添付図面に従って本開示の技術に係る実施形態の一例について説明する。
先ず、以下の説明で使用される文言について説明する。
CPUは、“Central Processing Unit”の略称である。RAMは、“Random Access Memory”の略称である。ROMは、“Read Only Memory”の略称である。ASICは、“Application Specific Integrated Circuit”の略称である。PLDは、“Programmable Logic Device”の略称である。FPGAは、“Field-Programmable Gate Array”の略称である。AFEは、“Analog Front End”の略称である。DSPは、“Digital Signal Processor”の略称である。ISPは、“Image Signal Processor”の略称である。SoCは、“System-on-a-chip”の略称である。CMOSは、“Complementary Metal Oxide Semiconductor”の略称である。CCDは、“Charge Coupled Device”の略称である。SWIRは、“Short-Wavelength InfraRed”の略称である。
SSDは、“Solid State Drive”の略称である。 USBは、“Universal Serial Bus”の略称である。HDDは、“Hard Disk Drive”の略称である。EEPROMは、“Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory”の略称である。 ELは、“Electro-Luminescence”の略称である。A/Dは、“Analog/Digital”の略称である。I/Fは、“Interface”の略称である。UIは、“User Interface”の略称である。WANは、“Wide Area Network”の略称である。CRTは、”Cathode Ray Tube”の略称である。OISは、”Optical Image Stabilizer”の略称である。BISは、”Body Image Stabilizer”の略称である。
本明細書の説明において、「平行」とは、完全な平行の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの平行を指す。本明細書の説明において、「垂直」とは、完全な垂直の他に、本開示の技術が属する技術分野で一般的に許容される誤差を含めた意味合いでの垂直を指す。
[第一実施形態]
一例として図1に示すように、監視システム2は、監視カメラ10、照射装置112、取付部材114、及び管理装置11を備えている。監視システム2は、本開示の技術に係る「撮像システム」の一例であり、監視カメラ10は、本開示の技術に係る「撮像装置」の一例であり、管理装置11は、本開示の技術に係る「撮像支援装置」の一例である。本実施形態の取付部材114は、後述するように、旋回機構16を兼ねている。
監視カメラ10は、屋内外の路面、柱、壁、床又は建物の一部(例えば屋上)等に、取付部材114を介して設置され、被写体である監視対象(以下、「撮像領域」とも称する)を撮像し、撮像することで動画像を生成する。動画像には、撮像することで得られた複数フレームの画像が含まれている。監視カメラ10は、撮像することで得た動画像を、通信ライン12を介して管理装置11に送信する。
管理装置11は、ディスプレイ13を備えている。ディスプレイ13としては、例えば、液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、有機ELディスプレイ、及びCRTディスプレイ等が挙げられる。
管理装置11では、監視カメラ10によって送信された動画像が受信され、受信された動画像がディスプレイ13に表示される。
取付部材114は、本実施形態では、支柱116と、この支柱116の上部に取り付けられた支持台118と、を有している。支持台118には、監視カメラ10及び照射装置112が取り付けられる。なお、第一実施形態では、支持台118に対し監視カメラ10及び照射装置112は固定されている。
支持台118は、支柱116に対して旋回可能であり、この旋回により、監視カメラ10及び照射装置112も支持台118と共に旋回することが可能である。具体的には、旋回機構16は、ピッチ軸PAを中心軸とした旋回方向(以下、「ピッチ方向」という)に回転可能で、かつ、ヨー軸YAを中心軸とした旋回方向(以下、「ヨー方向」という)に回転可能な、2軸旋回機構である。このように、本実施形態では、取付部材114が旋回機構16を兼ねている。旋回機構16として、2軸旋回機構である例を示したが、本開示の技術はこれに限定されず、3軸旋回機構であってもよい。
一例として図2に示すように、監視カメラ10は、光学系15及び撮像素子25を備えている。撮像素子25は、光学系15の後段に位置している。撮像素子25は、受光面25Aを備えている。撮像領域の光は、光学系15によって受光面25Aに結像され、撮像素子25によって撮像領域が撮像される。
監視カメラ10は、コンピュータ19、変位用ドライバ22、変位用ドライバ23、ズーム用ドライバ28、DSP31、画像メモリ32、電子式振れ補正部33、通信I/F34、位置センサ39及び47、振れ量センサ40、並びにUI系デバイス43を備えている。コンピュータ19は、メモリ35、ストレージ36、及びCPU37を備えている。
変位用ドライバ22、変位用ドライバ23、撮像素子25、ズーム用ドライバ28、DSP31、画像メモリ32、電子式振れ補正部33、通信I/F34、メモリ35、ストレージ36、CPU37、位置センサ39及び47、振れ量センサ40、並びにUI系デバイス43は、バス38に接続されている。なお、図2に示す例では、図示の都合上、バス38として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス38は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
メモリ35は、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。メモリ35の一例としては、RAMが挙げられるが、これに限らず、他の種類の記憶装置であってもよい。
ストレージ36には、監視カメラ10用の各種プログラムが記憶されている。CPU37は、ストレージ36から各種プログラムを読み出し、読み出した各種プログラムをメモリ35上で実行することで、監視カメラ10の全体を制御する。ストレージ36としては、例えば、フラッシュメモリ、SSD、EEPROM、又はHDD等が挙げられる。また、例えば、フラッシュメモリに代えて、あるいはフラッシュメモリと併用して、磁気抵抗メモリ、強誘電体メモリ等の各種の不揮発性メモリを用いてもよい。
撮像素子25は、本実施形態ではCMOSイメージセンサである。撮像素子25は、CPU37の指示の下、既定のフレームレートで対象被写体を撮像する。ここで言う「既定のフレームレート」とは、例えば、数十フレーム/秒から数百フレーム/秒を指す。なお、撮像素子25そのものにも制御装置(撮像素子制御装置)が内蔵されていてもよく、その場合はCPU37が出力する撮像指示に応じて撮像素子25内部の詳細な制御を撮像素子制御装置が行う。また、撮像素子25が、DSP31の指示の下に既定のフレームレートで対象被写体を撮像してもよく、この場合は、DSP31が出力する撮像指示に応じて撮像素子25内部の詳細な制御を撮像素子制御装置が行う。なお、DSP31はISPと呼ばれることもある。
撮像素子25の受光面25Aは、マトリクス状に配置された複数の感光画素(図示省略)によって形成されている。撮像素子25では、各感光画素が露光され、感光画素毎に光電変換が行われる。
感光画素毎に光電変換が行われることで得られた電荷は、対象被写体を示すアナログの撮像信号である。ここでは、複数の感光画素として、赤外光に感度を有する複数の光電変換素子(一例として、赤外光透過フィルタが配置された光電変換素子)が採用されている。
監視カメラ10では、こうした赤外光に感度を有する光電変換素子を用いることによって、赤外光(例えば、約700ナノメートルよりも長波長側の光)に基づく撮像が行われる。特に、SWIRについての撮像に対しては、例えば、撮像素子25として、CMOSイメージセンサに代えて、InGaAsセンサ及び/又はタイプ2型量子井戸(T2SL;Simulation of Type-II Quantum Well)センサ等を用いればよい。但し、本実施形態はこれに限定されず、可視光に感度を有する光電変換素子を用いて、可視光(例えば、約700ナノメートル以下の短波長側の光)に基づく撮像が行われるようにしてもよく、可視光と赤外光の両方に感度を有する光電変換素子を用いたり、光学系15を透過した入射光をフィルタ又はダイクロイックプリズム等で可視光と赤外光に分離し、それぞれの光に感度を持つ光電変換素子を用いたりしてもよい。
撮像素子25は、アナログの撮像信号に対してA/D変換等の信号処理を施すことでデジタル画像を生成する。撮像素子25は、バス38を介してDSP31に接続されており、生成したデジタル画像を、バス38を介してフレーム単位でDSP31に出力する。ここで、デジタル画像は、本開示の技術に係る「撮像画像」の一例である。
なお、ここでは、撮像素子25の一例としてCMOSイメージセンサを挙げて説明しているが、本開示の技術はこれに限定されず、撮像素子25としてCCDイメージセンサを適用してもよい。この場合、撮像素子25はCCDドライバ内蔵のAFE(図示省略)を介してバス38に接続される。AFEは、撮像素子25によって得られたアナログの撮像信号に対してA/D変換等の信号処理を施すことでデジタル画像を生成し、生成したデジタル画像をDSP31に出力する。CCDイメージセンサはAFEに内蔵されたCCDドライバによって駆動される。もちろんCCDドライバは単独で設けられてもよい。
DSP31は、デジタル画像に対して、各種デジタル信号処理を施す。各種デジタル信号処理とは、例えば、デモザイク処理、ノイズ除去処理、階調補正処理、及び色補正処理等を指す。
DSP31は、1フレーム毎に、デジタル信号処理後のデジタル画像を画像メモリ32に出力する。画像メモリ32は、DSP31からのデジタル画像を記憶する。なお、以下では、説明の便宜上、画像メモリ32に記憶されたデジタル画像を「撮像画像」とも称する。
振れ量センサ40は、例えば、ジャイロセンサを含むデバイスであり、監視カメラ10の振れ量を検出する。ジャイロセンサは、ピッチ軸PA、ヨー軸YA、及びロール軸RA(光軸OAに平行な軸)の各軸周りの回転振れの量を検出する。振れ量センサ40は、ジャイロセンサによって検出されたピッチ軸PA周りの回転振れの量及びヨー軸YA周りの回転振れの量を、ピッチ軸PA及びヨー軸YAに平行な二次元状の面内での振れ量に変換することで、監視カメラ10の振れ量を検出する。振れ量センサ40は、検出した振れ量をCPU37に出力する。
ここでは、振れ量センサ40の一例としてジャイロセンサを挙げているが、これはあくまでも一例であり、振れ量センサ40は、加速度センサであってもよい。加速度センサは、ピッチ軸PAとヨー軸YAに平行な二次元状の面内での振れ量を検出する。
また、ここでは、振れ量センサ40という物理的なセンサによって振れ量が検出される形態例を挙げているが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、画像メモリ32に記憶された時系列的に前後する撮像画像を比較することで得た動きベクトルを、振れ量として用いてもよい。また、物理的なセンサによって検出された振れ量と、画像処理によって得られた動きベクトルとに基づいて、最終的に使用される振れ量を導出してもよい。
CPU37は、振れ量センサ40によって検出された振れ量を取得し、取得した振れ量に基づいて、レンズ側振れ補正機構29、撮像素子側振れ補正機構45、及び電子式振れ補正部33を制御する。振れ量センサ40によって検出された振れ量は、レンズ側振れ補正機構29、撮像素子側振れ補正機構45、及び電子式振れ補正部33の各々による振れの補正に用いられる。
本開示の技術に係る振れ補正部24は、レンズ側振れ補正機構29、撮像素子側振れ補正機構45及び電子式振れ補正部33を含む。すなわち、振れ補正部24は、レンズ側振れ補正機構29、撮像素子側振れ補正機構45及び電子式振れ補正部33のいずれか1つもしくは複数を用い、後述するように、撮像画像を変位させる補正を行って、振れ補正制御及び位置合わせ制御を行う。特に、第一実施形態では、撮像画像の振れ補正制御を行う。
電子式振れ補正部33は、ASICを含むデバイスである。電子式振れ補正部33は、振れ量センサ40によって検出された振れ量に基づいて、撮像素子25によって撮像されることで得られる画像メモリ32内の撮像画像に対して画像処理を施すことで振れを補正する。
また、ここでは、電子式振れ補正部33として、ASICを含むデバイスを例示しているが、本開示の技術はこれに限定されるものではなく、例えば、FPGA又はPLDを含むデバイスであってもよい。また、例えば、電子式振れ補正部33は、ASIC、FPGA、及びPLDのうちの複数を含むデバイスであってもよい。また、電子式振れ補正部33として、CPU、ストレージ、及びメモリを含むコンピュータが採用されてもよい。CPUは、単数であってもよいし、複数であってもよい。また、電子式振れ補正部33は、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
通信I/F34は、例えば、ネットワークインターフェースであり、ネットワークを介して、管理装置11との間で各種情報の伝送制御を行う。ネットワークの一例としては、インターネット又は公衆通信網等のWANが挙げられる。監視カメラ10と管理装置11との間の通信を司る。
UI系デバイス43は、受付デバイス43A及びディスプレイ43Bを備えている。受付デバイス43Aは、例えば、ハードキー及びタッチパネル等であり、ユーザからの各種指示を受け付ける。CPU37は、受付デバイス43Aによって受け付けられた各種指示を取得し、取得した指示に従って動作する。
ディスプレイ43Bは、CPU37の制御下で、各種情報を表示する。ディスプレイ43Bに表示される各種情報としては、例えば、受付デバイス43Aによって受け付けられた各種指示の内容、及び撮像画像等が挙げられる。
光学系15は、対物レンズ15A及びレンズ群15Bを備えている。対物レンズ15A及びレンズ群15Bは、対象被写体側から撮像素子25の受光面25A側にかけて、光学系15の光軸OAに沿って、対物レンズ15A及びレンズ群15Bの順に配置されている。レンズ群15Bには、防振レンズ15B1、フォーカスレンズ(図示省略)、及びズームレンズ15B2等が含まれている。なお、光学系15としては、対物レンズ15A及びレンズ群15B以外にも各種レンズ(図示省略)を備えていてもよい。更に、光学系15は、絞りを備えていてもよい。光学系15に含まれるレンズ、レンズ群、及び絞りの位置は限定されず、例えば、図2に示す位置と異なる位置であっても、本開示の技術は成立する。
監視カメラ10は、アクチュエータ17、アクチュエータ21、及びアクチュエータ27を備えている。防振レンズ15B1は、アクチュエータ17によって、光軸OAと垂直な方向に移動可能に支持されている。ズームレンズ15B2は、アクチュエータ21によって、光軸OAに沿って移動可能に支持されている。撮像素子25は、アクチュエータ27によって、光軸OAと垂直な方向に移動可能に支持されている。
アクチュエータ17は、防振レンズ15B1に対して、光軸OAに垂直な方向に変動させる動力を付与する。アクチュエータ17は、CPU37によって変位用ドライバ23を介して制御される。変位用ドライバ23は、CPU37からの指示に従ってアクチュエータ17を作動させることで、防振レンズ15B1の位置を光軸OAに対して垂直な方向に変動させる。
アクチュエータ21は、ズームレンズ15B2に対して、光軸OAに沿って移動させる動力を付与する。アクチュエータ21は、CPU37によってズーム用ドライバ28を介して制御される。ズーム用ドライバ28は、CPU37からの指示に従ってアクチュエータ21を作動させることで、ズームレンズ15B2の位置を光軸OAに沿って移動させる。
監視カメラ10は、このようにズームレンズ15B2を移動させることで、焦点距離X(図8A等参照)を連続的に変更可能であり、複数の焦点距離Xの値を採り得る。なお、複数の焦点距離Xを採り得る構成は、ズームレンズ15B2を有する構成に限定されず、例えば、レンズ交換式のカメラであってもよく、この場合には、交換レンズのそれぞれに設定された焦点距離の値を採る。
アクチュエータ27は、撮像素子25に対して、光軸OAに垂直な方向に変動させる動力を付与する。アクチュエータ27は、CPU37によって変位用ドライバ22を介して制御される。変位用ドライバ22は、CPU37からの指示に従ってアクチュエータ27を作動させることで、撮像素子25の位置を光軸OAに対して垂直な方向に移動させる。
監視カメラ10は、変倍機構18を有する。変倍機構18は、ズームレンズ15B2、アクチュエータ21、及びズーム用ドライバ28により構成され、監視カメラ10の焦点距離Xを変更可能とする機構である。CPU37は、ズーム用ドライバ28を介してアクチュエータ21を作動させることにより焦点距離Xを変更する。なお、本開示の技術において図示した変倍機構18の図はあくまで概念図に過ぎず、変倍機構18は種々の構成を採り得る。
ところで、監視カメラ10に与えられる振動には、屋外であれば、自動車の通行による振動、風による振動、及び道路工事による振動等があり、屋内であれば、エアコンディショナーの動作による振動、及び人の出入りによる振動等がある。そのため、監視カメラ10では、監視カメラ10に与えられた振動(以下、単に「振動」とも称する)に起因して振れが生じる。本明細書では、振動に起因して生じる振れを、単に「振れ」とも称する。
本開示の技術では、監視カメラ10及び照射装置112は、取付部材114に取り付けられている。したがって、取付部材114が振動すると、この振動は、監視カメラ10及び照射装置112の両方に伝わる。
なお、本実施形態において、「振れ」とは、監視カメラ10において、光軸OAと受光面25Aとの位置関係が変化することで、撮像素子25の受光面25Aでの被写体像が変動する現象を指す。換言すると、「振れ」とは、監視カメラ10に与えられた振動に起因して光軸OAが傾くことによって、受光面25Aに結像されることで得られた光学像が変動する現象とも言える。光軸OAの変動とは、例えば、基準軸(例えば、振れが発生する前の光軸OA)に対して光軸OAが傾くことを意味する。
振れは、撮像画像にノイズ成分として含まれ、撮像画像の画質に影響を与える。そこで、振れに起因して撮像画像内に含まれるノイズ成分を除去するために、監視カメラ10は、振れ補正部24を備えている。
本開示の技術では、振れ補正部24は、レンズ側振れ補正機構29、撮像素子側振れ補正機構45、及び電子機器振れ補正部33を有する。レンズ側振れ補正機構29は、モータ(例えば、ボイスコイルモータ)等の駆動源によって生成された動力を防振レンズに付与することで防振レンズを撮像光学系の光軸に対して垂直な方向に移動させ、これによって振れを補正する機構である。撮像素子側振れ補正機構45は、モータ(例えば、ボイスコイルモータ)等の駆動源によって生成された動力を撮像素子に付与することで撮像素子を撮像光学系の光軸に対して垂直な方向に移動させ、これによって振れを補正する機構である。電子式振れ補正部33は、振れ量に基づいて撮像画像に対して画像処理を施すことで振れを補正する。つまり、振れ補正部24は、ハードウェア構成及び/又はソフトウェア構成で機械的又は電子的に振れの補正を行う。ここで、機械的な振れの補正とは、モータ(例えば、ボイスコイルモータ)等の駆動源によって生成された動力を用いて防振レンズ及び/又は撮像素子等の振れ補正素子を機械的に動かすことにより実現される振れの補正を指し、電子的な振れの補正とは、例えば、プロセッサによって画像処理が行われることで実現される振れの補正を指す。レンズ側振れ補正機構29、撮像素子側振れ補正機構45、及び電子式振れ補正部33はいずれも、振れの補正に供される。また、本実施形態において、「振れの補正」には、振れを無くすという意味の他に、振れを低減するという意味も含まれる。
レンズ側振れ補正機構29は、光軸OAと垂直な方向に防振レンズ15B1を移動させる機構である。撮像素子側振れ補正機構45は、光軸OAと垂直な方向に撮像素子25を移動させて、撮像素子25における撮像画像の領域を光軸OAと垂直な方向に移動させる機構である。電子式振れ補正部33は、防振レンズ15B1及び撮像素子25は移動させないが、撮像素子25から撮像範囲PEとして取り出す画素の範囲を移動させることで、撮像素子25における撮像範囲PEの領域を光軸OAと垂直な方向に移動させる機構である。
レンズ側振れ補正機構29は、防振レンズ15B1、アクチュエータ17、変位用ドライバ23、及び位置センサ39により構成される。
レンズ側振れ補正機構29による振れの補正方法としては、周知の種々の方法を採用することができる。本実施形態では、振れの補正方法として、振れ量センサ40によって検出された振れ量に基づいて、防振レンズ15B1を移動させる方法が採用されている。具体的には、振れを打ち消す方向に、振れを打ち消す量だけ防振レンズ15B1を移動させることで、振れの補正が行われるようにしている。
防振レンズ15B1にはアクチュエータ17が取り付けられている。アクチュエータ17は、ボイスコイルモータが搭載されたシフト機構であり、ボイスコイルモータを駆動させることで、防振レンズ15B1を光軸OAに対して垂直な方向に変動させる。なお、ここでは、アクチュエータ17として、ボイスコイルモータが搭載されたシフト機構が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されず、ボイスコイルモータに代えて、ステッピングモータ又はピエゾ素子等の他の動力源を適用してもよい。
アクチュエータ17は、変位用ドライバ23により駆動が制御される。アクチュエータ17が変位用ドライバ23の制御下で駆動することで、防振レンズ15B1の位置が光軸OAに対して垂直な二次元平面内で機械的に変動する。
位置センサ39は、防振レンズ15B1の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置信号を出力する。ここでは、位置センサ39の一例として、ホール素子を含むデバイスが採用されている。ここで、防振レンズ15B1の現在位置とは、防振レンズ15B1の二次元平面(以下、防振レンズ二次元平面という)内の現在位置を指す。防振レンズ二次元平面とは、光軸OAに対して垂直な二次元平面を指す。なお、本実施形態では、位置センサ39の一例として、ホール素子を含むデバイスが採用されているが、本開示の技術はこれに限定されず、ホール素子に代えて、磁気センサ又はフォトセンサなどを採用してもよい。
レンズ側振れ補正機構29は、ピッチ軸PA及びヨー軸YAのうちの少なくとも一方に沿って防振レンズ15B1を移動させることで、振れを補正する。つまり、レンズ側振れ補正機構29は、防振レンズ二次元平面内において、振れ量センサ40によって検出された振れ量に応じた移動量で防振レンズ15B1を移動させることで、振れを補正する。
撮像素子側振れ補正機構45は、撮像素子25、変位用ドライバ22、アクチュエータ27、及び位置センサ47により構成される。
レンズ側振れ補正機構29による振れの補正方法と同様に、撮像素子側振れ補正機構45による振れの補正方法も、周知の種々の方法を採用することができる。本実施形態では、振れの補正方法として、振れ量センサ40によって検出された振れ量に基づいて、CPU37からの指示に従って変位用ドライバ22がアクチュエータ27を介して撮像素子25を移動させる方法が採用されている。具体的には、振れを打ち消す方向に、振れを打ち消す量だけ撮像素子25を移動させることで、振れの補正が行われるようにしている。
アクチュエータ27は、ボイスコイルモータが搭載されたシフト機構であり、ボイスコイルモータを駆動させることで、撮像素子25を光軸OAに対して垂直な方向に変動させる。なお、ここでは、アクチュエータ27として、ボイスコイルモータが搭載されたシフト機構が採用されているが、本開示の技術はこれに限定されず、ボイスコイルモータに代えて、ステッピングモータ又はピエゾ素子等の他の動力源を適用してもよい。
位置センサ47は、撮像素子25の現在位置を検出し、検出した現在位置を示す位置信号を出力する。ここでは、位置センサ47の一例として、ホール素子を含むデバイスが採用されている。ここで、撮像素子25の現在位置とは、撮像素子25の二次元平面(以下、撮像素子二次元平面という)内の現在位置を指す。撮像素子二次元平面とは、光軸OAに対して垂直な二次元平面を指す。なお、本実施形態では、位置センサ47の一例として、ホール素子を含むデバイスが採用されているが、本開示の技術はこれに限定されず、ホール素子に代えて、磁気センサ又はフォトセンサなどを採用してもよい。
撮像素子側振れ補正機構45は、ピッチ軸PA及びヨー軸YAのうちの少なくとも一方に沿って撮像素子25を移動させることで、振れを補正する。つまり、撮像素子側振れ補正機構45は、撮像素子二次元平面内において、振れ量センサ40によって検出された振れ量に応じた移動量で撮像素子25を移動させることで、振れを補正する。
一例として図3に示すように、照射装置112は、光学系120及び発光部122を備えている。発光部122は、光を発する光源124と、光源124の駆動を制御する光源ドライバ126とを有している。光源124から射出された光は、光学系120を透過し、照射装置112の外部に照射される。光源124は、射出する光の強度を変更可能である。
さらに、照射装置112は、ズーム用ドライバ128、及び通信I/F130を備えている。
光源ドライバ126、ズーム用ドライバ128、及び通信I/F130は、バス132に接続されている。なお、図3に示す例では、図示の都合上、バス132として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス132は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
光源124は、たとえば発光ダイオードである。本実施形態の監視カメラ10では、前述のように赤外光に基づく撮像が行われるため、光源124は赤外光を発する。この場合光源124として赤外線LEDや赤外線レーザを用いることができる。なお、可視光に基づく撮像を行う場合は、光源124は可視光を射出するものであってもよい。
光学系120は、対物レンズ134A及びレンズ群134Bを備えている。対物レンズ134A及びレンズ群134Bは、対象被写体側、すなわち照射対象側から光源124側にかけて、光学系120の光軸OBに沿って、対物レンズ134A及びレンズ群134Bの順に配置されている。レンズ群134Bには、ズームレンズ134B2、及び、各種のレンズ(図示省略)等が含まれている。なお、光学系120としても、対物レンズ134A及びレンズ群134B以外に、さらに各種のレンズ(図示省略)を備えていてもよい。更に、光学系120は、絞りを備えていてもよい。光学系120に含まれるレンズ、レンズ群、及び絞りの位置は限定されず、例えば、図3に示す位置と異なる位置であっても、本開示の技術は成立する。
照射装置112は、アクチュエータ136を備えている。ズームレンズ134B2は、アクチュエータ136によって、光軸OBに沿って移動可能に支持されている。
アクチュエータ136は、ズームレンズ134B2に対して、光学系120の光軸OBに沿って移動させる動力を付与する。アクチュエータ136は、管理装置11のCPU60Aによってズーム用ドライバ128を介して制御される。ズーム用ドライバ128は、CPU60Aからの指示に従ってアクチュエータ136を作動させることで、ズームレンズ134B2の位置を光軸OBに沿って移動させる。ズームレンズ134B2がこのように光軸OBに沿って移動されることで、照射装置112からの光の照射範囲、すなわち光の広がり角度が調整される。
光源ドライバ126は、光源124に対し、決められた光量の光を射出するよう指示する。すなわち、本実施形態では、照射装置112から照射される光の強度を調整することができる。光源124は、管理装置11のCPU60Aによって光源ドライバ126を介して制御される。
なお、本開示の技術において、照射装置112における光の照射範囲を調整する機構として図示した、ズームレンズ134B2、アクチュエータ136、及びズーム用ドライバ128を有する機構はあくまで概念図に過ぎず、光の照射範囲を調整する機構は種々の構成を採り得る。
通信I/F130は、管理装置11からの制御信号を受信する。照射装置112は、この管理装置11からの制御信号に基づいて駆動される。より詳しくは、通信I/F130は、例えば、ネットワークインターフェースである。通信I/F130は、ネットワークを介して、管理装置11の通信I/F80(図5参照)に対して通信可能に接続されており、管理装置11との間で各種情報の伝送制御を行う。例えば、通信I/F130は、管理装置11に対して光の照射範囲に関する情報の送信を要求する。管理装置11では、照射装置112の要求に応じて、通信I/F80から情報を送信する。
本開示の技術において、照射装置112から射出される光は、対象被写体TH(図8A等参照)に対し面照射される。たとえば、対象被写体THへ照射された光の強度分布としては、図4に示すように、照射光の中央領域において高強度であり、周辺領域に向かうにしたがって徐々に低強度となる光である。なお、この「光の強度分布」は、たとえば、光軸OBに対し垂直な二次元平面における強度分布である。
一例として図5に示すように、管理装置11は、ディスプレイ13、コンピュータ60、受付デバイス62、通信I/F66、通信I/F67、通信I/F68、及び通信I/F80を備えている。また、旋回機構16は、ヨー軸旋回機構71、ピッチ軸旋回機構72、モータ73、モータ74、ドライバ75、及びドライバ76を備えている。コンピュータ60は、本開示の技術に係る「コンピュータ」の一例である。
コンピュータ60は、CPU60A、ストレージ60B、及びメモリ60Cを備えている。CPU60Aは、本開示の技術における「プロセッサ」の一例である。ディスプレイ13、受付デバイス62、CPU60A、ストレージ60B、メモリ60C、及び通信I/F66~68、80の各々は、バス70に接続されている。なお、図5に示す例では、図示の都合上、バス70として1本のバスが図示されているが、複数本のバスであってもよい。バス70は、シリアルバスであってもよいし、データバス、アドレスバス、及びコントロールバス等を含むパラレルバスであってもよい。
メモリ60Cは、各種情報を一時的に記憶し、ワークメモリとして用いられる。メモリ60Cの一例としては、RAMが挙げられるが、これに限らず、他の種類の記憶装置であってもよい。ストレージ60Bには、管理装置11用の各種プログラム(以下、単に「管理装置用プログラム」と称する)が記憶されている。CPU60Aは、ストレージ60Bから管理装置用プログラムを読み出し、読み出した管理装置用プログラムをメモリ60C上で実行することで、管理装置11の全体を制御する。
通信I/F66は、例えば、ネットワークインターフェースである。通信I/F66は、ネットワークを介して、監視カメラ10の通信I/F34に対して通信可能に接続されており、監視カメラ10との間で各種情報の伝送制御を行う。例えば、通信I/F66は、監視カメラ10に対して撮像画像の送信を要求し、撮像画像の送信の要求に応じて監視カメラ10の通信I/F34から送信された撮像画像を受信する。
通信I/F67及び通信I/F68は、例えば、ネットワークインターフェースである。通信I/F67は、ネットワークを介して、旋回機構16のドライバ75に対して通信可能に接続されている。CPU60Aは、通信I/F67及びドライバ75を介して、モータ73を制御することで、ヨー軸旋回機構71の旋回動作を制御する。通信I/F68は、ネットワークを介して、旋回機構16のドライバ76に対して通信可能に接続されている。CPU60Aは、通信I/F68及びドライバ76を介して、モータ74を制御することで、ピッチ軸旋回機構72の旋回動作を制御する。
通信I/F80は、例えば、ネットワークインターフェースである。通信I/F80は、ネットワークを介して、照射装置112の通信I/F130に対して通信可能に接続されており、照射装置112との間で各種情報の伝送制御を行う。例えば、通信I/F80は、照射装置112に対して、光の照射範囲に関する情報を送信して、照射装置112における光の照射を制御する。
受付デバイス62は、例えば、キーボード、マウス、及びタッチパネル等であり、ユーザからの各種指示を受け付ける。CPU60Aは、受付デバイス62によって受け付けられた各種指示を取得し、取得した指示に従って動作する。例えば、監視カメラ10及び/又は旋回機構16に対する処理内容を受付デバイス62で受け付けた場合は、CPU60Aは、受付デバイス62で受け付けた指示内容に従って、監視カメラ10及び/又は旋回機構16を作動させる。
ディスプレイ13は、CPU60Aの制御下で、各種情報を表示する。ディスプレイ13に表示される各種情報としては、例えば、受付デバイス62によって受け付けられた各種指示の内容、及び通信I/F66によって受信された撮像画像等が挙げられる。このように、コンピュータ60は、通信I/F66によって受信された撮像画像をディスプレイ13に対して表示させる制御を行う。このように、コンピュータ60は、通信I/F66によって受信された撮像画像をディスプレイ13に対して表示させる制御を行う。
旋回機構16において、モータ73は、ドライバ75の制御下で駆動することで動力を生成する。ヨー軸旋回機構71は、モータ73によって生成された動力を受けることで、監視カメラ10をヨー方向に旋回させる。モータ74は、ドライバ76の制御下で駆動することで動力を生成する。ピッチ軸旋回機構72は、モータ74によって生成された動力を受けることで監視カメラ10をピッチ方向に旋回させる。
一例として図6に示すように、第一実施形態における管理装置11のストレージ60Bには、表示制御処理プログラム60P及び照射範囲調整処理プログラム60Qが記憶されている。
監視カメラ10のメモリ35は、焦点距離記憶領域35Aを有する。焦点距離記憶領域35Aには、ズームレンズ15B2が移動されて焦点距離Xが変更される毎に、最新の焦点距離Xが上書き保存される。
監視カメラ10は、被写体距離取得部41を有する。被写体距離取得部41は、監視カメラ10から対象被写体THまでの距離としての被写体距離L(図8A等参照)を取得する。この被写体距離Lは、例えば、監視カメラ10に設定されている基準点、一例として、レンズ群15Bの中のあらかじめ決められたレンズの中心点から、対象被写体THまでの距離である。
被写体距離Lを取得する構成は限定されず、たとえば、対象被写体THに対しレーザ光を照射し、レーザ光の往復に要する時間から、被写体距離Lを算出する構成を採ることが可能である。対象被写体THに光を照射し、三角法によって被写体距離Lを算出する構成も採り得る。なお、被写体距離取得部41は、監視カメラ10の内部に設けられていてもよいが、監視カメラ10の外部に設けられて、監視カメラ10とは別に被写体距離Lを取得し、取得した被写体距離Lを監視カメラ10に送信する構成でもよい。
CPU60Aは、ストレージ60Bから表示制御処理プログラム60Pを読み出し、読み出した表示制御処理プログラム60Pをメモリ60C(図5参照)上で実行する。CPU60Aの制御部60Hは、ディスプレイ13における表示を制御する表示制御部として動作する。
制御部60Hは、監視カメラ10の画像メモリ32に記憶された撮像画像を受信し、受信した撮像画像を、ディスプレイ13に対してライブビュー画像として表示させる。なお、ここでは、ディスプレイ13に表示される画像としてライブビュー画像を例示しているが、本開示の技術はこれに限らず、ディスプレイ13に表示される画像は、ストレージ60Bに記録された動画像又は静止画像であってもよい。
制御部60Hは、監視カメラ10の焦点距離記憶領域35Aから、焦点距離Xを取得する。制御部60Hでは、取得した焦点距離Xが変化したか否かを判定する。具体的には、管理装置11内のCPU60Aの内部メモリ(図示省略)に、前回取得された焦点距離(以下、「前回焦点距離」ともいう)を記憶しておく。
なお、制御部60Hにおいて、内部メモリに記憶された前回焦点距離と、今回取得された最新の焦点距離(以下、「最新焦点距離」という)とを比較し、前回焦点距離と最新焦点距離とが相違していれば、焦点距離Xが変化したと判定し、相違していなければ、焦点距離Xは変化していないと判定するようにしてもよい。最新焦点距離が前回焦点距離と等しければ、焦点距離は変化していないと判定できる。
さらに、制御部60Hは、ストレージ60Bから、照射装置112の光の照射範囲Rを導出する。本実施形態では、一例として、ストレージ60Bに、照射範囲導出テーブル60Tが記憶されている。照射範囲導出テーブル60Tには、振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lに応じた照射範囲Rが登録されている。照射範囲導出テーブル60Tに登録された照射範囲Rは、当該振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lの場合に、撮像範囲PEをカバーする範囲である。制御部60Hは、監視カメラ10から取得した振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lに対応する照射範囲Rを、照射範囲導出テーブル60Tから導出する。
図7には、撮像画像の振れ補正制御における撮像画像の補正量の時間変化の一例が示されている。制御部60Hは、振れ補正制御の既定の時間内における振れ補正量の最大値、すなわち最大補正量を、照射範囲Rの導出に用いる振れ補正量Dとして取得する。最大補正量は、たとえば、既定の時間内の一定周期で振れ補正量を取得し、前回取得した振れ補正量よりも、今回取得した振れ補正量の方が大きい場合は、今回取得した振れ補正量を最大補正量に順次更新する処理を行うことで得られる。
ここで、図8A~図10Bには、第一実施形態における、監視カメラ10による撮像範囲PEと、照射装置112による照射範囲Rの関係が示されている。
図8Aには、監視カメラ10の焦点距離Xと画角αが示されている。実際の焦点距離Xの変化は監視カメラ10の内部で生じるが、監視カメラ10の外部では、画角αの変化として現れる。すなわち、ズームレンズ15B2が現時点よりも望遠側に移動すると、焦点距離Xは長くなるので、画角αは狭くなる。画角αが狭くなるということは、撮像範囲PEが狭くなるということを意味する。また、ズームレンズ15B2が現時点よりも広角側に移動すると、焦点距離Xは短くなるので、画角αは広くなる。画角αが広くなるということは、撮像範囲PEが広くなるということを意味する。このため、照射装置112による光の照射範囲Rも、焦点距離Xに応じて変更される(図11及び図12参照)。
図8Aは、対象被写体THが監視カメラ10の正面に位置しており、振れ補正部24が作動していない状態である。この場合、図8Bに示すように、照射装置112からの光の照射範囲Rは、監視カメラ10の撮像範囲PEをカバーしている。
図9Aは、取付部材114が振動し、取付部材114が図8Aの状態から反時計回り方向に回転した状態である。この場合、監視カメラ10の振れ補正部24によって振れ補正制御が実行されることで、図9Bに示すように、対象被写体THの画像は、撮像範囲PE内に収まる。しかし、照射装置112において、光の照射範囲Rの調整を行わない場合は、図9A及び図9Bに二点鎖線で示すように、照射範囲Rが、撮像範囲PEから左側に外れてしまい、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーすることができなくなる。そこで、制御部60Hは、振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lに応じた照射範囲Rを照射範囲導出テーブル00から導出し、導出した照射範囲Rの情報を照射装置112に送信する。照射装置112では、送信された情報に応じて、照射範囲Rを図9A及び図9Bに実線で示すように広くする。これにより、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態が実現される。なお、図9A及び図9Bでは、振れ補正量D1、焦点距離X1、及び被写体距離L1に応じた照射範囲R1に調整した場合を例示している。
また、図10Aは、取付部材114が振動し、取付部材114が図8Aの状態から時計回り方向に回転した状態である。この場合においても、監視カメラ10の振れ補正部24によって振れ補正制御が実行されることで、図10Bに示すように、対象被写体THの画像は、撮像範囲PE内に収まる。しかし、照射装置112において、光の照射範囲Rの調整を行わない場合は、図10A及び図10Bに二点鎖線で示すように、照射範囲Rが、撮像範囲PEから右側に外れてしまい、図9A及び図9Bの場合と同じく、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーすることができなくなる。この場合も、制御部60Hは、振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lに応じた照射範囲Rを照射範囲導出テーブル00から導出し、導出した照射範囲Rの情報を照射装置112に送信する。照射装置112では、送信された情報に応じて、照射範囲Rを図10A及び図10Bに実線で示すように広くする。これにより、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態が実現される。なお、図10A及び図10Bでは、振れ補正量D2、焦点距離X2、及び被写体距離L2に応じた照射範囲R2に調整した場合を例示している。
図11は、図8Aに示す場合と比較して、監視カメラ10の焦点距離Xが長い場合である。図11においては、画角αが図8Aに示す場合よりも狭くなっている。画角αが狭いために、対象被写体THが監視カメラ10の正面にある場合に、照射装置112からの光の照射範囲Rが狭く設定されている。そして、この場合において、取付部材114が振動した場合には、照射装置112からの光の照射範囲Rは、焦点距離Xが長いこと、すなわち画角αが狭いことを考慮して調整される。
図12は、図8Aに示す場合と比較して、被写体距離Lが短い場合である。図12においては、画角αが図8Aに示す場合よりも広くなっている。画角αが広いために、対象被写体THが監視カメラ10の正面にある場合に、照射装置112からの光の照射範囲Rが広く設定されている。そして、この場合において、取付部材114が振動した場合には、照射装置112からの光の照射範囲Rは、被写体距離Lが短いことを考慮して、照射範囲Rが調整される。
このように、本実施形態では、監視カメラ10及び照射装置112に振動が生じた場合に、照射装置112から照射される光の照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーするように調整される。
図8Aに示す場合と比較して、図11に示す場合では、画角αが狭くなっている。そして、照射装置112から照射する光の広がり角度も狭くなっている。この場合、光の強度を変化させない状態では、対象被写体THに照射される単位面積あたりの光量が多くなる。CPU60Aは、光源ドライバ126を介して光源124を制御し、光の強度を低くすることで、対象被写体THに照射される単位面積あたりの光量が多くなることを抑制できる。
図8Aに示す場合と比較して、図12に示す場合では、画角αが広く狭くなっている。そして、照射装置112から照射する光の広がり角度も広くなっている。この場合、光の強度を変化させない状態では、対象被写体THに照射される単位面積あたりの光量が少なくなる。CPU60Aは、光源ドライバ126を介して光源124を制御し、光の強度を高くすることで、対象被写体THに照射される単位面積あたりの光量が少なくなることを抑制できる。
このように、本実施形態では、監視カメラ10の焦点距離X及び被写体距離Lに応じて、照射装置112から照射される光の強度を、対象被写体THに対する単位面積あたりの光量が均一に近づくように、光の強度が調整される。
次に、第一実施形態において、本開示の技術に係る部分の作用について、図13を参照しながら説明する。図13には、管理装置11のCPU60Aによって、照射範囲調整処理プログラム60Qに従って実行される照射範囲調整処理の流れの一例が示されている。図13に示す照射範囲調整処理の流れは、本開示の技術における「照射範囲調整方法」の一例である。
図13に示す照射範囲調整処理では、先ず、ステップST32で、制御部60Hは、振れ補正部24による撮像画像の振れ補正制御が作動中であるか否かを判定する。ステップST32において、振れ補正制御が作動中でない場合は判定が否定され、照射範囲調整処理はステップST42に移行する。
ステップST32において、振れ補正制御が作動中である場合は判定が肯定され、照射範囲調整処理はステップST34に移行する。
ステップST34で、制御部60Hは、監視カメラ10から振れ補正量Dを取得する。そして、照射範囲調整処理は、ステップST36に移行する。なお、本実施形態では、図6で示したように、制御部60Hは、振れ補正制御の既定の時間内における振れ補正量の最大値、すなわち最大補正量を取得している。ステップST34で取得する振れ補正量Dは、最大補正量である。
ステップST36で、制御部60Hは、監視カメラ10から焦点距離Xを取得する。そして、照射範囲調整処理は、ステップST38に移行する。
ステップST38で、制御部60Hは、監視カメラ10から被写体距離Lを取得する。そして、照射範囲調整処理は、ステップST40に移行する。
ステップST40で、制御部60Hは、取得済の振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lに基づいて、照射範囲導出テーブル60Tから、照射範囲Rを導出する。そして、照射範囲調整処理は、ステップST42に移行する。
なお、第一実施形態では、制御部60Hは、ステップST38において、被写体距離Lを取得している。したがって、ステップST40では、被写体距離Lに基づいて、光源124から射出される光の強度を調整することが可能である。
ステップST42で、制御部60Hは照射装置112に対し、照射範囲Rの変更を指示する。これにより、図9A~図10Bで示したように、照射装置112において照射範囲Rが変更され、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーするようになる。照射範囲調整処理は、ステップST44に移行する。
ステップST44で、制御部60Hは、照射範囲調整処理を終了する条件(以下、「終了条件」と称する)を満足したか否かを判定する。終了条件としては、例えば、照射範囲調整処理を終了させる指示が受付デバイス62によって受け付けられたとの条件が挙げられる。ステップST44において、終了条件を満足していない場合は、判定が否定されて、照射範囲調整処理はステップST32へ移行する。ステップST44において、終了条件を満足した場合は、判定が肯定されて、照射範囲調整処理が終了する。
第一実施形態では、監視カメラ10の振れ補正制御を行っている状態で、振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lに基づいて、対象被写体THに対する照射装置112からの光の照射範囲Rを調整する。したがって、監視カメラ10に生じた振れが振れ補正部24の作動により補正された場合に、照射装置112からの光の照射範囲Rを調整することができる。
第一実施形態では、CPU60Aは、振れ補正制御の既定の時間内における振れ補正量の最大値、すなわち最大補正量を取得する。上記したステップST34では、既定の時間内での最大補正量を取得しており、ステップST40における照射範囲Rの導出では、最大補正量に従って制限された範囲内で照射範囲Rを導出している。このような最大補正量に従った制限を設けることなく照射範囲Rを調整する構成では、振れの変化に伴う照射範囲Rの調整が頻繁になりすぎることがある。最大補正量に従って制限された範囲内で照射範囲Rを調整することで、照射範囲Rの調整が過度に頻繁になることを抑制することができる。
なお、第一実施形態において、照射範囲導出テーブル60Tに代えて、振れ補正量D、焦点距離X、及び被写体距離Lを独立変数とし、照射範囲Rを従属変数とする照射範囲関数をストレージ60Bに記憶しておき、この照射範囲関数を用いて照射範囲Rを算出するようにしてもよい。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。第二実施形態において、第一実施形態と同様の要素、部材等については第一実施形態と同一の符号を付して、詳細な説明を省略する。また第二実施形態の撮像装置の一例である監視カメラ及び照射装置の全体的構成も、第一実施形態の監視カメラ10及び照射装置112と同様であるので、図示を省略する。
一例として図14に示すように、第二実施形態では、振れ補正部24を作動させることにより撮像画像を変位させる位置合わせ制御を行う。
撮像画像を変位させる方法としては、旋回機構16を用いて、監視カメラ10をピッチ方向及び/又はヨー方向に移動させる方法が考えられる。ただし、旋回機構16による方法では、監視カメラ10の移動量が大きくなりすぎ、対象被写体THが撮像範囲PEから大きく外れてしまう場合がある。そこで第二実施形態では、旋回機構16の代わりに振れ補正部24を用いて撮像画像を変位させる。
第二実施形態では、CPU60Aは、被写体画像検出部60K及び画像位置判定部60Lを備えている。被写体画像検出部60Kは、監視カメラ10の画像メモリ32から、撮像画像を取得する。そして、被写体画像検出部60Kは、画像メモリ32から取得した撮像画像の撮像範囲PE内で対象被写体THの画像(以下、被写体画像という)を検出する。また、被写体画像検出部60Kは、被写体画像を検出した場合に、撮像範囲PE内での被写体画像の位置(被写体画像位置)を検出する。
画像位置判定部60Lは、被写体画像検出部60Kによって検出された被写体画像位置が、撮像画像内において、予め定められた中央領域内にあるか否かを判定する。一例として、対象被写体TH自体が移動することによって撮像範囲PEから外れた場合、被写体画像位置は中央領域にない状態となる。
ずれ補正量算出部60Mは、画像位置判定部60Lにおいて被写体画像位置が中央領域内にないと判定された場合に、ずれ補正量Zを算出する。ずれ補正量Zは、中央領域に対する被写体画像位置のずれ(相対位置の差)を解消して、被写体画像が中央領域に位置するように撮像範囲PEを調整する量であり、ピッチ軸PA及びヨー軸YAの2つの軸の値を持つベクトルである。ずれ補正量Zとしては、例えば、被写体画像の中心と、中央領域の中心とのずれ量が挙げられる。被写体画像の中心は、一例として、被写体画像のピッチ軸PAに沿う方向の座標及びヨー軸YAに沿う方向の座標の2つの値の組み合わせとして求めることができる。
ここで、図15には、上記した撮像画像の位置合わせ制御におけるずれ補正量Zの時間変化の一例が示されている。本実施形態では、CPU60Aは、位置合わせ制御の既定の時間内において、ずれ補正量Zの最大値を、照射範囲Rの導出に用いるずれ補正量Zとして取得する。このずれ補正量Zの最大値は、たとえば、既定の時間内の一定周期でずれ補正量Zを取得し、前回取得したずれ補正量Zよりも、今回取得したずれ補正量Zの方が大きい場合は、今回取得したずれ補正量Zを「ずれ補正量Zの最大値」に順次更新する処理を行うことで得られる。
制御部60Hは、ずれ補正量Zに従って、振れ補正部24を作動させる。たとえば、レンズ側振れ補正機構29を作動させることで、防振レンズ15B1を防振レンズ二次元平面内で移動させる。このように、制御部60Hの制御下で振れ補正部24を作動させることにより、被写体画像位置は、中央領域内に収まる。なお、ずれ補正量Zは、本開示の技術に係る「振れ補正量」の一例である。
第二実施形態において、ストレージ60Bに記憶されている照射範囲導出テーブル60Tには、ずれ補正量Z、焦点距離X、及び被写体距離Lに応じた照射範囲Rが登録されている。照射範囲導出テーブル60Tに登録された照射範囲Rは、当該ずれ補正量Z、焦点距離X、及び被写体距離Lの場合に、撮像範囲PEをカバーする範囲である。制御部60Hは、ずれ補正算出部60Mで算出したずれ補正量Zと、監視カメラ10から取得した焦点距離X及び被写体距離Lとに対応する照射範囲Rを、照射範囲導出テーブル00から導出する。
図16A及び図16Bには、第二実施形態における、監視カメラ10による撮像範囲PEと、照射装置112による光の照射範囲Rの関係が示されている。なお、第二実施形態においても、対象被写体THが監視カメラ10の正面に位置している状態では、照射装置112からの光の照射範囲Rは、監視カメラ10の撮像範囲PEをカバーしている(図8A及び図8B参照)。
図16Bに示すように、対象被写体THが移動(図16Bの例では右に移動)すると、第二実施形態では、図16Aに示すように、支持台118、監視カメラ10、及び照射装置112の向きは変化していない状態が維持されつつ、監視カメラ10において振れ補正部24が作動される。これにより、撮像範囲PE内で、対象被写体THの相対的な画像位置が中央領域内に収まるように、撮像範囲PEが移動される。しかし、撮像範囲PEが移動したことで、光の照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーすることができなくなる。そこで、第二実施形態の制御部60Hは、ずれ補正量Z、焦点距離X、及び被写体距離Lに応じた照射範囲Rを照射範囲導出テーブル00から導出し、導出した照射範囲Rの情報を照射装置112に送信する。照射装置112では、送信された情報に応じて、照射範囲Rを図17A及び図17Bに実線で示すように広くする。これにより、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態が実現される。
図17には、第二実施形態において、管理装置11のCPU60Aによって、照射範囲調整処理プログラム60Qに従って実行される照射範囲調整処理の流れの一例が示されている。図17に示す照射範囲調整処理の流れは、本開示の技術における「照射範囲調整方法」の一例である。
図17に示す照射範囲調整処理では、ステップST24で、被写体画像検出部60Kは、監視カメラ10から取得した撮像画像について、撮像画像内から被写体画像が検出されたか否かを判定する。ステップST24において、撮像画像内に被写体画像が検出されていない場合は、判定が否定されて、照射範囲調整処理は、ステップST44へ移行する。
ステップST24において、被写体画像検出部60Kによって撮像画像内から被写体画像が検出された場合は、判定が肯定されて、照射範囲調整処理はステップST26へ移行する。
ステップST26で、被写体画像検出部60Kは、撮像画像内から被写体画像位置を検出する。例えば、被写体画像検出部60Kは、被写体画像が立位であり、かつ、正面視の人物画像である場合、人物画像の頭頂部を被写体画像の上端部とし、人物画像の足先部を被写体画像の下端部として、被写体画像位置を検出する。また、被写体画像検出部60Kは、人物画像の右肩部又は右腕部を対象被写体画像の右端部とし、人物画像の左肩部又は左腕部を対象被写体画像の左端部として検出する。
次のステップST28で、画像位置判定部60Lは、被写体画像位置が中央領域内にあるか否かを判定する。ステップST28において、被写体画像位置が中央領域内であった場合は、判定が否定されて、照射範囲調整処理はステップST44へ移行する。ステップST28において、被写体画像位置が中央領域内にない場合は、判定が肯定されて、照射範囲調整処理は、ステップST30へ移行する。
ステップST30で、ずれ補正量算出部60Mは、ずれ補正量Zを算出する。第二実施形態では、図16で示したように、制御部60Hは、位置合わせ制御の既定の時間内におけるずれ補正量Zの最大値を取得している。ずれ補正量Zの最大値は、撮像画像内の対象被写画像の変位量の最大値でもある。
次のステップST32で、制御部60Hは、ステップST30で取得されたずれ補正量Zに従って、振れ補正部24を作動させることで、対象被写体の位置合わせ制御を行う。位置合わせ制御により、図17Bで示したように、中央領域の外部にあった被写体画像位置が、中央領域に収められる。
以降は、図13で示した第一実施形態の照射範囲調整処理と同様に、ステップST36で、制御部60Hは、監視カメラ10から焦点距離Xを取得する。照射範囲調整処理は、ステップST38に移行し、ステップST38で、制御部60Hは、監視カメラ10から被写体距離Lを取得する。照射範囲調整処理は、ステップST40に移行し、制御部60Hは、取得済のずれ補正量Z、焦点距離X、及び被写体距離Lに基づいて、照射範囲導出テーブル60Tから、照射範囲Rを導出する。そして、照射範囲調整処理は、ステップST42に移行し、制御部60Hは照射装置112に対し、照射範囲Rの変更を指示する。これにより、図16A及び図16Bで示したように、照射装置112において照射範囲Rが変更され、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーするようになる。そして、照射範囲調整処理は、ステップST44に移行し、ステップST44で、制御部60Hは、終了条件を満足したか否かを判定する。
第二実施形態では、振れ補正部24を作動させることで、撮像画像の中央領域に対象被写体を収める処理である位置合わせ制御処理を行っている。そして、この位置合わせ制御処理を行う監視カメラ10において、照射装置112からの光の照射範囲Rを調整することができる。
第二実施形態では、CPU60Aは、位置合わせ制御の既定の時間内におけるずれ補正量Zの最大値を取得する。上記したステップST30では、既定の時間内でのずれ補正量Zの最大値を取得しており、ステップST40における照射範囲Rの導出では、ずれ補正量Zの最大値に従って制限された範囲内で照射範囲Rを導出している。このようなずれ補正量Zの最大値に従った制限を設けることなく照射範囲Rを調整する構成では、対象被写体THの移動に伴う照射範囲Rの調整が頻繁になりすぎることがある。ずれ補正量Zの最大値に従って制限された範囲内で照射範囲Rを調整することで、照射範囲Rの調整が過度に頻繁になることを抑制することができる。
なお、照射範囲Rを広げた場合には、対象被写体THに対する単位面積当たりの光量が低くなるので、光源124の出力を、照射範囲Rを広げる前よりも高め、対象被写体THの単位面積あたりの光量を近づけてもよい。また、照射範囲Rの上限を設けない場合は、対象被写体THの単位面積当たりの光量を確保するために、照射範囲Rの広がりに応じて光源124の出力を高める必要が生じる。したがって、照射範囲Rに上限を設定することで、光源124の出力を過度に高める必要がない構成となる。
[第一変形例]
次に、第一変形例について説明する。第一変形例は、一例として、第一実施形態における構成において、以下に示す構成を変形した例である。第一変形例において、第一実施形態と同様の要素、部材等については、第一実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また第一変形例の撮像装置の一例である監視カメラ及び照射装置の全体的構成も、第一実施形態の監視カメラ10及び照射装置112と同様であるので、図示を省略する。
一例として図18に示すように、第一変形例では、支持台118に、回転台142を介して照射装置112が取り付けられている。
図19に示すように、取付部材114は、上記第一実施形態の構成に加えて、回転台旋回機構148、モータ144、及びドライバ146を備えている。
回転台旋回機構148は、回転台142及び照射装置112を、図20に示すように、支持台118に対してヨー方向に旋回させることが可能である。また、回転台旋回機構148は、回転台142及び照射装置112を、図21に示すように、支持台118に対してピッチ方向に旋回させることが可能である。図20及び図21における旋回方向は、照射装置112における光射出側の端部がいずれの方向に旋回したか、ということを表している。例えば、図20における「左旋回」とは、照射装置112における光射出側の端部が左方向に移動する向きに旋回している。図21における「上旋回」とは、照射装置112における光射出側の端部が上方向に移動する向きに旋回している。
モータ144は、ドライバ146の制御下で駆動することで動力を生成する。回転台旋回機構142は、モータ144によって生成された動力を受けることで、回転台142をヨー方向及びピッチ方向に旋回させる。照射装置112は回転台142に固定されているので、回転台142がピッチ方向及びヨー方向に旋回すると、照射装置112も回転台142と一体でピッチ方向及びヨー方向に旋回する。
第一変形例では、管理装置11は、通信I/F82を備えている。通信I/F82は、バス70に接続されている。通信I/F82は、例えば、ネットワークインターフェースである。通信I/F82は、ネットワークを介して、ドライバ146に対して通信可能に接続されている。CPU60Aは、通信I/F82及びドライバ146を介して、モータ144を制御することで、回転台旋回機構142の旋回動作を制御する。
図22Aには、第一変形例において、一例として、支持台118が振動し、支持台118が時計回り方向に回転した状態が示されている。この場合、第一実施形態と同様に、監視カメラ10の振れ補正部24によって振れ補正制御が実行されることで、図22Bに示すように、対象被写体THの画像は、撮像範囲PE内に収まる。
そして、第一変形例では、照射範囲調整処理において、図22Aに示すように、回転台142を支持台118に対し相対的に反時計回り方向に旋回、すなわち左旋回させる。これにより照射装置112が左旋回し、図22A及び図22Bに実線で示すように、照射範囲Rが相対的に左側に移動され、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態が実現される。
なお、支持台118が図22Aとは逆に反時計回り方向に回転した場合には、照射範囲調整処理において、回転台142を支持台118に対し相対的に時計回り方向に旋回、すなわち右旋回させる。これにより照射装置112が右旋回し、照射範囲Rが相対的に右側に移動され、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態が実現される。
すなわち、第一変形例では、支持台118が振動によりヨー方向に回転した場合に、回転台142が、ヨー方向、ただし支持台118の回転方向の反対方向に旋回される。これにより、照射範囲Rがヨー方向、すなわち左右方向に移動され、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態を維持することができる。
なお、図22A及び図22Bでは、回転台142が支持台118に対し相対的にヨー方向に回転する場合を例示しているが、第一変形例では、図21で示したように、回転台142は支持台118に対し相対的にピッチ方向にも旋回可能である。したがって、支持台118が振動によりピッチ方向に回転した場合であっても、回転台142及び照射装置112がピッチ方向に旋回されることで、照射範囲Rがピッチ方向、すなわち上下方向に移動される、このように、照射範囲Rが上下方向に移動されることで、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態を維持することができる。
[第二変形例]
次に、第二変形例について説明する。第二変形例は、第一実施形態における構成において、以下に示す構成を変形した例である。第二変形例において、第一実施形態と同様の要素、部材等については、第一実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また第二変形例の撮像装置の一例である監視カメラ及び照射装置の全体的構成も、第一実施形態又は第一変形例の監視カメラ10及び照射装置112と同様であるので、図示を省略する。
図23に示すように、第二変形例の照射装置112では、光学系120のレンズ群134Bが、ズームレンズ134B2を備え、さらに、屈折レンズ134B1を備えている。さらに、第二変形例の照射装置112は、アクチュエータ152を備えている。屈折レンズ134B1は、アクチュエータ152によって、光軸OBと垂直な方向に移動可能に支持されている。
アクチュエータ152は、屈折レンズ134B1に対し、光軸OBに垂直な方向に変動させる動力を付与する。アクチュエータ152は、管理装置11のCPU60Aによって変位用ドライバ154を介して制御される。変位用ドライバ154は、管理装置のCPU60Aからの指示に従ってアクチュエータ152を作動させることで、屈折レンズ134B1の位置を光軸OBに対して垂直な方向に変動させる。屈折レンズ134B1がこのように光軸OBに対して垂直な方向に変動されることで、照射装置112からの光の照射方向が、光軸OBに対しヨー方向及びピッチ方向に調整される。
図24A及び図24Bには、第二変形例において、一例として、支持台118が振動し、支持台118が時計回り方向に回転した状態が示されている。この場合、第一変形例と同様に、監視カメラ10の振れ補正部24によって振れ補正制御が実行されることで、図24Bに示すように、対象被写体THの画像は、撮像範囲PE内に収まる。
そして、第二変形例では、照射範囲調整処理において、管理装置11のCPU60Aによって変位用ドライバ154を介してアクチュエータ152が制御され、屈折レンズ134B1の位置が光軸OBに対して垂直な方向に変動される。これにより、たとえば図24A及び図24Bに実線で示すように、照射範囲Rが左側に移動される。また、屈折レンズ134B1の移動方向によっては、照射範囲Rが右側、上側及び下側に移動される。このように照射範囲Rが移動されることにより、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態を維持することができる。
なお、第二変形例において、支持台118が反時計回り方向に回転した場合には、照射範囲調整処理において、照射範囲Rが右側に移動される。また、第二変形例では、屈折レンズ134B1の変動方向を調整することによって、照射範囲Rが上下方向にも移動される。
なお、第二変形例において、さらに第一変形例の回転台142を備える構成を採ることが可能である。すなわち、第一変形例の回転台142を備え、さらに、第二変形例の照射装置112における屈折レンズ134B1及びアクチュエータ152を備える構成を採り得る。この場合、たとえば、回転台142の回転によって、照射方向の粗調整を行い、次に、屈折レンズ134B1の変動によって、照射方向の微調整を行う照射範囲調整処理を実行できる。照射範囲Rの微調整は、照射範囲の粗調整に対し、調整の分解能が相対的に高い調整である。たとえば、ヨー方向での照射角度として、粗調整の調整精度の角度バラつきが弧度法で1度程度であるのに対し、微調整の調整角度の角度バラつきは10分程度である。
[第三変形例]
次に、第三変形例について説明する。第三変形例では、第一実施形態における構成において、以下に示す構成を変形した例である。第三変形例において、第一実施形態と同様の要素、部材等については、第一実施形態と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。また第三変形例の撮像装置の一例である監視カメラ及び照射装置の全体的構成も、第一実施形態の監視カメラ10及び照射装置112と同様であるので、図示を省略する。
一例として図25に示すように、第三変形例では、監視カメラ10に対する照射装置112の相対的な取付位置として、ピッチ軸PAに沿った複数個所(図25に示す例では、実線で示す中央位置CP、一点鎖線で示す右位置RP、及び二点鎖線で示す左位置LPの3ヵ所)が支持台118に設定されている。これらの複数個所の取付位置は、たとえば、照射装置112の種類(サイズや射出光の強度)に応じて設定されていてもよいし、1種類の照射装置112において、取付位置を変更可能なように構成されていてもよい。
図26に示すように、第三実施形態では、ストレージ60Bに、照射装置112の取付位置に一対一で対応する3種の照射範囲導出テーブル60Tが記憶されている。ずなわち、一例として図27A~図27Cに示すように、中央位置CPに対して照射範囲導出テーブル60TAが対応し、右位置RPに対して照射範囲導出テーブル60TBが対応し、左位置LPに対して照射範囲導出テーブル60TCが対応している。3種の照射範囲導出テーブル60Tのそれぞれに登録された照射範囲RCP、RRP、RLPは、照射装置112の取付位置を加味した値が設定されている。
第三変形例では、照射装置112の取付位置に応じて、光軸間隔ODが異なる。この「光軸間隔OD」とは、監視カメラ10の光軸OAと、照射装置112の光軸OBの間隔、すなわち光軸間距離であり、取付位置差でもある。照射装置112の取付位置は、受付デバイス62を介してユーザにより入力され、制御部60Hに送信される。照射装置112の取付位置は、照射装置112の取付位置は、ストレージデバイス60Bに記憶される。支持台118に設けた位置センサによって照射装置112の位置を検出することで得てもよい。
第三実施形態では、照射範囲調整処理を行う場合には、まず、ストレージ60Bから、照射装置112の取付位置が制御部60Hに読み込まれる。そして、制御部60Hは、読み出した照射装置112の取付位置に対応する照射範囲導出テーブル60Tを用いて、照射範囲Rを導出する。
以降は、例えば、図13で示した第一実施形態と同様のフローに従って、照射範囲調整処理が実行される。照射装置112の取付位置が異なっていると、照射装置112からの光の照射範囲Rも異なるが、3種の照射範囲導出テーブル60Tのそれぞれには、照射装置112の取付位置を加味した照射範囲Rが設定されている。したがって、照射装置112の取付位置が異なることに起因して、光の照射範囲Rにズレが生じても、このズレを解消して、あるいはズレによる影響を少なくして、照射範囲Rが撮像範囲PEをカバーする状態を維持することができる。
なお、第三変形例において、上記では、照射装置112の取付位置として複数個所が設定されている例を挙げたが、照射装置112の取付位置が連続的に可変である構造でもよい。一例として図28に示すように、支持台118に、ピッチ軸PAと平行な支持レール156を設けておき、この支持レール156上を照射装置112がスライド可能に移動する構造を採り得る。この構成では、たとえば、照射装置112の位置を検出する位置センサを支持台118に設け、位置センサの検出データから、照射装置112の位置の情報を得る。また、このように照射装置112の取付位置が連続的に可変である構造において、ストレージ60Bに記憶される照射範囲導出テーブル60Tが複数、すなわち有限個である場合、有限個の照射範囲導出テーブル60Tから、照射装置112の取付位置に対応する照射範囲導出テーブルを近似的に選択して照射範囲Rを導出する構成とすることが可能である。照射範囲導出テーブル60Tに代えて、振れ補正量D、焦点距離X、被写体距離L、及び光軸間隔ODを独立変数とし、照射範囲Rを従属変数とする照射範囲関数をストレージ60Bに記憶しておき、この照射範囲関数を用いて照射範囲Rを算出するようにしてもよい。
また、光軸間隔ODが複数設定される構造、及び、光軸間隔ODが可変である構造は、上記した構造に限定されない。たとえば、照射装置112に加えて、あるいは代えて、監視カメラ10の取付位置が複数設定されている構造、及び、監視カメラ10の取付位置が可変である構造でもよい。
このように、第三変形例では、CPU60Aが、光軸間隔OD、振れ補正量D、及び焦点距離Xに基づいて、照射範囲Rを調整する。光軸間隔ODが考慮されずに照射範囲Rが調整される構成と比較して、照射装置112からの光を撮像範囲PEに精度よく照射することが可能である。
特に、本開示の技術では、CPU60Aは、被写体距離Lも取得する。すなわち、CPU60Aが、光軸間隔OD、振れ補正量D、及び焦点距離Xに加えて、被写体距離Lにも基づいて照射範囲Rを調整する。被写体距離Lも考慮して照射範囲Rが調整されるので、照射装置112からの光を撮像範囲PEにさらに精度よく照射することが可能である。というのは、図12で示した被写体距離Lが相対的に短い場合には、図11で示した被写体距離Lが相対的に長い場合と比較して、対象被写体THに対し横方向から光を照射することになる。この場合、光軸間隔ODが長いと、光軸間隔ODが短い場合と比較して、対象被写体THに対しさらに横方向から光を照射することになる。このような場合に、被写体距離Lも考慮して照射範囲Rを調整することで、照射装置112からの光を撮像範囲PEにさらに精度よく照射することができる。
第三変形例において、光軸間隔ODは、取付部材114、具体的には支持台118に対する監視カメラ10の取付位置と照射装置112の取付位置との取付位置差に基づいて生じていると言える。第三変形例は、このような取付位置差に基づいて、対象被写体THに対する光の照射範囲Rを調整することができる構成である。
なお、上記した第一変形例、第二変形例、及び第三変形例では、振れ補正部42の作動によって振れ補正制御を行う第一実施形態の構成に適用された例を挙げた。これに対し、第一変形例、第二変形例、及び第三変形例を、振れ補正部24の作動によって位置合わせ制御を行う第二実施形態の構成に適用することも可能である。
本開示の技術において、監視カメラ10がズームレンズ15B2を有する構成では、焦点距離Xを連続的に変更可能である。図29~図31には、監視カメラ10の焦点距離Xを、相対的に短い状態から長くした場合の、撮像範囲PEと照射範囲Rとの関係が示されている。
図29において、二点鎖線で示す状態が、焦点距離Xが短い状態であり、実線で示す状態が、焦点距離Xを長くした後の状態である。焦点距離Xを長くした場合には画角αが狭くなり、撮像範囲PEも狭くなるので、これに合わせて照射範囲Rも狭くする。これにより、撮像範囲PEの大きさに適合した光の照射範囲Rを設定して光を照射することができる。
なお、このように監視カメラ10の焦点距離Xを長くしたことに伴い、光学系15を構成するレンズの一部が、光軸OA上で変位することがある。そして、一例として図30に示すように、監視カメラ10のレンズの一部がズレることで、撮像範囲PEが、光軸OAのズレがない場合と比較して変位し、いわゆる光軸ズレKZが生じることがある。この光軸ズレKZにより、焦点距離Xを長くした状態の撮像範囲PEに、照射装置112からの光が照射されない部分、すなわちケラレVGが生じることがある。
このような光軸ズレKZによるケラレVGが生じる場合を考慮し、たとえば、上記したレンズの光軸OA上での変位量、振れ補正量D及び焦点距離Xに基づき、図31に示すように、焦点距離Xを変化させた後の撮像範囲PEをカバーするように、照射範囲Rをあらかじめ広く設定しておく。これにより、光軸ズレKZによるケラレVGの発生を防ぐことが可能である。
本開示の技術において、監視カメラ10及び照射装置112は取付部材114に取り付けられている。そして、取付部材114が振動した場合に、照射装置112からの光を調整している。したがって、取付部材114が振動した場合でも、照射装置112の光を撮像範囲PEに照射することが可能である。
特に、取付部材114の支持台118は、ヨー方向及びピッチ方向に旋回可能である。このため、たとえば、対象被写体THの位置が変化した場合に、まず、支持台118をヨー方向及びピッチ方向に旋回させることで、監視カメラ10も旋回させ、対象被写体THを撮像範囲PE内に収めるように制御することが可能である。この場合、照射装置112は、監視カメラ10と共に旋回し、撮像範囲PEを照射することが可能である。そして、例えば、対象被写体THが移動した場合に、監視カメラ10において対象被写体THが撮像範囲PEの中央領域に位置する位置合わせ制御を行うと共に、照射装置112からの光が撮像範囲PEに精度よく照射される構成を実現可能である。さらに、支持台118の振動が監視カメラ10及び照射装置112に作用した場合でも、監視カメラ10において対象被写体の振れを抑制する振れ補正制御を行うと共に、照射装置112からの光が撮像範囲PEに精度よく照射される構成を実現可能である。
以上説明したように、上記各実施形態では、プロセッサの一例であるCPU60Aは、振れ補正量D及び焦点距離Xを取得し、取得した振れ補正量D及び焦点距離Xに基づいて、光の照射範囲Rを調整する。したがって、第一実施形態のように、振れ補正部24の作動により、撮像画像の位置が調整される場合、及び、第二実施形態のように、振れ補正部24の作動により、対象被写体THの移動に追従して撮像画像が変位される場合のいずれであっても、照射装置112から照射される光を、対象被写体THに照射することができる。
上記各実施形態において、プロセッサの一例であるCPU60Aは、監視カメラ10の被写体距離Lを取得する。そして、CPU60Aは、振れ補正量D及び焦点距離Xに加えて、被写体距離Lに基づいて、照射装置112から照射される光の照射範囲Rを調整する。被写体距離Lを考慮せずに照射範囲Rを調整する構成とすることも可能であるが、被写体距離Lを考慮せずに照射範囲Rを調整する構成と比較し、照射装置112からの光を、対象被写体THにさらに精度よく照射することができる。
そして、上記各実施形態では、被写体距離Lに基づいて、照射装置112から照射される光の強度を調整することが可能である。たとえば、被写体距離Lが短い場合は、光の強度を相対的に低くし、被写体距離Lが長い場合は、光の強度を相対的に高くする。このように、被写体距離Lに基づいて光の強度を調整するので、被写体距離Lを考慮せずに光の強度が変更される場合、および光の強度が一定である場合に比べ、対象被写体THに対して光の強度が不足したり、逆に過大な強度の光が対象被写体THに照射されることを抑制したりできる。
上記各実施形態では、照射装置112は、対象被写体THに対し光を面照射する。この面照射される光のうちの中央領域(図7参照)を対象被写体THに対し照射させる制御を行っている。周辺領域よりも光の強度が高い中央領域の光を対象被写体THに照射することが可能である。特に、対象被写体THが撮像範囲PEの中央領域に位置するように位置合わせ制御を行う第二実施形態の場合は、撮像範囲PEの中央領域に位置している対象被写体THに、中央領域の光を照射することができる。
本開示の技術において、CPU60Aは、振れ補正量D、焦点距離X、被写体距離L、及び光軸間隔ODの値を受信するようになっていてもよいし、これらそのものの値ではなく、これらに関するデータから、演算や導出によって値を導くようになっていてもよい。
上記各実施形態では、管理装置11のストレージ60Bに、表示制御処理プログラム60P、照射範囲調整処理プログラム60Qが記憶されている。そして、管理装置11のメモリ60Cでこれらのプログラムを実行する形態例を挙げた。本開示の技術はこれに限定されない。例えば、監視カメラ10のストレージ36にこれらのプログラムが記憶され、監視カメラ10のCPU37がメモリ35でこれらのプログラムを実行する例でもよい。更には、一例として図32に示すように、表示制御処理プログラム60P、照射範囲調整処理プログラム60Qを、非一時的記憶媒体である記憶媒体100に記憶させておいてもよい。図32に示す例の場合、記憶媒体100に記憶されている表示制御処理プログラム60P、照射範囲調整処理プログラム60Qは、コンピュータ60にインストールされる。そして、CPU60Aは、表示制御処理プログラム60P、照射範囲調整処理プログラム60Qに従って、上述した各処理を実行する。
上記した各実施形態及び変形例では、CPU60Aは、単数のCPUであるが、本開示の技術はこれに限定されず、複数のCPUを採用してもよい。なお、記憶媒体100の一例としては、SSD又はUSBメモリなどの任意の可搬型の記憶媒体が挙げられる。
また、通信網(図示省略)を介してコンピュータ60に接続される他のコンピュータ又はサーバ装置等の記憶部に表示制御処理プログラム60P、照射範囲調整処理プログラム60Qを記憶させておき、上述の管理装置11の要求に応じて表示制御処理プログラム60P、照射範囲調整処理プログラム60Qがコンピュータ60にダウンロードされるようにしてもよい。この場合、ダウンロードされた表示制御処理プログラム60Pがコンピュータ60のCPU60Aによって実行される。
また、上記各実施形態では、振れ補正量算出部60J、被写体画像検出部60K、画像位置判定部60L、ずれ補正量算出部60M、及び制御部60Hとして、コンピュータ60によるハードウェア構成により実現される形態例を挙げて説明したが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、振れ補正量算出部60J、被写体画像検出部60K、画像位置判定部60L、画像位置判定部60L、及び制御部60Hは、ASIC、FPGA、及び/又はPLDを含むデバイスによって実現されるようにしてもよい。また、振れ補正算出部60J、被写体画像検出部60K、画像位置判定部60L、ずれ補正量算出部60M、及び制御部60Hは、ハードウェア構成及びソフトウェア構成の組み合わせによって実現されてもよい。
上記の位置合わせ制御処理、及び照射範囲調整処理(以下、これらの処理を「制御処理」と総称する)を実行するハードウェア資源としては、次に示す各種のプロセッサを用いることができる。プロセッサとしては、例えば、上述したように、ソフトウェア、すなわち、プログラムを実行することで、制御処理を実行するハードウェア資源として機能する汎用的なプロセッサであるCPUが挙げられる。また、プロセッサとしては、例えば、FPGA、PLD、又はASICなどの特定の処理を実行させるために専用に設計された回路構成を有するプロセッサである専用電気回路が挙げられる。何れのプロセッサにもメモリが内蔵又は接続されており、何れのプロセッサもメモリを使用することで制御処理を実行する。
制御処理を実行するハードウェア資源は、これらの各種のプロセッサのうちの1つで構成されてもよいし、同種または異種の2つ以上のプロセッサの組み合わせ(例えば、複数のFPGAの組み合わせ、又はCPUとFPGAとの組み合わせ)で構成されてもよい。また、制御処理を実行するハードウェア資源は1つのプロセッサであってもよい。
1つのプロセッサで構成する例としては、第1に、1つ以上のCPUとソフトウェアの組み合わせで1つのプロセッサを構成し、このプロセッサが、振れ補正算出部60J、被写体画像検出部60K、画像位置判定部60L、ずれ補正量算出部60M、及び制御部60Hの各々の処理を実行するハードウェア資源として機能する形態がある。第2に、SoCなどに代表されるように、制御処理を実行する複数のハードウェア資源を含むシステム全体の機能を1つのICチップで実現するプロセッサを使用する形態がある。このように、振れ補正算出部60J、被写体画像検出部60K、画像位置判定部60L、ずれ補正量算出部60M、及び制御部60Hの各々の処理は、ハードウェア資源として、上記各種のプロセッサの1つ以上を用いて実現される。
更に、これらの各種のプロセッサのハードウェア的な構造としては、より具体的には、半導体素子などの回路素子を組み合わせた電気回路を用いることができる。
また、上記の制御処理はあくまでも一例である。従って、主旨を逸脱しない範囲内において不要なステップを削除したり、新たなステップを追加したり、処理順序を入れ替えたりしてもよいことは言うまでもない。
また、上記実施形態では、本開示の技術に係る撮像装置の一例として監視カメラ10を挙げたが、本開示の技術はこれに限定されない。例えば、監視カメラ10に代えて、携帯型のレンズ交換式カメラ、携帯型のレンズ固定式カメラ、パーソナル・コンピュータ、スマートデバイス、又はウェアラブル端末装置等の各種の電子機器に対しても本開示の技術は適用可能である。これらの電子機器であっても、上記各実施形態で説明した監視カメラ10と同様の作用及び効果が得られる。
以上に示した記載内容及び図示内容は、本開示の技術に係る部分についての詳細な説明であり、本開示の技術の一例に過ぎない。例えば、上記の構成、機能、作用、及び効果に関する説明は、本開示の技術に係る部分の構成、機能、作用、及び効果の一例に関する説明である。よって、本開示の技術の主旨を逸脱しない範囲内において、以上に示した記載内容及び図示内容に対して、不要な部分を削除したり、新たな要素を追加したり、置き換えたりしてもよいことは言うまでもない。また、錯綜を回避し、本開示の技術に係る部分の理解を容易にするために、以上に示した記載内容及び図示内容では、本開示の技術の実施を可能にする上で特に説明を要しない技術常識等に関する説明は省略されている。
本明細書において、「A及び/又はB」は、「A及びBのうちの少なくとも1つ」と同義である。つまり、「A及び/又はB」は、Aだけであってもよいし、Bだけであってもよいし、A及びBの組み合わせであってもよい、という意味である。また、本明細書において、3つ以上の事柄を「及び/又は」で結び付けて表現する場合も、「A及び/又はB」と同様の考え方が適用される。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願及び技術規格は、個々の文献、特許出願及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書中に参照により取り込まれる。