JP7278923B2 - 常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維及びそれを用いた布帛 - Google Patents
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Description
しかし、ポリエステル繊維は染色性が劣り、分散染料やカチオン染料を使用して130℃の高温高圧下で染色しなければ、鮮明かつ深みのある色が得られにくい。
したがって、ポリエステル繊維を天然繊維、ポリアミド繊維、ポリウレタン繊維、アクリル繊維等のポリエステル以外の繊維と組み合わせて交編、交織した後に染色した場合、ポリエステルの染色環境である高温高圧下により、組み合わせた繊維が劣化してしまう。
また、常圧カチオン可染性ポリエステル繊維と、発色性が異なる他の繊維とを組み合わせて布帛とした場合、杢調を呈するため意匠性に優れた布帛を得ることが出来る。
しかしながら、特許文献1に記載の常圧可染性ポリエステル繊維を用いて得られる布帛は繊維表面に凹凸が多く、凹部が局所的に深くなっており、乱反射率が高くなるため、ギラツキのある光沢感は不十分であった。また、特許文献1に記載の常圧可染性ポリエステル繊維は曲げ特性が高くなる(柔らかい糸となる)ため、ハリコシ感の強い布帛は得られない。
また、本発明の他の目的は、染色性が良く、ギラツキのある光沢感に優れ、ハリコシ感の強い布帛を提供することにある。
(1)主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0~3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150~400のポリアルキレングリコールをポリエステル全体に対して2.0~3.5質量%の割合で含有するポリエステルからなり、繊維の横断面において、長軸方向の繊維表面に凹凸部を有さない扁平形状を呈しており、繊維横断面の長軸の最大径(L)と短軸の最大径(l)の比であるアスペクト比(L/l)が4.0~6.0、単糸繊度が9~15dtexであることを特徴とする常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維。
また、染色性及びギラツキのある光沢感に優れ、布帛の重量を上げずにハリコシ感が強い布帛を得ることができる。また、他の繊維と組み合わせて布帛としたとき、他の繊維の肌触りなどを残しつつ、布帛にギラツキのある光沢感とハリコシ感を付与することができる。
また、SIP成分が3.0モル%以下であれば、SIP成分のイオン結合分子間力による粘度上昇やゲル化が発生せず、紡糸操業性が良好である。
JIS-L-1013に準じ、島津製作所製AGS-1kNGオートグラフ引張試験機を用い、試料糸長20cm、定速引張速度20cm/minの条件で測定した。荷重-伸び曲線での荷重の最高値を繊度で除した値を破断強度(cN/dtex)とし、そのときの伸び率を破断伸度(%)とし、5回測定の平均値を求めた。
実施例1~6及び比較例1~11において、常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を製造したときの、紡糸濾過圧上昇具合、糸切れ回数から、紡糸操業性を評価した。評価基準は以下の通りである。
非常に優れる:◎
優れる:○
劣る:×
常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を用いて筒編み試料を作製し、カチオン染料による染着性能は、Kayacryl Blue GSL-ED(日本化薬株式会社製)3.0%owf、酢酸0.2g/l、浴比1:50にて常圧沸騰温度(98℃)で60分間染色し、染色前後の染色液吸光度を測定した。そして、吸尽率(%)を下記の式より算出し、吸尽率が90%以上の場合を◎、80%以上90%未満の場合を○、80%未満の場合を×として評価した。
吸尽率(%)=(染色前吸光度-染色後吸光度)/染色前吸光度}×100
常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を用いて筒編み試料を作製し、堅牢度の評価として耐光性試験を行った。Kayacryl Blue GSL-ED(日本化薬株式会社製)0.2%owf又は1.0%owfにて常圧下98℃で浴比1:30にて30分間染色し、水洗後に乾燥し、160℃×1分ヒートセットを施した後、それぞれをフェードメータにて63℃の環境下、20時間耐光試験したもの、40時間耐光試験したものをブランクと比較し、退色状況を比較した。なお、判定には20時間耐光試験後ブランクとの差がないものを3級以上、40時間耐光試験後ブランクとの差がないものを4級以上とし、3級未満を×、3級以上4級未満を○、4級以上を◎とした。
作製した布帛を目視評価。評価基準は以下の通りである。
非常に強いギラツキのある光沢感:◎
ギラツキのある光沢感:○
やや劣る:△
劣る:×
作製した布帛を手で触り、ハリコシ感を評価した。評価基準は以下の通りである。
非常に優れる:◎
優れる:○
やや劣る:△
劣る:×
作製した布帛を直径100mmの円状に切り取り試験片とする。
布帛は筒編みの内側を裏、外側を表として、試験台と接触する面を裏になるようにした。
直径50mm、高さ180mmの円柱の試料台に試験片を試料台の中心に試験台から高さ約10mmの位置から落としそのときのドレープ形状面積を測定し下記の数式1によってドレープ係数を求め、5回測定の平均値を求めた。
主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.5モル%の5-ナトリウムスルホネート基含有イソフタル酸(SIPE)を含有し、平均分子量が200のポリエチレングリコール(PEG)をポリエステル全体に対して3.0質量%の割合で含有するポリエステルを、292℃で溶融吐出し、周速870m/min、温度78℃のGR1と、周速3100m/min、温度140℃のGR2で3.6倍に延伸し、図1に示すような扁平形状(アスペクト比(扁平度)5.18)、79.6dtex/6fの常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を紡糸した。
紡糸した繊維の引張試験測定と紡糸操業性を評価した。
これらの結果を表1に併せて示す。
表1に示すように、常圧カチオン可染性ポリエステルの組成を変更した他は、実施例1と同様にして、常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を紡糸した。
紡糸した繊維の引張試験測定と紡糸操業性を評価した。
次に、実施例1と同様にして、編地を作製し、染色後、染着性、耐光性、光沢感、ハリコシ感を評価した。
これらの結果を表1に併せて示す。
表2に示すように、ポリエステルの総繊度、構成フィラメント本数、扁平度を変更した他は、実施例1と同様にして、常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を紡糸した。
紡糸した繊維の引張試験測定と紡糸操業性を評価した。
次に、実施例1と同様にして、編地を作製し、染色後、染着性、耐光性、光沢感、ハリコシ感を評価した。
これらの結果を表2に併せて示す。
表3に示すように、扁平形状を長軸対称に凸部分を3個ずつ有する多葉型にした他は、実施例6と同様にして、常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を紡糸した。
紡糸した繊維の引張試験測定と紡糸操業性を評価した。
次に、実施例1と同様にして、編地を作製し、染色後、染着性、耐光性、光沢感、ハリコシ感を評価した。
これらの結果を表3に併せて示す。
Claims (3)
- 主たる繰り返し単位がエチレンテレフタレートであり、ポリエステル全体の酸成分に対して2.0~3.0モル%の金属スルホネート基含有イソフタル酸成分を含有し、平均分子量が150~400のポリアルキレングリコールをポリエステル全体に対して2.0~3.5質量%の割合で含有するポリエステルからなり、繊維の横断面において、長軸方向の繊維表面に凹凸部を有さない扁平形状を呈しており、繊維横断面の長軸の最大径(L)と短軸の最大径(l)長さの比であるアスペクト比(L/l)が4.0~6.0、単糸繊度が9~15dtexであることを特徴とする常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維。
- 破断強度が2.5cN/dtex以上である請求項1記載の常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維。
- 請求項1又は請求項2記載の常圧カチオン可染性ポリエステル扁平繊維を用いた布帛。
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