JP7280259B2 - 非アルコール性脂肪性肝炎の抗huTNFR1治療 - Google Patents
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Description
Aparicio-Vergara et al. (Hepatology 2013, 57(2):566-576)は、肝脂肪変性またはインシュリン耐性の発生の防止におけるTNFR1エクトドメインシェディングの役割を記載する。TNFR1シェディングができないことは、マウスにおいて、肥満、インシュリン耐性または肝脂肪変性を生じなかった。しかしながら、非シェディング変異を含むマウスは、NASHへの急激な進行を示した。TNFR1エクトドメインシェディングの活性化は、NASHへの進行の減衰に重要であることが見出された。
WO2012035141は、エフェクター機能の媒介を欠損する抗huTNFR1抗体を開示する。
Zettlitz et al. (LandesBioscience 2010, November/Dezember:639-647)は、ヒト化TNFR1特異的アンタゴニストモノクローナル抗体の生成を記載する。
目的は、本発明の主題によって解決される。
特定の態様により、抗体は、単離抗体である。
特定の態様により、抗体は、huTNFR1の膜遠位CRD1および/またはCRD2のサブドメインA1内のエピトープを特異的に認識し、好ましくは、huTNFR1のN末端領域のアミノ酸1~115、または1~70によって表されるエピトープを特異的に認識する。特に、huTNFR1の配列は、配列番号32として同定される。
別の特定の実施形態により、抗体は、huTNFR1を結合する特異性を有するただ1つの抗原結合部位を含む、huTNFR1の一価の結合剤である。特に、抗体は、一価的にhuTNFR1を認識する。
「knobs」変異は、CH3ベータシートの表面を改変し、1つのCH3ドメイン単量体上に存在し、T366Wであり;および
「holes」変異は、CH3ベータシートの表面を改変し、他のCH3ドメイン単量体上に存在し、T366S、L368A、Y407Vからなる群から選択される。
特に、抗体は、5,000から150,000g/molの間の範囲の分子量のPEGによってペグ化される。代表的な抗体構築物、例えばFabは、PEG40,000によってペグ化される。
- ヒンジ領域における変異(配列番号33):C226S、C229S(EU番号付け)、および
- Fc部分における変異:P395A、F405R、Y407R、K409D(EU番号付け)
からなる群から選択される。
a)相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメイン(VH):VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3;ならびに
b)CDRを含む軽鎖可変ドメイン(VL):VL-CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3
ここで、
i)
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号2を含むまたはからなり
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり
VL-CDR3は配列番号6を含むまたはからなり;
または、
ii)
VH-CDR1は配列番号23を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号24を含むまたはからなり
VH-CDR3は配列番号25を含むまたはからなり
VL-CDR1は配列番号26を含むまたはからなり
VL-CDR2は配列番号27を含むまたはからなり
VL-CDR3は配列番号28を含むまたはからなり;
ここで、番号付けはKabatのEUインデックスにより;
または、CDR配列のそれぞれに0、1、または2個(または最高1個、すなわち0または1個)の点変異を含み、huTNFR1を特異的に認識する上記i)またはii)のいずれかの機能的に活性なバリアント、
を含む。
ここで、
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号2を含むまたはからなり;
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり;
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり;
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり;および
VL-CDR3は配列番号6を含むまたはからなり;
ここで、番号付けはKabatのEUインデックスにより;
または、CDR配列の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに最高1個(すなわち0または1個)の点変異を含み、huTNFR1を特異的に認識する機能的に活性なそのバリアント、
を含む。
i)
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号10を含むまたはからなり、ここで5位のXはSであり;
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり;
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり;
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり;および
VL-CDR3は配列番号11を含むまたはからなり、ここで3位のXはGであり;
またはii)
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号10を含むまたはからなり、ここで5位のXはSであり;
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり;
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり;
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり;および
VL-CDR3は配列番号11を含むまたはからなり、ここで3位のXはSである。
a)配列番号7を含むまたはからなるVH配列;および配列番号8を含むまたはからなるVL配列;または
b)配列番号9を含むまたはからなるVL配列;および配列番号10を含むまたはからなるVL配列
のいずれかである。
a)配列番号11を含むまたはからなる重鎖(HC)配列;および
b)配列番号12を含むまたはからなる軽鎖(LC)配列;
またはそれぞれHCおよびLCに含まれるVHおよびVLドメインのCDR配列の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに最高1個の点変異、ならびにVHおよびVLドメインのFR配列FR1~4の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに少なくとも60%の配列同一性を含む機能的に活性なそのバリアントを含む。
a)配列番号18を含むまたはからなるHC配列;および
b)配列番号13を含むまたはからなるLC配列;
またはそれぞれHCおよびLCに含まれるVHおよびVLドメインのCDR配列の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに最高1個の点変異、ならびにVHおよびVLドメインのFR配列FR1~4の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに少なくとも60%の配列同一性を含む機能的に活性なそのバリアントを含む。
a)配列番号19を含むまたはからなるVH、または少なくとも前記VH配列に含有されるCDR配列;
b)4~10アミノ酸、例えば4、5、6、7、8、9または10アミノ酸からなる、好ましくは任意の組合せで、例えば配列番号15からなるリンカーのような、多くのグリシン、セリンまたはスレオニンからなるリンカー配列;
c)配列番号16を含むまたはからなるCH2ドメイン;および
d)配列番号20を含むまたはからなるCH3ドメイン;
からなるHC、ならびに
a)配列番号14を含むまたはからなるVL、または少なくとも前記VL配列に含有されるCDR配列;
b)4~10アミノ酸、例えば4、5、6、7、8、9または10アミノ酸からなる、好ましくは任意の組合せで、例えば配列番号15からなるリンカーのような、多くのグリシン、セリンまたはスレオニンからなるリンカー配列;
c)配列番号16を含むまたはからなるCH2ドメイン;および
d)配列番号17を含むまたはからなるCH3ドメイン;
からなるLCを含む。
a)HCコード配列配列番号22;および
b)LCコード配列配列番号21;
またはそれぞれHCおよびLCに含まれるVHおよびVLドメインのCDR配列の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに最高1個の点変異、ならびにVHおよびVLドメインのFR配列FR1~4の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに少なくとも60%の配列同一性を含む機能的に活性なそのバリアントを含む、1つまたはそれ以上の核酸分子によってコードされる。
配列番号23:VH-CDR1;
配列番号24:VH-CDR2;
配列番号25:VH-CDR3;
配列番号26:VL-CDR1;
配列番号27:VL-CDR2;および
配列番号28:VL-CDR3;
または、CDR配列の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに最高1個の点変異を含み、huTNFR1を特異的に認識する機能的に活性なそのバリアント、
を含むまたはからなる。
a)VHは配列番号29を含むまたはからなり;および
b)VLは配列番号30を含むまたはからなり;
またはVHおよびVLドメインのCDR配列の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに0、1、または2個(または最高1個)の点変異、ならびにVHおよびVLドメインのFR配列FR1~4の1つまたはそれ以上のいずれか、またはそれぞれに少なくとも60%の配列同一性を含む機能的に活性なそのバリアントを含む。
a)親VHドメインはCDR配列:配列番号23、配列番号24、および配列番号25によって特徴付けられ、
b)親VLドメインはCDR配列:配列番号26、配列番号27、および配列番号28によって特徴付けられる。
特に、代表的な抗体(本明細書で提供した配列によって特徴付けられるそれらの抗体)のいずれかは、本発明に従って使用され得る。同様に、同じ抗原結合部位を含むおよび/または同じ標的結合特異性を有する任意の代替の抗体が使用され得る。特定の代替の抗体は、代表的な抗体の機能性バリアントであるものであり、ここで代表的な抗体のいずれかは、huTNFR1標的を特異的に認識する機能を有するバリアントを産生する「親」として使用され得る。
特に、Koffは、10-3より低い、5×10-4s-1より低い、10-4s-1より低い、または10-5s-1より低い。
特定の態様により、疾患状態は、肝脂肪変性、炎症した肝臓、肝線維症(またはアポトーシス)および肝細胞癌のいずれかである。特に、疾患状態のいずれかを発症するリスクがあるまたはすでに罹患しているNASH患者が処置される。NASHまたは関連疾患状態のいくつかの指標は、NAFLD疾患活動性(NAS)、ならびに高ALTおよびインシュリン血清レベルを含み、それらは本明細書に記載の処置によって効果的に低減され得る。
特に、抗体は、有効量で患者に投与される。特に、量は、TNFa/huTNFR1シグナリングをアンタゴナイズするのに有効である。抗体は、アンタゴニスト抗体であり、それにより、細胞ベースのアッセイにおいて測定されたように、実質的なTNFa/TNFR媒介シグナリングおよびシグナル伝達を回避することが特に好ましい。本明細書に記載のおよび本明細書で提供する抗体配列によって特徴付けられる抗体のいずれかは、アンタゴニスト抗体であるとして特に理解される。
特に、本明細書に記載の抗体は、低い免疫原性を有し、阻害剤、例えば抗薬物抗体(ADA)を形成せずに繰り返し使用され得る。
特に、有効量の抗体は、NASHを罹患している患者に投与され、
a)脂肪変性、トリグリセリド含量、炎症、および/または肝臓組織におけるアポトーシス;
b)血清アミノトランスフェラーゼレベル;
c)インシュリン耐性および任意選択によりグルコース耐性の改善;および/または
d)NAFLD活動性スコア
の1つまたはそれ以上のいずれかを低減する。
特定の態様により、抗体は、全身投与により、好ましくは静脈内注入またはボーラス注入により治療有効量で患者に投与される。
VHドメインのCDR:
VH-CDR1=CDRH1
VH-CDR2=CDRH2
VH-CDR3=CDRH3
VLドメインのCDR:
VL-CDR1=CDRL1
VL-CDR2=CDRL2
VL-CDR3=CDRL3
特に、単一の可変抗体ドメインのCDR結合部位は、抗原結合部位、例えば可変領域(例えばdAb、Fd、VL、Vカッパ、Vラムダ、VH、VHH)の重鎖および軽鎖のドメインの結合部位、または一対の可変抗体ドメインの結合部位、例えばVH/VL対として使用され得る。
機能的に活性な誘導体は、特に、抗体自身の主要なアミノ酸配列を変更しない融合または共有化学修飾によって産生される。誘導体は、例えば、循環半減期の延長、安定性の増加、クリアランスの低減、または免疫原性の変更を含む所望の特性を有し得る。特定の抗体誘導体は、1つまたはそれ以上の抗体ドメインもしくは抗体の任意の組合せ、および/または抗体の任意のドメインが1つまたはそれ以上の他のタンパク質、例えば他の抗体の任意の位置に融合し得る融合タンパク質、例えば、CDRループ、受容体ポリペプチドを含むがリガンド、足場タンパク質、酵素、毒素等も含む結合構造体であると理解される。抗体の誘導体は、様々な化学技術、例えば共有結合、静電気的相互作用、ジスルフィド結合等によって他の物質に会合または結合させることによって得られ得る。抗体に結合する他の物質は、脂質、糖、核酸、有機および無機分子、またはこれらの任意の組合せ(例えば、PEG、プロドラッグまたは薬物)であってよい。特定の実施形態では、抗体は、例えば抗体-薬物コンジュゲートを得るための薬物を含む誘導体である。
用語「抗体」は、親CDR配列の機能的に活性なCDRバリアントを有する抗体、および親抗体の機能的に活性なバリアント抗体を含む、抗体のバリアントも指すことが理解される。例えば、CDR結合配列によっておよび/または本明細書で提供する重鎖および軽鎖配列によって特徴付けられるこれらの抗体の機能性バリアントは、工学的に操作され、本明細書にさらに記載されるように使用される。
a)in vitroおよび/またはin vivoでTNFR1シグナリングを調節する(例えば、低減または排除する)、および/または
b)in vitroおよび/またはin vivoでTNFR1媒介細胞死を阻害する、および/または
c)in vitroおよび/またはin vivoで炎症性サイトカインを放出するTNF媒介細胞刺激を阻害する、
d)異なるメカニズムによるTNFR1シグナリングを阻害する
能力を有する物質である。
本明細書で使用する場合、「特異的」結合、認識または標的化は、結合剤、例えば抗体または抗体の抗原結合部位が、分子の異種集団における標的抗原またはそれぞれのエピトープに対する明らかな親和性を示すことを意味する。したがって、指定した条件(例えば、免疫アッセイ)下で、結合剤は標的抗原に特異的に結合し、試料中に存在する他の分子には有意な量で結合しない。特異的結合は、標的の同一性、または選択されるような高度、中度、もしくは低度の結合親和性または結合活性に関して結合が選択的であることを意味する。選択的結合は、通常、別の標的と比較して、結合定数または結合動態が少なくとも10倍異なり(少なくとも1 log差として理解される)、好ましくは差が少なくとも100倍であり(少なくとも2 log差として理解される)、より好ましくは少なくとも1000倍である(少なくとも3 log差として理解される)場合に達成される。差次的な結合は、免疫アッセイ、好ましくは免疫ブロッティング、ELISAまたは他の免疫学的方法によって決定されてよい。特定の標的に対する抗体分子の特異性は、競合アッセイによって、例えばHarlow, et al., ANTIBODIES: A LABORATORY MANUAL, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor, N.Y., 1988に記載のように決定され得る。選択的結合は、当技術分野で公知の組換え抗体最適化方法によって、工学的に操作されるか、または改善され得る。例えば、本明細書に記載の免疫グロブリン鎖の可変領域の特定の領域は、選択されたCDRまたはフレームワーク領域の軽鎖シャッフリング、部位指定変異誘発、CDR融合、定方向変異誘発を含む1つまたはそれ以上の最適化戦略に供されてよい。
特に、用語「予防」は、防止法を指し、疾患発症、または疾患の再発のリスクを低減することを意図する。
本明細書に記載の特定の実施形態は、「医薬組成物」に関し、そのような組成物は、本明細書に記載の抗体および薬学的に許容される担体および/または賦形剤を含んでよく、特に人工的な、非自然発生の組成物を得る。これらの医薬組成物は、本発明に従ってボーラス注射もしくはボーラス注入として、または連続注入により投与され得る。そのような投与手段を容易にするのに好適な医薬担体は、当技術分野で周知である。
一実施形態では、本明細書に記載の抗体は、例えば疾患修飾または防止のための単剤治療として対象に投与される唯一の治療活性剤である。
本明細書に記載の抗体またはそれぞれの医薬調製物の生物学的特性は、細胞、組織、および全臓器実験においてex vivoで特徴付けられ得る。当技術分野で公知のように、疾患または疾患モデルに対する処置の薬物の有効性を測定するため、または薬物の薬物動態、薬力学、毒性、および他の特性を測定するために、薬物は、限定はされないが、マウス、ラット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、およびサルを含む動物においてin vivoで試験されることが多い。動物は疾患モデルと呼ばれる。治療は、限定はされないが、ヌードマウス、SCIDマウス、異種移植片マウス、およびトランスジェニックマウス(ノックインおよびノックアウトを含む)を含むマウスにおいて試験されることが多い。そのような実験は、受動免疫治療時に適切な半減期、エフェクター機能、阻害剤活性および/または免疫応答により治療用としてまたは予防用として使用される抗体の能力の決定のために有意義なデータを提供することができる。任意の生物、好ましくは哺乳動物は、試験のために使用され得る。例えば、そのヒトとの遺伝的類似性のため、霊長類、サルは好適な治療モデルであり、したがって、有効性、毒性、薬物動態、薬力学、半減期、または対象の薬剤もしくは組成物の他の特性を試験するために使用され得る。ヒトでの試験は、薬物としての認可のために最終的に必要であり、したがってもちろん、これらの実験は考慮される。したがって、本明細書に記載の抗体およびそれぞれの医薬組成物はヒトで試験され、それらの治療または予防有効性、毒性、免疫原性、薬物動態、および/または他の臨床特性を決定され得る。
実験的NAFLDを有するマウスにおける脂肪肝および組織学的疾患活動性の改善
方法:
B6-huTNFR1-k/iマウスは、飲用水中、60% kcal脂肪+フルクトース/サッカロースからなる高脂肪食(HFD)を24週間受け(Kohli R et al., Hepatology 2010)、さらに8週間、抗TNFR1(Atrosab)またはコントロール抗体(セツキシマブ、抗EGFR抗体、Erbitux(登録商標)、ImClone Systems、Bristol-Myers Squibbund Merck KGaA)処置(20mg/kg体重、2x/w)のいずれかによって補完された。
配列番号23:VH-CDR1
配列番号24:VH-CDR2
配列番号25:VH-CDR3
配列番号26:VL-CDR1
配列番号27:VL-CDR2
配列番号28:VL-CDR3
である。
Kleiner et al. (Hepatology 2005)により、脂肪変性のパーセンテージならびにNAFLD活動性スコア(NAS)が、病理医によって評価された。トリグリセリド含量は、酵素試験(Roche Diagnostics)を使用することによって、ホモジナイズした肝臓組織において決定された。アポトーシスは、活性化カスパーゼ3に対する抗体を使用する免疫組織化学によって調べられた(Cell Signaling)。線維症は、製造業者(Sigma Aldrich)のプロトコールに従ってSirus Red染色によって検出され、記載されたように定量された(Schindelin J et al., Nat Methods 2012)。
Atrosab処置は、実験的NAFLDを有するマウスにおいて、脂肪肝および組織学的疾患活動性の著しい改善をもたらした。
選択的TNFR1阻害は、NAFLDマウスモデルの肝線維症の改善と関係する
選択的TNFR1阻害が脂肪肝およびNASを改善することが実証されると、線維症低減へのAtrosabの効果が分析された。コントロール抗体によって処置されたマウスと比較して抗TNFR1抗体によって処置されたマウスにおいて、肝線維症の改善が実証され、Sirius Red染色によって評価された(図2A)。線維化領域の定量は、コントロールマウスと比較して抗TNFR1抗体によって処置されたマウスからの肝臓組織において著しい(p<0.05)線維症の低減を明らかにした(図2B)。
抗TNFR1抗体によって処置されたNAFLDマウスの肝臓組織におけるアポトーシスの低減
最初の実験では、マウスは、抗TNFR1抗体またはコントロール抗体のいずれかによる4週間の処置を含む20週間HFDを受けた。抗TNFR1抗体処置は、4週間の処置期間内にすでに、活性カスパーゼ3の免疫組織学分析によって評価された、アポトーシスを低減できることが実証された。コントロール抗体と比較して、抗TNFR1抗体によって処置されたマウスの肝臓組織で、活性カスパーゼ3の著しい(p<0.05)低減が観察できた。(図3)
実施例4
抗TNFR1抗体によって処置されたNAFLDマウスの血清におけるALTおよびインシュリンレベルの改善
抗TNFR1抗体によって処置されたマウスの組織学的な改善の観察に則して(図1および図2)、コントロール抗体によって処置されたマウスと比較して抗TNFR1抗体によって処置されたマウスのALT(図4A)およびインシュリン血清レベル(図4B)の著しい(p<0.05)低減が実証された。したがって、選択的抗TNFR1阻害は、炎症およびインシュリン耐性の著しい改善をもたらした。
Atrosimabの説明-産生および特徴付け
材料
Atrosab抗体は、実施例1に記載のように得られた。組換えヒトTNFR1-Fc融合タンパク質は、WO2012035141に記載のように産生された。Atrosimab(HC:配列番号18;LC:配列番号13)は、Catalent(Catalent Pharma Solutions、Somerset、Ewing、NJ、US)によるCHO細胞へのレンチウイルス形質導入後に産生および精製された。抗His-HRP(HIS-6 His-Probe-HRP、sc-8036)はSanta Cruz Biotechnology(Santa Cruz、CA、USA)から購入された。抗ヒトIgG A(ヤギ、ポリクローナル、2010-01)は、SouthernBiotechから得られ、抗ヒトIgG B(ヤギ、ポリクローナル、MBS571163)ならびに抗ヒトIgG B(ヤギ、ポリクローナル、MBS571678)はMyBioSource(San Diego、CA、USA)から得られた。さらに、抗ヒトIgG(Fab特異的、A 0293)および抗ヒトIgG(Fc特異的、A 0170)はSigma-Aldrich(Taufkirchen、Germany)から購入された。
参照タンパク質Fab13.7は、ポリエチレンイミン(線状、25kDa、Sigma-Aldrich、Taufkirchen、Germany)を使用して一過的にトランスフェクトしたHEK293E細胞においてWO2017174586A1に記載のように産生され、製造業者に推奨されるように厳密にタンパク質親和性クロマトグラフィーによって精製された(CaptureSelect(商標)IgG-CH1 Affinity Matrix、194320005、Thermo Fisher Scientific、Dreieich、Germany)。
Atrosimabの純度および正確なアセンブリは、還元剤としてベータ-メルカプトエタノールの存在下および不在下で、4μgの精製タンパク質を使用してSDS-PAGEによって分析された。ゲル中のタンパク質は、Coomassie-Brilliant Blueを使用して染色され、ゲルは水で脱染色された。インタクトなタンパク質は、Waters 2695 HPLCおよびPhenomenex Yarra SEC-2000カラム(300×7.8mm)を使用するサイズ排除クロマトグラフィーによって分析された。標準タンパク質:チログロブリン(669kDa)、アポフェリチン(443kDa)、アルコール脱水素酵素(150kDa)、BSA(66kDa)、炭酸脱水酵素(29kDa)、FLAGペプチド(1kDa)。
Atrosimabの融解/凝集温度(Tm)は、PBS中100μgの精製タンパク質を使用して動的光散乱法(ZetaSizer Nano ZS、Malvern、Herrenberg、Germany)によって決定された。適用した温度は、各測定の前に2分間の平衡化時間により、35℃から80℃まで1℃間隔で上げられた。Tmは、増加するシグナルの視覚的解釈によって決定された(kcps)。
精製されたAtrosimabの試料は、100nMの濃度にヒト血漿中で希釈され、1、3および7日間37℃でインキュベートされた。ヒトTNFR1への残存する結合能力の次の分析は、1~3.16(10の平方根)の段階によりPBS中2%スキムミルク(2% MPBS)で段階希釈後にELISAによって実施された。コントロール試料は、7日間PBS中4℃でインキュベートされ、またはヒト血漿中での希釈後直接凍結された。
マイクロタイタープレートは、100μlのTNFR1-Fc融合タンパク質(PBS中1μg/ml)でコートされ、4℃で終夜インキュベートされた。残りの結合部位は、室温で2時間、2%MPBS(PBS中スキムミルク、ウェルあたり200μl)でブロックされ、続いてPBSで2回洗浄された。2%MPBS中で希釈した100μlの試料は、100μlの2%MPBS中HRPコンジュゲート検出抗体との最終インキュベーション段階の前に室温で1時間インキュベートされた。結合したタンパク質は、100μl TMB基質溶液(1mg/ml 3,3’,5,5’-テトラメチルベンジジン[TMB]、100mM 酢酸Na緩衝液中0.006% H2O2、室温でpH6)で検出され、HRP反応は50μlの1M H2SO4の添加によって停止され、450nmの波長での吸光度がInfiniteマイクロタイタープレートリーダー(TECAN、Maennedorf、Switzerland)を使用して測定された。各インキュベーションステップの間および検出に先立ち、プレートはPBSTで2回、PBSで2回洗浄された。
タンパク質-タンパク質相互作用のリアルタイム結合動態は、水晶振動子マイクロバランス測定(Cell-200 C-Fast、Attana、Stockholm、Sweden)によって決定された。結合パートナー(TNFR1-Fc)の1つは、およそ94ΔHzの適度な密度で、製造業者のプロトコールに従ってLNB Carboxyl Sensor Chip(3623-3103、Attana、Stockholm、Sweden)上に化学的に固定化された。結合実験は、37℃で25μl/分の流速により、pH7.4の128nMと4nMの間(1:2希釈ステップ)にPBST(PBS、0.1% Tween20)で希釈された試料(分析物)によって実施された。チップは、25μlの20mMグリシン、pH2.0で再生された。3回の測定ごとに、ランニング緩衝液の注射が測定され、データ分析の前に結合曲線から引かれた。データは、Attanaによって提供されるソフトウェアを使用して回収され、Attache Office Evaluationソフトウェア(Attana、Stockholm、Sweden)およびTraceDrawe(ridgview instruments、Vange、Sweden)によって分析された。
ウェルあたり2×104個のHeLa細胞またはHT1080細胞を96ウェルマイクロタイタープレートに播種し、100μlのRPMI1640+5% FCS中で終夜増殖させた。次の日、恒常的に産生されたサイトカインを除去するため、上清が交換された。細胞は、37℃、5%CO2で、RPMI1640+5%FCS中の希釈系列の試料とインキュベートされた。競合実験の場合、両方の分析したタンパク質試料は個々に調製され(単一濃度に滴定または希釈される)、続いてプレートに添加された。非刺激細胞はコントロールとして寄与した。16~20時間後、プレートは500gで5分間遠心分離され、細胞上清は、製造業者のプロトコールに従って実施されたELISAによって直接分析された。上清はRPMI1640(FCS無し)で希釈され、抗体はReagent Diluent(0.1%BSA、0.05% Tween20、20mM TRIS、150mM NaCl、pH7.5)で希釈された。コートしたマイクロタイタープレートは、PBS中1%BSA(ウシ血清アルブミン)を使用してブロックされ、洗浄ならびに検出および測定がELISAについて上記のように実施された。細胞培養上清中のIL-6およびIL-8の検出のためのサンドウィッチELISAキットは、ImmunoTools(Friesoythe、Germany)から購入された。
細胞(ウェルあたり1×104個)は、96ウェルマイクロタイタープレートに播種され、37℃および5%CO2で終夜インキュベートされた。タンパク質は、RPMI1640+10%FCS中で希釈され、細胞に添加された。細胞傷害性アッセイは、上清が廃棄され、50μlのクリスタルバイオレット溶液がウェルに添加される前に24時間、37℃、5%CO2でインキュベートされた。続いて、プレートは20回ddH2Oで洗浄され、乾燥された。染色溶液中に含有されるメタノールによって固定化された生存および接着細胞から生じる残存するバイオレット色素は、10分間室温での振盪時に100μlのメタノールの添加によって溶解された。プレートはInfiniteマイクロタイタープレートリーダー(Tecan、Maennedorf、Switzerland)を使用して測定された。
特定のマウス遺伝子の遺伝子座にヒトTNFR-1の細胞外ドメインの遺伝子を担持するトランスジェニックC57BL/6Jマウス(C57BL/6J-huTNFRSF1Aecdtm1UEG/izi, Dong et al., 2016)は、400μgのAtrosimabの静脈内注射を受けた。血液試料は、3分、30分、1時間、2時間および6時間ならびに3日および7日後に採取され、すぐに氷上でインキュベートされた。血清は、遠心分離(13.000g、4℃、10分)によって分離され、-20℃で保存された。血清中に残存するタンパク質は、上記のように結合ELISAによって検出された。ELISAシグナルは、分析したタンパク質の新しく作製した標準結合曲線から補間された。決定された濃度は、時間に対してプロットされ、薬物動態定数はMicrosoft ExcelのPKsolver add-inを使用する分析で得られた。
Atrosimabと名付けられた、一価の腫瘍ネクローシス因子(TNF)受容体1(TNFR1)-特異的アンタゴニストは、ヘテロ二量体化Fc分子Fc1k(ワン/カッパ)のN末端にFab13.7の可変ドメインを融合することによって生成された。このプロセスは、血清循環の延長を可能にするため、新生児期のFc受容体と相互作用する能力を備えた、サイズの増加したFab様一価の分子を生じた(図6a)。生じる薬物候補Atrosimabは、数回のレンチウイルス形質導入後にCHO細胞で産生され、Catalent Pharma Solutions(Catalent Pharma Solutions、Somerset、Ewing、NJ、US)によるプロテインAアフィニティクロマトグラフィーおよび連続サイズ排除クロマトグラフィー(SEC)によって精製された。
Atrosimabのその標的受容体TNFR1との相互作用は、平衡条件下でELISAによって分析され、0.4nMのEC50値を生じ(図7a)、親Fab13.7と比較した場合、結合活性の2分の1の低減を表し、二価のIgG ATROSABと比較して4分の1の低減を示した。さらに、Atrosimabは水晶振動子マイクロバランスを使用するリアルタイム結合試験においてヒトTNFR1に結合し、およそ94ΔHzの中程度の受容体密度で固定化され、1:1結合アルゴリズムによって分析されたように2.7nMの明らかなKD値、および3.7×105M-1s-1のkonおよび9.8×10-4s-1のkoffであった(図7b)。注目すべきことに、Atrosimabは抗体媒介エフェクター機能を低減するように改変されるFc領域を含む(Armour et al., 1999)。したがって、Atrosimabは、ELISAによって実証されたように、ヒトFcγ受容体Ia、IIbおよびIIIaならびに補体タンパク質C1qへの結合のほぼ完全な欠如を示した(図7c)。Fcγ受容体およびC1q結合に関して同一のFc改変を保有する、前述の抗ヒトTNFR1 IgG ATROSAB(Zettlitz et al., 2010)と比較した場合、結合は、同程度(FcγRIおよびFcγRIII)またはより明白(FcγRIIbおよびC1q)に低減した。
Atrosimabは、IL-6を分析するためのHeLa細胞およびIL-8のためのHT1080細胞を使用する、インターロイキン(IL)放出実験、ならびにKym-1細胞を使用する細胞死誘導アッセイにおいて、50pMと500nMの間の分析した濃度範囲内での任意のアゴニスト生物活性の完全な不在を明らかにした(図3a-c)。アゴニズムの同一の欠如は、親Fab13.7の場合に検出された。対照的に、二価のIgG ATROSABは、1nMと100nMの間の濃度でIL-6およびIL-8のわずかな放出を誘導し(図8aおよびb)、以前に報告されたデータを確認した(Richter et al., 2013)。対照的に、ATROSABのわずかなアゴニスト活性は、Kym-1細胞死誘導アッセイで検出できなかった(図8c)。
最終的に、Atrosimabの薬物動態特性は、ヒトTNFR1の細胞外ドメインの導入遺伝子を保有するC57BL/6J-huTNFRSF1Aecd tm1UEG/izi(Dong et al., 2016)マウスを使用する400μgのタンパク質のボーラス注射後に記録された(図10、表2)。Atrosimabは、2.2±1.2時間の初期の半減期と41.8±18.1時間の末期の半減期でマウス循環から排除され、5856.0±1369.9μg/ml×hの曲線下面積をもたらす。
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Claims (18)
- 非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)およびそれに関連する疾患状態の処置での使用のための、ヒト腫瘍ネクローシス因子1受容体(huTNFR1)を特異的に認識する抗体を含む医薬組成物。
- 前記抗体がhuTNFR1の膜遠位CRD1および/またはCRD2のサブドメインA1内のエピトープを特異的に認識する、請求項1記載の医薬組成物。
- 前記抗体がhuTNFR1のN末端領域のアミノ酸1~115によって表されるエピトープを特異的に認識する、請求項2記載の医薬組成物。
- 前記抗体がモノクローナル抗体である、請求項1~3のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が単一特異性、二価全長抗体である、請求項1~4のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が、エフェクター機能の媒介を欠損するIgG1 Fcドメインを含む、請求項5記載の医薬組成物。
- 前記抗体が、E233P、L234V、L235A、ΔG236、A327G、A330SおよびP331Sからなる群から選択される少なくとも1つの変異を含み、ここで番号付けはKabatのEUインデックスによる、請求項6に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が、A327G/A330S/P331S変異を含み、ここで番号付けはKabatのEUインデックスによる、請求項7に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が一価的にhuTNFR1を認識する、請求項1~8のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が、
a)VH-CDR1、VH-CDR2、およびVH-CDR3の相補性決定領域(CDR)を含む重鎖可変ドメイン(VH);ならびに
b)VL-CDR1、VL-CDR2、およびVL-CDR3のCDRを含む軽鎖可変ドメイン(VL):を含み、
ここで、前記抗体は、
i)
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号2を含むまたはからなり
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり
VL-CDR3は配列番号6を含むまたはからなり;
または、
ii)
VH-CDR1は配列番号23を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号24を含むまたはからなり
VH-CDR3は配列番号25を含むまたはからなり
VL-CDR1は配列番号26を含むまたはからなり
VL-CDR2は配列番号27を含むまたはからなり
VL-CDR3は配列番号28を含むまたはからなり;
または、
iii)
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号10を含むまたはからなり、ここで5位のXはSであり;
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり;
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり;
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり;および
VL-CDR3は配列番号11を含むまたはからなり、ここで3位のXはGであり;
または
iv)
VH-CDR1は配列番号1を含むまたはからなり;
VH-CDR2は配列番号10を含むまたはからなり、ここで5位のXはSであり;
VH-CDR3は配列番号3を含むまたはからなり;
VL-CDR1は配列番号4を含むまたはからなり;
VL-CDR2は配列番号5を含むまたはからなり;および
VL-CDR3は配列番号11を含むまたはからなり、ここで3位のXはSである、
ここで、番号付けはKabatのEUインデックスによる、
請求項1~9のいずれか一項に記載の医薬組成物。 - 前記抗体が、配列番号7、9、19または29を含むまたはからなるVH配列;および配列番号8、10、14または20を含むまたはからなるVL配列を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記疾患状態が、肝脂肪変性、炎症した肝臓、肝線維症および肝細胞癌のいずれかである、請求項1~11のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体の有効量が、NASHを罹患している患者に投与され、TNFa/huTNFR1シグナリングをアンタゴナイズする、請求項1~12のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体の有効量が、NASHを罹患している患者に投与され、
a)脂肪変性、トリグリセリド含量、炎症、および/または肝臓組織におけるアポトーシス;
b)血清アミノトランスフェラーゼレベル;
c)インシュリン耐性および任意選択によりグルコース耐性の改善;および/または
d)NAFLD活動性スコア
の1つまたはそれ以上のいずれかを低減する、請求項1~13のいずれか一項に記載の医薬組成物。 - 前記抗体が、0.05mg/kg~20mg/kgの範囲の用量で、NASHを罹患している患者に投与される、請求項1~14のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が、抗炎症剤による処置、またはファルネソイドX受容体(FXR)アゴニスト、グルカゴン様ペプチド1受容体(GLP1R)アゴニスト、またはペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)アゴニストを使用する治療と組み合わせてNASHを罹患している患者に投与される、請求項1~15のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 前記抗体が、II型糖尿病、I型糖尿病、糖尿病の予備軍、インシュリン耐性、または肥満も罹患している患者に投与され、ここで肥満は肥満度指数が少なくとも30の患者として定義される、請求項1~16のいずれか一項に記載の医薬組成物。
- 抗体の有効量が使用される、請求項1~17のいずれか一項に記載の医薬組成物。
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