JP7285418B2 - リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents

リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、リチウムイオン二次電池用正極活物質に関する。
現在、リチウムイオン二次電池は、軽量でエネルギー密度が高いことから、スマートフォンやタブレット、ミニノートパソコン、その他、IT機器などの小型電池に幅広く使用されており、IT機器の発展・普及に伴い、現在も、その需要が世界的な規模で急増している。これらの小型電池には、LiCoOをはじめ、LiNiMnCoO、LiNiCoAlOなどの層状岩塩化合物からなる正極活物質が用いられている。更に、これらの小型電池に加えて、産業用の大型電池として、ハイブリッド自動車(HEV)用や、電力貯蔵用など、多方面に需要の拡大が期待されている。
この様な需要環境の中で、車載用・産業用の大型電池が本格的に普及するための課題として、正極材料には、高い安全性、高寿命、高出力、低価格が要求されている。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質の製造方法は、まず、ニッケル、マンガン、コバルトなどの遷移金属元素をベースとして含有し、開発ニーズに応じてアルミニウム、亜鉛、錫などの典型金属元素を加えた原料溶液を、中和晶析法によりアルカリと中和反応させることで、前駆体となる金属複合水酸化物を主成分(固形分)とするスラリーが得られる。続いて、このスラリーを、フィルタープレスなどの濾過機を用いて濾過し、固液分離することで、金属複合水酸化物の含水澱物が得られる。そして、この含水澱物を乾燥することで、前駆体となる金属複合水酸化物が得られ、金属複合水酸化物をリチウム化合物と混合し、リチウム混合物として焼成・アニール処理することで、正極活物質となるリチウム金属複合酸化物が得られる。
前駆体となる金属複合水酸化物粒子の形状などの特徴は、正極活物質となるリチウム金属複合酸化物粒子に、ほぼ引き継がれ、粒子形状のほか、粒度分布や一次粒子及び二次粒子の粒径などに大きく影響する。これらのリチウム金属複合酸化物粒子の特徴は、カーボン粉などの導電材やPVDFなどの結着材と共に正極材料に組み入れた後、リチウムイオン二次電池の性能・特性に直結する重要な要素となることから、前駆体となる金属複合水酸化物粒子の粒子形状、粒度分布、一次粒子及び二次粒子の粒径などが、安定して製造出来なければならない。
しかし、上記の製造方法においては、中和晶析法で得られる、スラリー中の金属複合水酸化物からなる固形分に、平均粒径が0.01~1.0μmレベルの微細粒子が、乾燥状態の水酸化物に対して、最大で0.5質量%程度含まれる場合がある。このため、粒子の平均粒径が不安定となるほか、微細粒子により濾過操作で濾布フィルターが目詰りを起こし、濾過性が悪化して濾過工程が律速になることがあった。この微細粒子が発生するメカニズムについては、未だ、明確に解明されておらず、晶析反応における各条件の変動のほか、反応溶液の撹拌方法や撹拌速度の変動など、幾つかの因子が複合的に重なることにより、表面化するものと考えられている。
この様な現象に対し、特許文献1では、クロスフロー濾過を採用することで、目詰りへの対策としている。クロスフロー濾過とは、筒状の膜フィルターを使用し、固形分を含む原液スラリーを濾過対象液として膜フィルターの内部に供給し、膜フィルターを透過した濾液を膜フィルターの外面から回収すると共に、原液スラリー中の固形分の濃縮を行う濾過方法である。
特開2012-087039号公報
けれども、特許文献1の様に、濾過工程の改善のみでは、微細粒子の発生を抑制する抜本的な解決には繋がらない。そこで、本発明は、微細粒子の発生を極力抑制し、粒子の平均粒径が不安定になることや、濾過工程が律速になる問題を解消し、特性が安定したリチウム金属複合酸化物粒子を得ることを目的とする。
本発明者は、上記課題を解決するため、リチウム金属複合酸化物及びその製造に関して鋭意研究を行った。その結果、晶析反応時、金属複合水酸化物粒子が生成する過程において、反応槽内の反応溶液を撹拌する方式を、従来の羽根式から遠心式に変更することで、微細粒子の発生を抑制し、濾過操作がスムーズに行えると共に、ひいては、最終的に、粒子の平均粒径や比表面積など、特性が安定したリチウム金属複合酸化物粒子が得られることを見出して、本発明を完成させるに至った。
なお、ここで、レーザー回折・散乱法による平均粒径MVと、フィッシャー空気透過法によるFsss平均粒径の比であるMV/Fsssのほか、ガス吸着法によるBET比表面積と、ブレーン空気透過法によるブレーン比表面積の比であるBET/ブレーンは、特性が安定したリチウム金属複合酸化物粒子が得られたことを確認するための重要な指標となる。
即ち、上記の知見に基づいてなされた、本発明の態様は、以下の通りである。
本発明に係る第1の態様は、
レーザー回折・散乱法による平均粒径MVと、フィッシャー空気透過法によるFsss平均粒径の比であるMV/Fsssが、0.60~1.80であり、ガス吸着法によるBET比表面積と、ブレーン空気透過法によるブレーン比表面積の比であるBET/ブレーンが、0.60~1.60であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質である。
本発明に係る第2の態様は、第1の態様に記載の発明において、
1μm以下の微細粒子の含有量が、0.15質量%未満であり、タップ密度が、1.50~3.00g/cmであることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質である。
本発明に係る第3の態様は、第1又は第2の態様に記載の発明において、
一般式:LiNi1-x-yCo2+α
(式中、s、x、y及びαは、それぞれ0.95≦s≦1.30、0.05≦x≦0.35、0≦y≦0.45及び0≦α≦0.2を満たす数、Mは、Mn、Al、W、Mo、Nbからなる群より選ばれた、少なくとも1種の金属元素を示す)で表されることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質である。
本発明に係る第4の態様は、
遷移金属元素を含む溶液、典型金属元素を含む溶液、遷移金属及び典型金属元素を含む溶液のいずれかの溶液と、アルカリと、アンモニウムイオンを混合して、金属複合水酸化物を含むスラリーを得る晶析工程を有し、前記混合には、遠心式撹拌機を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法である。
本発明を適用すれば、リチウム金属複合酸化物粒子の平均粒径及び比表面積について、2つの評価方法の分析値の比を最適化でき、特性を安定させることが出来る。また、微細粒子の発生を極力抑制でき、粒子の平均粒径が不安定になることや、濾過工程が律速になる問題を解消し、特性が安定したリチウム金属複合酸化物を効率良く製造することが可能となる。
本発明によって得られる、リチウムイオン二次電池用正極活物質の一例を示す、走査型電子顕微鏡(SEM)の画像である。
はじめに、本発明の実施形態について、その概要を説明する。
本発明における、リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法では、まず、遷移金属元素を含む溶液、典型金属元素を含む溶液、遷移金属元素及び典型金属元素を含む溶液のいずれかの溶液に、アルカリを連続的に供給しながら、目的とする粒子構造(中実、中空、多孔)によって、晶析反応の雰囲気を非酸化性、又は、酸化性に適宜制御すると共に、所定の温度、pH、アンモニウムイオン(NH )濃度などを維持して、金属複合水酸化物(以降、単に「水酸化物」とも記載する)粒子を生成させる。
そして、金属複合水酸化物粒子の生成において、反応槽内の反応溶液を遠心式撹拌機で撹拌後、濾過性を保ちつつ濾過を行い、濾過後の含水澱物を、所定の温度で乾燥することにより、金属複合水酸化物を含む乾燥物(前駆体)を得るものである。
次に、上記の乾燥物を、所定の温度で酸化焙焼することにより、粒子強度が良好な酸化焙焼物(中間物)を得る。
更に、上記の酸化焙焼物とリチウム化合物とを混合し、リチウム混合物として、所定の温度で焼成することにより、粒子強度が維持された焼成物となり、かつ、この焼成物の表面に存在している余剰リチウム(即ち、水酸化リチウム及び炭酸リチウム)を水洗し、粒子の平均粒径など、特性が安定したリチウム金属複合酸化物(正極活物質)を得る。
次に、本発明における一実施形態を、下記の順序の通り、詳細に説明する。
1.リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法
2.リチウムイオン二次電池用正極活物質中間物の製造方法
3.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
4.1~3に関する評価
本発明に係る、リチウムイオン二次電池用正極活物質及びその製造方法は、決して、以下の説明に限定されるものではなく、本発明の趣旨から逸脱しない限り、当業者の知識に基づいて、実施形態を多様に改変することが出来る。
1.リチウムイオン二次電池用正極活物質前駆体の製造方法
<金属複合水酸化物の製造工程>
[晶析工程]
まず、原料溶液として、ニッケル、マンガン、コバルトなどの遷移金属元素や、アルミニウム、亜鉛、錫などの典型金属元素からなる、金属化合物の水溶液(これら水溶液の作製には、硫酸塩及び水和物を用いるのが好ましい)を混合して作製した金属複合溶液と、pH調整用のアルカリ(水酸化ナトリウム溶液など)と、アンモニウムイオン(NH )濃度調整用のアンモニア水を準備する。
次に、加熱によって40~60℃となる様に制御された、反応槽内の水(イオン交換水などの様な、不純物が制御された純水が好ましい)を遠心式撹拌機で撹拌しながら、引き続き晶析処理を行う。遠心式撹拌機の回転で、その吐出口に遠心力が発生し、溶液が吐出され、かつ、その縦流路内に負圧が発生し、竜巻状の吸引流が起こる。吐出された溶液は、反応槽壁面に当たって上下に循環し、反応槽内全体に行き渡って均一に撹拌される。
その際に粒子構造を「中実」としたい場合は、反応槽上部から窒素ガスなどの不活性ガスを導入し、反応槽内を非酸化性雰囲気(酸素濃度1.0容積%以下)に、「中空」若しくは「多孔」としたい場合は、反応槽内を酸化性雰囲気(大気雰囲気が好ましい)として、反応槽内の水のpHが10.5~13.5となる様に、水酸化ナトリウム溶液の給液量を制御しながら、金属複合溶液とアンモニア水を一定速度で給液し、反応溶液を作製して、晶析処理を0.5時間以下で行う。
上記の晶析処理の後、粒子構造を「中実」、「中空」、「多孔」のいずれかにするには、次の様な条件を選択、設定して、引き続き処理を行う。
粒子構造を「中実」としたい場合は、反応槽内を非酸化性雰囲気としたままで、晶析処理を4時間継続する。
「中空」としたい場合は、各溶液の給液を止め、反応槽内を非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気に切り替えた後、給液を再開して、晶析処理を4時間継続する。
「多孔」としたい場合は、各溶液の給液を止め、反応槽内を非酸化性雰囲気から酸化性雰囲気に切り替えた後、給液を再開し、以降、同様の切り替え操作を複数回行いながら、晶析処理を4時間継続する。
この様に、反応槽内の雰囲気を、不活性雰囲気又は酸素濃度を1.0容積%以下に制御した非酸化性雰囲気、或いは、酸化性雰囲気(大気雰囲気)とすることで、金属複合水酸化物の粒子構造の制御が可能となっている。
ここで、反応槽内の温度が40℃よりも低いと、金属複合水酸化物の粒径が大きくなり過ぎ、また、60℃より高い場合は、逆に、金属複合水酸化物の粒径が小さくなり過ぎ、その影響が、後工程で製造されるリチウム金属複合酸化物にも現われるため、好ましくない。
なお、最初の反応槽内のpHが10.5よりも小さい場合は、正極活物質に残存する硫酸塩濃度が高くなり、電池に組み込んだ際の出力特性が悪化するため、好ましくない。その一方、pHが13.5よりも大きい場合には、粒径が小さくなり過ぎるため、好ましくない。更には、アンモニウムイオン(NH )濃度は、5~30g/Lが好ましく、より好ましくは10~20g/Lに制御することで、晶析処理を安定させることが可能である。
その他、得られる金属複合水酸化物の空隙率が、それぞれの粒子構造に適した範囲でないと、好ましい粒子強度が維持出来ず、後の製造工程で解砕され易くなったり、電解液との接触面積が不十分となったりして、目的とする正極活物質を得ることは出来ない。例えば、粒子構造を「中実」としたい場合は、空隙率が20%未満であることが好ましく、更には、5%未満であることがより好ましい。
[濾過工程]
晶析反応後の金属複合水酸化物を含むスラリーを、濾過装置の濾布フィルターに通じた後、得られた含水澱物を、水酸化ナトリウム溶液などのアルカリにより、アルカリ洗浄することで、硫酸イオン(SO 2-)や塩素イオン(Cl)などの陰イオンを除去し、更に、イオン交換水などの様な、不純物が制御された純水で再度洗浄し、ナトリウムイオン(Na)などの陽イオンを除去する。
なお、使用する濾過装置については、キャンドルフィルター、フィルタープレス、リーフフィルター、ドラムフィルターなどが挙げられ、特に限定されないが、フィルタープレスを用いての濾過がより好ましい。
[乾燥工程]
この乾燥工程は、濾過工程により得た含水澱物を乾燥し、乾燥物(前駆体)を得る工程である。この乾燥工程で、澱物に付着している水分を十分に除去することで、後工程の酸化焙焼工程を、より効率的に行うことが出来る。
その乾燥の温度は、100~200℃が好ましく、120~180℃がより好ましい。100℃未満になると、温度が低く水分が蒸発され難くなるため、好ましくない。その一方で、200℃を超えても、特に問題無いが、製造コストや効率を考慮するなら、あまり好ましくない。
また、乾燥の時間は、特に限定されるものではなく、上記の水分の除去が可能であればよいが、1~5時間、乾燥を行うことが好ましい。1時間未満になると、時間が短すぎて水分が除去され難くなるため、好ましくない。その一方で、5時間を超えても、特に問題無いが、製造コストや効率を考慮するなら、あまり好ましくない。
更に、乾燥に使用する乾燥機についても、特に限定されるものではなく、静置式や、流動式、気流式のいずれの乾燥機も用いることができ、加熱方式については、乾燥雰囲気下の炭素ガスが増加しない、電気加熱方式が好ましい。
2.リチウムイオン二次電池用正極活物質中間物の製造方法
<酸化焙焼物の製造工程>
[酸化焙焼工程]
この酸化焙焼工程では、乾燥工程によって得た乾燥物を、大気雰囲気下により酸化焙焼し、酸化焙焼物(中間物)を得る。
その酸化焙焼の温度は、800~1000℃が好ましく、800~900℃がより好ましい。800℃未満になると、粒子強度が不十分となる恐れがあるため、好ましくない。一方、1000℃を超えると、酸化焙焼物の粒子間で焼結が生じ、粒子が粗大化する場合があるため、好ましくない。
また、酸化焙焼の時間は、1~5時間が好ましい。1時間未満になると、粒子強度が不十分となる恐れがあるため、好ましくない。一方、5時間を超えても、特に問題無いが、製造コストや効率を考慮するなら、あまり好ましくない。
この酸化焙焼工程では、水分を完全に除去しつつ、粒子強度を更に高めるため、酸化焙焼に際して仮焼工程を加え、まず、400~550℃で1~3時間、仮焼することが好ましい。また、仮焼の温度は、450~500℃とすることがより好ましい。400℃未満、及び550℃を超えると、上記の効果を得難くなるため、好ましくない。
なお、仮焼の時間は、1~3時間が好ましい。1時間未満になると、上記の効果を得難くなるため、好ましくない。一方で、3時間を超えても、特に問題無いが、製造コストや効率を考慮するなら、あまり好ましくない。
更に、酸化焙焼工程で使用する高温加熱炉は、特に限定されるものではなく、大気雰囲気下で加熱可能であればよいが、ガスが発生する心配の無い電気炉が好ましく、バッチ式か、若しくは連続式の炉が用いられる。
3.リチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法
<リチウム金属複合酸化物の製造工程>
[リチウム化合物]
リチウムの原料となるリチウム化合物は、最大粒径が10μm以下であるのが好ましく、平均粒径が5μm以下であるのが好ましい。
また、リチウム化合物の種類は、特に制限されないが、炭酸リチウム(LiCO:融点723℃)や、水酸化リチウム(LiOH:融点462℃)のほか、硝酸リチウム(LiNO:融点261℃)や、塩化リチウム(LiCl:融点613℃)、硫酸リチウム(LiSO:融点859℃)などが用いることが出来る。特に、取り扱いの容易さや品質安定性を考慮すると、水酸化リチウム又は炭酸リチウムを用いることが好ましい。
[混合工程]
この混合工程は、酸化焙焼工程後の酸化焙焼物とリチウム化合物とを混合し、リチウム混合物を得る工程である。
この混合工程では、酸化焙焼物とリチウム化合物は、後工程で得られる、リチウム金属複合酸化物中の遷移金属元素及び典型金属元素の原子数の和とリチウムの原子数との比が、0.95~1.30の範囲内で所定比率となる様に混合する。この比が0.95より小さい場合には、リチウムサイトである3aサイトにリチウム原子が取り込まれないため、製造されたリチウム金属複合酸化物を、正極活物質として電池に組み込んだ際に、目標とする電池特性が得られない。
ここで、サイトとは、結晶学的に等価な格子位置のことを言うもので、その格子位置に、ある原子が存在する場合は、「サイトが占有される」と言い、そのサイトは「占有サイト」と呼ばれる。例えば、LiCoOには、3つの占有サイトが存在し、それぞれリチウムサイト、コバルトサイト、酸素サイトと呼ばれ、或いは、3aサイト、3bサイト、6cサイトなどとも呼ばれる。
また、上記の比が1.30より大きいと焼結が促進され、粒径や結晶子径が大きくなり過ぎ、サイクル特性の悪化を招く。
[焼成工程]
この焼成工程では、混合工程後のリチウム混合物を、大気雰囲気下又は酸化性雰囲気下で行われる焼成工程に供され、焼成されて焼成物となる。
焼成の温度は、800~1000℃が好ましく、900~1000℃がより好ましい。800℃未満になると、反応性が低下して、得られた焼成物において、未反応の余剰リチウムの増加や、結晶構造が十分に整わず結晶性悪化などが起こる。このため、後工程で得られる正極活物質自体から、必要なリチウムが溶出し易くなったりするため、満足出来る電池特性が得られない。一方で、焼成温度が1000℃より高くなると、リチウム金属複合酸化物の粒子間で激しく焼結が起こり、異常な粒子成長を生じる可能性がある。
また、焼成時間は、1~20時間とすることが好ましく、より好ましくは10~15時間である。1時間未満になると、焼成物の生成が十分に行われないことがあり、好ましくない。一方、20時間を超えても、特に問題無いが、製造コストや効率を考慮するなら、あまり好ましくない。
なお、上記のリチウム混合物は、焼成を行う前に仮焼工程に供せられ、まず、400~550℃で1~3時間、仮焼することが好ましく、450~500℃とすることがより好ましい。
仮焼工程を経ることで、焼成工程の焼成反応がより穏やかに進み、得られた焼成物の粒子強度を保つと共に、未反応の余剰リチウムの低減や、結晶性向上に繋がる。
400℃未満及び550℃を超えると、上記の効果を得難くなるため、好ましくない。なお、仮焼の時間は、1~3時間が好ましい。1時間未満になると、上記の効果を得難くなるため、好ましくない。一方で、3時間を超えても、特に問題無いが、製造コストや効率を考慮するなら、あまり好ましくない。
更に、仮焼及び焼成の雰囲気は、大気雰囲気下のほか、酸化性雰囲気下としてもよく、酸素濃度が18~100容量%の雰囲気下とするのが好ましい。
[表面処理工程]
この表面処理工程では、焼成工程で得た焼成物を、重量比で0.5~1.0の水に投入し、スラリー化して水洗後、濾過、乾燥することで、リチウム金属複合酸化物(正極活物質)を得る。つまり、焼成物の表面に存在する余剰リチウム(水酸化リチウム及び炭酸リチウム)を水洗し、除去することで、電池容量に影響を及ぼすタップ密度が向上するほか、正極作製時のペーストのゲル化を抑制することにも繋がる。
水が重量比で0.5(投入量の半分)未満であると、スラリーの粘度が高過ぎて、均一撹拌が難しくなる。その一方、水が重量比で1.0(投入量と等量)を超えると、焼成物自体から過剰にリチウムが溶出して、正極活物質の性能が悪化してしまうことがある。また、撹拌の時間は、前記スラリーを0.5~1時間、撹拌することが好ましい。0.5時間より短いと、撹拌が均一にならないことがあり、1時間を超えても、余剰リチウムの除去率は、ある程度で飽和するため、時間を無駄に費やすことになる。
4.1~3に関する評価
<試料の分析方法>
[組成]
組成に関する分析方法は、特に限定されないが、例えば、酸分解-ICP(誘導結合プラズマ)発光分光分析法などによる化学分析法から求めることが出来る。
[平均粒径MV]
平均粒径MVに関する分析方法は、レーザー回折・散乱法を用いて測定した、体積基準分布(平均値)から求めることが出来る。
[Fsss(Fisher-Sub-Sieve-Sizer)平均粒径]
Fsss平均粒径に関する分析方法は、フィッシャー空気透過法を用いて測定した、粒子充填層全域による圧力損失から求めることが出来る。
[BET比表面積]
BET比表面積に関する分析方法は、BET式による窒素ガス吸着・脱離法を用いて測定した、窒素ガス吸着量から求めることが出来る。
[ブレーン比表面積]
ブレーン比表面積に関する分析方法は、ブレーン空気透過法を用いて測定した、粒子充填層を透過する空気量、時間、圧力差から求めることが出来る。
[MV/Fsss]
MV/Fsssは、上記の平均粒径MV及びFsss平均粒径から求めることができ、0.60~1.80が好ましく、0.70~1.70がより好ましい。
[BET/ブレーン]
BET/ブレーンは、上記のBET比表面積及びブレーン比表面積から求めることができ、0.60~1.70が好ましく、0.70~1.50がより好ましい。
[微細粒子含有量]
1μm以下の微細粒子含有量に関する分析方法は、レーザー回折・散乱法を用いて測定した、体積基準分布(累積値)から求めることが出来る。なお、1μm以下の微細粒子含有量は、0.15質量%未満であることが好ましく、0.10質量%未満であることがより好ましい。
[タップ密度]
タップ密度に関する分析方法は、JIS-Z-2504に基づいた振とう比重測定器を用いて測定した、嵩密度から求めることが出来る。なお、タップ密度は、1.50~3.00g/cmが好ましく、1.60~2.90g/cmがより好ましい。
以下の通り、実施例及び比較例をそれぞれ挙げ、本発明について、より詳細に説明するが、本発明は、記載した実施例の内容に、何ら限定されるものではない。
以下、実施例を用いて本発明を更に説明する。
[乾燥物(前駆体)の製造]
<晶析工程>
まず、遠心式撹拌機、オーバーフローパイプ、不活性ガス供給ノズルなどを備えた、ステンレス製の円筒型34L反応槽に水を30L供給した後、pH(25℃基準)が13.5となるまで水酸化ナトリウム溶液(25質量%)を加え、反応槽内の温度を40℃に保持し、一定速度で撹拌することにより、反応溶液を作製した。撹拌には、遠心式撹拌機であるC-Mix(シーミックス)DAH005A(株式会社アクアテックス製)を用いた。それと同時に、反応槽内に窒素ガスを導入し、気相部を酸素濃度が1.0容量%以下の非酸化性雰囲気に制御した。
次に、硫酸ニッケル六水和物、硫酸マンガン一水和物、硫酸コバルト七水和物を、ニッケル、マンガン、コバルトのモル比が、Ni:Mn:Co=35:30:35で、ニッケル、マンガン、コバルトの濃度が、合計2mol/Lとなる様に、水に溶解して原料溶液を作製した。この原料溶液を、上記反応溶液に0.3L/分で加え、それと共にアンモニア水(25質量%)及び水酸化ナトリウム溶液(25質量%)溶液も、反応溶液に一定速度で加えて、反応溶液中のアンモニウムイオン(NH )濃度を10g/Lに保持した状態で、pH(25℃基準)を13.5に制御した。
また、反応溶液のpH(25℃基準)及びアンモニウムイオン(NH )濃度は、予め反応槽に設置したpH/アンモニア測定キット(pH計及びアンモニウムイオンメーターの複合機)である、Orion-Star-A214(サーモフィッシャーサイエンティフィック株式会社製)により、それぞれ測定した。
反応が安定し、反応槽内が定常状態となった時点から、この条件で、晶析処理を4時間行い、4時間経過後、反応槽のオーバーフローパイプから連続的に採取した水酸化物(乾燥状態で、約8.3kg)について、組成を評価したところ、一般式:Ni0.35Mn0.30Co0.35(OH)で表される、ニッケルマンガンコバルト複合水酸化物が得られていることを確認した。なお、組成の評価は、得られた水酸化物を乾燥試料とした後、後述の分析方法に従って実施した。
<濾過工程>
上記の水酸化物に対して、フィルタープレス濾過機であるTK-408(住友金属鉱山エンジニアリング株式会社製)を用いた固液分離操作を行った。
固液分離操作の後、水酸化ナトリウム溶液(0.1mol/L)を洗浄液として、その50Lをフィルタープレス濾過機に通液することで不純物を除去し、その後、更に洗浄液の2倍量のイオン交換水を通液し、水洗することで含水澱物を得た。
<乾燥工程>
濾過工程で得た含水澱物を、200℃で5時間乾燥して乾燥物(前駆体)を得た。
[酸化焙焼物(中間物)の製造]
<酸化焙焼工程>
乾燥工程で得た乾燥物を、まず、400℃で1時間仮焼し、その後、800℃で1時間酸化焙焼することで、一般式:Ni0.35Mn0.30Co0.35Oで表される、酸化焙焼物(中間物)を得た。なお、酸化焙焼物の組成の評価は、後述の分析方法に従って実施した。
[リチウム金属複合酸化物(正極活物質)の製造]
<混合工程>
酸化焙焼工程で得た酸化焙焼物と、リチウム化合物である水酸化リチウムとを混合し、リチウム混合物を得た。ここで、リチウム化合物は、酸化焙焼物に対して、Li/Me=1.01となる様に秤量し、混合には、シェーカミキサ装置であるTURBULA-TypeT2C(ウィリー・エ・バッコーフェン(WAB)社製)を用いた。
<焼成工程>
混合工程で得たリチウム混合物を、まず、550℃で3時間仮焼し、その後、1000℃で20時間焼成することで、焼成物を作製した。
<表面処理工程>
焼成工程で得た焼成物に、重量比で0.8の水を加えスラリー化し、撹拌することで水洗した後、濾過及び乾燥を行い、一般式:Li1.01Ni0.35Mn0.30Co0.35で表される、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物(正極活物質)を得た。なお、リチウムニッケルマンガンコバルト複合酸化物の組成、平均粒径MV、Fsss平均粒径、BET比表面積、ブレーン比表面積、タップ密度の評価は、後述の分析方法に従って実施した。
[各工程での評価]
<分析方法>
各工程で採取した試料の分析方法は、以下の通りである。
(1)組成
組成は、試料を酸分解-ICP法により分析し、試料を無機酸で加熱分解処理することで分析検体液が得られ、これをマルチ型ICP発光分光分析装置であるICPE-9000(株式会社島津製作所製)を用いて測定した。
(2)平均粒径MV
平均粒径MVは、試料をレーザー回折・散乱法により分析し、体積基準分布(平均値)から求めた。なお、測定には、レーザー回折・散乱方式で、かつ、超音波発生器内臓型の粒度分布測定装置であるマイクロトラックMT3300EX-2(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いた。
(3)Fsss平均粒径
Fsss平均粒径は、試料をフィッシャー空気透過法により分析し、粒子充填層全域による圧力損失から求めた。なお、測定には、全自動乾式粒子径測定装置であるSubsieve-Auto-Sizer(SAS)(マイクロメリティックスジャパン合同会社製)を用いた。
(4)BET比表面積
BET比表面積は、試料をBET式による窒素ガス吸着・脱離法により分析し、窒素ガス吸着量から求めた。なお、測定には、流動方式で、かつ、窒素ガス吸着法の比表面積測定装置であるマックソーブ1200シリーズ(株式会社マウンテック製)を用いた。
(5)ブレーン比表面積
ブレーン比表面積は、試料をブレーン空気透過法により分析し、粒子充填層を透過する空気量、時間、圧力差から求めた。なお、測定には、ブレーン空気透過装置・粉末度測定器(筒井理化学器械株式会社製)を用いた。
(6)MV/Fsss
MV/Fsssは、上記の平均粒径MV及びFsss平均粒径から求めた。
(7)BET/ブレーン
BET/ブレーンは、上記のBET比表面積及びブレーン比表面積から求めた。
(8)微細粒子含有量
1μm以下の微細粒子の含有量は、試料をレーザー回折・散乱法により分析し、体積基準分布(累積値)から求めた。なお、測定には、レーザー回折・散乱方式で、かつ、超音波発生器内臓型の粒度分布測定装置であるマイクロトラックMT3300EX-2(マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いた。
(9)タップ密度
タップ密度は、試料をJIS-Z-2504に基づいた振とう比重測定器により分析し、試料を20mlメスシリンダーに充填後、このメスシリンダーについて、高さ2cmからの自由落下を500回繰り返す方法で、密に充填させてから測定した。なお、測定には、振とう比重測定器であるKRS-409(株式会社蔵持科学器械製作所製)を用いた。
以下の条件以外は、実施例1と同様の手順を行った。
<晶析工程>
反応槽内の温度を45℃、pH(25℃基準)を13.0に制御した。
<乾燥工程>
濾過工程で得た含水澱物を、200℃で3時間乾燥した。
<酸化焙焼工程>
乾燥工程で得た乾燥物を、まず、400℃で3時間仮焼し、その後、800℃で3時間酸化焙焼した。
<焼成工程>
混合工程で得たリチウム混合物を、まず、550℃で2時間仮焼し、その後、1000℃で15時間焼成した。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
以下の条件以外は、実施例1と同様の手順を行った。
<晶析工程>
反応槽内の温度を50℃、pH(25℃基準)を12.5に制御した。
<乾燥工程>
濾過工程で得た含水澱物を、150℃で5時間乾燥した。
<酸化焙焼工程>
乾燥工程で得た乾燥物を、まず、500℃で3時間仮焼し、その後、900℃で3時間酸化焙焼した。
<焼成工程>
混合工程で得たリチウム混合物を、まず、500℃で2時間仮焼し、その後、900℃で10時間焼成した。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
下記の条件以外は、実施例1と同様の手順を行った。
<晶析工程>
反応槽内の温度を55℃、pH(25℃基準)を12.0に制御した。
<乾燥工程>
濾過工程で得た含水澱物を、100℃で3時間乾燥した。
<酸化焙焼工程>
乾燥工程で得た乾燥物を、まず、550℃で1時間仮焼し、その後、1000℃で3時間酸化焙焼した。
<焼成工程>
混合工程で得たリチウム混合物を、まず、400℃で3時間仮焼し、その後、800℃で5時間焼成した。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
下記の条件以外は、実施例1と同様の手順を行った。
<晶析工程>
反応槽内の温度を60℃、pH(25℃基準)を11.0に制御した。
<乾燥工程>
濾過工程で得た含水澱物を、100℃で3時間乾燥した。
<酸化焙焼工程>
乾燥工程で得た乾燥物を、まず、550℃で1時間仮焼し、その後、1000℃で3時間酸化焙焼した。
<焼成工程>
混合工程で得たリチウム混合物を、まず、400℃で3時間仮焼し、その後、800℃で5時間焼成した。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
下記の条件以外は、実施例1と同様の手順を行った。
<晶析工程>
反応槽内の温度を60℃、pH(25℃基準)を10.5に制御した。
<乾燥工程>
濾過工程で得た含水澱物を、100℃で3時間乾燥した。
<酸化焙焼工程>
乾燥工程で得た乾燥物を、まず、550℃で1時間仮焼し、その後、1000℃で3時間酸化焙焼した。
<焼成工程>
混合工程で得たリチウム混合物を、まず、400℃で3時間仮焼し、その後、800℃で5時間焼成した。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
[比較例1]
以下の条件以外は、実施例2と同様の手順を行った。
<晶析工程>
撹拌には、羽根式撹拌機であるポータブルミキサーA720(佐竹化学機械工業株式会社製)を用いた。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
[比較例2]
下記の条件以外は、実施例4と同様の手順を行った。
<晶析工程>
撹拌には、上記の羽根式撹拌機を用いた。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
[比較例3]
下記の条件以外は、実施例5と同様の手順を行った。
<晶析工程>
撹拌には、上記の羽根式撹拌機を用いた。
また、各工程において採取した試料の分析結果は、表1に記載の通りであった。
Figure 0007285418000001
(評価)
表1に示した通り、実施例1~6では、レーザー回折散乱法による平均粒径MVと、フィッシャー空気透過法によるFsss平均粒径の比であるMV/Fsssが、0.60~1.80であり、ガス吸着法によるBET比表面積と、ブレーン空気透過法によるブレーン比表面積の比であるBET/ブレーンが、0.60~1.60であり、どちらも最適な範囲であった。また、1μm以下の微細粒子含有量が、0.15質量%未満であり、タップ密度が1.50~3.00g/cmであった。これらの評価結果から、実施例1~6では、特性が非常に安定したリチウム金属複合酸化物粒子が得られていることが分かった。
これに対して、比較例1~3では、上記のMV/Fsss及びBET/ブレーンが、どちらも最適な範囲から外れており、かつ、1μm以下の微細粒子が、0.15質量%以上含まれていたことから、実施例1~6の様に、特性が安定したリチウム金属複合酸化物粒子は得られなかった。




























Claims (4)

  1. レーザー回折散乱法による平均粒径MVと、フィッシャー空気透過法によるFsss平均粒径の比であるMV/Fsssが、0.60~1.80であり、ガス吸着法によるBET比表面積と、ブレーン空気透過法によるブレーン比表面積の比であるBET/ブレーンが、0.60~1.60であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  2. 1μm以下の微細粒子含有量が、0.15質量%未満であり、タップ密度が、1.50~3.00g/cmであることを特徴とする請求項1に記載のリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  3. 一般式:LiNi1-x-yCo2+α
    (式中、s、x、y及びαは、それぞれ0.95≦s≦1.30、0.05≦x≦0.35、0≦y≦0.45及び0≦α≦0.2を満たす数、Mは、Mn、Al、W、Mo、Nbからなる群より選ばれた、少なくとも1種の金属元素を示す)で表されることを特徴とする請求項1又は2にリチウムイオン二次電池用正極活物質。
  4. 遷移金属元素を含む溶液、典型金属元素を含む溶液、遷移金属及び典型金属元素を含む溶液のいずれかの溶液と、アルカリと、アンモニウムイオンを混合して金属複合水酸化物を含むスラリーを得る晶析工程を有し、前記混合には遠心式撹拌機を用いることを特徴とするリチウムイオン二次電池用正極活物質の製造方法。

















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