JP7289598B2 - ケーブル接続構造 - Google Patents

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Description

本発明は、帯板状の可撓性ケーブルを接続対象に電気的に接続するためのケーブル接続構造に関するものである。
従来、例えばFPC(Flexible Printed Circuits)やフラットケーブル等の可撓性ケーブルを、コネクタ等の接続対象に電気的に接続するためのケーブル接続構造が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に記載のケーブル接続構造では、可撓性ケーブルにおいて電気接続部が設けられた一端部が、コネクタにおいて被接続部が内部に配置されたハウジングの差込口に挿入される構造となっている。
さらに、上記のケーブル接続構造では、挿入された可撓性ケーブルの一端部をハウジングの内部に留めるために、可撓性ケーブルの一端部に形成された切欠き状の係合部に係止するロック片がハウジングの内部に配置されている。可撓性ケーブルに引っ張り力等の外力が加わった際には、その外力が可撓性ケーブルの係合部とハウジングのロック片とで受け止められ、可撓性ケーブルの電気接続部及びハウジングの被接続部への外力による負荷が抑えられる。これにより、電気接続部と被接続部との接続不良や可撓性ケーブルの抜け等が抑えられることとなる。
特開2013-105685号公報
ここで、可撓性ケーブルの係合部とハウジングのロック片とで外力を受け止めて負荷を抑制する上記のケーブル接続構造では、係合部を構成する可撓性ケーブル自体の強度に依る部分が大きい。他方で、可撓性ケーブルは、その可撓性を担保するべく多くの場合は柔軟な素材で構成されており、外力による負荷を十分に抑制しきれない場合がある。
従って、本発明は、上記のような問題に着目し、可撓性ケーブルの電気接続部及びハウジングの被接続部への外力による負荷を十分に抑えることができるケーブル接続構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1のケーブル接続構造は、帯板状に形成され、その長手方向の一端部に所定の被接続部と電気的に接続される電気接続部が設けられた可撓性ケーブルと、前記被接続部が配置されて前記可撓性ケーブルの前記一端部が載置される載置面を有するハウジングと、前記載置面と対面するとともに、前記電気接続部が接続された前記被接続部からの前記可撓性ケーブルの延出方向について前記載置面から離れた張出し位置まで張り出した天井壁、及び、前記天井壁の前記張出し位置における端縁から、前記載置面よりも前記天井壁から離れた垂下位置まで垂下した垂下壁、を有し、前記一端部が載置された前記載置面を覆うように前記ハウジングに被せられるカバーと、前記カバーの前記ハウジング側を向く内面における、前記延出方向について前記被接続部から離れた位置に設けられて前記可撓性ケーブルを保持し、前記垂下壁の前記垂下位置における端縁を潜らせて前記可撓性ケーブルを前記カバーの外へと向かわせる保持部と、を備えたことを特徴とする。
また、上記課題を解決するために、第2のケーブル接続構造は、帯板状に形成され、その長手方向の一端部に所定の被接続部と電気的に接続される電気接続部が設けられた可撓性ケーブルと、前記被接続部が配置されて前記可撓性ケーブルの前記一端部が載置される載置面を有するハウジングと、前記一端部が載置された前記載置面を覆うように前記ハウジングに被せられるカバーと、前記ハウジングにおいて、前記電気接続部が接続された前記被接続部からの前記可撓性ケーブルの延出方向について前記被接続部から離れ、且つ、前記載置面よりも前記カバーにおいて当該載置面に対面する天井壁から離れた位置に設けられ、前記可撓性ケーブルを保持して当該位置から前記可撓性ケーブルを前記カバーの外へと向かわせる保持部と、を備えたことを特徴とする。
上述した第1のケーブル接続構造によれば、カバーに設けられた保持部が、可撓性ケーブルの延出方向について被接続部から離れた位置で可撓性ケーブルを保持し、カバーの垂下壁の垂下位置における端縁を潜らせてカバーの外へと向かわせる。この構成により、可撓性ケーブルに加わる外力が、可撓性ケーブルの電気接続部及びハウジングの被接続部へと及ぶ前に、可撓性ケーブル自体の強度に依ることなく保持部や、垂下壁の垂下位置における端縁によって受け止められる。つまり、第1のケーブル接続構造によれば、可撓性ケーブルの電気接続部及びハウジングの被接続部への外力による負荷を十分に抑えることができる。また、第1のケーブル接続構造によれば、カバーに設けられた垂下壁により、電気接続部及び被接続部へとカバーの外部から向かう異物の侵入を抑えることもできる。
また、上述した第2のケーブル接続構造によれば、ハウジングに設けられた保持部が、可撓性ケーブルの延出方向について被接続部及びカバーの天井壁から離れた位置で可撓性ケーブルを保持し、当該位置からカバーの外へと向かわせる。この構成により、可撓性ケーブルに加わる外力が、可撓性ケーブルの電気接続部及びハウジングの被接続部へと及ぶ前に、可撓性ケーブル自体の強度に依ることなく保持部によって受け止められる。つまり、第2のケーブル接続構造によっても、可撓性ケーブルの電気接続部及びハウジングの被接続部への外力による負荷を十分に抑えることができる。
第1実施形態のケーブル接続構造を示す斜視図である。 図1に示されているケーブル接続構造の分解斜視図である。 図1及び図2に示されているケーブル接続構造においてFPCを保持する保持部を示す図である。 図3に示されている保持部がFPCを保持している様子を、ケーブル接続構造における図1中のV11-V11線に沿った断面で示す図である。 第2実施形態のケーブル接続構造を示す斜視図である。 図5に示されているケーブル接続構造においてFPCを保持する保持部を示す図である。 図6に示されている保持部がFPCを保持している様子を、ケーブル接続構造における図5中のV21-V21線に沿った断面で示す図である。 第3実施形態のケーブル接続構造を、図4と同様の断面で示す図である。
以下、ケーブル接続構造の一実施形態について説明する。まず、第1実施形態について説明する。
図1は、第1実施形態のケーブル接続構造を示す斜視図であり、図2は、図1に示されているケーブル接続構造の分解斜視図である。
図1及び図2に示されているケーブル接続構造1は、帯板状の可撓性ケーブルとしてのFPC(Flexible Printed Circuits)11をコネクタ12に接続するための接続構造である。このケーブル接続構造1は、FPC11及びコネクタ12を備え、コネクタ12が、ハウジング121と、カバー122と、ピン端子123と、保持部124と、を備えている。
FPC11は、帯板状に形成され、その長手方向D11の一端部11aに、被接続部としてのコネクタ12のピン端子123に電気的に接続される電気接続部としてのスルーホール113が設けられた可撓性ケーブルである。FPC11は、樹脂シート111と、導体パターン112と、スルーホール113と、を備えている。樹脂シート111は、FPC11の長手方向D11に長辺が延びる長方形の帯板状に形成された樹脂製のシート材である。この樹脂シート111における、FPC11の一端部11a側の一対の角部には、FPC11をハウジング121に対して位置決めするために、ハウジング121の位置決めピン121bが嵌入する一対の位置決め孔111aが設けられている。
導体パターン112は、FPC11の長手方向D11に沿って一端部11aまで延びた直線状の金属パターンであり、複数本が幅方向D12に互いに平行に配列されている。また、複数本の導体パターン112は、FPC11の端縁近傍まで延びた長尺パターンと、長尺パターンの端部よりもFPC11の端縁から離れた位置まで延びた短尺パターンと、を有している。長尺パターン及び短尺パターンは幅方向D12に交互に配列され、この配列により、一端部11aでは、複数の導体パターン112の端部が、長手方向D11に互い違いとなるように、2列に並ぶこととなっている。スルーホール113は、コネクタ12のピン端子123が嵌入してはんだ付けされるように設けられた部位であり、FPC11の一端部11aにおいて各導体パターン112の端部に接続形成されている。一端部11aにおいて導体パターン112の端部が上記のように互い違いの2列に並ぶことから、スルーホール113も、同様に、一端部11aにおいて互い違いの2列に並ぶこととなる。
コネクタ12のハウジング121は、コネクタ12において、FPC11のスルーホール113が電気的に接続される被接続部としてのピン端子123が配置される矩形箱状の樹脂筐体である。本実施形態では、ハウジング121における図1及び図2の下方側が開口して、不図示の相手側コネクタと嵌合するようになっている。このハウジング121における図中の上面は、各々の一端が突出するように複数本のピン端子123が配置されてFPC11の一端部11aが載置される長方形状の載置面121aとなっている。
FPC11の一端部11aは、FPC11の長手方向D11が載置面121aの短辺に沿い、幅方向D12が長辺に沿うように載置される。載置面121aにおける図中手前側の一対の角部には一対の位置決めピン121bが立設されており、これら一対の位置決めピン121bが位置決めのためにFPC11の一端部11aにおける一対の位置決め孔111aに嵌入する。また、載置面121aでは、FPC11の一端部11aにおける複数のスルーホール113に合せて、複数本のピン端子123において載置面121aから突出した一端が、短辺方向に互い違いとなるように、長辺方向に2列に並ぶこととなっている。また、ハウジング121における、載置面121aの一対の短辺に繋がる一対の側面121cそれぞれには、カバー122をハウジング121に係止固定するための係止爪121dが立設されている。
カバー122は、FPC11の一端部11aが載置された載置面121aを覆うようにハウジング121に被せられる矩形キャップ状の樹脂部材である。このカバー122においてハウジング121の載置面121aと対面する矩形状の天井壁122aからは、FPC11の長手方向D11に沿う一対の側縁に繋がった片持ち梁状の可撓アーム122bが延出している。そして、各可撓アーム122bの先端寄りに、ハウジング121の係止爪121dが嵌入して係止する係止孔122cが設けられている。
ここで、本実施形態では、カバー122における天井壁122aが、載置面121aと対面するとともに、FPC11の延出方向D111について載置面121aから離れた張出し位置まで張り出している。そして、カバー122は、この天井壁122aの張出し位置における端縁122a-1から、載置面121aよりも天井壁122aから離れた垂下位置まで垂下した垂下壁122dを有している。
ピン端子123は、コネクタ12の端子であり、上述したように一端がハウジング121の載置面121aから突出してFPC11のスルーホール113に嵌入してはんだ付けされる。尚、ここにいう「ピン」とは、コネクタ12において、不図示の相手側コネクタの端子と嵌合する端子形状を示す文言ではなく、あくまでFPC11のスルーホール113に接続される部位の形状を示している。相手側コネクタの端子との嵌合側については、ここでは特定しないが、ピン状のオス型であってもよくソケット状のメス型であってもよい。
保持部124は、カバー122のハウジング121の側を向く内面における、FPC11の延出方向D111についてピン端子123から離れた位置に設けられてFPC11を保持するものである。
図3は、図1及び図2に示されているケーブル接続構造においてFPCを保持する保持部を示す図である。また、図4は、図3に示されている保持部がFPCを保持している様子を、ケーブル接続構造における図1中のV11-V11線に沿った断面で示す図である。
尚、図4の断面図では、コネクタ12におけるハウジング121の内部構造について、図示の簡略化のために省略されている。実際には、このハウジング121の内部には、ピン端子123における相手側コネクタの端子との嵌合部等を含む、相手側コネクタとの嵌合構造が設けられている。
保持部124は、上記のように、カバー122の内面でピン端子123から延出方向D111に離れた位置に設けられている。即ち、カバー122の内面のうち、垂下壁122dのハウジング121側を向く面122d-1における載置面121aよりも垂下位置寄りに、FPC11の幅方向D12に一対配列されている。具体的には、長方形状の垂下壁122dにおける垂下位置寄りの一対の角それぞれに1つずつ保持部124が設けられている。
本実施形態では、各保持部124は、FPC11において長手方向D11に延びる側縁11b寄りの一部分11b-1をFPC11の表裏から挟んで抱え持つ抱持部となっている。上記のように保持部124が一対設けられていることから、FPC11は、これら一対の保持部124によって幅方向D12について両側から抱え持たれて保持されることとなっている。
保持部124は、以上に説明したように一対設けられてFPC11を保持し、垂下壁122dの垂下位置における端縁122d-2を潜らせることで、FPC11を略Z字状に屈曲させてカバー122の外へと延出方向D111に向かわせる。
また、本実施形態では、ハウジング121の載置面121aと、カバー122の天井壁122aとの間にはFPC11を延出させるために間隙SP11が開いている。そして、保持部124が設けられた垂下壁122dが、この間隙SP11におけるFPC11の延出方向D111の前方側を塞ぐように設けられている。
以上に説明した第1実施形態のケーブル接続構造1によれば、カバー122に設けられた保持部124が、FPC11の延出方向D111についてピン端子123から離れた位置でFPC11を保持する。そして、保持部124は、カバー122の垂下壁122dの垂下位置における端縁122d-2を潜らせてカバー122の外へとFPC11を向かわせる。この構成により、FPC11に加わる外力F11が、FPC11のスルーホール113及びハウジング121のピン端子123へと及ぶ前に受け止められる。この外力F11の受け止めは、FPC11自体の強度に依ることなく保持部124や、垂下壁122dの垂下位置における端縁122d-2によって行われる。つまり、このケーブル接続構造1によれば、FPC11のスルーホール113及びハウジング121のピン端子123への外力F11による負荷を十分に抑えることができる。また、このケーブル接続構造1によれば、カバー122に設けられた垂下壁122dにより、スルーホール113及びピン端子123へとカバー122の外部から向かう異物の侵入を抑えることもできる。
ここで、本実施形態では、保持部124が、垂下壁122dのハウジング121の側を向く面122d-1における載置面121aよりも垂下位置寄りに設けられる。
この構成によれば、垂下壁122dの上記の面122d-1における垂下位置寄りというピン端子123から離れた遠隔位置で保持部124がFPC11を保持し、そのような遠隔位置で、FPC11に加わる外力F11が受け止められることとなる。このような遠隔位置での外力F11の受け止めにより、FPC11のスルーホール113及びハウジング121のピン端子123への外力F11による負荷を一層抑えることができる。
また、本実施形態では、保持部124が、FPC11の幅方向D12に一対配列されている。
この構成によれば、FPC11に加わる外力F11が一対の保持部124によって受け止められることとなるので、FPC11のスルーホール113及びハウジング121のピン端子123への外力F11による負荷を一層抑えることができる。
また、本実施形態では、保持部124が、FPC11において長手方向D11に延びる側縁11b寄りの一部分11b-1を抱え持つ抱持部となっている。
この構成によれば、FPC11の形状変更等が不要であるので、その分、コストを抑えて保持部124にFPC11を保持させることができる。
また、本実施形態では、ハウジング121における被接続部が複数本のピン端子123であり、FPC11における電気接続部が複数のスルーホール113となっている。
この構成によれば、過剰な負荷によるはんだの剥がれやピン端子123とスルーホール113との摩耗等に起因した接続不良を抑えて、FPC11のスルーホール113とハウジング121のピン端子123とをはんだ付けによって強固に接続することができる。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、保持部が、上述の第1実施形態と異なっている。以下、この第1実施形態との相違点に注目して第2実施形態を説明する。
図5は、第2実施形態のケーブル接続構造を示す斜視図であり、図6は、図5に示されているケーブル接続構造においてFPCを保持する保持部を示す図である。また、図7は、図6に示されている保持部がFPCを保持している様子を、ケーブル接続構造における図5中のV21-V21線に沿った断面で示す図である。
尚、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、図7の断面図では、ハウジング121の内部構造についての図示が省略されている。また、図5~図7では、図1~図4に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、図1~図4と同じ符号が付されており、以下ではそれら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
本実施形態のケーブル接続構造2も、FPC21をコネクタ22に接続するための接続構造であり、FPC21及びコネクタ22を備え、コネクタ22が、ハウジング121と、カバー122と、ピン端子123と、保持部224と、を備えている。FPC21における長手方向D11の一端部11aは、位置決め孔111aに位置決めピン121bが嵌入され、ピン端子123が導体パターン112の端部のスルーホール113に嵌入した状態でハウジング121の載置面121aに載置される。そして、ピン端子123がスルーホール113にはんだ付けされる。カバー122は、載置面121aを覆うようにハウジング121に被せられ、ハウジング121の一対の側面121cにおける係止爪121dが、カバー122の可撓アーム122bにおける係止孔122cに係止することで、ハウジング121に係止固定される。
ここで、本実施形態でも、カバー122の天井壁122aにおける張出し位置における端縁122a-1から垂下した垂下壁122dのハウジング121の側の面122d-1に保持部224が設けられている。この保持部224の形状等が第1実施形態と異なっている。
まず、本実施形態では、FPC21に、保持部224にFPC21を保持させるための貫通孔211が設けられている。貫通孔211は、FPC21において長手方向D11に延びる一対の側縁11bそれぞれ寄りに、導体パターン112を避けて一対が設けられている。そして、垂下壁122dに設けられた一対の保持部224それぞれが、FPC21の貫通孔211を貫通して当該貫通孔211の縁に係止する係止ピンとなっている。
以上に説明した第2実施形態のケーブル接続構造2によっても、第1実施形態と同様、保持部224が、ピン端子123から離れた位置でFPC21を保持する。そして、保持部224は、カバー122の垂下壁122dの端縁122d-2を潜らせてカバー122の外へと延出方向D111にFPC21を向かわせる。この構成により、FPC21に加わる外力F11が、FPC21自体の強度に依ることなく保持部224や、垂下壁122dの端縁122d-2によって受け止められる。つまり、このケーブル接続構造2によっても、FPC21のスルーホール113及びハウジング121のピン端子123への外力F11による負荷を十分に抑えることができる。また、このケーブル接続構造2でも、第1実施形態と同様、垂下壁122dによって異物の侵入を抑えることができる。
また、本実施形態でも、第1実施形態と同様、FPC21の幅方向D12に一対配列された保持部224により、外力F11による負荷を一層抑えることができる。また、本実施形態でも、はんだの剥がれや摩耗等に起因した接続不良を抑えて、FPC21のスルーホール113とハウジング121のピン端子123とをはんだ付けによって強固に接続することができる。
ここで、本実施形態では、保持部224が、FPC21に設けられた貫通孔211を貫通して当該貫通孔211の縁に係止する係止ピンとなっている。
この構成によれば、FPC21の貫通孔211に保持部224としての係止ピンを貫通させることで高い保持強度を得ることができるので、外力による負荷を一層抑えることができる。
次に、第3実施形態について説明する。第3実施形態は、保持部が、上述の第1実施形態と異なっている。以下、この第1実施形態との相違点に注目して第3実施形態を説明する。
図8は、第3実施形態のケーブル接続構造を、図4と同様の断面で示す図である。
尚、本実施形態でも、第1実施形態と同様に、図8の断面図では、ハウジング121の内部構造についての図示が省略されている。また、図8では、図1~図4に示されている第1実施形態の構成要素と同等な構成要素については、図1~図4と同じ符号が付されており、以下ではそれら同等な構成要素についての重複説明を割愛する。
本実施形態のケーブル接続構造3も、FPC31をコネクタ32に接続するための接続構造であり、FPC31及びコネクタ32を備え、コネクタ32が、ハウジング321と、カバー322と、ピン端子123と、保持部324と、を備えている。これら各部位の基本的な構造は、第1実施形態と同様であるが、本実施形態では、保持部324が、カバー322ではなくハウジング321に設けられており、これを受けて、各部位の形状等が第1実施形態と異なっている。
まず、ハウジング321には、FPC31の延出方向D111についてピン端子123から離れ、且つ、載置面121aよりもカバー322の天井壁322aから離れるように、載置面121aから1段下がった段差部321aが設けられている。そして、この段差部321aに、保持部324が設けられている。保持部324は、段差部321aにおいてFPC31を略Z字状に屈曲させて保持し、この段差部321aからFPC31をカバー322の外へと延出方向D111に向かわせる。また、カバー322の天井壁322aは、ハウジング321の段差部321aに差し掛かる張出し位置まで載置面121aから延出方向D111に張り出している。そして、この天井壁322aの張出し位置における端縁322a-1から、載置面121aよりも天井壁322aから離れた垂下位置まで段差部321aへと垂下壁322dが垂下している。
本実施形態では、上述した第2実施形態と同様に、FPC31に、保持部324にFPC31を保持させるための貫通孔311が設けられている。貫通孔311は、FPC31において長手方向D11に延びる一対の側縁31bそれぞれ寄りに一対が設けられている。そして、ハウジング321の段差部321aにおける保持部324が、FPC31の一対の貫通孔311それぞれを貫通して当該貫通孔311の縁に係止するように、幅方向D12に配列された一対の係止ピンとなっている。
以上に説明した第3実施形態のケーブル接続構造3によれば、ハウジング321に設けられた保持部324が、FPC31の延出方向D111についてピン端子123及びカバー322の天井壁322aから離れた位置の段差部321aでFPC31を保持する。そして、保持部324は、この段差部321aからカバー322の外へとFPC31を向かわせる。この構成により、FPC31に加わる外力F31が、FPC31のスルーホール113及びハウジング321のピン端子123へと及ぶ前に、FPC31自体の強度に依ることなく保持部324によって受け止められる。つまり、このケーブル接続構造3によっても、FPC31のスルーホール113及びハウジング321のピン端子123への外力F31による負荷を十分に抑えることができる。
また、本実施形態でも、ハウジング121の載置面121aと、カバー122の天井壁322aと、の間隙SP11におけるFPC31の延出方向D111の前方側が、垂下壁322dによって塞がれる。この垂下壁322dにより、スルーホール113及びピン端子123へとカバー322の外部から向かう異物の侵入を抑えることができる。
更に、本実施形態でも、FPC31の幅方向D12に一対配列された保持部324により、外力F31による負荷を一層抑えることができる。また、FPC31の貫通孔311に保持部324としての係止ピンを貫通させることで高い保持強度を得ることができるので、外力F31による負荷を一層抑えることができる。そして、はんだの剥がれや摩耗等に起因した接続不良を抑えて、FPC31のスルーホール113とハウジング321のピン端子123とをはんだ付けによって強固に接続することができる。
尚、以上に説明した実施形態はケーブル接続構造の代表的な形態を示したに過ぎず、ケーブル接続構造は、これに限定されるものではなく種々変形して実施することができる。
例えば、上述した第1~第3実施形態では、可撓性ケーブルとしてFPC11,21,31が例示され、その電気接続部としてスルーホール113が例示されている。そして、このスルーホール113が、被接続部としてのコネクタ12,22,32のピン端子123にはんだ付けされるケーブル接続構造1,2,3が例示されている。しかしながら、可撓性ケーブルはFPCに限るものではなく、被接続部もコネクタの端子に限るものではない。可撓性ケーブルは、例えばフラットケーブル等といったFPC以外のケーブル部材であってもよく、被接続部も、例えばコネクタ以外の任意の機器筐体の外壁面に設置された端子等であってもよい。
また、上述した第1~第3実施形態では、矩形箱状の樹脂筐体であるハウジング121,321と、矩形キャップ状の樹脂部材であるカバー122,322と、が例示されている。しかしながら、ハウジングやカバーはこれらに限るものではなく、絶縁性等の電気的な機能を満たすものであれば、その具体的な材質や形状を問うものではない。
また、上述した第1及び第2実施形態では、カバー122の内面のうち、垂下壁122dのハウジング121の側を向く面122d-1における載置面121aよりも垂下位置寄りに設けられる保持部124,224が例示されている。しかしながら、カバーに保持部を設ける際の保持部の位置は、カバーの内面であって、可撓性ケーブルの延出方向についてハウジングの被接続部から離れた位置であれば任意の位置に設定し得る。ただし、垂下壁122dの上記の面122d-1における載置面121aよりも垂下位置寄りに保持部124,224を設けることで、外力F11による負荷を一層抑えることができる点は上述した通りである。
また、上述した第3実施形態では、ハウジング321に載置面121aから1段下がった段差部321aが設けられ、その段差部321aに保持部324として係止ピンが設けられたケーブル接続構造3が例示されている。しかしながら、ハウジングに設ける保持部は、これに限るものではなく、ハウジングにおける被接続部から可撓性ケーブルの延出方向に離れ、且つ、載置面よりもカバーの天井壁から離れた位置に設けられるのであれば、具体的な位置や形状等を問うものではない。例えば、ハウジングに上記のような段差部は設けず、延出方向の前方側の側面に可撓性ケーブルを抱え持つ抱持部を保持部として設けてもよい。
また、上述した第1~第3実施形態では、保持部124,224,324が、FPC11,21,31の幅方向D12に一対配列されているケーブル接続構造1,2,3が例示されている。しかしながら、保持部の数等の配置形態はこれに限るものではなく、保持部を1つだけ配置することとしてもよく、あるいは保持部を3つ以上配置することとしてもよい。また、保持部を複数配置する場合に、可撓性ケーブルの長手方向に配列することとしてもよい。ただし、保持部を可撓性ケーブルの幅方向に複数配列することで、外力による負荷を一層抑えることができる点は上述した通りである。
また、上述した第1~第3実施形態では、FPC11を表裏から挟んで抱え持つ抱持部である保持部124や、FPC21,31の貫通孔211,311を貫通して縁に係止する係止ピンである保持部224,324が例示されている。しかしながら、保持部はこれらに限るものではなく、保持部における可撓性ケーブルの保持態様は任意に設定し得る。ただし、抱持部である保持部124を設けることでコストを抑えて保持部に可撓性ケーブルを保持させることができる点や、係止ピンである保持部224,324を設けることで高い保持強度を得ることができる点は上述した通りである。
また、上述した第1~第3実施形態では、ハウジング121,321に設けられる被接続部がピン端子123で、FPC11,21,31における電気接続部がスルーホール113となって両者がはんだ付けされるケーブル接続構造1,2,3が例示されている。しかしながら、ケーブル接続構造は、このような形態に限るものではなく、例えば可撓性ケーブルとしてもFPCの端部に接続端子の端子パターンを形成し、ハウジングにFPCの端部が挿入されて端子パターンに圧接するコンタクトを配置することとしてもよい。このように、可撓性ケーブルにおける電気接続部、及びハウジングにおける被接続部については、その具体的な接続形態を問うものではなく、任意の接続形態を採用し得る。ただし、互いにはんだ付けされるピン端子123とスルーホール113とを有した接続形態を採用することで、強固に接続することができる点は上述した通りである。尚、このような接続形態を採用するにしても、ピン端子123やスルーホール113の数や配列形態等は任意に設定し得るものである。
1,2,3 ケーブル接続構造
11,21,31 FPC(可撓性ケーブル)
11a 一端部
11b,31b 側縁
11b-1 一部分
12,22,32 コネクタ
111 樹脂シート
111a 位置決め孔
112 導体パターン
113 スルーホール(電気接続部)
121,321 ハウジング
121a 載置面
121b 位置決めピン
121c 側面
121d 係止爪
122,322 カバー
122a,322a 天井壁
122a-1,122d-2,322a-1, 端縁
122b 可撓アーム
122c 係止孔
122d,322d 垂下壁
122d-1 面
123 ピン端子(被接続部)
124,224,324 保持部
211,311 貫通孔
321a 段差部
D11 長手方向
D12 幅方向
D111 延出方向
SP11 間隙
F11,F31 外力

Claims (7)

  1. 帯板状に形成され、その長手方向の一端部に所定の被接続部と電気的に接続される電気接続部が設けられた可撓性ケーブルと、
    前記被接続部が配置されて前記可撓性ケーブルの前記一端部が載置される載置面を有するハウジングと、
    前記載置面と対面するとともに、前記電気接続部が接続された前記被接続部からの前記可撓性ケーブルの延出方向について前記載置面から離れた張出し位置まで張り出した天井壁、及び、前記天井壁の前記張出し位置における端縁から、前記載置面よりも前記天井壁から離れた垂下位置まで垂下した垂下壁、を有し、前記一端部が載置された前記載置面を覆うように前記ハウジングに被せられるカバーと、
    前記カバーの前記ハウジング側を向く内面における、前記延出方向について前記被接続部から離れた位置に設けられて前記可撓性ケーブルを保持し、前記垂下壁の前記垂下位置における端縁を潜らせて前記可撓性ケーブルを前記カバーの外へと向かわせる保持部と、
    を備えたことを特徴とするケーブル接続構造。
  2. 前記保持部が、前記カバーの前記内面のうち、前記垂下壁の前記ハウジング側を向く面における前記載置面よりも前記垂下位置寄りに設けられることを特徴とする請求項1に記載のケーブル接続構造。
  3. 帯板状に形成され、その長手方向の一端部に所定の被接続部と電気的に接続される電気接続部が設けられた可撓性ケーブルと、
    前記被接続部が配置されて前記可撓性ケーブルの前記一端部が載置される載置面を有するハウジングと、
    前記一端部が載置された前記載置面を覆うように前記ハウジングに被せられるカバーと、
    前記ハウジングにおいて、前記電気接続部が接続された前記被接続部からの前記可撓性ケーブルの延出方向について前記被接続部から離れ、且つ、前記載置面よりも前記カバーにおいて当該載置面に対面する天井壁から離れた位置に設けられ、前記可撓性ケーブルを保持して当該位置から前記可撓性ケーブルを前記カバーの外へと向かわせる保持部と、
    を備えたことを特徴とするケーブル接続構造。
  4. 前記保持部が、前記可撓性ケーブルの幅方向に複数配列されていることを特徴とする請求項1~3のうち何れか一項に記載のケーブル接続構造。
  5. 前記保持部が、前記可撓性ケーブルにおいて前記長手方向に延びる側縁寄りの一部分を前記可撓性ケーブルの表裏から挟んで抱え持つ抱持部であることを特徴とする請求項1~4のうち何れか一項に記載のケーブル接続構造。
  6. 前記可撓性ケーブルには、前記保持部に当該可撓性ケーブルを保持させるための貫通孔が設けられており、
    前記保持部が、前記貫通孔を貫通して当該貫通孔の縁に係止する係止ピンであることを特徴とする請求項1~4のうち何れか一項に記載のケーブル接続構造。
  7. 前記被接続部が、前記載置面から一端が突出するように設けられた少なくとも1本のピン端子であり、
    前記電気接続部が、前記ピン端子が嵌入してはんだ付けされるように設けられた少なくとも1つのスルーホールであることを特徴とする請求項1~6のうち何れか一項に記載のケーブル接続構造。
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