JP7281094B2 - 双極板、セルフレーム、セルスタック、およびレドックスフロー電池 - Google Patents

双極板、セルフレーム、セルスタック、およびレドックスフロー電池 Download PDF

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Description

本開示は、双極板、セルフレーム、セルスタック、およびレドックスフロー電池に関する。
本出願は、2019年2月14日付の日本国出願の特願2019-024664に基づく優先権を主張し、前記日本国出願に記載された全ての記載内容を援用するものである。
特許文献1から4には、セルフレーム、正極電極、隔膜、負極電極、およびセルフレームを複数積層し、その積層体を給排板で挟み込んだセルスタック、およびそのセルスタックを用いたレドックスフロー電池が記載されている。セルフレームは、電極に対向される双極板と、この双極板の外周に配置される枠体とを備える。この構成では、隣接する各セルフレームの双極板の間に一つのセルが形成される。
特許文献1から4には、セル内の正極電極と負極電極に十分に電解液を行き渡らせるために、双極板における正極電極に対向する面と、負極電極に対向する面とに、複数の溝を備える構成が開示されている。これらの溝は、電解液の導入路及び排出路として機能する。導入路は主に、双極板の全面に電解液を拡散させ、双極板に配置される電極に電解液を導入する役割を果たす。排出路は主に、電極から電解液を回収し、双極板から電解液を排出する役割を果たす。
特開2015-122230号公報 特開2015-122231号公報 特開2015-138771号公報 特開2015-210849号公報
本開示の双極板は、
レドックスフロー電池の電極に対向され、電解液の導入路と排出路とを備える双極板であって、
前記導入路と前記排出路の一方は、表面に形成される溝状流路であり、他方は内部に形成される管状流路であり、
前記表面から前記管状流路に連通する連通孔を備える。
本開示のセルフレームは、
本開示の双極板と、
前記双極板の外周に設けられる枠体と、を備える。
本開示のセルスタックは、
本開示のセルフレームを備える。
本開示のレドックスフロー電池は、
本開示のセルスタックを備える。
図1は、実施形態1に係るレドックスフロー電池の動作原理の説明図である。 図2は、実施形態1に係るレドックスフロー電池の概略構成図である。 図3は、実施形態1に係るセルスタックの概略構成図である。 図4は、実施形態1に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図5は、実施形態1に係るセルフレームを、第一面の裏側の面である第二面側から見た平面図である。 図6は、図4に示す双極板の横断面図である。 図7は、図4に示す双極板の縦断面図である。 図8は、実施形態2に係る双極板の縦断面図である。 図9は、実施形態3に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図10は、実施形態4に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図11は、実施形態5に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図12は、変形例5-1に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図13は、図12に示す双極板の縦断面図である。 図14は、実施形態7に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図15は、実施形態8に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。 図16は、実施形態9に係るセルフレームを第一面側から見た平面図である。
[発明が解決しようとする課題]
近年、自然環境に配慮したエネルギーシステムの構築が望まれており、その一環としてレドックスフロー電池の電池性能の向上が期待されている。発明者は、レドックスフロー電池のセルフレームに備わる双極板の流路に着目し、レドックスフロー電池の電池性能を向上させることができる構成を検討した。
本開示は、レドックスフロー電池の電池性能を向上させる双極板を提供することを目的の一つとする。また、本開示は、レドックスフロー電池の電池性能を向上させるセルフレーム及びセルスタックを提供することを目的の一つとする。更に、本開示は、電池性能に優れるレドックスフロー電池を提供することを目的の一つとする。
[発明の効果]
本開示の双極板によれば、電池性能に優れるレドックスフロー電池が構築され得る。
本開示のセルフレームによれば、電池性能に優れるレドックスフロー電池が構築され得る。
本開示のセルスタックによれば、電池性能に優れるレドックスフロー電池が構築され得る。
本開示のレドックスフロー電池は、従来の構成よりも電池性能に優れる。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施形態の内容を列記して説明する。
<1>実施形態に係る双極板は、
レドックスフロー電池の電極に対向され、電解液の導入路と排出路とを備える双極板であって、
前記導入路と前記排出路の一方は、表面に形成される溝状流路であり、他方は内部に形成される管状流路であり、
前記表面から前記管状流路に連通する連通孔を備える。
実施形態の双極板は、導入路と排出路の数を従来よりも多くできる。従来の双極板において双極板の表面に形成される導入路と排出路の数を多くすると、電池反応する前に双極板から排出される電解液の量が多くなり易い。これに対して、実施形態の双極板では、導入路と排出路の数を多くしても、反応する前に双極板から排出される電解液の量が増加することを抑制できる。実施形態の双極板では、導入路と排出路とが双極板の厚み方向の異なる位置にあるため、導入路と排出路との間で電解液の流れを調整し易いからである。また、双極板の表面から管状流路(導入路又は排出路)に連通する連通孔の数によって上記電解液の流れを調整し易いことも、未反応の電解液量の増加を抑制できる要因の一つである。この実施形態の双極板を使用すれば、電解液を十分に電池反応させることができ、かつ反応済みの電解液を速やかに回収できるので、充放電効率に優れるレドックスフロー電池を作製できる。
実施形態の双極板において、導入路の数を多くすることで、双極板の全面に電解液を速やかに行き渡らせることができ、双極板に対向される電極の全面に電解液をムラなく供給することができる。また、排出路の数を多くすることで、反応済みの電解液を、電極の全面から速やかに回収することができる。排出路が多いと、電解液の流通時の圧力損失を低減できるので、電解液を循環させるポンプの出力を低減できる。その結果、レドックスフロー電池の運転に伴う電力消費量が低減される。
<2>実施形態に係る双極板の一形態として、
前記導入路が前記溝状流路であり、前記排出路が前記管状流路である形態が挙げられる。
導入路が双極板の表面に形成される溝状流路であることで、双極板の全面に電解液を速やかに行き渡らせ易い。また、排出路が双極板の内部に形成される管状流路であることで、反応済みの電解液を双極板の表面から速やかに回収できる。その結果、双極板の表面に配置される電極における電池反応が、反応済みの電解液によって阻害されることを抑制できる。
<3>実施形態に係る双極板の一形態として、
前記溝状流路と前記管状流路とが、互いに交差する方向に延びる形態が挙げられる。
溝状流路の延伸方向と管状流路の延伸方向とが交差することで、双極板の曲げ剛性を向上させられる。溝状流路の延伸方向と管状流路の延伸方向とが平行であれば、双極板が特定の方向への曲げ強度が不足する虞がある。
<4>上記<3>の双極板の一形態として、
前記溝状流路と前記管状流路とが、互いに直交する方向に延びる形態が挙げられる。
溝状流路の延伸方向と管状流路の延伸方向とが直交することで、より一層、双極板の曲げ剛性を向上させられる。また、上記構成によれば、双極板における電解液の流れが円滑になる。
<5>実施形態に係る双極板の一形態として、
前記溝状流路を複数備え、
隣接する一方の前記溝状流路と他方の前記溝状流路とに挟まれる溝間領域に、前記連通孔が少なくとも一つ配置されている形態が挙げられる。
隣接する二つの溝状流路に挟まれる位置に連通孔があることで、溝状流路と管状流路との間における電解液の移動が円滑になる。例えば、導入路が溝状流路である場合、溝状流路から双極板の平面方向に拡散した電解液が、二つの溝状流路に挟まれる位置にある連通孔に速やかに回収される。排出路が溝状流路である場合、連通孔から双極板の平面方向に拡散した電解液が、連通孔を挟む二つの溝状流路に速やかに回収される。
<6>上記<5>の双極板の一形態として、
前記溝間領域において、複数の前記連通孔が前記溝状流路に沿った方向に並ぶ連通孔グループを備える形態が挙げられる。
隣接する二つの溝状流路の間に、溝状流路に沿った方向に並ぶ複数の連通孔が設けられていることで、より一層、溝状流路と管状流路との間における電解液の移動が円滑になる。
<7>上記<6>の双極板の一形態として、
前記連通孔グループにおける近接する前記連通孔同士を繋ぐ連絡溝を備える形態が挙げられる。
連通孔グループにおける各連通孔同士が連絡溝を介して繋がっていることで、溝状流路と管状流路との間における電解液の移動が円滑になる。
<8>実施形態に係る双極板の一形態として、
前記導入路が前記溝状流路であり、
前記排出路が前記管状流路であり、
前記連通孔は、隣接する一方の前記溝状流路と他方の前記溝状流路との間に少なくとも1つ設けられ、
前記導入路と前記排出路とが互いに直交する方向に延びる形態が挙げられる。
上記双極板によれば、<1>から<5>の構成の全ての効果を得ることができる。
<9>実施形態に係るセルフレームは、
実施形態に係る双極板と、
前記双極板の外周に設けられる枠体と、を備える。
上記セルフレームを用いてレドックスフロー電池が製造されることで、レドックスフロー電池の電池性能が向上する。実施形態の双極板によって電解液の充放電効率が高められるからである。また、実施形態の双極板によって電解液を循環させるポンプなどの消費電力が低減されることも、レドックスフロー電池の電池性能の向上に寄与する。
<10>実施形態に係るセルスタックは、
実施形態に係るセルフレームを備える。
上記セルスタックを用いてレドックスフロー電池が製造されることで、レドックスフロー電池の電池性能が向上する。セルスタックに用いるセルフレームの双極板が、実施形態に係る双極板であるからである。
<11>実施形態に係るレドックスフロー電池は、
実施形態に係るセルスタックを備える。
実施形態に係るレドックスフロー電池は、実施形態のセルスタックを備えるため、電池性能に優れる。
[本開示の実施形態の詳細]
以下、本開示の双極板、セルフレーム、セルスタック、及びレドックスフロー電池(RF電池)の実施形態を説明する。なお、本発明は実施形態に示される構成に限定されるわけではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内の全ての変更が含まれることを意図する。
<実施形態1>
実施形態に係るレドックスフロー電池(以下、RF電池)を図1から図7に基づいて説明する。図1,2に示す本例のRF電池1は、実施形態に係る双極板31(図2)を有するセルフレーム3を備える。実施形態に係る双極板31の特徴の一つは、図4,5に示すように、双極板31の厚み方向の異なる位置に導入路4,6と排出路5,7が形成されている点にある。本例では、初めに図1から図3を参照してRF電池1の概要を説明する。その後、主に図4から図7を参照して実施形態に係る双極板31を詳しく説明する。
≪RF電池≫
RF電池は、電解液循環型の蓄電池の一つである。このRF電池1の動作原理は図1に示される。図1には、RF電池1の一例として、正極電解液及び負極電解液にVイオンを含有するバナジウム電解液を使用したバナジウム系RF電池が示されている。セル10内の実線矢印は充電反応を、破線矢印は放電反応を示している。RF電池1は、交流/直流変換器などの電力変換器100Cを介して電力系統100に接続されて利用される。電力系統100は、発電部と変電設備と負荷とを含み、電力変換器100Cは変電設備に繋がっている。RF電池1は、例えば、負荷平準化用途、瞬低補償や非常用電源などの用途、太陽光発電や風力発電といった自然エネルギー発電の出力平滑化用途に利用される。ここで、電解液はバナジウム系電解液に限定されるわけではない。例えば、RF電池1に使用される電解液は、鉄-クロム系電解液、チタン-マンガン系電解液などが挙げられる。
RF電池1は、充放電を行うセル10と、セル10に正極電解液を循環させる正極循環機構10Pと、セル10に負極電解液を循環させる負極循環機構10Nとを備える。
セル10は、正極電極14と負極電極15と隔膜11とを備える。隔膜11は、正極電極14と負極電極15との間に介在される。正極電極14及び負極電極15は、カーボンフェルト、カーボンクロス、又はカーボンペーパーなどの炭素繊維を含む炭素繊維集合体で構成することができる。炭素繊維集合体の電極は多孔質であり、電極内に空隙を有している。そのため、電極内に電解液が流通し、電解液を浸透・拡散させることができる。隔膜11は、例えば、水素イオンを透過するイオン交換膜で構成することができる。
正極循環機構10P(負極循環機構10N)は、正極タンク16(負極タンク17)からセル10へ正極電解液(負極電解液)を送る往路配管16A(17A)と、セル10からタンク16(17)へ電解液を戻す復路配管16B(17B)と有する。往路配管16A(17A)には、タンク16(17)に貯留される正極電解液(負極電解液)を圧送するポンプ18(19)が設けられており、ポンプ18(19)により正極電解液(負極電解液)をセル10に循環させる。
≪セルスタック≫
セル10は通常、図2に示すような、複数のセル10を積層してなるセルスタック2と呼ばれる形態で利用される。セルスタック2は、図3に示すように、複数のサブスタック20を積層し、その積層体を2枚のエンドプレート22で挟み込むことで構成されている。両エンドプレート22で挟まれる積層体は、締付機構23によって締め付けられている。サブスタック20は、セルフレーム3、正極電極14、隔膜11、及び負極電極15を複数積層した積層体に給排板21(図2では図示略)を配置した構造を備える。給排板21には、各循環機構10P,10N(図1、図2参照)の往路配管16A,17A及び復路配管16B,17Bが接続される。
≪セルフレーム≫
セルフレーム3は、双極板31と、双極板31の外周に設けられる枠体32とを有する。双極板31は、例えばプラスチックカーボンなどの導電材料で構成されている。一方、枠体32は、例えば塩化ビニル樹脂(PVC)、ポリプロピレン、ポリエチレン、フッ素樹脂、エポキシ樹脂などのプラスチックで形成されている。セルフレーム3は、双極板31の周囲に枠体32が射出成型することで作製できる。双極板31と枠体32とを別個に作製し、両者31,32を組み合わせてセルフレーム3を作製することもできる。
図3に示すように、枠体32の内側には、双極板31と枠体32により凹部32oが形成される。凹部32oは、双極板31の両側にそれぞれ形成される。一方の凹部32oには正極電極14が収納され、他方の凹部32oには負極電極15が収納される。各電極14、15は、セル10を組み立てたとき、枠体32の各凹部32o内に厚さ方向に圧縮された状態で収納される。隣接する一方のセルフレーム3の枠体32と、他方のセルフレーム3の枠体32との間には、電解液の漏洩を抑制するOリングや平パッキンなどの環状のシール部材37が配置されている。このようなセルフレーム3を複数積層してなるセルスタック2(サブスタック20)では、隣接する一方のセルフレーム3の双極板31と、他方のセルフレーム3の双極板31との間に1つのセル10が形成される。
次に、セルフレーム3の詳細な構成を図4~7に基づいて説明する。図4は、セルフレーム3における正極電極14(図3)が配置される側の正面図である。図5は、セルフレーム3における負極電極15(図3)が配置される側の正面図である。図6は、図4の双極板31のVI-VI断面図(横断面図)である。図7は、図4の双極板31のVII-VII断面図(縦断面図)である。図6,7では、双極板31の厚みが誇張して示されている。実際の双極板31の厚みは図示する例よりも薄い。図4,5に示すように、セルフレーム3における正極電極14側の構成と負極電極15側の構成は同じである。
[枠体]
枠体32は、円環形状であっても良いし、多角形状であっても良い。本例の枠体32は、紙面左右方向に長くなった矩形状である。枠体32は、その厚み方向に貫通する給液マニホールド33,34、及び排液マニホールド35,36を有する。給液マニホールド33(34)は、正極電解液(負極電解液)をセルフレーム3に供給する孔であり、枠体32の下片に設けられる。一方、排液マニホールド35(36)は、正極電解液(負極電解液)をセルフレーム3から排出する孔であり、枠体32の上片に設けられる。従って、セルフレーム3における全体的な電解液の流れる方向(以下、第一流通方向とする)は、紙面上方向となる。
正極電解液は、図4に示すように、給液マニホールド33から給液スリット33s、導入側整流部330を介して、双極板31の第一面側に供給される。給液スリット33sは、枠体32の表面に形成される溝である。導入側整流部330は、枠体32の下片(矩形の長片)における内周側の縁部に設けられ、当該縁部に沿って延びる溝である。そのため、給液スリット33sから導入側整流部330に導入された正極電解液は、導入側整流部330に沿って拡散し、双極板31の第一面側に導入される。導入側整流部330は、後述する双極板31に設けることもできる。その場合、枠体32の導入側整流部330は省略できる。
双極板31から排液マニホールド35への排液は、排液孔351、排出側整流部350、及び排液スリット35sを介して行われる。排液孔351は、枠体32の内部に形成され、第一流通方向に直交する枠体32の幅方向に延びている。排液孔351の内方側(双極板31側)の端部は、後述する双極板31に備わる排出路5の出口59に連通している。排液孔351の外方側の端部は、排出側整流部350に連通している。排出側整流部350は、枠体32の側片(矩形の短片)の表面に形成される溝である。この排出側整流部350は、双極板31から排出された正極電解液の流れを整え、正極電解液を排液スリット35sに導く機能を有する。排液スリット35sは、枠体32の表面に形成される溝である。排液スリット35sは、排出側整流部350よりも幅が狭く、深さが浅くなっている。
負極電解液は、図5に示すように、給液マニホールド34から給液スリット34s、導入側整流部340を介して、双極板31の第一面側に供給される。給液スリット34s及び導入側整流部340の構成は、正極側の給液スリット33s及び導入側整流部330と同じである。
双極板31から排液マニホールド36への負極電解液の排液は、排液孔361、排出側整流部360、及び排液スリット36sを介して行われる。排液孔361、排出側整流部360、及び排液スリット36sの構成は、正極側の排液孔351、排出側整流部350、及び排液スリット36sに相当する。排液孔361、排出側整流部360、及び排液スリット36sの配置・寸法・数は、正極側の排液孔351、排出側整流部350、及び排液スリット36sと全く同じでも良いし、少なくとも一部が異なっていても良い。
[双極板]
双極板31の正極側は、図4に示すように、導入路4と排出路5と連通孔50とを備える。導入路4と排出路5と連通孔50とは、双極板31における正極電解液の流路を構成する。双極板31の負極側は、図5に示すように、双極板31における負極電解液の流路を構成する導入路6と排出路7と連通孔70とを備える。正極電解液の流路の構成と、負極電解液の流路の構成は同じである。以降の説明では、図4,6,7を参照して正極電解液の流路の構成を中心に説明を行う。ここで、図5を参照し、以下の説明における『正極電解液』、『導入路4』、『排出路5』、『連通孔50』、『連通孔グループ5G』、及び『出口59』をそれぞれ、『負極電解液』、『導入路6』、『排出路7』、『連通孔70』、『連通孔グループ7G』、及び『出口79』に読み替えれば、負極電解液の流路の構成の説明になる。
[[導入路]]
導入路4は、双極板31の第一面側の全面に正極電解液を拡散させ、双極板31の第一面側に配置される正極電極14に電解液を導入する役割を果たす。導入路4は、双極板31をセルフレーム3にしたときに、その一端が双極板31への正極電解液の導入箇所又はその近傍に配置され、他端が導入箇所から離れた位置に配置される流路である。本例の導入路4は、双極板31の表面に形成され、正極電解液の導入側(給液マニホールド33側)から排出側(排液マニホールド35側)に向って延びる溝状流路(縦溝)である。本例の三本の縦溝は、第一流通方向に沿って真っ直ぐに延びている。このような縦溝であれば、図4に太線矢印で示すように、縦溝に沿って正極電解液が移動すると共に、縦溝の延伸方向に交差する方向に正極電解液が拡散する。その結果、双極板31の表面にムラなく正極電解液が供給される。
本例と異なる縦溝として、ジグザグに蛇行する縦溝とすることもできる。また、縦溝は、第一流通方向に対して傾斜していても良い。その場合、縦溝の傾斜角度は30°以下とすることが好ましい。更に導入路4は、縦溝に加えて、横溝及び整流溝の少なくとも一方を備えていても良い。横溝は、縦溝の延伸方向に交差する方向に延びる溝状流路である。横溝は、隣接する縦溝を繋ぐように設けられていても良い。整流溝は、双極板31の表面のうち、枠体32の下片に沿って設けられる横溝である。整流溝を設ける場合、枠体32の導入側整流部330は省略しても良い。
導入路4の延伸方向の端部は、枠体32に達していても良いし、達していなくても良い。本例では、導入路4の導入側の端部は、枠体32の下片に達しており、導入路4の排出側の端部は、枠体32の上片に達していない。後述する実施形態3に示されるように、導入路4を構成する縦溝の排出側の端部同士が、紙面横方向に延びる横溝で繋がっていても構わない。その他、導入路4は、縦溝の端部以外の中間部、特に連通孔グループ5Gを構成する隣り合う連通孔50の間を横方向に繋ぐ横溝を備える格子状であっても良い。
[[排出路]]
排出路5は、双極板31から正極電解液を排出する役割を果たす。本例の排出路5は、双極板31の内部に形成される管状流路である。排出路5は、導入路4に沿った方向に延びていても良いし、導入路4に交差する方向に延びていても良い。本例の三つの排出路5は、導入路4に直交する方向に延びる横孔である。排出路5の延伸方向が導入路4の延伸方向に交差することで、双極板31の曲げ剛性が向上する。
排出路5が双極板31の内部に形成される管状流路であることで、反応済みの電解液を双極板31の表面から速やかに回収できる。その結果、双極板31の表面に配置される電極14(図3など)における電池反応が、反応済みの電解液によって阻害されることを抑制できる。
排出路5の延伸方向の一端部と他端部の少なくとも一方は、枠体32に達している。双極板31から枠体32の排液マニホールド35に正極電解液を排出する必要があるからである。本例では、排出路5の紙面左側の端部(出口59)が排液孔351に繋がっている。一方、図4における排出路5の紙面右側の端部は、枠体32に達していない(図6を併せて参照)。後述する実施形態4に示されるように、排出路5の紙面右側の端部が枠体32に達する構成である場合、枠体32の右片にも排液孔351、排出側整流部350、及び排液スリット35sが設けられることが好ましい。後述する実施形態3に示されるように、排出路5を構成する横孔の紙面右側の端部同士が、紙面縦方向に延びる縦孔で繋がっていても構わない。その他、排出路5は、横孔の端部以外の中間部、特に紙面横方向に隣り合う連通孔50の間を縦方向に繋ぐ縦孔を備える格子状であっても良い。
[[連通孔]]
連通孔50は、双極板31の表面から排出路5(管状流路)に連通する。連通孔50は、双極板31の表面から反応済みの電解液を回収し、排出路5に導く役割を果たす。連通孔50は、双極板31の厚み方向(紙面奥行き方向)に真っ直ぐに延びることが好ましい。
連通孔50の開口形状は特に限定されない。例えば、連通孔50の開口形状は、スリット状の矩形としても良いし、図示するように円形としても良い。連通孔50の数、及び開口面積が調整されることで、双極板31における正極電解液の流通抵抗が調整される。
連通孔50は、隣接する二つの溝状流路(本例では導入路4)に挟まれる溝間領域40に少なくとも一つ設けられていることが好ましい。本例に示されるように、溝間領域40に連通孔グループ5Gが設けられていることがより好ましい。連通孔グループ5Gは、溝状流路4に沿った方向に並ぶ複数の連通孔50の総称である。
また、連通孔50は、各溝状流路(本例では導入路4)を挟む一側領域と他側領域のそれぞれに少なくとも一つ設けられていることが好ましい。本例に示されるように、各溝状流路4を挟む一側領域(紙面左側の領域)と他側領域(紙面右側の領域)のそれぞれに連通孔グループ5Gが設けられていることが好ましい。
[[効果]]
本例の双極板31によれば、導入路4,6と排出路5,7の数を多くしても、反応する前に双極板31から排出される電解液の量が増加することを抑制できる。本例の双極板31では、導入路4(6)と排出路5(7)とが双極板の厚み方向の異なる位置にあるため、導入路4(6)と排出路5(7)との間で電解液の流れを調整し易いからである。また、双極板31の表面から排出路5(7)に連通する連通孔50(70)の数によって上記電解液の流れを調整し易いことも、未反応の電解液量の増加を抑制できる要因の一つである。この実施形態の双極板31を使用すれば、電解液を十分に電池反応させることができ、かつ反応済みの電解液を速やかに回収できるので、充放電効率に優れるRF電池1(図1,2)を作製できる。
本例の双極板31において、導入路4,6の数を多くすることで、双極板31の全面に電解液を速やかに行き渡らせることができ、双極板31に対向される電極14,15(図3など)の全面に電解液をムラなく供給することができる。また、排出路5,7の数を多くすることで、反応済みの電解液を、電極14,15の全面から速やかに回収することができる。排出路5,7が多いと、電解液の流通時の圧力損失を低減できるので、電解液を循環させるポンプ18,19(図1,2参照)の出力を低減できる。その結果、RF電池1(図1,2)の運転に伴う電力消費量が低減される。
また、本例の双極板31によれば、電解液の電池反応に伴って発生するガスや、電解液にもともと混入しているガスがセル10(図1,2)内から抜け易くなる。これは、電極14(15)に接触する双極板31の表面に連通孔50(70)が開口し、その連通孔50(70)が排出路5(7)に繋がっているからである。電極14(15)のガスは、連通孔50(70)を介して排出路5(7)に速やかに排出され、セル10内にガスが滞留し難い。そのため、ガスによって電解液と電極14,15との接触面積が減少するなどの不具合を抑制できる。
[[その他]]
溝状流路(導入路4,6)と管状流路(排出路5,7)の数は適宜選択することができる。本例の溝状流路と管状流路はそれぞれ三つであるが、二つ以下でも良いし、四つ以上であっても良い。溝状流路と管状流路の数を増やすことで、電解液の流通抵抗を低減できる。また、連通孔50,70は、少なくとも溝状流路を挟む位置に設けられていることが好ましい。
隣接する二つの溝状流路の間隔、及び隣接する二つの管状流路の間隔は、2mm以上20mm以下であることが好ましい。上記間隔が2mm以上であれば、双極板31の機械的強度が確保され易い。また、上記間隔が20mm以下であれば、双極板31の全面に電解液が行き渡り易くなる。更に二つの管状流路の間隔は、2mm以上10mm以下であることが好ましい。
溝状流路の延伸方向に直交する断面形状は特に限定されない。本例の溝状流路の断面形状は矩形状であるが、V字形状でも良いし、半円形状でも良い。また、管状流路の断面形状は特に限定されない。本例の管状流路の断面形状は矩形状であるが、円形状であっても良い。
溝状流路の幅は特に限定されない。例えば、溝状流路の幅は0.5mm以上7.0mm以下であることが挙げられる。さらに、溝状流路の幅は0.8mm以上3.5mm以下であることが挙げられる。
溝状流路の深さは特に限定されない。例えば、溝状流路の深さは0.5mm以上7.0mm以下であることが挙げられる。さらに、溝状流路の深さは1.0mm以上3.5mm以下であることが挙げられる。ここで、本明細書における溝状流路の深さとは、双極板31の表面から溝状流路の最も深い部分までの長さのことである。
溝状流路の延伸方向に直交する溝状流路の断面積は、0.5mm以上35mm以下であることが挙げられる。更に、溝状流路の断面積は1mm以上10mm以下、あるいは2mm以上6mm以下であることが挙げられる。断面積を大きくすることで、電解液の流通抵抗を低減できるが、双極板31の強度が低下する。電解液の流通抵抗と双極板31の強度のバランスを考慮して、溝状流路の断面積が決定される。
一方、管状流路の延伸方向に直交する管状流路の断面形状は、できるだけシンプルな形状であることが好ましい。管状流路の断面形状が複雑な形状となると、その形成が容易ではないし、電解液の流通抵抗が大きくなり易いからである。管状流路の断面形状として、本例に示す矩形状(正方形状を含む)の他に、円形状とすることができる。
管状流路の断面積は、溝状流路の断面積と同じでも良いし、小さくても良いし、大きくても良い。管状流路の断面積は0.5mm以上35mm以下が好ましい。より好ましい管状流路の断面積は1mm以上10mm以下、さらに好ましい管状流路の断面積は2mm以上6mm以下である。
[[作製方法]]
本例の双極板31は、図6,7に示すように、三つの分割板31A,31B,31Cを厚み方向に貼り合わせて作製されている。この場合、まず平板状の分割板31A,31B,31Cを用意する。機械加工などで分割板31A(31C)の第一面側に導入路4(6)となる縦溝を形成する。また、分割板31Bの両面に排出路5(7)となる横溝を形成する。次いで、分割板31A(31C)のうち、分割板31Bの横溝に対応する位置に、孔加工などで貫通孔を形成する。最後に、分割板31Aの第二面と分割板31Cの第二面との間に分割板31Bを挟んで、分割板31A,31B,31Cを接合する。分割板31Bの横溝と分割板31Aの第二面とで囲まれる空間が排出路5となり、分割板31Aの貫通孔が連通孔50となる。また、分割板31Bの横溝と分割板31Cの第二面とで囲まれる空間が排出路7となり、分割板31Cの貫通孔が連通孔70となる。本例とは異なり、縦溝、横溝、及び貫通孔を分割板31A,31Cに設け、分割板31Bは加工されていない板材とすることもできる。
≪RF電池の効果≫
図4から図7を参照して説明した本例のセルフレーム3を用いることで、RF電池1の電池性能を向上させることができる。セルフレーム3に備わる双極板31によって電解液の充放電効率が高められるからである。また、双極板31によってRF電池1の運転時の消費電力を低くできることも、RF電池1の電池性能を向上させることに寄与する。
<実施形態2>
実施形態1では、図6,7に示すように、三つの分割板31A,31B,31Cで構成される双極板31を説明した。これに対して実施形態2では、二つの分割板31D,31Eを組み合わせて作製した双極板31を図8に基づいて説明する。図8は、実施形態2の双極板31を、図4のVII-VII断面と同じ位置で切断した縦断面図である。
図8に示すように、本例の双極板31は、二つの分割板31D,31Eを貼り合わせて構成されている。より具体的には、分割板31Dにおける分割板31Eに対向する面に、排出路5となる横溝と排出路7となる横溝とが交互に形成されている。この分割板31Dでは更に、横溝とは反対側の面に導入路4となる縦溝と、排出路5に貫通する連通孔50が形成されている。一方、分割板31Eでは、導入路6となる縦溝と、連通孔70となる貫通孔が形成されている。このような分割板31D,31Eを接合することで図8に示す双極板31が作製される。この双極板31では、その厚み方向の同じ位置に正極側の排出路5と負極側の排出路7が形成される。
本例の構成によれば、双極板31を構成する部品点数が二つで済むので、実施形態1の双極板31よりも生産性に優れる。また、双極板31の厚さを、実施形態1の双極板31よりも薄くし易い。
<実施形態3>
実施形態1の構成において、導入路4を構成する複数の縦溝の端部同士を横方向に繋ぐ横溝が設けられていても良い。また、実施形態1の構成において、排出路5を構成する複数の横孔の端部同士を縦方向に繋ぐ縦孔が設けられても良い。実施形態3では、横溝と縦孔の両方を設けた双極板31を図9に基づいて説明する。
本例の導入路4は、複数の縦溝4Aと、複数の縦溝4Aの端部同士を繋ぐ横溝4Bとを備える。横溝4Bは、縦溝4Aの端部の位置において電解液を横方向(縦溝4Aの並列方向)に拡散させる。そのため、双極板31の表面全体に電解液が拡散し易くなる。
本例の排出路5は、複数の横孔5Bと、複数の横孔5Bの端部同士を繋ぐ縦孔5Aとを備える。全ての横孔5Bを繋ぐ縦孔5Aは、特定の横孔5Bに大量の電解液が流れることを抑制する。従って、本例の構成によれば、排出路5における電解液の排出能力が高められる。
<実施形態4>
実施形態4では、双極板31の幅方向の両側から電解液を排出する例を図10に基づいて説明する。
本例の双極板31では、排出路5の延伸方向の一端部(紙面左側の端部)だけでなく、他端部(紙面右側の端部)も枠体32に達している。そのため、本例の枠体32のうち、紙面右側の側片にも排液孔351、排出側整流部350、及び排液スリット35sが設けられている。紙面右側の排液スリット35sは、排液マニホールド36を迂回するように屈曲している。本例の構成では、排出路5の出口59の数が、実施形態1の構成に比べて倍となっている。従って、本例の構成によれば、排出路5における電解液の排出能力が高められる。
<実施形態5>
実施形態5では、連通孔50同士が連絡溝55によって繋がった双極板31を図11に基づいて説明する。実施形態3の双極板31における連絡溝55以外の構成は、実施形態1と同じである。
図11に示されるように、連絡溝55は、一つの連通孔グループ5Gにおける近接する二つの連通孔50,50同士を繋いでいる。本例の連絡溝55の幅は、連通孔50の開口部の直径より小さい。もちろん、連絡溝55の幅は、連通孔50の開口部の直径と同じでも良いし、当該直径より大きくても良い。連絡溝55が設けられることで、双極板31の平面方向に拡散した電解液が、連絡溝55を介して連通孔50に排出され易くなる。そのため、電池反応後の電解液が双極板31の表面から速やかに排出され、電池反応後の電解液が電極14,15(図3)に滞留し難くなる。その結果、電池セル10(図3)の充放電効率が向上する。
≪変形例5-1≫
実施形態5の変形例として、双極板31の表面に長溝57が形成された双極板31を図12に基づいて説明する。変形例5-1の双極板31における長溝57以外の構成は、実施形態5と同じである。
図12に示されるように、本例の双極板31は、溝状流路4に沿った方向に延びる長溝57を備える。長溝57は、双極板31の下縁(導入側整流部330)にも上縁にも繋がっていない。より具体的には、長溝57の上端は、双極板31の上縁側にある排出路5(管状流路)よりも上縁側に延びている。長溝57の下端は、双極板31の下縁側にある排出路5(管状流路)よりも下縁側に延びている。この長溝57のうち、管状流路5に重複する部分は、連通孔50として機能する。連通孔50の開口形状は矩形となる。一方、長溝57のうち、管状流路5に重複しない部分は、連絡溝55として機能する。連絡溝55の幅(紙面左右方向の長さ)は、連通孔50の幅と同じである。
本例の双極板31の作製方法の一例を図13に基づいて説明する。図13に示されるように、まず平板状の分割板31A,31B,31Cを用意する。機械加工などで分割板31A(31C)の第一面側に導入路4(6)となる縦溝を形成すると共に、分割板31A,31Cを貫通する長孔5Hを形成する。また、分割板31Bの両面に排出路5となる横溝を形成する。最後に、分割板31Aの第二面と分割板31Cの第二面との間に分割板31Bを挟んで、分割板31A,31B,31Cを接合する。この場合、長孔5Hと分割板31Bとで囲まれる空間が、図12の長溝57になる。
本例の双極板31は、実施形態3の双極板31よりも生産性に優れる。図11に示される実施形態5の双極板31では、連通孔50の加工と連絡溝55の加工とが別々に行われる。一方、本例の双極板31では、分割板31A,31Bに長孔5Hを形成するだけで、連通孔50と連絡溝55とが形成される。また、本例の双極板31では、長孔5Hの形成位置に過度の精度が求められない。長孔5Hが分割板31Bの横溝に交差しさえすれば、連通孔50が形成されるからである。
<実施形態6>
実施形態1~5及び変形例では、導入路4,6を電解液の第一流通方向に沿った縦溝、排出路5,7を第一流通方向に交差する(直交する)横孔とした。これに対して、導入路4,6と排出路5,7を以下の様に構成することもできる。
・例1 導入路4,6…横孔(管状流路)、排出路5,7…縦溝(溝状流路)
・例2 導入路4,6…縦孔(管状流路)、排出路5,7…横溝(溝状流路)
・例3 導入路4,6…横溝(溝状流路)、排出路5,7…縦孔(管状流路)
上記例1から例3の構成によっても、実施形態1と同様の効果を得ることができる。
<実施形態7>
実施形態7では、排出路5を流れる電解液を枠体32の上片側に排出する構成を図14に基づいて説明する。
本例の導入路4は、実施形態3の導入路4(図9)と同様の構成を備える。即ち、本例の導入路4は、複数の縦溝4Aと、それら縦溝4Aの端部同士を繋ぐ横溝4Bとを備える。
一方、本例の排出路5は、複数の横孔5Bと、左右一対の縦孔5Aとを備える。横孔5Bには、双極板31の表面に開口する連通孔50が設けられている。紙面左側の縦孔5Aは、複数の横孔5Bの紙面左側の端部同士を連通している。紙面右側の縦孔5Aは、複数の横孔5Bの紙面右側の端部同士を連通している。縦孔5Aの紙面下側(給液マニホールド33,34側)の端部は、枠体32に達していない。一方、縦孔5Aの紙面上側(排液マニホールド35,36側)の端部は、枠体32に達している。本例の枠体32では、枠体32の上片の位置に排出側整流部350が設けられている。縦孔5Aの紙面上側の端部は、排出側整流部350に繋がっている。
本例の構成では、枠体32の下片に導入側整流部330を備え、上片に排出側整流部350を備える既存の枠体32が使用できる。
<実施形態8>
実施形態8では、電解液が双極板31の上縁側から排出される例を図15に基づいて説明する。
本例の双極板31は、縦溝4Aと横溝4Bとが格子状に配置された導入路4を備える。横溝4Bは無くても構わないが、横溝4Bによって双極板31の表面に電解液が拡散し易くなる。双極板31の上縁側に配置される横溝4Bは、三つの縦溝4Aの上端を繋いでいる。その他の横溝4Bは、三つの縦溝4Aの延伸方向の途中を繋いでいる。横溝4Bの溝幅は、縦溝4Aの溝幅よりも小さいことが好ましい。
図15では、双極板31の上縁側に排出側整流部350が形成されている。そのため、排出路5(管状流路)は縦孔5Aを備える。この縦孔5Aは、上述した導入路4の縦溝4Aに並行になっている。本例の排出路5は更に、隣接する縦孔5A間を繋ぐ横孔5Bを備える。双極板31の下縁側に配置される横孔5Bは、四つの縦孔5Aの下端を繋いでいる。その他の横孔5Bは、四つの縦孔5Aの延伸方向の途中を繋いでいる。従って、排出路5は、縦孔5Aと横孔5Bとが格子状に配置された構成を備える。横孔5Bの断面積は、縦孔5Aの断面積よりも小さいことが好ましい。この横孔5Bは無くても構わないが、横孔5Bによって電解液の排出効率が向上する。
上記構成によれば、枠体32の下片に導入側整流部330が形成され、枠体32の上片に排出側整流部350が形成された従来の枠体32を使用してセルフレーム3を作製できる。また、導入路4及び排出路5が格子状に形成されているため、双極板31における電解液の流通性が向上する。
≪実施形態9≫
実施形態9では、導入側整流部330及び排出側整流部350が共に双極板31に設けられたセルフレーム3を図16に基づいて説明する。
本例の導入路4では、縦溝4Aにおける導入側の端部に導入側整流部330が形成されている。導入側整流部330の左端は、左側の縦溝4Aよりも左側にあり、導入側整流部330の右端は、右側の縦溝4Aよりも右側にある。給液スリット33sから導入側整流部330に導入された電解液は、双極板31の幅方向(紙面横方向)に速やかに拡がる。
本例の排出路5では、縦孔5Aの上端同士を繋ぐように孔状の排出側整流部350が形成されている。枠体32には、双極板31に形成される排出側整流部350に繋がる排液孔351が形成されている。排液孔351の上端は、枠体32の厚み方向に延びて排液スリット35sに繋がっている。
本例の構成によっても、実施形態5と同様の効果が得られる。ここで、本例の双極板31において、導入路4を管状流路、排出路5を溝状流路とすることもできる。
1 RF電池(レドックスフロー電池)
10 セル、11 隔膜、14 正極電極、15 負極電極
10P 正極循環機構
16 正極タンク、16A,17A 往路配管、18 ポンプ
10N 負極循環機構
17 負極タンク、16B,17B 復路配管、19 ポンプ
2 セルスタック
20 サブスタック、21 給排板、22 エンドプレート、23 締付機構
3 セルフレーム
31A,31B,31C,31D,31E 分割板
31 双極板、32 枠体、32o 凹部
33,34 給液マニホールド、35,36 排液マニホールド
33s,34s 給液スリット、35s,36s 排液スリット
37 シール部材
330,340 導入側整流部、350,360 排出側整流部
351,361 排液孔
4,6 導入路(溝状流路)
4A 縦溝、4B 横溝
40 溝間領域
5,7 排出路(管状流路)
5A 縦孔、5B 横孔、5G,7G 連通孔グループ、5H 長孔
50,70 連通孔、55 連絡溝、57 長溝、59,79 出口
100 電力系統
100C 電力変換器

Claims (11)

  1. レドックスフロー電池の電極に対向され、電解液の導入路と排出路とを備える双極板であって、
    前記導入路と前記排出路の一方は、表面に形成される溝状流路であり、他方は内部に形成される管状流路であり、
    前記表面から前記管状流路に連通する連通孔を備える、
    双極板。
  2. 前記導入路が前記溝状流路であり、前記排出路が前記管状流路である請求項1に記載の双極板。
  3. 前記溝状流路と前記管状流路とが、互いに交差する方向に延びる請求項1又は請求項2に記載の双極板。
  4. 前記溝状流路と前記管状流路とが、互いに直交する方向に延びる請求項3に記載の双極板。
  5. 前記溝状流路を複数備え、
    隣接する一方の前記溝状流路と他方の前記溝状流路とに挟まれる溝間領域に、前記連通孔が少なくとも一つ配置されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の双極板。
  6. 前記溝間領域において、複数の前記連通孔が前記溝状流路に沿った方向に並ぶ連通孔グループを備える請求項5に記載の双極板。
  7. 前記連通孔グループにおける近接する前記連通孔同士を繋ぐ連絡溝を備える請求項6に記載の双極板。
  8. 前記導入路が前記溝状流路であり、
    前記排出路が前記管状流路であり、
    前記連通孔は、隣接する一方の前記溝状流路と他方の前記溝状流路との間に少なくとも1つ設けられ、
    前記導入路と前記排出路とが互いに直交する方向に延びる請求項1に記載の双極板。
  9. 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の双極板と、
    前記双極板の外周に設けられる枠体と、を備える、
    セルフレーム。
  10. 請求項9に記載のセルフレームを備える、
    セルスタック。
  11. 請求項10に記載のセルスタックを備える、
    レドックスフロー電池。
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