっても、メッキ膜21の密着強度等を担保できる。複数の凸部12Bが延在する一方向は、凹凸構造12が接触しているメッキ膜21の延在方向(X方向)に垂直な線幅方向(Y方向)である。複数の凸部12Bは、凸部12Bが延在する一方向と垂直な方向に配列される。即ち、本実施形態では、複数の凸部12Bは、X方向に配列される。同様に、本実施形態では、複数の凹部12Aは、Y方向に延在し、X方向に配列される。
尚、凹凸構造12の形態は、これに限定されない。例えば、図3(a)〜(c)に示すような構造であってもよい。図3(a)に示すように、複数の凸部12B及び凹部12Aが延在する一方向は、凹凸構造12が接触しているメッキ膜21の延在方向(X方向)であってもよい。この場合、複数の凸部12B及び凹部12Aは、Y方向に配列される。また、図3(b)に示すように、複数の凸部12B及び凹部12Aが延在する一方向は、凹凸構造12が接触しているメッキ膜21の延在方向(X方向)及び線幅方向(Y方向)とは異なる方向であってもよい。また、図3(c)に示すように、複数の凸部12Bは延在しておらず、底面13a上に分散して存在してもよい。この場合、底面13a上において、複数の凸部12B以外の領域が凹部12Aである。
図2(a)に示すように、本実施形態において、凹凸構造12の断面形状(凸部12Bの延在方向Yに垂直な断面形状)は波型であり、凸部12Bの断面形状は山型である。但し、凹凸構造12の断面形状、凸部12Bの断面形状は、これに限られず、例えば、凹凸構造12の断面形状は、矩形であってもよい。
図2(a)に示すように、本実施形態の凹凸構造12の凹部12Aには、樹脂部10が存在する。即ち、凹部12Aの高さは、0(ゼロ)mmではなく、0(ゼロ)mmより大きい。但し、凹凸構造12の形態はこれに限定されず、例えば、図4に示すように、凹部12Aに樹脂部10が存在しなくもよい。即ち、凹部12Aの高さは、0(ゼロ)mmであってもよい。換言すれば、凹部12Aは、樹脂部10に形成された貫通孔12Cであってもよく、凹部12A(貫通孔12C)において、メッキ膜21とセラミックス層60が接触していてもよい。上述のように、メッキ膜21とセラミックス層60との密着強度は低いが、凸部12Bによって、凹凸構造12とメッキ膜21との密着強度を担保できる。凹凸構造12において、全ての凹部12Aに樹脂部10が存在してもよいし、又は、全ての凹部12Aに樹脂部10が存在せず、貫通孔12Cが形成されていてもよい。また、凹凸構造12において、樹脂部10が存在する凹部12Aと、樹脂部10が存在しない凹部12A(即ち、貫通孔12C)が混在していてもよい。即ち、複数の凹部12Aのうち、少なくとも1つの膜厚は0mmより大きく、他の少なくとも1つの膜厚は0mmであってもよい。
凹凸構造12において、凸部12Bの高さh1は、凹部12Aの高さh2より高い。凸部12Bの高さh1は、例えば、0.01mm〜0.10mmの範囲、又は、0.03mm〜0.20mmの範囲である。凸部12Bの高さが、上記範囲内であれば、回路部品100の信頼性がより高まり、回路部品100の放熱性の低下の虞も少ない。凹部12Aの高さh2は、例えば、0.05mm以下、0〜0.05mm、0.01mm以下、0〜0.01mm、又は、0.005mm〜0.01mmである。凹部12Aの高さがこの範囲であれば、回路部品100の放熱性がより高まる。凹部12Aの高さは、0(ゼロ)mmであってもよい。即ち、凹部12Aにおいて、樹脂部10が存在せず、メッキ膜21とセラミックス層60が接触していてもよい。ここで、凹部12A及び凸部12Bの高さとは、セラミック層60と樹脂部10との界面に垂直な方向における、凹部12A及び凸部12Bが形成された部分の樹脂部10の厚みである。即ち、凸部12Bの高さとは、セラミックス層60の表面から凸部12Bの最も高い部分までの長さである。凹部12Aの高さとは、セラミックス層60の表面から凹部12Aの最も低い部分までの長さである。
複数の凸部12Bは、凸部12Bが延在する一方向と垂直な方向(本実施形態では、X方向)に周期的に配列されてもよい。同様に、複数の凹部12Aは、凸部が延在する一方向と垂直な方向(本実施形態では、X方向)に周期的に配列されていてもよい。「周期的に配列される」とは、例えば、複数の凹部12A及び凸部12Bが配列される方向(本実施形態では、X方向)における、凹部12A、凸部12Bの配列ピッチが等しい、又は、凹部12A、凸部12Bの配列ピッチが周期的に変動している、等である。ここで、「凸部12Bの配列ピッチ」とは、凸部12Bの配列方向(本実施形態では、X方向)において、1つの凸部12Bの最も高い部分から、それに隣接する凸部12Bの最も高い部分までの距離である。「凹部12Aの配列ピッチ」とは、凹部12Aの配列方向(本実施形態では、X方向)において、1つの凹部12Aの最も低い部分から、それに隣接する凹部12Aの最も低い部分までの距離である。凸部12Bの配列ピッチ、凹部12Aの配列ピッチは、例えば、0.01mm〜0.5mm、好ましくは、0.02mm〜0.2mmである。
凹凸構造12は、少なくとも実装部品30とセラミックス層60との間に形成される。凹凸構造12は、実装部品30とセラミックス層60との間のみに形成されてもよい。凹凸構造12の形成する範囲が狭いと、回路部品100の生産性が向上する。また、凹凸構造12は、実装部品30とセラミックス層60との間に限定されず、それ以外の領域の、樹脂部10のメッキ膜21と接触する面13a(溝13の底面)に形成されてもよい。凹凸構造12を広い領域に形成することで、回路部品100の放熱性がより向上する。メッキ膜の延在方向(X方向)における凹凸構造12の長さは、実装部品30の発熱量等に基づいて適宜設定できるが、例えば、1mm〜10mmの範囲、5mm〜50mmの範囲、又は、10mm〜100mmの範囲である。
図1(b)及び図2(a)に示すように、本実施形態では、樹脂部10の、メッキ膜21と接触する面(溝13の底面)30aは、凹凸構造12が形成されている部分と、凹凸構造12が形成されていない部分とを有する。凹凸構造12が形成されていない部分において、セラミック層60から溝の底面13aまでの高さは、凹部12Aの高さより高い方が好ましい。これにより、回路パターン20(メッキ膜21)と金属部50との短絡をより効率的に防止できる。また、上述したように、凹凸構造12では、凸部12Bが周期的に配列されていてもよい。これに対して、溝13の底面13aは、この様な周期的な構造を有さなくてもよい。
以上説明した本実施形態の回路部品100は、高い放熱性及び信頼性を有する。
[回路部品の製造方法]
図5に示すフローチャートに従って、本実施形態の回路部品100の製造方法について説明する。
まず、金属部50を用意する(図5のステップS1)。金属部50は、市販品の金属板、放熱フィン等であってもよいし、鍛造やダイカストで成形される複雑形状の金属を用いてもよい。本実施形態では、アルミ合金を用いて、冷間鍛造により、図1に示す平坦部50A及び傾斜部50Bを有する金属部50を製造する。
金属部50のセラミックス層60が形成されている表面は、その上に積層されるセラミックス層60、更にその上に形成される樹脂部10との密着性を高めるために粗化してもよい。金属部50の表面の粗化には、化学エッチング、特開2009−6721号公報、特許第5681076号公報等に開示されているナノモールディングテクノロジー(NMT)を用いてもよい。あるいはレーザー粗化を行ってもよい。
次に、金属部50上に、セラミックス層60を形成する(図5のステップS2)。セラミックス層60の形成方法は特に限定されないが、例えば、真空蒸着、イオンプレーティング等の物理的蒸着法(PVD)、プラズマCVD等の化学的蒸着法(CVD)、エアロゾルディポジション(AD)法、スパッタリング、溶射法、コールドスプレー法、ウォームスプレー法等を用いることができる。金属部50にアルミニウム及びその合金を用いる場合、陽極酸化により、セラミックス層60として、アルマイト層(酸化アルミニウム(アルミナ)の被膜を形成してもよい。アルマイト層は、金属部50の一部のみに形成してもよいし、金属部50の全面に形成してもよい。また、以上説明した複数の成膜方法を用いて、多層膜からなるセラミックス層60を形成して、膜強度を高めてもよい。本実施形態では、金属部にアルミニウム合金を用い、陽極酸化により、金属部50の全面にセラミックス層60としてアルマイト層を形成する。
次に、セラミックス層60上に樹脂部10を形成する(図5のステップS3)。例えば、樹脂部10はインサート成形(一体成形)によって形成してもよい。具体的には、セラミックス層60が形成された金属部50を先に金型内に配置し、その金型の空き部分に樹脂材料を射出充填する。これにより、セラミックス層60が形成された金属部50と、樹脂部10とが一体に成形される。インサート成形としては、射出成形、トランスファー成形等を用いることができる。このように、樹脂部10と、その表面にセラミックス層60が形成された金属部50とは、一体成形した一体成形体であってもよい。ここで、一体成形体とは、別個に作成された金属部50と樹脂部10とを接着や接合(二次接着や機械的接合)するのではなく、樹脂部10の成形時に金属部50と接合する加工(典型的にはインサート成形)により製造したものを意味する。本実施形態では、熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂を用いて、トランスファー成形により樹脂部10を形成する。これにより、樹脂部10と、セラミックス層60が形成された金属部50との一体成形体が得られる。
次に、樹脂部10の表面10aに、メッキ膜21が形成される溝13及び凹凸構造12を形成する(図5のステップS4)。溝13及び凹凸構造12は、例えば、レーザー光照射(レーザー切削)によって形成できる。レーザー光照射に用いるレーザー光及びレーザー描画方法は、特に限定されず、汎用のレーザー光及びレーザー描画方法を適宜選択できる。本実施形態では、まず、溝13を形成し、次に、凹凸構造12を形成する。
溝13を形成するレーザー光照射を「レーザー光照射(1)」とし、このときのレーザー光照射条件を「レーザー光照射条件(1)」とする。図2(a)に、レーザー光照射(1)を行う範囲を図示する。レーザー光照射(1)は、樹脂部10のメッキ膜21が形成される領域全体に亘って行う。溝13の底面13aが、樹脂部10のメッキ膜21と接触する面となる。溝13を形成するレーザー光照射(1)は、樹脂部10の表面を粗化し、樹脂部10とメッキ膜21の密着強度を強めることを目的とする。このため、レーザー光照射(1)では、メッキ膜との接着強度が確保できる程度の切削を行えば足り、溝13は、比較的、深さの浅い溝であってもよい。メッキ膜21は、樹脂部10の表面10a上において線状に延在する。したがって、溝13も樹脂部10の表面10a上において線状に延在する。
次に、樹脂部10のメッキ膜21と接触する面(底面13a)の少なくとも一部に、凹凸構造12をレーザー光照射(レーザー切削)によって形成する。このときのレーザー光照射を「レーザー光照射(2)」とし、このときのレーザー光照射条件を「レーザー光照射条件(2)」とする。図2(a)に、レーザー光照射(2)の範囲を図示する。図2(a)に示すように、凹凸構造12は、レーザー光照射(1)を行った部分に、更に、レーザー光照射(2)を行って形成する。例えば、凹部12Aの大きさ及び形状は、レーザー光照射(2)によって制御し、凸部12Bの大きさ及び形状は、レーザー光照射(1)及び(2)を組み合わせて制御してもよい。
本実施形態では、まず、レーザー光照射(1)により、比較的浅い溝13を形成する。次にレーザー光照射(2)により、溝13の底面13aの凹部12Aに対応する部分を切削する。図2(b)に示すように、複数の凹部12AはY方向に延在し、X方向に周期的に配列する。したがって、レーザー光照射(2)では、Y方向に延在するラインを、X方向に略同一のピッチで複数本配列するように、レーザー光を照射した。
セラッミク層60は、熱衝撃耐性が低いため、レーザー光照射による破壊が懸念される。しかし、本発明者らの検討によれば、レーザー光の周波数、線速、照射繰り返し回数等のレーザー光照射条件によって、セラッミク層60に与えるダメージが異なることが明らかとなった。レーザーの光源やセラミックス層60の材質等にもよるが、例えば、周波数が10kHz〜500kHz程度のレーザー光は、この範囲以外の周波数のレーザー光と比較して、セラミックス層を破壊し難い傾向がある。尚、セラッミク層60に与える影響は、レーザー光の周波数のみによって決定されるのではなく、その他のレーザー光照射条件にも左右される。
本実施形態においては、例えば、樹脂部10aの表面に比較的浅い溝13を形成するレーザー光照射条件(1)は、樹脂部10を切削し易い条件であれば、セラッミクス層60が破壊され易い条件であてもよい。一方で、セラミックス層60に近い部分に凹部12Aを形成するレーザー光照射条件(2)は、セラッミクス層60が破壊され難い条件とすることが好ましい。レーザー光照射条件(2)を用いることで、例えば、凹部12Aの高さh2を0(ゼロ)mmとしても、即ち、セラミックス層60上に直接レーザー光を照射しても、セラミックス層60の熱衝撃による破壊を防げる。
次に、溝13に、メッキ膜21により形成された回路パターン20を形成する(図5のステップS5)。回路パターン20を形成する方法は、特に限定されず、汎用の方法を用いることができる。例えば、実装面10a全体にメッキ膜を形成し、メッキ膜にフォトレジストでパターニングし、エッチングにより回路パターン以外の部分のメッキ膜を除去する方法、回路パターンを形成したい部分にレーザー光を照射して樹脂部を粗化し、レーザー光照射部分のみにメッキ膜を形成する方法等が挙げられる。
本実施形態では、以下に説明する方法により回路パターン20を形成する。まず、溝13及び凹凸構造12を含む樹脂部10の表面に、触媒活性妨害剤を付与する。これにより、レーザー光を照射していない表面10a、即ち、溝13及び凹凸構造12以外の領域には、触媒活性妨害剤を含む触媒活性妨害層が形成される。一方、レーザー光を照射した溝13及び凹凸構造12は表面が粗化されているため、触媒活性妨害層が形成され難い。したがって、溝13及び凹凸構造12は、触媒活性妨害層によって完全に覆われない。次に、樹脂部10の表面に無電解メッキ触媒を付与し、そして、無電解メッキ液を接触させる。触媒活性妨害層は、その上に付与される無電解メッキ触媒の触媒活性を妨げる(妨害する)。このため、レーザー光を照射していない表面10aでは、触媒活性妨害層により、無電解メッキ膜の生成が抑制される。一方、レーザー光照射部(溝13及び凹凸構造12)は、触媒活性妨害層が十分に形成されていないため、無電解メッキ膜が生成する。これにより、レーザー光照射部分(溝13及び凹凸構造)に無電解メッキ膜21による回路パターン20が形成される。
触媒活性妨害層は、触媒活性を妨害する樹脂(触媒失活剤)を用いて形成できる。触媒失活剤としては、側鎖にアミド基及びジチオカルバメート基を有するポリマーが好ましい。側鎖のアミド基及びジチオカルバメート基が無電解メッキ触媒となる金属イオンに作用し、触媒能を発揮することを妨げると推測される。また、触媒失活剤は、デンドリマー、ハイパーブランチポリマー等のデンドリティックポリマーが好ましい。触媒失活剤としては、例えば、特開2017‐160518号公報に開示されるポリマーを用いることができ、また、同特許公開公報に開示される方法により、樹脂部10の表面に触媒活性妨害層を形成できる。
無電解メッキ触媒は、特に限定されず、汎用のものを適宜選択して用いることができる。また、無電解メッキ触媒として、例えば、特開2017−036486号公報に開示されている塩化パラジウム等の金属塩を含むメッキ触媒液を用いてもよい。また、金属塩を含むメッキ触媒液として、市販のアクチベータ処理液を用いてもよい。
尚、凹部12Aにおいて樹脂部10が存在しない場合、即ち、凹部12Aにセラミックス層60が露出している場合、そのセラミックス層60上に無電解メッキ触媒を付与する必要がある。樹脂部10と比較して、セラミックス層60上には、金属塩を含むメッキ触媒液中の金属イオンが吸着し難い。この場合、まず、塩化錫水溶液等を用いたセンシタイザー処理をした後に、金属塩を含むメッキ触媒液を用いてもよい(アクチベータ処理)。但し、センシタイザー処理を行うと、メッキ膜の形成が予定されていない領域(メッキ膜不要領域)にもメッキ膜が形成する虞や、センシタイザー処理液が分解し易いため生産性が低下する虞がある。したがって、メッキ膜21の形成を効率的に行う観点からは、凹部12Aには樹脂部が存在すること、即ち、凹部12Aの高さが0(ゼロ)mmより高いことが好ましい。
無電解メッキ液及び無電解メッキ方法は、特に限定されず、汎用の無電解メッキ液及び無電解メッキ方法を適宜選択して用いることができる。無電解メッキ液は、例えば、次亜リン酸ナトリウム、ホルマリン等の還元剤を含有する。無電解メッキ液としては、無電解ニッケルメッキ液、無電解ニッケルリンメッキ液、無電解銅メッキ液、無電解パラジウムメッキ液等を用いることができる。中でも、無電解ニッケルメッキ液(無電解ニッケルリンメッキ液)が好ましい。無電解ニッケルメッキ液は、メッキ液が安定である。また、無電解ニッケルメッキ液は、還元剤として次亜リン酸ナトリウムを含むため、無電解メッキ触媒(金属イオン)の還元効果が高い。回路パターン20の形成においては、無電解メッキ膜の上に、更に、他の種類の無電解メッキ膜や電解メッキ膜を積層してもよい。
次に、樹脂部10に実装部品30をハンダ40により実装し、回路パターン20と電気的に接続させる(図5のステップS6)。これにより、本実施形態の回路部品100が得られる。実装部品30の実装方法は特に限定されず、汎用の方法を用いることができる。例えば、メッキ膜21上に常温のハンダ40と実装部品30とを配置して高温のリフロー炉に通過させるハンダリフロー法、又はレーザー光を樹脂部10と実装部品30の界面に照射してハンダ付けを行うレーザーハンダ付け法(スポット実装)により、実装部品30を樹脂部10にハンダ付けしてもよい。
尚、以上説明した本実施形態では、溝13及び凹凸構造12の形成(図5のステップS4)及び回路パターンの形成(図5のステップS5)において、樹脂部10にレーザー光照射により溝13及び凹凸構造12を形成した後、触媒失活剤の付与を行っている。例えば、この工程順序を逆にし、樹脂部10に触媒失活剤を付与した後に、レーザー光照射により溝13及び凹凸構造12を形成することもできる。しかし、凹凸構造12の形成において、樹脂部10を深く切削する必要がある。このため、樹脂部10に触媒失活剤を付与した後にレーザー光照射を行うと、触媒失活剤がレーザー光の熱によりダメージを受け、回路パターン20の配線間にメッキ膜が成長する虞がある。したがって、本実施形態で説明したように、レーザー光照射による溝13及び凹凸構造12を形成した後、触媒失活剤を付与する方が好ましい。
[変形例]
図6(a)、(b)に示す本変形例の回路部品200は、樹脂部10が実装部品30を支持する支持部15を有する。支持部15は、溝13内に形成される凸部であり、実装部品30の底面30bと接触する支持面15aを有する。本変形例では、支持部15は、回路パターン20を形成するメッキ膜21に周囲を囲まれ、溝13内に孤立して存在する。
本変形例の回路部品200において、樹脂部10が支持部15を有する以外の構成は、図1に示す回路部品100と同様である。したがって、本変形例では、上述した実施形態と同様に、凹凸構造12により、回路部品200は高い放熱性及び信頼性を有する。更に、本変形例の回路部品200は、支持部15により、以下の効果を奏する。
実装部品30が実装される領域に形成される溝13の底面13aには、凹凸構造12形成されている。この凹凸構造12の影響を受けて、実装部品30が実装されるメッキ膜21の表面に凹凸が生じる場合がある。更に、回路パターン20の形成に電解メッキを用いる場合、電解メッキに用いる電極からの距離のよって、メッキ膜21の厚さにムラが生じる場合がある。このように、実装部品30が実装されるメッキ膜21の表面は平坦ではなく、不均一となる傾向がある。そして、平坦でないメッキ膜21の表面に、高さ方向の位置を正確に制御して実装部品30を実装することは難しい。ここで、高さ方向の位置とは、例えば、樹脂部10の表面10aに垂直な方向における位置、又は、例えば、セラミック層60と樹脂部10との界面に垂直な方向における位置である。
本変形例では、支持部15の支持面15aによって、実装部品30の高さ方向の位置決めが行なわれる。支持面15aの高さを正確に制御することにより、実装部品30の実装部品30の高さ方向の位置を正確に制御できる。このように、回路部品200では、支持部15により、メッキ膜21表面の凹凸に左右されず、実装部品30の高さ方向の位置精度が向上する。
1個の実装部品30に対して、複数個の支持部15が接触していてもよい。また、1個の支持部15に、複数の実装部品30が接触していてもよい。同一の実装部品30に接触している複数の支持部15の支持面15aは、同一平面内に存在する。例えば、図6(b)に示すように、支持面15a1と支持面15a2とは同一平面内に存在し、支持面15a3と支持面15a4とは同一平面内に存在する。
本変形例の回路部品200は、溝13内に支持部15を形成すること以外は、上述した本実施形態の回路部品100と同様の製造方法により製造できる。例えば、支持部15に対応する部分を避けてレーザー光照射(1)及び(2)を行うことにより、溝13内に支持部15を形成できる。
以下、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明するが、本発明は下記の実施例及び比較例により制限されない。
[実施例1]
本実施例では、以下に説明する方法により、図1に示す回路部品100を製造した。
(1)基材の製造
図1に示す、金属部50、セラミックス層60及び樹脂部10からなる基材70を製造した。まず、アルミ合金A1015(熱伝導率:220W/m・K)を用いて、冷間鍛造により金属部50を製造した。
得られた金属部50に、化学エッチング処理及び封孔処理を含むアルマイト処理(東亜電化、TAF−TR処理)を行った。これにより、金属部50の全面に、セラミックス層60として、膜厚50μmのアルマイト層(酸化アルミ(アルミナ))を形成した。
次に、熱硬化性樹脂である、絶縁性熱伝導フィラー(アルミナセラミック)を含むエポキシ樹脂(熱伝導率:3w/m・K)を用い、汎用の成形機により、樹脂部10を以下の方法によりインサート成形(トランスファー成形)した。まず、基材70に対応するキャビティを有する金型を用意し、キャビティ内に150℃に加熱した金属部50を配置した。次に、金型温度を170℃とし、キャビティ内の空き領域に上述のエポキシ樹脂をプランジャーの加圧により充填し、冷却時間90s後に金型より取り出した。
以上により、一体成形体である基材70を得た。樹脂部10の厚さは、0.1mm〜0.4mmとした。尚、回路パターン20が形成される部分の厚さ(tR1、図1(b)参照)は、0.1mmと比較的薄くし、回路パターン20を形成しない部分の一部の厚さは、0.4mm(例えば、tR2、図1(b)参照)と比較的厚くした。
(2)溝及び凹凸構造の形成
まず、樹脂部10の表面10aに、メッキ膜21が形成される溝13を形成した。3Dレーザーマーカ(キーエンス製、YVOレーザー、出力25W)を用いて、線速2000mm/s、周波数100kHz、パワー100%の加工条件(レーザー光照射条件(1))で、図1(a)に示す、回路パターン20に対応する部分をレーザー光照射(レーザー描画、レーザー切削)し、溝13を形成した(レーザー光照射(1))。
図7(a)に、レーザー光照射(1)のレーザー加工パターンを模式的に示す。実線がレーザー光照射部分である。レーザー光照射(1)では、回路パターン20に対応する部分全面に、0.1mmピッチ(P1)の格子状のパターンをレーザー光照射した。本実施例では、溝13の幅Dが1mmの比較的細い部分と、幅Dが3mmの比較的太い部分を形成した。
レーザー光照射(1)により形成した溝13の深さをレーザー顕微鏡(キーエンス製、MDV−9600)により測定した。この結果、表面10aから溝13の底面13aまでの深さ(距離)は、0.02mm〜0.05mmであった。したがって、セラミック層60aから底面13aまでの高さ(距離)は、0.05mm〜0.08mmであった。レーザー光照射(1)では、切削した樹脂部10に含まれていた絶縁性熱伝導フィラー(アルミナセラミック)も破壊され、照射部全体をほぼ均一に切削できた。
次に、溝13の形成に用いた3Dレーザーマーカを用いて、溝13の底面13aの一部をレーザー光照射(レーザー描画、レーザー切削)し、凹凸構造12を形成した(レーザー光照射(2))。レーザー光照射(2)では、線速500mm/s、周波数0(ゼロ)としてレーザー光照射した(レーザー光照射条件(2))。
図7(b)に、レーザー光照射(2)のレーザー加工パターンを模式的に示す。実線がレーザー光照射部分である。レーザー光照射(2)のレーザー加工パターンでは、溝13の表面13a上において、メッキ膜の線幅方向(図7(b)のY方向)に延在する直線パターンを、メッキ膜の延在方向(図7(b)のX方向)に、0.2mmピッチ(P2)で複数本配列した。これにより、レーザー光照射部(図7(b)の実線)に凹部12Aが形成され、それらの間に凸部12Bが形成され、凹凸構造12が形成された。
溝13の深さを測定したレーザー顕微鏡を用いて、凹凸部12の高さを測定した。この結果、凸部12Bの高さh1は、0.03mm〜0.05mmであり、凹部12Aの高さh2は、0.005mm〜0.01mmであった。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
(3)回路パターンの形成
本実施例では、以下に説明する方法により、樹脂部10上にメッキ膜21により形成される回路パターン20を形成した。
(a)触媒活性妨害層の形成
樹脂部10の表面に、触媒失活剤である下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーを含む触媒活性妨害層を形成した。下記式(1)で表されるハイパーブランチポリマーは、特開2017‐160518号公報に開示される方法により合成した。
Figure 2020102587
合成した式(1)で表されるポリマーをメチルエチルケトンに溶解して、ポリマー濃度0.5重量%のポリマー溶液を調製した。室温のポリマー溶液に、基材70を1秒間浸漬し、その後、85℃乾燥機中で5分間乾燥した。これにより、樹脂部10の表面に膜厚約70nmの触媒活性妨害層が形成された。
(b)無電解メッキ触媒の付与
30℃に調整した市販の塩化パラジウム(PdCl)水溶液(奥野製薬工業製、アクチベータ)に基材70を5分間浸漬した。その後、基材を塩化パラジウム水溶液から取り出し、水洗した。
(c)無電解メッキ
60℃に調整した無電解ニッケルリンメッキ液(奥野製薬工業製、トップニコロンLPH−L、pH6.5)に、基材70を10分間浸漬した。樹脂部10上のレーザー描画部分(溝13及び凹凸構造12)にニッケルリン膜(無電解ニッケルリンメッキ膜)が約1μm成長した。レーザー描画部分は表面が粗化されているため、触媒活性妨害層が十分に形成されず、このため、メッキ反応が生じ、メッキ膜が形成されたと推測される。
ニッケルリン膜上に、更に、汎用の方法により、電解銅メッキ膜を80μm、電解ニッケルメッキ膜を1μm、電解金メッキ膜を0.1μm、この順に積層し、回路パターン20を形成した。
(4)実装部品の実装
実装部品30として、面実装タイプの高輝度LED(日亜化学製、NS2W123BT、3.0mm×2.0mm×高さ0.7mm)を用いた。実装部品30は、回路パターン20と電気的に接続可能な位置に、常温のハンダ40を介して配置した。次に、LEDを配置した基材70をリフロー炉に通した(ハンダリフロー)。リフロー炉内で基材70は加熱され、基材70の最高到達温度は約240℃となり、基材70が最高到達温度で加熱された時間は約3分であった。ハンダ40により、実装部品30は樹脂部10に実装され、本実施例の回路部品100を得た。
[実施例2]
本実施例では、溝13及び凹凸構造12の形成において、レーザー光照射条件(1)の線速を3000mm/sとし、レーザー光照射条件(2)において、同一のパターン上を3回繰り返してレーザー光照射した(照射繰り返し回数:3回)以外は、実施例1と同様の方法により回路部品100を製造した。
本実施例では、凸部12Bの高さh1は、0.06mm〜0.08mmであり、凹部12Aの高さh2は、0.03mm〜0.05mmであった。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
[実施例3]
本実施例では、溝13及び凹凸構造12の形成において、レーザー光照射条件(2)の照射繰り返し回数を10回とした。また、無電解メッキ触媒の付与において、基材を塩化パラジウム水溶液に浸漬(アクチベータ処理)する前に、塩化錫水溶液に浸漬した(センシタイザー処理)。それ以外は、実施例1と同様の方法により回路部品100を製造した。
本実施例では、凸部12Bの高さh1は、0.03mm〜0.05mmであり、凹部12Aの高さh2は、0〜0.005mmであった。即ち、本実施例では、複数の凹部12Aの一部において、樹脂部10が存在しなかった(樹脂部10の厚みが0(ゼロ)mm)。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
尚、本実施例では、実施例1と同様のメッキ方法、即ち、アクチベータ処理のみを行い、センシタイザー処理を行わないメッキ方法では、無電解メッキ膜が十分に成長しなかった。これは、複数の凹部12Aの一部において、樹脂部10が存在しなかったためだと推測される。
[実施例4]
本実施例では、以下に説明する方法により、図1に示す回路部品100を製造した。
(1)基材の製造
樹脂部10に用いる樹脂として、熱可塑性樹脂である、絶縁性熱伝導フィラー(アルミナセラミック)を含む液晶ポリマー(熱伝導率:2w/m・K)を用いてインサート成形(射出成形)して樹脂部10を成形した以外は、実施例1と同様の方法により、一体成形体である基材70を製造した。樹脂部10の厚さは、0.15mm〜0.5mmとした。尚、回路パターン20を形成する部分の厚さ(tR1、図1(b)参照)は、0.15mmと比較的薄くし、回路パターン20を形成しない部分の一部の厚さは、0.5mm(例えば、tR2、図1(b)参照)と比較的厚くした。
(2)溝及び凹凸構造の形成
溝13及び凹凸構造12の形成における、レーザー光照射条件(2)の照射繰り返し回数を10回とした以外は、実施例1と同様の方法により、溝13及び凹凸構造12を形成した。即ち、実施例3と同様の方法により、溝13及び凹凸構造12を形成した。
本実施例では、凸部12Bの高さh1は、0.08mm〜0.10mmであり、凹部12Aの高さh2は、0.02mm〜0.04mmであった。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
(3)回路パターンの形成及び実装部品の実装
実施例1と同様の方法により、回路パターンの形成及び実装部品の実装を行い、本実施例の回路部品100を製造した。
[実施例5]
本実施例では、図6(a)、(b)に示す、支持部15を有する回路部品200を製造した。本実施例では、溝13及び凹凸構造12の形成における、レーザー光照射(1)及び(2)において、支持部15に対応する部分を避けてレーザー光を照射した。これにより、溝13内に支持部15を形成した。これ以外は、実施例1の回路部品100と同様の方法により、回路部品200を製造した。
凸部12Bの高さh1は、0.03mm〜0.05mmであり、凹部12Aの高さh2は、0.005mm〜0.01mmであった。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
[実施例6]
本実施例では、溝13及び凹凸構造12の形成において、レーザー光照射条件(2)の照射繰り返し回数を2回とした以外は、実施例4と同様の方法により回路部品100を製造した。
本実施例では、凸部12Bの高さh1は、0.12mm〜0.15mmであり、凹部12Aの高さh2は、0.06mm〜0.08mmであった。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
[比較例1]
本比較例では、溝13及び凹凸構造12の形成において、レーザー光照射条件(2)のレーザー加工パターンをレーザー光照射条件(1)と同じ格子状のパターンに変更した以外は、実施例3と同様の方法により回路部品100を製造した。
本比較例では、レーザー光照射(2)を行った部分の厚みが、0〜0.005mmと均一になり、凹凸構造12が形成されなかった。本比較例では、レーザー光照射(2)を行った部分の一部において、樹脂部10が存在しなかった(樹脂部10の厚みが0(ゼロ)mm)。また、レーザー光照射による熱衝撃により、セラミック層60にクラックが生じた。
[比較例2]
本比較例では、溝13及び凹凸構造12の形成において、レーザー光照射条件(1)の線速を2400mm/sとした以外は、実施例3と同様の方法により回路部品100を製造した。
本比較例では、凸部12Bの高さh1は、0.003mm〜0.009mmであり、凹部12Aの高さh2は、0〜0.005mmであった。凸部12Bの最低高さ(0.003mm)は、凹部12Aの最高高さ(0.005mm)より低くかった。即ち、本比較例では、凸部12Bは凹部12Aより高いとはいえず、凹凸構造12は不完全なものであった。本比較例の凹凸構造12の高さは参考値として、表1内に括弧書で示す。尚、レーザー光照射によるセラミック層60の破壊は確認されなかった。
[回路部品の評価]
実施例1〜6及び比較例1及び2で製造した回路部品100、200について、以下の評価を行った。結果を表1に示す。
(1)放熱性
製造した回路部品100、200に一定電流(0.4A)を流し、LED30を点灯させた。点灯してから30分後のLED30の端部に熱電対を接着させ、LEDの温度を測定した。回路部品100、200上のLEDの平均温度を計算し、以下の評価基準に従って、回路部品100、200の放熱性を評価した。
<回路部品の放熱性の評価基準>
◎:点灯してから30分後のLED表面温度が90℃以下であった。
〇:点灯したから30分後のLED表面温度が100℃以下であった。
△:点灯してから30分後のLED表面温度が110℃以下であった。
×:点灯してから30分後のLED表面温度が110℃を越えた。
(2)熱衝撃耐性
回路部品100、200を、−35℃に保持されたチャンバ―に30分保持した後、100℃に保持されたチャンバーに急速に入れ替え、そこで30分保持する1サイクルを3000サイクル繰り返した。熱衝撃試験後に一定電流(0.4A)を流したときのLEDの点灯および短絡の有無を確認した。
<回路部品の熱衝撃試験の評価基準>
〇:熱衝撃試験後において、すべてLEDが点灯し、電圧の上昇(抵抗の増加)が認められなかった。
×:熱衝撃試験後において、LEDが点灯せず、短絡個所が認められた。
Figure 2020102587
実施例1〜6では、上述のように、回路部品100、200の製造過程においてセラミック層60にクラックが発生しなかった。表1に示すように、実施例1〜6では、回路部品100、200の放熱性及び熱衝撃耐性が良好であった。特に、凸部12Bの高さh1が、0.01mm〜0.10mmの範囲内で、且つ凹部12Aの高さh2が0〜0.05mmの範囲内である実施例1〜5では、放熱性及び熱衝撃耐がより良好であった。実施例1〜5と比較して、凸部12Bの高さが0.10mmを越える実施例6では、放熱性がやや低下した。
また、放熱性は、凹部12Aの高さが低いほど向上する傾向があり、凹部12Aの高さh2を0.01mm以下とした実施例1及び3は、放熱性がより良好であった。実施例1及び3は、凹凸構造を設けずに、全体的に樹脂部10の高さを低くした比較例1よりも放熱性が優れることが確認できた。
溝13中に実装部品30を支持する支持部15を設けた実施例5は、実施例1と比較して、やや放熱性が低下した。これは、実施例1と比較して、実施例5では、支持部15が存在するため、凹凸構造12が形成される面積が減少したためだと推測される。しかし、実施例6では、支持部15により、実装部品30の高さ方向の位置精度が向上する。
一方、比較例1では、上述のように、回路部品100の製造過程においてセラミック層60にクラックが発生した。これにより、回路パターン20と金属部50との間で局所的な短絡が生じた。比較例1では、LED30は点灯したが、電流のリークが認められた。したがって、比較例1についても、放熱性及び熱衝撃耐性の評価を行ったが、評価結果は参考値として、表1内に括弧書で示す。表1に示すように、比較例1では、回路部品100の熱衝撃耐性が不良であった。但し、比較例1では、500サイクルとする熱衝撃試験であれば、評価結果は良好であった。比較例2では、熱衝撃耐性が不良であった。但し、比較例2では、1000サイクルとする熱衝撃試験であれば、評価結果は良好であった。このように、比較例2は、比較例1よりも熱衝撃耐性が向上していた。この原因は、比較例2では、不完全ながらも凹凸構造が形成されていたためと推測される。
本発明の回路部品(MID)は、放熱性及び信頼性が高い。このため、本発明の回路部品は、LED等の実装部品を実装した部品に適しており、スマートフォンや自動車の部品に応用可能である。
10 樹脂部
13 溝
20 回路パターン
21 メッキ膜
30 実装部品(LED)
40 ハンダ
50 金属部
100、200 回路部品

Claims (12)

  1. 回路部品であって、
    金属部と、
    前記金属部上に形成されているセラミックス層と、
    前記セラミックス層上に形成されている樹脂部と、
    前記樹脂部上に形成されているメッキ膜を含む回路パターンと、
    前記樹脂部上に実装され、前記回路パターンと電気的に接続する実装部品と、を含み、
    前記実装部品と前記セラミックス層との間において、前記樹脂部は、前記メッキ膜と接触する面に凹部と凸部からなる凹凸構造を有する回路部品。
  2. 前記凸部の高さが、0.01mm〜0.10mmである、請求項1に記載する回路部品。
  3. 前記凹部の高さが0〜0.05mmである、請求項1又は2に記載する回路部品。
  4. 前記凸部が一方向に延在している、請求項1〜3のいずれか一項に記載する回路部品。
  5. 前記凹凸構造が接触している前記メッキ膜は、前記樹脂部上において線状に延在しており、
    前記凸部が延在する前記一方向が、前記メッキ膜の延在方向に垂直な方向である、請求項4に記載する回路部品。
  6. 前記凹凸構造が接触している前記メッキ膜は、前記樹脂部上において線状に延在しており、
    前記凸部が延在する前記一方向が、前記メッキ膜の延在方向である、請求項4に記載する回路部品。
  7. 前記凹凸構造は、複数の前記凹部と複数の前記凸部とから構成され、
    前記複数の凸部は、前記凸部が延在する前記一方向と垂直な方向に周期的に配列されている、請求項4〜6のいずれか一項に記載する回路部品。
  8. 前記メッキ膜は、前記樹脂部上に形成された溝に形成されている、請求項1〜7のいずれか一項に記載する回路部品。
  9. 前記凹凸構造は、前記溝の底面に形成されている、請求項8に記載する回路部品。
  10. 前記金属部がアルミニウムを含み、前記セラミックス層がアルミナを含む、請求項1〜9のいずれか一項に記載する回路部品。
  11. 前記樹脂部が、絶縁性熱伝導フィラーを含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載する回路部品。
  12. 前記回路部品が、三次元成形回路部品である、請求項1〜11のいずれか一項に記載する回路部品。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022255496A1 (ja) * 2021-06-04 2022-12-08 マクセル株式会社 立体回路部品及び立体回路部品の製造方法

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