JP7278060B2 - インデン組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、インデンを主成分とするインデン組成物に関する。
インデンは、クマロン・インデン樹脂、光学樹脂等の原料として工業的に有用な物質である。インデンを製造する方法としては、従来から、コールタール留分からインデンを回収する方法が一般的である。例えば、特許文献1及び2には、コールタール留分から高純度のインデンを製造する方法が記載されている。
特開平9-301898号公報 特開2001-72613号公報
しかし、特許文献1及び2に記載の方法で得られたインデンは、僅かに残存するベンゾニトリル、硫黄分等の影響で、インデン自体が着色したり、合成原料として利用困難となったりする場合があった。
本発明は、着色が少なく、ポリマー等の合成原料として好適に利用可能なインデン組成物を提供することを目的とする。
本発明は、インデンの含有量が80~99.5質量%のインデン組成物に関する。上記インデン組成物は、インデン以外の成分に占める、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物の含有割合が90質量%以上ある。また、上記インデン組成物は、ベンゾニトリルの含有量が0.5質量%以下、硫黄の含有量が5質量ppm以下である。
上記インデン組成物は、インデン以外の成分の大部分が特定の炭化水素化合物であり、且つ、反応性の高いベンゾニトリル及び硫黄の含有量が少ないことから、着色が少なくなり、且つ、ポリマー、医薬化合物等の合成原料として好適に利用することができる。
一態様において、上記炭化水素化合物は、炭素数9又は10の脂環式化合物を含有していてよい。
一態様において、上記脂環式化合物は、シクロヘキセン環とシクロペンテン環とが縮合した縮合環構造を有する炭素数9の化合物を含んでいてよい。
一態様において、上記脂環式化合物は、ノルボルナン環又はノルボルネン環と5員環とが縮合した縮合環構造を有する炭素数10の化合物を含んでいてよい。
一態様において、上記脂環式化合物の含有量は、0.1~1質量%であってよい。
一態様において、上記炭化水素化合物は、インダン、メチルインダン及びメチルインデンからなる群より選択される少なくとも一種の芳香族化合物を含有していてよい。
一態様において、上記芳香族化合物の含有量は、0.1~19.9質量%であってよい。
本発明によれば、着色が少なく、ポリマー等の合成原料として好適に利用可能なインデン組成物が提供される。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。
本実施形態に係るインデン組成物は、インデンを主成分(80~99.5質量%)とする組成物であり、インデン以外の成分として、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物を含有している。
インデン以外の成分に占める上記炭化水素化合物の含有割合は、90質量%以上であり、好ましくは95質量%以上である。上記炭化水素化合物は、ヘテロ原子を含む極性官能基を有していないため、着色の原因となり難く、且つ、予期しない反応による合成阻害が生じ難い。また、上記炭化水素化合物は、インデンと類似の縮合環構造を有しているため、仮に予期しない反応に供された場合でも悪影響が少ない傾向がある。
インデン組成物におけるベンゾニトリルの含有量は、0.5質量%以下であり、好ましくは0.1質量%以下、より好ましくは0.05質量%以下であり、0質量%(ベンゾニトリルを含有しない)であってもよい。ベンゾニトリルは、反応性の高いシアノ基を有するため、含有量が多いと着色の原因となり、且つ、予期しない反応や触媒劣化の原因となりやすい。従来のコールタール留分由来のインデンでは、ベンゾニトリルの沸点がインデンと近いことから、ベンゾニトリルの含有量を上記範囲まで低減できず、着色等の抑制が困難であった。本実施形態に係るインデン組成物は、後述の製造方法等によって、ベンゾニトリルの含有量が0.5質量%以下に低減されているため、着色等の問題が顕著に抑制される。
インデン組成物における硫黄の含有量(硫黄分)は、5質量ppm以下であり、好ましくは3質量ppm以下、より好ましくは1質量ppm以下であり、0質量%(硫黄を含有しない)であってもよい。なお、本明細書中、インデン組成物における硫黄の含有量は、硫黄原子換算の含有量(いわゆる硫黄分)を示し、紫外蛍光法で測定される値である。
本実施形態において、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物としては、脂環式化合物と芳香族化合物とが挙げられる。
脂環式化合物は、脂環式の5員環と脂環式の6員環とが縮合した縮合環構造を有している。炭素数10の脂環式化合物では、5員環又は6員環にメチル基が置換していてよく、6員環が1,4-位にメチレン基が架橋した二環式の構造(例えば、ノルボルナン環又はノルボルネン環)となっていてもよい。
脂環式化合物は、後述の製造方法でインデン組成物により包含されやすい観点から、インデンと沸点が近いことが好ましい。インデンの沸点は182℃であり、脂環式化合物の沸点は160~200℃であることが好ましい。
脂環式化合物としては、例えば、シクロヘキセン環とシクロペンテン環とが縮合した縮合環構造を有する炭素数9の化合物が挙げられる。このような化合物としては、例えば、下記式(1-1)で表される化合物(ビシクロ(4,3,0)-2,9-ノナジエン)等が挙げられる。
Figure 0007278060000001
また、脂環式化合物としては、予期しない反応による合成阻害がより生じ難くなる観点から、ノルボルナン環又はノルボルネン環を含む剛直な縮合環構造を有する化合物(すなわち、ノルボルナン環又はノルボルネン環と5員環とが縮合した縮合環構造を有する炭素数10の化合物)が好適である。このような脂環式化合物としては、例えば、下記式(2-1)で表される化合物(ヘキサヒドロ-4,7-メタノインデン)、下記式(2-2)で表される化合物(オクタヒドロ-4,7-メタノインデン)等が挙げられる。
Figure 0007278060000002
インデン組成物中の脂環式化合物の含有量は、例えば0.1質量%以上であってよく、0.5質量%以上であってもよい。また、インデン組成物中の脂環式化合物の含有量は、例えば1.0質量%以下であってよく、0.8質量%以下であってもよい。
芳香族化合物は、ベンゼン環(6員環)と5員環とが縮合した縮合環構造を有している。芳香族化合物としては、例えば、インダン、メチルインダン、メチルインデンが挙げられる。炭素数10の芳香族化合物では、5員環又は6員環にメチル基が置換していてよい。
芳香族化合物は、後述の製造方法でインデン組成物により包含されやすい観点から、インデンと沸点が近いことが好ましい。インデンの沸点は182℃であり、芳香族化合物の沸点は140~220℃であることが好ましい。
インデン組成物中の芳香族化合物の含有量は、例えば0.1質量%以上であってよく、1.0質量%以上であってもよい。また、インデン組成物中の芳香族化合物の含有量は、例えば19.9質量%以下であってよく、10.0質量%以下であってもよい。
本実施形態に係るインデン組成物を製造する方法は特に限定されず、例えば、以下の製造方法A又は製造方法Bによって容易に製造することができる。
(インデン組成物の製造方法A)
製造方法Aは、インダンを含む原料組成物を、脱水素触媒に接触させて、インデンを含む反応生成物を得る脱水素工程と、反応生成物を精製して上述のインデン組成物を得る精製工程と、を備える。この製造方法において、上記脱水素触媒は、アルミニウムを含む担体と、上記担体に担持された第14族金属元素及び白金と、を含み、上記脱水素触媒における上記白金の含有量は、上記脱水素触媒の全量基準で0.6~4.0質量%であり、上記脱水素触媒における、上記白金に対する上記第14族金属元素の原子比は、4.0~20.0である。
このような製造方法では、反応の副生成物として、インデンと沸点の近い、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物が生成される(すなわち、反応生成物が当該炭化水素化合物を含む)。このため、上記製造方法で得られる反応生成物を、蒸留等の通常の精製方法で処理することで、上述のインデン組成物を容易に得ることができる。
製造方法Aで用いる脱水素触媒は、アルミニウムを含む担体と、担体に担持された第14族金属元素及び白金とを含む触媒である。ここで、第14族金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第14族に属する金属元素を意味する。第14族金属元素としては、例えば、スズ(Sn)及び鉛(Pb)が挙げられる。
脱水素触媒の調製方法は、特に限定されず、担体に第14属金属元素を担持させた後、白金を更に担持させる方法であってよく、担体に白金を担持させた後、第14属金属元素を更に担持させる方法であってもよく、担体に第14属金属元素及び白金を同時に担持させる方法であってもよい。
脱水素触媒において、アルミニウムを含む担体、第14族金属元素及び白金は、それぞれ酸化物として存在していてよく、他の金属との複合酸化物として存在していてもよく、金属塩又は金属単体として存在していてもよい。
脱水素触媒は、アルミニウム、第14族金属元素及び白金の他に、他の金属元素を含んでいてもよい。他の金属元素としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、インジウム(In)、セレン(Se)、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、ガリウム(Ga)等が挙げられる。
一態様において、脱水素触媒は、アルミニウムを含む担体に、第14族金属元素及び白金を含む担持金属が担持された触媒であってよい。他の一態様において、脱水素触媒は、アルミニウム及び第14族金属元素を含む担体に、白金を含む担持金属が担持された触媒であってもよい。
担体は、アルミニウムを含む無機酸化物担体であることが好ましい。アルミニウムを含む無機酸化物は、金属としてアルミニウムを単一に含む酸化物であってよく、アルミニウムと他の金属との複合酸化物であってもよい。金属としてアルミニウムを単一に含む酸化物としては、例えば、アルミナ(Al)であってよい。アルミニウムと他の金属との複合酸化物としては、例えば、アルミニウムとマグネシウム(Mg)との複合酸化物、アルミニウムとスズ(Sn)との複合酸化物、アルミニウムと鉛(Pb)との複合酸化物、アルミニウムと亜鉛(Zn)、セレン(Se)、鉄(Fe)、インジウム(In)等との複合酸化物等であってよい。
アルミニウムを含む無機酸化物担体としては、例えば、アルミナ、アルミナマグネシア、シリカアルミナ、ジルコニアアルミナ、スピネル型構造物(マグネシウムスピネル)等の無機酸化物を含む担体が挙げられる。
担体におけるアルミニウムの含有量は、担体の全量基準で25質量%以上であってよく、50質量%以上であることが好ましい。
担体の比表面積は、例えば30m/g以上であってよく、50m/g以上であることが好ましい。これにより、インダンの転化率を高くするという効果が奏される。また、担体の比表面積は、例えば1000m/g以下であってよく、500m/g以下であることが好ましい。これにより、工業的に好適に利用可能な十分な強度を有する担体とすることができる。なお、本明細書中、担体の比表面積は、窒素吸着法を用いたBET比表面積計で測定される。
担体の調製方法は特に制限されず、例えば、ゾルゲル法、共沈法、水熱合成法等が挙げられる。
脱水素触媒における白金の含有量は、脱水素触媒の全量基準で0.6~4.0質量%である。白金の担持量は、脱水素触媒の全量基準で、好ましくは0.7質量%以上である。また、白金の担持量は、脱水素触媒の全量基準で、好ましくは3.5質量%以下である。このような担持量であると、触媒上で形成される白金粒子が脱水素反応に好適なサイズとなり易く、単位白金重量あたりの白金表面積が大きくなるため、より効率的な反応系が実現できる。
脱水素触媒における白金に対する第14族金属元素の原子比は、4.0~20.0であり、好ましくは7.0~20.0である。また、上記比は、より好ましくは18.0以下である。比が上記範囲であると、副反応がより顕著に抑制され、かつ、インダンの転化率が一層向上する傾向がある。
脱水素触媒における第14族金属元素の含有量は特に限定されず、例えば、上述の比を満たす範囲で適宜変更してよい。第14族金属元素の担持量は、脱水素触媒の全量基準で、例えば1.5質量%以上であり、好ましくは2.5質量%以上である。また、第14族金属元素の担持量は、脱水素触媒の全量基準で、例えば25質量%以下であり、好ましくは15質量%以下である。
第14族金属元素は、例えば、ゲルマニウム(Ge)、スズ(Sn)及び鉛(Pb)からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。これらの中でも、第14族金属元素がスズである場合、本発明の効果が一層顕著に奏される。
脱水素触媒は、白金源及びスズ源を用いて、担体に白金及びスズを担持させたものであってよい。白金源としては、例えば、テトラアンミン白金(II)酸、テトラアンミン白金(II)酸塩(例えば、硝酸塩等)、テトラアンミン白金(II)酸水酸化物溶液、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸硝酸溶液、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸エタノールアミン溶液等が挙げられる。スズ源としては、例えば、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等が挙げられる。白金源及びスズ源としては、塩素原子を含まない金属源を用いることが好ましい。塩素原子を含まない金属源を用いることで、装置の腐食を抑制でき、より効率的にインダンの脱水素を行うことができる。
担持金属の担持方法は特に限定されず、例えば、含浸法、沈着法、共沈法、混練法、イオン交換法、ポアフィリング法が挙げられる。
担持方法の一態様を以下に示す。まず、担持金属の前駆体(第14族金属元素源及び白金源)を含む溶液に担体を加え、溶液を含んだ担体を混練する。その後、乾燥により溶媒を除去し、得られた固体を焼成することで、担持金属を担体上に担持させることができる。
焼成は、例えば、空気雰囲気下又は酸素雰囲気下で行うことができる。焼成は一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。焼成温度は、担持金属の前駆体を分解可能な温度であればよく、例えば200~1000℃であってよく、400~800℃であってもよい。なお、多段階の焼成を行う場合、少なくともその一段階が上記焼成温度であればよい。他の段階での焼成温度は、例えば上記と同じ範囲であってよく、100~200℃であってもよい。
脱水素触媒は押出成形法、打錠成型法等の方法で成形されていてよい。
脱水素触媒は、成形性を向上させる観点から、触媒の物性や触媒性能を損なわない範囲において、成形助剤を更に含有していてもよい。成型助剤は、例えば、増粘剤、界面活性剤、保水剤、可塑剤、バインダー原料等からなる群より選択される少なくとも一種であってよい。脱水素触媒を成形する成形工程は、成形助剤の反応性を考慮して脱水素触媒の製造工程の適切な段階で行ってよい。
脱水素触媒の形状は、特に限定されるものではなく、触媒を使用する形態により適宜選択することができる。例えば、脱水素触媒の形状は、ペレット状、顆粒状、ハニカム状、スポンジ状等の形状であってよい。
脱水素触媒は、前処理として還元処理が行われたものを用いてもよい。還元処理は、例えば、還元性ガスの雰囲気下、40~600℃で脱水素触媒を保持することで行うことができる。保持時間は、例えば0.05~24時間であってよい。還元性ガスは、例えば、水素、一酸化炭素等を含むものであってよい。還元処理を行った脱水素触媒を用いることで、脱水素反応の初期の誘導期を短くすることができる。脱水素反応の初期の誘導期とは、脱水素触媒中の担持金属のうち、還元されて活性状態にあるものが非常に少なく、触媒の活性が低い状態をいう。
次いで、製造方法Aにおける脱水素工程について詳述する。
製造方法Aでは、脱水素工程において、インダンを含む原料組成物を脱水素触媒に接触させる。これにより、インダンの脱水素反応が生じ、インデンを含む反応生成物が得られる。
原料組成物は、インダン以外の成分を更に含有していてよい。例えば、原料組成物は、窒素、アルゴン等の不活性ガスやスチーム、水素、酸素、一酸化炭素、炭酸ガス、アルカン類、オレフィン類等を更に含有していてよい。
原料組成物としてインダン以外の成分を含有するとき、原料組成物におけるインダンのモル分率は、0.1以上とすることが好ましく、0.2以上とすることがより好ましい。原料組成物におけるインダンのモル分率の上限は、特に限定されないが、例えば0.95以下であってよく、好ましくは0.9以下である。インダン以外の成分を含有させることにより、脱水素反応が進行し易くなり、触媒の活性低下が抑制される傾向がある。しかし、この成分を加熱するために多量のエネルギーを要するため、工業的には、適切な量とする必要がある。原料組成物におけるインダンのモル分率が上記範囲であると、脱水素反応に必要となるエネルギーがより抑制され、インダンを効率良く脱水素させることができる。
脱水素工程は、例えば、脱水素触媒を充填した反応器を用い、当該反応器に原料生成物を流通させることにより実施してよい。反応器としては、固体触媒による気相反応に用いられる種々の反応器を用いることができる。反応器としては、例えば、固定床断熱型反応器、ラジアルフロー型反応器、管型反応器等が挙げられる。
脱水素反応の反応形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。これらのうち、設備コストの観点から固定床式が好ましい。
原料組成物を脱水素触媒に接触させる際の温度は、脱水素反応の反応温度であり、反応器内の温度ということもできる。脱水素反応の反応温度は、反応効率の観点から、350~800℃であってよく、400~700℃であってよく、450℃~650℃であってよい。脱水素反応の反応温度が350℃以上であれば、インダンの平衡転化率が低くなりすぎないため、インデンの収率が一層向上する傾向がある。脱水素反応の反応温度が800℃以下であれば、コーキング速度が大きくなりすぎないため、脱水素触媒の高い活性がより長期にわたって維持される傾向がある。
原料組成物を脱水素触媒に接触させる際の圧力、すなわち反応器内の気圧は、0.01~4.0MPaであってよく、0.03~0.5MPaであってよく、0.01~0.3MPaであってよい。反応圧力が上記範囲にあれば脱水素反応が進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
脱水素工程を、原料を連続的に供給する連続式の反応形式で行う場合、液空間速度(以下、「LHSV」という。)は、0.01h-1以上であってよく、0.1h-1以上であってもよい。このようなLHSVであると、インダンの転化率をより高くすることができる。また、LHSVは100h-1以下であってよく、20h-1以下であってもよい。LHSVが上記範囲であると、反応器サイズをより小さくできる。ここで、LHSVとは、連続式の反応装置における、脱水素触媒の容量Lに対する原料の供給速度(供給量/時間)Fの比(F/L)である。なお、原料及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、LHSVは上記範囲に限定されるものではない。
製造方法Aは、テトラヒドロインデンを脱水素反応させて、インダンを得る原料合成工程を更に備えてもよい。このような製造方法においては、反応器に上記脱水素触媒(以下、「第二の脱水素触媒」ともいう。)以外の触媒を更に充填してもよい。
例えば、製造方法Aでは、反応器の第二の脱水素触媒より前段に、テトラヒドロインデンからインダンへの脱水素反応を触媒する固体触媒(以下、「第一の脱水素触媒」ともいう。)が更に充填されていてもよい。第二の脱水素触媒は、インダンからインデンへの脱水素反応の反応活性に特に優れるため、第二の脱水素触媒の前段に第一の脱水素触媒を充填することで、テトライドロインデンからインデンをより効率的に製造することができる。
第一の脱水素触媒としては、テトラヒドロインデンの脱水素反応の触媒であれば、特に制限無く用いることができる。例えば、第一の脱水素触媒としては、脱水素反応の触媒として用いられるクロム/Al系触媒、白金/Al系触媒、Fe-K系触媒、酸化的脱水素反応の触媒としてよく用いられるBi-Mo系触媒等を用いることができる。
製造方法Aにおいて、精製工程における精製方法は特に限定されず、上述のインデン組成物が得られる方法であればよい。
精製工程は、反応生成物の蒸留精製によりインデン組成物を得る工程であることが好ましい。製造方法Aによれば、反応の副生成物として、インデンと沸点の近い、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物が生成されるため、反応生成物の蒸留精製によって、上述のインデン組成物を容易に得ることができる。
(インデン組成物の製造方法B)
製造方法Bは、インダン及び分子状水素を含む原料ガスを脱水素触媒に接触させて、インデンを含む反応生成物を得る脱水素工程と、反応生成物を精製して上述のインデン組成物を得る精製工程と、を備える。この製造方法において、上記脱水素触媒は、アルミニウムを含む担体と、当該担体に担持された担持金属とを有し、上記担持金属は第14属金属元素及び白金を含み、上記脱水素触媒における白金に対する第14属金属元素の原子比は、8.0以下である。
このような製造方法では、反応の副生成物として、インデンと沸点の近い、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物が生成される(すなわち、反応生成物が当該炭化水素化合物を含む)。このため、上記製造方法で得られる反応生成物を、蒸留等の通常の精製方法で処理することで、上述のインデン組成物を容易に得ることができる。
製造方法Bで用いる脱水素触媒は、アルミニウムを含む担体と、担体に担持された担持金属とを含む触媒である。担持金属には、第14属金属元素及び白金が含まれる。ここで、第14属金属元素とは、IUPAC(国際純正応用化学連合)の規定に基づく長周期型の元素の周期表における周期表第14族に属する金属元素を意味する。第14族金属元素としては、例えば、スズ(Sn)及び鉛(Pb)が挙げられる。
脱水素触媒の調製方法は特に限定されず、担体に第14属金属元素を担持させた後、白金を更に担持させる方法であってよく、担体に白金を担持させた後、第14属金属元素を更に担持させる方法であってもよく、担体に第14属金属元素及び白金を同時に担持させる方法であってもよい。
担体は、アルミニウムを含む無機酸化物担体であることが好ましい。担体は、例えば、アルミナ(Al)を含む担体であってよく、Alと他の金属との複合酸化物を含む担体であってもよい。より具体的には、例えば、金属酸化物担体は、アルミナ、AlとMgとの複合酸化物、AlとSnとの複合酸化物、AlとPbとの複合酸化物、AlとZn、Se、Fe、In等との複合酸化物などの金属酸化物を含む担体であってよい。担体におけるAlの含有量は、担体の全質量基準で25質量%以上であってよく、50質量%以上であることが好ましい。Alを含有する無機酸化物担体としては、例えば、アルミナ、アルミナマグネシア、シリカアルミナ、ジルコニアアルミナ、スピネル型構造物(マグネシウムスピネル)等の無機酸化物を含む担体が挙げられる。
担体の調製方法は特に制限されず、例えば、ゾルゲル法、共沈法、水熱合成法等が挙げられる。
担体の比表面積は、例えば30m/g以上であってよく、50m/g以上であることが好ましい。これにより、インダンの転化率がより向上する傾向がある。また、担体の比表面積は、例えば1000m/g以下であってよく、500m/g以下であることが好ましい。このような比表面積を有することで、工業的に好適に利用可能な十分な強度を有する担体とすることができる。なお、担体の比表面積は、窒素吸着法を用いたBET比表面積計で測定される。
脱水素触媒において、第14属金属元素及び白金を含む担持金属は、それぞれが単一の酸化物として存在していてよく、他の金属との複合酸化物として存在していてもよく、金属塩又は金属単体として存在していてもよい。
脱水素触媒は、担体に、金属源(担持金属を含有する化合物)を用いて担持金属を担持させたものであってよい。
白金源としては、例えば、例えば、テトラアンミン白金(II)酸、テトラアンミン白金(II)酸塩(例えば、硝酸塩等)、テトラアンミン白金(II)酸水酸化物溶液、ジニトロジアンミン白金(II)硝酸溶液、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸硝酸溶液、ヘキサヒドロキソ白金(IV)酸エタノールアミン溶液等が挙げられる。白金源は、白金(白金)を有し、塩素原子を有しない化合物であることが好ましい。
白金の担持量は、脱水素触媒の全量基準で0.1質量%以上であり、好ましくは0.5質量%以上である。また、白金の担持量は、脱水素触媒の全量基準で5.0質量%以下であり、好ましくは3.0質量%以下である。このような担持量であると、触媒上で形成される白金粒子が脱水素反応に好適なサイズとなり、単位白金重量あたりの白金表面積が大きくなるため、より効率的な反応系が実現できる。
第14族金属元素の一例としてスズが挙げられる。スズ源としては、例えば、スズ酸ナトリウム、スズ酸カリウム等が挙げられる。スズ源は、スズ(Sn)を有し、塩素原子を有しない化合物であることが好ましい。
脱水素触媒において、白金(Pt)に対する第14属金属元素(M)の原子比(M/Pt)は、8.0以下であり、好ましくは6.5以下であり、さらに好ましくは5.0以下である。また、白金(Pt)に対する第14属金属元素(M)の原子比(M/Pt)は、好ましくは1.0以上であり、より好ましくは3.5以上である。原子比が上記範囲であると、インデンの収率が一層向上する傾向がある。
脱水素触媒は、第14属金属元素及び白金以外の他の金属元素を更に含有していてもよい。他の金属元素としては、例えば、リチウム(Li)、ナトリウム(Na)、カリウム(K)、マグネシウム(Mg)、カルシウム(Ca)、亜鉛(Zn)、鉄(Fe)、インジウム(In)、セレン(Se)、アンチモン(Sb)、ニッケル(Ni)、ガリウム(Ga)等が挙げられる。
担持金属の担持方法は特に限定されず、例えば、含浸法、沈着法、共沈法、混練法、イオン交換法、ポアフィリング法が挙げられる。
担持方法の一態様を以下に示す。まず、担持金属の前駆体(金属源)を含む溶液に担体を加え、溶液を含んだ担体を混練する。その後、乾燥により溶媒を除去し、得られた固体を焼成することで、担持金属を担体上に担持させることができる。
担持金属の前駆体は、塩素原子を含まない金属源であることが好ましい。塩素原子を含まない金属源を前駆体に用いることで、触媒調整時の装置の腐食を防止できる。
焼成は、例えば、空気雰囲気下又は酸素雰囲気下で行うことができる。焼成は一段階で行ってもよく、二段階以上の多段階で行ってもよい。焼成温度は、担持金属の前駆体を分解可能な温度であればよく、例えば200~1000℃であってよく、400~800℃であってもよい。なお、多段階の焼成を行う場合、少なくともその一段階が上記焼成温度であればよい。他の段階での焼成温度は、例えば上記と同じ範囲であってよく、100~200℃であってもよい。
脱水素触媒は、成形性を向上させる観点から、成形助剤を更に含有していてもよい。成形助剤は、例えば、増粘剤、界面活性剤、保水材、可塑剤、バインダー原料等であってよい。
脱水素触媒の形状は特に限定されず、例えば、ペレット状、顆粒状、ハニカム状、スポンジ状等の形状であってよい。また、脱水素触媒は、押出成形法、打錠成型法等の方法で成形されたものであってよい。
次いで、製造方法Bにおける脱水素工程について詳述する。
脱水素工程は、インダン及び分子状水素(以下、単に水素ともいう。)を含む原料ガスを脱水素触媒に接触させて、インデンを含む反応生成物を得る工程である。脱水素工程では、インダンの少なくとも一部が脱水素反応によりインデンに変換される。製造方法では、原料ガスが水素を含むため、水素存在下で脱水素反応が進行する。
原料ガスにおいて、インダンに対する分子状水素のモル比(分子状水素/インダン)は、5.0以下であることが好ましく、3.5以下であることより好ましい。これにより、熱力学的平衡制約の影響が小さくなり、脱水素反応がより効率良く進行する傾向がある。また、原料ガスにおけるインダンに対する分子状水素のモル比(分子状水素/インダン)は、0.01以上であることが好ましく、0.05以上であることがより好ましい。これにより、分子状水素の存在によって奏される上述の効果がより顕著に得られ、インデンを高収率で得ることができる。
原料ガスは、インダン及び分子状水素以外に、窒素、アルゴン等の不活性ガスを更に含有していてもよい。また、原料ガスは、スチームを更に含有していてもよい。また、原料ガスは、一酸化炭素、炭酸ガス、アルカン類、オレフィン類等を更に含有していてもよい。インダン及び分子状水素以外の他の成分の合計含有量は、例えば、インダンに対して10.0倍モル以下であってよく、インダンに対して5.0倍モル以下が好ましく、0であってもよい。
脱水素工程では、例えば、脱水素触媒が充填された反応器を用い、当該反応器に原料ガスを流通させることにより脱水素反応を実施してよい。反応器としては、固体触媒による気相反応に用いられる種々の反応器を用いることができる。反応器としては、例えば、固定床断熱型反応器、ラジアルフロー型反応器、管型反応器等が挙げられる。
脱水素反応の反応形式は、例えば、固定床式、移動床式又は流動床式であってよい。これらのうち、設備コストの観点から固定床式が好ましい。
原料ガスを脱水素触媒に接触させる際の温度(脱水素反応の反応温度、又は、反応器内の温度ということもできる。)は、反応効率の観点から、例えば350~800℃であってよく、400~700℃であってよく、450℃~650℃であってよい。反応温度が350℃以上であれば、インダンの平衡転化率が低くなりすぎないため、インデンの収率が一層向上する傾向がある。反応温度が800℃以下であれば、コークの生成速度が抑制され、脱水素触媒の高い活性をより長期にわたって維持することができる。
原料ガスを脱水素触媒に接触させる際の圧力(脱水素反応の反応圧力、又は、反応器内の圧力ということもできる。)は、例えば0.01~4.0MPaであってよく、0.03~0.5MPaであってよく、0.01~0.3MPaであってよい。反応圧力が上記範囲にあれば脱水素反応が進行し易くなり、一層優れた反応効率が得られる傾向がある。
脱水素工程を、原料を連続的に供給する連続式の反応形式で行う場合、質量空間速度(以下、「WHSV」という。)は、0.01h-1以上であってよく、0.1h-1以上であってもよい。このようなWHSVであると、インダンの転化率をより高くすることができる。また、WHSVは100h-1以下であってよく、20h-1以下であってもよい。このようなWHSVであると、反応器サイズをより小さくできる。ここで、WHSVとは、連続式の反応装置における、脱水素触媒の質量Wに対する原料の供給速度(供給量/時間)Fの比(F/W)である。なお、原料及び触媒の使用量は、反応条件、触媒の活性等に応じて更に好ましい範囲を適宜選定してよく、WHSVは上記範囲に限定されるものではない。
製造方法Bは、テトラヒドロインデンの脱水素反応により、インダンを得る原料合成工程を更に備えていてもよい。
このような製造方法では、反応器の下流側に上述の脱水素触媒(以下、第二の脱水素触媒ともいう。)を充填し、反応器の上流側にテトラヒドロインデンをインダンに変換するための脱水素触媒(以下、第一の脱水素触媒ともいう。)を充填してもよい。上述の脱水素触媒(第二の脱水素触媒)は、インダンからインデンへの脱水素反応の反応活性に優れるため、第二の脱水素触媒の前段に第一の脱水素触媒を充填することで、テトラヒドロインデンからインデンを効率良く製造することができる。
第一の脱水素触媒としては、テトラヒドロインデンの脱水素反応を触媒する固体触媒を特に制限なく用いることができる。例えば、第一の脱水素触媒としては、脱水素反応の触媒として用いられるクロム/Al系触媒、白金/Al系触媒、Fe-K系触媒、酸化的脱水素反応の触媒としてよく用いられるBi-Mo系触媒等を用いることができる。
製造方法Bにおいて、精製工程における精製方法は特に限定されず、上述のインデン組成物が得られる方法であればよい。
精製工程は、反応生成物の蒸留精製によりインデン組成物を得る工程であることが好ましい。製造方法Bによれば、反応の副生成物として、インデンと沸点の近い、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物が生成されるため、反応生成物の蒸留精製によって、上述のインデン組成物を容易に得ることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
白金担持量が3.0質量%となるように白金をアルミナ-酸化スズ担体(スズ含有量23質量%)に担持することによって、触媒を調製した。上記触媒を充填した流通式管型反応器を用いて、テトラヒドロインデン(東京化成工業(株)製)を原料として、185℃、0.15MPa、WHSV=3.0h-1の条件で反応を行い、インダンを含有する反応生成物を得た。
次いで、マグネシア-アルミナ担体上に白金及びスズを、白金担持量が1.0質量%、スズ担持量が2.7質量%となるように担持することによって、触媒を調製した。上記触媒を充填した流通式管型反応器を用いて、上記反応生成物を原料として、500℃、常圧、水素共存下、WHSV=1.0h-1の条件で反応を行い、インデンを含む反応生成物を得た。
得られたインデンを含む反応生成物を蒸留精製することにより、インデン組成物を得た。インデン純度が80質量%、90質量%、95質量%、98質量%及び99質量%のインデン組成物をそれぞれ調製し、各インデン組成物の組成を、質量分析計を備えたガスクロマトグラフ装置にて分析したところ、表1に示すとおりとなった。また、各インデン組成物の硫黄含有量を紫外蛍光法にて測定したところ、表1に示すとおりとなった。更に、各インデン組成物を目視で確認したところ、いずれのインデン組成物でも着色はなかった。
Figure 0007278060000003
(比較例1)
コールタール由来のインデンについて、ガスクロマトグラフィー法によってインデン純度及びベンゾニトリルの含有量を測定した。また、紫外蛍光法により硫黄含有量を測定した。更に、目視で着色の有無を確認した。結果を表2に示す。
(比較例2)
比較例1とは異なる製造元のコールタール由来のインデンについて、ガスクロマトグラフィー法によってインデン純度及びベンゾニトリルの含有量を測定した。また、紫外蛍光法により硫黄含有量を測定した。更に、目視で着色の有無を確認した。結果を表2に示す。
Figure 0007278060000004

Claims (5)

  1. インデンの含有量が80~99.5質量%のインデン組成物の製造方法であって、
    インダンを含む原料組成物を脱水素触媒に接触させて、インデンを含む反応生成物を得る脱水素工程と、
    前記反応生成物を精製して前記インデン組成物を得る精製工程と、
    を備え、
    前記脱水素触媒が、アルミニウムを含む担体と、当該担体に担持された第14族金属元素及び白金と、を含み、
    前記脱水素触媒における前記白金の含有量が、前記脱水素触媒の全量基準で0.6~4.0質量%であ
    前記インデン組成物において、前記インデン以外の成分に占める、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物の含有割合が90質量%以上であり、
    前記インデン組成物のベンゾニトリルの含有量が0.5質量%以下、前記インデン組成物の硫黄の含有量が5質量ppm以下であり、
    前記炭化水素化合物が、ビシクロ(4,3,0)-2,9-ノナジエン、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインデン及びオクタヒドロ-4,7-メタノインデンからなる群より選択される少なくとも一種の脂環式化合物を含有する、製造方法。
  2. インデンの含有量が80~99.5質量%のインデン組成物の製造方法であって、
    インダン及び分子状水素を含む原料ガスを脱水素触媒に接触させて、インデンを含む反応生成物を得る脱水素工程と、
    前記反応生成物を精製して前記インデン組成物を得る精製工程と、
    を備え、
    前記脱水素触媒が、アルミニウムを含む担体と、当該担体に担持された担持金属とを有し、
    前記担持金属が、第14属金属元素及び白金を含み、前記脱水素触媒における前記白金に対する前記第14属金属元素の原子比が、8.0以下であり、
    前記インデン組成物において、前記インデン以外の成分に占める、5員環及び6員環の縮合環構造を有する炭素数9又は10の炭化水素化合物の含有割合が90質量%以上であり、
    前記インデン組成物のベンゾニトリルの含有量が0.5質量%以下、前記インデン組成物の硫黄の含有量が5質量ppm以下であり、
    前記炭化水素化合物が、ビシクロ(4,3,0)-2,9-ノナジエン、ヘキサヒドロ-4,7-メタノインデン及びオクタヒドロ-4,7-メタノインデンからなる群より選択される少なくとも一種の脂環式化合物を含有する、製造方法。
  3. 前記インデン組成物において、前記脂環式化合物の含有量が、0.1~1質量%である、請求項1又は2に記載の製造方法。
  4. 前記炭化水素化合物が、インダン、メチルインダン及びメチルインデンからなる群より選択される少なくとも一種の芳香族化合物を含有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の製造方法。
  5. 前記インデン組成物において、前記芳香族化合物の含有量が0.1~19.9質量%である、請求項4に記載の製造方法。
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