JP7053093B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
所定ピッチで並ぶ複数の導体を有するフレキシブル導電部材の端縁に取り付けられる第1ハウジング部と、
前記第1ハウジング部と嵌合する第2ハウジング部と、を備え、
前記第1ハウジング部には、前記複数の導体のピッチ方向に沿って並ぶように前記フレキシブル導電部材に形成された複数の開孔部のそれぞれと係合する複数の係合突起部が設けられており、
前記複数の係合突起部の少なくとも一つは、前記ピッチ方向の央部領域に配されている
コネクタが提供される。
先ず、本実施形態に係るコネクタの概略構成について説明する。
図1は、本実施形態に係るコネクタの概略構成の一例を模式的に示す斜視図である。
本実施形態で説明するコネクタ1は、FPC/FFCコネクタと呼ばれるもので、FPCまたはFFCといったフレキシブル導電部材2における導体を、配線基板3における配線と電気的に接続するために用いられる。
フレキシブル導電部材2は、上述したように、FPCまたはFFCとして知られているもので、所定ピッチで並ぶ複数の導体を有する薄いシート状のものである。なお、フレキシブル導電部材2の具体的な構成については、詳細を後述する。
第1ハウジング部10は、フレキシブル導電部材2の端縁に取り付けられて用いられるもので、絶縁性を有する樹脂材料(例えば、ポリブチレンテレフタレート:PBT)の一体成型加工によって形成されたものである。また、第1ハウジング部10は、フレキシブル導電部材2の端縁に取り付けられた状態で、そのフレキシブル導電部材2の端縁近傍に形成された端子面(接触面)が露出する形状に形成されている。このように形成されていることから、第1ハウジング部10については、「雄ハウジング」または「M(male)ハウジング」と称されることもある。
第2ハウジング部20は、配線基板3に装着されて用いられるもので、ガラス繊維(GF)を含有する高耐熱樹脂材料(例えば、ポリアミド:PA、液晶ポリマー:LCP等)の一体成型加工によって形成されたものである。また、第2ハウジング部20は、第1ハウジング部10と嵌合するための嵌合凹部21を備えており、その嵌合凹部21の内部に導電性を有する金属材料(例えば、銅合金)によって形成されたリセ(receptacle)端子(ただし不図示)が配されている。リセ端子は、フレキシブル導電部材2が有する端子面(接触面)に対応するように配されており、第1ハウジング部10と第2ハウジング部20との嵌合状態で当該端子面と接触するようになっている。このように形成されていることから、第2ハウジング部20については、「雌ハウジング」または「F(female)ハウジング」と称されることもある。
配線基板3は、各種電子機器、民生用(家庭用)電化製品、自動車用電装品等に搭載されて用いられるもので、絶縁性のある樹脂含浸基板上または当該基板内に銅箔等の導電体で配線(回路)パターンが形成されたものである。配線基板3に第2ハウジング部20が装着されると、第2ハウジング部20のリセ端子が配線基板3上の配線パターンと電気的に接続されることになる。なお、配線基板3上は、絶縁、防湿、防水等のために、ウレタン樹脂等の樹脂材料で封止するポッティング処理が施されていてもよい。
次に、コネクタ1の第1ハウジング部10が取り付けられるフレキシブル導電部材2について、具体的な構成を説明する。ここでは、フレキシブル導電部材2がFPCである場合を例に挙げる。ただし、これに限定されることはなく、FFCであってもよいことはいうまでもない。
次に、FPC2に取り付けられるコネクタ1の第1ハウジング部10について、具体的な構成を説明する。
次に、上述した構成のコネクタ1を使用して、FPC2と配線基板3との間の接続を確立する場合の具体的な手順について説明する。
FPC2と配線基板3との接続確立にあたっては、先ず、FPC2への第1ハウジング部10の取り付けを行う。
その一方で、FPC2は、例えば0.3mm厚程度の薄厚に形成されており、柔軟に曲がる可撓性を有している。
したがって、FPC2への第1ハウジング部10の取り付け状態の保持にあたり、従来のようにFPC2の両サイド部における係合を利用した保持構造(例えば、特許文献1参照)では、必要十分な保持力が得られるとは限らない。例えば、幅広に形成されたFPC2に外力が加わった場合には、当該FPC2の可撓性により央部領域に撓みが生じてしまい、そのために保持状態が維持されなくなるおそれがある。つまり、両サイド部における部分的な係合では、FPC2の幅方向(ピッチ方向)で均一な保持力を得ることが困難であり、結果として必要十分な保持力が得られないおそれがある。
また、両サイド部における部分的な係合によって必要十分な保持力を得ようとすると、例えば、別部品(ハウジング、リテーナ等)の追加、FPC2の異形状化、配線パターンの特殊化等が必要となり、FPC2等の汎用化への対応が困難になってしまうおそれもある。これらのことは、電線対基板コネクタからの置き換え(コストダウン、作業性改善等)が難しい理由ともなり得る。つまり、汎用化への対応が困難になり得ることは好ましくなく、コスト面および作業性の点でも好ましくない。
さらに、本実施形態で説明した保持構造では、開孔部2fおよび係合突起部15が、導体2bおよび端子面2dが並ぶピッチの1つ置きに配されている。したがって、例えば各端子面2dの間の全てに開孔部2fを設けた場合に比べると、FPC2の端部近傍領域の強度を十分に確保し得るようになる。また、ピッチの1つ置き配置により、FPC2の強度不足を抑制しつつ、保持力向上が図れるようになる。
FPC2への第1ハウジング部10の取り付けを行った後は、続いて、第1ハウジング部10と第2ハウジング部20とを嵌合させる。
本実施形態によれば、以下に示す一つまたは複数の効果が得られる。
したがって、本実施形態によれば、ピッチ方向の央部領域を含む複数箇所における係合を利用することになるので、ピッチ方向で均一な保持力を得ることが可能であり、その結果として必要十分な保持力が得られるようになる。具体的には、例えばFPC2に外力が加わった場合であっても、央部領域を含む複数箇所における係合を利用することで、その央部領域にてFPC2の撓みが生じてしまうのを抑制でき、FPC2と第1ハウジング部10との間の保持状態を適切に維持することができる。
しかも、本実施形態によれば、第1ハウジング部10の係合溝12へのFPC2の挿入のみで、FPC2における開孔部2fと第1ハウジング部10における係合突起部15とを容易に係合させることができる。つまり、別部品(ハウジング、リテーナ等)の追加、FPC2の異形状化、配線パターンの特殊化等を必要とすることなく、簡素な構成で容易に必要十分な保持力が得られる。そのため、FPC2等の汎用化への対応が困難になってしまうことがなく、部品点数の削減による顧客サイドでのハーネス作業性の向上やコストダウン等に貢献でき、コスト面および作業性の点でも好ましいものとなる。
つまり、本実施形態のコネクタ1によれば、FPC2について簡素な構成で必要十分な保持力を得ることが可能になる。
以上、本発明の一実施形態を具体的に説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、係合突起部15は、ピッチ方向に沿って疎密を有した間隔で並ぶように配されていてもよい。このように、係合突起部15が疎密を有した間隔で並んでいれば、その粗密に応じて保持力を調整し得るようになる。具体的には、高い保持力が必要な領域については係合突起部15を密に並べ、保持力が低くても構わない領域については係合突起部15を疎に並べる、といったことが実現可能となる。
さらに、例えば、係合突起部15は、ピッチ方向の央部を挟んで非対称に配されていてもよい。このように、係合突起部15が非対称な間隔で並んでいれば、フレキシブル導電部材2の逆挿しを未然に防止することが実現可能となる。
Claims (9)
- 所定ピッチで並ぶ複数の導体を有するフレキシブル導電部材の端縁に取り付けられる第1ハウジング部と、
前記第1ハウジング部と嵌合する第2ハウジング部と、を備え、
前記フレキシブル導電部材の端縁近傍には、端子面が形成されており、
前記第1ハウジング部には、前記フレキシブル導電部材の端縁が挿入されて取り付けられる係合溝が形成されており、
前記係合溝には、対向配置されて前記係合溝を構成する両壁面のうちの一方が形成されておらず、前記一方の壁面があるはずの箇所に開口部が形成されており、
前記第1ハウジング部は、前記係合溝に前記フレキシブル導電部材の端縁が取り付けられた状態で、前記端子面が前記開口部を通じて露出するように構成されており、
前記第1ハウジング部と前記第2ハウジング部との嵌合状態で、前記第2ハウジング部の内部に形成されているリセ端子は、前記開口部において、前記端子面と接触するようになっており、
前記第1ハウジング部には、前記複数の導体のピッチ方向に沿って並ぶように前記フレキシブル導電部材に形成された複数の開孔部のそれぞれと係合する複数の係合突起部が、前記開口部の形成箇所に設けられており、
前記複数の係合突起部の少なくとも一つは、前記ピッチ方向の央部領域に配されている
コネクタ。 - 前記フレキシブル導電部材は、フィルム状の支持体を有しており、
前記支持体の一方の面上における端縁近傍には、前記端子面が形成されており、
前記端子面とは反対側の前記支持体の面上には、前記支持体を補強する補強板が形成されている
請求項1に記載のコネクタ。 - 前記複数の係合突起部は、前記ピッチ方向に沿って一列に並ぶように配されている
請求項1または2に記載のコネクタ。 - 前記複数の係合突起部は、前記ピッチ方向に沿って等間隔で並ぶように配されている
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ。 - 前記複数の係合突起部は、前記複数の導体が並ぶピッチの1つ置きに配されている
請求項4に記載のコネクタ。 - 前記複数の係合突起部は、高い保持力が必要な領域では、前記ピッチ方向に沿って密に並べられ、保持力が低くても構わない領域では、前記ピッチ方向に沿って疎に並べられている
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ。 - 前記複数の係合突起部は、前記ピッチ方向の央部を挟んで非対称に配されて構成された逆挿し防止構造を有している
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ。 - 前記係合突起部は、円状に形成された開孔部と係合する形状を有している
請求項1から7のいずれか1項に記載のコネクタ。 - 前記係合突起部は、前記フレキシブル導電部材の挿入側に面して形成された傾斜面を有している
請求項1から8のいずれか1項に記載のコネクタ。
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