以下、添付図面を参照して、医用情報処理システムの実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1の構成の一例を示す図である。図1に示すように、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1は、サーバ100と、タブレット200と、ウェアラブル端末300と、デバイス400とを備える。サーバ100は、タブレット200との間で無線通信を行う。サーバ100は、医用情報処理装置の一例である。
タブレット200及びウェアラブル端末300は、医師や看護師等を含む医療スタッフにより用いられる。例えば、各医療スタッフに対して、タブレット200とウェアラブル端末300とが1台ずつ与えられている。タブレット200は、スタッフ端末の一例である。なお、タブレット200とウェアラブル端末300とがスタッフ端末として一体化されていてもよい。
被検体(患者)には、当該患者を一意に識別するための識別情報が割り当てられている。具体的には、患者の腕にはリストバンドが装着され、そのリストバンドには、近距離無線通信範囲内で患者を識別する識別情報を発信する近距離無線通信機能を有するデバイス400が設けられている。
図2は、デバイス400の一例を示す図である。図2に示すように、複数の患者のうちの患者Aの腕にはリストバンド410が装着され、そのリストバンド410には、患者Aを識別する識別情報「P1111」を発信するデバイス400としてデバイス400Aが設けられている。同様に、複数の患者のうちの患者Bの腕にもリストバンド410が装着され、そのリストバンド410には、患者Bを識別する識別情報「P1112」を発信するデバイス400としてデバイス400Bが設けられている。
図3及び図4は、ウェアラブル端末300の構成の一例を示す図である。
ウェアラブル端末300は、近距離無線通信範囲内でデバイス400と近距離無線通信を行う近距離無線通信機能を有する。例えば、図3に示すように、ウェアラブル端末300は、腕時計型のウェアラブル端末であり、医療スタッフの腕に装着される。この場合、図4に示すように、ウェアラブル端末300は、ディスプレイ320と、通信インターフェース330と、記憶回路340と、処理回路350と、近距離無線通信機能である近距離無線通信デバイス360とを有する。
ディスプレイ320は、処理回路350に接続されており、各種情報及び各種画像を表示する。具体的には、ディスプレイ320は、処理回路350から送られる各種情報及び各種画像のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ320は、液晶モニタやタッチパネル等によって実現され、時刻等を表示する。なお、ディスプレイ320は、表示部の実現手段の一例である。
通信インターフェース330は、処理回路350に接続されており、ウェアラブル端末300とタブレット200との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信インターフェース330は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC(Network Interface Controller)等によって実現される。
記憶回路340は、処理回路350に接続されており、各種データを記憶する。例えば、記憶回路340は、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、記憶回路340は、記憶部の実現手段の一例である。
処理回路350は、ウェアラブル端末300の構成要素を制御する。例えば、処理回路350は、図4に示すように、通信処理機能351を実行する。ここで、例えば、処理回路350の構成要素である通信処理機能351が実行する処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路340に記録されている。処理回路350は、上記プログラムを記憶回路340から読み出し、実行することで上記プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、上記プログラムを読み出した状態の処理回路350は、図4の処理回路350内に示された上記機能を有することとなる。ここで、通信処理機能351は、通信処理部の一例である。
近距離無線通信デバイス360は、デバイス400の近距離無線通信範囲内でデバイス400から発信された識別情報を受信する。例えば、医療スタッフが患者を対応するとき、近距離無線通信デバイス360は、その患者に装着されたリストバンド410に設けられたデバイス400の近距離無線通信範囲内に存在する。この場合、近距離無線通信デバイス360は、当該デバイス400から発信された識別情報を受信可能である。例えば、近距離無線通信デバイス360は、患者Aに装着されたリストバンド410に設けられたデバイス400Aの近距離無線通信範囲内に存在する場合、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」を受信する。通信処理機能351は、近距離無線通信デバイス360が受信した識別情報「P1111」をタブレット200に送信する。
図5は、タブレット200の構成の一例を示す図である。図5に示すように、タブレット200は、入力インターフェース210と、ディスプレイ220と、通信インターフェース230と、記憶回路240と、処理回路250とを有する。
入力インターフェース210は、処理回路250に接続されており、操作者から各種指示及び各種情報の入力操作を受け付ける。具体的には、入力インターフェース210は、操作者から受け付けた入力操作を電気信号へ変換して処理回路250に出力する。例えば、入力インターフェース210は、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。なお、本明細書において、入力インターフェース210は、マウス、キーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、装置とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を制御回路へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース210の例に含まれる。なお、入力インターフェース210は、入力部の実現手段の一例である。
ディスプレイ220は、処理回路250に接続されており、各種情報及び各種画像を表示する。具体的には、ディスプレイ220は、処理回路250から送られる各種情報及び各種画像のデータを表示用の電気信号に変換して出力する。例えば、ディスプレイ220は、液晶モニタやタッチパネル等によって実現される。なお、ディスプレイ220は、表示部の実現手段の一例である。
通信インターフェース230は、処理回路250に接続されており、タブレット200とウェアラブル端末300及びサーバ100との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信インターフェース230は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC等によって実現される。
記憶回路240は、処理回路250に接続されており、各種データを記憶する。例えば、記憶回路240は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、記憶回路240は、記憶部の実現手段の一例である。
処理回路250は、入力インターフェース210を介して操作者から受け付けた入力操作に応じて、タブレット200の構成要素を制御する。
例えば、処理回路250は、図5に示すように、通信処理機能251と、実行処理機能252と、警告処理機能253とを実行する。ここで、例えば、処理回路250の構成要素である通信処理機能251、実行処理機能252、警告処理機能253が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路240に記録されている。処理回路250は、各プログラムを記憶回路240から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路250は、図5の処理回路250内に示された各機能を有することとなる。ここで、通信処理機能251は、通信処理部の一例である。実行処理機能252は、実行処理部の一例である。警告処理機能253は、警告処理部の一例である。
図6は、サーバ100の構成の一例を示す図である。図6に示すように、サーバ100は、通信インターフェース130と、記憶回路140と、処理回路150とを有する。
通信インターフェース130は、処理回路150に接続されており、サーバ100とタブレット200との間で行われる各種データの伝送及び通信を制御する。通信インターフェース130は、例えば、ネットワークカードやネットワークアダプタ、NIC等によって実現される。
記憶回路140は、処理回路150に接続されており、各種データを記憶する。例えば、記憶回路140は、RAM、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子や、ハードディスク、光ディスク等によって実現される。なお、記憶回路140は、記憶部の実現手段の一例である。また、記憶回路140は、サーバ100がネットワーク上でアクセス可能であれば、サーバ100に内蔵されていなくてもよい。
記憶回路140は、複数の患者に対してそれぞれ作成された電子カルテ等からの複数の患者情報を記憶する。複数の患者情報の各々は、当該患者の基本情報と診療データとを含む。基本情報は、患者を識別する識別情報、氏名、生年月日、性別、血液型、身長、体重等を含む。診療データには、数値(計測値)や診療記録等の情報と、それらの記録日時を示す情報とが含まれる。例えば、診療データとしては、処方データ、看護記録データ等が挙げられる。処方データは、処方に関する診療データである。また、看護記録データは、看護記録に関する診療データである。
処理回路150は、サーバ100の構成要素を制御する。例えば、処理回路150は、図6に示すように、照合機能151と、実行処理機能152と、割込処理機能153と、記録処理機能154と、警告処理機能155とを実行する。ここで、例えば、処理回路150の構成要素である照合機能151、実行処理機能152、割込処理機能153、記録処理機能154、警告処理機能155が実行する各処理機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で記憶回路140に記録されている。処理回路150は、各プログラムを記憶回路140から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、各プログラムを読み出した状態の処理回路150は、図6の処理回路150内に示された各機能を有することとなる。ここで、照合機能151は、照合部の一例である。実行処理機能152は、実行処理部(第1の実行処理部、第2の実行処理部)の一例である。割込処理機能153は、割込処理部の一例である。記録処理機能154は、記録処理部の一例である。警告処理機能155は、警告処理部(第1の警告処理部、第2の警告処理部、第3の警告処理部)の一例である。
なお、上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)、或いは、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable GateArray:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。
以上、本実施形態に係る医用情報処理システム1の全体構成について説明した。このような構成のもと、患者の取り違いを防止するために、本実施形態に係る医用情報処理システム1では、以下の処理を行う。まず、本実施形態に係る医用情報処理システム1では、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が、医療スタッフ(例えば、看護師)が対応する被検体(例えば、患者)の識別情報を取得してサーバ100に送信する。サーバ100において、照合機能151は、スタッフ端末から送信された識別情報と記憶回路140に記憶された識別情報とを照合する。照合の結果、スタッフ端末から送信された識別情報が記憶回路140に記憶された識別情報と一致する場合、実行処理機能152は、患者に関する被検体情報(例えば、後述のバイタルデータ)を看護師により入力させる入力処理(例えば、後述の看護記録モード)をスタッフ端末に実行させる。記録処理機能154は、看護記録モードを中断させるイベントが発生した場合、看護記録モードが中断するまでに看護師により入力された被検体情報(例えば、血圧、脈拍)を、上記一致する識別情報に対応付けて記憶回路140に保存させる。また、割込処理機能153は、看護記録モードが中断したときに、患者の対応で予定されている項目(例えば、体温、血圧、脈拍)が被検体情報として記憶回路140に保存されていない場合、看護記録モードを中断している旨(例えば、後述の注意情報画面)を看護師に通知する情報(例えば、後述の注意情報)をスタッフ端末に送信する。
図7は、第1の実施形態に係る医用情報処理システム1による処理の手順を示すフローチャートである。図8~図12は、タブレット200のディスプレイ220に表示される画面の一例を示す図である。
ここで、患者A、Bにはそれぞれ識別情報「P1111」、「P1112」が割り当てられている。すなわち、患者A、Bの腕には、それぞれ、識別情報「P1111」、「P1112」を発信するデバイス400A、400Bが設けられたリストバンド410が装着されている。この場合、上述のように、ウェアラブル端末300には、デバイス400A、400Bと近距離無線通信を行う近距離無線通信機能(近距離無線通信デバイス360)が搭載されている。
例えば、医療スタッフ(看護師)は、患者Aの看護活動を開始するために、患者Aに近づく(図7のステップS101)。このとき、看護師に装着されたウェアラブル端末300の近距離無線通信デバイス360は、患者Aに装着されたリストバンド410に設けられたデバイス400Aの近距離無線通信範囲(以下、「患者Aエリア」と記載する)内に存在する。ウェアラブル端末300は、近距離無線通信デバイス360により、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、通信処理機能351により、受信した識別情報「P1111」をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、サーバ100に送信する(図7のステップS102)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報に含まれる識別情報と、受信した患者Aの識別情報「P1111」とを照合する。照合の結果、これらは一致する場合、実行処理機能152は、受信した患者Aの識別情報「P1111」に一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報)を記憶回路140から読み出してタブレット200に送信する(図7のステップS103)。
ここで、看護師が患者Aから離れるまで、すなわち、看護師が患者Aエリアにいる間、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」は、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)を経由してサーバ100に送信される。この場合、看護師が患者Aエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者Aの看護記録を記憶回路140に記録させる看護記録モードを実行する(以下、「患者A看護記録モード」と記載する)。
患者A看護記録モードにおいて、タブレット200は、通信処理機能251により、サーバ100から送信された患者Aの患者情報を受信し、実行処理機能252により、受信した患者Aの患者情報として、図8に示す画面20をディスプレイ220に表示させる(図7のステップS104)。
図8に示すように、患者Aの患者情報を表す画面20は、患者Aの患者情報に含まれる基本情報を表示する基本情報表示欄21と、医療スタッフが行う処理を選択するための選択欄22と、処方データや看護記録データ等の診療データを表示する診療データ表示欄23とを含む。例えば、基本情報表示欄21には、患者Aの基本情報として、患者Aを識別する識別情報「P1111」、氏名「患者A」、生年月日「2000年1月1日生」、性別「男」、血液型「A型」、身長「170cm」、体重「60kg」等が表示される。選択欄22には、例えば、医師が処方等をオーダするときに操作する「オーダ」ボタン22Aや、看護師が看護記録を入力するときに操作する「記録」ボタン22B等が含まれる。
患者A看護記録モードにおいて、例えば、看護師が、患者Aの患者情報を表す画面20の「記録」ボタン22Bを操作した場合、図9に示すように、タブレット200は、実行処理機能252により、当該画面20上に、患者Aの看護記録を入力するための看護記録画面30を表示させる。図9に示すように、看護記録画面30は、入力欄31~33、40を含む。入力欄31~33は、必須項目として、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータを入力する欄である。例えば、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータは、患者Aの体温、血圧、脈拍であり、入力欄31、32、33は、それぞれ、患者Aの体温、血圧、脈拍を入力する欄である。ここで、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータは、体温、血圧、脈拍等に限らず、患者の病状などに応じて、介助、注射、点滴、観察などの項目や、排泄量、食事量などの項目が含まれていてもよい。入力欄40は、その他の項目として、看護師が気づいた点などを入力する欄である。例えば、看護師が気づいた点として、患者の顔色が悪いとか、患者の食欲がないとか、吐血があった等の情報が挙げられる。
患者A看護記録モードにおいて、看護師は、患者Aの処置を開始する(図7のステップS105)。例えば、看護師は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータのうち、患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」を計測する。そして、看護師は、タブレット200を操作して、計測した患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」をそれぞれ看護記録画面30の入力欄32、33に入力する(図7のステップS106)。
ここで、患者Bがナースコールを用いることで看護師を呼び出す中断イベントが発生した場合(図7のステップS107)、サーバ100は、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が実行している患者A看護記録モードを中断させるために、割込処理機能153により、アラームをタブレット200に送信する(図7のステップS108)。例えば、タブレット200には、現在の位置情報を計測してサーバ100に送信する機能が搭載され、患者Aのベッドに近い患者Bがベッドで看護師を呼び出す等のナースコールを行った場合、割込処理機能153は、患者Bから呼び出しがある旨を表すアラームを、患者Aを看護している看護師のタブレット200に送信する。患者Aを看護している看護師のタブレット200がサーバ100からのアラームを受信した場合、当該タブレット200は、例えば、アラームとして患者Bから呼び出しがある旨をディスプレイ220に表示させたり、音を鳴らしたりする等により、患者Aを看護している看護師に通知する。
なお、本実施形態では、タブレット200が、患者Bから呼び出しがある旨を、患者Bの近くにいる患者Aを看護している看護師に通知しているが、これに限定されない。例えば、ウェアラブル端末300が、患者Bから呼び出しがある旨を、当該看護師に通知してもよい。また、中断イベントの発生として、患者Bは、ナースコールを用いることで看護師を呼び出しているが、患者Bの近くにいる患者Aを看護している看護師を、声掛けなどにより、直接呼び出してもよい。
患者Aを看護している看護師は、患者Bからの呼び出しにより、患者Aから離れ(図7のステップS109)、患者Bに近づく(図7のステップS110)。このとき、看護師に装着されたウェアラブル端末300の近距離無線通信デバイス360は、患者Bに装着されたリストバンド410に設けられたデバイス400Bの近距離無線通信範囲(以下、「患者Bエリア」と記載する)内に存在する。ウェアラブル端末300は、近距離無線通信デバイス360により、デバイス400Bから発信された患者Bの識別情報「P1112」を受信し、通信処理機能351により、受信した識別情報「P1112」をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Bの識別情報「P1112」を受信する(図7のステップS111)。
ここで、タブレット200は、受信した患者Bの識別情報「P1112」をサーバ100に送信する前に、実行中の患者A看護記録モードを中断させる。例えば、タブレット200の通信処理機能251は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータのうち、看護記録画面30の入力欄32、33にそれぞれ入力された患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」を患者Aの患者情報として記憶回路140に保存するための保存要求をサーバ100に送信する(図7のステップS112)。サーバ100は、記録処理機能154により、タブレット200から保存要求として送信された患者Aの患者情報(患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」)を受信し、受信した患者Aの患者情報を記憶回路140に保存させる(図7のステップS113)。
ステップS113において、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータのうち、患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」がサーバ100の記憶回路140に保存されているが、患者Aの体温は記憶回路140に保存されていない。このため、サーバ100の割込処理機能153は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が揃っていないことを認識する。すなわち、サーバ100の割込処理機能153は、患者A看護記録モードを中断していることを認識する。この場合、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が揃うまで、患者Aの患者情報(患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」)は、記憶回路140に一時保存される。
また、ステップS113において、サーバ100は、記録処理機能154により、看護師が行った患者Aの看護活動の記録(看護記録)を時系列で記憶回路140に保存させる。例えば、ステップS112において、タブレット200からサーバ100に送信される保存要求には、患者Aの看護活動の記録として、例えば、看護師が患者Aの看護活動を開始したときの開始時刻と、看護師が患者Aの看護活動を中断したときの中断時刻とが含まれ、ステップS113において、サーバ100は、記録処理機能154により、患者Aの看護活動の記録(開始時刻、中断時刻を含む)についても、患者Aの患者情報として記憶回路140に保存させる。例えば、患者Aの看護活動の開始時刻は、タブレット200が最初に患者Aの識別情報「P1111」を受信した時刻であり、患者Aの看護活動の中断時刻は、タブレット200が行う患者Aの識別情報「P1111」の受信が途切れた時刻である。具体的には、タブレット200が行う患者Aの識別情報「P1111」の受信が途切れた時刻において、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が記憶回路140に保存されていない場合、サーバ100は、当該受信が途切れた時刻を、患者Aの看護活動の中断時刻として記憶回路140に保存させる。
なお、本実施形態では、患者Aを看護している看護師が、患者Aから離れ(図7のステップS109)、患者Bに近づいたとき(図7のステップS110)、タブレット200は、患者Bの識別情報「P1112」をウェアラブル端末300から受信した場合(図7のステップS111)に、保存要求をサーバ100に送信し(図7のステップS112)、サーバ100は、保存要求に応じて患者Aの患者情報を一時保存しているが(図7のステップS113)、これに限定されない。例えば、患者Aを看護している看護師が、単に患者Aから離れたとき(図7のステップS109)、タブレット200は、所定時間が経過しても、患者Aの識別情報「P1111」をウェアラブル端末300から受信しない場合、保存要求をサーバ100に送信し(図7のステップS112)、サーバ100は、保存要求に応じて患者Aの患者情報を一時保存してもよい(図7のステップS113)。
また、本実施形態では、患者Bがナースコールを用いることで看護師を呼び出す場合を、中断イベントの発生としているが、これに限定されない。例えば、患者Aを看護している看護師が、単に患者Aから離れたことにより(図7のステップS109)、サーバ100の割込処理機能153は、所定時間が経過しても、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」をスタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)を経由して受信しない場合、中断イベントの発生として判断してもよい。
次に、タブレット200は、上記保存要求をサーバ100に送信した後、受信した患者Bの識別情報「P1112」をサーバ100に送信する(図7のステップS114)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Bの識別情報「P1112」を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報に含まれる識別情報と、受信した患者Bの識別情報「P1112」とを照合する。照合の結果、これらは一致する場合、実行処理機能152は、受信した患者Bの識別情報「P1112」に一致する識別情報を含む患者情報(患者Bの患者情報)を記憶回路140から読み出してタブレット200に送信する(図7のステップS115)。
ここで、看護師が患者Bから離れるまで、すなわち、看護師が患者Bエリアにいる間、デバイス400Bから発信された患者Bの識別情報「P1112」は、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)を経由してサーバ100に送信される。この場合、看護師が患者Bエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者Bの看護記録を記憶回路140に記録させる看護記録モードを実行する(以下、「患者B看護記録モード」と記載する)。
患者B看護記録モードにおいて、タブレット200は、通信処理機能251により、サーバ100から送信された患者Bの患者情報を受信し、実行処理機能252により、受信した患者Bの患者情報として、図10に示す画面20をディスプレイ220に表示させる(図7のステップS116)。
図10に示すように、患者Bの患者情報を表す画面20の基本情報表示欄21には、患者Bの基本情報として、患者Bを識別する識別情報「P1112」、氏名「患者B」、生年月日「1980年2月2日生」、性別「男」、血液型「B型」、身長「165cm」、体重「70kg」等が表示される。
上述のように、サーバ100の割込処理機能153は、患者A看護記録モードを中断していることを認識している。このため、サーバ100の割込処理機能153は、患者A看護記録モードを中断している旨を注意情報としてタブレット200に送信する。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該注意情報をサーバ100から受信し、実行処理機能252により、受信した注意情報として、図10に示す注意情報画面50をディスプレイ220に表示させる。具体的には、タブレット200は、注意情報画面50を、患者Bの患者情報を表す画面20上に表示させる(図7のステップS117)。例えば、注意情報画面50は、注意を表すメッセージ「患者Aさんの処置を中断しています」を含み、ポップアップ画面として、患者Bの患者情報を表す画面20上に表示される。
ここで、患者A看護記録モードが中断した場合に、図7のステップS117において、看護師による入力操作を制限する例について説明する。
例えば、看護師は、患者Aエリアで、患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」を計測して(図7のステップS105)、計測した患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」を、それぞれ、図9の看護記録画面30の入力欄32、33に入力した後(図7のステップS106)、体温計を用いて患者Aの体温も計測したが、図9の看護記録画面30の入力欄31に患者Aの体温を入力する前に、患者Bによる中断イベントが発生したものとする(図7のステップS107、S108)。このとき、看護師は、患者Aの体温を計測した体温計を持ったまま、患者Aから離れ、患者Bに近づいた場合(図7のステップS109、S110)、患者A看護記録モードが中断され(図7のステップS111~S113)、患者B看護記録モードが実行されるため(図7のステップS114~S116)、患者Bエリアで、患者Aの体温を患者Bの体温として誤入力する恐れがある。
このような誤入力を防止するために、本実施形態では、患者A看護記録モードが中断したときに、看護師が患者Aエリアにいない場合は、図7のステップS117において、タブレット200は、実行処理機能252により、患者Bに関する入力操作が容易に行われないようにする。具体的には、タブレット200は、患者A看護記録モードが中断したときに、すなわち、直前に看護師が処置した患者Aの体温のデータが未入力であった場合に、その旨を看護師に確認させるボタン(図示しない)を、例えば、図10の注意情報画面50上に表示させる。そして、タブレット200は、看護師が該ボタンを押下した場合に、すなわち、看護師が直前に処置した患者Aの体温のデータが未入力であることを確認した場合に、患者Bに関する入力操作を可能とする。これにより、本実施形態では、看護師が患者Bエリアで患者Aの体温を患者Bの体温として誤入力することを防止することができる。
さらに、看護師が後から確認できるように、患者A看護記録モードが再開したときに、タブレット200は、実行処理機能252により、患者Aの体温のデータが未入力であることを表すメッセージを、図9の看護記録画面30と併せて表示させてもよい。又は、図9の看護記録画面30の入力欄31には、該当データ(すなわち、体温のデータ)が未入力であることを看護師に注目させるための情報が、マーキングや点滅などの方法によって、上記メッセージと併せて表示されてもよい。
患者B看護記録モードにおいて、例えば、看護師が、患者Bの患者情報を表す画面20の「記録」ボタン22Bを操作した場合、図11に示すように、タブレット200は、実行処理機能252により、当該画面20上に、注意情報画面50と重ならない位置に、患者Bの看護記録を入力するための看護記録画面30を表示させる。
患者B看護記録モードにおいて、看護師は、患者Bの処置を開始する(図7のステップS118)。例えば、患者Bは、吐血していたので、看護師を呼び出していた場合、看護師は、患者Bの処置を終了したときに(図7のステップS119)、タブレット200を操作して、図11に示すように、患者Bの看護記録「○時○分に吐血あり」を看護記録画面30の入力欄40に入力する(図7のステップS120)。
次に、看護師は、タブレット200を操作して、看護記録画面30を閉じる。このとき、患者Bの患者情報を表す画面20は、図11に示す画面20から、図10に示す画面20に戻る。また、このとき、タブレット200の通信処理機能251は、看護記録画面30の入力欄40に入力された患者Bの看護記録「○時○分に吐血あり」を患者Bの患者情報として記憶回路140に保存するための保存要求をサーバ100に送信する(図7のステップS121)。サーバ100は、記録処理機能154により、タブレット200から保存要求として送信された患者Bの患者情報(患者Bの看護記録「○時○分に吐血あり」)を受信し、受信した患者Bの患者情報を記憶回路140に保存させる(図7のステップS122)。すなわち、患者Bの患者情報を更新する。
ステップS122において、サーバ100は、記録処理機能154により、看護師が行った患者Bの看護活動の記録(看護記録)を時系列で記憶回路140に保存させる。例えば、ステップS121において、タブレット200からサーバ100に送信される保存要求には、患者Bの看護活動の記録として、例えば、看護師が患者Bの看護活動を開始したときの開始時刻と、看護師が患者Bの看護活動を終了したときの終了時刻とが含まれ、ステップS122において、サーバ100は、記録処理機能154により、患者Bの看護活動の記録(開始時刻、終了時刻を含む)についても、患者Bの患者情報として記憶回路140に保存させる。例えば、患者Bの看護活動の開始時刻は、タブレット200が最初に患者Bの識別情報「P1112」を受信した時刻であり、患者Bの看護活動の終了時刻は、タブレット200が行う患者Bの識別情報「P1112」の受信が途切れた時刻である。また、サーバ100は、記録処理機能154により、患者Bがナースコールを用いることで看護師を呼び出す中断イベントが発生したイベント発生時刻についても、患者Bの患者情報として記憶回路140に保存させてもよい。
患者Bを看護した看護師は、画面20上に表示された注意情報画面50のメッセージ「患者Aさんの処置を中断しています」を基に、患者Bから離れ(図7のステップS123)、患者Aに近づく(図7のステップS124)。このとき、看護師に装着されたウェアラブル端末300の近距離無線通信デバイス360は、患者Aエリア内に存在する。ウェアラブル端末300は、近距離無線通信デバイス360により、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、通信処理機能351により、受信した識別情報「P1111」をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、サーバ100に送信する(図7のステップS125)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報に含まれる識別情報と、受信した患者Aの識別情報「P1111」とを照合する。照合の結果、これらは一致する場合、実行処理機能152は、受信した患者Aの識別情報「P1111」に一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報)を記憶回路140から読み出してタブレット200に送信する(図7のステップS126)。
ここで、看護師が患者Aから離れるまで、すなわち、看護師が患者Aエリアにいる間、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」は、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)を経由してサーバ100に送信される。この場合、看護師が患者Aエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを再開する。
患者A看護記録モードにおいて、タブレット200は、通信処理機能251により、サーバ100から送信された患者Aの患者情報を受信し、実行処理機能252により、受信した患者Aの患者情報として、図9に示す画面20をディスプレイ220に表示させる。すなわち、タブレット200は、実行処理機能252により、当該画面20上に、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータのうち、患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」がそれぞれ入力欄32、33に入力された看護記録画面30を表示させる(図7のステップS127)。
患者A看護記録モードにおいて、看護師は、患者Aの処置を再開する(図7のステップS128)。例えば、看護師は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータのうち、患者Aの体温「36.9」を計測し、患者Aの処置を終了する(図7のステップS129)。そして、図12に示すように、看護師は、タブレット200を操作して、計測した患者Aの体温「36.9」を看護記録画面30の入力欄31に入力する(図7のステップS130)。
次に、看護師は、タブレット200を操作して、看護記録画面30を閉じる。このとき、患者Aの患者情報を表す画面20は、図12に示す画面20から、図8に示す画面20に戻る。また、タブレット200の通信処理機能251は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータとして、看護記録画面30の入力欄31、32、33にそれぞれ入力された患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」を患者Aの患者情報として記憶回路140に保存するための保存要求をサーバ100に送信する(図7のステップS131)。サーバ100は、記録処理機能154により、タブレット200から保存要求として送信された患者Aの患者情報(患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」)を受信し、受信した患者Aの患者情報を記憶回路140に保存させる(図7のステップS132)。すなわち、患者Aの患者情報を更新する。
また、ステップS132において、サーバ100は、記録処理機能154により、看護師が行った患者Aの看護活動の記録を時系列で記憶回路140に保存させる。例えば、ステップS131において、タブレット200からサーバ100に送信される保存要求には、患者Aの看護活動の記録として、例えば、看護師が患者Aの看護活動を再開したときの再開時刻と、看護師が患者Aの看護活動を終了したときの終了時刻とが含まれ、ステップS132において、サーバ100は、記録処理機能154により、患者Aの看護活動の記録(再開時刻、終了時刻)についても、患者Aの患者情報として記憶回路140に保存させる。例えば、患者Aの看護活動の再開時刻は、タブレット200が最初に患者Aの識別情報「P1111」を受信した時刻であり、患者Aの看護活動の終了時刻は、タブレット200が行う患者Aの識別情報「P1111」の受信が途切れた時刻である。具体的には、タブレット200が最初に患者Aの識別情報「P1111」を受信した時刻において、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が記憶回路140に保存されていない場合、サーバ100は、当該受信した時刻を、患者Aの看護活動の再開時刻として記憶回路140に保存させる。タブレット200が行う患者Aの識別情報「P1111」の受信が途切れた時刻において、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が記憶回路140に保存された場合、サーバ100は、当該受信が途切れた時刻を、患者Aの看護活動の終了時刻として記憶回路140に保存させる。
このように、第1の実施形態では、例えば、医療スタッフである看護師が看護活動を行うために患者Aに近づいたときに、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が患者Aの識別情報「P1111」をデバイス400Aから自動的に取得し、取得した患者Aの識別情報「P1111」がサーバ100の記憶回路140に記憶された識別情報と一致する場合に、当該一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報)をタブレット200に送信し、タブレット200は、患者Aの患者情報を表す画面20をディスプレイ220に表示させている。そして、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が記憶回路140に保存されていないときに、看護師が患者Aから離れた場合、サーバ100は、患者Aの看護記録を中断している旨を注意情報としてタブレット200に送信し、タブレット200は、注意情報を表す注意情報画面50をディスプレイ220に表示させることにより、看護師に通知する。これにより、第1の実施形態では、看護師による看護記録の誤入力を防止することができる。すなわち、本実施形態によれば、患者の取り違いを防止することができる。
(第1の変形例)
第1の実施形態では、例えば、看護師が患者Aエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを実行するが、これに限定されない。例えば、第1の変形例として、サーバ100が患者Aの顔画像を認識している間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを実行してもよい。
図13及び図14は、第1の変形例におけるウェアラブル端末300の構成の一例を示す図である。ウェアラブル端末300は、例えば、図13に示すように、メガネ型のウェアラブル端末であり、医療スタッフの顔に装着される。この場合、図14に示すように、ウェアラブル端末300は、図4の近距離無線通信デバイス360に代えて、カメラ370を有する。
カメラ370は、医療スタッフが患者を対応するときに、その患者の顔画像を撮影する。ウェアラブル端末300がメガネ型のウェアラブル端末であるため、カメラ370は、医療スタッフの目線で患者の顔画像を撮影することができる。例えば、ディスプレイ320は、メガネの医療スタッフの視線を妨げない位置に設けられ、カメラ370により撮影された患者の顔画像を表示する。例えば、ウェアラブル端末300は、カメラ370により、患者Aの顔画像を撮影し、通信処理機能351により、患者Aの顔画像をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの顔画像を受信し、サーバ100に送信する。
サーバ100において、記憶回路140に記憶される複数の患者情報の各々の基本情報には、照合用に、予め撮影された患者の顔画像が含まれる。サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Aの顔画像を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報に含まれる顔画像と、受信した患者Aの顔画像とを照合する。照合の結果、これらは一致する場合、実行処理機能152は、受信した患者Aの顔画像に一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報)を記憶回路140から読み出してタブレット200に送信する。
ここで、看護師が患者Aから離れるまで、すなわち、サーバ100が患者Aの顔画像を認識している間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者Aの看護記録を記憶回路140に記録させる看護記録モード(患者A看護記録モード)を実行する。
なお、患者のベッドサイドに患者の識別情報が記載されている場合、医療スタッフは、カメラ370により、当該患者の顔と、当該患者のベッドサイドに記載された識別情報とが映るように、患者の顔画像を撮影してもよい。この場合、サーバ100において、記憶回路140に記憶される複数の患者情報の各々の基本情報には、照合用に、予め撮影された患者の顔画像と、当該患者のベッドサイドに記載された識別情報とが含まれる。
(第2の変形例)
第1の実施形態、及び、第1の変形例では、例えば、患者A看護記録モードを中断している旨を注意情報としてタブレット200のディスプレイ220に表示させることにより看護師に通知しているが、これに限定されない。例えば、第2の変形例として、患者A看護記録モードを中断している旨を注意情報としてウェアラブル端末300のディスプレイ320にも表示させてもよい。
図15及び図16は、第2の変形例におけるウェアラブル端末300のディスプレイ320に表示される画面の一例を示す図である。
タブレット200は、通信処理機能251により、患者A看護記録モードを中断している旨を注意情報としてサーバ100から受信し、実行処理機能252により、受信した注意情報として注意情報画面50(図10)をディスプレイ220に表示させる。そして、タブレット200は、通信処理機能251により、受信した注意情報をウェアラブル端末300に送信し、ウェアラブル端末300は、受信した注意情報として注意情報画面51をディスプレイ320に表示させる。例えば、図15に示すように、ウェアラブル端末300は、腕時計型のウェアラブル端末である場合、注意を表すメッセージ「中断あり」を含む注意情報画面51をディスプレイ320に表示させる。例えば、図16に示すように、ウェアラブル端末300は、メガネ型のウェアラブル端末である場合、注意情報画面51を、ディスプレイ320の看護師の視線を妨げない位置に表示させる。
(第3の変形例)
第1の実施形態、及び、第1、第2の変形例では、例えば、看護師が患者Aエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを実行する。しかし、患者Aと患者Bとが近くにいる場合、看護師が患者Aエリアと患者Bエリアとの両方のエリアにいる場合も考えられる。第3の変形例では、これを解決する。
図17は、第3の変形例における医用情報処理システム1による処理の手順を示すフローチャートである。図18は、第3の変形例におけるタブレット200のディスプレイ220に表示される画面の一例を示す図である。
例えば、医療スタッフ(看護師)は、患者Aの看護活動を開始するために、患者Aに近づく。しかし、患者Aの近くには患者Bも存在する(図17のステップS201)。このとき、看護師に装着されたウェアラブル端末300は、患者Aエリア内に存在するが、患者Bエリア内にも存在する。ウェアラブル端末300は、デバイス400A及びデバイス400Bからそれぞれ発信された患者Aの識別情報「P1111」及び患者Bの識別情報「P1112」を受信し、タブレット200に送信する。タブレット200は、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの識別情報「P1111」及び患者Bの識別情報「P1112」を受信し、サーバ100に送信する(図17のステップS202、S203)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Aの識別情報「P1111」及び患者Bの識別情報「P1112」を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報に含まれる識別情報と、受信した患者Aの識別情報「P1111」及び患者Bの識別情報「P1112」とを照合する。照合の結果、これらは一致する。この場合、照合機能151は、受信した患者Aの識別情報「P1111」及び患者Bの識別情報「P1112」に一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報、及び、患者Bの患者情報)を記憶回路140から読み出す。
ここで、サーバ100の警告処理機能155は、記憶回路140から読み出された患者情報が複数存在するため、その旨を警告情報としてタブレット200に送信する(図17のステップS204)。また、サーバ100の警告処理機能155は、当該警告情報をタブレット200に送信したことを記憶回路140に記録する。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、図18に示す警告情報画面60をディスプレイ220に表示させる(図17のステップS205)。例えば、警告情報画面60は、警告を表すメッセージ「近くに複数の患者が存在します」が記載された表示欄61と、患者情報を選択する選択欄62とを含む。選択欄62は、患者Aの患者情報を選択する選択欄62Aと、患者Bの患者情報を選択する選択欄62Bとを含む。また、表示欄61には、看護師へのサポートとして、患者A及び患者Bを特定するための情報(患者A及び患者Bの名前、生年月日等)が、上記メッセージと併せて表示されてもよい。又は、表示欄61には、看護師に注目させるために、患者A及び患者Bを特定するための情報が、マーキングや点滅などの方法によって、上記メッセージと併せて表示されてもよい。
例えば、看護師は、患者A及び患者Bのうち、患者Aに声掛けを行い(図17のステップS206)、患者Aが応答した場合(図17のステップS207)、警告情報画面60の選択欄62Aを操作する。この場合、タブレット200は、選択欄62Aの操作により、患者Aの患者情報が選択された旨を表す選択情報をサーバ100に送信する(図17のステップS208)。
サーバ100は、実行処理機能152により、タブレット200から送信された選択情報を受信し、受信した選択情報に応じて、記憶回路140から読み出した患者Aの患者情報をタブレット200に送信する(図17のステップS209)。この場合、看護師が患者Aエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者Aの看護記録を記憶回路140に記録させる看護記録モード(患者A看護記録モード)を実行する。
患者A看護記録モードにおいて、タブレット200は、サーバ100から送信された患者Aの患者情報を受信し、受信した患者Aの患者情報を表す画面20をディスプレイ220に表示させる(図17のステップS210)。例えば、看護師が、患者Aの患者情報を表す画面20の「記録」ボタン22Bを操作した場合、タブレット200は、当該画面20上に看護記録画面30を表示させる。
患者A看護記録モードにおいて、看護師は、患者Aの処置を開始する(図17のステップS211)。例えば、看護師は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータとして、患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」を計測し、患者Aの処置を終了する(図17のステップS212)。そして、看護師は、タブレット200を操作して、計測した患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」をそれぞれ看護記録画面30の入力欄31、32、33に入力する(図17のステップS213)。
次に、看護師は、タブレット200を操作して、看護記録画面30を閉じる。このとき、タブレット200は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータとして、看護記録画面30の入力欄31、32、33にそれぞれ入力された患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」を患者Aの患者情報として記憶回路140に保存するための保存要求をサーバ100に送信する(図17のステップS214)。サーバ100は、記録処理機能154により、タブレット200から保存要求として送信された患者Aの患者情報(患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」)を受信し、受信した患者Aの患者情報を記憶回路140に保存させる(図17のステップS215)。すなわち、患者Aの患者情報を更新する。
(第4の変形例)
第1の実施形態、及び、第1~第3の変形例では、例えば、看護師が患者Aエリアにいる間、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを実行するが、これに限定されない。例えば、第4の変形例として、サーバ100が患者Aの名前を表す音声を認識することで、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを実行してもよい。
図19及び図20は、第4の変形例におけるウェアラブル端末300の構成の一例を示す図である。ウェアラブル端末300は、例えば、図19に示すように、腕時計型のウェアラブル端末であり、医療スタッフの腕に装着される。この場合、図20に示すように、ウェアラブル端末300は、図4の近距離無線通信デバイス360に代えて、マイク380を有する。
マイク380は、医療スタッフが患者を対応するときに、音声を集音する。例えば、医療スタッフが患者を対応するときに、当該患者の名前を呼び、マイク380は、当該患者の名前を集音する。例えば、マイク380が、患者Aの名前を集音した場合、通信処理機能351は、患者Aの名前を表す音声をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの名前を表す音声を受信し、サーバ100に送信する。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Aの名前を表す音声を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報の基本情報に含まれる患者の氏名(名前)と、受信した音声が表す患者Aの名前とを照合する。照合の結果、これらは一致する場合、実行処理機能152は、受信した音声が表す患者Aの名前に一致する名前を含む患者情報(患者Aの患者情報)を記憶回路140から読み出してタブレット200に送信する。
ここで、例えば、患者Aの患者情報が更新されるまで、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者Aの看護記録を記憶回路140に記録させる看護記録モード(患者A看護記録モード)を実行する。
(第5の変形例)
第4の変形例では、例えば、サーバ100が患者Aの名前を表す音声を認識することで、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)及びサーバ100は、患者A看護記録モードを実行する。しかし、第5の変形例として、患者Aと患者Bとが同姓である場合が考えられる。
図21は、第5の変形例における医用情報処理システム1による処理の手順を示すフローチャートである。図22は、第5の変形例におけるタブレット200のディスプレイ220に表示される画面の一例を示す図である。
例えば、医療スタッフ(看護師)は、患者Aの看護活動を開始するために、患者Aに近づき、声掛けを行う(図21のステップS301)。例えば、看護師は、患者Aに対して、患者Aの名前(苗字)である「佐藤さん」と呼ぶ。しかし、患者Aの近くには、同姓「佐藤さん」の患者Bも存在する(図21のステップS302)。このとき、看護師に装着されたウェアラブル端末300は、マイク380により、患者Aの名前を表す音声を集音し、タブレット200に送信する。タブレット200は、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの名前を表す音声を受信し、サーバ100に送信する(図21のステップS303)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された患者Aの名前を表す音声を受信し、記憶回路140に記憶された患者情報の基本情報に含まれる患者の氏名(名前)と、受信した音声が表す患者Aの名前とを照合する。照合の結果、これらは一致する。この場合、照合機能151は、受信した音声が表す患者Aの名前に一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報、及び、患者Bの患者情報)を記憶回路140から読み出す。
ここで、サーバ100の警告処理機能155は、記憶回路140から読み出された患者情報が複数存在するため、その旨を警告情報としてタブレット200に送信する(図21のステップS304)。また、サーバ100の警告処理機能155は、当該警告情報をタブレット200に送信したことを記憶回路140に記録する。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、図22に示す警告情報画面70をディスプレイ220に表示させる(図21のステップS305)。例えば、警告情報画面70は、警告を表すメッセージ「同姓の患者が存在します」が記載された表示欄71と、患者情報を選択する選択欄72とを含む。選択欄72は、患者Aの患者情報を選択する選択欄72Aと、患者Bの患者情報を選択する選択欄72Bとを含む。また、表示欄71には、看護師へのサポートとして、患者A及び患者Bを特定するための情報(患者A及び患者Bの名前、生年月日等)が、上記メッセージと併せて表示されてもよい。又は、表示欄71には、看護師に注目させるために、看護師が患者A及び患者Bを特定するための情報が、マーキングや点滅などの方法によって、上記メッセージと併せて表示されてもよい。
例えば、看護師は、患者A及び患者Bのうち、患者Aに声掛け等の確認を行い(図21のステップS306)、患者Aが応答した場合(図21のステップS307)、警告情報画面70の選択欄72Aを操作する。この場合、タブレット200は、選択欄72Aの操作により、患者Aの患者情報が選択された旨を表す選択情報をサーバ100に送信する(図21のステップS308)。
サーバ100は、実行処理機能152により、タブレット200から送信された選択情報を受信し、受信した選択情報に応じて、記憶回路140から読み出した患者Aの患者情報をタブレット200に送信する(図21のステップS309)。
タブレット200は、サーバ100から送信された患者Aの患者情報を受信し、受信した患者Aの患者情報を表す画面20をディスプレイ220に表示させる(図21のステップS310)。例えば、看護師が、患者Aの患者情報を表す画面20の「記録」ボタン22Bを操作した場合、タブレット200は、当該画面20上に看護記録画面30を表示させる。
看護師は、患者Aの処置を開始する(図21のステップS311)。例えば、看護師は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータとして、患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」を計測し、患者Aの処置を終了する(図21のステップS312)。そして、看護師は、タブレット200を操作して、計測した患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」をそれぞれ看護記録画面30の入力欄31、32、33に入力する(図21のステップS313)。
次に、看護師は、タブレット200を操作して、看護記録画面30を閉じる。このとき、タブレット200は、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータとして、看護記録画面30の入力欄31、32、33にそれぞれ入力された患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」を患者Aの患者情報として記憶回路140に保存するための保存要求をサーバ100に送信する(図21のステップS314)。サーバ100は、記録処理機能154により、タブレット200から保存要求として送信された患者Aの患者情報(患者Aの体温「36.9」、血圧「130/90」、脈拍「65」)を受信し、受信した患者Aの患者情報を記憶回路140に保存させる(図21のステップS315)。すなわち、患者Aの患者情報を更新する。
以上の説明により、第1の実施形態では、例えば、医療スタッフである看護師が看護活動を行うために患者Aに近づいたときに、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が患者Aの識別情報「P1111」をデバイス400Aから自動的に取得し、取得した患者Aの識別情報「P1111」がサーバ100の記憶回路140に記憶された識別情報と一致する場合に、当該一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報)をタブレット200に送信し、タブレット200は、患者Aの患者情報を表す画面20をディスプレイ220に表示させている。そして、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が記憶回路140に保存されていないときに、看護師が患者Aから離れた場合、サーバ100は、患者Aの看護記録を中断している旨を注意情報としてタブレット200に送信し、タブレット200は、注意情報を表す注意情報画面50をディスプレイ220に表示させることにより、看護師に通知する。これにより、第1の実施形態では、看護師による看護記録の誤入力を防止することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、例えば、医療スタッフである医師は、患者Aのベッドサイドで、患者Aの処方等をオーダする場合がある。このときに、医師は、タブレット200を操作して、一覧表から患者を選択した場合(例えば、誤って患者Bを選択した場合)、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が、ベッドサイドにいる患者Aの識別情報「P1111」をデバイス400Aから自動的に取得し、取得した患者Aの識別情報「P1111」が上記選択した患者の識別情報(サーバ100の記憶回路140に記憶された患者Bの識別情報「P1112」)と一致しない場合に、サーバ100は、選択した患者が間違っている旨を警告情報としてタブレット200に送信し、タブレット200は、警告情報を表す警告情報画面をディスプレイ220に表示させることにより、医師に通知する。これにより、第2の実施形態では、医師によるオーダのミス(誤発注)を防止することができる。
まず、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が取得した患者Aの識別情報「P1111」と、医師が選択した患者の識別情報とが一致する場合の処理について説明する。図23は、第2の実施形態に係る医用情報処理システム1による処理の手順を示すフローチャートである。図24は、第2の実施形態におけるタブレット200のディスプレイ220に表示される画面の一例を示す図である。
例えば、医療スタッフ(医師)は、患者Aのベッドサイドで、患者Aの処方等をオーダする場合、タブレット200を操作して、患者選択画面の要求を行う。このとき、タブレット200は、通信処理機能251により、患者選択画面要求をサーバ100に送信する(図23のステップS401)。サーバ100の照合機能151は、当該患者選択画面要求に応じて、図24に示す患者選択画面10を表す情報をタブレット200に送信する(図23のステップS402)。タブレット200は、通信処理機能251により、サーバ100から送信された患者選択画面10を表す情報を受信し、患者選択画面10をディスプレイ220に表示させる(図23のステップS403)。
図24に示すように、患者選択画面10は、記憶回路140に記憶された患者情報に含まれる識別情報の中から、1人の患者の識別情報を選択するための一覧表11を含む。例えば、医師は、タブレット200を操作して、一覧表11から患者Aを選択する(図23のステップS404)。このとき、タブレット200は、通信処理機能251により、一覧表11から患者Aが選択された旨を表す選択情報をサーバ100に送信する(図23のステップS405)。
ここで、医師は、患者Aのベッドサイドで、患者Aの処方等をオーダするために、患者Aに近づいている。このため、医師に装着されたウェアラブル端末300の近距離無線通信デバイス360は、患者Aに装着されたリストバンド410に設けられたデバイス400Aの近距離無線通信範囲(患者Aエリア)内に存在する。ウェアラブル端末300は、近距離無線通信デバイス360により、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、通信処理機能351により、受信した識別情報「P1111」をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、サーバ100に送信する(図23のステップS406)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された選択情報を受信する。また、照合機能151は、タブレット200から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信する。そして、照合機能151は、受信した患者Aの識別情報「P1111」と、受信した選択情報が表す患者Aの識別情報「P1111」とを照合する。照合の結果、これらは一致する(図23のステップS407)。この場合、実行処理機能152は、受信した患者Aの識別情報「P1111」に一致する識別情報を含む患者情報(患者Aの患者情報)を記憶回路140から読み出してタブレット200に送信する(図23のステップS408)。
タブレット200は、通信処理機能251により、サーバ100から送信された患者Aの患者情報を受信し、実行処理機能252により、受信した患者Aの患者情報として、図24に示す画面20をディスプレイ220に表示させる(図23のステップS409)。
次に、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が取得した患者Aの識別情報「P1111」と、医師が選択した患者の識別情報とが一致しない場合の処理について説明する。図25は、第2の実施形態に係る医用情報処理システム1による処理の手順を示すフローチャートである。図26は、第2の実施形態におけるタブレット200のディスプレイ220に表示される画面の一例を示す図である。
例えば、医療スタッフ(医師)は、患者Aのベッドサイドで、患者Aの処方等をオーダする場合、タブレット200を操作して、患者選択画面の要求を行う。このとき、タブレット200は、通信処理機能251により、患者選択画面要求をサーバ100に送信する(図25のステップS401)。サーバ100の照合機能151は、当該患者選択画面要求に応じて、図26に示す患者選択画面10を表す情報をタブレット200に送信する(図25のステップS402)。タブレット200は、通信処理機能251により、サーバ100から送信された患者選択画面10を表す情報を受信し、患者選択画面10をディスプレイ220に表示させる(図25のステップS403)。
例えば、医師は、タブレット200を操作して、一覧表11から患者Bを選択する(図25のステップS404)。このとき、タブレット200は、通信処理機能251により、一覧表11から患者Bが選択された旨を表す選択情報をサーバ100に送信する(図25のステップS405)。
ここで、医師は、患者Aのベッドサイドで、患者Aの処方等をオーダするために、患者Aに近づいている。このため、医師に装着されたウェアラブル端末300の近距離無線通信デバイス360は、患者Aに装着されたリストバンド410に設けられたデバイス400Aの近距離無線通信範囲(患者Aエリア)内に存在する。ウェアラブル端末300は、近距離無線通信デバイス360により、デバイス400Aから発信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、通信処理機能351により、受信した識別情報「P1111」をタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、ウェアラブル端末300から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信し、サーバ100に送信する(図25のステップS406)。
サーバ100は、照合機能151により、タブレット200から送信された選択情報を受信する。また、照合機能151は、タブレット200から送信された患者Aの識別情報「P1111」を受信する。そして、照合機能151は、受信した患者Aの識別情報「P1111」と、受信した選択情報が表す患者Bの識別情報「P1112」とを照合する。照合の結果、これらは一致しない(図23のステップS410)。この場合、警告処理機能155は、医師が患者を間違えている旨を警告情報としてタブレット200に送信する(図23のステップS411)。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、例えば、図26に示す警告情報画面12を患者選択画面10上に表示させる(図25のステップS412)。例えば、警告情報画面12は、警告を表すメッセージ「患者が違います」が記載された表示欄を含む。
以上の説明により、第2の実施形態では、スタッフ端末(ウェアラブル端末300、タブレット200)が取得した患者Aの識別情報「P1111」と、医師が選択した患者の識別情報(サーバ100の記憶回路140に記憶された識別情報)とを照合させることにより、医師によるオーダのミス(誤発注)を防止することができる。なお、患者のベッドサイドに患者の識別情報が記載されている場合、患者の取り違いの防止を強化するために、当該患者のベッドサイドに記載された識別情報も照合させてもよい。この場合、サーバ100において、記憶回路140に記憶される複数の患者情報の各々の基本情報には、照合用に、当該患者のベッドサイドに記載された識別情報が含まれる。例えば、医師は、タブレット200を操作して、当該患者のベッドサイドに記載された識別情報を入力し、サーバ100は、医師が入力した識別情報が、サーバ100の記憶回路140に記憶されたベッドサイドの識別情報と一致しない場合でも、医師が患者を間違えている旨を警告情報としてタブレット200に送信してもよい。
(第3の実施形態)
第3の実施形態として、サーバ100の記録処理機能154は、患者の取り違いが起きる可能性があった事例を記憶回路140に記憶させ、当該事例と類似の事例が発生する場合に、サーバ100の警告処理機能155は、類似の事例がある旨を警告情報としてタブレット200に送信してもよい。
例えば、患者Aと患者Bとが近くにいる場合、サーバ100の警告処理機能155は、類似の事例がある旨を警告情報としてタブレット200に送信してもよい。この場合、サーバ100の警告処理機能155は、記憶回路140から読み出された患者情報が複数存在する旨を警告情報としてタブレット200に送信する(図17のステップS204)。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、図27に示す警告情報画面60をディスプレイ220に表示させる(図17のステップS205)。このとき、図27に示す警告情報画面60は、例えば、図18に示す警告情報画面60に対して、類似の事例がある旨を表すメッセージ「類似の事例あり」が記載された類似事例表示欄63を更に含む。
例えば、患者Aと患者Bとが同姓である場合、サーバ100の警告処理機能155は、類似の事例がある旨を警告情報としてタブレット200に送信してもよい。この場合、サーバ100の警告処理機能155は、記憶回路140から読み出された患者情報が複数存在する旨を警告情報としてタブレット200に送信する(図21のステップS304)。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、図28に示す警告情報画面70をディスプレイ220に表示させる(図21のステップS305)。このとき、図28に示す警告情報画面70は、例えば、図22に示す警告情報画面70に対して、類似の事例がある旨を表すメッセージ「類似の事例あり」が記載された類似事例表示欄73を更に含む。
(第4の実施形態)
第4の実施形態として、サーバ100の記録処理機能154は、第1の実施形態及び第2の実施形態においてイベントや警告情報が発生したときの状況を記憶回路140に記憶させているため、患者の取り違いが起きる可能性がある場合に、サーバ100の警告処理機能155は、看護記録の誤入力等を事前に防ぐために、当該状況を警告情報としてタブレット200に送信してもよい。
例えば、看護師が、患者Aの処置を中断した後に、中断した処置を再開しない場合、すなわち、患者A看護記録モードが中断されてから、患者A看護記録モードが再開されない場合、サーバ100の警告処理機能155は、患者A看護記録モードが再開されない旨を警告情報としてタブレット200に送信してもよい。例えば、タブレット200が行う患者Aの識別情報「P1111」の受信が途切れた時刻から、設定時間が経過しても、患者Aの看護記録で予定されているバイタルデータの全て(患者Aの体温、血圧、脈拍)が記憶回路140に保存されていない場合、サーバ100の警告処理機能155は、患者Aの処置を中断してから設定時間が経過している旨を警告情報としてタブレット200に送信する。この場合、タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、図29に示す警告情報画面80をディスプレイ220に表示させる。
例えば、警告情報画面80は、警告を表すメッセージ「データ入力が完了していない患者がいます」が記載された表示欄81と、警告情報が発生した状況を表示する状況表示欄82とを含む。ここで、表示欄81には、看護師へのサポートとして、患者Aを特定するための情報(患者Aの名前、生年月日等)が、上記メッセージと併せて表示されてもよい。又は、表示欄81には、看護師に注目させるために、看護師が患者Aを特定するための情報が、マーキングや点滅などの方法によって、上記メッセージと併せて表示されてもよい。
ここで、患者A看護記録モードが中断されてから、設定時間が経過したときに、状況表示欄82に表示される内容の一例を説明する。
例えば、看護師は、患者Aエリアで、患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」を計測して(図7のステップS105)、計測した患者Aの血圧「130/90」、脈拍「65」を、それぞれ、図9の看護記録画面30の入力欄32、33に入力した後(図7のステップS106)、図9の看護記録画面30の入力欄31に患者Aの体温を入力する前に、患者Bによる中断イベントが発生したものとする(図7のステップS107、S108)。このとき、看護師は、患者Aから離れ、患者Bに近づくため(図7のステップS109、S110)、患者A看護記録モードが中断され(図7のステップS111~S113)、患者B看護記録モードが実行される(図7のステップS114~S122)。そこで、看護師は、患者Bから離れたが(図7のステップS123)、患者Aに近づいていない。すなわち、患者A看護記録モードが再開されない。この場合、サーバ100の警告処理機能155は、患者Aの処置を中断してから設定時間が経過している旨を警告情報としてタブレット200に送信する。タブレット200は、通信処理機能251により、当該警告情報をサーバ100から受信し、警告処理機能253により、受信した警告情報として、図29の警告情報画面80をディスプレイ220に表示させる。
ここで、サーバ100は、図7のステップS113において、患者Aの看護記録を記憶回路140に記憶し、図7のステップS122において、患者Bの看護記録を記憶回路140に記憶している。本実施形態では、上述の状況によって警告情報を発生させるときに、これらの情報を利用する。具体的には、図29の警告情報画面80の状況表示欄82には、図7のステップS113において記憶回路140に保存された患者Aの看護記録(開始時刻「9:00」、中断時刻「9:30」を含む)と、図7のステップS122において記憶回路140に保存された患者Bの看護記録(イベント発生時刻「9:30」、開始時刻「9:35」、終了時刻「10:00」を含む)とが並べて表示される。
図29に示す例では、設定時間が1時間の場合であり、患者Aの処置を中断した時刻である9時30分から、設定時間が経過した時刻である10時30分に、タブレット200は、警告情報をサーバ100から受信し、受信した警告情報として、警告情報画面80をディスプレイ220に表示させている。ここで、例えば、設定時間が経過した時刻である10時30分にタブレット200が警告情報画面80をディスプレイ220に表示させるときに、警告情報画面80の状況表示欄82において、患者Aの看護記録の未入力データとして、「体温は?」等のメッセージが表示されてもよい。
なお、本実施形態で図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部または任意の一部が、CPUおよび当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、或いは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
また、本実施形態で説明した表示方法は、予め用意された情報処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。この情報処理プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、この情報処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一時的な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、患者の取り違いを防止することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。