JPH09301898A - 高純度インデンの製造方法 - Google Patents

高純度インデンの製造方法

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JPH09301898A
JPH09301898A JP12194596A JP12194596A JPH09301898A JP H09301898 A JPH09301898 A JP H09301898A JP 12194596 A JP12194596 A JP 12194596A JP 12194596 A JP12194596 A JP 12194596A JP H09301898 A JPH09301898 A JP H09301898A
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JP
Japan
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indene
weight
light oil
tar
benzonitrile
Prior art date
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Pending
Application number
JP12194596A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazuki Sugiura
一樹 杉浦
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Air Water Inc
Original Assignee
Sumikin Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベンゾニトリルの含有量の少ない高純度のイ
ンデンの製造。 【解決手段】 インデンを含有するタール系軽油に、固
体のアルカリ特に実質的に無水の水酸化カリウムまたは
水酸化ナトリウムを添加して100℃以上の温度で加熱
処理し、析出した不溶分を除去したのち、蒸留すること
からなる高純度インデンの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインデンを含有する
タール系軽油に含まれるベンゾニトリルを除去し、高純
度のインデンを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】インデンは、コールタールから分別され
るタール軽油またはコークス炉ガス軽油から分別される
重質軽油等のタール系軽油に比較的多量に含まれてい
る。しかしながら、タール系軽油中にはアルキルベンゼ
ン、ベンゾフラン、ベンゾニトリル等の多種の不純物が
多量に含まれており、特にベンゾニトリルとは沸点が近
似しているため、これから高純度のインデンを回収する
ことは困難である。
【0003】インデンはインデン・クマロン樹脂用途の
他に、最近医薬、農薬の原料としての用途が増加しつつ
あるが、この用途に用いる場合には、不純物の少ない、
特に反応性に富むベンゾニトリルの含有量の少ない高純
度のインデンが求められている。
【0004】インデン含有油から不純物を除去する方法
はこれまでに種々試みられている。例えば特公昭62−
32731号公報によれば、インデンを含有するタール
系軽油を蒸留してインデン分50重量%以上の留分を
得、ついでこれをアルカリ水溶液で洗浄したのち、再度
蒸留することにより高純度インデンを回収する方法が提
案されている。しかしこの方法ではフェノールは効率よ
く除去されるが、ベンゾニトリルは蒸留後のインデン成
分に比べて却って増加している。
【0005】又、特公昭62−40337号公報によれ
ば、インデンを含有するコールタール留分にフェノール
類を添加したのち、蒸留してインデンを主成分とする留
分を採取し、ついで該留分からフェノールを除去するこ
とによりインデンを製造している。しかしこの方法では
ベンゾニトリルは除去できるが、その後、添加したフェ
ノールを除去する必要があり、そのために多量のアルカ
リ水溶液で処理する必要がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のとおり、従来の
インデン含有油からの不純物除去方法は、ベンゾニトリ
ルの含有量の少ない高純度インデンの製造方法としては
満足すべきものではなかった。本発明の発明者らはこれ
ら従来法の問題点を解決する方法について検討した結
果、簡単な操作により、ベンゾニトリルを殆ど完全に除
去することができ、またアルキルベンゼン等、その他の
不純物も効果的に除去され、高純度インデンが得られる
ことを見いだした。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明はインデンを含有
するタール系軽油に、固体のアルカリを添加して100
℃以上の温度で加熱処理し、析出した不溶分を除去した
のち、蒸留することを特徴とする高純度インデンの製造
方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する原料は、コール
タールから分別されるタール軽油またはコークス炉ガス
軽油から分別される重質軽油等のインデンを含有するタ
ール系軽油であるが、インデン含有量や大量入手可能性
等の点からコールタールから分別されるタール軽油が原
料として適しており、好適には160℃〜200℃の留
分を主とするものを用いる。
【0009】ベンゾニトリル等の不純物を除去するため
に添加するアルカリはアルカリ金属水酸化物、例えば水
酸化カリウム、水酸化ナトリウム等を使用することがで
きるが、特に水酸化カリウムが好ましい。またアルカリ
金属アルコラート、例えばナトリウムやカリウムのメト
キサイド、ブトキサイド等も使用できるが、アルカリ金
属アルコラートを用いた場合は反応中の攪拌が困難とな
るので、操作性の点ではアルカリ金属水酸化物が好まし
い。
【0010】これらのアルカリは固体状であり、フレー
ク状あるいはペレット状のものを使用することができ
る。またこれらのアルカリは潮解等により少量の水分を
含有するのは差し支えないが、実質的に無水のものが好
ましい。アルカリ水溶液を使用するとベンゾニトリルの
除去が充分に行われない。
【0011】アルカリの添加量は含有するベンゾニトリ
ルに対して1〜3倍量(モル比)が好ましい。これより
少いとベンゾニトリルの除去が充分に行われない。又3
倍以上添加しても、それ程効果は上らないので経済的に
は不利であり、また攪拌が困難になる等の不利な点もあ
る。
【0012】処理温度は100℃以上の温度が必要であ
る。100℃未満の温度で行うとベンゾニトリルの除去
率が低下する。また加熱時間は通常0.5〜5時間で行
われる。
【0013】反応終了後は、濾過、デカンテーション、
水洗等により不溶分の除去、分離を行った後蒸留により
アルキルベンゼン類等、その他の不溶分を除去し高純度
のインデンが得られる。
【0014】
【実施例】以下実施例により本発明を具体的に説明す
る。 [実施例1]タール系軽油100重量部(インデン5
8.2重量%、ベンゾニトリル2.8重量%含有)に水
酸化カリウム4重量部を添加し、140℃で2時間加熱
処理を実施した。反応液を冷却後遠心濾過にて不溶分を
除去し、処理軽油93重量部(インデン63重量%、ベ
ンゾニトリル0.06重量%含有)を得た。この処理軽
油を、理論段数40段の蒸留塔を用い、還流比20の条
件で蒸留し、純度97重量%の精製インデン(ベンゾニ
トリル0.04重量%含有)47重量部を回収した。原
料タール系軽油、アルカリ処理後の軽油、及び蒸留後の
精製インデンの各成分について、その組成(ガスクロマ
トグラフ分析による)を表1に示す。
【0015】[実施例2]実施例1において、タール系
軽油100重量部(インデン44.1重量%、ベンゾニ
トリル2.1重量%含有)に水酸化カリウム3重量部を
添加した以外は、実施例1と同じ方法にてアルカリ処理
及び蒸留による精製操作を実施したところ、純度97重
量%の精製インデン(ベンゾニトリル0.07重量%含
有)30重量部を回収した。各成分の組成を表2に示
す。
【0016】[実施例3]実施例1において、タール系
軽油100重量部(インデン58.2重量%、ベンゾニ
トリル2.8重量%含有)にカリウム−t−ブトキシ
8.5重量部を添加し、100℃で2時間加熱処理を実
施した以外は実施例1と同じ方法にて精製を行ったとこ
ろ、純度97重量%の精製インデン(ベンゾニトリル
0.03重量%含有)45重量部を回収した。
【0017】[実施例4]実施例1において、タール系
軽油100重量部(インデン58.2重量%、ベンゾニ
トリル2.8重量%含有)に水酸化ナトリウム3重量部
を添加し、160℃で5時間加熱処理を実施した以外
は、実施例1と同じ方法にて精製を行ったところ、純度
97重量%の精製インデン(ベンゾニトリル0.08重
量%含有)40重量部を回収した。
【0018】[実施例5]実施例1において、タール系
軽油100重量部(インデン58.2重量%、ベンゾニ
トリル2.8重量%含有)に水酸化カリウム4重量部を
添加し、120℃で4時間加熱処理を実施した以外は、
実施例1と同じ方法にて精製を行ったところ、純度97
重量%の精製インデン(ベンゾニトリル0.05重量%
含有)46重量部を回収した。
【0019】[比較例1]タール系軽油100重量部
(インデン58.2重量%、ベンゾニトリル2.8重量
%含有)に水酸化カリウム4重量部を添加し、90℃で
4時間加熱処理を実施した。反応液を冷却後、遠心濾過
にて不溶分を除去し、アルカリ処理軽油95重量部(イ
ンデン61重量%、ベンゾニトリル2.2重量%含有)
を得た。ベンゾニトリルの除去率は、15%にとどまっ
た。得られた処理軽油を、実施例1と同じ方法にて精製
を行い、精製インデン42重量部を回収したが、純度9
5重量%、ベンゾニトリル含有量は2.2重量%であっ
た。
【0020】[比較例2]タール系軽油100重量部
(インデン58.2量%、ベンゾニトリル2.8重量%
含有)に20重量%水酸化カリウム水溶液21重量部を
添加し、110℃で4時間加熱処理を実施した。反応液
を冷却後、液液分離を実施し、アルカリ処理軽油94重
量部(インデン62重量%、ベンゾニトリル1.0重量
%含有)を得た。ベンニトリルの除去率は、63%にと
どまった。得られた処理軽油を、実施例1と同じ方法に
て精製を行い、精製インデン47重量部を回収したが、
純度95重量%、ベンゾニトリル含有量は0.9重量%
であった。
【0021】[比較例3]タール系軽油100重量部
(インデン58.2重量%、ベンゾニトリル2.8重量
%含有)に20重量%水酸化カリウム水溶液21重量部
を添加し、30℃で20時間加熱処理を実施した。反応
液を液液分離し、アルカリ処理軽油96重量部(インデ
ン61重量%、ベンゾニトリル2.9重量%含有)を得
た。ベンニトリルの除去率は0%であった。得られた処
理軽油を、実施例1と同じ方法にて精製を行い、精製イ
ンデン40重量部を回収したが、純度95重量%、ベン
ゾニトリル含有量は3.1重量%であった。
【0022】
【表1】
【0023】
【表2】
【0024】
【発明の効果】本発明により、簡単な操作によりインデ
ンを含有するタール系軽油から、分離が困難なベンゾニ
トリルを効果的に除去し、医薬、農薬等の原料として有
用な高純度インデンの製造することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インデンを含有するタール系軽油に、固
    体のアルカリを添加して100℃以上の温度で加熱処理
    し、析出した不溶分を除去したのち、蒸留することを特
    徴とする高純度インデンの製造方法。
  2. 【請求項2】 固体のアルカリが実質的に無水の水酸化
    カリウムまたは水酸化ナトリウムであることを特徴とす
    る請求項1記載の高純度インデンの製造方法。
JP12194596A 1996-05-16 1996-05-16 高純度インデンの製造方法 Pending JPH09301898A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2018193749A1 (ja) 2017-04-18 2018-10-25 三菱瓦斯化学株式会社 インダンカルボアルデヒドの製造方法
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