JP6686493B2 - ニッケル−マンガン−チタン系複合組成物及びその製造方法、並びにその用途 - Google Patents
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Description
得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物の組成分析は誘導結合プラズマ発光分析法(ICP法)により行った。すなわち、得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物と硫酸とをオートクレーブに入れ加圧酸分解することにより、測定溶液を調製した。一般的な誘導結合プラズマ発光分析装置(商品名:OPTIMA3000DV、PERKIN ELMER製)を用い、得られた測定溶液を測定することで、得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物の組成を分析した。
ニッケル、マンガンなどの金属の平均原子価をヨードメトリーにより測定した。得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物0.3gとヨウ化カリウム3.0gを7N−塩酸溶液50mlに溶解させた後、1N−NaOH溶液200mlを添加し、中和した。中和した試料液に対して、0.1N−チオ硫酸ナトリウム水溶液を滴下し、滴下量から平均原子価を計算した。なお、指示薬にはでんぷん溶液を用いた。
一般的なX線回折装置(商品名:MXP−3、マックサイエンス社製)を使用し、試料の粉末X線回折測定を行った。線源にはCuKα線(λ=1.5405Å)を用い、測定モードはステップスキャン、スキャン条件は毎秒0.04°、計測時間は3秒、及び、測定範囲は2θとして5°から100°の範囲で測定した。
上記の条件のXRD測定で得られたXRDパターンにおいて、2θ=19.0±0.5°にシャープなピークを有し、36.9±1.5°、48.0±3.5°、62.0±5.0°、65.0±5.0°にブロードなXRDピークを有することをもって、水酸化カドミウム構造とみなした。最低角以外のピーク形状がブロードであるのは積層欠陥の影響である。また、二酸化チタンについては、XRDパターンにおいて2θ=27.0±2.0°にシャープなメインピークを有する。
得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物0.5gを0.1Nアンモニア水50mL中に投入し、10秒間超音波照射して分散スラリーとした。当該分散スラリーを粒度分布測定装置(商品名:マイクロトラックHRA、HONEWELL製)に投入し、レーザー回折法で体積分布の測定を行なった。得られた体積分布から粒度分布及び平均粒子径(μm)を求めた。
得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物2gを10mLのガラス製メスシリンダーに充填し、これを200回タッピングした。重量およびタッピング後の体積から、タップ密度(g/cm3)を算出した。
流動式比表面積自動測定装置(商品名:フローソーブ3−2305、Micrometrics社製)を用い、得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物1.0gを窒素気流中150℃、1時間前処理した後、BET1点法にて吸脱着面積を測定した後、重量で除することで比表面積(m2/g)を求めた。
得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物を樹脂包埋した後、イオンミリングにより切断し、粒子断面のSEM観察とEDSによる元素マッピングを行った。SEM観察は、走査電子顕微鏡(商品名:JSM−7600F、日本電子製)、EDSは、EDS検出器(商品名:NSS312E、サーモフィッシャーサイエンティフィック製)を用いた。
リチウム−ニッケル−マンガン−チタン系複合酸化物の正極としての電池特性試験を行った。
硫酸ニッケル、硫酸マンガン、硫酸アルミニウムを純水に溶解し、Ni:Mn:Alモル比=0.505:1.474:0.021の金属塩水溶液とした(金属塩水溶液中の全金属の合計濃度は2.0mol/Lであった)。
原料液の1つに0.25mol/Lのグリシン溶液を追加し、0.35g/minで添加したこと以外は実施例2と同様な方法でスラリーを得た。得られたスラリーをろ過、洗浄した後、乾燥することでニッケル−マンガン−チタン系複合組成物を得た。
実施例1で得られたニッケル−マンガン−チタン−アルミニウム系複合組成物と炭酸リチウムとを混合し、空気流中、900℃で10時間焼成した後、700℃で48時間焼成することにより、リチウム‐ニッケル−マンガン−チタン−アルミニウム系複合酸化物を合成した。化学組成分析の結果から、組成式はLi1.00Ni0.48Mn1.44Ti0.06Al0.02O4と表すことができた。また、XRDパターンからは、全ての回折ピークは立方晶スピネル構造に帰属可能であり、微小な超格子ピークも確認された。さらに、Rietveld法で構造精密化し、格子定数を求めたところ8.180Å(空間群Fd3−m)となった。
実施例2で得られたニッケル−マンガン−チタン系複合組成物と炭酸リチウムとを混合し、空気流中、900℃で10時間焼成した後、700℃で48時間焼成することにより、リチウム‐ニッケル−マンガン−チタン系複合酸化物を合成した。化学組成分析の結果から、組成式はLi1.00Ni0.50Mn1.41Ti0.09O4と表すことができた。また、XRDパターンからは、全ての回折ピークは立方晶スピネル構造に帰属可能であり、微小な超格子ピークも確認された。さらに、Rietveld法で構造精密化し、格子定数を求めたところ8.187Å(空間群Fd3−m)となった。
硫酸ニッケル、硫酸マンガンを純水に溶解し、Ni:Mnモル比=0.521:1.479の金属塩水溶液とした(金属塩水溶液中の全金属の合計濃度は2.0mol/L)。
Claims (11)
- 化学組成式がNi(0.25+α)−xM1xMn(0.75−α)−yM2yOOH(但し、M1及びM2はそれぞれMg、Al、Ti、V、Cr、Fe、Co、Cu、Zn及びZrから選ばれる1種を表し、0≦x≦0.1、0≦y≦0.25であり、−0.025≦α≦0.025である)で表され、結晶構造が水酸化カドミウム型構造であるニッケル−マンガン系複合オキシ水酸化物と、酸化チタンと、界面活性剤を含むことを特徴とするニッケル−マンガン−チタン系複合組成物。
- Ni、Mn、M1及びM2の平均原子価が2.8〜3.1であることを特徴とする請求項1に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物。
- 平均粒子径が5〜20μmであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物。
- 酸化チタンの一次粒径が1μm未満であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかの項に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物。
- 界面活性剤がポリカルボン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項1に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物。
- ニッケル及びマンガンを含む金属塩水溶液、酸化チタン、苛性ソーダ水溶液及び酸化剤として有酸素ガス又は過酸化水素水をpH8〜10で混合するものであり、酸化チタンが界面活性剤を含む酸化チタン懸濁液であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物の製造方法。
- 界面活性剤がポリカルボン酸アンモニウムであることを特徴とする請求項6に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物の製造方法。
- さらに錯化剤を添加することを特徴とする請求項6又は請求項7に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物の製造方法。
- 錯化剤がアンモニア、アンモニウム塩及びアミノ酸から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項8に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物の製造方法。
- 請求項1〜請求項5のいずれかの項に記載のニッケル−マンガン−チタン系複合組成物とリチウム化合物を混合し、熱処理することを特徴とするリチウム−ニッケル−マンガン−チタン系複合酸化物の製造方法。
- 請求項10に記載のリチウム−ニッケル−マンガン−チタン系複合酸化物の製造方法で得られたリチウム−ニッケル−マンガン−チタン系複合酸化物を正極活物質として用いることを特徴とするリチウム二次電池の製造方法。
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