JP7286234B2 - 分離液状調味料のスパイスの風味増強方法、及び分離液状調味料 - Google Patents
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(2)スパイスを固形分換算で0.2~4.0質量%、及び椎茸エキスを固形分換算で0.012~0.68質量%含有する分離液状調味料。
(3)前記スパイスに対する前記椎茸エキスの含有量比が0.012~1.227である(2)に記載の分離液状調味料。
(4)油相を5~40質量%含有する(2)又は(3)に記載の分離液状調味料。
本発明の分離液状調味料は、油相と水相とを含む液状の調味料であり、さらに、特定量のスパイスと椎茸エキスとを含み、スパイスの風味が増強された分離液状調味料である。ここで、本発明におけるスパイスの風味とは、喫食時の辛味、及び口腔内から鼻腔に抜けるときに感じる香気を指す。また、スパイスの風味増強とは、前記辛味及び香気が、元来よりも強く感じられる状態を指す。
本発明の分離液状調味料は、静置時には油相と水相とがほぼ分離しており、使用時に振盪するなどして混ぜ合わせて使用されるものである。具体的には、ドレッシング、タレ、ソース、又はその他これらに類する食品を指す。本発明の分離液状調味料の好ましい態様としてはドレッシングが挙げられ、より具体的には、日本農林規格(JAS)において定義される「分離液状ドレッシング」等が挙げられる。
本発明の油相は、従来の分離液状調味料の油相成分と同様のものが使用できる。具体的には、食用油、油溶性のフレーバー及び乳化剤等が挙げられる。また、前記食用油は、大豆油、菜種油、コーン油、ヤシ油、パーム油、中鎖脂肪酸油、米油、ゴマ油、綿実油、ひまわり油、紅花油、亜麻仁油、シソ油、オリーブ油、落花生油、ブドウ種子油、マカデミアナッツ油、ヘーゼルナッツ油、アボカド油、カボチャ種子油、クルミ油、椿油、茶実油、エゴマ油、ボラージ油、米糠油、小麦胚芽油、香味オイル(ハーブオイル、ガーリックオイル等)等から選択される1種又は2種以上を組み合わせた混合油脂が挙げられる。また、これらの油脂の分別油、硬化油、エステル交換油等を用いることもできる。本発明の油相は、食用油として、好ましくはオリーブ油、及び菜種油から選ばれる1種又は2種以上を使用することができる。
本発明の分離液状調味料中の油相の含有量は、好ましくは5~40質量%、より好ましくは8~30質量%、最も好ましくは10~20質量%である。油相の含有量が前記の範囲内にあると本発明の効果を奏しやすい。
また、油相中の前記食用油の含有量は、好ましくは90~100質量%、より好ましくは95~99質量%である。
本発明の水相は、従来の分離液状調味料の水相成分と同様のものが使用できる。具体的には、本発明の効果を損なわない範囲で、食酢等の液状調味料、食塩、糖、フレーバー等の呈味料、更に調味料、安定剤、着色料等の各種添加剤、及び粉砕した野菜や果実の固形分が挙げられる。また、加水時に使用する水は、特に限定されず、水道水、井水、精製水、イオン交換水等を用いることができる。
本発明の分離液状調味料中の水相の含有量は、好ましくは60~95質量%、より好ましくは70~92質量%、最も好ましくは80~90質量%である。
また、本発明の分離液状調味料が食塩を含む場合は、水相中の食塩の含有量は、好ましくは2~15質量%、より好ましくは3~12質量%、最も好ましくは4~10質量%である。さらに、本発明の分離液状調味料が食酢を含む場合は、水相中の食酢の含有量は酢の酢酸酸度によるが、酢酸酸度として、好ましくは0.3~3質量%、より好ましくは0.5~2.5質量%、最も好ましくは0.7~2質量%である。
本発明のスパイス(香辛料ともいう。)は、風味または芳香性の葉、茎、樹皮、根、花、蕾、種子、果実、果皮、又はそれらの抽出物であって、食品に特別な風味を与えることを目的として、単独、又は複数を混合して使用されるものである。本発明のスパイスは、通常の食品で使用されるものであれば特に限定されない。
本発明のスパイスは、具体的には、レモングラス、ローリエ、コリアンダー、クローブ、シナモン、フェンネル(ウイキョウ)、クミン、ジンジャー、レッドペッパー、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ベルペッパー、キャラウェイ、アニス、バジル、パセリ、セージ、タイム、オレガノ、ローズマリー、セロリシード、ミント、ガーデンクレス、ディル、マジョラム、セロリ、ガーリック、オニオン等から選ばれる1種、又は2種以上が挙げられ、好ましくは、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ベルペッパー、ガーリック、及びオニオンから選ばれる1種、又は2種以上である。
本発明における椎茸エキスは、椎茸を水等で抽出して乾燥や濃縮したものである。前記椎茸エキスは、通常の食品で使用されるものであれば特に限定されず、粉末タイプ、液状タイプ、又は両タイプの混合物が使用できる。
本発明の分離液状調味料は、通常の分離液状調味料の製造方法に従って製造できる。例えば、本発明の分離液状調味料の一つの態様であるドレッシングの製造方法の場合、油相と水相を別々に調製し、重層して製造する。具体的には、食用油、及び油溶性原料を均一に混合し油相部を調製し、それとは別に、水相の原料(例えば、糖類、増粘多糖類、酢、食塩、水等)を加熱撹拌して原料を均一に分散させ水相部を調製する。水相部の加熱攪拌は加圧、減圧又は常圧下で可能であり、通常は常圧下で行われる。加熱温度に特に制限はなく、原材料が溶解、殺菌がなされる温度であればよく、通常は40~95℃の温度で、好ましくは60~95℃の温度で行われる。攪拌は原料が均一に分散できるものであればどのようなものでも実施することができ、例えば、プロペラ、ホモミキサー、ブレンダー、ディスパー、パドルミキサー、スタティックミキサー、超音波等の攪拌機又は方法を用いることができる。その後、常温程度まで冷却し、得られた水相部に、別で調製した油相部を加えて重層することによってドレッシングを得る。
本発明の分離液状調味料のスパイスの風味増強方法によれば、スパイスを含有する分離液状調味料に、椎茸エキスを固形分換算で特定量配合することにより、該分離液状調味料のスパイスの風味を増強することができる。さらには、スパイスの使用量を低減でき、原料コストを下げることもできる。
表1~3の配合に従い、菜種油以外の各種原料、及び水を撹拌機付きの加温可能な容器に投入し、撹拌しながら品温が90℃になるまで加熱保持して原料を溶解し、その後、室温まで冷却して水相部を調製した。次に、透明の容器に水相部を充填後、油相部(菜種油)を重層して密封し分離液状ドレッシング(実施例1~9、比較例1~6)を製造した。また、表1~3の各種の分離液状ドレッシングにおいて、椎茸エキスを含有していない分離液状ドレッシングも製造し、対照例(対照例1~3)とした。
なお、スパイスミックスは、(株)カネカサンスパイス製のスパイスミックスMI(固形分93.2質量%、ブラックペッパー、ホワイトペッパー、ベルペッパー、ガーリック、及びオニオンの混合物)を使用し、椎茸エキスは、日研フード(株)製の椎茸エキスSK-60(固形分57.2質量%)を使用した。
分離液状ドレッシングのスパイスの風味評価は、上記で製造した容器入り分離液状ドレッシングを上下に10回振って一時的に乳化し、これをカットレタス10gの上に5gかけたサラダについて、5名の専門パネルが食して下記の採点基準に従い採点し、5名の合計点から下記の評価基準に従って評価した。評価結果を表1~3に示す。
(採点基準)
2点:対照例と比べて、1点よりもさらにスパイスの風味(辛味及び香気)が強く感じられる。
1点:対照例と比べて、スパイスの風味(辛味及び香気)が強く感じられる。
0点:対照例と比べて、スパイスの風味(辛味及び香気)が同等又は弱く感じられる。もしくは、椎茸の風味が感じられる。
(評価基準)
9点以上、10点以下:◎(非常に良好)
6点以上、8点以下 :○(良好)
0点以上、5点以下 :×(不良)
Claims (3)
- スパイスを固形分換算で0.5~2.5質量%含有する分離液状調味料に、椎茸エキスを固形分換算で0.035~0.11質量%配合し、かつ、該スパイスの固形分換算に対する該椎茸エキスの固形分換算の含有量比が0.041~0.123とする、該分離液状調味料のスパイスの風味増強方法。
- スパイスを固形分換算で0.5~2.5質量%、及び椎茸エキスを固形分換算で0.035~0.11質量%含有し、かつ、該スパイスの固形分換算に対する該椎茸エキスの固形分換算の含有量比が0.041~0.123である、分離液状調味料。
- 油相を5~40質量%含有する請求項2に記載の分離液状調味料。
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