JP7283098B2 - 積層フィルム及びその製造方法、並びに包装容器及びその製造方法 - Google Patents
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前記接着性樹脂が、窒化ホウ素を配合したマレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを含み、
前記接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量が3~5質量%であり、
前記ガスバリアフィルム層が、酸化金属の蒸着層を、基材フィルムの前記接着性樹脂層側に積層して構成されていることを特徴とする積層フィルムである。
前記蒸着層の上にガスバリア皮膜層が積層して構成されており、前記ガスバリア皮膜層が珪素系ガスバリア性複合構造物で構成されていることを特徴とする積層フィルムである。
前記珪素系ガスバリア性複合構造物が、次の化合物1~化合物3が反応して形成された珪素系ガスバリア性複合構造物であることを特徴とする積層フィルムである。
化合物1:一般式Si(OR 1 ) 4 (R 1 はCH 3 ,C 2 H 5 ,またはC 2 H 4 OCH 3 を表す)で表されるケイ素化合物又はこれらの加水分解物。
化合物2:一般式(R 2 Si(OR 3 ) 3 ) n (R 2 は有機官能基、R 3 はCH 3 ,C 2 H 5 ,またはC 2 H 4 OCH 3 を表す)で表されるケイ素化合物又はこれらの加水分解物。
化合物3:水溶性高分子。
前記基材フィルムと前記蒸着層との間にプライマー層が配置されており、
このプライマー層が次の化合物4~化合物6が反応して形成された珪素系複合構造物であることを特徴とする積層フィルムである。
化合物4:一般式R 4 Si(OR 5 ) 3 (R 4 :アルキル基、ビニル基、イソシアネート基を有するアルキル基、グリシドキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有するアルキル基、R 5 :アルキル基を表す)で表せる3官能オルガノシランあるいはその加水分解物。
化合物5:アクリルポリオール。
化合物6:イソシアネート化合物。
前記基材フィルムの蒸着層形成面がプラズマ処理されていることを特徴とする積層フィルムである。
前記接着性樹脂が、窒化ホウ素を配合したマレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを含み、
前記接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量が3~5質量%であり、
前記ガスバリアフィルム層が、ポリカルボン酸系重合体を含有するガスバリア皮膜層を、基材フィルムの前記接着性樹脂層側に積層して構成されていることを特徴とする積層フィルムである。
前記接着性樹脂が、窒化ホウ素を配合したマレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを含み、
前記接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量が3~5質量%であり、
前記ガスバリアフィルム層が、多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたリン系ガスバリア性複合構造物を含有するガスバリア皮膜層を、基材フィルムの前記接着性樹脂層側に積層して構成されていることを特徴とする積層フィルム。
さらに前記接着性樹脂層の上に熱可塑性樹脂層を重ねて、加熱ロールによって押圧する工程を備える請求項1に記載の積層フィルムの製造方法である。
次いで2枚の前記積層フィルムを熱可塑性樹脂層同士が接するように重ねてその四方をヒートシールする工程と、を備える包装容器の製造方法である。
次いで前記積層フィルムを熱可塑性樹脂層同士が接するように二つ折りにしてその三方をヒートシールする工程と、を備える包装容器の製造方法である。
次いで前記積層フィルムを熱可塑性樹脂層が内側となるように筒状にし、両方の側端部の熱可塑性樹脂層同士を合わせてヒートシールして背貼り部を形成する工程と、を備え
さらにその上下をヒートシールして密封する工程を備える包装容器の製造方法である。
積層フィルムAはガスバリアフィルム層10Aを使用した例で、このガスバリアフィルム層10Aは、基材フィルム11に酸化金属の蒸着層12を積層して構成されている。そして、その蒸着層11側に接着性樹脂層20と熱可塑性樹脂層30とをこの順に積層して積層フィルムAとしている。
基材フィルム11としては、例えば、樹脂フィルムが挙げられる。
酸化金属蒸着層12は、金属酸化物の蒸着により形成される層である。金属酸化物としては、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム等が挙げられ、酸化アルミニウムが好ましい。
ッタリング法等が挙げられる。
接着性樹脂層20は、マレイン酸グラフト変性ポリプロピレン(以下、変性PPという。)を主成分とし、これに窒化ホウ素を配合した接着性樹脂で構成される。なお、変性PPは、ポリプロピレンを無水マレイン酸によりグラフト変性したポリプロピレンである。ポリプロピレンとしては、例えば、ホモポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、又はランダムポリプロピレン、プロピレン-αオレフィン共重合体等が挙げられる。αオレフィンとしては、エチレン、1-ブテン等が挙げられる。
記熱可塑性樹脂とを溶融共押し出しし、加熱ロールによって押圧することにより、これらガスバリアフィルム層10、接着性樹脂層20、熱可塑性樹脂層30及びシーラントフィルムを一体的に接着積層することも可能である。
熱可塑性樹脂層30を形成する熱可塑性樹脂としては、熱融着性のある樹脂であれば使用できる。熱可塑性樹脂としては、例えば、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂(EP)、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、及びそれらの金属架橋物等が挙げられる。なかでも、食品包装におけるレトルト殺菌適性等を考慮すると、ポリプロピレン及び耐熱性のLLDPEが好ましい。これら熱可塑性樹脂としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
前述のように、積層フィルムAは次の方法で製造することができる。すなわち、まず基材フィルム11に蒸着層12を形成してガスバリアフィルム層10Aを製造する。
積層フィルムBはガスバリアフィルム層としてガスバリアフィルム層10Bを使用した例で、この点を除き、積層フィルムAと同様である。このガスバリアフィルム層10Bでは、酸化金属蒸着層12の上にガスバリア皮膜層13が積層されている。すなわち、ガスバリアフィルム層10Bは、基材フィルム11上に、酸化金属蒸着層12及びガスバリア皮膜層13をこの順に積層した層構成を有しており、接着性樹脂層20はガスバリア皮膜層13の上に積層されている(図2参照)。
ガスバリア皮膜層13としては、次の化合物1~化合物3が反応して形成された珪素系ガスバリア性複合構造物を使用することができる。また、この他、イソシアネート成分を配合することができる。
化合物1:一般式Si(OR1)4(R1はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3を表す)で表されるケイ素化合物又はこれらの加水分解物。
化合物2:一般式(R2Si(OR3)3)n(R2は有機官能基、R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3を表す)で表されるケイ素化合物又はこれらの加水分解物。
化合物3:水溶性高分子。
積層フィルムCはガスバリアフィルム層としてガスバリアフィルム層10Cを使用した例で、この点を除き、積層フィルムAと同様である。このガスバリアフィルム層10Bでは、基材フィルム11と酸化金属蒸着層12との間にプライマー層12cが配置されている。すなわち、ガスバリアフィルム層10Cは、基材フィルム11上に、プライマー層12c、酸化金属蒸着層12及びガスバリア皮膜層13をこの順に積層した層構成を有しており、接着性樹脂層20はガスバリア皮膜層13の上に積層されている(図3参照)。
プライマー層12cは、基材フィルム11と酸化金属蒸着層12との密着性を高めるもので、次の化合物4~化合物6が反応して形成された珪素系複合構造物で構成することができる。
化合物4:一般式R4Si(OR5)3 (R4:アルキル基、ビニル基、イソシアネート基を有するアルキル基、グリシドキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有するアルキル基、R5:アルキル基を表す)で表せる3官能オルガノシランあるいはその加水分解物。
化合物5:アクリルポリオール。
化合物6:イソシアネート化合物。
ト等が挙げられる。
に直接添加してもよく、またメタノール等の溶媒に溶かして添加してもよい。
積層フィルムDはガスバリアフィルム層としてガスバリアフィルム層10Dを使用した例で、この点を除き、積層フィルムAと同様である。このガスバリアフィルム層10Dはポリカルボン酸系重合体を含有するガスバリア皮膜層14を、基材フィルム11の前記接着性樹脂層側に積層して構成されている(図4参照)。
ガスバリア皮膜層14はポリカルボン酸系重合体を含有する層であり、ポリカルボン酸
系重合体を用いることで、基材フィルム11とガスバリア皮膜層14の密着性が向上し、それらの間でデラミネーションが起きることが抑制されやすくなる。なお、ポリカルボン酸系重合体とは、1分子中に2個以上のカルボキシル基を有する重合体をいう。
均重合度は、300~1500が好ましい。ポリカルボン酸系重合体との相溶性の観点から、ビニルアルコールを主成分とするビニルアルコール-ポリ(メタ)アクリル酸共重合体を、ポリアルコール類として用いることが好ましい。
物の具体例としては、水酸化ナトリウム、酸化亜鉛、水酸化カルシウム、酸化カルシウムである。
が好ましい。前記亜鉛化合物の含有量が32.7mg以上であれば、硫化水素が亜鉛化合物に吸収される効果が官能的に認知されやすい。前記亜鉛化合物の含有量は、1m2当たり亜鉛として65.4mg以上がより好ましく、131mg以上がさらに好ましく、196mg以上が特に好ましい。亜鉛化合物の含有量が増大するほどレトルト臭の吸収効果も大きくなるが、内容物の風味が損なわれるおそれもある。例えば、ニンニク調味製品等の含硫化合物に由来する風味が重要な食品が、亜鉛化合物が多量に含まれる包装容器で包装される場合、当該食品の風味が損なわれることがある。従って、亜鉛化合物の含有量は、包装される内容物により適宜調節する必要がある。
積層フィルムEはガスバリアフィルム層としてガスバリアフィルム層10Eを使用した例で、この点を除き、積層フィルムAと同様である。このガスバリアフィルム層10Eは、多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたリン系ガスバリア性複合構造物を含有するガスバリア皮膜層15を、基材フィルム11の前記接着性樹脂層20側に積層して構成されている(図5参照)。
ガスバリア皮膜層15は、金属酸化物とリン化合物の反応物を含有する層の単層であってもよく、多層であってもよい。
0Cの寸法変化を低く抑えることができる。さらに、ガスバリアフィルム層10Cの柔軟性が増し、その力学的特性を、基材フィルム層11自体の力学的特性に近づけることができる。
本発明の包装容器は、本発明の積層フィルムを製袋してなる包装容器である。本発明の包装容器は、本発明の積層フィルムを用いる以外は、公知の態様を採用することができる。本発明の包装容器としては、例えば、2枚の矩形の積層フィルムを熱可塑性樹脂層同士が接するように重ねてその四方をヒートシールした包装容器、矩形の積層フィルムを熱可塑性樹脂層同士が接するように二つ折りにしてその三方をヒートシールした包装容器等が挙げられる。また、矩形の積層フィルムを熱可塑性樹脂層が内側となるように筒状にし、両方の側端部の熱可塑性樹脂層同士を合わせてヒートシールして背貼り部を形成し、その上下をヒートシールして密封したピロー形状の包装容器としてもよい。
この例は、図1に示す積層フィルムBの例である。
、190℃及び200℃に変えて各積層フィルムを製造した。押圧の圧力は0.2MPa、押圧時間は1秒である。
接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量を3質量%としたほかは実施例1と同様に実施例2の積層フィルムBを製造した。
接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量を5質量%としたほかは実施例1と同様に実施例3の積層フィルムBを製造した。
接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量を6質量%としたほかは実施例1と同様に実施例4の積層フィルムBを製造した。
接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量を0質量%としたほかは実施例1と同様に比較例の積層フィルムBを製造した。
実施例1~4及び比較例の積層フィルムについて、その接着強度を測定した。この結果を表1に示す。
10A~10E:ガスバリアフィルム層
11:基材フィルム
12:酸化金属蒸着層 12c:プライマー層
13:珪素系ガスバリア性複合構造物で構成されたガスバリア皮膜層
14:ポリカルボン酸系重合体を含有するガスバリア皮膜層
15:リン系ガスバリア性複合構造物を含有するガスバリア皮膜層
20:接着性樹脂層
30:熱可塑性樹脂層
Claims (12)
- ガスバリアフィルム層と熱可塑性樹脂層とを溶融した接着性樹脂を介して積層した積層フィルムにおいて、
前記接着性樹脂が、窒化ホウ素を配合したマレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを含み、
前記接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量が3~5質量%であり、
前記ガスバリアフィルム層が、酸化金属の蒸着層を、基材フィルムの前記接着性樹脂層側に積層して構成されていることを特徴とする積層フィルム。 - 請求項1に記載の積層フィルムにおいて、
前記蒸着層の上にガスバリア皮膜層が積層して構成されており、
前記ガスバリア皮膜層が珪素系ガスバリア性複合構造物で構成されていることを特徴とする積層フィルム。 - 請求項2に記載の積層フィルムにおいて、
前記珪素系ガスバリア性複合構造物が、次の化合物1~化合物3が反応して形成された珪素系ガスバリア性複合構造物であることを特徴とする積層フィルム。
化合物1:一般式Si(OR1)4(R1はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3を表す)で表されるケイ素化合物又はこれらの加水分解物。
化合物2:一般式(R2Si(OR3)3)n(R2は有機官能基、R3はCH3,C2H5,またはC2H4OCH3を表す)で表されるケイ素化合物又はこれらの加水分解物。
化合物3:水溶性高分子。 - 請求項1~3のいずれかに記載の積層フィルムにおいて、
前記基材フィルムと前記蒸着層との間にプライマー層が配置されており、
このプライマー層が次の化合物4~化合物6が反応して形成された珪素系複合構造物であることを特徴とする積層フィルム。
化合物4:一般式R4Si(OR5)3 (R4:アルキル基、ビニル基、イソシアネート基を有するアルキル基、グリシドキシ基を有するアルキル基又はエポキシ基を有するアルキル基、R5:アルキル基を表す)で表せる3官能オルガノシランあるいはその加水分解物。
化合物5:アクリルポリオール。
化合物6:イソシアネート化合物。 - 請求項1~4のいずれかに記載の積層フィルムにおいて、
前記基材フィルムの蒸着層形成面がプラズマ処理されていることを特徴とする積層フィルム。 - ガスバリアフィルム層と熱可塑性樹脂層とを溶融した接着性樹脂を介して積層した積層フィルムにおいて、
前記接着性樹脂が、窒化ホウ素を配合したマレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを含み、
前記接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量が3~5質量%であり、
前記ガスバリアフィルム層が、ポリカルボン酸系重合体を含有するガスバリア皮膜層を、基材フィルムの前記接着性樹脂層側に積層して構成されていることを特徴とする積層フィルム。 - ガスバリアフィルム層と熱可塑性樹脂層とを溶融した接着性樹脂を介して積層した積層フィルムにおいて、
前記接着性樹脂が、窒化ホウ素を配合したマレイン酸グラフト変性ポリプロピレンを含み、
前記接着性樹脂における窒化ホウ素の配合量が3~5質量%であり、
前記ガスバリアフィルム層が、多価金属の化合物とリン化合物とが反応して形成されたリン系ガスバリア性複合構造物を含有するガスバリア皮膜層を、基材フィルムの前記接着性樹脂層側に積層して構成されていることを特徴とする積層フィルム。 - 基材フィルムに蒸着層を形成してガスバリアフィルム層を形成する工程と、
次いで接着性樹脂を前記蒸着層に溶融押出しコーティングして、接着性樹脂層を形成する工程と、を備え
さらに前記接着性樹脂層の上に熱可塑性樹脂層を重ねて、加熱ロールによって押圧する工程を備える請求項1に記載の積層フィルムの製造方法。 - 請求項1~7のいずれかに記載の積層フィルムを製袋してなる包装容器。
- 請求項1~7のいずれかに記載の積層フィルムを矩形にする工程と、
次いで2枚の前記積層フィルムを熱可塑性樹脂層同士が接するように重ねてその四方をヒートシールする工程と、を備える包装容器の製造方法。 - 請求項1~7のいずれかに記載の積層フィルムを矩形にする工程と、
次いで前記積層フィルムを熱可塑性樹脂層同士が接するように二つ折りにしてその三方をヒートシールする工程と、を備える包装容器の製造方法。 - 請求項1~7のいずれかに記載の積層フィルムを矩形にする工程と、
次いで前記積層フィルムを熱可塑性樹脂層が内側となるように筒状にし、両方の側端部の熱可塑性樹脂層同士を合わせてヒートシールして背貼り部を形成する工程と、を備え
さらにその上下をヒートシールして密封する工程を備える包装容器の製造方法。
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