JP7278474B2 - 固定子、電動機、圧縮機、空気調和機、及び固定子の製造方法 - Google Patents

固定子、電動機、圧縮機、空気調和機、及び固定子の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、電動機用の固定子に関する。
一般に、3相コイルを有する固定子が知られている(例えば、特許文献1)。特許文献1に開示された固定子鉄心は、24個のスロットを持ち、3相コイルは8磁極を形成し、1磁極に対するスロット数は、3である。この固定子では、各相のコイルが3スロット毎に配置されており、重ね巻きで固定子鉄心に取り付けられており、各スロットに同じ相の2つのコイルが配置されている。この場合、この固定子は、回転子から固定子に向けて出る磁束の100%を利用できるという利点がある。
実開昭53-114012号公報
しかしながら、回転子から固定子に向けて出る磁束の100%を利用する電動機は、回転子からの磁束に含まれる高調波成分の影響を受けるため、多くの高調波を含む誘起電圧が各相のコイルに発生する。その結果、電動機におけるトルクリップルが増加する。
本開示の目的は、電動機におけるトルクリップルの増加を抑えることである。
本開示の一態様に係る固定子は、
固定子鉄心と、
前記固定子鉄心に分布巻きで取り付けられた3相コイルと
を備え、
前記固定子鉄心は、18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有し、
前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
前記コイルエンドにおいて、前記第1から第3のコイルは、周方向にこの順に配列されており、
前記第1のコイルの一部は、前記第2のコイルの一部とともに、前記18×n個のスロットのうちの第1のスロットに配置されており、
前記コイルエンドにおいて、前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの1つのスロットを挟んで前記第2のコイルに隣接しており、
前記第1のコイルは、2スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
前記第2のコイルは、2スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
前記第3のコイルは、1スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されている。
本開示の他の態様に係る固定子は、
固定子鉄心と、
前記固定子鉄心に分布巻きで取り付けられた3相コイルと
を備え、
前記固定子鉄心は、18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有し、
前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
前記コイルエンドにおいて、前記第1から第3のコイルは、周方向にこの順に配列されており、
前記第2のコイルの一部は、前記第1のコイルの一部が配置された前記18×n個のスロットのうちの第1のスロットに隣接する前記18×n個のスロットのうちの第2のスロットに配置されており、
前記コイルエンドにおいて、前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの1つのスロットを挟んで前記第2のコイルに隣接しており、
前記第1のコイルは、1スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
前記第2のコイルは、1スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
前記第3のコイルは、2スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されている。
本開示の他の態様に係る電動機は、
前記固定子と、
前記固定子の内側に配置された回転子と
を備える。
本開示の他の態様に係る圧縮機は、
密閉容器と、
前記密閉容器内に配置された圧縮装置と、
前記圧縮装置を駆動する前記電動機と
を備える。
本開示の他の態様に係る空気調和機は、
前記圧縮機と、
熱交換器と
を備える。
本開示の他の態様に係る固定子の製造方法は、
18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取り付けられた3相コイルとを有する固定子の製造方法であって、
前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
前記第1のコイルを、2スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
前記第2のコイルを、2スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
前記第3のコイルを、1スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと
を備える。
本開示の他の態様に係る固定子の製造方法は、
18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取り付けられた3相コイルとを有する固定子の製造方法であって、
前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
前記第1のコイルを、1スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
前記第2のコイルを、1スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
前記第3のコイルを、2スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと
を備える。
本開示によれば、電動機におけるトルクリップルの増加を抑えることができる。
実施の形態1に係る電動機の構造を概略的に示す上面図である。 回転子の構造を概略的に示す断面図である。 固定子の構造を概略的に示す上面図である。 コイルエンドにおける3相コイルの配置及びスロット内の3相コイルの配置を模式的に示す図である。 固定子の中心から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 固定子の外側から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 固定子の製造工程の一例を示すフローチャートである。 3相コイルを固定子鉄心内に挿入するための挿入器具の例を示す図である。 ステップS11における第1のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS12における第2のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS14における第3のコイルの挿入工程を示す図である。 比較例に係る電動機を示す上面図である。 比較例における固定子の巻線係数との比較を示す図である。 実施の形態2に係る電動機の構造を概略的に示す上面図である。 実施の形態2における固定子の構造を概略的に示す上面図である。 コイルエンド及びスロット内の3相コイルの配置を模式的に示す図である。 図15に示される固定子の中心から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 図15に示される固定子の外側から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 固定子の製造工程の一例を示すフローチャートである。 ステップS21における第2のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS23における第3のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS25における第1のコイルの挿入工程を示す図である。 実施の形態3に係る電動機の構造を概略的に示す上面図である。 実施の形態3における固定子の構造を概略的に示す上面図である。 コイルエンド及びスロット内の3相コイルの配置を模式的に示す図である。 図23に示される固定子の中心から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 図23に示される固定子の外側から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 実施の形態3における3相コイルのデルタ結線の例を示す模式図である。 実施の形態3において、デルタ結線で接続された3相コイルの例を示す図である。 固定子の製造工程の一例を示すフローチャートである。 ステップS31における第3のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS33における第2のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS34における第1のコイルの挿入工程を示す図である。 実施の形態3における固定子鉄心の他の例を示す図である。 図34に示される固定子鉄心の製造工程を概略的に示す図である。 図34に示される固定子鉄心の製造工程を概略的に示す図である。 図34に示される固定子鉄心の製造工程を概略的に示す図である。 実施の形態4に係る電動機の構造を概略的に示す上面図である。 実施の形態4における固定子の構造を概略的に示す上面図である。 コイルエンドにおける3相コイルの配置及びスロット内の3相コイルの配置を模式的に示す図である。 図39に示される固定子の中心から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 図39に示される固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。 実施の形態4における3相コイルのデルタ結線の例を示す模式図である。 実施の形態4において、デルタ結線で接続された3相コイルの例を示す図である。 固定子の製造工程の一例を示すフローチャートである。 ステップS41における第2のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS43における第1のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS45における第3のコイルの挿入工程を示す図である。 比較例における固定子の巻線係数との比較を示す図である。 実施の形態5に係る電動機の構造を概略的に示す上面図である。 実施の形態5における固定子の構造を概略的に示す上面図である。 コイルエンド及びスロット内の3相コイルの配置を模式的に示す図である。 図51に示される固定子の中心から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 図51に示される固定子の外側から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。 ステップS51における第2のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS53における第3のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS55における第1のコイルの挿入工程を示す図である。 実施の形態5における固定子鉄心の他の例を示す図である。 図59に示される固定子鉄心の製造工程を概略的に示す図である。 図59に示される固定子鉄心の製造工程を概略的に示す図である。 図59に示される固定子鉄心の製造工程を概略的に示す図である。 実施の形態6に係る電動機の構造を概略的に示す上面図である。 実施の形態6における固定子の構造を概略的に示す上面図である。 コイルエンド及びスロット内の3相コイルの配置を模式的に示す図である。 図64に示される固定子の中心から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 図64に示される固定子の外側から見た固定子の構造を概略的に示す図である。 固定子の製造工程の一例を示すフローチャートである。 ステップS61における第3のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS63における第2のコイルの挿入工程を示す図である。 ステップS65における第1のコイルの挿入工程を示す図である。 実施の形態7に係る圧縮機の構造を概略的に示す断面図である。 実施の形態8に係る冷凍空調装置の構成を概略的に示す図である。
実施の形態1.
各図に示されるxyz直交座標系において、z軸方向(z軸)は、電動機1の軸線Axと平行な方向を示し、x軸方向(x軸)は、z軸方向(z軸)に直交する方向を示し、y軸方向(y軸)は、z軸方向及びx軸方向の両方に直交する方向を示す。軸線Axは、固定子3の中心であり、回転子2の回転中心でもある。軸線Axと平行な方向は、「回転子2の軸方向」又は単に「軸方向」ともいう。径方向は、回転子2又は固定子3の半径方向であり、軸線Axと直交する方向である。xy平面は、軸方向と直交する平面である。矢印D1は、軸線Axを中心とする周方向を示す。回転子2又は固定子3の周方向を、単に「周方向」ともいう。
〈電動機1〉
図1は、実施の形態1に係る電動機1の構造を概略的に示す上面図である。
電動機1は、複数の磁極を持つ回転子2と、固定子3と、回転子2に固定されたシャフト4とを有する。電動機1は、例えば、永久磁石同期電動機である。
回転子2は、固定子3の内側に回転可能に配置されている。回転子2と固定子3との間には、エアギャップが存在する。回転子2は、軸線Axを中心として回転する。
図2は、回転子2の構造を概略的に示す断面図である。
回転子2は、回転子鉄心21と、複数の永久磁石22とを有する。
回転子鉄心21は、複数の磁石挿入孔211と、シャフト4が配置されるシャフト孔212とを有する。回転子鉄心21は、各磁石挿入孔211に連通する空間である少なくとも1つのフラックスバリア部をさらに有してもよい。
本実施の形態では、回転子2は、複数の永久磁石22を有する。各永久磁石22は、各磁石挿入孔211内に配置されている。
1つの永久磁石22が、回転子2の1磁極、すなわち、N極又はS極を形成する。ただし、2以上の永久磁石22が回転子2の1磁極を形成してもよい。
本実施の形態では、xy平面において、回転子2の1磁極を形成する1つの永久磁石22は、真っ直ぐに配置されている。ただし、xy平面において、回転子2の1磁極を形成する1組の永久磁石22が、V字形状を持つように配置されていてもよい。
回転子2の各磁極の中心は、回転子2の各磁極(すなわち、回転子2のN極又はS極)の中心に位置する。回転子2の各磁極(単に「各磁極」又は「磁極」とも称する)とは、回転子2のN極又はS極の役目をする領域を意味する。
〈固定子3〉
図3は、固定子3の構造を概略的に示す上面図である。
図4は、コイルエンド32aにおける3相コイル32の配置及びスロット311内の3相コイル32の配置を模式的に示す図である。図4において、破線は、コイルエンド32aにおける各相のコイルを示し、鎖線は、各スロット311内の内層と外層との間の境界を示す。
図3に示されるように、固定子3は、固定子鉄心31と、固定子鉄心31に分布巻きで取り付けられた3相コイル32とを有する。
固定子鉄心31は、環状のヨークと、ヨークから径方向に延在する複数のティースと、3相コイル32が配置される18×n個(nは1以上の整数)のスロット311とを有する。各スロットを、例えば、第1のスロット、第2のスロット、・・・、第nのスロットとも称する。図4に示されるように、18×n個のスロット311の各々は、3相コイル32のうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における内層の外側に設けられており3相コイル32のうちの1つのコイルが配置される外層とを含む。すなわち、図4に示される例では、各スロット311内の空間は、内層及び外層に分けられている。本実施の形態では、n=1である。したがって、図3及び図4に示される例では、固定子鉄心31は、18個のスロット311を有する。
図5は、固定子3の中心から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図6は、固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
3相コイル32(すなわち、各相のコイル)は、スロット311内に配置されたコイルサイドと、スロット311内に配置されていないコイルエンド32aとを持つ。各コイルエンド32aは、軸方向における3相コイル32の端部である。
3相コイル32は、各コイルエンド32aにおいて、6×n個のU相コイル32U、6×n個のV相コイル32V、及び6×n個のW相コイル32Wを有する(図1)。すなわち、3相コイル32は、第1相、第2相、及び第3相の3相を持つ。例えば、第1相はU相であり、第2相はV相であり、第3相はW相である。本実施の形態では、3相の各々を、U相、V相、及びW相と称する。図1に示される各U相コイル32U、各V相コイル32V、及び各W相コイル32Wを、単にコイルとも称する。
本実施の形態では、n=1である。したがって、図1に示される例では、コイルエンド32aにおいて、3相コイル32は、6個のU相コイル32U、6個のV相コイル32V、及び6個のW相コイル32Wを持っている。ただし、各相のコイルの数は、6個に限定されない。本実施の形態では、固定子3は、2つのコイルエンド32aにおいて、図3に示される構造を持っている。ただし、固定子3は、2つのコイルエンド32aの一方において、図3に示される構造を持っていればよい。
3相コイル32に電流が流れたとき、3相コイル32は、10×n個の磁極を形成する。本実施の形態では、n=1である。したがって、本実施の形態では、3相コイル32に電流が流れたとき、3相コイル32は、10磁極を形成する。
図3に示されるように、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する3つのU相コイル32Uを、それぞれ、第1のコイルU1、第2のコイルU2、第3のコイルU3と称する。図3に示されるように、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する3つのV相コイル32Vを、それぞれ、第1のコイルV1、第2のコイルV2、第3のコイルV3と称する。図3に示されるように、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する3つのW相コイル32Wを、それぞれ、第1のコイルW1、第2のコイルW2、第3のコイルW3と称する。各第1のコイルU1、各第2のコイルU2、各第3のコイルU3、各第1のコイルV1、各第2のコイルV2、各第3のコイルV3、各第1のコイルW1、各第2のコイルW2、及び各第3のコイルW3を、単にコイルとも称する。
〈U相コイル32U〉
6×n個のU相コイル32Uは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1から第3のコイルU1,U2,及びU3を一組とする2×n組のコイル群Ugを含む。図5に示される例では、6個のU相コイル32Uは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1から第3のコイルU1,U2,及びU3を一組とする2組のコイル群Ugを含む。言い換えると、6個のU相コイル32Uは2組のコイル群Ugを含み、6個のU相コイル32Uのうちの各コイル群Ugは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1のコイルU1、第2のコイルU2、及び第3のコイルU3を含む。
各コイルエンド32aにおいて、6個のU相コイル32Uのうちの2×n組のコイル群Ugは、固定子3の周方向に等間隔で配列されている。各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Ugのうちの第1のコイルU1、第2のコイルU2、及び第3のコイルU3は、固定子3の周方向にこの順に配列されている。各第1のコイルU1は、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各第2のコイルU2は、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各第3のコイルU3は、1スロットピッチで固定子鉄心31に配置されている。各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Ugのうちの第3のコイルU3は、1つのスロット311を挟んで第2のコイルU2に隣接している。
2スロットピッチとは、「2スロット毎」を意味する。すなわち、2スロットピッチとは、1つのコイルが2スロット毎にスロット311に配置されることを意味する。言い換えると、2スロットピッチとは、1つのコイルが1スロットおきにスロット311に配置されることを意味する。
1スロットピッチとは、「1スロット毎」を意味する。すなわち、1スロットピッチとは、1つのコイルが、周方向に隣接する2つのスロット311に配置されることを意味する。
図5に示されるように、各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Ugのうちの第3のコイルU3、第2のコイルU2、及び第1のコイルU1は、軸方向にこの順に配列されている。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Ugの中で、第3のコイルU3が固定子鉄心31に最も近く、第1のコイルU1が固定子鉄心31に最も遠く、第2のコイルU2は、軸方向において第1のコイルU1と第3のコイルU3との間に位置している。
各コイル群Ugのうちの第1のコイルU1、第2のコイルU2、及び第3のコイルU3は、直列に接続されている。
各コイル群Ugのうちの第1のコイルU1の一部及び第2のコイルU2の一部は、18個のスロット311のうちの1つのスロット311に配置されている。すなわち、各コイル群Ugのうちの第1のコイルU1の一部は、第2のコイルU2の一部とともに、18個のスロット311のうちの1つのスロット311(例えば、第1のスロット)に配置されている。
この場合において、各コイル群Ugのうちの第1のコイルU1の他の一部は、他の相のコイルの一部とともに1つのスロット311に配置されており、各コイル群Ugのうちの第2のコイルU2の他の一部は、他の相のコイルの一部とともに1つのスロット311に配置されており、各コイル群Ugのうちの第3のコイルU3は、他の相のコイルとともに1つのスロット311(例えば、第2のスロット)に配置されている。
例えば、図4において、第1のコイルU1の一部は第1のコイルU1の第1の部分U1aであり、第1のコイルU1の他の一部は第1のコイルU1の第2の部分U1bであり、第2のコイルU2の一部は第2のコイルU2の第1の部分U2aであり、第2のコイルU2の他の一部は第2のコイルU2の第2の部分U2bであり、第3のコイルU3の一部は第3のコイルU3の第1の部分U3aであり、第3のコイルU3の他の一部は第3のコイルU3の第2の部分U3bである。
ただし、本出願において、第1のコイルU1の一部を第1のコイルU1の第2の部分U1bと読み替えてもよく、第1のコイルU1の他の一部を第1のコイルU1の第1の部分U1aと読み替えてもよく、第2のコイルU2の一部を第2のコイルU2の第2の部分U2bと読み替えてもよく、第2のコイルU2の他の一部を第2のコイルU2の第1の部分U2aと読み替えてもよく、第3のコイルU3の一部を第3のコイルU3の第2の部分U3bと読み替えてもよく、第3のコイルU3の他の一部を第3のコイルU3の第1の部分U3aと読み替えてもよい。
〈V相コイル32V〉
6×n個のV相コイル32Vは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1から第3のコイルV1,V2,及びV3を一組とする2×n組のコイル群Vgを含む。図5に示される例では、6個のV相コイル32Vは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1から第3のコイルV1,V2,及びV3を一組とする2組のコイル群Vgを含む。言い換えると、6個のV相コイル32Vは2組のコイル群Vgを含み、6個のV相コイル32Vのうちの各コイル群Vgは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1のコイルV1、第2のコイルV2、及び第3のコイルV3を含む。
各コイルエンド32aにおいて、6個のV相コイル32Vのうちの2×n組のコイル群Vgは、固定子3の周方向に等間隔で配列されている。各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Vgのうちの第1のコイルV1、第2のコイルV2、及び第3のコイルV3は、固定子3の周方向にこの順に配列されている。各第1のコイルV1は、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各第2のコイルV2は、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各第3のコイルV3は、1スロットピッチで固定子鉄心31に配置されている。各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Vgのうちの第3のコイルV3は、1つのスロット311を挟んで第2のコイルV2に隣接している。
各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Vgのうちの第3のコイルV3、第2のコイルV2、及び第1のコイルV1は、軸方向にこの順に配列されている。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Vgの中で、第3のコイルV3が固定子鉄心31に最も近く、第1のコイルV1が固定子鉄心31に最も遠く、第2のコイルV2は、軸方向において第1のコイルV1と第3のコイルV3との間に位置している。
各コイル群Vgのうちの第1のコイルV1、第2のコイルV2、及び第3のコイルV3は、直列に接続されている。
各コイル群Vgのうちの第1のコイルV1の一部及び第2のコイルV2の一部は、18個のスロット311のうちの1つのスロット311に配置されている。すなわち、各コイル群Vgのうちの第1のコイルV1の一部は、第2のコイルV2の一部とともに、18個のスロット311のうちの1つのスロット311に配置されている。
この場合において、各コイル群Vgのうちの第1のコイルV1の他の一部は、他の相のコイルの一部とともに1つのスロット311に配置されており、各コイル群Vgのうちの第2のコイルV2の他の一部は、他の相のコイルの一部とともに1つのスロット311に配置されており、各コイル群Vgのうちの第3のコイルV3は、他の相のコイルとともに1つのスロット311に配置されている。
例えば、図4において、第1のコイルV1の一部は第1のコイルV1の第1の部分V1aであり、第1のコイルV1の他の一部は第1のコイルV1の第2の部分V1bであり、第2のコイルV2の一部は第2のコイルV2の第1の部分V2aであり、第2のコイルV2の他の一部は第2のコイルV2の第2の部分V2bであり、第3のコイルV3の一部は第3のコイルV3の第1の部分V3aであり、第3のコイルV3の他の一部は第3のコイルV3の第2の部分V3bである。
ただし、本出願において、第1のコイルV1の一部を第1のコイルV1の第2の部分V1bと読み替えてもよく、第1のコイルV1の他の一部を第1のコイルV1の第1の部分V1aと読み替えてもよく、第2のコイルV2の一部を第2のコイルV2の第2の部分V2bと読み替えてもよく、第2のコイルV2の他の一部を第2のコイルV2の第1の部分V2aと読み替えてもよく、第3のコイルV3の一部を第3のコイルV3の第2の部分V3bと読み替えてもよく、第3のコイルV3の他の一部を第3のコイルV3の第1の部分V3aと読み替えてもよい。
〈W相コイル32W〉
6×n個のW相コイル32Wは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1から第3のコイルW1,W2,及びW3を一組とする2×n組のコイル群Wgを含む。図5に示される例では、6個のW相コイル32Wは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1から第3のコイルW1,W2,及びW3を一組とする2組のコイル群Wgを含む。言い換えると、6個のW相コイル32Wは2組のコイル群Wgを含み、6個のW相コイル32Wのうちの各コイル群Wgは、各コイルエンド32aにおいて周方向に隣接する第1のコイルW1、第2のコイルW2、及び第3のコイルW3を含む。
各コイルエンド32aにおいて、6個のW相コイル32Wのうちの2×n組のコイル群Wgは、固定子3の周方向に等間隔で配列されている。各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Wgのうちの第1のコイルW1、第2のコイルW2、及び第3のコイルW3は、固定子3の周方向にこの順に配列されている。各第1のコイルW1は、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各第2のコイルW2は、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各第3のコイルW3は、1スロットピッチで固定子鉄心31に配置されている。各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Wgのうちの第3のコイルW3は、1つのスロット311を挟んで第2のコイルW2に隣接している。
各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Wgのうちの第3のコイルW3、第2のコイルW2、及び第1のコイルW1は、軸方向にこの順に配列されている。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、各コイル群Wgの中で、第3のコイルW3が固定子鉄心31に最も近く、第1のコイルW1が固定子鉄心31に最も遠く、第2のコイルW2は、軸方向において第1のコイルW1と第3のコイルW3との間に位置している。
各コイル群Wgのうちの第1のコイルW1、第2のコイルW2、及び第3のコイルW3は、直列に接続されている。
各コイル群Wgのうちの第1のコイルW1の一部及び第2のコイルW2の一部は、18個のスロット311のうちの1つのスロット311に配置されている。すなわち、各コイル群Wgのうちの第1のコイルW1の一部は、第2のコイルW2の一部とともに、18個のスロット311のうちの1つのスロット311に配置されている。
この場合において、各コイル群Wgのうちの第1のコイルW1の他の一部は、他の相のコイルの一部とともに1つのスロット311に配置されており、各コイル群Wgのうちの第2のコイルW2の他の一部は、他の相のコイルの一部とともに1つのスロット311に配置されており、各コイル群Wgのうちの第3のコイルW3は、他の相のコイルとともに1つのスロット311に配置されている。
例えば、図4において、第1のコイルW1の一部は第1のコイルW1の第1の部分W1aであり、第1のコイルW1の他の一部は第1のコイルW1の第2の部分W1bであり、第2のコイルW2の一部は第2のコイルW2の第1の部分W2aであり、第2のコイルW2の他の一部は第2のコイルW2の第2の部分W2bであり、第3のコイルW3の一部は第3のコイルW3の第1の部分W3aであり、第3のコイルW3の他の一部は第3のコイルW3の第2の部分W3bである。
ただし、本出願において、第1のコイルW1の一部を第1のコイルW1の第2の部分W1bと読み替えてもよく、第1のコイルW1の他の一部を第1のコイルW1の第1の部分W1aと読み替えてもよく、第2のコイルW2の一部を第2のコイルW2の第2の部分W2bと読み替えてもよく、第2のコイルW2の他の一部を第2のコイルW2の第1の部分W2aと読み替えてもよく、第3のコイルW3の一部を第3のコイルW3の第2の部分W3bと読み替えてもよく、第3のコイルW3の他の一部を第3のコイルW3の第1の部分W3aと読み替えてもよい。
〈コイルエンド32aにおけるコイルの配置〉
各コイルエンド32aにおける3相コイル32の配置について具体的に以下に説明する。上述のように、6×n個のU相コイル32U、6×n個のV相コイル32V、及び6×n個のW相コイル32Wの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含む。各コイルエンド32aにおいて、2×n組のコイル群は、固定子3の周方向に等間隔で配列されている。各相において、1組のコイル群(各コイル群とも称する)は、周方向に隣接する3つのコイルである。
各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群を構成する第1から第3のコイルは、固定子3の周方向にこの順に配列されている。図3に示される例では、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群を構成する第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルは、反時計回りにこの順に配列されている。ただし、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群を構成する第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルは、時計回りにこの順に配列されていてもよい。
各相の各コイル群のうちの少なくとも2つのコイルが、径方向において部分的に重なっている。本実施の形態では、各相の第1のコイル及び第2のコイルが、径方向において部分的に重なっている。言い換えると、各相の第1のコイルの一部及び第2のコイルの一部が、径方向において重なっている。
各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の第1から第3のコイルが配置される領域は、内側領域及び外側領域に分かれている。内側領域は、固定子鉄心31の中心に最も近い領域である。外側領域は、xy平面において内側領域の外側に位置する領域である。言い換えると、外側領域は、固定子鉄心31の中心から最も離れている領域である。本実施の形態では、各コイル群のコイルエンド32aにおいて、第1のコイルは外側領域に配置されており、第2のコイルは内側領域から外側領域にかけて配置されており、第3のコイルは内側領域に配置されている。
図5及び図6に示されるように、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群のうちの第3のコイル、第2のコイル、及び第1のコイルは、軸方向にこの順に配列されている。言い換えると、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も近く、第1のコイルが固定子鉄心31に最も遠く、第2のコイルは、軸方向において第1のコイルと第3のコイルとの間に位置している。
〈スロット311内のコイルの配置の概要〉
図4に示されるように、各相の各コイル群の第1のコイルは、スロット311の外層に配置されている。各相の各コイル群の第2のコイルは、スロット311の内層及び外層に配置されている。具体的には、各第2のコイルの一部はスロット311の内層に配置されており、その第2のコイルの他の一部はスロット311の外層に配置されている。各相の各コイル群の第3のコイルは、スロット311の内層に配置されている。
したがって図4に示されるように、各相のコイルは、スロット311の6箇所の外層及び6箇所の内層に配置されている。
〈スロット311内のU相コイル32Uの配置〉
スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの外側に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの外側に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルは、スロット311内において、他の相のコイルの内側に配置されている。
〈スロット311内のV相コイル32Vの配置〉
スロット311内のV相コイル32Vの配置を以下に具体的に説明する。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの外側に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの外側に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第3のコイルは、スロット311内において、他の相のコイルの内側に配置されている。
〈スロット311内のW相コイル32Wの配置〉
スロット311内のW相コイル32Wの配置を以下に具体的に説明する。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの外側に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第3のコイルは、スロット311内において、他の相のコイルの内側に配置されている。
〈コイルの配置の変形例〉
本出願において、「第1のコイル」を、「第3のコイル」と読み替えてもよい。この場合、図3に示される例では、各相のコイルエンド32aにおいて、各コイル群の第3のコイル、第2のコイル、及び第1のコイルは、固定子3の周方向にこの順に配列される。すなわち、図3に示される例では、各相のコイルエンド32aにおいて、各コイル群の第3のコイル、第2のコイル、及び第1のコイルは、反時計回りにこの順に配列される。
〈巻線係数〉
本実施の形態に係る電動機1では、回転子2の1磁極に対して3つのスロット311が対応しており、各コイル群は、2スロットピッチで配置された2つのコイル及び1スロットピッチで配置された1つのコイルで構成されている。したがって、2スロットピッチで配置されたコイルの基本波成分(γ=1)の短節巻係数kp2、1スロットピッチで配置されたコイルの基本波成分(γ=1)の短節巻係数kp1は、以下の式で求められる。
sin[{S/(Q/P)}×(π/2)×γ]
分布巻きの3相コイル32の短節巻係数は、1つのコイルが鎖交できる磁束量の比率を示す係数である。Pを3相コイル32の磁極の数、Qをスロット311の数、Sをスロットピッチの数、γを高調波の次数とすると、本実施の形態では、P=10、Q=18である。よって、kp2=0.985、kp1=0.766である。なお、2スロットピッチで配置されたコイルのそれぞれに発生する誘起電圧の位相が異なるので、短節巻係数kp2は1にならない。
分布巻きの3相コイル32の分布巻係数は、3相コイル32に鎖交する磁束の位相差を補正する係数である。2スロットピッチで配置されたコイルは、1スロットピッチで配置されたコイルに対して±10°位相がずれるので、2スロットピッチで配置されたコイルの基本波成分(γ=1)の分布巻係数kd2は、以下の式で求められる。
kd2=cos(10°×γ)=0.985
本実施の形態において1スロットピッチで配置されたコイルは、3相コイル32に発生する誘起電圧の位相の基準であるので、1スロットピッチで配置されたコイルの基本波成分(γ=1)の分布巻係数kd1は、1である。
したがって、本実施の形態では、電動機1における基本波成分についての巻線係数kwは、以下の式で求められる。
kw={kp2×kd1×(2/3)}+{kd1×(1/3)}=0.902
磁極数Pとスロット数Sとの比が、P:S=2:3である集中巻の固定子の巻線係数は、通常、0.866である。これに対して、本実施の形態では、巻線係数kw=0.902であるので、回転子2から出る磁束を有効に利用できる。
〈絶縁部材〉
固定子3は、3相コイル32の各相のコイルを絶縁する絶縁部材を有してもよい。絶縁部材は、例えば、絶縁紙である。
〈コイルの接続〉
3相コイル32は、例えば、デルタ接続で接続されている。この場合、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ接続で接続されている。
〈固定子3の製造方法〉
固定子3の製造方法の一例について説明する。
固定子3の製造方法の一例についてより具体的に以下に説明する。
図7は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図8は、3相コイル32を固定子鉄心31内に挿入するための挿入器具9の例を示す図である。
図9は、ステップS11における第1のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS11では、図9に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第1のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第1のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の外層に、各相の第1のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第1のコイル、V相コイル32Vの第1のコイル、及びW相コイル32Wの第1のコイルを、分布巻きでスロット311の外層に配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。したがって、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの外側に配置される。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。したがって、V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの外側に配置される。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。したがって、W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの外側に配置される。
図8に示される挿入器具9で3相コイル32を固定子鉄心31に挿入する場合、挿入器具9のブレード91間にコイルを配置し、コイルと共にブレード91を固定子鉄心31の内側に挿入する。次に、コイルを軸方向にスライドさせ、スロット311内に配置する。後述するステップS12及びS14においても同じ方法で3相コイル32を固定子鉄心31に挿入する。
図10は、ステップS12における第2のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS12では、図10に示されるように、固定子鉄心31に各相の第2のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層及び内層に各相の第2のコイルを分布巻きで配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。
ステップS13では、3相コイル32の各相のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、1つのコイルがスロット311の外層に配置されているスロット311内に絶縁部材を配置する。本実施の形態では、12個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図11は、ステップS14における第3のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS14では、図11に示されるように、固定子鉄心31に各相の第3のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第3のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の内層に、各相の第3のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第3のコイル、V相コイル32Vの第3のコイル、及びW相コイル32Wの第3のコイルを、分布巻きでスロット311の内層に配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルは、スロット311内において、他の相のコイルの内側に配置される。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、V相コイル32Vのうちの各第3のコイルは、スロット311内において、他の相のコイルの内側に配置される。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、W相コイル32Wのうちの各第3のコイルは、スロット311内において、他の相のコイルの内側に配置される。
ステップS11からステップS14では、各第1のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第2のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第3のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置される。その結果、3相コイル32の各コイルエンド32a及びスロット311において3相コイル32が本実施の形態で説明された配列を持つように、3相コイル32が分布巻きで固定子鉄心31に取り付けられる。
ステップS15では、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wを互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図3に示される固定子3が得られる。
〈比較例〉
図12は、比較例に係る電動機1aを示す上面図である。
比較例では、3相コイル32が重ね巻きで固定子鉄心31に取り付けられている。この場合、各コイルエンド32aにおいて、各コイルの片側がスロット311の外層に配置され、そのコイルの他方側が他のスロット311の内層に配置されている。
したがって、3相コイル32を重ね巻きで固定子鉄心31に取り付ける場合、挿入器具(例えば、図8に示される挿入器具9)を用いて、3相コイル32を固定子鉄心31に取り付けることが難しい。そのため、通常、比較例のような重ね巻きで3相コイル32を固定子鉄心31に取り付ける場合、手で3相コイル32を固定子鉄心に取り付ける。この場合、固定子3の生産性が下がる。
各スロットに2つのコイルを配置する場合、各スロット内の2つのコイル間にインダクタンスの差が生じる。この場合、電動機の駆動中に3相コイルに流れる電流のばらつきが相間に生じ、インダクタンスの大きい相に電流が流れにくく、インダクタンスの小さい相に電流が流れやすい。その結果として、トルクリップルが生じる。例えば、電気角周期の2倍のトルクリップルが生じる。10磁極を形成する固定子を有する電動機では、回転速度の10倍の周波数のトルクリップルが生じる。
コイル群の間にインダクタンスの差が生じている場合、電流がコイル群に均等に流れず、電流の不平衡が生じる。この場合、インダクタンスの小さいコイル群に流れる電流の振幅は大きくなり、電流の位相が進む。インダクタンスの大きいコイル群に流れる電流の振幅は小さくなり、電流の位相が遅れる。その結果、位相がずれた状態で電動機のトルクが出力されるので、各コイル群に流れる電流の振幅のピーク値の和が、相電流の振幅のピーク値の和よりも大きくなるため、コイルの抵抗によって発生する銅損などの損失が増加する。
〈固定子3の利点〉
図13は、比較例における固定子の巻線係数との比較を示す図である。
図13に示される表において、基本波及び各高調波は、各相において発生する誘起電圧に含まれる成分である。
図13において、比較例1は、図12に示される電動機1aである。比較例2は、10磁極を形成するとともに集中巻きで固定子鉄心に取り付けられた3相コイルと、15個のスロットを持つ固定子鉄心を含む電動機である。
本実施の形態に係る電動機1では、高調波成分の巻線係数が全体的に小さい。そのため、本実施の形態に係る電動機1では、トルクリップルを低減することができる。特に、比較例1と比較すると、3次高調波成分における巻線係数を小さくすることができる。
比較例1では、基本波成分の巻線係数が高い。そのため、回転子の磁束を有効に利用できる。さらに、比較例1では、5次高調波成分、7次高調波成分、11次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が小さい。そのため、比較例1では、トルクリップルを低減することができる。しかしながら、比較例1では、3次高調波成分の巻線係数が大きい。そのため、例えば、比較例1に係る電動機1aの3相コイル32がデルタ結線で接続されている場合、3相コイル32において循環電流が発生し、電動機1aの性能が低下する。
比較例2では、基本波の巻線係数が小さく、5次高調波成分、7次高調波成分、11次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が大きい。そのため、回転子の磁束の利用率が低下し、比較例2では、本実施の形態に係る電動機1と同等のトルクを出力するためにはより大きな電流を必要とする。さらに、5次高調波成分、7次高調波成分、11次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が大きいので、トルクリップルが大きくなりやすい。
通常、集中巻の固定子を持つ電動機では、3相コイルのコイルエンドの軸方向における大きさが小さいため、3相コイルの電気抵抗を低減することができる。そのため、集中巻の固定子を持つ電動機では、銅損を低減することができる。しかしながら、トルクの出力が高くなるにつれて3相コイルのコイルエンドの軸方向における大きさによる影響が小さくなるため、巻線係数の大きさによるモータ効率(すなわち、回転子の磁束の利用率)を考慮することが望ましい。
本実施の形態では、比較例1と比較して、3次高調波成分、5次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が小さく、7次高調波成分及び11次高調波成分の巻線係数は、比較例1のそれらと同等である。そのため、本実施の形態では、トルクリップルの増加を抑えることができる。さらに、本実施の形態に係る電動機1では、3相コイル32がデルタ結線で接続されている場合でも、3相コイル32における循環電流の発生を低減することができ、その結果、電動機1の性能の低下を抑えることができる。
通常、コイルエンドにおいて、互いに異なる相の3つのコイルが軸方向に積層されている場合、軸方向において最も外側に配置されたコイルの長さは、他の相のコイルの長さよりも長くなる。この場合、コイルの電気抵抗が増加し、電動機における銅損が増加する。これに対して、本実施の形態では、互いに異なる相の3つのコイルが軸方向に積層されないように、3相コイル32が固定子鉄心31に配置されている。そのため、3相コイル32のコイルエンド32aの軸方向における大きさが小さいため、3相コイル32の電気抵抗を低減することができる。その結果、電動機1における銅損を低減することができる。
さらに、各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルが並列に接続されている場合、コイルの配置のバランスが崩れやすい。そのため、並列に接続されたコイル間での電流の不平衡に起因する損失が増加しやすい。これに対して、本実施の形態では、各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルが直列に接続されている。そのため、各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルが直列に接続されている場合、コイル間での電流の不平衡に起因する損失が増加を抑えることができる。
固定子3の製造方法によれば、本実施の形態で説明した利点を持つ固定子3を製造することができる。さらに、固定子3の製造方法によれば、挿入器具9を用いて3相コイル32を固定子鉄心31に取り付けることができる。そのため、例えば、比較例として説明した固定子3aに比べて、固定子3を効率的に製造することができる。さらに、第3のコイルに比べて周方向に長いコイルがスロット311の外層に配置されるので、第3のコイルの配置が容易である。
実施の形態2.
図14は、実施の形態2に係る電動機1の構造を概略的に示す上面図である。
実施の形態2では、3相コイル32の配置が、実施の形態1で説明した配置と異なる。実施の形態2では、実施の形態1と異なる構成について説明する。本実施の形態において説明されない構成は、実施の形態1と同じ構成とすることができる。
〈固定子3〉
図15は、実施の形態2における固定子3の構造を概略的に示す上面図である。
図16は、コイルエンド32a及びスロット311内の3相コイル32の配置を模式的に示す図である。図16において、破線は、コイルエンド32aにおける各相のコイルを示し、鎖線は、各スロット311内の内層と外層との間の境界を示す。
図15及び図16に示される例では、実施の形態1と同様に、固定子鉄心31は、18個のスロット311を有する。
〈コイルエンド32aにおけるコイルの配置〉
本実施の形態では、各コイル群のコイルエンド32aにおいて、第1のコイルは内側領域に配置されており、第2のコイルは外側領域に配置されており、第3のコイルは内側領域から外側領域にかけて配置されている。
図17は、図15に示される固定子3の中心から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図18は、図15に示される固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図17及び図18に示されるように、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も近く、第2のコイルが固定子鉄心31に最も遠い。第1のコイルは、軸方向において第2のコイルと第3のコイルとの間に位置していてもよく、軸方向において第2のコイルと同じ高さでもよく、軸方向において第3のコイルと同じ高さでもよい。
〈スロット311内のコイルの配置の概要〉
各相の各コイル群の第1のコイルは、スロット311の内層に配置されている。各相の各コイル群の第2のコイルは、スロット311の外層に配置されている。各相の各コイル群の第3のコイルは、スロット311の外層及び内層に配置されている。
したがって、図15に示されるように、各相のコイルは、スロット311の6箇所の外層及び6箇所の内層に配置されている。
〈スロット311内のU相コイル32Uの配置〉
スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの内側に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの外側に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第2のコイルの内側に配置されている。
〈スロット311内のV相コイル32Vの配置〉
スロット311内のV相コイル32Vの配置を以下に具体的に説明する。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの内側に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの外側に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第2のコイルの内側に配置されている。
〈スロット311内のW相コイル32Wの配置〉
スロット311内のW相コイル32Wの配置を以下に具体的に説明する。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの内側に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの外側に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第2のコイルの内側に配置されている。
〈巻線係数〉
本実施の形態に係る電動機1における基本波成分についての巻線係数kwは、実施の形態1と同じである。
〈絶縁部材〉
固定子3は、3相コイル32の各相のコイルを絶縁する絶縁部材を有してもよい。絶縁部材は、例えば、絶縁紙である。
〈コイルの接続〉
3相コイル32は、例えば、デルタ接続で接続されている。
〈固定子3の製造方法〉
実施の形態2で説明した固定子3の製造方法の一例について説明する。
図19は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図20は、ステップS21における第2のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS21では、図20に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第2のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の外層に、各相の第2のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第2のコイル、V相コイル32Vの第2のコイル、及びW相コイル32Wの第2のコイルを、分布巻きでスロット311の外層に配置する。
ステップS22では、3相コイル32の各相のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、各第2のコイルとステップS23においてスロット311の内層に配置される第3のコイルとの間に絶縁部材を配置する。ステップS22では、例えば、6個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図21は、ステップS23における第3のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS23では、図21に示されるように、固定子鉄心31に各相の第3のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層及び内層に各相の第3のコイルを分布巻きで配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第2のコイルの内側に配置される。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第2のコイルの内側に配置される。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第2のコイルの内側に配置される。
ステップS24では、3相コイル32の各相のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、外層に配置された各第3のコイルとステップS25においてスロット311の内層に配置される第1のコイルとの間に絶縁部材を配置する。ステップS24では、例えば、6個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図22は、ステップS25における第1のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS25では、図22に示されるように、固定子鉄心31に各相の第1のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第1のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の内層に、各相の第1のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第1のコイル、V相コイル32Vの第1のコイル、及びW相コイル32Wの第1のコイルを、分布巻きでスロット311の内層に配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの内側に配置される。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの内側に配置される。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。したがって、W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの内側に配置される。
ステップS21からステップS25では、各第1のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第2のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第3のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置される。その結果、3相コイル32の各コイルエンド32a及びスロット311において3相コイル32が本実施の形態で説明された配列を持つように、3相コイル32が分布巻きで固定子鉄心31に取り付けられる。
ステップS26では、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wを互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図15に示される固定子3が得られる。
〈固定子3の利点〉
本実施の形態における固定子3は、実施の形態1で説明した利点を有する。
さらに、各コイルエンド32aにおいて、各第3のコイルの上に第1のコイル及び第2のコイルが配置される。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、軸方向における各第3のコイルの外側に第1のコイル及び第2のコイルが配置される。すなわち、各コイルエンド32aにおいて、各第3のコイルは、第1のコイル及び第2のコイルと固定子鉄心31との間に配置される。この場合において、xy平面において第1のコイルは第2のコイルに重なっていない。したがって、軸方向におけるコイルエンド32aの大きさを抑えることができる。
本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、本実施の形態で説明した利点を持つ固定子3を製造することができる。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、実施の形態1で説明した利点を有する。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法では、各コイルエンド32aにおいて、各第3のコイルの上に第1のコイル及び第2のコイルが配置される。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、軸方向における各第3のコイルの外側に第1のコイル及び第2のコイルが配置される。したがって、第3のコイルを容易に固定子鉄心31に取り付けることができる。言い換えると、第3のコイルを固定子鉄心31に取り付けるときに、第2のコイルが第3のコイルの取り付けを阻害しない。
実施の形態3.
図23は、実施の形態3に係る電動機1の構造を概略的に示す上面図である。
実施の形態3では、3相コイル32の配置が、実施の形態1で説明した配置と異なる。実施の形態3では、実施の形態1と異なる構成について説明する。本実施の形態において説明されない構成は、実施の形態1と同じ構成とすることができる。
〈固定子3〉
図24は、実施の形態3における固定子3の構造を概略的に示す上面図である。
図25は、コイルエンド32a及びスロット311内の3相コイル32の配置を模式的に示す図である。図25において、破線は、コイルエンド32aにおける各相のコイルを示し、鎖線は、各スロット311内の内層と外層との間の境界を示す。
図24及び図25に示される例では、実施の形態1と同様に、固定子鉄心31は、18個のスロット311を有する。
〈コイルエンド32aにおけるコイルの配置〉
本実施の形態では、各コイル群のコイルエンド32aにおいて、第1のコイルは内側領域に配置されており、第2のコイルは外側領域から内側領域にかけて配置されており、第3のコイルは外側領域に配置されている。
図26は、図23に示される固定子3の中心から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図27は、図23に示される固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図26及び図27に示されるように、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も近く、第1のコイルが固定子鉄心31に最も遠い。
〈スロット311内のコイルの配置の概要〉
各相の各コイル群の第1のコイルは、スロット311の内層に配置されている。各相の各コイル群の第2のコイルは、スロット311の外層及び内層に配置されている。各相の各コイル群の第3のコイルは、スロット311の外層に配置されている。
〈スロット311内のU相コイル32Uの配置〉
スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの内側に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの内側に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第2のコイルの外側に配置されている。
〈スロット311内のV相コイル32Vの配置〉
スロット311内のV相コイル32Vの配置を以下に具体的に説明する。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの内側に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるW相コイル32Wの第3のコイルの内側に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第2のコイルの外側に配置されている。
〈スロット311内のW相コイル32Wの配置〉
スロット311内のW相コイル32Wの配置を以下に具体的に説明する。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第3のコイルの内側に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるU相コイル32Uの第3のコイルの内側に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。したがって、W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、スロット311内において、径方向におけるV相コイル32Vの第2のコイルの外側に配置されている。
〈巻線係数〉
本実施の形態に係る電動機1における基本波成分についての巻線係数kwは、実施の形態1と同じである。
〈絶縁部材〉
固定子3は、3相コイル32の各相のコイルを絶縁する絶縁部材を有してもよい。絶縁部材は、例えば、絶縁紙である。
〈コイルの接続〉
図28は、実施の形態3における3相コイル32のデルタ結線の例を示す模式図である。
図29は、実施の形態3において、デルタ結線で接続された3相コイル32の例を示す図である。
3相コイル32は、例えば、デルタ接続で接続されている。したがって、例えば、スター結線に比べて、電動機1の出力を維持しながら、3相コイル32に印加される電圧を下げることができる。実施の形態1で説明したように、電動機1では、各相において発生する誘起電圧に含まれる3次高調波成分を低減できる。したがって、3相コイル32がデルタ結線で接続されている場合でも、3相コイル32における循環電流の発生を低減することができ、その結果、電動機1の性能の低下を抑えることができる。
〈固定子3の製造方法〉
実施の形態3で説明した固定子3の製造方法の一例について説明する。
図30は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図31は、ステップS31における第3のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS31では、図31に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第3のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第3のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層に各相の第3のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第3のコイル、V相コイル32Vの第3のコイル、及びW相コイル32Wの第3のコイルを、分布巻きでスロット311の外層に配置する。
ステップS32では、3相コイル32の各相のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、第3のコイルが配置されているスロット311内に絶縁部材を配置する。この場合、径方向における各第3のコイルの内側に絶縁部材を配置する。本実施の形態では、12個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図32は、ステップS33における第2のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS33では、図32に示されるように、固定子鉄心31に各相の第2のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層及び内層に各相の第2のコイルを分布巻きで配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
図33は、ステップS34における第1のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS34では、図33に示されるように、固定子鉄心31に各相の第1のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第1のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の内層に、各相の第1のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第1のコイル、V相コイル32Vの第1のコイル、及びW相コイル32Wの第1のコイルを、分布巻きでスロット311の内層に配置する。
ステップS31からステップS34では、各第1のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第2のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第3のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置される。その結果、3相コイル32の各コイルエンド32a及びスロット311において3相コイル32が本実施の形態で説明された配列を持つように、3相コイル32が分布巻きで固定子鉄心31に取り付けられる。
ステップS35では、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wを互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図24に示される固定子3が得られる。
〈固定子3の利点〉
本実施の形態における固定子3は、実施の形態1で説明した利点を有する。
さらに、各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の第1から第3のコイルのうち、内層に配置された第1のコイルが軸方向において最も高い位置にあり、外層に配置された第3のコイルが軸方向において最も低い位置にある。そのため、xy平面において、3相コイル32が外側に広がることを防ぐことができる。
さらに、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も近く、第1のコイルが固定子鉄心31に最も遠い。したがって、各コイルエンド32aの外側領域において、軸方向におけるコイルエンド32aの大きさを抑えることができる。
固定子3の製造方法によれば、本実施の形態で説明した利点を持つ固定子3を製造することができる。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、実施の形態1で説明した利点を有する。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法では、各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の第1から第3のコイルのうち、第3のコイルが最初にスロット311の外層に配置される。したがって、第1のコイル及び第2のコイルを容易に固定子鉄心31に取り付けることができ、コンパクトなコイルエンド32aを形成することができる。
変形例.
図34は、実施の形態3における固定子鉄心31の他の例を示す図である。図34に示される3相コイル32の配置は、図24に示される3相コイル32の配置と同じである。
固定子3は、固定子鉄心31の代わりに固定子鉄心31aを有してもよい。固定子鉄心31aは、複数の分割コア31bに分割されている。すなわち、固定子鉄心31aは、複数の分割コア31bで構成されている。各分割コア31bは、少なくとも1つのスロット311を有する。図34に示される固定子鉄心31aは、実施の形態1における固定子鉄心31及び実施の形態2における固定子鉄心31にも適用できる。
固定子鉄心31aは、第1のコイル(具体的には、第1のコイルの一部)及び第2のコイル(具体的には、第2のコイルの一部)が配置された各スロット311において複数の分割コア31bに分割されている。図34に示される例では、固定子鉄心31aは、6個の分割コア31bに分割されている。各分割コア31bには、互いに異なる相のコイルが取り付けられている。具体的には、各分割コア31bには、1スロットピッチで配置された2つのコイルと、2スロットピッチで配置された1つのコイルが取り付けられている。
図35から図37は、図34に示される固定子鉄心31aの製造工程を概略的に示す図である。図35から図37では、固定子鉄心31aの一部が示されている。
図35に示されるように、複数の分割コア31bを、まっすぐに配列する。各相の各コイル群の直列に接続された第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを、スロット311に同時に配置する。各相の各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルは、例えば、ひもで連結されている。
図35では、W相コイル32Wのうちの第1のコイルW1、第2のコイルW2、及び第3のコイルW3を配置する例が示されている。図36では、V相コイル32Vのうちの第1のコイルV1、第2のコイルV2、及び第3のコイルV3を配置する例が示されている。図37では、U相コイル32Uのうちの第1のコイルU1、第2のコイルU2、及び第3のコイルU3を配置する例が示されている。
各相の各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを、スロット311に配置した後、ひもを切断する。これらの工程を繰り返す。
3相コイル32を分割コア31bに取り付けた後、これらの分割コア31bは、固定子3が図34に示される3相コイル32の配列を持つように、円環状のコアに配列される。U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、を互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図34に示される固定子3が得られる。図34に示される固定子鉄心31aの製造工程では、直列に接続された第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを分割コア31bに取り付けるので、3相コイル32を固定子鉄心31aに取り付けた後に、第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを直列に接続する工程を削減することができる。
実施の形態4.
図38は、実施の形態4に係る電動機1の構造を概略的に示す上面図である。
実施の形態4では、3相コイル32の配置が、実施の形態1で説明した配置と異なる。実施の形態4では、実施の形態1と異なる構成について説明する。本実施の形態において説明されない構成は、実施の形態1と同じ構成とすることができる。
〈固定子3〉
図39は、実施の形態4における固定子3の構造を概略的に示す上面図である。
図40は、コイルエンド32aにおける3相コイル32の配置及びスロット311内の3相コイル32の配置を模式的に示す図である。図40において、破線は、コイルエンド32aにおける各相のコイルを示し、鎖線は、各スロット311内の内層と外層との間の境界を示す。
図39に示される例では、実施の形態1と同様に、固定子鉄心31は、18個のスロット311を有する。
〈コイルエンド32aにおけるコイルの配置〉
各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群を構成する第1から第3のコイルは、固定子3の周方向にこの順に配列されている。各コイルエンド32aにおいて、各相の各コイル群の第1のコイルは1スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各相の各コイル群の第2のコイルは1スロットピッチで固定子鉄心31に配置されており、各相の各コイル群の第3のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に配置されている。
各コイルエンド32aにおいて、各相の各コイル群の第3のコイルは、1つのスロット311を挟んで第2のコイルに隣接している。
図39に示される例では、各コイル群のコイルエンド32aにおいて、第1のコイルは内側領域から外側領域にかけて配置されており、第2のコイルは外側領域に配置されており、第3のコイルは内側領域に配置されている。
図41は、図39に示される固定子3の中心から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図42は、図39に示される固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図41及び図42に示されるように、各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第1のコイル及び第2のコイルは、第3のコイルに比べて固定子鉄心31に近い。各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も遠い。
〈スロット311内のコイルの配置の概要〉
各相の各コイル群の第1のコイルは、スロット311の外層及び内層に配置されている。各相の各コイル群の第2のコイルは、スロット311の外層に配置されている。各相の各コイル群において、第2のコイルの一部は、第1のコイルの一部が配置されたスロット311(例えば、第1のスロット)に隣接するもう1つのスロット311(例えば、第2のスロット)に配置されている。
各相の各コイル群の第3のコイルは、スロット311の内層に配置されている。
したがって、図40に示されるように、各相のコイルは、スロット311の6箇所の外層及び6箇所の内層に配置されている。
〈スロット311内のU相コイル32Uの配置〉
スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
〈スロット311内のV相コイル32Vの配置〉
スロット311内のV相コイル32Vの配置を以下に具体的に説明する。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
〈スロット311内のW相コイル32Wの配置〉
スロット311内のW相コイル32Wの配置を以下に具体的に説明する。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
W相コイル32Wの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
〈巻線係数〉
本実施の形態では、1スロットピッチで配置されたコイルは、2スロットピッチで配置されたコイルに対して±10°位相がずれるので、1スロットピッチで配置されたコイルの基本波成分(γ=1)の分布巻係数kd2は、以下の式で求められる。
kd1=cos(10°×γ)=0.985
本実施の形態において2スロットピッチで配置されたコイルは、3相コイル32に発生する誘起電圧の位相の基準であるので、2スロットピッチで配置されたコイルの基本波成分(γ=1)の分布巻係数kd2は、1である。
実施の形態1と同様に、kp2=0.985、kp1=0.766である。
したがって、本実施の形態では、電動機1における基本波成分についての巻線係数kwは、以下の式で求められる。
kw={kp2×1×(1/3)}+{kp1×kd1×(2/3)}=0.831
磁極数Pとスロット数Sとの比が、P:S=2:3である集中巻の固定子の巻線係数は、通常、0.866である。これに対して、本実施の形態では、巻線係数kw=0.831である。
〈絶縁部材〉
固定子3は、3相コイル32の各相のコイルを絶縁する絶縁部材を有してもよい。絶縁部材は、例えば、絶縁紙である。
〈コイルの接続〉
図43は、実施の形態4における3相コイル32のデルタ結線の例を示す模式図である。
図44は、実施の形態4において、デルタ結線で接続された3相コイル32の例を示す図である。
3相コイル32は、例えば、デルタ接続で接続されている。したがって、例えば、スター結線に比べて、電動機1の出力を維持しながら、3相コイル32に印加される電圧を下げることができる。実施の形態1で説明したように、電動機1では、各相において発生する誘起電圧に含まれる3次高調波成分を低減できる。したがって、3相コイル32がデルタ結線で接続されている場合でも、3相コイル32における循環電流の発生を低減することができ、その結果、電動機1の性能の低下を抑えることができる。
〈固定子3の製造方法〉
実施の形態4で説明した固定子3の製造方法の一例について説明する。
図45は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図46は、ステップS41における第2のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS41では、図46に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の各第2のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層に各相の第2のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第2のコイル、V相コイル32Vの第2のコイル、及びW相コイル32Wの第2のコイルを、分布巻きでスロット311の外層に配置する。
ステップS42では、3相コイル32の各相の第2のコイルを絶縁するように、絶縁部材33がスロット311内に配置される。具体的には、第2のコイルが配置されたスロット311において、径方向における各第2のコイルの内側に絶縁部材を配置する。ステップS42では、例えば、12個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図47は、ステップS43における第1のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS43では、図47に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第1のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第1のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層及び内層に各相の第1のコイルを分布巻きで配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。V相コイル32Vの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vの第3のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
ステップS44では、各相の第1のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、外層に配置された各第1のコイルとステップS45においてスロット311の内層に配置される第3のコイルとの間に絶縁部材を配置する。ステップS44では、例えば、6個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図48は、ステップS45における第3のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS45では、図48に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第3のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第3のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の内層に、各相の第3のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第3のコイル、V相コイル32Vの第3のコイル、及びW相コイル32Wの第3のコイルを、分布巻きでスロット311の内層に配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uの第1のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
ステップS41からステップS45では、各第1のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第2のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第3のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置される。その結果、3相コイル32の各コイルエンド32a及びスロット311において3相コイル32が本実施の形態で説明された配列を持つように、3相コイル32が分布巻きで固定子鉄心31に取り付けられる。
ステップS46では、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wを互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図39に示される固定子3が得られる。
〈固定子3の利点〉
図49は、比較例における固定子の巻線係数との比較を示す図である。
図49に示される表において、基本波及び各高調波は、各相において発生する誘起電圧に含まれる成分である。
図49において、比較例1は、図12に示される電動機1aである。比較例2は、10磁極を形成するとともに集中巻きで固定子鉄心に取り付けられた3相コイルと、15個のスロットを持つ固定子鉄心を含む電動機である。
本実施の形態に係る電動機1では、高調波成分の巻線係数が全体的に小さい。そのため、本実施の形態に係る電動機1では、トルクリップルを低減することができる。特に、比較例1と比較すると、3次高調波成分における巻線係数を小さくすることができる。
比較例1では、基本波成分の巻線係数が高い。そのため、回転子の磁束を有効に利用できる。さらに、比較例1では、5次高調波成分、7次高調波成分、11次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が小さい。そのため、比較例1では、トルクリップルを低減することができる。しかしながら、比較例1では、3次高調波成分の巻線係数が大きい。そのため、例えば、比較例1に係る電動機1aの3相コイル32がデルタ結線で接続されている場合、3相コイル32において循環電流が発生し、電動機1aの性能が低下する。
比較例2では、基本波の巻線係数が小さく、5次高調波成分、7次高調波成分、11次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が大きい。そのため、回転子の磁束の利用率が低下し、比較例2では、本実施の形態に係る電動機1と同等のトルクを出力するためにはより大きな電流を必要とする。さらに、5次高調波成分、7次高調波成分、11次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が大きいので、トルクリップルが大きくなりやすい。
通常、集中巻の固定子を持つ電動機では、3相コイルのコイルエンドの軸方向における大きさが小さいため、3相コイルの電気抵抗を低減することができる。そのため、集中巻の固定子を持つ電動機では、銅損を低減することができる。しかしながら、トルクの出力が高くなるにつれて3相コイルのコイルエンドの軸方向における大きさによる影響が小さくなるため、巻線係数の大きさによるモータ効率(すなわち、回転子の磁束の利用率)を考慮することが望ましい。
本実施の形態では、比較例1と比較して、3次高調波成分、5次高調波成分、及び13次高調波成分の巻線係数が小さく、7次高調波成分及び11次高調波成分の巻線係数は、比較例1のそれらと同等である。そのため、本実施の形態では、トルクリップルの増加を抑えることができる。さらに、本実施の形態に係る電動機1では、3相コイル32がデルタ結線で接続されている場合でも、3相コイル32における循環電流の発生を低減することができ、その結果、電動機1の性能の低下を抑えることができる。
通常、コイルエンドにおいて、互いに異なる相の3つのコイルが軸方向に積層されている場合、軸方向において最も外側に配置されたコイルの長さは、他の相のコイルの長さよりも長くなる。この場合、コイルの電気抵抗が増加し、電動機における銅損が増加する。これに対して、本実施の形態では、互いに異なる相の3つのコイルが軸方向に積層されないように、3相コイル32が固定子鉄心31に配置されている。そのため、3相コイル32のコイルエンド32aの軸方向における大きさが小さいため、3相コイル32の電気抵抗を低減することができる。その結果、電動機1における銅損を低減することができる。
さらに、各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルが並列に接続されている場合、コイルの配置のバランスが崩れやすい。そのため、並列に接続されたコイル間での電流の不平衡に起因する損失が増加しやすい。これに対して、本実施の形態では、各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルが直列に接続されている。そのため、各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルが直列に接続されている場合、コイル間での電流の不平衡に起因する損失が増加を抑えることができる。
固定子3の製造方法によれば、本実施の形態で説明した利点を持つ固定子3を製造することができる。さらに、固定子3の製造方法によれば、挿入器具9を用いて3相コイル32を固定子鉄心31に取り付けることができる。そのため、例えば、比較例として説明した固定子3aに比べて、固定子3を効率的に製造することができる。さらに、第3のコイルに比べて周方向に長いコイルがスロット311の外層に配置されるので、第3のコイルの配置が容易である。
実施の形態5.
図50は、実施の形態5に係る電動機1の構造を概略的に示す上面図である。
実施の形態5では、3相コイル32の配置が、実施の形態4で説明した配置と異なる。実施の形態5では、実施の形態4と異なる構成について説明する。本実施の形態において説明されない構成は、実施の形態1又は4と同じ構成とすることができる。
〈固定子3〉
図51は、実施の形態5における固定子3の構造を概略的に示す上面図である。
図52は、コイルエンド32a及びスロット311内の3相コイル32の配置を模式的に示す図である。図52において、破線は、コイルエンド32aにおける各相のコイルを示し、鎖線は、各スロット311内の内層と外層との間の境界を示す。
図51及び図52に示される例では、実施の形態4と同様に、固定子鉄心31は、18個のスロット311を有する。
〈コイルエンド32aにおけるコイルの配置〉
本実施の形態では、各コイル群のコイルエンド32aにおいて、第1のコイルは内側領域に配置されており、第2のコイルは外側領域に配置されており、第3のコイルは内側領域から外側領域にかけて配置されている。
図53は、図51に示される固定子3の中心から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図54は、図51に示される固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図53及び図54に示されるように各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も遠い。
〈スロット311内のコイルの配置の概要〉
各相の各コイル群の第1のコイルは、スロット311の内層に配置されている。各相の各コイル群の第2のコイルは、スロット311の外層に配置されている。各相の各コイル群の第3のコイルは、スロット311の外層及び内層に配置されている。
したがって、図51に示されるように、各相のコイルは、スロット311の6箇所の外層及び6箇所の内層に配置されている。
〈スロット311内のU相コイル32Uの配置〉
スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
〈スロット311内のV相コイル32Vの配置〉
スロット311内のV相コイル32Vの配置を以下に具体的に説明する。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
〈スロット311内のW相コイル32Wの配置〉
スロット311内のW相コイル32Wの配置を以下に具体的に説明する。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
〈巻線係数〉
本実施の形態に係る電動機1における基本波成分についての巻線係数kwは、実施の形態4と同じである。
〈絶縁部材〉
固定子3は、3相コイル32の各相のコイルを絶縁する絶縁部材を有してもよい。絶縁部材は、例えば、絶縁紙である。
〈コイルの接続〉
3相コイル32は、例えば、デルタ接続で接続されている。
〈固定子3の製造方法〉
実施の形態5で説明した固定子3の製造方法の一例について説明する。
図55は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図56は、ステップS51における第2のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS51では、図56に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第2のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の外層に、各相の第2のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第2のコイル、V相コイル32Vの第2のコイル、及びW相コイル32Wの第2のコイルを、分布巻きでスロット311の外層に配置する。
ステップS52では、3相コイル32の各相の第2のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、第2のコイルが配置されたスロット311において、径方向における各第2のコイルの内側に絶縁部材を配置する。ステップS42では、例えば、12個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図57は、ステップS53における第3のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS53では、図57に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第3のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第3のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層及び内層に各相の第3のコイルを分布巻きで配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。
ステップS54では、各相の第3のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、外層に配置された各第3のコイルとステップS55においてスロット311の内層に配置される第1のコイルとの間に絶縁部材を配置する。ステップS54では、例えば、6個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図58は、ステップS55における第1のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS55では、図58に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第1のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第1のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の内層に、各相の第1のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第1のコイル、V相コイル32Vの第1のコイル、及びW相コイル32Wの第1のコイルを、分布巻きでスロット311の内層に配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
ステップS51からステップS55では、各第1のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第2のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第3のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置される。その結果、3相コイル32の各コイルエンド32a及びスロット311において3相コイル32が本実施の形態で説明された配列を持つように、3相コイル32が分布巻きで固定子鉄心31に取り付けられる。
ステップS56では、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wを互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図41に示される固定子3が得られる。
〈固定子3の利点〉
本実施の形態における固定子3は、実施の形態4で説明した利点を有する。
さらに、各コイルエンド32aにおいて、第1のコイル及び第2のコイルの上に第3のコイルが配置される。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、軸方向における第1のコイル及び第2のコイルの外側に第3のコイルが配置される。すなわち、各コイルエンド32aにおいて、第1のコイル及び第2のコイルは、第3のコイルと固定子鉄心31との間に配置される。したがって、軸方向におけるコイルエンド32aの大きさを抑えることができる。
本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、本実施の形態で説明した利点を持つ固定子3を製造することができる。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、実施の形態4で説明した利点を有する。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法では、各コイルエンド32aにおいて、第1のコイル及び第2のコイルの上に第3のコイルが配置される。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、軸方向における第1のコイル及び第2のコイルの外側に第3のコイルが配置される。各第2のコイルは、スロット311の外層に配置される。したがって、第1のコイルを容易に固定子鉄心31に取り付けることができる。言い換えると、第1のコイルを固定子鉄心31に取り付けるときに、他のコイルが第1のコイルの取り付けを阻害しない。
変形例.
図59は、実施の形態5における固定子鉄心31の他の例を示す図である。図59に示される3相コイル32の配置は、図51に示される3相コイル32の配置と同じである。
固定子3は、固定子鉄心31の代わりに固定子鉄心31cを有してもよい。固定子鉄心31cは、複数の分割コア31dに分割されている。すなわち、固定子鉄心31cは、複数の分割コア31dで構成されている。各分割コア31dは、少なくとも1つのスロット311を有する。図59に示される固定子鉄心31cは、実施の形態4における固定子鉄心31及び後述する実施の形態6における固定子鉄心31にも適用できる。
固定子鉄心31cは、各第1のコイル(具体的には、第1のコイルの一部)が配置されたスロット311(例えば、第1のスロット)とその第1のコイルに隣接する同じ相の第2のコイル(具体的には、第2のコイルの一部)が配置されたスロット311(例えば、第2のスロット)との間の領域で複数の分割コア31dに分割されている。例えば、固定子鉄心31cは、各第1のコイルU1とその第1のコイルU1に隣接する第2のコイルU2が配置されたスロット311との間の領域で複数の分割コア31dに分割されている。図34に示される例では、固定子鉄心31cは、6個の分割コア31dに分割されている。各分割コア31dには、互いに異なる相のコイルが取り付けられている。具体的には、各分割コア31dには、1スロットピッチで配置された2つのコイルと、2スロットピッチで配置された1つのコイルが取り付けられている。
図60から図62は、図59に示される固定子鉄心31cの製造工程を概略的に示す図である。図60から図62では、固定子鉄心31cの一部が示されている。
図60に示されるように、複数の分割コア31dを、まっすぐに配列する。各相の各コイル群の直列に接続された第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを、スロット311に同時に配置する。各相の各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルは、例えば、ひもで連結されている。
図60では、W相コイル32Wのうちの第1のコイルW1、第2のコイルW2、及び第3のコイルW3を配置する例が示されている。図61では、V相コイル32Vのうちの第1のコイルV1、第2のコイルV2、及び第3のコイルV3を配置する例が示されている。図62では、U相コイル32Uのうちの第1のコイルU1、第2のコイルU2、及び第3のコイルU3を配置する例が示されている。
各相の各コイル群の第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを、スロット311に配置した後、ひもを切断する。これらの工程を繰り返す。
3相コイル32を分割コア31dに取り付けた後、これらの分割コア31dは、固定子3が図59に示される3相コイル32の配列を持つように、円環状のコアに配列される。U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、を互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図59に示される固定子3が得られる。図59に示される固定子鉄心31cの製造工程では、直列に接続された第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを分割コア31dに取り付けるので、3相コイル32を固定子鉄心31cに取り付けた後に、第1のコイル、第2のコイル、及び第3のコイルを直列に接続する工程を削減することができる。
実施の形態6.
図63は、実施の形態6に係る電動機1の構造を概略的に示す上面図である。
実施の形態6では、3相コイル32の配置が、実施の形態4で説明した配置と異なる。実施の形態6では、実施の形態4と異なる構成について説明する。本実施の形態において説明されない構成は、実施の形態1又は4と同じ構成とすることができる。
〈固定子3〉
図64は、実施の形態6における固定子3の構造を概略的に示す上面図である。
図65は、コイルエンド32a及びスロット311内の3相コイル32の配置を模式的に示す図である。図65において、破線は、コイルエンド32aにおける各相のコイルを示し、鎖線は、各スロット311内の内層と外層との間の境界を示す。
図64及び図65に示される例では、実施の形態4と同様に、固定子鉄心31は、18個のスロット311を有する。
〈コイルエンド32aにおけるコイルの配置〉
本実施の形態では、各コイル群のコイルエンド32aにおいて、第1のコイルは内側領域に配置されており、第2のコイルは内側領域から外側領域にかけて配置されており、第3のコイルは外側領域に配置されている。
図66は、図64に示される固定子3の中心から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図67は、図64に示される固定子3の外側から見た固定子3の構造を概略的に示す図である。
図66及び図67に示されるように各相の各コイルエンド32aにおいて、各コイル群の中で、第3のコイルが固定子鉄心31に最も遠い。
〈スロット311内のコイルの配置の概要〉
各相の各コイル群の第1のコイルは、スロット311の内層に配置されている。各相の各コイル群の第2のコイルは、スロット311の外層及び内層に配置されている。各相の各コイル群の第3のコイルは、スロット311の外層に配置されている。
したがって、図64に示されるように、各相のコイルは、スロット311の6箇所の外層及び6箇所の内層に配置されている。
〈スロット311内のU相コイル32Uの配置〉
スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。U相コイル32Uのうちの各第3のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
〈スロット311内のV相コイル32Vの配置〉
スロット311内のV相コイル32Vの配置を以下に具体的に説明する。
V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。V相コイル32Vのうちの各第3のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
〈スロット311内のW相コイル32Wの配置〉
スロット311内のW相コイル32Wの配置を以下に具体的に説明する。
W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。W相コイル32Wのうちの各第3のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されたスロット311の外層に配置されている。
〈巻線係数〉
本実施の形態に係る電動機1における基本波成分についての巻線係数kwは、実施の形態4と同じである。
〈絶縁部材〉
固定子3は、3相コイル32の各相のコイルを絶縁する絶縁部材を有してもよい。絶縁部材は、例えば、絶縁紙である。
〈コイルの接続〉
3相コイル32は、例えば、デルタ接続で接続されている。
〈固定子3の製造方法〉
実施の形態6で説明した固定子3の製造方法の一例について説明する。
図68は、固定子3の製造工程の一例を示すフローチャートである。
図69は、ステップS61における第3のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS61では、図69に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第3のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第3のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の外層に、各相の第3のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第3のコイル、V相コイル32Vの第3のコイル、及びW相コイル32Wの第3のコイルを、分布巻きでスロット311の外層に配置する。
ステップS62では、3相コイル32の各相の第3のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、第3のコイルが配置されたスロット311において、径方向における各第3のコイルの内側に絶縁部材を配置する。ステップS42では、例えば、12個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図70は、ステップS63における第2のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS63では、図70に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第2のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第2のコイルを周方向に等間隔に配置し、スロット311の外層及び内層に各相の第2のコイルを分布巻きで配置する。
例えば、U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第2のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第2のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第2のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第1のコイルが配置されるスロット311の外層に配置される。
ステップS64では、各相の第2のコイルを絶縁するように、絶縁部材がスロット311内に配置される。具体的には、外層に配置された各第2のコイルとステップS65においてスロット311の内層に配置される第1のコイルとの間に絶縁部材を配置する。ステップS64では、例えば、6個のスロット311内に絶縁部材が配置される。
図71は、ステップS65における第1のコイルの挿入工程を示す図である。
ステップS65では、図71に示されるように、予め作製された固定子鉄心31に、各相の第1のコイルを挿入器具9で取り付ける。具体的には、コイルエンド32aにおいて各相の第1のコイルを周方向に等間隔に配置し、固定子鉄心31のスロット311の内層に、各相の第1のコイルを分布巻きで配置する。すなわち、U相コイル32Uの第1のコイル、V相コイル32Vの第1のコイル、及びW相コイル32Wの第1のコイルを、分布巻きでスロット311の内層に配置する。
例えば、スロット311内のU相コイル32Uの配置を以下に具体的に説明する。
U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの一部は、W相コイル32Wのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。U相コイル32Uのうちの各第1のコイルの他の一部は、V相コイル32Vのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの一部は、U相コイル32Uのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。V相コイル32Vのうちの各第1のコイルの他の一部は、W相コイル32Wのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの一部は、V相コイル32Vのうちの第3のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。W相コイル32Wのうちの各第1のコイルの他の一部は、U相コイル32Uのうちの第2のコイルが配置されたスロット311の内層に配置される。
ステップS61からステップS65では、各第1のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第2のコイルは、1スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置され、各第3のコイルは、2スロットピッチで固定子鉄心31に分布巻きで配置される。その結果、3相コイル32の各コイルエンド32a及びスロット311において3相コイル32が本実施の形態で説明された配列を持つように、3相コイル32が分布巻きで固定子鉄心31に取り付けられる。
ステップS66では、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wを互いに接続する。例えば、U相コイル32U、V相コイル32V、及びW相コイル32Wは、デルタ結線で接続される。さらに、接続された3相コイル32の形を整える。その結果、図64に示される固定子3が得られる。
〈固定子3の利点〉
本実施の形態における固定子3は、実施の形態4で説明した利点を有する。
さらに、各コイルエンド32aにおいて、第1のコイル及び第2のコイルの上に第3のコイルが配置される。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、軸方向における第1のコイル及び第2のコイルの外側に第3のコイルが配置される。すなわち、各コイルエンド32aにおいて、第1のコイル及び第2のコイルは、第3のコイルと固定子鉄心31との間に配置される。したがって、軸方向におけるコイルエンド32aの大きさを抑えることができる。
本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、本実施の形態で説明した利点を持つ固定子3を製造することができる。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法によれば、実施の形態4で説明した利点を有する。
さらに、本実施の形態における固定子3の製造方法では、各コイルエンド32aにおいて、第1のコイル及び第2のコイルの上に第3のコイルが配置される。言い換えると、各コイルエンド32aにおいて、軸方向における第1のコイル及び第2のコイルの外側に第3のコイルが配置される。各第3のコイルは、スロット311の外層に配置される。したがって、第1のコイルを容易に固定子鉄心31に取り付けることができる。言い換えると、第1のコイルを固定子鉄心31に取り付けるときに、他のコイルが第1のコイルの取り付けを阻害しない。
実施の形態7.
実施の形態7に係る圧縮機300について説明する。
図72は、圧縮機300の構造を概略的に示す断面図である。
圧縮機300は、電動要素としての電動機1と、ハウジングとしての密閉容器307と、圧縮要素(圧縮装置とも称する)としての圧縮機構305とを有する。本実施の形態では、圧縮機300は、スクロール圧縮機である。ただし、圧縮機300は、スクロール圧縮機に限定されない。圧縮機300は、スクロール圧縮機以外の圧縮機、例えば、ロータリー圧縮機でもよい。
圧縮機300内の電動機1は、実施の形態1から8のうちの1つで説明した電動機1である。電動機1は、圧縮機構305を駆動する。
圧縮機300は、さらに、シャフト4の下端部(すなわち、圧縮機構305側と反対側の端部)を支持するサブフレーム308を備えている。
圧縮機構305は、密閉容器307内に配置されている。圧縮機構305は、渦巻部分を有する固定スクロール301と、固定スクロール301の渦巻部分との間に圧縮室を形成する渦巻部分を有する揺動スクロール302と、シャフト4の上端部を保持するコンプライアンスフレーム303と、密閉容器307に固定されてコンプライアンスフレーム303を保持するガイドフレーム304とを備える。
固定スクロール301には、密閉容器307を貫通する吸入管310が圧入されている。また、密閉容器307には、固定スクロール301から吐出される高圧の冷媒ガスを外部に吐出する吐出管306が設けられている。この吐出管306は、密閉容器307の圧縮機構305と電動機1との間に設けられた開口部に連通している。
電動機1は、固定子3を密閉容器307に嵌め込むことにより密閉容器307に固定されている。電動機1の構成は、上述した通りである。密閉容器307には、電動機1に電力を供給するガラス端子309が溶接により固定されている。
電動機1が回転すると、その回転が揺動スクロール302に伝達され、揺動スクロール302が揺動する。揺動スクロール302が揺動すると、揺動スクロール302の渦巻部分と固定スクロール301の渦巻部分とで形成される圧縮室の容積が変化する。そして、吸入管310から冷媒ガスが吸入され、圧縮されて、吐出管306から吐出される。
圧縮機300は、実施の形態1から6のうちの1つで説明した電動機1を有するので、対応する実施の形態で説明した利点を持つ。
さらに、圧縮機300は実施の形態1から6のうちの1つで説明した電動機1を有するので、圧縮機300の性能を改善することができる。
実施の形態8.
実施の形態7に係る圧縮機300を有する、空気調和機としての冷凍空調装置7について説明する。
図73は、実施の形態8に係る冷凍空調装置7の構成を概略的に示す図である。
冷凍空調装置7は、例えば、冷暖房運転が可能である。図73に示される冷媒回路図は、冷房運転が可能な空気調和機の冷媒回路図の一例である。
実施の形態8に係る冷凍空調装置7は、室外機71と、室内機72と、室外機71及び室内機72を接続する冷媒配管73とを有する。
室外機71は、圧縮機300と、熱交換器としての凝縮器74と、絞り装置75と、室外送風機76(第1の送風機)とを有する。凝縮器74は、圧縮機300によって圧縮された冷媒を凝縮する。絞り装置75は、凝縮器74によって凝縮された冷媒を減圧し、冷媒の流量を調節する。絞り装置75は、減圧装置とも言う。
室内機72は、熱交換器としての蒸発器77と、室内送風機78(第2の送風機)とを有する。蒸発器77は、絞り装置75によって減圧された冷媒を蒸発させ、室内空気を冷却する。
冷凍空調装置7における冷房運転の基本的な動作について以下に説明する。冷房運転では、冷媒は、圧縮機300によって圧縮され、凝縮器74に流入する。凝縮器74によって冷媒が凝縮され、凝縮された冷媒が絞り装置75に流入する。絞り装置75によって冷媒が減圧され、減圧された冷媒が蒸発器77に流入する。蒸発器77において冷媒は蒸発し、冷媒(具体的には、冷媒ガス)が再び室外機71の圧縮機300へ流入する。室外送風機76によって空気が凝縮器74に送られると冷媒と空気との間で熱が移動し、同様に、室内送風機78によって空気が蒸発器77に送られると冷媒と空気との間で熱が移動する。
以上に説明した冷凍空調装置7の構成及び動作は、一例であり、上述した例に限定されない。
実施の形態8に係る冷凍空調装置7によれば、実施の形態1から6のうちの1つで説明した電動機1を有するので、対応する実施の形態で説明した利点を持つ。
さらに、実施の形態8に係る冷凍空調装置7は、実施の形態7に係る圧縮機300を有するので、冷凍空調装置7の性能を改善することができる。
以上に説明した各実施の形態における特徴及び各変形例における特徴は、互いに適宜組み合わせることができる。
1 電動機、 2 回転子、 3 固定子、 7 冷凍空調装置、 31 固定子鉄心、 32 3相コイル、 32a コイルエンド、 32U U相コイル、 32V V相コイル、 32W W相コイル、 71 室外機、 72 室内機、 300 圧縮機、 305 圧縮機構、 307 密閉容器、 311 スロット、 74 凝縮器、 77 蒸発器。

Claims (22)

  1. 固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に分布巻きで取り付けられた3相コイルと
    を備え、
    前記固定子鉄心は、18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有し、
    前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
    前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
    前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
    前記コイルエンドにおいて、前記第1から第3のコイルは、周方向にこの順に配列されており、
    前記第1のコイルの一部は、前記第2のコイルの一部とともに、前記18×n個のスロットのうちの第1のスロットに配置されており、
    前記コイルエンドにおいて、前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの1つのスロットを挟んで前記第2のコイルに隣接しており、
    前記第1のコイルは、2スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
    前記第2のコイルは、2スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
    前記第3のコイルは、1スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されている
    固定子。
  2. 1スロットピッチで配置された前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第2のスロットの前記内層に配置されている請求項1に記載の固定子。
  3. 2スロットピッチで配置された前記第1のコイルは、前記第1のスロットの前記外層に配置されており、2スロットピッチで配置された前記第2のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記外層及び前記第1のスロットの前記内層に配置されている請求項1又は2に記載の固定子。
  4. 1スロットピッチで配置された前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第2のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記内層に配置されている請求項1に記載の固定子。
  5. 2スロットピッチで配置された前記第1のコイルは、前記第1のスロットの前記内層に配置されており、2スロットピッチで配置された前記第2のコイルは、前記第1のスロットの前記外層に配置されている請求項1又は4に記載の固定子。
  6. 1スロットピッチで配置された前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第2のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記外層に配置されている請求項1に記載の固定子。
  7. 2スロットピッチで配置された前記第1のコイルは、前記第1のスロットの前記内層に配置されており、2スロットピッチで配置された前記第2のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第2のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記内層に配置されている請求項1又は4に記載の固定子。
  8. 前記固定子鉄心は、前記第1のコイルの前記一部及び前記第2のコイルの前記一部が配置された前記第1のスロットにおいて複数の分割コアに分割されている請求項1から7のいずれか1項に記載の固定子。
  9. 固定子鉄心と、
    前記固定子鉄心に分布巻きで取り付けられた3相コイルと
    を備え、
    前記固定子鉄心は、18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有し、
    前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
    前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
    前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
    前記コイルエンドにおいて、前記第1から第3のコイルは、周方向にこの順に配列されており、
    前記第2のコイルの一部は、前記第1のコイルの一部が配置された前記18×n個のスロットのうちの第1のスロットに隣接する前記18×n個のスロットのうちの第2のスロットに配置されており、
    前記コイルエンドにおいて、前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの1つのスロットを挟んで前記第2のコイルに隣接しており、
    前記第1のコイルは、1スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
    前記第2のコイルは、1スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されており、
    前記第3のコイルは、2スロットピッチで前記固定子鉄心に配置されている
    固定子。
  10. 1スロットピッチで配置された前記第1のコイルは、前記第1のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記内層に配置されており、1スロットピッチで配置された前記第2のコイルは、前記第2のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第4のスロットの前記外層に配置されている請求項9に記載の固定子。
  11. 2スロットピッチで配置された前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第5のスロットの前記内層及び前記18×n個のスロットのうちの第6のスロットの前記内層に配置されている請求項9又は10に記載の固定子。
  12. 1スロットピッチで配置された前記第1のコイルは、前記第1のスロットの前記内層及び前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記内層に配置されており、1スロットピッチで配置された前記第2のコイルは、前記第2のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第4のスロットの前記外層に配置されている請求項9に記載の固定子。
  13. 2スロットピッチで配置された前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第5のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第6のスロットの前記内層に配置されている請求項9又は12に記載の固定子。
  14. 前記固定子鉄心は、前記第1のスロットと前記第2のスロットとの間の領域で複数の分割コアに分割されている請求項9から13のいずれか1項に記載の固定子。
  15. 1スロットピッチで配置された前記第1のコイルは、前記第1のスロットの前記内層及び前記18×n個のスロットのうちの第3のスロットの前記内層に配置されており、1スロットピッチで配置された前記第2のコイルは、前記第2のスロットの前記内層及び前記18×n個のスロットのうちの第4のスロットの前記外層に配置されている請求項9に記載の固定子。
  16. 2スロットピッチで配置された前記第3のコイルは、前記18×n個のスロットのうちの第5のスロットの前記外層及び前記18×n個のスロットのうちの第6のスロットの前記外層に配置されている請求項9又は15に記載の固定子。
  17. 前記3相コイルは、デルタ結線で接続されている請求項1から16のいずれか1項に記載の固定子。
  18. 請求項1から17のいずれか1項に記載の固定子と、
    前記固定子の内側に配置された回転子と
    を備えた電動機。
  19. 密閉容器と、
    前記密閉容器内に配置された圧縮装置と、
    前記圧縮装置を駆動する請求項18に記載の電動機と
    を備えた圧縮機。
  20. 請求項19に記載の圧縮機と、
    熱交換器と
    を備えた空気調和機。
  21. 18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取り付けられた3相コイルとを有する固定子の製造方法であって、
    前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
    前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
    前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
    前記第1のコイルを、2スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
    前記第2のコイルを、2スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
    前記第3のコイルを、1スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと
    を備えた固定子の製造方法。
  22. 18×n個(nは1以上の整数)のスロットを有する固定子鉄心と、前記固定子鉄心に取り付けられた3相コイルとを有する固定子の製造方法であって、
    前記18×n個のスロットの各々は、前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される内層と、径方向における前記内層の外側に設けられており前記3相コイルのうちの1つのコイルが配置される外層とを含み、
    前記3相コイルは、前記3相コイルのコイルエンドにおいて6×n個のU相コイル、6×n個のV相コイル、及び6×n個のW相コイルを有し、10×n個の磁極を形成し、
    前記6×n個のU相コイル、前記6×n個のV相コイル、及び前記6×n個のW相コイルの各々は、第1から第3のコイルを一組とする2×n組のコイル群を含み、
    前記第1のコイルを、1スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
    前記第2のコイルを、1スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと、
    前記第3のコイルを、2スロットピッチで前記固定子鉄心に分布巻きで配置することと
    を備えた固定子の製造方法。
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