以下、図に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態に係る電話営業用CTIシステムの構成を示す図である。図1に示す電話営業用CTIシステムは、携帯電話網2に無線で接続可能な携帯電話機1,7と、ネットワーク3に接続される端末装置8と、ネットワーク3に接続されるCTIサーバ5と、ネットワーク3に接続されるプッシュ通知サーバ6とを備える。
携帯電話機1は、携帯電話網2を介してネットワーク3に接続可能な電話営業用の携帯電話機であって、例えばスマートフォンなどといった各電話営業オペレータ(以下、単に、オペレータという)用の携帯電話機であり、会社からオペレータに配布され、オペレータにより携帯される。ネットワーク3は、例えばインターネットなどの広域ネットワークである。
また、CTIサーバ5は、この実施の形態では、クラウドサーバである。
また、プッシュ通知サーバ6は、ネットワーク3に接続されており、携帯電話機1からデバイストークンの発行要求を受信すると、その携帯電話機1へデバイストークンを発行し、また、CTIサーバ5からプッシュ通知要求を受信すると、そのプッシュ通知要求において、デバイストークンで指定されている携帯電話機1へプッシュ通知を送信する。
さらに、携帯電話機7は、管理者の携帯電話機であって、上述の携帯電話機1と同様の装置である。管理者は、オペレータを管理し、管理対象のオペレータにアドバイスを提供する。
端末装置8は、管理者により操作される端末装置であって、ネットワーク3に接続可能なパーソナルコンピュータなどである。例えば、端末装置8は、管理者およびオペレータの所属する会社のサイト(センタなど)内に設置されている。
図2は、図1における携帯電話機1の構成を示すブロック図である。なお、携帯電話機7も同様の構成を有する。図2に示すように、携帯電話機1は、例えばスマートフォンなどといった、ネットワーク通信機能を有する多機能携帯電話機であって、無線通信装置11、ネットワークインターフェイス12、表示装置13、入力装置14、音声出力処理部15、内蔵スピーカ16、音声入力処理部17、内蔵マイクロフォン18、記憶装置19、演算処理装置20などを備える。
無線通信装置11は、携帯電話網2の圏内において、携帯電話網2に接続可能な無線通信装置である。無線通信装置11は、携帯電話網2を介してネットワーク3に接続し、ネットワーク3を介してCTIサーバ5およびプッシュ通知サーバ6と通信可能である。
ネットワークインターフェイス12は、無線LAN(Local Area Network)の圏内において、無線LANを介してネットワーク3に接続し、ネットワーク3を介してCTIサーバ5およびプッシュ通知サーバ6と通信可能である。
つまり、当該携帯電話機1が無線LANの圏外であっても場合、携帯電話機1は、無線通信装置11で、CTIサーバ5およびプッシュ通知サーバ6と通信可能となっている。
表示装置13は、ユーザー(ここではオペレータ)に対して操作画面などを表示する液晶ディスプレイなどといった内部装置である。入力装置14は、ユーザー(ここではオペレータ)による操作を検出するタッチパネルなどといった内部装置である。
音声出力処理部15は、内蔵スピーカ16または外部のヘッドセットへ音声信号を出力し、内蔵スピーカ16または外部のヘッドセットから通話相手の音声を出力する。音声入力処理部17は、内蔵マイクロフォン18または外部のヘッドセットでユーザー(ここではオペレータ)の音声を検出し、その音声の音声信号を内蔵マイクロフォン18または外部のヘッドセットから受け付ける。
記憶装置19は、フラッシュメモリ、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置である。記憶装置19には、CTIアプリケーションプログラム21などが記憶されている。例えば、CTIアプリケーションプログラム21は、ネットワーク3上の図示せぬサーバからダウンロードされ、携帯電話機1にインストールされ、記憶装置19に格納される。
演算処理装置20は、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)などを有するコンピュータである。演算処理装置20は、図示せぬプログラムをRAMにロードしCPUで実行することで、オペレーティングシステム31および電話機能アプリケーション32を実現し、さらに、CTIアプリケーションプログラム21をRAMにロードしCPUで実行することで、CTIアプリケーション33を実現する。
電話機能アプリケーション32は、無線通信装置11を制御して、携帯電話網2を介して音声通話の発信(架電)および着信を行うとともに、通話相手との音声通信を行う。電話機能アプリケーション32は、グループ通話機能を有しており、他のオペレータや管理者を、通話先との通話に参加させることができる。
グループ通話は、オペレータが管理者の携帯電話機7を指定して開始される。その際
オペレータが自発的に管理者の携帯電話機7を指定するか、管理者がオペレータにグループ通話開始を指令し、オペレータにその管理者の携帯電話機7を指定させる。
電話機能アプリケーション32によって営業先とオペレータと管理者とのグループ通話が開始されるとき、そのグループ通話に参加する管理者の発話(つまり、管理者の携帯電話機7におけるマイクロフォンなどによる音声入力)は継続してミュート状態とされる。なお、このミュート状態は、そのグループ通話の開始時に自動的に設定されるように携帯電話機7に予め設定されてもよいし、管理者の操作によって設定されるようにしてもよい。
CTIアプリケーション33は、(a)入力装置14に対するオペレータの操作に基づいて、オペレータの識別情報(例えばユーザーIDおよびパスワードの対)を特定し、(b)無線通信装置11またはネットワークインターフェイス12を使用して、ネットワーク3を介して、オペレータの識別情報を指定したログイン要求をCTIサーバ5へ送信し、ログインが許可されると、当該オペレータに対応する発信先リスト(つまり、営業先リスト)を、ネットワーク3を介してCTIサーバ5からダウンロードし、(c)入力装置14に対するオペレータの操作に従ってその発信先リストから選択された所望の発信先(営業先)を特定し、発信先リストに基づいて、選択した発信先(営業先)の電話番号を特定し、(d)電話機能アプリケーション32を使用して、特定した電話番号へ発信する。さらに、CTIアプリケーション33は、特定した電話番号に発信すると、選択された営業先への通話開始を、ネットワーク3を介してCTIサーバ5へ通知し、(d)選択された営業先との通話が終了すると、選択された営業先への通話終了を、ネットワーク3を介してCTIサーバ5へ通知する。
また、電話機能アプリケーション32が営業先の電話番号との接続に成功し音声通話を開始すると、CTIアプリケーション33は、無線通信装置11またはネットワークインターフェイス12を使用して、ネットワーク3を介して、通話開始を示す通話開始通知をCTIサーバ5へ送信する。なお、通話開始通知には、当該オペレータのオペレータID、営業先を示す情報(営業先の名称、電話番号など)などが含まれている。
また、CTIアプリケーション33は、通話中の、オペレータ、営業先、管理者などの音声を録音し録音データとして記憶装置19や演算処理装置20のRAMに記憶する。
電話機能アプリケーション32が営業先(の電話番号)との音声通話を終了すると、CTIアプリケーション33は、無線通信装置11またはネットワークインターフェイス12を使用して、ネットワーク3を介して、通話終了を示す通話終了通知および上述の録音データをCTIサーバ5へ送信する。なお、通話終了通知には、当該オペレータのオペレータID、営業先を示す情報(営業先の名称、電話番号など)などが含まれている。なお、録音データの送信後、CTIアプリケーション33は、携帯電話機1内の録音データをすべて消去する。
さらに、CTIアプリケーション33は、CTIアプリケーション33の起動時に、プッシュ通知サーバ6へデバイストークン要求を送信し、プッシュ通知サーバ6からデバイストークンを受信し、(c)受信したデバイストークンをCTIサーバ5へ送信する。そして、CTIサーバ5およびプッシュ通知サーバ6は、この携帯電話機1の識別子としてこのデバイストークンを使用し、デバイストークンで携帯電話機1を指定する。なお、オペレーティングシステム31の起動時に、オペレーティングシステム31が、プッシュ通知サーバ6へデバイストークン要求を送信し、プッシュ通知サーバ6からデバイストークンを受信するようにしてもよい。
図3は、図1におけるCTIサーバ5の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、CTIサーバ5は、ネットワークインターフェイス41、演算処理装置42、記憶装置43などを備える。ネットワークインターフェイス41は、ネットワーク3に接続し、ネットワーク3を介して携帯電話機1、端末装置8、プッシュ通知サーバ6などとデータ通信を行う。演算処理装置42は、CPU、RAM、ROMなどを有するコンピュータである。演算処理装置42は、図示せぬプログラムをRAMにロードしCPUで実行することで、通信処理部61、データベースサーバ62、プッシュ通知要求部63、ログ管理部64などを実現する。記憶装置43は、フラッシュメモリ、ハードディスクなどの不揮発性の記憶装置である。記憶装置43には、データベースサーバ62によりデータベースとして管理される管理データ51および発信先リストデータ52が記憶されている。
管理データ51は、登録されているオペレータや管理者、携帯電話機1,7などの属性、およびそれらの関係性を示すデータである。
図4は、図2における管理データ51のデータ構造の一例を示す図である。図4に示すように、管理データ51は、各携帯電話機1,7のレコード101、企業レコード102、各管理者の管理者レコード103、各オペレータのオペレータレコード104などを含む。
レコード101は、携帯電話機1,7に固有な携帯電話機ID、企業ID、管理者ID、この携帯電話機1,7を割り当てられているオペレータまたは管理者のオペレータIDまたは管理者ID、並びにこの携帯電話機1,7の電話番号を含む。
企業レコード102は、オペレータおよび管理者が所属する会社の企業IDおよびその会社の属性情報(会社名など)を含む。
管理者レコード103は、管理者ごとに、管理者ID、管理者の属性情報(氏名など)、並びに1または複数のオペレータID(この管理者により管理されるオペレータのオペレータID)を含む。
オペレータレコード104は、オペレータごとに、オペレータのオペレータID、このオペレータに割り当てられている携帯電話機1の携帯電話機ID、このオペレータのオペレータ属性情報(氏名など)、および1または複数の管理者ID(このオペレータに対応する管理者の管理者ID)を含む。
なお、CTIサーバ5の通信処理部61は、例えば、管理者などの指令に従って、データベースサーバ62を使用して、レコード101のオペレータID、オペレータレコード104の携帯電話機IDを編集することで、オペレータに対する携帯電話機1の割り当てを設定可能である。例えば、携帯電話機1を固定のオペレータに割り当てない場合には、電話営業の業務開始前に、オペレータに携帯電話機1が割り当てられ、その後、そのオペレータは、その携帯電話機1を使用して電話営業業務を行う。
また、発信先リストデータ52は、電話営業の発信先リスト(つまり、営業先リスト)を含むデータである。さらに、発信先リストデータ52は、各電話営業の発信先についての営業活動の進捗状況や結果などの情報を含んでいてもよい。電話営業の発信先リストは、各電話営業先の名称、電話番号、住所などを含む。
なお、必要に応じて、発信先リストデータ52は、各オペレータに割り当てられた発信先リストを個別的に含むようにしてもよい。
図3に戻り、通信処理部61は、ネットワークインターフェイス41を使用して、所定の通信プロトコルで、ネットワーク3を介して他の装置(携帯電話機1、端末装置8、プッシュ通知サーバ6)との間でデータ通信を行う。
データベースサーバ62は、管理データ51および発信先リストデータ52を含むデータベースを管理し、データベースに対する登録および検索を行う。
プッシュ通知要求部63は、通信処理部61を使用して、プッシュ通知サーバ6に対してプッシュ通知の要求を送信する。
ログ管理部64は、通信処理部61を使用して、携帯電話機1から通話ログ(通話開始通知、通話終了通知、録音データなど)を受信し、その通話ログを記憶装置43に格納する。
例えば、CTIサーバ5の通信処理部61は、ウェブサーバ機能を有し、オペレータの携帯電話機1のウェブブラウザからのHTTP(HyperText Transfer Protocol)の要求に応じて、ログイン画面の画面データ(例えばHTML(HyperText Markup Language)データ)を送信し、その携帯電話機1においてそのログイン画面に対してオペレータにより入力されたオペレータID(およびパスワード)を取得する。そして、通信処理部61は、ログイン許可後、データベースサーバ62を使用して、その取得したオペレータIDに対して割り当てられている営業先の発信先リストを発信先リストデータ52から抽出し、その発信先リストを含む画面データをその携帯電話機1のウェブブラウザへ送信する。
また、例えば、通信処理部61は、ウェブサーバ機能を有し、端末装置8のウェブブラウザからのHTTPの要求に応じて、ログイン画面の画面データ(例えばHTMLデータ)を送信し、端末装置8においてそのログイン画面に対して管理者により入力された管理者IDを取得する。そして、通信処理部61は、データベースサーバ62を使用して、その取得した管理者IDにより管理されるオペレータのリストを管理データ51から抽出し、そのオペレータのリストを含むアドバイス送信画面の画面データを端末装置8のウェブブラウザへ送信する。
なお、アドバイス送信画面には、管理される各オペレータが通話中か否かを示す通話状態情報が含められる。管理される各オペレータが通話中か否かは、ログ管理部64を使用して、通話ログに基づいて特定される。例えば、そのオペレータについて、通話開始通知が記録されており、かつ、その通話開始通知に対応する通話終了通知が記録されていない場合、そのオペレータが通話中であると判定される。あるいは、各オペレータについて通話中であるか否かを示すフラグが通話ログに含められ、そのフラグの値に基づいて、そのオペレータが通話中であるか否かが判定されるようにしてもよい。
また、実施の形態1では、プッシュ通知要求部63は、(a)オペレータの携帯電話機1と営業先との通話中に携帯電話機1および管理者の携帯電話機7で(携帯電話機7からの発話がミュート状態とされた)グループ通話が設定されている期間において、端末装置8から、その管理者からそのオペレータへのアドバイスを示すアドバイスデータを受信し、アドバイスデータを受信するとオペレータの携帯電話機1を特定し、(b)特定した携帯電話機1を指定して、そのアドバイスデータを含むプッシュ通知要求をプッシュ通知サーバ6へ送信する。
なお、通信処理部61は、携帯電話機1のデバイストークンを携帯電話機1から受信し、受信したデバイストークンをその携帯電話機1に関連付けて記憶装置43に(例えば図4におけるレコード101に)格納する。そして、プッシュ通知要求部63は、特定した携帯電話機1に対応するデバイストークンを指定して、プッシュ通知要求をプッシュ通知サーバ6へ送信する。
ログ管理部64は、通信処理部61を使用して、ネットワーク3を介して送信されてくる携帯電話機1から通話ログおよび録音データを受信し、データベースサーバ62を使用して、受信した通話ログおよび録音データを記憶装置43に保存する。
例えば、ログ管理部64は、携帯電話機1によるオペレータの通話状態を管理する。具体的には、ログ管理部64は、通話開始通知から通話終了通知までの期間、携帯電話機1によるオペレータが通話中であると判定する。
なお、端末装置8は、例えばウェブブラウザを有し、CTIサーバ5から受信した画面データに基づいて各種画面を表示装置(液晶ディスプレイなど)で表示し、オペレータや管理者のユーザ操作を入力装置(キーボード、マウス、タッチパネルなど)で検出し、そのユーザ操作に基づく入力情報をCTIサーバ5へ送信する。
具体的には、端末装置8は、(a)CTIサーバ5から、オペレータが携帯電話機1で営業先との通話中であるか否かを示す状態情報を取得して表示し、(b)携帯電話機1と営業先との通話中に携帯電話機1と携帯電話機7とでグループ通話が設定されている期間において、(b1)管理者の操作に基づいて、管理者からそのオペレータへのアドバイスを示すアドバイスデータを生成し、(b2)少なくともプッシュ通知サーバ6(実施の形態1では、CTIサーバ5とプッシュ通知サーバ6)を使用して、アドバイスデータを含むプッシュ通知を携帯電話機1に送信する。つまり、実施の形態1では、端末装置8は、アドバイスデータを含むプッシュ通知要求をCTIサーバ5に送信し、CTIサーバ5に、プッシュ通知サーバ6へプッシュ通知要求を送信させ、プッシュ通知サーバ6に、そのアドバイスデータを含むプッシュ通知を携帯電話機1へ送信させる。その携帯電話機1は、そのプッシュ通知を受信すると、受信したプッシュ通知に含まれるアドバイスデータに基づくアドバイスを出力する。ここでは、端末装置8は、その状態情報とともに通話中の営業先を示す通話情報をCTIサーバ5から取得して表示する。
また、プッシュ通知サーバ6は、例えばCTIサーバ5と同様のハードウェア構成を有し、CTIサーバ5からプッシュ通知要求を受信すると、プッシュ通知要求により指定された携帯電話機1に対して、プッシュ通知要求により指定された指令を含むプッシュ通知を、ネットワーク3を介して送信する。例えば、携帯電話機1のオペレーティングシステム31がAndroidである場合、プッシュ通知サーバ6として、GCM(Google Cloud Messaging)サーバを使用することができる。そのようにオペレーティングシステム31がプッシュ通知の着信機能を有している場合、CTIアプリケーション33は、オペレーティングシステム31を使用して、プッシュ通知を受信する。
次に、図1に示す電話営業用CTIシステムにおける各装置の動作について説明する。図5および図6は、図1に示す電話営業用CTIシステムにおける各装置の動作について説明するシーケンス図である。図7は、図1に示す電話営業用CTIシステムにおける/端末装置4/に表示される発信先リストおよび管理者リストの一例を示す図である。
まず、オペレータは、自己に割り当てられている携帯電話機1を操作して、ログイン画面を通じて、CTIサーバ5に自己のオペレータIDを通知する。次に、携帯電話機1は、オペレータの操作に従って、発信先リスト要求をCTIサーバ5へ送信する(ステップS1)。
CTIサーバ5は、発信先リスト要求を受信すると、そのオペレータのオペレータIDに関連付けられている発信先リスト(営業先の名称、電話番号などのリスト)を特定してデータベース(つまり、発信先リストデータ52)から読み出し(ステップS2)、携帯電話機1へ送信する(ステップS3)。
携帯電話機1は、その発信先リストを例えば図7に示すように表示する(ステップS4)。例えば図7に示すように、発信先リストの画面には、各発信先に対応して発信キー201が表示される。発信キー201は、ソフトキーであり、オペレータ操作により、発信キー201が押下された場合、携帯電話機1は、発信指令の入力を受け付け(ステップS5)、操作された発信キー201に対応する営業先の電話番号を発信先リストで特定し、特定した電話番号に対して音声通話の発信を行う(ステップS6)。そして、その電話番号の通話相手との間での音声通話回線が確立されると、携帯電話機1は、通話開始通知をCTIサーバ5へ送信し(ステップS7)、オペレータは、携帯電話機1を使用して、通話相手との会話を開始する(ステップS8)。このとき、携帯電話機1は、通話の開始から終了まで、通話音声の録音を行い、その録音データを保持する。CTIサーバ5では、通話開始通知が受信され通話ログとして登録される(ステップS9)。
また、上司、リーダーなどの管理者がオペレータの通話を傍聴する場合、オペレータは、携帯電話機1を操作して、管理者を指定してグループ通話を設定する。例えば、オペレータは、営業先との通話を保留状態として、管理者の携帯電話機7に発信することで、営業先との通話に管理者を参加させてグループ通話を設定する。あるいは、管理者がオペレータの通話を傍聴する場合、管理者は、携帯電話機7を操作して、オペレータの携帯電話機1に発信し、オペレータの携帯電話機1は、その着信をオペレータに報知し、オペレータは、管理者の携帯電話機7からの着信に気づくと、営業先との通話を保留状態として、管理者の携帯電話機7に発信することで、営業先との通話に管理者を参加させてグループ通話を設定する。
例えば図7に示すように、発信先リスト画面には、管理者のリストも表示されるようにしてもよい。その場合、各管理者に対応して、グループ通話キー202が表示される。グループ通話キー202は、対応するグループオペレータをグループ通話へ参加させるためのソフトキーである。
このようにして、管理者がグループ通話に参加する。これにより、営業先、オペレータ、および管理者によるグループ通話が開始される(ステップS11)。ただし、その際、グループ通話の期間においては、携帯電話機7の音声入力は継続的に、ミュート状態とされ、携帯電話機7から携帯電話1や営業先への発話は禁止され、管理者は、オペレータと営業先との間の通話の傍聴のみを行う。
その後、通話が終了し音声通話回線が切断されると(ステップS12)、携帯電話機1は、通話終了通知および録音データを、CTIサーバ5へ送信する(ステップS21)。送信後、携帯電話機1は、携帯電話機1内の録音データを消去する。
CTIサーバ5は、携帯電話機1から通話終了通知および録音データを受信すると、その携帯電話機1の携帯電話機IDに対応するオペレータID、今回の通話の営業先などに関連付けて、通話ログとして通話終了通知および録音データをデータベースに登録する(ステップS22)。
さらに、オペレータは、通話の最中または通話終了後ただちに、この発信先、この通話などに関する関連情報(メモ、備忘録、感想、印象など)を携帯電話機1に入力する。携帯電話機1は、その関連情報を受け付けると(ステップS23)、その関連情報をCTIサーバ5へ送信する(ステップS24)。CTIサーバ5は、携帯電話機1からその関連情報を受信すると、そのオペレータID、今回の通話の営業先などに関連付けて、受信した関連情報をデータベースに格納する(ステップS25)。
このようにして、オペレータは、携帯電話機1を使用して、発信先リストをCTIサーバ5からダウンロードし、発信先リストから選択した営業先に電話を掛けることができ、そのオペレータの管理者は、携帯電話機7を使用して、自己の発話をミュート状態としたグループ通話で、そのオペレータと営業先との間の通話内容(会話)を傍聴できる。
また、グループ通話の期間(ステップS11からステップS12までの期間)において、オペレータの通話を傍聴している管理者は、以下のようにして、管理者アドバイス機能で、そのオペレータへアドバイス(テキストや音声)を提供することができる。
図8は、図1に示す電話営業用CTIシステムにおける端末装置8に表示されるアドバイス送信画面の一例を示す図である。図9は、図1に示す電話営業用CTIシステムにおける携帯電話機1に表示されるアドバイスの例を示す図である。
管理者は、グループ通話でオペレータの通話を傍聴している際に、例えば、何等かのアドバイスをオペレータに提供したほうがよいと判断した場合、端末装置8を使用して、アドバイスを提供する。その際、例えば、端末装置8は、図示せぬマイクロフォンで管理者のアドバイス音声を検出し、その音声信号をサンプリングして音声データを生成し、その音声データに基づいて、検出したアドバイス音声に対して音声認識処理を行うことでアドバイステキストを生成し、生成したアドバイステキストを示すアドバイスデータを、ネットワーク3を介してCTIサーバ5へ送信する。
具体的には、例えば次のようにして、端末装置8は、管理者により指定されるアドバイスの入力を受け付ける(ステップS31)。
まず、管理者は、端末装置8を操作して、ログインし、CTIサーバ5に自己の管理者IDを通知し、端末装置8は、管理者の操作に従って、CTIサーバ5から、アドバイス送信画面の画面データをダウンロードして、例えば図8に示すようなアドバイス送信画面を表示する。例えば図8に示すように、アドバイス送信画面には、管理者により管理されるオペレータのリスト301が表示される。そして、そのリスト301において、そのような各オペレータに対応して、オペレータの氏名、通話中を示す画像(マークまたはテキスト)、音声入力のテキストアドバイスキー302および音声アドバイスキー303が表示される。なお、通話中を示す画像、およびアドバイスキー302,303は、リスト301におけるオペレータのうち、通話中のオペレータに対してのみ表示される。ここで、「通話中を示す画像」は、「通話中」というテキストでもよいし、通話開始を示し未終了であることを示す画像やテキストでもよい。
テキストアドバイスキー302は、例えばWebSpeecAPIなどに基づいて、音声入力で、テキストのアドバイスを入力するためのソフトキーである。音声アドバイスキー303は、例えばWebSpeecAPIなどに基づいて、音声入力で、音声のアドバイスを入力するためのソフトキーである。
さらに、アドバイス送信画面には、録音開始キー311、録音終了キー312、アドバイステキストフィールド313、およびアドバイス送信キー314が表示される。
録音開始キー311は、上述の音声入力(つまり、検出された音声の音声データの保存)を開始するソフトキーである。録音終了キー312は、上述の音声入力を終了するソフトキーである。アドバイステキストフィールド313は、管理者により指定されたテキストのアドバイスを表示するフィールドである。アドバイステキストフィールド313には、音声入力された音声のアドバイスが音声認識処理で変換されたテキストが表示されたり、キーボード入力されたテキストが表示されたりする。なお、アドバイステキストフィールド313に表示されているテキストのアドバイスは、キーボードなどへの管理者の操作に従って編集可能である。また、管理者は、音声入力せずに、テキストのアドバイスをすべてキーボードなどの入力装置で入力してもよい。アドバイス送信キー314は、入力されたアドバイスの音声データまたはテキストデータをアドバイスデータとして送信するためのソフトキーである。
例えば、管理者により端末装置8の入力装置(キーボード、タッチパネルなど)が操作され、テキストアドバイスキー302の押下が検出された後、録音開始キー311の押下が検出されると、端末装置8は、その操作に従って図示せぬマイクロフォンで管理者の音声の集音を開始し、録音終了キー312の押下が検出されると、録音開始キー311の押下の検出から録音終了キー312の押下の検出までの期間に集音して得られた音声データに対して音声認識処理を実行し、その音声に対応するテキストデータ(つまり、テキストのアドバイス)をアドバイステキストフィールド313に表示する。
その後、アドバイス送信キー314の押下が検出されると、端末装置8は、アドバイステキストフィールド313に表示されているテキストデータをアドバイスデータとして、選択されたオペレータのオペレータIDを含むアドバイス指令とともにCTIサーバ5へ送信する(ステップS32)。なお、上述のアドバイス送信画面の場合、押下されたアドバイスキー302,303に対応するオペレータが選択される。
なお、音声アドバイスの場合、音声アドバイスキー303が押下され、同様に、録音開始キー311および録音終了キー312が押下され、管理者の音声が入力され、端末装置8において、所定データフォーマットの音声データがアドバイスデータとして生成され、アドバイス送信キー314の押下が検出されると、同様に、上述のアドバイス指令とともにアドバイスデータとしての音声データがCTIサーバ5へ送信される。
CTIサーバ5は、そのアドバイス指令およびアドバイスデータを受信すると、そのアドバイス指令に含まれているオペレータIDに対応する携帯電話機1を特定し、特定した携帯電話機1をプッシュ通知の送信先として指定したプッシュ通知要求、およびアドバイスデータをプッシュ通知サーバ6へ送信する(ステップS33)。その際、その携帯電話機1のデバイストークンが指定される。
プッシュ通知サーバ6は、そのプッシュ通知要求およびアドバイスデータ(並びにデバイストークン)を受信すると、そのプッシュ通知要求により指定された携帯電話機1(デバイストークンに対応する携帯電話機1)へ、アドバイスデータを含むプッシュ通知を送信する(ステップS34)。
携帯電話機1(CTIアプリケーション33)は、そのプッシュ通知を受信すると、そのプッシュ通知に含まれるアドバイスデータに基づいて、アドバイスの出力を行う(ステップS35)。その際、アドバイスがテキストである場合、携帯電話機1は、そのアドバイス401を図9に示すように表示する(この場合、当然、アドバイスは通話先には送られない)。一方、アドバイスが音声である場合、携帯電話機1は、そのアドバイスデータ(音声データ)を再生して、通話先に聞こえないように、(オペレータの使用するヘッドセットのスピーカなどで)音声をオペレータに出力する。
このようにして、通話中において、オペレータの通話を傍聴している管理者からそのオペレータへアドバイスが提供される。オペレータは、そのアドバイスを参考にして、通話を続ける。なお、同様にして、管理者からオペレータへ、複数回、アドバイスが提供されてもよい。
以上のように、上記実施の形態によれば、広域ネットワーク3に接続可能な携帯電話機1がオペレータに割り当てられ、オペレータにアドバイスを提供する管理者に携帯電話機7が割り当てられる。また、管理者は、広域ネットワーク3に接続された端末装置8を操作して、アドバイスを携帯電話機1のオペレータに提供する。携帯電話機1は、オペレータによる携帯電話機1と営業先との通話の開始および終了を、広域ネットワーク3に接続されたCTIサーバ5に通知する。その際、携帯電話機1は、広域ネットワーク3を介してCTIサーバ5から営業先リストをダウンロードして表示し、オペレータにより営業先リストから選択された営業先に架電する。
これにより、オペレータは携帯電話機1のみで他の端末装置を使用せずに、このシステムで、営業先へ電話を掛けることができるので、オペレータはセンタ内だけではなくテレワークなどで低コストで電話営業を行うことができる。
さらに、上記実施の形態によれば、端末装置8は、(a)CTIサーバ5から、オペレータが携帯電話機1で営業先との通話中であるか否かを示す状態情報を取得して表示し、(b)携帯電話機1と営業先との通話中に携帯電話機1と携帯電話機7とでグループ通話が設定されている期間において、(b1)管理者の操作に基づいて、管理者からオペレータへのアドバイスを示すアドバイスデータを生成し、(b2)少なくとも、広域ネットワーク3に接続されたプッシュ通知サーバ6を使用して、アドバイスデータを含むプッシュ通知を携帯電話機1に送信し、携帯電話機1は、そのプッシュ通知を受信すると、受信したプッシュ通知に含まれるアドバイスデータに基づくアドバイスを出力する。
これにより、発信指令を携帯電話機1に転送するために使用される通信システム(つまり、プッシュ通知のシステム)を使用してアドバイスデータも転送するようにしたので、チャットシステムなどを別途導入せずに、オペレータに割り当てられた携帯電話機を使用したCTIシステムにおいて、管理者アドバイス機能が低コストで実現される。
実施の形態2.
実施の形態2では、端末装置8は、アドバイスデータを含むプッシュ通知要求を(CTIサーバ5を介さず)プッシュ通知サーバ6に送信して、プッシュ通知サーバ6に、アドバイスデータを含むプッシュ通知を携帯電話機1へ送信させる。
具体的には、上述の発信先リストに、各オペレータの携帯電話機1についての上述のデバイストークンが含められ、端末装置8は、管理者により選択されたオペレータに対応するデバイストークンを、発信先リストに基づいて特定し、ネットワーク3を介して、特定したデバイストークンを指定して、アドバイスデータを含むプッシュ通知指令をプッシュ通知サーバ6に送信し、プッシュ通知サーバ6に、上述のプッシュ通知を携帯電話機1へ送信させる。
なお、実施の形態2に係る電話営業用CTIシステムについてのその他の構成および動作については実施の形態1と同様であるので、その説明を省略する。
なお、上述の実施の形態に対する様々な変更および修正については、当業者には明らかである。そのような変更および修正は、その主題の趣旨および範囲から離れることなく、かつ、意図された利点を弱めることなく行われてもよい。つまり、そのような変更および修正が請求の範囲に含まれることを意図している。
例えば、上記実施の形態において、CTIサーバ5およびプッシュ通知サーバ6は同一のサーバ装置内に設けてもよい。また、上記実施の形態において、端末装置8として、ポータブル型パーソナルコンピュータ、タブレット端末、携帯電話機7を使用してもよい。
また、上記実施の形態では、プッシュ通知サーバ6として、GCMサーバが例示されているが、プッシュ通知サーバ6が、携帯電話機1との間でソケット通信を確立し、ソケット通信で上述のプッシュ通知を携帯電話機1へ送信するようにしてもよい。その場合、例えば、まず、事前に、携帯電話機1は、プッシュ通知サーバ6へ接続要求を送信し、プッシュ通知サーバ6がその接続要求を受け付けると、携帯電話機1とプッシュ通知サーバ6との間で、ソケット通信による仮想的な回線が確立される。その後、携帯電話機1とプッシュ通知サーバ6との間で、双方向での通信が可能となる。
また、上記実施の形態において、オペレータは、上述のアドバイスの出力後にアドバイスを確認したことを示す操作を携帯電話機1に行い、携帯電話機1は、その操作に従って、アドバイス確認通知をCTIサーバ5に送信し、CTIサーバ5は、アドバイス確認通知を受信すると、そのアドバイスデータを送信した管理者の端末装置8に、アドバイス確認通知を送信し、端末装置8は、アドバイス確認通知を受信すると、アドバイスがオペレータに確認されたことを表示するようにしてもよい。