JP7283431B2 - エアバッグ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、車両に対し車幅方向における側方から衝撃が加わった場合、又は衝撃が加わることが予測される場合に、車室内でエアバッグを展開及び膨張させて乗員を衝撃から保護するエアバッグ装置に関する。
側突等により、車両に対し、車幅方向における側方から衝撃が加わった場合、又は衝撃が加わることが予測される場合に、車両用シートに着座している乗員を保護する装置として、ガス発生器と、ガス発生器で発生された膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグとを備えるエアバッグ装置が広く知られている。
このエアバッグ装置の一形態として、例えば、特許文献1に記載されたものでは、エアバッグがガス発生器(インフレータ)とともに、前席(フロントシート)と後席(リヤシート)との間の側方において、車体の床と天井とを繋ぐセンターピラー部に取付けられている。
そして、車両に対し、側突等により側方から衝撃が加わると、又は衝撃が加わることが予測されると、ガス発生器で膨張用ガスが発生されてエアバッグに供給される。エアバッグは、サイドドアと、前席に着座した乗員との間で、センターピラー部から前方へ向けて展開及び膨張し、衝突の衝撃から乗員を保護する。
なお、特許文献1に関する記載中、部材名称に続くかっこ内の名称は、同特許文献1で使用されている部材名称である。
特開平5-38993号公報
ところが、上記特許文献1に記載されたエアバッグ装置では、車両用シートの前後方向の位置が調整された場合にも、エアバッグを乗員の側方で展開及び膨張させようとすると、エアバッグとして、前後方向に長いものが用いられる。しかも、エアバッグは、後端部においてセンターピラー部に取付けられる。さらに、エアバッグに対しては、その後端部から膨張用ガスが供給される。そのため、エアバッグは、センターピラー部に取付けられた後端部を支点として揺動しながら展開及び膨張する。この揺動により、エアバッグが、予め定められた展開領域から外れると、乗員を衝撃から的確に保護することが難しいという問題がある。
本発明は、このような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、エアバッグの揺動を抑制して乗員を衝撃から的確に保護することのできるエアバッグ装置を提供することにある。
上記課題を解決するエアバッグ装置は、車幅方向における車両用シートの側方に側壁部を有するとともに、前記車両用シートの上方に、前記側壁部に繋がった状態の天井部を有し、さらに、前記側壁部がピラー部を備える車両に適用されるエアバッグ装置であり、膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグと、前記エアバッグの展開及び膨張に伴い緊張状態になるテザーとを備え、前記エアバッグは、車両前後方向における一方の端部に設定された取付部において前記ピラー部に取付けられ、車両前後方向のうち前記取付部と同じ側の端部から供給される前記膨張用ガスにより、前記取付部を起点として、車両前後方向のうち前記取付部から遠ざかる側へ展開及び膨張するものであり、前記テザーは、前記エアバッグ及び前記ピラー部の間に架け渡されている。
上記の構成によれば、膨張用ガスがエアバッグに対し、車両前後方向のうち取付部と同じ側の端部から供給されると、そのエアバッグは、取付部を起点として、車両前後方向のうち取付部から遠ざかる側へ展開及び膨張する。この展開及び膨張の際、エアバッグは取付部を支点として揺動しようとする。しかし、ピラー部及びエアバッグの間に架け渡されたテザーが、展開及び膨張するエアバッグによって引っ張られる。テザーは、ピラー部とエアバッグとの間で緊張状態となって、エアバッグの上記揺動を規制する。その結果、エアバッグを、予め定められた展開領域で展開及び膨張させることが可能となり、テザーが用いられていない場合よりも、乗員を衝撃から保護する性能が向上する。
上記エアバッグ装置において、前記エアバッグは、前記車両用シートと前記側壁部との間で展開及び膨張するものであることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグの展開及び膨張は、車両用シートと側壁部とによって、車幅方向の揺動を規制された状態でなされる。
上記エアバッグ装置において、前記テザーは、前記エアバッグよりも車内側に配置される車内側テザーと、同エアバッグよりも車外側に配置される車外側テザーとを備えることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグが展開及び膨張すると、そのエアバッグよりも車内側の車内側テザーと車外側の車外側テザーとが、ともにエアバッグによって引っ張られる。車内側テザー及び車外側テザーは、ともにピラー部とエアバッグとの間で緊張状態となって、エアバッグの上記揺動を規制する。テザーによる揺動規制が、エアバッグよりも車内側と車外側の両側で行なわれるため、片側のみで行なわれる場合に比べ、より一層エアバッグの揺動、特に車幅方向の揺動が抑制される。
上記エアバッグ装置において、前記車外側テザーは前記車内側テザーよりも短く設定されていることが好ましい。
上記の構成によれば、エアバッグが展開及び膨張すると、車内側テザー及び車外側テザーがともにエアバッグによって引っ張られるところ、車外側テザーの方が車内側テザーよりも短いため、同車内側テザーよりも早期に緊張状態になる。従って、エアバッグの展開及び膨張の初期に、緊張状態の車外側テザーによってエアバッグを側壁部側へ向かわせることが可能となる。その結果、車両用シート及び側壁部の間の空間が狭くても、エアバッグを展開及び膨張させることが可能となる。
上記課題を解決するエアバッグ装置は、車幅方向における車両用シートの側方に側壁部を有するとともに、前記車両用シートの上方に、前記側壁部に繋がった状態の天井部を有し、さらに、前記側壁部がピラー部を備える車両に適用されるエアバッグ装置であり、膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグを備え、前記エアバッグは、車両前後方向における一方の端部に設定された取付部において、前記ピラー部及び前記天井部のうち少なくとも前記ピラー部に取付けられ、車両前後方向のうち前記取付部と同じ側の端部から供給される前記膨張用ガスにより、前記取付部を起点として、車両前後方向のうち前記取付部から遠ざかる側へ展開及び膨張するものであり、前記エアバッグは、前記車両用シート及び前記天井部の間で展開及び膨張する上部膨張部と、前記車両用シート及び前記側壁部の間で展開及び膨張する側部膨張部とを備え、前記上部膨張部及び前記側部膨張部は、前記天井部と前記側壁部との境界部分の車内側で互いに繋がっていることが好ましい。
上記の構成によれば、膨張用ガスがエアバッグに対し、車両前後方向のうち取付部と同じ側の端部から供給されると、そのエアバッグは、取付部を起点として、車両前後方向のうち上記取付部から遠ざかる側へ展開及び膨張する。この展開及び膨張の際、エアバッグは取付部を支点として揺動しようとする。しかし、エアバッグにおける上部膨張部及び側部膨張部が、天井部と側壁部との境界部分の車内側で互いに繋がっている。上部膨張部が車両用シート及び天井部の間で展開及び膨張し、側部膨張部が車両用シート及び側壁部の間で展開及び膨張する。上部膨張部は、側部膨張部が上下方向へ揺動するのを規制し、側部膨張部は上部膨張部が車幅方向へ揺動するのを規制する。その結果、エアバッグを、予め定められた展開領域で展開及び膨張させて、乗員を衝撃から的確に保護することが可能となる。
上記エアバッグ装置において、前記上部膨張部は、前記車両用シートに着座した乗員の頭部と前記天井部との間で展開及び膨張するものであることが好ましい。
上記の構成によれば、上部膨張部は、天井部と車両用シートとの間のうち、同天井部と乗員の頭部との間といった上下方向に狭い空間で展開及び膨張する。上部膨張部は、天井部と乗員の頭部とによって上下方向の揺動を一層規制される。従って、上部膨張部に繋がった側部膨張部の上下方向の揺動もまた、同上部膨張部によってより効果的に規制される。
上記エアバッグ装置において、前記車両は、前記ピラー部を備える側壁部と、前記天井部とを有し、かつ前端部を支点として傾動することにより車室を開閉するキャノピードアを備え、前記エアバッグは前記キャノピードアに収容された状態で取付けられることが好ましい。
前端部を支点として傾動することにより車室を開閉するキャノピードアを備える車両の場合、エアバッグ等、他の部品を配置し得る余剰のスペースが少ない。ピラー部は、他の部品を配置し得る余剰のスペースを少ないながらも、側壁部の他の箇所よりも多く有している。そのため、上記の構成によるように、エアバッグをピラー部に取付けたり、ピラー部及び天井部のうち少なくともピラー部に取付けたりすることで、エアバッグをキャノピードアに取付けることが可能である。
上記エアバッグ装置によれば、エアバッグの揺動を抑制して乗員を衝撃から的確に保護することができる。
第1実施形態におけるキャノピードアを示す部分斜視図。 第1実施形態におけるエアバッグ装置の概略構成を説明する部分正面図。 第1実施形態におけるエアバッグを車両用シート及び乗員とともに示す部分側面図。 図5のエアバッグが膨張したときの4-4線に沿った概略断面図。 第1実施形態における非膨張展開状態のエアバッグを車内側テザーとともに示す側面図。 図4の6-6線に沿った断面図。 図5のエアバッグが膨張したときの7-7線に沿った部分概略断面図。 第2実施形態のエアバッグ装置を示す図であり、展開及び膨張したエアバッグと、車内側テザー及び車外側テザーとの位置関係を説明する部分平面図。 第2実施形態を示す図であり、第1実施形態における図7に対応する部分概略断面図。 第3実施形態を示す図であり、第1実施形態における図2に対応する部分正面図。 図5に対応する図であり、車内側テザーの配置態様の変形例を示す側面図。 同じく、図5に対応する図であり、車内側テザーの配置態様の変形例を示す側面図。
(第1実施形態)
以下、エアバッグ装置の第1実施形態について、図1~図7を参照して説明する。
なお、以下の記載においては、車両の前進方向を前方として説明し、車両の後進方向を後方として説明する。また、上下方向は車両の上下方向を意味し、左右方向は車幅方向であって車両の前進時の左右方向と一致するものとする。また、車両の車幅方向における中央部を基準とし、その中央部に近づく側を「車内側」とし、中央部から遠ざかる側を「車外側」とする。また、車両用シートには、衝突試験用のダミーと同様の体格を有する乗員が、予め定められた適正な姿勢で着座しているものとする。
図1~図3に示すように、第1実施形態の車両10では、車室11を開閉するドアとして、キャノピードア12と呼ばれる特殊な構造を有するものが用いられている。キャノピードア12は、その下部を構成する基部13と、基部13上に固定されたフロントウインドウ14とを備えている。車幅方向における基部13の両側部には、同側部の他の箇所よりも車外側へ多く突出する突出部15が形成されている。基部13は、その前端部に設けられた図示しないヒンジ部により、車体に対し上下方向へ傾動可能に支持されている。なお、図1では、基部13の前端部が破断された状態で図示されている。
キャノピードア12は、車幅方向に対称な形状をなす一対のスイングドア部16を備えている。各スイングドア部16は、上部を構成する天井部17と、側部を構成し、かつ天井部17に対し一体に形成された側壁部18とを備えている。側壁部18には、サイドウインドウ19が含まれている。キャノピードア12は、その上端部であって車幅方向における中央部分に、前後方向へ延びる図示しない中央フレーム部を備えている。各スイングドア部16は、天井部17の車内側の端部に設けられた図示しないヒンジ部により、上記中央フレーム部に対し、上下方向へ傾動可能に支持されている。
各スイングドア部16における側壁部18の後端部は、略上下方向へ延びるピラー部21によって構成されている。ピラー部21は、側壁部18の他の箇所よりも高い強度を有している。また、ピラー部21は、側壁部18の他の箇所よりも大きな厚みを有していて、他の部品を配置し得る余剰のスペースを、少ないながらも、同他の箇所よりは多く有している。ピラー部21内の上部において、上下方向に離間した2箇所にはピン23が固定されている(図5、図7参照)。
各スイングドア部16における天井部17の後端部は、車幅方向へ延びる横フレーム部22によって構成されている。横フレーム部22は天井部17の他の箇所よりも高い強度を有している。また、横フレーム部22は、天井部17の他の箇所よりも大きな厚みを有していて、他の部品を配置し得る余剰のスペースを、少ないながらも、同他の箇所よりは多く有している。
ピラー部21及び横フレーム部22のそれぞれの車室側の部分はトリム部29(図2、図3参照)によって構成されている。スイングドア部16毎のピラー部21と横フレーム部22とは一体に形成されている。
図2及び図3に示すように、車室11には車両用シート25が配置されている。車両用シート25は、側壁部18よりも車内側であり、かつ天井部17よりも下方に位置している。車両用シート25は、シートクッション26(図8参照)、シートバック27及びヘッドレスト28を備えている。シートクッション26は、車体の床に設置された図示しないレールに対し、前後位置調整可能に取付けられている。シートバック27は、シートクッション26の後部から上側ほど後方に位置するように傾斜した状態で起立しており、シートクッション26と一体に形成されている。ヘッドレスト28はシートバック27の上側に一体に形成されている。
図1及び図2に示すように、キャノピードア12の後端部内には、エアバッグ装置の主要部をなすエアバッグモジュールABMが組込まれている。エアバッグモジュールABMは、ガス発生器31と、ガス発生器31に対しチューブ33を介して連結されたエアバッグ35とを主要な構成部材として備えている。次に、これらの構成部材の各々について説明する。なお、図3では、ピラー部21の図示が省略されており、チューブ33の一部とエアバッグ35とが露出した状態で図示されている。
<ガス発生器31>
図2に示すように、ガス発生器31は、全体が車幅方向に細長い長尺状をなすインフレータによって構成されている。ガス発生器31には、これを横フレーム部22に取付けるためのボルト32が固定されている。
ガス発生器31の内部には、膨張用ガスを発生する図示しないガス発生剤が収容されている。ガス発生器31は、その左方の端部に、図示しないガス噴出部を有している。また、ガス発生器31の右方の端部には、同ガス発生器31への作動信号の入力配線となる図示しないハーネスが接続されている。
なお、ガス発生器31としては、上記ガス発生剤を用いたパイロタイプに代えて、高圧ガスの充填された高圧ガスボンベの隔壁を火薬等によって破断して膨張用ガスを噴出させるタイプ(ハイブリッドタイプ)が用いられてもよい。
ガス発生器31のうちガス噴出部側の端部には、上述したチューブ33の一方の端部が、同ガス噴出部を覆った状態で装着されている。
<エアバッグ35>
図2、図3及び図5に示すように、エアバッグ35はエアバッグ本体36及び膨張厚み規制部51を備えている。
<エアバッグ本体36>
エアバッグ本体36は、エアバッグ35の外殻部分を構成するものである。図5は、エアバッグ本体36が展開のみされて膨張されていない状態(以下「非膨張展開状態」という)のエアバッグ35を示している。また、図6は、エアバッグ本体36が膨張した状態のエアバッグ35の内部構造を示している。より正確には、図6は図4における6-6線に沿った断面構造を示している。
図4~図6に示すように、エアバッグ本体36の形成のために、車幅方向に重ね合わされた一対の本体布部(基布、パネル布等とも呼ばれる)が用いられている。ここでは、両本体布部を区別するために、車内側に位置するものを本体布部37といい、車外側に位置するものを本体布部38というものとする。本体布部37,38としては、強度が高く、かつ可撓性を有していて容易に折り畳むことのできる素材、例えばポリエステル糸、ポリアミド糸等を用いて形成した織布等が適している。
なお、エアバッグ本体36は1枚の布片によって形成されてもよい。この場合、例えば、布片の車幅方向における中央部分に、上下方向に延びる折り線が設定される。そして、布片は、折り線に沿って二つ折りされて車幅方向に重ね合わされる。
両本体布部37,38は、それらの周縁部に沿って設けられた周縁結合部39によって結合されている。周縁結合部39は、両本体布部37,38の周縁部を、縫製(縫糸で縫合)することにより形成されている。この点は、後述する結合部47,48,54,55,56及び環状結合部62についても同様である。
上記縫製に関し、図5及び図6では、3つの線種によって縫製部分が表現されている。1つ目の線種は、一定長さの太線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)であり、これは、縫合部分を側方から見た状態を示している(図5における周縁結合部39等参照)。2番目の線種は、一定長さ(一般的な破線よりも長い長さ)の細線を断続的に並べて表現した線(破線の一種)であり、これは、本体布部37,38等の奥に位置していて直接は見えない(隠れている)縫糸の状態を示している(図5における結合部47,56等参照)。3番目の線種は、点を一定間隔おきに並べて表現した線(破線の一種)であり、これは、縫合の対象となる本体布部37,38間等における縫糸の状態を示している(図6における周縁結合部39等参照)。すなわち、縫製が3番目の線種で表現されている図は、縫製部分を通る断面に沿った断面構造を示している。なお、縫製部分の表現に関する上記の事項は、変形例を説明する図11及び図12についても同様である。
図4~図6に示すように、両本体布部37,38の間であって、周縁結合部39によって囲まれた箇所は、膨張用ガスによって展開及び膨張する膨張部41を構成している。
なお、周縁結合部39は、上記縫糸を用いた縫合とは異なる手段、例えば接着剤を用いた接着によって形成されてもよい。この点は、結合部47,48,54,55,56及び環状結合部62についても同様である。
各本体布部37,38としては、次の条件を満たすものが用いられている。その条件とは、展開及び膨張した状態のエアバッグ本体36の前後方向の寸法が、一般的な車両用シートのシートバックに取付けられた一般的なサイドエアバッグ装置のエアバッグが展開及び膨張したときのそのエアバッグの前後方向の寸法よりも長いことである。
図5及び図6に示すように、両本体布部37,38の後上端部には、管状のガス導入部44が形成されている。ガス導入部44の上端部では、周縁結合部39による結合がなされていない。この箇所は、挿入口45を構成しており、この挿入口45を通じて上記チューブ33の端部がガス導入部44に挿入されている。挿入されたチューブ33の端部は、ガス導入部44の周りに装着された図示しないクランプによって、同ガス導入部44に締結されている。
図5及び図7に示すように、両本体布部37,38の後縁部であって、周縁結合部39よりも後側の縫い代において、上下方向に互いに離間した複数箇所(2箇所)のそれぞれには、複数枚(2枚)の布片からなる取付部46が結合部47により結合されている。各取付部46においては、同取付部46を構成する複数の布片が、上下方向に延びる結合部48によって相互に結合されている。各取付部46において、両結合部47,48間となる箇所には貫通孔49が形成されている。
<膨張厚み規制部51>
図4~図6に示すように、膨張厚み規制部51は、エアバッグ本体36が展開及び膨張したときの車幅方向の厚みである膨張厚みを規制するためのものである。膨張厚み規制部51は、エアバッグ本体36内の上下方向における中間部分であって、前後方向における中間部分に位置している。
膨張厚み規制部51は、上記本体布部37,38と同様の素材からなり、かつ車幅方向に配置された一対の規制布部52,53を備えている。各規制布部52,53は、前後方向に細長い帯状をなしている(図5参照)。規制布部52,53の各前端部は、周縁結合部39の前端部から後方へ離間し、同規制布部52,53の各後端部は、周縁結合部39の後端部から前方へ離間している。車内側の規制布部52は、これに隣接する車内側の本体布部37に対し結合部54によって結合されている。結合部54は、規制布部52において幅方向に相対向して前後方向に延びる一対の側縁部のうちの一方に沿って設けられており、上下方向よりも前後方向に細長い長円状をなしている。同様に、車外側の規制布部53は、これに隣接する車外側の本体布部38に対し結合部55によって結合されている。結合部55は、規制布部53において幅方向に相対向して前後方向へ延びる一対の側縁部のうちの一方に沿って設けられており、上下方向よりも前後方向に細長い長円状をなしている。
車内側の規制布部52であって結合部54とは反対側の側縁部と、車外側の規制布部53であって結合部55とは反対側の側縁部とは、車幅方向に重ね合わされ、前後方向に延びる結合部56によって結合されている。こうした結合態様により、膨張厚み規制部51は、車内側の本体布部37と車外側の本体布部38との間に架け渡されている。
膨張厚み規制部51では、エアバッグ本体36が非膨張展開状態にあるとき、両規制布部52,53が車幅方向に重ねられた状態となる(図5参照)。また、膨張厚み規制部51は、エアバッグ本体36の展開及び膨張に伴い緊張状態になることで、同エアバッグ本体36における同膨張厚み規制部51の近傍部分の車幅方向の膨張厚みを規制する(図4参照)。
さらに、膨張厚み規制部51は、エアバッグ本体36の膨張部41を、同膨張厚み規制部51よりも上側の上膨張部42と、下側の下膨張部43とに区画している。上膨張部42及び下膨張部43は、エアバッグ本体36内の膨張厚み規制部51よりも前側で互いに連通するとともに、同膨張厚み規制部51よりも後側で互いに連通している。
膨張厚み規制部51の上下方向における位置に応じて、上膨張部42の最大膨張厚みと下膨張部43の最大膨張厚みとが異なってくる。第1実施形態では、膨張厚み規制部51の上記位置が、次の条件を満たす位置に設定されている。
・上膨張部42が、車両用シート25に着座した大柄の乗員Pの頭部PHを保護するのに適した最大膨張厚みとなること。
・下膨張部43が、車両用シート25に着座した小柄の乗員Pの頭部PHを保護するのに適した最大膨張厚みとなること。
第1実施形態では、膨張厚み規制部51は、上下方向については、中央部よりも下方に配置されている。この配置により、上膨張部42の最大膨張厚みが下膨張部43の最大膨張厚みよりも大きく設定されている。
上記エアバッグ本体36及び膨張厚み規制部51を備えてなる図5のエアバッグ35は、チューブ33が挿入された後上端部よりも前側の部分が折り畳まれることにより、図2及び図3に示すように、上下方向に細長いコンパクトな収納用形態にされている。これは、エアバッグ35を、ピラー部21内における限られた大きさの余剰のスペースに対し、収納に適したものとするためである。非膨張展開状態のエアバッグ35を折り畳む態様としては、例えば、ロール折り、蛇腹折り等が適している。ロール折りは、エアバッグ35の一方の端部を中心とし、その周りに他の部分を巻き付ける折り態様である。蛇腹折りは、エアバッグ35を、一定幅ずつ交互に折り方向を変えながら折り返す折り態様である。そして、上記のように折り畳まれてコンパクトにされたエアバッグ35の複数箇所には、図示しない結束テープが巻付けられている。これらの結束テープにより、エアバッグ35は折り畳まれた状態に保持されている。
エアバッグモジュールABMは、上記ガス発生器31、チューブ33及びエアバッグ35に加え、テザーを備えている。図5及び図7に示すように、第1実施形態では、テザーは、エアバッグ35よりも車内側に配置された車内側テザー61によって構成されている。車内側テザー61は、エアバッグ本体36における本体布部37,38と同様の素材によって、上下方向よりも前後方向に細長い形状に形成されている。車内側テザー61の前端部は、車内側の本体布部37においてエアバッグ35に結合されている。第1実施形態では、上記前端部は、本体布部37において結合部54によって囲まれた領域の後端部に対し、円環状の環状結合部62により結合されている。
上記のように構成されたエアバッグモジュールABMは、次のようにしてキャノピードア12の後端部に組込まれている。
図2に示すように、ガス発生器31は、車幅方向に延びる姿勢で横フレーム部22内のピラー部21寄りの箇所に配置されている。ガス発生器31のボルト32は、横フレーム部22内の図示しない強度部材に挿通されている。このボルト32に対し図示しないナットが締付けられることによって、ガス発生器31が横フレーム部22に締結されている。なお、ガス発生器31は、ボルト32及びナットとは異なる部材によって横フレーム部22に対し、締結又はそれ以外の方法で固定されてもよい。
また、上記のように収納用形態に保持され、かつチューブ33を介してガス発生器31に連結されたエアバッグ35は、ピラー部21内の上部に配置されている。図5及び図7に示すように、取付部46毎の貫通孔49には、ピラー部21内のピン23が挿通されている。これらの挿通により、各取付部46が、対応するピン23に係止されている。
また、車内側テザー61の後端部に上記ピン23が挿通されることにより、同後端部がピン23に係止されている。上記ピン23に対する係止と、環状結合部62による本体布部37に対する上記結合とによって、車内側テザー61はピラー部21と本体布部37との間に架け渡されている。
さらに、ピン23に留め具24が装着されることにより、車内側テザー61が取付部46(エアバッグ35)と一緒に、ピン23を介してピラー部21に取付けられている。
図2に示すように、エアバッグ装置は、上述したエアバッグモジュールABMのほかに衝撃センサ71及び制御装置72を備えている。衝撃センサ71は加速度センサ等からなり、車両10に対し側方から加わる衝撃を検出する。制御装置72は、衝撃センサ71からの検出信号に基づきガス発生器31の作動を制御する。
さらに、車両10には、車両用シート25に着座している乗員Pをその車両用シート25に拘束するためのシートベルト装置が装備されているが、図2、図3等ではこのシートベルト装置の図示が省略されている。
次に、上記のように構成された第1実施形態のエアバッグ装置の作用について説明する。また、作用に伴い生ずる効果についても併せて説明する。
車両10の走行中等に、側突等により車両10に対し、側方から所定値以上の衝撃が加わり、そのことが衝撃センサ71によって検出されると、その検出信号に基づき制御装置72からガス発生器31に対し、これを作動させるための作動信号が出力される。この作動信号に応じて、ガス発生器31のガス噴出部から膨張用ガスが噴出される。この膨張用ガスは、図2及び図5に示すチューブ33内を流れ、エアバッグ本体36の後上端部のガス導入部44を通って同エアバッグ本体36内に供給される。膨張用ガスの供給によりエアバッグ本体36の内圧が上昇し、エアバッグ35が折り状態を解消(展開)しながら膨張を開始する。エアバッグ35の展開及び膨張に伴い、図4に示す膨張厚み規制部51が車幅方向の両側へ引っ張られる。
上記のように、エアバッグ35は、展開及び膨張する過程で、図2に示すピラー部21のトリム部29を押圧して変形させる。エアバッグ35は、取付部46及びその周辺部分をピラー部21内に残した状態で、同ピラー部21から飛び出す。その後も、図3及び図5に示すように、エアバッグ35は前方へ向けて展開及び膨張する。図4に示すように、膨張厚み規制部51が緊張状態になることで、エアバッグ35の車幅方向の膨張厚みが規制される。上記のように、車幅方向の膨張厚みを規制されたエアバッグ35は、図2及び図3に示すように、車両用シート25の主としてヘッドレスト28と側壁部18との間を前方へ向けて展開及び膨張する。エアバッグ35は乗員Pの頭部PHと側壁部18との間に介在し、その頭部PHを衝撃から保護する。
ここで、図3及び図5に示すように、エアバッグ35の後端部に対し上方から膨張用ガスが供給されること、エアバッグ35が後端部の取付部46においてピラー部21に取付けられていること、エアバッグ35が前後方向に長いこと等から、エアバッグ35は、ピラー部21に対する取付部46を支点として上方へ揺動しようとする。しかし、第1実施形態では、図5及び図7に示すように、ピラー部21及びエアバッグ35間に架け渡された車内側テザー61が、展開及び膨張するエアバッグ35によって引っ張られる。車内側テザー61は、ピラー部21とエアバッグ35との間で緊張状態となって、エアバッグ35の上記揺動を規制する。その結果、エアバッグ35を、予め定められた展開領域で展開及び膨張させることができる。エアバッグ35は乗員Pの頭部PHの側方近傍で展開及び膨張することで、同頭部PHを衝撃から的確に保護する。
また、エアバッグ35の展開及び膨張は、車両用シート25のヘッドレスト28と側壁部18とによって、車幅方向の揺動を規制された状態でなされる(図2参照)。そのため、エアバッグ35を乗員Pの頭部PHに接近した箇所で展開及び膨張させることができ、この点でも、頭部PHを衝撃から保護する性能を高めることができる。
第1実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・図5及び図7に示すように、車内側テザー61の後端部がピラー部21内の強度部材であるピン23に引っ掛けられることにより、同ピラー部21に取付けられている。そのため、上記後端部において車内側テザー61をピラー部21に強固に取付けることができる。
・図5及び図7に示すように、布片によって形成されるエアバッグ35の車内側の本体布部37において、膨張厚み規制部51が取付けられた箇所は、同本体布部37のうちで最も剛性が高いと考えられる。膨張厚み規制部51を介して隣の本体布部38に連結されているからである。この点、第1実施形態では、車内側テザー61の前端部が、車内側の本体布部37のうち結合部54によって囲まれた領域に結合されている。そのため、車内側テザー61が緊張状態になったときに、本体布部37において車内側テザー61の前端部が結合された箇所や、その周辺の箇所が他の箇所よりも大きく変形するのを抑制し、車内側テザー61によってエアバッグ35の揺動を規制する効果を効率よく発揮させることができる。
・図1に示すように、前端部に設けられたヒンジ部を支点として傾動することにより車室11を開閉するキャノピードア12を備える車両10の場合、エアバッグモジュールABM等の他の部品を取付ける余剰のスペースが少ない。しかし、第1実施形態によるように、エアバッグ35をピラー部21内に収容して取付け、ガス発生器31を横フレーム部22内に収容して取付けることで、エアバッグモジュールABMをキャノピードア12に取付けることが可能である。この点は、後述する第2実施形態においても同様である。
・図3に示すように、第1実施形態ではエアバッグ35として、一般的な車両用シートのシートバックに取付けられる一般的なサイドエアバッグ装置用のエアバッグに比べて、車両前後方向に長いものが用いられている。そのため、車両用シート25の前後位置が調整されても、エアバッグ35を乗員Pの頭部PHの側方で展開及び膨張させることができる。
・図4及び図5に示すように、上下方向における膨張厚み規制部51の位置調整により、上膨張部42の最大膨張厚みを大柄な乗員Pの頭部PHを保護するのに適した大きさにし、下膨張部43の最大膨張厚みを小柄な乗員Pの頭部PHを保護するのに適した大きさにしている。そのため、上記いずれの乗員Pが車両用シート25に着座した場合にも、頭部PHを適切な最大膨張厚みの上膨張部42又は下膨張部43によって衝撃から保護することができる。
(第2実施形態)
次に、エアバッグ装置の第2実施形態について、図8及び図9を参照して説明する。
第2実施形態では、テザーとして、第1実施形態と同様の車内側テザー61に加え、エアバッグ35よりも車外側に配置された車外側テザー63が用いられている。
車外側テザー63は、エアバッグ本体36の本体布部37,38と同様の素材によって、上下方向よりも前後方向に細長い形状に形成されている。ただし、車外側テザー63として、車内側テザー61よりも長さの短いものが用いられている。
車外側テザー63の後端部に上記ピン23が挿通されることにより、同後端部がピン23に係止されている。さらに、ピン23に留め具24が装着されることにより、車外側テザー63が、取付部46及び車内側テザー61と一緒に、ピン23を介してピラー部21に取付けられている。これに対し、車外側テザー63の前端部は車外側の本体布部38であって、結合部55よりも取付部46に近い箇所において、環状結合部62によって結合されている。この環状結合部62は、車内側テザー61の前端部を車内側の本体布部37に結合する環状結合部62と同様に、円環状をなしている。そして、これらの係止及び結合により、車外側テザー63はエアバッグ本体36の本体布部38とピラー部21との間に架け渡されている。
上記以外の構成は第1実施形態と同様である。そのため、第2実施形態において、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
従って、第2実施形態によると、第1実施形態と同様の作用及び効果が得られる。そのほかにも、エアバッグ35が展開及び膨張すると、そのエアバッグ35よりも車内側の車内側テザー61と、車外側の車外側テザー63とが、ともにエアバッグ35によって引っ張られる。車内側テザー61及び車外側テザー63は、ともにピラー部21とエアバッグ35との間で緊張状態となって、エアバッグ35の揺動を規制する。車内側テザー61及び車外側テザー63による揺動規制が、エアバッグ35よりも車内側と車外側の両側で行なわれるため、片側のみで行なわれる第1実施形態に比べ、より一層エアバッグ35の揺動、特に車幅方向の揺動を抑制することができる。
特に、第2実施形態では、車外側テザー63として、車内側テザー61よりも短いものが用いられている。そのため、上述したように、エアバッグ35の展開及び膨張に伴い、車内側テザー61及び車外側テザー63がともにエアバッグ35によって引っ張られるところ、車外側テザー63が車内側テザー61よりも早期に緊張状態になる。従って、エアバッグ35の展開及び膨張の初期に、緊張状態の車外側テザー63によってエアバッグ35を側壁部18側へ向かわせることができる。その結果、車両用シート25及び側壁部18の間の空間が狭くても、エアバッグ35を展開及び膨張させることができる。
(第3実施形態)
次に、エアバッグ装置の第3実施形態について、図10を参照して説明する。
第3実施形態のエアバッグ装置は、第1実施形態と同様のキャノピードア12を備える車両10に適用される。
第3実施形態のエアバッグ65は、図10において破線で示すように、後端部に設定された取付部46において、ピラー部21及び横フレーム部22のうち少なくともピラー部21に取付けられている。第3実施形態では、取付部46がピラー部21及び横フレーム部22の両方に取付けられている。エアバッグ65の後端部の取付部46としては、第1実施形態における取付部46と同様のものが用いられている。そして、各取付部46は、同第1実施形態と同様の図示しないピンを介してピラー部21や横フレーム部22に取付けられている。
エアバッグ65は、図10において二点鎖線で示すように、車両用シート25のヘッドレスト28及び天井部17の間で展開及び膨張する上部膨張部66と、同ヘッドレスト28及び側壁部18の間で展開及び膨張する側部膨張部67とを備えている。特に、上部膨張部66は、車両用シート25に着座した乗員Pの頭部PHと天井部17との間で展開及び膨張する。上部膨張部66及び側部膨張部67は、天井部17と側壁部18との境界部分の車内側で互いに繋がっている。ガス発生器31は、図示はしないが、第1実施形態と同様、天井部17の横フレーム部22内に収容され、固定されている。
第3実施形態では、上記車内側テザー61及び車外側テザー63は用いられていない。また、第3実施形態では、膨張厚み規制部51は用いられてもよいし、省略されてもよい。
なお、図10では、第1実施形態で説明したものと同様の要素には同一の符号が付されている。
上記のように構成された第3実施形態によると、膨張用ガスがエアバッグ65に供給されると、そのエアバッグ65は、後端部に設定された取付部46を起点として、車両前後方向のうち取付部46から遠ざかる側である車両前側へ展開及び膨張する。この展開及び膨張の際、エアバッグ65は取付部46を支点として揺動しようとする。
しかし、ヘッドレスト28及び天井部17の間で展開及び膨張する上部膨張部66は、側部膨張部67が上下方向へ揺動するのを規制する。ヘッドレスト28及び側壁部18の間で展開及び膨張する側部膨張部67は、上部膨張部66が車幅方向へ揺動するのを規制する。その結果、エアバッグ35を、予め定められた展開領域で展開及び膨張させて、乗員Pの頭部PHを衝撃から的確に保護することができる。
特に、第3実施形態では、上部膨張部66は、天井部17と車両用シート25との間のうち、同天井部17と乗員Pの頭部PHとの間といった上下方向に狭い空間で展開及び膨張する。そのため、上部膨張部66は、天井部17と頭部PHとによって上下方向の揺動を一層規制される。上部膨張部66に繋がった側部膨張部67の上下方向の揺動もまた、同上部膨張部66によってより効果的に規制することができる。
第3実施形態によると、上記以外にも、次の効果が得られる。
・キャノピードア12を備える車両10の場合、上述したように、エアバッグモジュールABM等の他の部品を取付ける余剰のスペースが少ない。しかし、第3実施形態によるように、エアバッグ35をピラー部21及び横フレーム部22に取付け、ガス発生器31を横フレーム部22に取付けることで、エアバッグモジュールABMをキャノピードア12に取付けることが可能である。
なお、上記実施形態は、これを以下のように変更した変形例として実施することもできる。上記実施形態及び以下の変形例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組合わせて実施することができる。
<ガス発生器31>
・ガス発生器31が横フレーム部22内に代えてピラー部21内に配置されて取付けられてもよい。この場合、ガス発生器31はエアバッグ35とは別の箇所、例えばエアバッグ35よりも下方に配置されて、上記各実施形態と同様にチューブ33によってエアバッグ35に連結されてもよい。また、ガス発生器31は、エアバッグ35内に配置されてもよい。この場合には、チューブ33は不要となる。
・第1及び第2実施形態において、ガス発生器31は、天井部17のうち、横フレーム部22とは異なる箇所に収容されて固定されてもよい。
<エアバッグ35について>
・ガス導入部44がエアバッグ本体36のうち第1実施形態とは異なる箇所、例えば、後下端部や、後端部であって上下方向における中間部に設けられてもよい。
・エアバッグ本体36は、上述した各実施形態のようにその略全体が膨張するものであってもよいが、膨張用ガスが供給されず膨張することのない非膨張部を一部に有するものであってもよい。
・膨張厚み規制部は、規制布部52,53を用いることなく、車内側の本体布部37及び車外側の本体布部38を互いに接触させた状態で縫合等の手段で結合することにより構成されてもよい。この場合、結合された箇所では、エアバッグ35の膨張厚みが取り得る最小(ゼロ)となる。
・膨張厚み規制部51がエアバッグ本体36内の複数箇所に設けられてもよい。
・エアバッグ35は、乗員Pの頭部PHに加え、又は代えて同乗員Pの頭部PHよりも下側の部位の側方で展開及び膨張して乗員Pの上半身を衝撃から保護するものであってもよい。
・車両前後方向におけるピラー部21よりも後方に車両用シートが搭載される車両の場合、取付部46がエアバッグ本体36の前端部に設定され、エアバッグ35が取付部においてピラー部21に取付けられてもよい。この場合、エアバッグ35はガス発生器31から供給される膨張用ガスにより、取付部46を起点として車両の後方へ向けて展開及び膨張する。
<テザーについて>
・車内側テザー61及び車外側テザー63の少なくとも一方の後端部が、ピラー部21の構成部材であることを条件にピン23とは異なり、かつ強度の高い部材に取付けられてもよい。
・第1実施形態において、車内側テザー61に代えて、第2実施形態における車外側テザー63と同様の車外側テザー63が用いられてもよい。表現を変えると、第2実施形態における車内側テザー61を省略したものが第1実施形態とされてもよい。
・車内側テザー61及び車外側テザー63の少なくとも一方の前端部が、エアバッグ35のうち第2実施形態とは異なる箇所に結合されてもよい。図11及び図12は、車内側テザー61の前端部の結合位置の変形例をそれぞれ示している。なお、図11及び図12において、第1実施形態と同様の要素には同一の符号が付されている。
図11の変形例では、車内側テザー61の前端部が、車内側の本体布部37のうち、膨張厚み規制部51が結合された箇所(結合部54)から、上方へ離れた箇所に対し、環状結合部62によって結合されている。この車内側テザー61は、展開及び膨張するエアバッグ35によって引っ張られることにより、前側ほど高くなるように傾斜した状態で緊張状態になる。
図12の変形例では、車内側テザー61の前端部が、車内側の本体布部37のうち、膨張厚み規制部51が結合された箇所(結合部54)から、後下方へ離れた箇所に結合されている。
いずれの変形例でも、第1及び第2実施形態と同様の作用及び効果が得られる。
・車内側テザー61及び車外側テザー63の少なくとも一方の後端部が、第1実施形態とは異なるピン23に係止されてもよい。図12は、車内側テザー61の後端部の取付位置の変形例を示しており、同後端部は上側のピン23に係止されている。
上記変形例には、車内側テザー61の後端部と、車外側テザー63の後端部とが異なるピン23に係止される変形例が含まれる。
・第1及び第2実施形態において、車内側テザー61が複数用いられ、ピラー部21と車内側の本体布部37との間に複数の車内側テザー61が架け渡されてもよい。
・第2実施形態において、車外側テザー63が複数用いられ、ピラー部21と車外側の本体布部38との間に複数の車外側テザー63が架け渡されてもよい。
<その他>
・上記エアバッグ装置は、スイングドア部16に相当する部分が傾動しないタイプのキャノピードアに適用されてもよい。
・上述したキャノピードアは、地面に対して略垂直に展開する方式で開くドア、いわゆる上方展開型のドアの一形態である。
上記エアバッグ装置は、キャノピードアとは異なるタイプの上方展開型のドア、例えば、ガルウィングドア、シザーズドア、ラプタードア、バタフライドア等が設けられた車両にも適用可能である。
・上記エアバッグ装置は、上述したキャノピードア12をはじめとする特殊なドアとは異なるドア、一般的なドアが設けられた車両にも適用可能である。
・制御装置72は、車両10に対し、側方からの衝撃が加わることを予測した場合に、ガス発生器31に作動信号を出力する仕様に変更されてもよい。
10…車両
11…車室
12…キャノピードア
17…天井部
18…側壁部
21…ピラー部
25…車両用シート
35,65…エアバッグ
46…取付部
61…車内側テザー(テザー)
63…車外側テザー(テザー)
66…上部膨張部
67…側部膨張部
P…乗員
PH…頭部

Claims (3)

  1. 車幅方向における車両用シートの側方に側壁部を有するとともに、前記車両用シートの上方に、前記側壁部に繋がった状態の天井部を有し、さらに、前記側壁部がピラー部を備える車両に適用されるエアバッグ装置であり、
    膨張用ガスにより展開及び膨張するエアバッグと、
    前記エアバッグの展開及び膨張に伴い緊張状態になるテザーと
    を備え、
    前記エアバッグは、車両前後方向における一方の端部に設定された取付部において前記ピラー部に取付けられ、車両前後方向のうち前記取付部と同じ側の端部から供給される前記膨張用ガスにより、前記取付部を起点として、車両前後方向のうち前記取付部から遠ざかる側へ展開及び膨張するものであり、
    前記テザーは、前記エアバッグ及び前記ピラー部の間に架け渡されており、
    前記テザーは、前記エアバッグよりも車内側に配置される車内側テザーと、同エアバッグよりも車外側に配置される車外側テザーとを備え、
    前記車外側テザーは前記車内側テザーよりも短く設定されているエアバッグ装置。
  2. 前記エアバッグは、前記車両用シートと前記側壁部との間で展開及び膨張するものである請求項1に記載のエアバッグ装置。
  3. 前記車両は、前記ピラー部を備える側壁部と、前記天井部とを有し、かつ前端部を支点として傾動することにより車室を開閉するキャノピードアを備え、
    前記エアバッグは前記キャノピードアに収容された状態で取付けられる請求項1又は2に記載のエアバッグ装置。
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